JP2009103032A - 非対称スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】体積効率が高く、且つ、消費動力が削減される非対称スクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】非対称スクロール圧縮機は、固定スクロール(42)に設けられ、渦巻き方向でみて渦巻き溝(56)の外端領域に開口し、自身を通じて渦巻き溝(56)の外端領域に作動流体を供給する第1の吸入孔(66)と、固定スクロール(42)に設けられ、内側圧縮室(58b)及び外側圧縮室(58a)のうち少なくとも一方になる領域に連通可能な第2の吸入孔(68)と、第2の吸入孔(68)を開閉可能であり、内側圧縮室(58b)及び外側圧縮室(58a)のうち少なくとも一方になる領域への第2の吸入孔(68)を通じた作動流体の供給を許容する開閉弁(72)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、非対称スクロール圧縮機に関する。
例えば冷媒等の作動流体の圧縮に使用されるスクロール圧縮機には、固定スクロールが渦巻き形状の渦巻き溝を有する非対称スクロール圧縮機がある(例えば、特許文献1参照)。
固定スクロールの渦巻き溝は、可動スクロールの渦巻き壁を旋回可能に収容し、可動スクロールの旋回運動に伴い、可動スクロールと固定スクロールとの間には作動流体を吸入しながら圧縮室が発生する。そして、発生した圧縮室は、渦巻き溝に沿って固定スクロールの径方向中央に向けて移動する。この移動中、圧縮室の容積が減少することにより吸入した作動流体が圧縮され、そして、径方向中央にて圧縮された作動流体が圧縮室から吐出される。
特許第3635826号公報
非対称スクロール圧縮機においては、固定スクロールに形成された1つの吸入孔のみを通じて、渦巻き溝の外端領域に作動流体が供給される。この場合、圧縮室になる領域中、圧縮室の進行方向でみて前側の部分には、外端領域からの流路長が長く、流動抵抗により作動流体が供給され難い。このため、非対称スクロール圧縮機においては、体積効率の低下が生じていた。特に、非対称スクロール圧縮機の場合、可動スクロールの渦巻き壁の内側に発生する圧縮室(内側圧縮室)よりも、その外側に発生する圧縮室(外側圧縮室)の方が大きく、外側圧縮室に対して作動流体が供給され難い。
また、圧縮室になる領域の前側の部分においては、渦巻き壁と渦巻き溝の側壁とが摺接するシール点近傍の圧力が局所的に低くなり、可動スクロールを旋回させるために余分な動力を要していた。
本発明は上述した事情に基づいてなされ、その目的とするところは、体積効率が高く、且つ、消費動力が削減される非対称スクロール圧縮機を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、本発明によれば、可動スクロールの渦巻き壁と当該渦巻き壁を旋回可能に収容した固定スクロールの渦巻き溝の側壁との間にて、前記可動スクロールの旋回に伴い前記渦巻き壁の内側及び外側に内側圧縮室及び当該内側圧縮室よりも大の外側圧縮室がそれぞれ発生し、発生した前記内側圧縮室及び外側圧縮室が前記渦巻き溝に沿って前記固定スクロールの径方向中央に向けて移動する非対称スクロール圧縮機において、前記固定スクロールに設けられ、渦巻き方向でみて前記渦巻き溝の外端領域に開口し、自身を通じて前記渦巻き溝の外端領域に作動流体を供給する第1の吸入孔と、前記固定スクロールに設けられ、前記内側圧縮室及び外側圧縮室のうち少なくとも一方になる領域に連通可能な第2の吸入孔と、前記第2の吸入孔を開閉可能であり、前記内側圧縮室及び外側圧縮室のうち少なくとも一方になる領域への前記第2の吸入孔を通じた作動流体の供給を許容する開閉手段とを備えることを特徴とする非対称スクロール圧縮機が提供される(請求項1)。
好ましくは、前記開閉手段は、前記可動スクロールの旋回に伴い回転して前記第2の吸入孔を開閉する弁体を有する(請求項2)。
好ましくは、前記第2の供給孔は、前記外側圧縮室になる領域に連通可能であり、前記渦巻き溝において前記第2の吸入孔が開口する位置は、前記外側圧縮室が発生したときの前記渦巻き壁と前記渦巻き溝の側壁との2つのシール点のうち、前記外側圧縮室の進行方向でみて前側のシール点から、前記渦巻き溝の側壁に対応するインボリュート曲線の角度θでみて90°以内である(請求項3)。
本発明の請求項1の非対称スクロール圧縮機では、第1の吸入孔に加えて、第2の吸入孔を通じて、外側圧縮室及び内側圧縮室になる領域のうち少なくとも一方に作動流体が供給される。このため、外側圧縮室又は内側圧縮室になる領域に効率的に作動流体が供給され、非対称スクロール圧縮機の体積効率が向上する。
また、第2の吸入孔を通じて外側圧縮室又は内側圧縮室になる領域に効率的に作動流体が供給される結果、外側圧縮室になる領域中、前側のシール点近傍において、圧力が低くなることが防止される。このため、可動スクロールの旋回に必要な動力が削減され、非対称スクロール圧縮機の消費動力が削減される。
請求項2の非対称スクロール圧縮機では、開閉手段が弁体を有し、弁体が可動スクロールの旋回に伴い回転して第2の吸入孔を開閉することにより、簡単な構成にて、第2の吸入孔を通じて外側圧縮室又は内側圧縮室になる領域に作動流体が供給される。
請求項3の非対称スクロール圧縮機では、渦巻き溝において第2の吸入孔が開口する位置が、外側圧縮室が発生したときの前側のシール点から、インボリュート曲線の角度θでみて90°以内であることにより、前側のシール点近傍において、圧力が低くなることが確実に防止される。
図1は、本発明の第1実施形態の非対称スクロール圧縮機を示す。このスクロール圧縮は、例えば冷凍システム、空調システム、又は給湯システム等に適用され、作動流体としての冷媒等を圧縮する。
このスクロール圧縮機は、ハウジング(密閉容器)2を備えている。ハウジング2は、円筒部4と、円筒部4の上端及び下端に気密にそれぞれ嵌合された上蓋6及び下蓋8とからなる。円筒部4にはハウジング2内に作動流体を導入するための吸入管10が接続され、上蓋6には、ハウジング2内で圧縮された作動流体を吐出するための吐出管12が接続されている。なお、ハウジング2は、図の上下方向が鉛直方向に一致するように設置される。
円筒部4内には電動モータ14が収容され、電動モータ14は円筒状のステータ14aを有する。ステータ14aは円筒部4に固定され、ステータ14aの内側には円柱状のロータ14bが回転可能に同心上に配置されている。
ロータ14bは駆動軸16によって軸線方向に貫通され、駆動軸16はロータ14bと一体に回転可能である。従って、駆動軸16は電動モータ14への通電によって回転駆動される。
駆動軸16の下端は、仕切り壁18の中央孔まで達している。仕切り壁18の中央孔には、駆動軸16の下端を囲む鍔付きのスリーブ20が固定され、スリーブ20と駆動軸16との間にすべり軸受22が介挿されている。
仕切り壁18は、ハウジング2内を上下に区画し、仕切り壁18と下蓋8との間には、潤滑油を貯留する貯油室24が区画される。仕切り壁18には潤滑油の導入孔18aが形成され、仕切り壁18の上面に付着した潤滑油は、導入孔18aを通じて貯油室24に流入する。
仕切り壁18には、スリーブ20の下端を閉塞するようにエンドプレート26も固定され、スリーブ20の鍔に形成された凹所には、内歯を有するアウタロータ28aと外歯を有するインナロータ28bとが収容されている。
アウタロータ28aは凹所の外周面に固定され、インナロータ28bは駆動軸16の下端に一体的に回転可能に嵌合している。すなわち、スリーブ20、エンドプレート26、アウタロータ28a、及びインナロータ28bはトロコイドポンプ30を構成し、スリーブ20、エンドプレート26は、トロコイドポンプ30のケーシングを構成している。
エンドプレート26の下面に開口したトロコイドポンプ30の入口は、貯油室24を望み、仕切り壁18に固定されたノズル32を通じて、貯油室24の底近傍と連通している。一方、エンドプレート26の上面に開口したトロコイドポンプ30の出口には、駆動軸16の下端面が面している。
駆動軸16には、自身を軸線方向に貫通する内部流路16aが形成され、内部流路16aの入口は、駆動軸16の下端面に開口している。このため内部流路16aは、トロコイドポンプ30の出口と連通している。内部流路16aの出口は、駆動軸16の上端面にて開口している。
なお、駆動軸16の上端部は、偏心軸34に成形され、偏心軸34は、すべり軸受36を介してボス38に囲まれている。ボス38は、可動スクロール40の鏡板(基板)40aの背面に一体に形成されている。偏心軸34、すべり軸受36、及びボス38は、駆動軸16の回転運動を可動スクロール40の旋回運動に変換するための変換機構を構成している。
可動スクロール40は、上ブロック42と下ブロック(センタフレーム)44との間に形成されたスペース内に旋回可能に配置され、上ブロック42及びセンタフレーム44は、それぞれ円筒部4に溶接により固定されている。
より詳しくは、センタフレーム44の上端部には、可動スクロール40の鏡板40aを旋回可能に収容する凹所が形成され、当該凹所の底面46の中央には、ボス38を受け入れる中間孔48が開口している。中間孔48の底面とセンタフレーム44の下端との間にはシャフト孔が延び、シャフト孔と駆動軸16との間には、すべり軸受50が介挿されている。従って、駆動軸16は、ハウジング2によって、すべり軸受22及びすべり軸受50を介して回転可能に支持されている。
可動スクロール40の鏡板40aと凹所の底面46とは、駆動軸16の軸線方向にて所定の隙間を存して対向しており、これらの間には、可動スクロール40の旋回中、可動スクロール40の自転を阻止する自転阻止装置が設けられている。自転阻止装置は、例えば、複数のピン52を有し、各ピン52の根元は、鏡板40aの背面に開口したピン穴に圧入されている。各ピン52の先端部は、凹所の底面46に開口した有底穴54に受け入れられている。
上ブロック42の下端部には、可動スクロール40の渦巻き形状の渦巻き壁40bを旋回可能に収容する渦巻き形状の渦巻き溝56が形成されており、上ブロック42と可動スクロール40との間に圧縮室58が形成される。つまり上ブロック42は、固定スクロールとしての機能を有する。このため以下では、上ブロック42を固定スクロール42とも称する。
また固定スクロール42には吐出孔60が形成され、吐出孔60は固定スクロール42の略中央部を軸線方向に貫通している。圧縮室58で圧縮された作動流体は、吐出孔60を通じて圧縮室58から吐出される。
吐出孔60は、吐出弁62としてのリード弁によって開閉され、吐出弁62はカバー64によって覆われている。カバー64内の空間は、固定スクロール42、センタフレーム44及びロータ14bにそれぞれ形成された、作動流体及び作動流体に含まれる潤滑油のための下降流路(図示せず)や、ステータ14aにおけるスロット間の隙間を通じて仕切り壁18まで繋がっている。そして、ステータ14a、センタフレーム44及び固定スクロール42の外周には、仕切り壁18から上蓋6、即ち吐出管12まで達する作動流体のための上昇流路が形成されている。
図2は、図1中のII−II線に沿う断面図であり、固定スクール42には、渦巻き方向でみたときの渦巻き溝56の外端領域と、吸入管10の内端とを繋ぐ第1の吸入孔66が形成されている。第1の吸入孔66の開口は、渦巻き溝56の外端領域の底面に開口している。
また、固定スクロール42には、第2の吸入孔68が形成され、第2の吸入孔68の一端は、渦巻き溝56の外端領域に開口している。具体的には、第2の吸入孔68の一端は、渦巻き溝56の半円筒形状の端壁に開口している。なお、第2の吸入孔68は、第1の吸入孔66から分岐されていてもよく、吸入管10の内端と連通していればよい。
第2の吸入孔68の他端は、渦巻き溝56の側壁のうち、固定スクロール42の径方向でみて外側の側壁(外側壁)に形成された凹み70の底面に開口している。そして、第2の吸入孔68には、当該第2の吸入孔68を開閉可能な開閉弁72が介挿されている。
図3に示したように、凹み70にはシール板74が配置されている。シール板74の外形は、凹み70の形状にほぼ一致しており、シール板74は、凹み70のほぼ全域に亘って広がっている。つまり、シール板74の厚さは、凹み70の深さと略同じであり、シール板74は、渦巻き溝56の外側壁の曲率に合致するように湾曲している。
シール板74は、一端が凹み70に固定されているけれども、他端は自由である。そして、シール板74は、弾性的に湾曲可能な材料からなる。凹み70内には、圧縮コイルばねからなる開放ばね76が配置され、開放ばね76は、シール板74の他端を凹み70の外に向けて付勢している。この付勢力によって、シール板74に可動スクロール40の渦巻き壁40bが摺接していなければ、シール板74の他端が凹み70からはみ出し、第2の吸入孔68の他端が、凹み70を通じて渦巻き溝56と連通する。
ここで、再び図2を参照すると、図2は、可動スクロール40の径方向でみて渦巻き壁40bの外側にて、圧縮室58が発生したときの状態を示している。以下では、渦巻き壁40bの外側の圧縮室58を外側圧縮室58aといい、渦巻き壁40bの内側の圧縮室58を内側圧縮室58bという。
発生した外側圧縮室58aは、可動スクロール40の渦巻き壁40bの外端40eから、渦巻き壁40bの所定の部位40fに亘っており、当該部位40fは、渦巻き壁40bに対応するインボリュート曲線の角度θでみて、渦巻き壁40bの外端40eから360°離間している。
つまり、渦巻き壁40bの外端40e及び部位40fが、渦巻き溝56の外側壁に対してそれぞれ摺接して2つのシール点を構成し、これにより外側圧縮室58aが発生する。発生した外側圧縮室58aは、可動スクロール40の旋回に伴い、渦巻き溝56に沿って径方向中央に向けて移動し、図2の配置から可動スクロール40が360°旋回すると、再び図2と同じ配置になる。
可動スクロール40の旋回に伴い、外側圧縮室58aを形成する2つのシール点は、渦巻き溝56の側壁及び渦巻き壁40bに沿って移動する。なお、2つのシール点のうち、外側圧縮室58aの進行方向でみて後ろ側のシール点が、渦巻き壁40bの外端40eによって形成されたときに外側圧縮室58aが発生する。そして、外側圧縮室58aは、可動スクロール40が360°旋回するたびに発生し、1つ前に発生した外側圧縮室58aにおける後ろ側のシール点は、次に発生する外側圧縮室58aにおける前側のシール点でもある。
シール点が移動するのは、渦巻き壁40bの内側で発生する内側圧縮室58bについても同様であるが、内側圧縮室58bは、図2の配置から可動スクロール40が180°旋回したときに発生する。則ち、非対称型スクロール圧縮機では、外側圧縮室58aと内側圧縮室58bとでこれらの発生時期が相違する。
ここで渦巻き溝56の外側壁において、第2の吸入孔68の他端が開口する位置は、可動スクロール40の部位40fが摺接する外側壁の部位56fに対して、外側圧縮室58aの進行方向でみて後ろ側(下流側)にある。好ましくは、第2の吸入孔68の他端が開口する位置は、部位56fから、外側壁に対応するインボリュート曲線の角度θでみて90°以内の位置にある。換言すれば、第2の吸入孔68の他端が開口する位置は、発生した外側圧縮室58aの上流側に位置するのが好ましい。
開閉弁72は、シール板74と渦巻き壁40bとの摺接が終了した直後に開作動するように構成され、これにより、外側圧縮室58aになる領域に、第2の吸入孔68を通じて作動流体が供給される。つまり、外側圧縮室58aを形成することになる前側のシール点が、第2の吸入孔68の他端の開口位置を通過した後、開閉弁72が開作動し、外側圧縮室58aになる領域に第2の吸入孔68を通じて作動流体が供給される。
そして、開閉弁72は、渦巻き壁40bの外端40eによって後ろ側のシール点が形成されて外側圧縮室58aが発生した後、閉作動するように構成されている。つまり開閉弁72は、第2の吸入孔68を開閉可能であって、少なくとも外側圧縮室58aが形成される直前から、外側圧縮室58aが形成されるまで、第2の吸入孔68を通じた作動流体の供給を許容する。
なお、開閉弁72としては、例えば、逆止弁や電磁制御弁を用いることができる。
上述した第1実施形態のスクロール圧縮機にあっては、電動モータ14に電力を供給すると、ロータ14b及び駆動軸16が回転駆動され、駆動軸16の回転は、偏心軸34、すべり軸受36及びボス38により、可動スクロール40の旋回運動に変換される。可動スクロール40が旋回している間、可動スクロール40の自転運動は自転阻止装置によって阻止される。
可動スクロール40が固定スクロール42に対して旋回するのに伴い、可動スクロール40と固定スクロール42との間では、可動スクロール40及び固定スクロール42の径方向外側にて外側圧縮室58a及び内側圧縮室58bが発生し、発生した外側圧縮室58a及び内側圧縮室58bが縮小しながら径方向中央に向けて移動する。この際、外側圧縮室58aになる領域及び内側圧縮室58bになる領域には、吸入管10及び第1の吸入孔66を通じて作動流体が供給され、外側圧縮室58a及び内側圧縮室58bが発生したとき、外側圧縮室58a及び内側圧縮室58bの内部には作動流体が充填されている。
なお、可動スクロール40の渦巻き壁40bの外端40eは、可動スクロール40の旋回に伴い、第1の吸入孔66の開口の端部にかかるのみである。
その上、渦巻き壁40bの外側で発生する外側圧縮室58aになる領域には、第1の吸入孔66のみならず、第2の吸入孔68を通じて、作動流体が供給される。
かくして外側圧縮室58a及び内側圧縮室58bに充填された作動流体は、外側圧縮室58a及び内側圧縮室58bの縮小によって圧縮され、外側圧縮室58aと内側圧縮室58bとが1つの圧縮室58になって吐出孔60と連通したときに、圧縮された作動流体が圧縮室58から吐出される。圧縮室58から吐出された作動流体は、ハウジング2内を流れた後、吐出管12を通じて吐出される。
上述したスクロール圧縮機では、第1の吸入孔66に加えて、第2の吸入孔68を通じて、外側圧縮室58aになる領域に作動流体が供給される。このため、外側圧縮室58aになる領域に効率的に作動流体が供給され、スクロール圧縮機の体積効率が向上する。
また、第2の吸入孔68を通じて外側圧縮室58aになる領域に効率的に作動流体が供給される結果、外側圧縮室58aになる領域中、前側のシール点近傍において、圧力が低くなることが防止される。このため、可動スクロール40の旋回に必要な動力が削減され、スクロール圧縮機の消費動力が削減される。
特に、渦巻き溝56において第2の吸入孔68が開口する位置が、前側のシール点から、インボリュート曲線の角度θでみて90°以内であることにより、前側のシール点近傍において、圧力が低くなることが確実に防止される。
図4は、第2実施形態のスクロール圧縮機の図2に相当する断面図を示している。
第2実施形態のスクロール圧縮機は、開閉弁72に代えて、ロータリ弁80を有する。ロータリ弁80は、図5及び図6に拡大して示したように、平面形状が円形の弁体82を有し、弁体82は、渦巻き溝56の底面に形成された凹み84に回転可能に収容されている。弁体82の外形は凹み84の形状に略等しく、凹み84の平面形状も円形であり、凹み84の深さは弁体82の厚さに略等しい。
なお、図5においては、可動スクロール40の渦巻き壁40bを1点鎖線にて示した。
弁体82には開口部82aが形成され、開口部82aは、弁体82の中心から外れた部分に位置し、平面形状が略半円形状を有する。弁体82と可動スクロール40の渦巻き壁40bとの間には、連結ピン86が設けられ、例えば連結ピン86の両端は、弁体82及び渦巻き壁40bにそれぞれ形成されたピン孔88,90に挿入されている。弁体82のピン孔88は、弁体82の中心から可動スクロール40の旋回半径に相当する距離だけ離間しており、且つ、連結ピン86は、ピン孔88,90のうち一方に対して相対回転可能である。このため、可動スクロール40の旋回に伴い、弁体82は、凹み84内にて回転する。
一方、固定スクロール42には、第2の吸入孔92が形成され、第2の吸入孔92は、吸入管10の内端から、凹み84の底面まで延びている。具体的には、第2の吸入孔92は、凹み84の上方まで到達する横孔94と、横孔94と凹み84とを連通する2つの縦孔96a,96bとからなり、2つの縦孔96a,96bは、渦巻き溝56の幅方向に離間している。
縦孔96a,96bは、凹み84の底面に開口しており、弁体82の開口部82aは、弁体82の回転に伴い、周期的に縦孔96a,96bの開口に重なる。縦孔96a,96bは、弁体82の開口部82aと重なっているときには開放され、重なっていないときには弁体82によって閉塞される。
ここで、図4が、可動スクロール40の旋回角度が0°のときの配置を示しているとすると図7〜図11は、旋回角度が60°、120°、180°、240°及び300°のときの配置をそれぞれ示している。
図4及び図7〜図11に示したように、外側圧縮室58aになる領域には、第2の吸入孔92の一部を構成する縦孔96aを通じて、外側圧縮室58aになる領域に作動流体が供給される。また、内側圧縮室58aになる領域には、第2の吸入孔92の一部を構成する縦孔96bを通じて、内側圧縮室58bになる領域に作動流体が供給される。
見方を変えれば、固定スクロール42には、縦孔96aと横孔94とからなる第2の吸入孔と、縦孔96bと横孔94とからなる第2の吸入孔とがある。ロータリ弁80は、これら第2の吸入孔を別々に開閉可能であり、少なくとも外側圧縮室58a及び内側圧縮室58bが形成される直前から、外側圧縮室58a及び内側圧縮室58bが形成されるまでのそれぞれの間、各第2の吸入孔を通じた作動流体の供給を許容する。
上述した第2実施形態のスクロール圧縮機では、第1の吸入孔66に加えて、第2の吸入孔92を通じて、外側圧縮室58aになる領域及び内側圧縮室58bになる領域に作動流体が充填される。これにより、スクロール圧縮機の体積効率が向上するとともに消費動力が削減される。
また、第2実施形態のスクロール圧縮機では、開閉手段としてのロータリ弁80が弁体82を有し、可動スクロール40の旋回に伴い弁体82が回転して第2の吸入孔92を開閉することにより、簡単な構成にて、第2の吸入孔92を通じて外側圧縮室58a及び内側圧縮室58になる領域に作動流体が供給される。
本発明は、上述した第1実施形態及び第2実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。
第1実施形態のスクロール圧縮機では、第2の吸入孔68の他端の開口位置が、渦巻き溝56の外側壁の部位56fから、当該外側壁に対応するインボリュート曲線の角度θでみて、90°以内の位置にあったけれども、より後ろ側にあってもよい。
また、第2実施形態のスクロール圧縮機では、固定スクロール42に2つの縦孔96a,96bを形成したけれども、いずれか一方のみを形成してもよい。このように外側圧縮室58aになる領域と内側圧縮室58bになる領域のうち、いずれか一方のみに第2の吸入孔92を通じて作動流体を供給するときには、外側圧縮室58aの方が、内側圧縮室58bよりも大きいため、外側圧縮室58aになる領域に第2の吸入孔92を通じて作動流体を供給するのが好ましい。
更に、第2実施形態のスクロール圧縮機には、1つのロータリ弁80を設けたけれども、2つ以上のロータリ弁を設けてもよい。例えば、外側圧縮室58aになる領域に作動流体を供給するためのロータリ弁と、内側圧縮室58bになる領域に作動流体を供給するためのロータリ弁とを別々に設けてもよい。
本発明に係るスクロール圧縮機は、種々の作動流体の圧縮に適用可能であるが、好ましい使用例として、HFC系に比べて環境に優しいCOガスの圧縮に用いられる。
本発明の第1実施形態のスクロール圧縮機を示す縦断面図である。 図1中のII―II線に沿う断面図である。 図2のシール板近傍の拡大図である。 第2実施形態のスクロール圧縮機における図1のII―II線に沿う断面図である。 図4のロータリ弁近傍の拡大図である。 図5のロータリ弁の縦断面を示す図である。 図4の配置から可動スクロールが60°旋回したときの配置を示す図である。 図4の配置から可動スクロールが120°旋回したときの配置を示す図である。 図4の配置から可動スクロールが180°旋回したときの配置を示す図である。 図4の配置から可動スクロールが240°旋回したときの配置を示す図である。 図4の配置から可動スクロールが300°旋回したときの配置を示す図である。
符号の説明
40 可動スクロール
40b 渦巻き壁
42 固定スクロール
56 渦巻き溝
58a 外側圧縮室
58b 内側圧縮室
66 第1の吸入孔
68 第2の吸入孔
72 開閉弁(開閉手段)

Claims (3)

  1. 可動スクロールの渦巻き壁と当該渦巻き壁を旋回可能に収容した固定スクロールの渦巻き溝の側壁との間にて、前記可動スクロールの旋回に伴い前記渦巻き壁の内側及び外側に内側圧縮室及び当該内側圧縮室よりも大の外側圧縮室がそれぞれ発生し、発生した前記内側圧縮室及び外側圧縮室が前記渦巻き溝に沿って前記固定スクロールの径方向中央に向けて移動する非対称スクロール圧縮機において、
    前記固定スクロールに設けられ、渦巻き方向でみて前記渦巻き溝の外端領域に開口し、自身を通じて前記渦巻き溝の外端領域に作動流体を供給する第1の吸入孔と、
    前記固定スクロールに設けられ、前記内側圧縮室及び外側圧縮室のうち少なくとも一方になる領域に連通可能な第2の吸入孔と、
    前記第2の吸入孔を開閉可能であり、前記内側圧縮室及び外側圧縮室のうち少なくとも一方になる領域への前記第2の吸入孔を通じた作動流体の供給を許容する開閉手段と
    を備えることを特徴とする非対称スクロール圧縮機。
  2. 前記開閉手段は、前記可動スクロールの旋回に伴い回転して前記第2の吸入孔を開閉する弁体を有することを特徴とする請求項1に記載の非対称スクロール圧縮機。
  3. 前記第2の供給孔は、前記外側圧縮室になる領域に連通可能であり、
    前記渦巻き溝において前記第2の吸入孔が開口する位置は、前記外側圧縮室が発生したときの前記渦巻き壁と前記渦巻き溝の側壁との2つのシール点のうち、前記外側圧縮室の進行方向でみて前側のシール点から、前記渦巻き溝の側壁に対応するインボリュート曲線の角度θでみて90°以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非対称スクロール圧縮機。
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