JP2009102019A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロードノイズ、転がり抵抗及びフラットスポット性能の全ての性能をバランスよく満足した空気入りタイヤを提供することにある。
【解決手段】少なくとも2層のコード層2,3からなる主ベルト1と、少なくとも1層のキャップ層4とを有し、キャップ層4の幅中央部5aは、所定の撚り及び繊度を有するナイロンコードを補強素子として用い、単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を17GPa/cm以下とし、キャップ層4の幅端部5bを、単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を35GPa/cm以上としかつ幅W1を8〜24mmとすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、低ロードノイズで転がり抵抗が小さい空気入りタイヤに関するものであり、特に、少なくとも二層のコード層からなるベルト(主ベルト)の外周側に、タイヤ周方向に対し実質上平行に延びる補強素子のゴム引き層からなるベルト補強層(補助ベルト)を配設した特定ベルト構造を有するタイヤ(具体的には、特開平11−208212号公報に記載されたタイヤ)よりも転がり抵抗の大幅な低減化を図るとともに、近年大きく取り上げられつつあるフラットスポットの低減化も図る。
車輌、特に乗用車においては、近年、低振動化、低燃費化、低公害化の改良が急激に進みつつあり、それに対応して、タイヤについても、従来に比べてより一層の騒音(特にロードノイズ)及び転がり抵抗の低減化を図ることが強く要求されるようになった。
従来のロードノイズの低減手段としては、最も基本的には、(1)タイヤトレッド部のゴムを軟化させる手法、(2)タイヤカーカスの形状を変化させてベルト層の張力を強化させる手法、(3)交差ベルト層の全部または両端部を周方向に配置されたコードをゴム引きした例えばナイロンコードの補強層で挟持することによりベルト周方向剛性を強化させる手法、および該補強層のジョイント部を分散させるためにタイヤ幅方向にらせん状に巻回する方法(例えば、特許文献1)を挙げることができる。
上記(1)〜(3)の方法は、長所と短所をそれぞれ併せ持つため、目的に応じて各方法を選択あるいは、組み合わせて用いられており、特に上記(3)の方法は、ロードノイズの低減のためよりもむしろ高速耐久性を向上させる方法としての方が広く知られており、現在の高性能、高品質タイヤにおいては、特に主流となりつつあるベルト構造である。
しかしながら、上記(1)の方法は、トレッドゴムを軟化させることによってロードノイズを低減できても、耐摩耗性が大きく低下し、また操縦安定性も大幅に悪化するため実用的ではなく、また、前記(2)の方法は、タイヤのベルト層の張力を強化することはできても、タイヤの横剛性およびコーナリング性能が低下し、トレッド部以外の部分までも接地し、外観上もよくなく、さらに、前記(3)の方法は、高速耐久性を向上させるとともにロードノイズの低減にも若干の効果はあるものの依然として、この程度のものでは満足できるものではなかった。
また、ロードノイズと転がり抵抗の双方を低減する手段としては、ベルト補強層の弾性を部分的に適正化を図る方法が有用であり、例えば、特許文献2には、ベルト補強層の幅方向中央部に位置する補強素子として低弾性のナイロンコードを用いるとともに、幅方向両端部に位置する補強素子として高弾性のポリエステルコードを用い、ベルト補強層の両端部の剛性を中央部のそれよりも高めることによって、ロードノイズと転がり抵抗の双方を低減したタイヤが記載されている。
特許文献2に記載されたタイヤは、従来タイヤに比べると、ロードノイズと転がり抵抗の双方をバランス良く低減することに成功したものの、タイヤに対する要求性能の基準は、年々厳しくなる傾向があり、かかる基準をクリアすべく、ロードノイズと転がり抵抗の双方をより一層改善することが必要である。
また、転がり抵抗を低減させるための手段として、例えばナイロンコードのような低弾性かつ低ロスのコードを用いることが有効であるが、ナイロンコードを用いると、いわゆるフラットスポット性能が悪化することが知られている。
ここで、「フラットスポット」とは、タイヤが走行により発熱し、カーカスプライコードが伸びた状態で走行を停止し、その後一定時間を経てタイヤが冷えたとき、タイヤの路面と接地していた部分のみが、コードが伸びた状態に保持される結果、再び走行が開始された際に振動を発生する現象をいい、フラットスポット性能は、近年重要視され始めたタイヤ性能の一つであり、かかる性能を良化することも望まれるところである。
特開平6−24208号公報 特開平11−208212号公報
この発明の目的は、キャップ層の幅中央部及び幅端部の単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率の適正化を図るとともに、配設したキャップ層の幅端部の配設幅を適正に設定することによって、特に、特許文献2に記載されたタイヤに比べてロードノイズと転がり抵抗の双方をより一層低減した空気入りタイヤを提供することにある。
更に、この発明は、キャップ層の幅中央部に、所定の撚り及び繊度を有するナイロンコードを補強素子として用い、キャップ層の幅中央部の単位幅当たりのタイヤ周方向引張り弾性率の適正化を図ることにより、フラットスポット性能に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明は、トロイド状に延びるカーカスのクラウン部とトレッド部との間に、少なくとも2層のコード層からなる主ベルトと、該主ベルトのタイヤ径方向外方に配置され、主ベルトの幅よりも大きな幅寸法をもち、タイヤ周方向に対し実質的に平行配列した補強素子のゴム引き層からなる少なくとも1層のキャップ層とを有する空気入りタイヤにおいて、キャップ層を幅中央部と両幅端部に区分するとき、キャップ層の、幅中央部は、所定の撚り及び繊度を有するナイロンコードを補強素子として用い、単位幅当たりのタイヤ周方向引張り弾性率を17GPa/cm以下とし、幅端部は、タイヤ周方向の引張り弾性率を35GPa/cm以上としかつ幅を8〜24mmとすることを特徴とする空気入りタイヤである。
加えて、キャップ層の幅端部を構成するゴム引き層の補強素子は、有機繊維コードであることが好ましく、より具体的には、キャップ層の幅端部の補強素子は、ポリエステルコード、レーヨンコード、ポリビニルアルコールコード又はアラミドコードであることがより好適である。
また、キャップ層の幅端部は、この配設幅よりも狭い幅寸法をもつ1本以上の補強素子をゴム引きした細いリボン状シートを、所定の幅寸法になるまでタイヤ幅方向に複数回らせん巻回することによって形成するか、あるいは、この配設幅と実質的に同一の幅寸法をもつ複数本の補強素子をゴム引きした帯状シートを、タイヤ径方向に積層巻回することによって形成することが好ましい。
さらに、キャップ層の幅端部は、タイヤを標準リムに組み付け、最高空気圧及び最大負荷能力を適用した条件下で、タイヤの接地端直上位置よりもタイヤ幅方向外側に配置することが好ましい。尚、ここでいう「標準リム」、「最高空気圧」及び「最大負荷能力」は、それぞれJATMA YEAR BOOK(2002)に規定されている標準リム、最高空気圧及び最大負荷能力を意味する。また、「タイヤ接地端直上位置」とは、タイヤ接地端位置からタイヤ径方向内方に引いた直線上にある位置をいう。
この発明によれば、キャップ層の幅中央部及び幅端部の単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率の適正化を図るとともに、配設したキャップ層の幅端部の配設幅を適正に設定することによって、特に、特許文献2に記載されたタイヤに比べてロードノイズ、転がり抵抗及びフラットスポット性能の全ての性能をバランスよく満足した空気入りタイヤの提供が可能になった。
この発明に従う空気入りタイヤのベルト構成を示す図である。 キャップ層の幅端部の周方向引張り弾性率とロードノイズの関係の一例を示す図である。 従来タイヤのベルト構成を示す図である。 従来タイヤのベルト構成を示す図である。
発明者は、まず、ロードノイズを低減するための検討を行った結果、ベルトを幅中央部と両幅端部とに区分したときの幅端部の周方向張力を高めればロードノイズを有効に低減できることが判明した。
また、ベルトの幅端部の周方向張力を高めるため、主ベルトのタイヤ径方向外方に、キャップ層やレイヤー層のような新たな層を配設した場合であっても、ベルト自体の幅端部を高めた場合と同等のロードノイズ低減効果があることも判明した。
そこで、ベルトの幅端部の周方向張力を高めるため、主ベルトのタイヤ径方向外方に、主ベルトよりも幅広でかつ周方向張力がタイヤ幅方向にわたって均一に作用するキャップ層を配設した。
しかしながら、上記構成のキャップ層を配設したタイヤの場合、キャップ層の幅端部だけでなく、幅中央部の周方向張力も同様に高められることになり、キャップ層の幅中央部に位置するコードによって主ベルトが過度に締め付けられることになる結果、加硫成形の際に行われる径拡張時に所望の径拡張ができなくなるなどの不具合が生じることが判明した。
次に、発明者は、ベルトの幅端部のみの周方向張力を高めるための検討を行った。
ベルトの幅端部のみの周方向張力を高めるための手段としては、特許文献2に記載されたタイヤのように、ベルト補強層(キャップ層)の幅中央部に位置する補強素子として低弾性コードを用いることによってキャップ層の幅中央部における周方向張力を極力小さく設定するとともに、キャップ層の幅端部に位置する補強素子として高弾性コードを用いることによってキャップ層の幅端部における周方向張力を極力高く設定すること、及び/又は、主ベルトの両幅端部に、補強素子として高弾性コードを用いたレイヤー層を配設することが好ましい。
しかしながら、発明者がロードノイズと転がり抵抗の双方をより一層低減するための検討をさらに詳細に行ったところ、タイヤの幅端部、より厳密にはタイヤの接地端部は、タイヤ負荷転動時における繰返し変形が最も大きくなる部分であり、これに対応して、該接地端の直上に位置する主ベルトとこれに隣接したキャップ層の幅端部との間には、かなり大きな層間せん断ひずみが生じやすく、タイヤの接地端直上位置に、補強素子として高弾性コードを用いたキャップ層の幅端部又はレイヤー層が配設されていると、転がり抵抗を効果的に改善することができなかった。
また、キャップ層の幅端部の補強素子として、特許文献2に記載されたタイヤのように、高弾性のポリエステルコードを用いたとしても、前記幅端部の単位幅あたりの周方向引張り弾性率が所定値未満だと、十分なロードノイズ低減効果が得られないことも判った。
そこで、この発明では、主ベルトのタイヤ径方向外方に、主ベルトの幅よりも大きな幅寸法をもち、タイヤ周方向に対し実質的に平行配列した補強素子のゴム引き層からなる少なくとも1層のキャップ層を配設することとし、これによって、主ベルトの幅端部自体の周方向弾性を高めるのと同等の効果を得ることができる。
また、キャップ層の幅中央部に、所定の撚り及び繊度を有するナイロンコードを補強素子として用い、基本機能であるタガ効果を維持しつつ、転がり抵抗の低減化(低ロス化)とフラットスポット性能の向上の双方を実現することができる。
図1は、この発明に従う空気入りタイヤの代表的なベルト構成を概念的に示したものであり、図1中の符号1は主ベルト、2及び3は主ベルト1を構成するコードをゴム引きしたコード層、4はキャップ層、5aはキャップ層の幅中央部、5bはキャップ層の幅端部である。
この発明では、キャップ層4を配設する構成を採用しただけでは上記目的を達成することができず、この構成に加えて、キャップ層の幅中央部5a及び幅端部5bの単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率の適正化を図るとともに、配設したキャップ層4の幅端部5bの配設幅W1を、好ましくはタイヤの接地端の直上位置に幅端部5bが配設されないように適正に設定すること、即ち、キャップ層4の幅中央部5aは、所定の撚り及び繊度を有するナイロンコードを補強素子として用い、単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を17GPa/cm以下とし、キャップ層4の幅端部5bの単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を35GPa/cm以上とし、かつキャップ層4の幅端部5bの配設幅W1を8〜24mmとすることが必要である。
尚、キャップ層4の幅端部5bの単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を35GPa/cm以上に限定する理由は、前記周方向引張り弾性率が35GPa/cm未満だと、路面からタイヤ幅方向端部を介し車両へと伝わる振動を、キャップ層4の幅端部5bで十分に抑制することができず、有効にロードノイズを低減することができないからである。
図2は、ベルト補強層(キャップ層4)以外の部材を同一にする条件下でキャップ層4の幅端部5aでの単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率の異なる種々のタイヤ(図1)を作製し、各タイヤのロードノイズ指数を測定し、前記引張り弾性率に対してロードノイズ指数をプロットしたときの一例を示したものである。
図2からも明らかなように、キャップ層4の幅端部5bでの単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率が35GPa/cm以上であれば、ロードノイズと転がり抵抗の双方の低減を実現した特許文献2に記載されたタイヤよりもロードノイズが顕著に低減されているのがわかる。
尚、ロードノイズの低減を重視する場合には、キャップ層4の幅端部5bでの単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を40〜80GPa/cmとすることがより好適である。
また、キャップ層4の幅中央部5aでの単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を17GPa/cm以下と限定する理由は、前記引張り弾性率が17GPa/cmよりも大きくなると、加硫拡張時に主ベルトの幅中央部がキャップ層4の幅中央部5aのコードのベルト締め付けが生じて所望の形状に拡張することができなくなるからであり、加えて、幅方向歪が大きくなって層間せん断歪も増加するからであり、転がり抵抗低減のためにはベルトの中央部にはより低弾性なコードを使用する方が良い。
加えて、キャップ層4の幅中央部5aの補強素子として、所定の撚り及び繊度を有するナイロンコードを用いることとしたのは、走行中のせり出しを抑制するためであり、また、キャップ層4の幅中央部5aでの単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を低くしたのは、コードボリュームを極力少なくしてフラットスポット性を向上させるためである。
ここで、ナイロンコードが有する「所定の撚り及び繊度」とは、例えば、ナイロン6,6コードの場合には、片撚りでかつ繊度を1400dtex/1とするか、又は、もろ撚りでかつ1400dtex/2とすることが好ましい。尚、ナイロン6コード、ナイロン4,6コード、ナイロン6,10コード、ナイロン6,12のような他のナイロンコードの場合にも、ナイロン6,6コードの場合と同様な撚り及び繊度とすることが好適である。
また、キャップ層4の幅中央部5aの「単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を17GPa/cm以下」にするとは、例えば、図1に示すベルト構造にて、キャップ層4の幅中央部5aを構成する補強素子の材質が66ナイロンであり、繊度が1400dtex/2である場合を例示すると、具体的には単位幅(5cm)当たりの補強素子の配設本数を30〜45本とすることを意味する。
さらに、キャップ層4の幅端部5bの配設幅W1を8〜24mmの狭幅に限定する理由は、これらの配設幅W1を8〜24mmにすると、タイヤの負荷転動時に、前記幅端部5bが、実質的にタイヤ接地端よりもタイヤ幅方向外方に配置されることになり、タイヤ接地端部における主ベルト1とこれに隣接する前記幅端部5bとの間に繰返し生じる層間せん断ひずみが小さくなるとともに、周方向張力の変動幅も小さくなり、結果として、前記幅端部5bに用いた高周方向引張り弾性率を有する補強素子単体のロスの影響というものが低減することができる。
尚、転がり抵抗の低減を重視する場合には、キャップ層4の前記幅端部5bの配設幅W1は、10〜15mmにすることがより好適である。
また、キャップ層4の前記幅端部5bの配設幅W1の上記限定は、特に通常の乗用車用ラジアルタイヤの場合に適用することができるが、タイヤの種類によっては適用が十分でない場合もある。
そこで、この場合においても、キャップ層4の幅端部5bが前記タイヤ接地端よりもタイヤ幅方向外側に確実に配設する必要がある場合には、以下のように限定することが好ましい。
即ち、タイヤを標準リムに組み付け、最高空気圧及び最大負荷能力を適用した条件下で、タイヤの接地端よりもタイヤ径方向外側に位置する主ベルトを構成する全コード層の端縁位置を、タイヤの接地端直上位置よりもタイヤ幅方向外側に配置すること、配設したキャップ層4の幅端部5bの両幅端位置を、それぞれ主ベルトを構成する全コード層のうち、タイヤ幅方向最内外端位置よりも1〜3mmだけタイヤ幅方向内外方に配置するような配置にすればよい。
よって、この発明では、キャップ層4を配設する構成に加えて、キャップ層の幅中央部は、所定の撚り及び繊度を有するナイロンコードを補強素子として用い、単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を17GPa/cm以下とし、キャップ層の幅端部を、単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率を35GPa/cm以上としかつ幅を8〜24mmとすることを必須の構成とし、この構成を採用することによって、ロードノイズと転がり抵抗の双方の低減を実現した特許文献2に記載されたタイヤよりも、ロードノイズと転がり抵抗の双方をより一層低減することができ、加えて、フラットスポット性能も向上させることができる。
また、キャップ層4の幅端部5bを構成するゴム引き層の補強素子は、有機繊維コードであることが好ましく、より具体的には、ポリエステルコード、レーヨンコード、ポリビニルアルコールコード又はアラミドコードであることがより好適である。
前記有機繊維コードは、原糸を下撚りし、これを2本又は3本合わせて、逆方向に上撚りし、式T=N×(0.139×D/ρ)1/2×10-3 〔但し、N:コードの撚り数(回/10cm)、D:コードの実測トータルデシテックス数、ρ:コードの比重〕で定義される撚り係数Tが0.22〜0.77であることが好ましい。前記撚り係数Tが0.22未満ではコードの耐久性が悪くなり、0.77を超えるとスナーリング(snarling)が発生してハンドリングが悪くなる。
前記有機繊維コードの製造方法は、通常のタイヤコードを用途とする繊維の製造方法によればよく、特に制限されるものではない。例えば、ナイロンコードの原糸は、製糸向上において、固相重合で得られた所定分子量のナイロンを紡糸口金下10〜60℃のガス雰囲気にて急冷しながら、紡糸速度500〜1000m/分で延伸倍率3.0〜4.0倍の範囲内で最適条件を選択して紡糸することにより製造することができる。
キャップ層4の幅中央部5aの補強素子として用いられるナイロンコードは、例えばポリテトラメチレンアジパジド(ナイロン4,6)、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6,12)などのナイロン繊維が挙げられ、特にナイロン6,6が好ましい。
さらに、キャップ層4の形成方法は、特に限定はしないが、
キャップ層4の幅端部5bでのタイヤ周方向引張り弾性率を有効に高めるため、前記幅端部5bの配設幅W1よりも狭い幅寸法をもつ1本以上の補強素子をゴム引きした細いリボン状シートを、所定の幅寸法になるまでタイヤ幅方向に複数回らせん巻回することによって形成するか、或いは、前記幅端部5bの配設幅W1と実質的に同一の幅寸法をもつ複数本の補強素子をゴム引きした帯状シートを、タイヤ径方向に積層巻回、即ち、1周よりも多く、好適には1.2周以上巻回することによって形成するのがより好適である。
尚、後者の形成方法の場合、帯状シートをタイヤ径方向に1周以下の巻回では、前記幅端部5bを形成しても、帯状シートの両端部が強固にジョイントされず、周方向張力を十分に高めることができないからである。但し、帯状シートのジョイント部の影響によりユニフォーミティーを悪化などが顕著に生じる場合には、帯状シートの巻回数を2周又は3周にすることが好適である。
次に、この発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、この発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例で用いたタイヤのキャップ層のコードのうち、ナイロンコードは東レデュポン社製の6,6ナイロン(商品名:Type728)、ポリエステルコードはポリエチレン−2,6−ナフタレートコード、及びポリエチレンテレフタレートコード、アラミドコードは東レデュポン社の商品名:Type950を使用。コードのdtex数、打込み数、補強層の枚数を振ったタイヤで評価した。
実施例1および比較例1におけるタイヤは、すべてタイヤサイズ195/65R14(接地幅140mm)で、カーカスコードはポリエチレンテレフタレート(PET)を用いたタイヤであり、このタイヤの製造は、加硫条件を167℃×12分、ポストキュアインフレーション条件を内圧:250kPa、23分に設定して行なった。ここで製造したタイヤ構造はすべて同一のチューブレス構造とし、主ベルト1は、2層のスチールコード層2,3(下側スチールコード層2の幅:150mm、上側スチールコード層3の幅:140mm)で構成され、それらの層2,3に用いられるスチールコードは1×5×0.23構造、打込み数は34.0本/5cm、下側スチールコード層2のコード角度は周方向に対して左上がり22度、上側スチールコード層3のコード角度は周方向に対して右上がり22度とし、主ベルト1を交差ベルトとした。
キャップ層4の両幅端部5bは、表1に示す材質及び繊度を有する12本の有機繊維コードを12mm幅のゴム引きされた帯状シートを作製し、この帯状シートを、コードがタイヤ周方向に実質上平行になるようにタイヤ周方向の同じ位置に2周巻き付けることによって同時に形成し、また、キャップ層4の幅中央部5aは、表1に示す材質及び繊度を有する12本の有機繊維コードを12mm幅のゴム引きされた帯状シートを作製し、この帯状シートを、コードがタイヤ周方向に実質上平行になるようにキャップ層4の幅中央部5aの所定の幅になるまでタイヤ幅方向にラセン状に巻回することによって形成する。
〔タイヤ試験方法〕
各供試タイヤについて、以下に示す試験方法に従って評価した。
(1)ロードノイズ試験
タイヤサイズ:195/65R14,タイヤ内圧:200kPa,リムサイズ:6J-14を適用した試作タイヤを、排気量:2000ccのセダンタイプの乗用車に4輪とも装着し、2名乗車してロードノイズ評価路のテストコースで60km/hの速度で走行し、運転席の背もたれの部分の中央側に集音マイクを取り付け、周波数:100〜500Hz及び300〜500Hzの全音圧(デシベル)を測定し、この測定値からロードノイズを評価した。
(2)転がり抵抗試験
転がり抵抗は、スチール平滑面を有する外径が1707.6mm、幅が試験タイヤの最大幅以上である寸法を有し、回転速度を一定に制御できる回転ドラムを用い、400kgの荷重の作用下で、0〜180km/hの速度で回転させた時の惰行法をもって測定し、この測定値から転がり抵抗を評価した。
(3)フラットスポット試験
フラットスポット性能は、タイヤを実車に装着し、一定時間走行させて十分高温となったそのタイヤに負荷をかけて、完全に冷えるまで放置した後のタイヤの変形を、真円度の変化をもって測定して評価した。すなわち、負荷の前後における真円度をそれぞれ測定して、その差をフラットスポット量として検出し、この検出量の大きさから評価した。
(4)引張り弾性率の測定方法
試作した新品時のタイヤから、その内部に配設したキャップ層のコードを傷つけることなく、注意深く取り出し、コードに付着している余分なゴムをはさみにより注意深く削ぎ落とした後、JIS L 1017に従い、オートグラフ(島津製作所製)にて室温(25±2℃)で引張り荷重−伸び曲線を描く。この荷重−伸び曲線で、コード荷重が0kgf〜6.73kgf間の傾きからみかけヤング率を求め、その値を弾性率とし、この値にコード1本あたりの断面積とタイヤ幅方向の1cm(単位長さ)当たりに含まれるコードの本数を乗じたものを周方向引張り弾性率(単位:GPa)とした。
これらの評価結果を表1に示す。尚、表1中のロードノイズ、転がり抵抗及びフラットスポット性能の数値は、いずれも指数比であり、これらの数値はいずれも大きいほど良好(低ロードノイズ、低転がり抵抗及び低フラットスポット)であることを意味する。また、表1の実施例1と、同様のベルト構成を有する特許文献2に記載されたタイヤ(比較例2)との性能を比較した結果を表2に示す。尚、表2中のロードノイズ、転がり抵抗及びフラットスポット性能の数値は、いずれも指数比であり、これらの数値はいずれも大きいほど良好(低ロードノイズ、低転がり抵抗及び低フラットスポット)であることを意味する。
Figure 2009102019
Figure 2009102019
表1及び表2の評価結果から、実施例1はロードノイズと転がり抵抗が小さく、フラットスポット性能が優れており、また、実施例1は、特許文献2に記載されたタイヤである比較例2に比べても特にフラットスポット性能が優れている。
この発明によれば、キャップ層の幅中央部及び幅端部の単位幅当たりのタイヤ周方向の引張り弾性率の適正化を図るとともに、配設したキャップ層の幅端部の配設幅を適正に設定することによって、特に、特許文献2に記載されたタイヤに比べてロードノイズ、転がり抵抗及びフラットスポット性能の全ての性能をバランスよく満足した空気入りタイヤの提供が可能になった。
1 主ベルト
2,3 コード層
4 キャップ層
5a キャップ層の幅中央部
5b キャップ層の幅端部
6 レイヤー層

Claims (6)

  1. トロイド状に延びるカーカスのクラウン部とトレッド部との間に、少なくとも2層のコード層からなる主ベルトと、該主ベルトのタイヤ径方向外方に配置され、主ベルトの幅よりも大きな幅寸法をもち、タイヤ周方向に対し実質的に平行配列した補強素子のゴム引き層からなる少なくとも1層のキャップ層とを有する空気入りタイヤにおいて、
    キャップ層を幅中央部と両幅端部に区分するとき、キャップ層の、幅中央部は、所定の撚り及び繊度を有するナイロンコードを補強素子として用い、単位幅当たりのタイヤ周方向引張り弾性率を17GPa/cm以下とし、幅端部は、タイヤ周方向の引張り弾性率を35GPa/cm以上としかつ幅を8〜24mmとすることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. キャップ層の幅端部を構成するゴム引き層の補強素子は、有機繊維コードである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. キャップ層の幅端部の補強素子は、ポリエステルコード、レーヨンコード、ポリビニルアルコールコードまたはアラミドコードである請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. キャップ層の幅端部は、この配設幅よりも狭い幅寸法をもつ1本以上の補強素子をゴム引きした細いリボン状シートを、所定の幅寸法になるまでタイヤの幅方向に複数回らせん巻回することによって形成してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. キャップ層の幅端部は、この配設幅と実質的に同一の幅寸法をもつ複数本の補強素子をゴム引きした帯状シートを、タイヤ径方向に積層巻回することによって形成してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. キャップ層の幅端部は、タイヤを標準リムに組み付け、最高空気圧及び最大負荷能力を適用した条件下で、タイヤの接地端直上位置よりもタイヤ幅方向外側に配置する請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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