JP2009102129A - ロール紙供給機構およびロール紙プリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】繰り出しローラ付きのロール紙収納部を備えたロール紙供給機構において、ロール紙の幅方向のガタ付きを除去するための付勢部材を適切に配置することにより、ロール紙が繰り出しローラから浮き上がってしまうことを確実に防止できるようにすること。
【解決手段】ロール紙供給機構3では、ロール紙収納部31に収納されたロール紙2の重心を通る垂線Vの一方の側の位置Dから記録紙2aが引き出され、他方の側に繰り出しローラ35が位置し、垂線Vと記録紙2aの引き出し位置Dの間に、付勢部材41の付勢面41aが位置するように構成されている。付勢面41aを中心として、記録紙の引き出し力F1、ロール紙2の自重、繰り出しローラ35の繰り出し力F2により、ロール紙2の浮き上がりを防止する方向のモーメントが作用し、ロール紙2が繰り出しローラ35に接触した状態に保持される。
【選択図】図2
【解決手段】ロール紙供給機構3では、ロール紙収納部31に収納されたロール紙2の重心を通る垂線Vの一方の側の位置Dから記録紙2aが引き出され、他方の側に繰り出しローラ35が位置し、垂線Vと記録紙2aの引き出し位置Dの間に、付勢部材41の付勢面41aが位置するように構成されている。付勢面41aを中心として、記録紙の引き出し力F1、ロール紙2の自重、繰り出しローラ35の繰り出し力F2により、ロール紙2の浮き上がりを防止する方向のモーメントが作用し、ロール紙2が繰り出しローラ35に接触した状態に保持される。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロール紙収納部に横置き状態で転動可能にロール紙を収納し、ここから長尺状の記録紙を繰り出してプリンタの印字部などに向けて供給するロール紙供給機構に関する。更に詳しくは、ロール紙を載せた繰り出しローラを回転させながら記録紙の繰り出し動作を行い、ロール紙が小径になっても繰り出しローラから浮き上がることのないようにしたロール紙供給機構およびロール紙プリンタに関する。
レシートなどを発行するロール紙プリンタでは、記録媒体として、長尺状の記録紙をロール状に巻き付けた構成のロール紙が用いられる。ロール紙供給機構としては、上側から横置き状態で投入されたロール紙を転動可能に収納する、投げ込み式のロール紙収納部を備えたものが知られている。投げ込み式のロール紙収納部に収納されたロール紙から引き出された記録紙は、紙送りローラおよび印刷位置を経由する搬送路に配置され、紙送りローラによって記録紙が引き出されると、それに追従してロール紙が転動して記録紙が繰り出される。
記録紙が引き出される際にロール紙が左右にガタ付くと、記録紙が蛇行する、紙送り負荷の変動が大きくなるなどの弊害が発生する。そこで、従来においては、ロール紙の円形端面を弾性部材によって付勢して幅方向にガタ付くことの無い様に保持している。また、小径になって重量が軽くなったロール紙が弾性部材による弾性力によって浮き上がった状態のまま保持されることが無いように、ロール径が大きい間は大きな弾性力でロール紙を付勢し、ロール径が小さくなると小さな弾性力でロール紙を付勢するようにしている。特許文献1には、このような弾性部材を備えたロール紙保持機構が開示されている。
一方、投げ込み式のロール紙収納部では、ロール紙の慣性負荷、ロール紙とロール紙収納部の底面の間の摩擦力などに抗して、ロール紙を回転させて記録紙を繰り出す必要がある。紙送り速度を上げると、それに伴って紙送りローラに作用する紙送り負荷も大きくなり、紙送りに滑りが生じ、紙送り精度が低下するおそれがある。紙送り負荷を低減して、正確な紙送りを行うために、特許文献2、3に開示されているように、ロール紙収納部の底に、ロール紙を繰り出し方向に回転させるための繰り出しローラを配置したロール紙供給機構が提案されている。
特開2005−306535号公報
特開2007−203563号公報
特開2007−203564号公報
特許文献2、3に開示の繰り出しローラを備えたロール紙供給機構においても、ロール紙収納部の幅は、ロール紙の幅に対するバラツキを見込んで、ロール紙の幅よりも僅かに大きい幅に設定されているので、弾性部材によってロール紙を幅方向に付勢してガタ付きを防止することが望ましい。この場合、ガタ付き防止用の弾性部材の付勢力によって、ロール径が小さくなって軽くなったロール紙が底から浮き上がったままの状態に保持されてしまうと、ロール紙が繰り出しローラから離れてしまい、ロール紙を回転させて記録紙を繰り出しことができなくなってしまう。
したがって、特許文献1に開示されているように、ロール径が大きい間は大きな弾性力でロール紙を押さえ、ロール径が小さくなると小さな弾性力でロール紙を押える弾性部材を取り付け、ロール径が小さくなった場合にロール紙が浮き上がったままの状態に保持されることを防止することが考えられる。
しかしながら、繰り出しローラを備えたロール紙供給機構では、ロール紙収納部に収納されているロール紙には、繰り出しローラによる繰り出し力が作用すると共に、ロール紙からの記録紙引き出し位置にはプリンタ側の紙送りローラによる引張り力が作用する。したがって、ロール径が小さくなって軽くなるとロール紙が繰り出しローラから浮き上がり易くなり、弾性部材による付勢力が小さくすると、ロール紙が繰り出しローラから浮き上がり易くなってしまう。
また、ロール径が大きく重い状態であっても、記録紙引張り力および繰り出し力がロール紙を浮き上げる方向のモーメントとなってロール紙に作用すると、ロール紙が浮き上がる可能性が高い。このため、弾性部材によるロール紙の付勢位置を適切に設定しておかないと、単に、付勢力の大きさのみをロール径に応じて制御しても、ロール紙が繰り出しローラから離れる方向に浮き上がってしまうことを確実に防止できない。
本発明の課題は、この点に鑑みて、繰り出しローラ付きロール紙収納部を備えたロール紙供給機構において、ロール紙の幅方向のガタ付きを除去するための付勢部材を適切に配置することにより、ロール紙が繰り出しローラから浮き上がってしまうことを確実に防止できるようにすることにある。
上記の課題を解決するために、本発明のロール紙供給機構は:長尺状の記録紙がロール状に巻きつけられた構成のロール紙を横置き状態で転動可能に収納するロール紙収納部と;前記ロール紙収納部に収納した前記ロール紙を、前記記録紙が繰り出される繰り出し方向に回転させる繰り出しローラと;前記ロール紙収納部に収納したロール紙における左右の円形端面の少なくとも一方の円形端面を付勢する付勢部材とを有し;前記ロール紙収納部に収納したロール紙の中心軸線方向に沿って見た場合に、当該ロール紙の重心を通る垂線を挟み、一方の側のロール紙外周面部分から前記記録紙が引き出され、他方の側のロール紙外周面部分に前記繰り出しローラが当接しており;前記付勢部材による前記ロール紙の付勢位置は、前記重心を通る前記垂線と、前記記録紙が引き出される引き出し位置との間に位置していることを特徴としている。
本発明のロール紙供給機構では、ロール紙収納部に収納されたロール紙の重心を通る垂線の一方の側から記録紙が引き出され、他方の側に繰り出しローラが位置し、重心を通る垂線と記録紙の引き出し位置の間に、付勢部材の付勢位置が位置するように構成されている。この結果、付勢部材の付勢位置を中心として、記録紙の引き出し力がロール紙をロール紙収納部の底に押し付ける方向のモーメントとして作用し、ロール紙の自重もロール紙を底に押し付ける方向のモーメントとして作用し、繰り出しローラによる繰り出し力も、ロール紙を底に押し付ける方向のモーメントとして作用する。したがって、ロール紙がロール紙収納部から浮き上がって繰り出しローラから離れてしまうことを確実に防止できる。
また、本発明のロール紙供給機構は、前記垂線を挟み、前記繰り出しローラの反対側に前記ロール紙を支持する少なくとも一つのガイドローラを配置することを特徴とする。この結果、ロール紙の外周面がガイドローラと接することにより、ロール紙収納部の底部と直接接するときに比べ回転負荷変動が小さくなり、ロール紙の挙動を抑制することができ、浮き上がりを防止する効果がある。
また、本発明のロール紙供給機構では、前記ガイドローラは、前記垂線に対し前記付勢部材の側に配置することを特徴とする。この結果、付勢部材の付勢面による側面圧と共に小さな回転負荷でロール紙を挟み込むように作用するため、ロール紙が押さえられ、その挙動を抑制することができ、浮き上がりを防止する効果がある。
本発明でのロール紙供給機構では、ロール紙収納部に収納したロール紙の横方向(中心軸線方向)のガタ付きを抑制するための付勢部材の付勢位置を工夫することにより、ロール紙の引き出し力、ロール紙の自重および繰り出しローラの繰り出し力を利用して、ロール紙が浮き上がらないようにしている。したがって、繰り出しローラからロール紙が浮き上がって離れてしまい、ロール紙から記録紙を繰り出す動作が適切に行われなくなるという弊害を防止できる。
以下に、図面を参照して本発明を適用したロール紙プリンタの実施の形態を説明する。
(全体構成)
図1は本実施の形態に係るインクジェット式のロール紙プリンタの概略構成図である。ロール紙プリンタ1は、長尺状の記録紙2a(図においては太い一線鎖線で示してある。)をロール状に巻き取った構成のロール紙2が収納されるロール紙供給機構3を有している。ロール紙供給機構3に収納されたロール紙2から繰り出される長尺状の記録紙2aは、斜め上方に引き出された後に湾曲状の紙送りガイド4によって湾曲させられた後に水平方向に延びている搬送路5(記録紙2aを示す一線鎖線と同一の経路)に沿って搬送され、プリンタケース6に形成されている排出口7から排出される。
図1は本実施の形態に係るインクジェット式のロール紙プリンタの概略構成図である。ロール紙プリンタ1は、長尺状の記録紙2a(図においては太い一線鎖線で示してある。)をロール状に巻き取った構成のロール紙2が収納されるロール紙供給機構3を有している。ロール紙供給機構3に収納されたロール紙2から繰り出される長尺状の記録紙2aは、斜め上方に引き出された後に湾曲状の紙送りガイド4によって湾曲させられた後に水平方向に延びている搬送路5(記録紙2aを示す一線鎖線と同一の経路)に沿って搬送され、プリンタケース6に形成されている排出口7から排出される。
水平方向に延びている搬送路5の部分はロール紙供給機構3の真上に位置しており、当該搬送路部分には、インクジェットヘッド8およびプラテン9が一定のギャップで対向配置されており、プラテン9によってインクジェットヘッド8の印刷位置10が規定されている。
搬送路5におけるインクジェットヘッド8の上流側には上流側紙送りローラ11が配置されており、この上流側紙送りローラ11は紙送りモータ12によって回転駆動される。この上流側紙送りローラ11には押えローラ13が連れ回りするように押し付けられている。インクジェットヘッド8の下流側には、上流側紙送りローラ11と同期して回転する下流側紙送りローラ14が配置されており、この下流側紙送りローラ14には押えローラ15が連れ回りするように押し付けられている。排出口7の近傍にはオートカッタ16が配置されており、印刷後の記録紙2aの先端部分が所定の長さに幅方向に切断されるようになっている。
紙送りガイド4は所定の範囲で移動可能な状態で不図示のプリンタフレームに取り付けられており、ばね部材17によって記録紙2aに張力を与える方向に常に付勢されている。これによって、搬送路5に沿って引き出されている記録紙2aは一定の引張り状態に保持される。紙送りガイド4の近傍にはガイドセンサ18が配置されており、記録紙2aに弛みが発生して紙送りガイド4がばね部材17による付勢方向に移動すると、この移動がガイドセンサ18によって検出されるようになっている。
ロール紙供給機構3は上方に開口したロール紙収納部31を備えている。ロール紙収納部31は、プリンタ幅方向に延び、上方に広がった台形状断面の底板32と、この底板32の両側を封鎖している左右の側板33、34を備えている。底板32には、1本の繰り出しローラ35と、複数本、本例では3本の第1〜第3ガイドローラ36、37、38とが配置されている。これらのローラ35〜38はプリンタ幅方向に架け渡されている。繰り出しローラ35は繰り出しモータ39によって回転駆動される。3本の第1〜第3ガイドローラ36〜38は回転自在の状態で底板32に取り付けられている。
ここで、ロール紙プリンタ1の駆動制御部21は、不図示のコンピュータシステムなどの上位機器からの指令に基づき各部の駆動を制御する。印刷動作においては、紙送りモータ12を駆動して下流側紙送りローラ14および上流側紙送りローラ11を回転駆動すると共に、これに同期させて、ロール紙供給機構3の繰り出しモータ39を回転駆動して、記録紙2aの搬送動作を行う。また、記録紙2aの搬送に同期させてインクジェットヘッド8を駆動して印刷位置10を通過する記録紙2aの表面に印刷を施す。印刷終了後においては、オートカッタ16を駆動して記録紙2aを切断する。これにより、排出口7からは、記録紙2aを切断することによって得られる一定長さのレシート、チケットなどが発行されることになる。
駆動制御部21では、ガイドセンサ18からの検出信号に基づき、記録紙2aが、弛みが生ずることなく一定の張力状態で搬送されるように、上流側紙送りローラ11および下流側紙送りローラ14に同期させて、ロール紙供給機構3の繰り出しローラ35の駆動を制御する。
(ロール紙収納部)
図2はロール紙供給機構3のロール紙収納部31を示す図であり、図2(a)は側板33の側を示す説明図であり、図2(b)は側板34の側を示す説明図である。ロール紙収納部31の一方の側板34は、ロール紙2の一方の円形端面2cに対峙する平坦な垂直側面34aを備えている。これに対して、他方の側板33は、ロール紙2の他方の円形端面2bに対峙する平坦な垂直側面33aと、この垂直側面33aに開けた開口部33bからロール紙2の円形端面2bの側に突出している付勢部材41とを備えている。この付勢部材41は、台形状の断面のものであり、円形端面2bに接近および離れる方向に移動可能な状態で側板33に取り付けられている。また、背面側から不図示のばね部材によって突出方向に付勢されている。
図2はロール紙供給機構3のロール紙収納部31を示す図であり、図2(a)は側板33の側を示す説明図であり、図2(b)は側板34の側を示す説明図である。ロール紙収納部31の一方の側板34は、ロール紙2の一方の円形端面2cに対峙する平坦な垂直側面34aを備えている。これに対して、他方の側板33は、ロール紙2の他方の円形端面2bに対峙する平坦な垂直側面33aと、この垂直側面33aに開けた開口部33bからロール紙2の円形端面2bの側に突出している付勢部材41とを備えている。この付勢部材41は、台形状の断面のものであり、円形端面2bに接近および離れる方向に移動可能な状態で側板33に取り付けられている。また、背面側から不図示のばね部材によって突出方向に付勢されている。
付勢部材41の平坦な矩形の付勢面41a(図2(a)において斜線で示す部分)と、他方の側板34の垂直側面34aとの間隔は、ロール紙2の幅よりも僅かに狭い寸法とされている。したがって、ロール紙2をロール紙収納部31に上から挿入すると、付勢部材41が僅かに押し込まれ、当該付勢部材41の付勢面41aと、他方の側板34の垂直側面34aとの間に、ロール紙2がばね力によってガタ付きなく挟まれた状態になる。
(各部の位置関係)
まず、繰り出しローラ35と第1〜第3ガイドローラ36〜38の位置関係を説明する。ロール紙2を、その中心軸線の方向(横方向)から見た場合に、ロール紙2の重心Aを通る垂線Vに対して、記録紙2aの繰り出し側に第1〜第3ガイドローラ36〜38が配置され、反対側に、繰り出しローラ35が配置されている。繰り出しローラ35は矢印Bの方向に回転駆動され、ロール紙2は、繰り出しローラ35の側から第3、第2および第1ガイドローラ38、37、36を順次に経由する方向(矢印Cの方向)に回転しながら、第1ガイドローラ36との接触位置から記録紙2aが繰り出される。
まず、繰り出しローラ35と第1〜第3ガイドローラ36〜38の位置関係を説明する。ロール紙2を、その中心軸線の方向(横方向)から見た場合に、ロール紙2の重心Aを通る垂線Vに対して、記録紙2aの繰り出し側に第1〜第3ガイドローラ36〜38が配置され、反対側に、繰り出しローラ35が配置されている。繰り出しローラ35は矢印Bの方向に回転駆動され、ロール紙2は、繰り出しローラ35の側から第3、第2および第1ガイドローラ38、37、36を順次に経由する方向(矢印Cの方向)に回転しながら、第1ガイドローラ36との接触位置から記録紙2aが繰り出される。
このように、繰り出しローラ35が、ロール紙2の重心Aを通る垂線Vに対して、記録紙2aの繰り出し位置とは反対側に配置されている。記録紙2aを繰り出すための引張り力が作用してロール紙2がガイドローラ34〜36のいずれかのガイドローラから浮き上がった場合においても、ロール紙2は繰り出しローラ35に載った状態に保持され、ロール紙2の自重によるロール紙2と繰り出しローラ35の間の接触圧が確保される。この結果、繰り出しローラ35によって常にロール紙2を確実に回転させることができる。
また、ロール紙2の外径寸法が図において円2(1)で示す最大寸法から円2(2)で示す中程度の寸法になるまでの間は、最も離れた位置にある繰り出しローラ35と第1ガイドローラ36によってロール紙2が支持され、第2、第3ガイドローラ37、38には接しないようになっている。ロール紙2が円2(2)で示す寸法から更に小さな円2(3)で示す寸法になるまでの間は、繰り出しローラ35と第2ガイドローラ37によってロール紙2が支持され、第1、第3ガイドローラ36、38には接しないようになっている。ロール紙2が円2(3)で示す最小径になると、繰り出しローラ35と第3ガイドローラ38によってロール紙2が支持され、第1、第2ガイドローラ36、37には接しないようになっている。したがって、ロール紙2からの記録紙2aの引き出し位置Dは、ロール径が減少するのに伴って、ロール紙外周面における第1ガイドローラ36との接触位置36A、第2ガイドローラ37との接触位置37A、および、第3ガイドローラ38との接触位置38Aの順に切り替わっていく。
このように、ロール紙2はその外径寸法が変化しても、常に、繰り出しローラ35と、第1〜第3ガイドローラ36〜38のうちの1本のガイドローラとによって支持された状態が維持される。したがって、ロール紙2が繰り出しローラ35から外れてしまうことがない。よって、ロール紙2の自重によるロール紙2と繰り出しローラ35の接触圧が確保され、繰り出しローラ33によってロール紙2が確実に回転駆動される。また、ロール紙2の外周面がガイドローラ34〜36と接することにより、ロール紙収納部31の底部と直接接するときに比べ回転負荷変動が小さくなり、さらに付勢部材41の付勢面41aによる側面圧と共に小さな回転負荷でロール紙2を挟み込むように作用するため、ロール紙2が押さえられ、その挙動を抑制することができ、浮き上がりを防止する効果がある。
次に、付勢部材41の付勢面41aは、ロール紙2の重心Aを通る垂線Vと、ロール紙2からの記録紙引き出し位置D(接触位置36A、37A、38A)との間に位置するように配置されている。付勢面41aは、本例では、これらの間の位置において垂線Vに対して略45度の傾斜した方向に延びており、ロール紙2のロール径が最小径2(3)になるまでの間、当該ロール紙2の円形端面2bに接触した状態が維持される長さ寸法とされている。
付勢部材41の付勢面41aをこの位置となるようにしておくと、ロール紙2の浮き上がりを防止する方向のモーメントがロール紙2に作用する。まず、ロール紙2は、付勢面41aと反対側の垂直側面34aとの間に挟まれるので、付勢面41aにおけるロール紙円形端面2bとの接触領域の中心(付勢中心)を中心に回転しようとする。ロール紙2からの記録紙引き出し位置Dは、ロール紙2の重心Aに対して、付勢中心とは反対側のロール紙外周面上に位置している。したがって、記録紙引き出し位置D(接触位置36A,37A、38A)に作用する紙送りローラ側からの引き出し力F1によって、付勢中心を中心として、ロール紙2の浮き上がりを防止する方向のモーメントがロール紙2に作用する。次に、ロール紙2の自重によっても、付勢位置を中心として、ロール紙2の浮き上がりを防止する方向のモーメントがロール紙2に作用する。さらに、繰り出しローラ35は付勢中心に対してロール紙重心Aと同一の側のロール紙外周面に接しているので、当該繰り出しローラ35による繰り出し力F2によっても、付勢位置を中心として、ロール紙2の浮き上がりを防止する方向のモーメントがロール紙2に作用する。
このように、ロール紙2には浮き上がりを防止する方向に力が作用するので、ロール紙2の浮き上がりを防止でき、ロール紙2を常に繰り出しローラ35に接触した状態に保持できる。また、付勢ロール紙2が浮き上がって付勢部材41と垂直側面2cの間に保持されたままにならないように、付勢部材41の付勢力を小さくしておくことができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るロール紙プリンタ1におけるロール紙供給機構3では、ロール紙2のロール径が変化しても常にロール紙2を繰り出しローラ35に接触した状態に維持できる。したがって、ロール紙2の径が変化しても常に安定した繰り出し力でロール紙2を回転して記録紙2aを繰り出すことができる。よって、本実施の形態に係るロール紙プリンタ1では、精度良く紙送りを行うことができるので、印刷品位の低下を招くことなく高速印刷を行うことができる。
なお、本例では、ロール紙収納部31の一方の側板33に付勢部材41を配置したが、双方の側板33、34にそれぞれ付勢部材41を配置してもよい。また、付勢部材41の付勢面41aを細長い長方形としてあるが、付勢面41aの形状は長方形以外の形状であってもよいことは勿論である。
1 ロール紙プリンタ、2 ロール紙、2a 記録紙、2b 巻き芯、3 ロール紙供給機構、4 紙送りガイド、5 搬送路、6 プリンタケース、7 排出口、8 インクジェットヘッド、9 プラテン、10 印刷位置、11 上流側紙送りローラ、12 紙送りモータ、13 押えローラ、14 下流側紙送りローラ、15 押えローラ、16 オートカッタ、17 ばね部材、18 ガイドセンサ、21 駆動制御部、31 ロール紙収納部、32 底板、33,34 側板、35 繰り出しローラ、36 第1ガイドローラ、37 第2ガイドローラ、38 第3ガイドローラ、39 繰り出しモータ、41 付勢部材、41a 付勢面
Claims (4)
- 長尺状の記録紙がロール状に巻きつけられた構成のロール紙を横置き状態で転動可能に収納するロール紙収納部と、
前記ロール紙収納部に収納した前記ロール紙を、前記記録紙が繰り出される繰り出し方向に回転させる繰り出しローラと、
前記ロール紙収納部に収納した前記ロール紙における左右の円形端面の少なくとも一方の円形端面を付勢する付勢部材とを有し、
前記ロール紙収納部に収納した前記ロール紙の中心軸線方向に沿って見た場合に、当該ロール紙の重心を通る垂線を挟み、一方の側のロール紙外周面部分から前記記録紙が引き出され、他方の側のロール紙外周面部分に前記繰り出しローラが当接しており、
前記付勢部材による前記ロール紙の付勢位置は、前記重心を通る前記垂線と、前記記録紙が引き出される引き出し位置との間に位置していることを特徴とするロール紙供給機構。 - 請求項1に記載のロール紙供給機構において、
前記垂線を挟み、前記繰り出しローラの反対側に前記ロール紙を支持する少なくとも一つのガイドローラを配置することを特徴とするロール紙供給機構。 - 請求項2に記載のロール紙供給機構において、
前記ガイドローラは、前記垂線に対し前記付勢部材の側に配置することを特徴とするロール紙供給機構。 - 請求項1から3のいずれかに記載のロール紙供給機構を有していることを特徴とするロール紙プリンタ。
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-
2007
- 2007-10-24 JP JP2007276061A patent/JP2009102129A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110104 |