JP2009101133A - Mri装置 - Google Patents

Mri装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009101133A
JP2009101133A JP2008212455A JP2008212455A JP2009101133A JP 2009101133 A JP2009101133 A JP 2009101133A JP 2008212455 A JP2008212455 A JP 2008212455A JP 2008212455 A JP2008212455 A JP 2008212455A JP 2009101133 A JP2009101133 A JP 2009101133A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
imaging
fat suppression
fat
pulse
flip angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008212455A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5508697B2 (ja
Inventor
Satoshi Sugiura
聡 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Medical Systems Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2008212455A priority Critical patent/JP5508697B2/ja
Priority to CN2008101617681A priority patent/CN101401723B/zh
Priority to US12/244,160 priority patent/US7990140B2/en
Publication of JP2009101133A publication Critical patent/JP2009101133A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5508697B2 publication Critical patent/JP5508697B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】MRI撮影における脂肪信号を所望の大きさに抑制する。
【解決手段】フリップアングル算出部10は、撮像条件設定部82にて設定された撮像条件に基づいて撮像パラメータ保管部9から読み出された撮像パラメータと脂肪抑制度設定部83にて設定された所望の脂肪抑制度を所定の演算プログラムに入力して脂肪抑制パルスのフリップアングルを算出する。制御部11は、傾斜磁場発生部2及び送受信部3を制御して被検体150の撮影対象部位に対し前記フリップアングルを有した脂肪抑制パルスの照射とスポイラー傾斜磁場の印加を行なって脂肪信号を所望の大きさに抑制し、更に、前記撮影対象部位に対しRFパルスの照射と勾配磁場の印加を所定のパルスシーケンスに従って行ない水信号と抑制された前記脂肪信号をMR信号として検出する。そして、画像データ生成部5は、これらのMR信号を再構成処理して画像データを生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明はMRI装置に係り、特に、脂肪信号抑制法の適用により脂肪組織から発生するMR信号を抑制するMRI装置に関する。
磁気共鳴イメージング法(MRI)は、静磁場中に置かれた物体の原子核スピンを、そのラーモア周波数をもつ高周波信号(RFパルス)で励起し、この励起に伴って発生する磁気共鳴信号(MR信号)に基づいて画像データを生成するイメージング法である。
MRI装置は、生体内から検出されるMR信号に基づいて画像データを生成する画像診断装置であり、解剖学的診断情報のみならず生化学的情報や機能診断情報など多くの診断情報を得ることができるため、今日の画像診断の分野では不可欠なものとなっている。
MRI装置を用いた検査(MRI撮影)では、通常、生体組織を構成する水組織から発生するMR信号(即ち、水組織における水素原子核スピンの共鳴に起因したMR信号)と脂肪組織から発生するMR信号が混在して収集され、臨床的に有効な水組織からのMR信号によって画像データを生成する場合、脂肪組織から発生するMR信号の混入により良質な画像データの生成が困難となる場合がある。
このような問題に対して、水組織の水素原子核スピンが有する縦緩和時間と脂肪組織の水素原子核スピンが有する縦緩和時間が異なることを利用した反転回復法(IR:Inversion Recovery)法、あるいは、夫々の組織における水素原子核スピンの共鳴周波数が異なることを利用して脂肪組織の磁化のみを励起しスポイラーパルスによってその横磁化成分を消滅させる所謂化学シフト選択法(CHESS:Chemical Shift Selective)等の脂肪信号抑制法を適用して脂肪組織から発生するMR信号を抑制する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
又、脂肪組織から発生するMR信号の更なる抑制を行なうために、この脂肪組織から発生するMR信号が略消滅するような脂肪抑制用プリサチュレーションパルス(以下では、脂肪抑制パルスと呼ぶ。)のフリップアングルを撮像条件に応じて設定する脂肪信号抑制法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平05−285116号公報 米国特許第6272369号明細書
上述のように、化学シフト選択法等の脂肪信号抑制法を適用して脂肪組織から発生するMR信号を略完全に抑制することにより、水組織からのMR信号に基づいた画像データを生成することができる。しかしながら、実際の臨床の場では、水組織と脂肪組織が混在した画像データ、即ち、水組織からのMR信号と所望の大きさに抑制された脂肪組織からのMR信号に基づいた画像データが要求される場合がある。
例えば、関節に対するMRI撮影によって骨と靭帯組織の画像化を行なう場合、靭帯組織から収集されるMR信号は本来微弱であり、又、このMRI撮影に脂肪信号抑制法が適用された場合、脂肪成分が多く含まれた骨から収集されるMR信号は抑制されて極めて小さな信号となる。このため、骨と靭帯組織を明確に区別して表示することが困難となる。
このように、従来の脂肪信号抑制法が適用されたMRI撮影では、水素原子核の密度が低い組織あるいは緩和時間とパルスシーケンスとの関係で小さなMR信号が収集される組織と脂肪成分が多く含まれた組織とを分離して表示することができないという問題点を有していた。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検体の脂肪組織から発生するMR信号を所望の大きさに抑制することにより、水組織のMR信号と抑制された脂肪組織のMR信号とに基づく好適な組織間コントラストを有した画像データの生成を可能とするMRI装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る本発明のMRI装置は、脂肪信号抑制法を適用したMRI撮影の撮像条件及び脂肪抑制度に基づいて脂肪抑制パルスのフリップアングルを設定するフリップアングル設定部と、前記フリップアングルを有した脂肪抑制パルスを生成する送受信部と、被検体の撮影対象部位に対する前記脂肪抑制パルスの照射とスポイラー傾斜磁場の印加を制御し、前記撮影対象部位の脂肪組織から発生するMR信号を所定の大きさに抑制するシーケンス制御部と、前記脂肪組織からのMR信号が抑制された前記撮影対象部位に対し所定のパルスシーケンスを適用して収集されたMR信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部と、を備える。
又、請求項21に係る本発明のMRI装置は、脂肪信号抑制法を適用するMRI撮影の脂肪抑制度を入力するための脂肪抑制度入力部と、前記MRI撮影の撮像条件及び前記脂肪抑制度に基づいて、脂肪抑制のための脂肪抑制条件のパラメータを設定する撮像条件設定部と、被検体の撮影対象部位に対して前記設定されたパラメータの脂肪抑制パルスの照射とスポイラー傾斜磁場の印加を制御し、前記撮影対象部位の脂肪組織から発生するMR信号を所定の大きさに抑制するシーケンス制御部と、前記脂肪組織からのMR信号が抑制された前記撮影対象部位に対し所定のパルスシーケンスを適用して収集されたMR信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部と、を備える。
請求項1または21記載の本発明によれば、被検体の脂肪組織から発生するMR信号を所望の大きさに抑制することにより、水組織のMR信号と抑制された脂肪組織のMR信号とに基づく好適な組織間コントラストを有した画像データの生成が可能となる。このため、従来困難であった脂肪組織とMR信号強度の低い他の組織とを明確に区別して表示することが可能となり装置の診断能が向上する。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
以下に述べる本発明の実施例では、先ず、脂肪信号抑制法が適用されたMRI撮影の撮像条件及び脂肪抑制度に基づいて脂肪抑制パルスのフリップアングルを設定する。次いで、脂肪組織から発生するMR信号(以下では、脂肪信号と呼ぶ。)の抑制を目的とした脂肪抑制シーケンスにおいて、被検体の撮影対象部位に対し前記フリップアングルを有した脂肪抑制パルスの照射とスポイラー傾斜磁場の印加を行なって脂肪信号を所望の大きさに抑制する。次に、脂肪抑制シーケンスに後続するMR信号収集シーケンスにおいて、前記撮影対象部位に対しRFパルスの照射と勾配磁場の印加を所定のパルスシーケンスに従って行ない水組織から発生するMR信号(水信号)と抑制された前記脂肪信号を検出する。そして、得られた水信号及び脂肪信号を処理して画像データを生成する。
尚、以下の実施例では、90度パルス及び180度パルスを用いたSE(Spin Echo)法を適用して当該被検体の撮影対象部位から発生するMR信号(即ち、水信号と抑制された脂肪信号)を収集する場合について述べるが、これに限定されるものではなく、FSE(Fast Spin Echo)法やFE(Field Echo)法、更にはEPI(Echo Planar Imaging)法等の他の方法であっても構わない。
(装置の構成)
本発明の実施例におけるMRI装置の構成につき図1を用いて説明する。尚、図1は、本実施例におけるMRI装置の全体構成を示すブロック図である。
図1に示したMRI装置100は、被検体150に対して静磁場を発生する静磁場発生部1及び傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生部2と、被検体150に対してRFパルスの照射とMR信号の受信を行なう送受信部3と、被検体150を載置する天板4と、送受信部3において受信されたMR信号を再構成処理して画像データを生成する画像データ生成部5と、各種の脂肪抑制度に対応した複数のサンプル画像データが予め保管されているサンプル画像データ保管部6と、画像データ生成部5において生成された画像データや脂肪抑制度に基づいてサンプル画像データ保管部6から読み出されたサンプル画像データを表示する表示部7を備えている。
更に、MRI装置100は、被検体情報の入力、撮像モードの選択、撮像条件の設定、脂肪抑制度の設定、各種コマンド信号の入力等を行なう入力部8と、各種撮像条件に対応した撮像パラメータの情報が予め保管されている撮像パラメータ保管部9と、入力部8から供給される脂肪抑制度の設定情報と撮像パラメータ保管部9から供給される撮像パラメータの情報に基づいて脂肪抑制パルスのフリップアングルを算出するフリップアングル算出部10と、MRI装置100における上述の各ユニットを統括的に制御する制御部11を備えている。
静磁場発生部1は、常伝導磁石あるいは超電導磁石等によって構成される主磁石101と、この主磁石101を駆動するための静磁場電源102を備え、静磁場電源102は、主磁石101に対して所定の電流を供給することにより図示しないガントリの撮影野に配置された被検体150に対して強力な静磁場を形成する。尚、上述の主磁石101は、永久磁石によって構成されていてもよい。
一方、傾斜磁場発生部2は、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に対して傾斜磁場を形成する複数の傾斜磁場コイル21と、傾斜磁場コイル21の各々に対してパルス電流を供給する傾斜磁場電源22を備えている。
脂肪信号の抑制を目的とした脂肪抑制シーケンスにおける傾斜磁場電源22は、後述の送信コイル31から照射される脂肪抑制パルスの照射領域に対してスポイラー傾斜磁場Gpを印加するためのパルス電流を傾斜磁場コイル21に供給する。そして、脂肪抑制パルスの照射によってフリップアングルαだけ倒された脂肪組織の磁化ベクトルが有する巨視的な横磁化成分は、前記スポイラー傾斜磁場の印加により消滅(飽和)する。
一方、MR信号収集シーケンスにおける傾斜磁場電源22は、被検体150が配置されたガントリの撮影野に対し符号化を行なう。即ち、傾斜磁場電源22は、制御部11から供給されるシーケンス制御信号に基づいてX軸方向,Y軸方向及びZ軸方向の傾斜磁場コイル21に供給するパルス電流を制御することにより各々の方向に対して傾斜磁場を形成する。そして、X軸方向,Y軸方向及びZ軸方向の傾斜磁場は合成されて互いに直交するスライス選択傾斜磁場Gs、位相エンコード傾斜磁場Ge及び読み出し(周波数エンコード)傾斜磁場Grが所望の方向に形成される。即ち、これらの傾斜磁場Gs,Ge及びGrや上述のスポイラー傾斜磁場Gpは、主磁石101によって形成された静磁場に重畳されて被検体150に印加される。
次に、送受信部3は、被検体150に対してRFパルスを照射する送信コイル31及び送信部32と、被検体150にて発生したMR信号(水信号及び脂肪信号)を受信する受信コイル33及び受信部34を有している。但し、送信コイル31の機能と受信コイル33の機能を1つのコイルで兼ね備えた送受信コイルを用いてもよい。
送信部32は、制御部11から供給されるシーケンス制御信号に基づき、主磁石101の静磁場強度によって決定される脂肪組織及び水組織における水素原子核スピンの磁気共鳴周波数(ラーモア周波数)と同じ周波数の搬送波を有し所定の選択励起波形で変調されたパルス電流を生成する。図2は、水組織の磁気共鳴周波数f0wと脂肪組織の磁気共鳴周波数f0fを示したものであり、水組織の磁気共鳴周波数f0wを基準(0ppm)とした場合、脂肪組織の磁気共鳴周波数f0fは周波数軸上の−3.5ppmに存在する。
この場合、脂肪抑制シーケンスにおける送信部32は、脂肪組織の磁気共鳴周波数f0fを中心周波数とし所定の周波数帯域Δf0fを有した脂肪抑制パルスを発生させるためのパルス電流を生成する。同様にして、MR信号収集シーケンスにおける送信部32は、例えば、水組織の磁気共鳴周波数f0wを中心周波数とし所定の周波数帯域Δf0wを有する90度RFパルス及び180度RFパルスを発生させるためのパルス電流を生成する。
次に、図1に示した送信コイル31は、上述の送信部32から供給されるパルス電流によって駆動され、脂肪抑制シーケンスにおける被検体150の撮影対象部位に対し脂肪抑制パルスを照射し、又、MR信号収集シーケンスにおける前記撮影対象部位に対し90度RFパルス及び180度RFパルスを照射する。
一方、受信コイル33は、前記90度RFパルス及び180度RFパルスの照射によって被検体150の撮影対象部位における水組織及び脂肪組織から発生したMR信号(水信号及び脂肪信号)を検出する。尚、受信コイル33は、通常、MR信号を高感度で検出するために小口径のコイルが複数個(N個)配列された所謂アレイコイルによって構成されている。
受信部34は、図示しないNチャンネルの増幅回路、中間周波変換回路、検波回路、フィルタリング回路及びA/D変換器を備え、受信コイル33が検出した微小なMR信号に対し増幅、中間周波変換、位相検波、フィルタリング等の信号処理を行なった後A/D変換する。但し、前記増幅回路は、受信コイル33が検出したMR信号を高S/Nで増幅するために、通常、受信コイル33の近傍に設けられている。
そして、上述の主磁石101、傾斜磁場コイル21、送信コイル31及び受信コイル33は、MRI装置100の図示しないガントリに設けられ、このガントリの中央部には撮影野が形成される。即ち、ガントリの中心には天板4と共に被検体150が挿入される撮影野が設けられ、この撮影野の周囲には受信コイル33、送信コイル31、傾斜磁場コイル21及び主磁石101がZ軸を共軸として同心円状に配置されている。
次に、天板4は、ガントリの近傍に設置された図示しない寝台の上面においてZ軸方向にスライド自在に取り付けられ、天板4に載置された被検体150を体軸方向(Z軸方向)に移動することにより被検体150の撮影対象部位を撮影野の所望位置に設定する。この場合、撮影対象部位が撮影野の近傍に設けられた受信コイル33に対向するような天板4の移動が図示しない天板移動機構部及び天板移動制御部によって行なわれる。
画像データ生成部5は、MR信号記憶部51、高速演算部52及び画像データ記憶部53を備え、MR信号記憶部51には、送受信部3の受信部34によって中間周波変換、位相検波、更には、A/D変換されたNチャンネルのMR信号が制御部11から供給される撮像位置情報(即ち、スライスエンコード情報や位相エンコード情報等)と共に順次保存される。
一方、高速演算部52は、MR信号記憶部51に一旦保存されたMR信号及び撮像位置情報を読み出し、2次元フーリエ変換による画像再構成処理を行なって画像データを生成する。そして、得られた画像データは画像データ記憶部53に保存される。但し、受信部34から供給される2次元的なMR信号を再構成処理して2次元画像データを生成する替わりに、受信部34から供給される3次元的なMR信号に対し3次元フーリエ変換による再構成処理を行なってボリュームデータ(3次元データ)を生成し、このボリュームデータに基づいて3次元画像データやMPR画像データを生成してもよい。この場合、高速演算部52は、例えば、ボリュームデータをレンダリング処理してボリュームレンダリング画像データやサーフェィスレンダリング画像データ等の3次元画像データを生成する機能や前記ボリュームデータの所望スライス断面におけるMPR(Multi Planar Reconstruction)画像データを生成する機能を有している。
サンプル画像データ保管部6には、各種の脂肪抑制度において被検体150あるいは他の被検体から過日収集された複数の画像データがサンプル画像データとして予め保管されている。又、これら画像データの収集における撮像部位、撮像目的、画像コントラスト等の撮像条件や前記脂肪抑制度の情報も前記サンプル画像データの付帯情報としてサンプル画像データ保管部6に保管されている。
次に、表示部7は、図示しない表示データ生成回路とモニタを備え、前記表示データ生成回路は、画像データ生成部5にて生成された所望の脂肪抑制度における被検体150の画像データ、あるいは、入力部8から供給される脂肪抑制度や撮像条件の情報に基づいてサンプル画像データ保管部6から読み出されたサンプル画像データを所定の表示フォーマットに変換して表示データを生成し、得られた表示データを前記モニタに表示する。
又、前記表示データ生成回路は、画像データ間の演算を行なう図示しない画像データ演算部を有し、例えば、所望の脂肪抑制度を有したサンプル画像データがサンプル画像データ保管部6に存在しない場合、入力部8において設定、あるいは、制御部11において自動的に設定される複数の脂肪抑制度の各々に対応した当該撮像条件におけるサンプル画像データ(第1のサンプル画像データ)をサンプル画像データ保管部6から読み出し、これらの画像データを重み付け加算することにより所望の脂肪抑制度を有したサンプル画像データ(第2のサンプル画像データ)を生成する。
次に、入力部8は、操作卓上にスイッチ、キーボード、マウス、スライドレバー等の各種入力デバイスや表示パネルを備えたインターフェースであり、通常撮像モード/脂肪抑制撮像モードの選択を行なう撮像モード選択部81、当該MRI撮影に対する撮像条件を設定する撮像条件設定部82及び脂肪抑制撮像モードにおける脂肪抑制度を設定する脂肪抑制度設定部83を備えている。更に、被検体情報の入力、画像データ生成条件や画像データ表示条件の設定、各種コマンド信号の入力等も上述の入力デバイスや表示パネルを用いて行なわれる。
図3及び図4は、撮像モード選択部81において脂肪抑制撮像モードが選択された後に使用される脂肪抑制度設定部83の具体例を示したものであり、図3(a)は、従来行なわれてきた脂肪信号を略100%抑制して画像データを生成する重度の脂肪抑制撮像モードと脂肪信号を所望の大きさに抑制して画像データを生成する軽度の脂肪抑制撮像モードの選択が可能な脂肪抑制度設定部83である。例えば、脂肪抑制度設定部83に設けられたラジオボタン「ON」を選択することにより軽度の脂肪抑制撮像モードが選択され、ラジオボタン「OFF」を選択することにより重度の脂肪抑制撮像モードが選択される。そして、上述の方法によって軽度の脂肪抑制撮像モードが選択された場合、この脂肪抑制撮像モードに対して予め設定されていた、例えば、70%の脂肪抑制度が設定される。
又、図3(b)に示した脂肪抑制度設定部83は、重度の脂肪抑制撮像モードを選択するラジオボタン「高」、中程度の脂肪抑制撮像モードを選択するラジオボタン「中」及び軽度の脂肪抑制撮像モードを選択するラジオボタン「低」を備え、予め設定された3種類の脂肪抑制度の中から所望の脂肪抑制度を選択する場合に使用される。例えば、ラジオボタン「高」の選択により100%の脂肪抑制度が、ラジオボタン「中」の選択により70%の脂肪抑制度が、又、ラジオボタン「低」の選択により30%の脂肪抑制度が夫々設定される。尚、図3(b)では、ラジオボタン「高」、「中」及び「低」の何れかを選択することにより3種類の脂肪抑制度「100%」、「70%」及び「30%」の中から所望の脂肪抑制度を選択する場合について述べたが、脂肪抑制度の種類や値はこれらに限定されない。
予め設定された複数の脂肪抑制度の中から所望の脂肪抑制度を選択して設定する図3(a)及び図3(b)の脂肪抑制度設定部83に対し、図4は、脂肪抑制度を任意の値に設定することが可能な脂肪抑制度設定部83の具体例を示している。即ち、図4の脂肪抑制度設定部83は、左右方向にスライド自在なレバー83aを有し、このレバー83aをその下方に設けられた脂肪抑制度スケール83bの所望の位置に移動することにより脂肪抑制度を任意の値に設定することが可能となる。そして、設定された脂肪抑制度の値は、脂肪抑制度表示部83cに表示される。又、入力部8に設けられたキーボードを用いて脂肪抑制度の値を入力することにより同様の効果を得ることができる。
次いで、図3あるいは図4の脂肪抑制度設定部83において設定された脂肪抑制度は、撮像条件設定部82から供給される当該MRI撮影の撮像条件と共に制御部11を介しフリップアングル算出部10に供給される。そして、このフリップアングル算出部10において前記脂肪抑制度を実現する脂肪抑制パルスのフリップアングルが算出される。
図1へ戻って、撮像パラメータ保管部9は、撮像部位、撮像目的、画像コントラスト等から構成される各種の撮像条件に対応した撮像パラメータが予め保管されている。図5は、撮像条件に対応した撮像パラメータの具体例を示したものであり、例えば、撮像部位が「頭部」、撮像目的が「頭部スクリーニング」、画像コントラストが「T2強調画像」の撮像条件に対して予め設定された各種の撮像パラメータ(シーケンス種(パルスシーケンス名)、繰り返し時間TR、エコー時間TE、スライス数M、撮像領域FOV、画像マトリクス等)が保管されている。
同様にして、「胸部」、「頚部」「腹部」、「骨盤部」等の撮像部位、「脳腫瘍」、「肺疾患」、「腹部腫瘍」、「頚椎異常」等の撮像目的、更には、「T1強調画像」等の画像コントラスト等からなる撮像条件に対して設定された撮像パラメータも撮像パラメータ保管部9に保管されている。そして、入力部8の撮像条件設定部82から供給される撮像条件の情報に対応した撮像パラメータが撮像パラメータ保管部9から読み出され、制御部11を介してフリップアングル算出部10へ供給される。
再び図1へ戻って、フリップアングル算出部10は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、撮像パラメータ保管部9から供給された上述の撮像パラメータに基づいて所望の脂肪抑制度を実現する脂肪抑制パルスのフリップアングルを算出する。
次に、フリップアングル算出部10によるフリップアングルの算出方法につき図6を用いて説明する。図6は、所望の脂肪抑制度を実現するフリップアングルαの脂肪抑制パルスをプリパルスとして使用したMRI撮影のパルスシーケンスであり、このパルスシーケンスは、被検体150の撮影対象部位に対し脂肪抑制パルスを照射してこの撮影対象部位から発生する脂肪信号を所望の大きさに抑制する脂肪抑制シーケンスと、脂肪信号が抑制された前記撮影対象部位に対しSE法を適用して水組織からのMR信号(水信号)及び抑制された脂肪組織からのMR信号(脂肪信号)を収集するMR信号収集シーケンスとから構成される。
そして、脂肪抑制シーケンスの時刻t1では、図2において既に述べたように水組織の磁気共鳴周波数f0wより3.5ppmだけ低い脂肪組織の磁気共鳴周波数f0fを中心周波数とし帯域Δf0fを有する脂肪抑制パルスを、送信用コイル31のサイズによって決定される前記撮影対象部位の比較的広範囲な領域に照射し、この照射領域に存在する脂肪組織の磁化ベクトルをフリップアングルα度だけ倒す。
次いで、脂肪抑制パルスの照射に後続する脂肪抑制シーケンスの時刻t2において、例えば、位相エンコード方向にスポイラー傾斜磁場Gpを印加することによりα度倒された前記磁化ベクトルの横磁化成分に位相差を与え、この磁化ベクトルの巨視的な横磁化成分を消滅(飽和)させる。
次に、脂肪抑制パルスの照射から時間間隔Tdだけ経過したMR信号収集シーケンスの時刻t3において90度RFパルスの印加とスライス断面を選択するスライス選択傾斜磁場Gsの印加が上述の撮影対象部位に対して行なわれ、選択されたスライス断面の複数からなる水組織の磁化ベクトルは90度倒される。
更に、90度RFパルスの照射からTE/2後の時刻t4において180度RFパルスが同一の撮影対象部位に照射され、期間[t3−t4]において拡大の一途にあった水組織における磁化ベクトルの位相差は180度RFパルスの照射によって徐々に縮小する。そして、180度RFパルスの照射からTE/2後の時刻t5において磁化ベクトルの位相は一致してMR信号が発生し、このMR信号は、時刻t5において印加される読み出し傾斜磁場Grの存在下で受信コイル33によって検出され受信部34に供給される。上述の手順によって1つの位相エンコード方向に対するMR信号が収集され、更に、位相エンコード傾斜磁場Geを順次更新しながら同様の手順を繰り返すことにより画像データの生成に必要な1スライス分のMR信号が収集される。
このとき、繰り返し時間TRが脂肪組織の縦緩和時間T1に比べて十分長い場合には、脂肪抑制シーケンスにおいて飽和された脂肪組織における磁化ベクトルの縦磁化成分は略完全に回復し、TR後に照射される次の脂肪抑制パルスにより再度α度だけ倒される。ここで時刻t1における脂肪抑制パルスの照射から時刻t3における90度RFパルスの照射までの時間間隔Tdが脂肪組織の縦緩和時間T1に比べて十分短い場合、90度RFパルスが照射される直前の脂肪組織における磁化ベクトルの縦磁化成分は、脂肪抑制パルスが照射された直後の縦磁化成分と略等しい。従って、被検体150の撮影対象部位からはフリップアングルαの脂肪抑制パルスに基づいて脂肪信号が抑制されたMR信号が収集される。
そして、フリップアングルαの脂肪抑制パルスを繰り返し時間TRで照射しながら異なる位相エンコードに対しMR信号の収集を連続して行なう場合、脂肪抑制パルスが照射された直後の脂肪組織における磁化ベクトルの縦磁化成分Mz+と最初の脂肪抑制パルスが照射される前の初期状態における前記磁化ベクトルの縦磁化成分M0は、脂肪組織の縦緩和時間をT1とすれば次式(1)の関係にある。
Figure 2009101133
更に、90度RFパルスが照射される直前の前記磁化ベクトルにおける縦磁化成分Mzfと初期状態の前記磁化ベクトルにおける縦磁化成分M0は、期間[t1−t3]において行なわれる前記縦磁化成分Mz+の緩和過程を考慮することにより次式(2)のようになる。
Figure 2009101133
即ち、脂肪抑制度(1−Mzf/M0)は、繰り返し時間TR、脂肪組織の縦緩和時間T1、脂肪抑制パルス照射時刻t1から90度RFパルス照射時刻T3までの時間間隔Td、脂肪抑制パルスのフリップアングルαの関数となり、例えば、TR=2000msec、T1=260msec、Td=10msecの場合、脂肪抑制パルスのフリップアングルαに対するMzf/M0は上式(1)及び(2)を用いることにより図7にようになる。そして、この図7によれば、脂肪抑制度を70%(即ち、Mzf/M0=0.3)にしたい場合には脂肪抑制パルスのフリップアングルαを約75度に設定すればよいことがわかる。尚、脂肪組織の縦緩和時間T1や時間間隔Tdは、通常、撮像条件等に依存することなく設定されるため、フリップアングルαは、繰り返し時間TRによって略決定される。
そして、式(1)及び式(2)に基づいた演算プログラムはフリップアングル算出部10が備える前記記憶回路に予め保管されている。一方、フリップアングル算出部10の前記演算回路は、入力部8の撮像条件設定部82にて設定される当該MRI撮影の撮像条件に基づいて撮像パラメータ保管部9から供給される撮像パラメータの繰り返し時間TR、予め設定された脂肪組織の縦緩和時間T1及び時間間隔Td、更には、入力部8の脂肪抑制度設定部83から制御部11を介して供給される所望の脂肪抑制度を前記記憶回路から読み出した演算プログラムに入力することにより前記脂肪抑制度を実現するためのフリップアングルαを算出する。
尚、代表的なパルスシーケンスであるスピンエコー(SE)法、高速スピンエコー(FSE)法、フィールドエコー(FE)法等では、繰り返し時間TRの間に複数のスライス断面に対してMR信号を収集するマルチスライス法が適用される。図8は、マルチスライス法によるMR信号の収集を模式的に示したものであり、例えば、繰り返し時間TRの間にM枚のスライス断面に対するMR信号を収集する場合、スライス1乃至スライスMの各々におけるMR信号の収集は、図6の場合と同様にして脂肪抑制シーケンスとMR信号収集シーケンスによって行なわれる。
そして、スライス数Mのスライス断面に対するMR信号の収集繰り返し時間をTRとすれば、各スライス断面に対するMR信号の収集時間(即ち、脂肪抑制パルス間隔)TfはTf=TR/Nによって示される。このようなマルチスライス法における脂肪抑制パルスのフリップアングルαは、式(1)及び式(2)における繰り返し時間TRを脂肪抑制パルス間隔Tfに置き換えた次式(3)に基づいて算出することが可能である。
Figure 2009101133
この場合、フリップアングル算出部10の前記演算回路は、入力部8の撮像条件設定部82にて設定される当該MRI撮影の撮像条件に基づいて撮像パラメータ保管部9から供給される撮像パラメータの繰り返し時間TR及びスライス数M(図5参照)とから脂肪抑制パルス間隔Tfを算出する。そして、得られた脂肪抑制パルス間隔Tfと予め設定された脂肪組織の縦緩和時間T1及び時間間隔Td、更には、入力部8の脂肪抑制度設定部83から制御部11を介して供給される所望の脂肪抑制度を前記記憶回路から読み出した演算プログラムに入力することにより前記脂肪抑制度を実現するためのフリップアングルαを算出する。
図9は、脂肪抑制パルスのフリップアングルαに対するMzf/M0を各種の脂肪抑制パルス間隔Tfについて示したものであり、例えば、RFパルスを複数回連続して照射することにより多くのMR信号を短時間で収集することが可能なFSE法において、繰り返し時間TRの間に1スライス断面に対する全てのMR信号を収集する場合にはTf=TRとなり、既に述べたようにTfが2000msecの場合には、脂肪抑制パルスのフリップアングルを75度に設定することにより脂肪抑制度70%の画像データを得ることができる。
しかしながら、多くのスライス断面に対するMR信号の収集時間を短縮するために、例えば、位相エンコード方向の数を減らして1スライス断面に対するMR信号の収集時間、即ち、脂肪抑制パルス間隔Tfを100msecにした場合、脂肪抑制度70%を得るためには脂肪抑制パルスのフリップアングルαを約55度に設定する必要がある。換言すれば、脂肪抑制パルスのフリップアングルαを75度のままにした場合には脂肪信号が過度に低減された画像データが生成される。
又、SE法やFE法において、例えば、1スライス断面に対するMR信号の収集時間を更に減らして脂肪抑制パルス間隔Tfを20msecまで短縮した場合、脂肪抑制度70%を得るためには脂肪抑制パルスのフリップアングルαを35度に設定しなくてはならない。
尚、式(2)及び式(3)とこれらを図示した図7及び図9では説明を簡単にするために縦磁化の計算に脂肪抑制パルスの影響のみを用い、MR信号収集シーケンスにおけるRFパルスの効果は考慮していない。しかしながら、パルスシーケンスの種類や撮像条件等が決定すれば定常状態にある縦磁化は同様にして求めることが可能である。
次に、図1の制御部11は、主制御部111及びシーケンス制御部112を備えている。主制御部111は、図示しないCPUと記憶回路を備え、MRI装置100を統括して制御する機能を有している。主制御部111の記憶回路には、予め設定された脂肪組織及び水組織の縦緩和時間、脂肪抑制パルスから90度RFパルスまでの時間間隔Td、脂肪組織及び水組織の磁気共鳴周波数f0f及びf0w、MR信号収集シーケンスに適用可能な各種パルスシーケンスデータ(例えば、各種パルスシーケンスにおいて送信コイル31に供給されるパルス電流の中心周波数及び帯域、大きさ、供給時間、供給タイミング等)が保管され、更に、入力部8にて入力/設定/選択された被検体情報、撮像モード、撮像条件、脂肪抑制度等の情報が保存される。又、主制御部111のCPUは、前記記憶回路に保存された上述の各種情報に基づいてMRI装置100の各ユニットを制御し、当該被検体150に対するMRI撮影を行なう。
一方、制御部11のシーケンス制御部112は、図示しないCPUを備え、主制御部111から供給される脂肪抑制シーケンス及びMR信号収集シーケンスのパルスシーケンスデータに基づいてシーケンス制御信号を生成する。そして、このシーケンス制御信号を傾斜磁場発生部2の傾斜磁場電源22及び送受信部3の送信部32へ供給することにより、傾斜磁場コイル21及び送信コイル31に対するパルス電流を制御する。
(MRI撮影の手順)
次に、本実施例におけるMRI撮影の手順につき図10に示したフローチャートに沿って説明する。尚、ここではSE法を適用して1つのスライス断面に対する画像データを生成する場合について述べるがこれに限定されない。
被検体150のMRI撮影に先立ちMRI装置100の操作者は、天板4に載置した被検体150をZ軸方向に移動することによりその撮影対象部位をガントリの撮影野に配置した後、入力部8において被検体情報の入力、画像データ生成条件の設定、画像データ表示条件の設定等の初期設定を行なう(図10のステップS1)。
次いで、前記操作者は、入力部8の撮像モード選択部81において脂肪抑制撮像モードを選択した後、撮像条件設定部81において被検体150のMRI撮影に対する撮像条件(撮像部位、撮像目的、画像コントラスト等)を設定し(図10のステップS2)、更に、脂肪抑制度設定部83において所望の脂肪抑制度を設定する(図10のステップS3)。
脂肪抑制度の設定に際し、操作者は、脂肪抑制度設定部83に設けられた入力デバイスを用いて所望の脂肪抑制度を暫定的に設定し、この設定情報や上述の撮像条件を制御部11の主制御部111を介して受信した表示部7の表示データ生成回路は、これらの情報に対応したサンプル画像データをサンプル画像データ保管部6から読み出して表示部7のモニタに表示する。
又、上述の脂肪抑制度に対応するサンプル画像データがサンプル画像データ保管部6に存在しない場合、前記表示データ生成回路は、入力部8において設定される複数の脂肪抑制度の各々に対応した前記撮像条件におけるサンプル画像データ(第1のサンプル画像データ)をサンプル画像データ保管部6から読み出す。そして、これらの画像データを重み付け加算することにより暫定的な脂肪抑制度に対応したサンプル画像データ(第2のサンプル画像データ)を生成し表示部7に表示する。そして、操作者は、表示部7に表示されたサンプル画像データを観察することにより暫定的に設定した脂肪抑制度の妥当性を判定し、この判定結果に基づいて脂肪抑制度の正式な設定を行なう。
一方、入力部8の撮像条件設定部82及び脂肪抑制度設定部83が供給する撮像条件及び脂肪抑制度の設定情報を制御部11の主制御部111を介して受信したフリップアングル算出部10は、先ず、撮像パラメータ保管部9に保管されている各種撮像パラメータの中から前記撮像条件に対応した撮像パラメータを抽出する(図10のステップS4)。次いで、この撮像パラメータに含まれている繰り返し時間TRや脂肪抑制度設定部83から供給された脂肪抑制度、更には、予め設定されている脂肪組織の縦緩和時間T1及び脂肪抑制パルスから90度RFパルスまでの時間間隔Tdを自己の記憶回路から読み出した演算プログラムに入力することにより前記脂肪抑制度を実現する脂肪抑制パルスのフリップアングルαを算出する(図10のステップS5)。
そして、フリップアングルαの算出結果が主制御部111に供給されることにより脂肪抑制撮像モードにおけるMRI撮影が開始される。
脂肪抑制撮像モードのMRI撮影に際し、制御部11のシーケンス制御部112は、算出されたフリップアングルαに基づく脂肪信号の抑制と上述の撮像パラメータのシーケンス種に設定されたSE法に基づくMR信号の収集を行なう。即ち、送受信部3の送信部32は、脂肪抑制シーケンスの時刻t1にシーケンス制御部112から供給される制御信号に基づいて所定のパルス電流を発生する。そして、このパルス電流が供給された送信コイル31は、脂肪組織の磁気共鳴周波数f0fを中心周波数とし所定の帯域Δf0fを有するフリップアングルαの脂肪抑制パルスを送信用コイル31のサイズによって決定される撮像対象部位に照射し、この照射領域に存在する脂肪組織の磁化ベクトルをフリップアングルα度だけ倒す。
次いで、脂肪抑制パルスの照射に後続する脂肪抑制シーケンスの時刻t2において、位相エンコード方向にスポイラー傾斜磁場Gpを印加することにより、α度倒された上述の磁化ベクトルにおける横磁化成分に位相差を与え、この磁化ベクトルの巨視的な横磁化成分を消滅(飽和)させる(図10のステップS6)。
次に、脂肪抑制パルスの照射から時間間隔Tdだけ経過したMR信号収集シーケンスの時刻t3において90度RFパルスの照射と所定のスライス断面を設定するスライス選択傾斜磁場Gsの印加が上述の撮像対象部位に対して行なわれ、選択されたスライス断面に存在する水組織及び抑制された脂肪組織の磁化ベクトルを90度倒す。
更に、90度RFパルスの照射からTE/2後の時刻t4において180度RFパルスの照射とスライス選択傾斜磁場Gsの印加が行なわれる。このとき、期間[t3−t4]において拡大しつつあった前記スライス断面の水組織及び脂肪組織における磁化ベクトルの位相差は180RFパルスの照射によって徐々に縮小し、180度RFパルスの照射からTE/2後の時刻t5において前記磁化ベクトルの位相は一致しMR信号として検出される。そして、このMR信号は、時刻t5において印加される読み出し傾斜磁場Gsの存在下で受信コイル33によって検出され、検出されたMR信号は、増幅、中間周波変換、位相検波、フィルタリング、A/D変換等の信号処理を経て、スライスエンコード情報や位相エンコード情報等の撮像位置情報と共に画像データ生成部5のMR信号記憶部51に保存される(図10のステップS7)。
上述の手順によって画像データの生成に必要な1つの位相エンコード方向に対するMR信号の収集と保存が行なわれ、同様の手順により位相エンコード傾斜磁場の大きさを更新しながら繰り返し時間TRでMR信号の収集を繰り返すことにより1スライス分の画像データの生成に必要なMR信号の収集と保存が行なわれる(図10のステップS6乃至S7)。
一方、画像データ生成部5の高速演算部52は、MR信号記憶部51に一旦保存されたMR信号及び撮影位置情報を読み出し、これらのMR信号を撮影位置情報に基づいて画像再構成処理し画像データを生成する(図10のステップS8)。そして、得られた画像データは、画像データ記憶部53を介して表示部7に表示される(図10のステップS9)。
以上述べた本発明の実施例によれば、被検体の脂肪組織から発生するMR信号を所望の大きさに抑制することにより、水組織のMR信号と抑制された脂肪組織のMR信号とに基づく好適な組織間コントラストを有した画像データの生成が可能となる。このため、従来困難であった脂肪組織とMR信号強度の低い他の組織とを明確に区別して表示することが可能となり装置の診断能が向上する。
特に、上述の実施例によれば脂肪抑制度の設定に際し、操作者は、暫定的に設定した脂肪抑制度に対応するサンプル画像データを事前に観測することにより設定した脂肪抑制度の妥当性を判定することができるため、好適な組織間コントラストを有した画像データの生成を可能にする脂肪抑制度を正確かつ容易に設定することができる。
又、暫定的な脂肪抑制度に対応する上述のサンプル画像データは、各種脂肪抑制度及び各種撮像条件において予め収集された複数のサンプル画像データの中から容易に得ることができ、更に、この脂肪抑制度に対応するサンプル画像データが前記複数のサンプル画像データの中に存在しない場合、脂肪抑制度の異なる複数のサンプル画像データを加算処理することによって生成することができる。このため、暫定的に設定した脂肪抑制度のサンプル画像データを予め収集された複数のサンプル画像データに基づいて容易に得ることができる。
以上、本発明の実施例について述べてきたが、本発明は、上述の実施例に限定されるものでは無く変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施例におけるMRI装置100はフリップアングル算出部10を備え、入力部8の脂肪抑制度設定部83にて設定された脂肪抑制度と撮像パラメータ保管部9から供給される撮像パラメータとを所定の演算プログラムに入力することにより前記脂肪抑制度を実現する脂肪抑制パルスのフリップアングルを算出して自動設定する場合について述べたが、自動設定する代わりに、算出したフリップアングルを表示して操作者にフリップアングルの確認や修正等を行なわせるようにすることもできる。
又、例えば、図11に示すように重度、中程度及び軽度の脂肪抑制撮像モードに好適なフリップアングルを既に述べた撮像パラメータ(即ち、図5のシーケンス種、繰り返し時間TR、エコー時間TE、スライス数M、撮像領域FOV、画像マトリクス)と共に撮像パラメータ保管部9に予め保管しておいてもよい。この方法によれば、入力部8の撮像条件設定部82において設定された撮像条件に基づいて他の撮像パラメータと共に読み出されたフリップアングルをそのまま、あるいは、入力部8により必要に応じ補正して用いることにより脂肪抑制撮像モードのMRI撮影を行なうことができる。従って、上式(1)及び(2)、あるいは上式(3)に基づく複雑な演算が不要となり、フリップアングルの設定に要する時間は大幅に短縮される。
更に、図12に示すように、重度、中程度及び軽度の脂肪抑制撮像モードに好適なフリップアングルを各種パルスシーケンスに対して予め保管しても構わない。例えば、FSE法では、MR信号数が一定であれば繰り返し時間TRやスライス数Mが変化してもスライス数が最大の条件下では脂肪抑制パルスの時間間隔Tfは一定となる。従って、1スライス断面におけるMR信号の収集に要する時間に基づいて分類したパルスシーケンスを単位として所定の脂肪抑制度(重度、中程度及び軽度の脂肪抑制度)に対応した脂肪抑制パルスのフリップアングルを予め保管することにより、MRI撮影に先立って操作者が設定する繰り返し時間TRでの撮影が可能な最大スライス数と所望の脂肪抑制度に基づいて前記脂肪抑制度を実現する脂肪抑制パルスのフリップアングルを設定することが可能となる。
一方、上述の実施例では、90度パルス及び180度パルスを用いたSE(Spin Echo)法を適用して被検体150の撮影対象部位から発生するMR信号(即ち、水信号と抑制された脂肪信号)を収集する場合について述べたが、FSE(Fast Spin Echo)法やFE(Field Echo)法、更には、EPI(Echo Planar Imaging)法等の他の方法であっても構わない。
更に、上述の実施例における高速演算部52は、受信部34から供給される2次元的なMR信号を再構成処理して2次元画像データを生成する場合について述べたが、受信部34から供給される3次元的なMR信号に対し3次元フーリエ変換による再構成処理を行なってボリュームデータを生成し、このボリュームデータに基づいて3次元画像データやMPR画像データを生成してもよい。
又、上述の実施例では、SE法の場合について述べたが、繰り返し時間の短いグラディエントエコー法では、脂肪抑制パルスを各データ収集部の前に付加すると、全体の撮像時間の延長が許容できなくなるため、k空間を複数のセグメントに分割し、各セグメントに対して1回のプリパルスを印加するセグメント分割型のデータ収集法を用いる。2次元イメージングの場合、1セグメントの期間には、k空間を充填するのに必要なデータライン数をセグメント数で割った数のデータ収集が行なわれ、これと繰り返し時間TRを掛けたものが1セグメントあたりの時間、すなわち脂肪抑制パルスの印加間隔となる。ここでスピンワープ(spin warp)法の場合に全データ収集数は位相エンコードマトリクスである。各脂肪抑制パルスの脂肪の縦磁化成分Mz+と初期状態の縦磁化成分M0の比は(1)式のTRを(位相エンコードマトリクス数/セグメント数)*TRで置き換えて同様に計算できる。
従って、同じ脂肪抑制の程度を与える脂肪抑制パルスのフリップアングルは、位相エンコードマトリクス数、セグメント数及びパルスシーケンスのTRによって変化する。図13に脂肪抑制パルスを使用したセグメント分割型のパルスシーケンスの例を示す。この例は、k空間をn個のセグメントに分割する場合の例で、例えば位相エンコードマトリクスが128でセグメント数nが16であれば、1セグメントあたりのデータ収集数は8である。
3次元のイメージングの場合には、これにスライス方向の位相エンコードが加わる。3次元データ収集の順序は平面内の位相エンコードされたデータを先に収集する場合とスライス方向に位相エンコードされたデータを収集する場合、及びそれらを混在させた順序で収集する方法があるが、いずれの場合にも撮像条件よりパルスシーケンスが組み立てられれば、同じ脂肪抑制の程度を与える脂肪抑制パルスのフリップアングルは求めることができる。
又、上述の実施例では、CHESS法の場合について述べたが、MRIの脂肪抑制法には、CHESS法のほかに、反転回復法を用いて、反転パルスの後、脂肪の縦磁化成分が0になる時刻に信号収集を行なう方法がある。特に脂肪抑制に用いられる反転回復(IR)法はSTIR法と呼ばれる。この方法は、CHESS法とは異なり、反転パルスにて関心領域の水の信号も励起されるので、水の信号値がIRを用いない場合に比べて低下するが、ケミカルシフトに依存した方法ではないため、静磁場の均一性には影響されないという利点があり、とくに磁場均一性の確保が困難な部位で均一な脂肪抑制が望まれる場合に利用される。
図14にSTIR法のパルスシーケンスを示す。パルスシーケンスは、関心領域内の磁化を反転させる反転パルス201を含む反転回復部200とそれに続くデータ収集部210とから成る。データ収集部210はスピンエコー法の例を示している。反転パルスのフリップアングルは180度に設定されていて縦磁化成分Mzの極性を反転させる。反転パルスのフリップアングルの不完全性に起因するxy平面内の横磁化成分はこれに続くスポイラー傾斜磁場パルス202により場所に応じた位相差を生じ、正味の巨視的磁化成分を失う。反転パルスにて極性の反転した縦磁化成分は、その後組織の縦緩和時間T1に依存した速度で回復し、その過程でTI時間後にデータ収集用の90度パルスによる励起を行なうことにより、T1緩和時間で強調された画像コントラストを得ることができる。STIRの場合には、特に脂肪の信号値が0になるようなTI時間を設定する。反転回復部200に続くデータ収集部210は、この例ではスピンエコー法を示し、CHESSパルスを使用した脂肪抑制法と同じであるので説明を省略する。
この手法を実行した場合の定常状態における励起パルス211直前の縦磁化成分Mzと初期状態の縦磁化成分M0との比は、繰り返し時間をTR、反転回復時間をTI、縦緩和時間をT1とすると
Mz/M0=1−2*exp(−TI/T1)+exp(−TR/T1) ・・・(4)
で与えられることが知られている。
例えば、パルスシーケンスの繰り返し時間をTR=500msec、1.5Tにおける脂肪の縦緩和時間をT1=230msecとすると、励起直前の脂肪の信号を0にするには、(4)式にてMz/M0=0とすることにより
TI=T1*ln(2/(1+exp(−TR/T1)))=134.6msec
であることがわかる。
又、同様に脂肪の信号を30%程度残した画像を収集する場合には、(4)式にてMz/M0=−0.3として
TI=T1*ln(2/(1+0.3+exp(−TR/T1)))=79.8msec
であることがわかる。ここで、Mz/M0=0.3ではなく、−0.3としたのは、以下の理由による。
縦磁化は反転パルスにより極性を反転した後、負から正に向かって回復するが、MRIで得られる画像が絶対値で表されることを考えた場合に、画像化される信号強度が0.3になる励起のタイミングは、Mz/M0=−0.3の場合と+0.3の場合とがある。これらのうち、TI時間が短くなるのはMz/M0が−0.3の場合であり、この方が、脂肪よりも長い縦緩和時間を持つ組織への影響が少なく、又、パルスシーケンスの時間が短くなるからである。
更に、(4)式によれば、これらのTI時間は、パルスシーケンスのTRにも依存していることがわかる。例えば、TRを500msecから1000msecに延長した場合には、Mz/M0を0にするTIは134.6msecから156msecに、脂肪信号を30%にするTIは79.8msecから96.8msecに変化する。この状態を、図15に示す。
このように、IR法における脂肪信号の抑制度は、パルスシーケンスの別のパラメータにも依存するため、所望の脂肪抑制度を実現するためには、撮像条件よりその都度計算を行なうか、TI時間を撮像条件ごとに記憶しておくことが望ましい。尚、マルチスライスのMR信号を収集する場合には、スライスごとにTI時間を設定する。
本発明の実施例におけるMRI装置の全体構成を示すブロック図。 水組織及び脂肪組織の磁気共鳴周波数を示す図。 本発明の実施例におけるMRI装置が備えた脂肪抑制度設定部の具体例を示す図。 同実施例のMRI装置が備えた脂肪抑制度設定部の他の具体例を示す図。 同実施例における撮像パラメータの具体例を示す図。 同実施例の脂肪抑制撮像モードにおいて使用されるMRI撮影のパルスシーケンスを示す図。 同実施例のシングルスライス法における脂肪抑制パルスのフリップアングルと脂肪抑制度の関係を示す図。 同実施例のマルチスライス法にて行なわれるMR信号の収集方法を模式的に示す図。 同実施例のマルチスライス法における脂肪抑制パルスのフリップアングルと脂肪抑制度の関係を示す図。 同実施例におけるMRI撮影の手順を示すフローチャート。 同実施例におけるフリップアングル設定方法の変形例を示す図。 同実施例におけるフリップアングル設定方法の他の変形例を示す図。 セグメント(segment)分割型のパルスシーケンスの例を示す図。 反転回復法のパルスシーケンスの例を示す図。 反転回復法における縦磁化とTI時間との関係を示す図。
符号の説明
1 静磁場発生部
101 主磁石
102 静磁場電源
2 傾斜磁場発生部
21 傾斜磁場コイル
22 傾斜磁場電源
3 送受信部
31 送信コイル
32 送信部
33 受信コイル
34 受信部
4 天板
5 画像データ生成部
51 MR信号記憶部
52 高速演算部
53 画像データ記憶部
6 サンプル画像データ保管部
7 表示部
8 入力部
81 撮像モード選択部
82 撮像条件設定部
83 脂肪抑制度設定部
9 撮像パラメータ保管部
10 フリップアングル算出部
11 制御部
111 主制御部
112 シーケンス制御部
100 MRI装置
200 反復回復部
201 反転パルス
202 スポイラー傾斜磁場パルス
210 データ収集部

Claims (25)

  1. 脂肪信号抑制法を適用したMRI撮影の撮像条件及び脂肪抑制度に基づいて脂肪抑制パルスのフリップアングルを設定するフリップアングル設定部と、
    前記フリップアングルを有した脂肪抑制パルスを生成する送受信部と、
    被検体の撮影対象部位に対する前記脂肪抑制パルスの照射とスポイラー傾斜磁場の印加を制御し、前記撮影対象部位の脂肪組織から発生するMR信号を所定の大きさに抑制するシーケンス制御部と、
    前記脂肪組織からのMR信号が抑制された前記撮影対象部位に対し所定のパルスシーケンスを適用して収集されたMR信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部と、
    を備える、MRI装置。
  2. 前記脂肪抑制度を入力するための脂肪抑制度入力部と、
    前記MRI撮影の撮像条件を入力するための撮像条件入力部と、
    各種撮像条件に対応した撮像パラメータを保管する撮像パラメータ保管部を備え、
    前記フリップアングル設定部は、前記脂肪抑制度入力部により設定された前記所望の脂肪抑制度と、前記撮像パラメータ保管部から抽出された前記撮像条件に対応する撮像パラメータとに基づいて前記脂肪抑制パルスのフリップアングルを算出するフリップアングル算出部を備える請求項1に記載のMRI装置。
  3. 前記フリップアングル算出部は、前記脂肪抑制パルスのフリップアングルを算出する所定の演算プログラムが予め保管された記憶部を備え、
    前記所望の脂肪抑制度と前記撮像パラメータを前記記憶部から読み出した前記演算プログラムに入力して前記フリップアングルを算出する請求項2に記載のMRI装置。
  4. 前記脂肪抑制度入力部は、予め設定された複数の脂肪抑制度の中から所望の脂肪抑制度を選択して設定する請求項2に記載のMRI装置。
  5. 前記脂肪抑制度入力部は、予め設定された複数の脂肪抑制度の中から所望の脂肪抑制度を選択して設定する請求項3に記載のMRI装置。
  6. 前記脂肪抑制度入力部は、所望の脂肪抑制度を任意に設定可能な入力デバイスを有する請求項2に記載のMRI装置。
  7. 前記脂肪抑制度入力部は、所望の脂肪抑制度を任意に設定可能な入力デバイスを有する請求項3に記載のMRI装置。
  8. 前記フリップアングル設定部は、
    各種撮像条件に対応した脂肪抑制パルスのフリップアングル及び撮像パラメータを保管する撮像パラメータ保管部を備える請求項1に記載のMRI装置。
  9. 前記フリップアングル設定部は、
    各種撮像条件に対応した脂肪抑制パルスのフリップアングル及び撮像パラメータを保管する撮像パラメータ保管部を備える請求項2に記載のMRI装置。
  10. 前記フリップアングル設定部は、
    各種撮像条件に対応した脂肪抑制パルスのフリップアングル及び撮像パラメータを保管する撮像パラメータ保管部を備える請求項3に記載のMRI装置。
  11. 前記フリップアングル設定部は、
    各種撮像条件に対応した脂肪抑制パルスのフリップアングル及び撮像パラメータを保管する撮像パラメータ保管部を備える請求項4に記載のMRI装置。
  12. 前記フリップアングル設定部は、
    各種撮像条件に対応した脂肪抑制パルスのフリップアングル及び撮像パラメータを保管する撮像パラメータ保管部を備える請求項5に記載のMRI装置。
  13. 前記フリップアングル設定部は、
    各種撮像条件に対応した脂肪抑制パルスのフリップアングル及び撮像パラメータを保管する撮像パラメータ保管部を備える請求項6に記載のMRI装置。
  14. 前記フリップアングル設定部は、
    各種撮像条件に対応した脂肪抑制パルスのフリップアングル及び撮像パラメータを保管する撮像パラメータ保管部を備える請求項7に記載のMRI装置。
  15. 前記撮像パラメータ保管部は、各種脂肪抑制度に対応したフリップアングルの情報を脂肪抑制パルスの発生頻度に基づいて分類されたシーケンス種の各々に対して保管する請求項8に記載のMRI装置。
  16. 前記撮像パラメータ保管部は、各種脂肪抑制度に対応したフリップアングルの情報を脂肪抑制パルスの発生頻度に基づいて分類されたシーケンス種の各々に対して保管する請求項9に記載のMRI装置。
  17. 前記撮像条件は、撮像パルスシーケンスの種類、繰り返し時間TR、スライス枚数、1スライスあたりのデータ収集時間の少なくともいずれかである請求項1に記載のMRI装置。
  18. 前記撮像条件は、撮像パルスシーケンスの種類、繰り返し時間TR、スライス枚数、1スライスあたりのデータ収集時間のうちの二つの組み合わせである請求項17に記載のMRI装置。
  19. 前記撮像条件は、撮像パルスシーケンスの種類、繰り返し時間TR、スライス枚数、1スライスあたりのデータ収集時間の少なくともいずれかである請求項8に記載のMRI装置。
  20. 前記撮像条件は、撮像パルスシーケンスの種類、繰り返し時間TR、スライス枚数、1スライスあたりのデータ収集時間のうちの二つの組み合わせである請求項19に記載のMRI装置。
  21. 脂肪信号抑制法を適用するMRI撮影の脂肪抑制度を入力するための脂肪抑制度入力部と、
    前記MRI撮影の撮像条件及び前記脂肪抑制度に基づいて、脂肪抑制のための脂肪抑制条件のパラメータを設定する撮像条件設定部と、
    被検体の撮影対象部位に対して前記設定されたパラメータの脂肪抑制パルスの照射とスポイラー傾斜磁場の印加を制御し、前記撮影対象部位の脂肪組織から発生するMR信号を所定の大きさに抑制するシーケンス制御部と、
    前記脂肪組織からのMR信号が抑制された前記撮影対象部位に対し所定のパルスシーケンスを適用して収集されたMR信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部と、
    を備える、MRI装置。
  22. 前記撮像条件設定部は、脂肪抑制方法の種類に応じて、前記脂肪抑制条件のパラメータを決定する請求項21に記載のMRI装置。
  23. 前記撮像条件設定部は、夫々の組織における水素原子核スピンの共鳴周波数が異なることを利用して脂肪組織の磁化のみを励起しスポイラーパルスによってその横磁化成分を消滅させる化学シフト選択法を脂肪抑制方法とする場合に、フリップアングルを前記脂肪抑制条件のパラメータとして決定する請求項22に記載のMRI装置。
  24. 前記撮像条件設定部は、水組織の水素原子核スピンが有する縦緩和時間と脂肪組織の水素原子核スピンが有する縦緩和時間が異なることを利用した反転回復法を脂肪抑制方法とする場合に、反転回復時間を前記脂肪抑制条件のパラメータとして決定する請求項22に記載のMRI装置。
  25. 前記撮像条件設定部は、マルチスライスのMR信号を収集する場合には、スライスごとに反転回復時間を前記脂肪抑制条件のパラメータとして決定する請求項24に記載のMRI装置。
JP2008212455A 2007-10-04 2008-08-21 Mri装置 Active JP5508697B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008212455A JP5508697B2 (ja) 2007-10-04 2008-08-21 Mri装置
CN2008101617681A CN101401723B (zh) 2007-10-04 2008-09-26 Mri装置
US12/244,160 US7990140B2 (en) 2007-10-04 2008-10-02 MRI apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007261360 2007-10-04
JP2007261360 2007-10-04
JP2008212455A JP5508697B2 (ja) 2007-10-04 2008-08-21 Mri装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013152144A Division JP5567189B2 (ja) 2007-10-04 2013-07-22 Mri装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009101133A true JP2009101133A (ja) 2009-05-14
JP5508697B2 JP5508697B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=40535992

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008212455A Active JP5508697B2 (ja) 2007-10-04 2008-08-21 Mri装置
JP2013152144A Active JP5567189B2 (ja) 2007-10-04 2013-07-22 Mri装置

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013152144A Active JP5567189B2 (ja) 2007-10-04 2013-07-22 Mri装置

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JP5508697B2 (ja)
CN (1) CN101401723B (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012077543A1 (ja) * 2010-12-07 2012-06-14 株式会社 日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置及びコントラスト強調画像取得方法
JP2014042565A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置
JP2014506823A (ja) * 2011-03-01 2014-03-20 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 磁気共鳴撮像パルス・シーケンス・プロトコル分類の決定
JP2014200571A (ja) * 2013-04-09 2014-10-27 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置及び2項パルス制御法
JP2015016009A (ja) * 2013-07-09 2015-01-29 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
WO2015115187A1 (ja) * 2014-01-30 2015-08-06 株式会社 日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置及び脂肪抑制水画像算出方法
JP2016086991A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
JP2016190093A (ja) * 2016-08-15 2016-11-10 東芝メディカルシステムズ株式会社 磁気共鳴撮像装置
US9995811B2 (en) 2012-01-13 2018-06-12 Toshiba Medical Systems Corporation Magnetic resonance imaging apparatus
CN112731235A (zh) * 2020-12-09 2021-04-30 中国科学院深圳先进技术研究院 一种磁共振化学交换饱和转移成像方法以及相关设备

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8310234B2 (en) 2010-03-17 2012-11-13 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. System for fat suppression in MR image acquisition
CN102188245B (zh) * 2010-03-17 2013-07-31 美国西门子医疗解决公司 用于在mr图像获取中进行脂肪抑制的系统
JP6257899B2 (ja) * 2012-03-26 2018-01-10 東芝メディカルシステムズ株式会社 磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法
US9360545B2 (en) * 2012-06-26 2016-06-07 Siemens Aktiengesellschaft Magnetic resonance system and operating method for flow artifact reduction in slab selective space imaging
DE102012214660B4 (de) 2012-08-17 2014-02-27 Siemens Aktiengesellschaft Automatisierte spektrale Fettsättigung
US9429635B2 (en) * 2012-11-05 2016-08-30 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. Adaptive and interactive assessment of tissue properties in MR imaging
DE102013215703B3 (de) * 2013-08-08 2015-02-05 Siemens Aktiengesellschaft Bestimmung einer T1-Zeit von Wasser und einer T1-Zeit von Fett
CN106137194A (zh) * 2015-03-27 2016-11-23 上海联影医疗科技有限公司 一种自适应压脂脉冲参数选择方法及装置
CN105395200B (zh) * 2015-12-02 2018-08-03 沈阳东软医疗系统有限公司 磁共振成像系统扫描方法、射频功率校准方法及装置
KR101877104B1 (ko) * 2015-12-11 2018-07-10 (의료)길의료재단 Mrs 영상 기법에서 여기 신호 대역의 중심 주파수 조절 및 수신 대역폭 조절을 통한 물 신호 억제 방법
EP3432018A1 (en) * 2017-07-17 2019-01-23 AMRA Medical AB Mri method for calculating a t2*-corrected proton density fat fraction
CN107369153B (zh) * 2017-07-18 2020-11-27 上海联影医疗科技股份有限公司 磁共振脂肪抑制图像获取方法、存储介质及扫描系统
US11360168B2 (en) * 2018-11-21 2022-06-14 General Electric Company Systems and methods for a neck radio frequency coil for MR imaging
CN109620228B (zh) * 2018-12-20 2023-01-03 上海联影医疗科技股份有限公司 磁共振成像中脂肪零点偏差校正方法及磁共振成像方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000350713A (ja) * 1999-05-17 2000-12-19 General Electric Co <Ge> Mriによる効果的な組織差別化のための方法及び装置
JP2002095645A (ja) * 2000-09-22 2002-04-02 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置および記憶媒体

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05285116A (ja) * 1992-04-14 1993-11-02 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング方法
US6272369B1 (en) * 1999-01-22 2001-08-07 Ge Medical Systems Global Technology Company Llc Method for optimizing fat suppression using the chemical shift selective MR imaging technique
US7235971B2 (en) * 2003-07-11 2007-06-26 Koninklijke Philips Electronics N.V. Shimming of MRI scanner involving fat suppression and/or black blood preparation

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000350713A (ja) * 1999-05-17 2000-12-19 General Electric Co <Ge> Mriによる効果的な組織差別化のための方法及び装置
JP2002095645A (ja) * 2000-09-22 2002-04-02 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置および記憶媒体

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013022969; K.Kuroda, et al.: '"Optimization of Chemical Shift Selective Suppression of Fat"' Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med. 6 , 199805, #1981 *

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5848713B2 (ja) * 2010-12-07 2016-01-27 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置及びコントラスト強調画像取得方法
WO2012077543A1 (ja) * 2010-12-07 2012-06-14 株式会社 日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置及びコントラスト強調画像取得方法
US9523750B2 (en) 2011-03-01 2016-12-20 Koninklijke Philips N.V. Determination of a magnetic resonance imaging pulse sequence protocol classification
JP2014506823A (ja) * 2011-03-01 2014-03-20 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 磁気共鳴撮像パルス・シーケンス・プロトコル分類の決定
US9995811B2 (en) 2012-01-13 2018-06-12 Toshiba Medical Systems Corporation Magnetic resonance imaging apparatus
JP2014042565A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置
US10413214B2 (en) 2012-08-24 2019-09-17 Toshiba Medical Systems Corporation Magnetic resonance imaging apparatus and console device thereof
JP2014200571A (ja) * 2013-04-09 2014-10-27 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置及び2項パルス制御法
JP2015016009A (ja) * 2013-07-09 2015-01-29 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
WO2015115187A1 (ja) * 2014-01-30 2015-08-06 株式会社 日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置及び脂肪抑制水画像算出方法
JPWO2015115187A1 (ja) * 2014-01-30 2017-03-23 株式会社日立製作所 磁気共鳴イメージング装置及び脂肪抑制水画像算出方法
JP2016086991A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
JP2016190093A (ja) * 2016-08-15 2016-11-10 東芝メディカルシステムズ株式会社 磁気共鳴撮像装置
CN112731235A (zh) * 2020-12-09 2021-04-30 中国科学院深圳先进技术研究院 一种磁共振化学交换饱和转移成像方法以及相关设备
CN112731235B (zh) * 2020-12-09 2024-04-19 中国科学院深圳先进技术研究院 一种磁共振化学交换饱和转移成像方法以及相关设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013212425A (ja) 2013-10-17
JP5508697B2 (ja) 2014-06-04
CN101401723B (zh) 2011-07-27
JP5567189B2 (ja) 2014-08-06
CN101401723A (zh) 2009-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5567189B2 (ja) Mri装置
US7990140B2 (en) MRI apparatus
JP5518403B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法
JP5632022B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP3512482B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
US10365341B2 (en) Method and apparatus for obtaining magnetic resonance image
JP2008086747A (ja) 磁気共鳴イメージング装置および画像処理装置
JP5075344B2 (ja) Mri装置及び画像表示装置
JP4928955B2 (ja) Mri装置
JP2009034152A (ja) Mri装置
US8035380B2 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and image data generating method
JP5268372B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置および画像データ生成方法
JP2008054738A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4177165B2 (ja) Mri装置
JP2004057237A (ja) 磁気共鳴映像装置
JP2006116299A (ja) 磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置のデータ処理方法
JP2010094156A (ja) Mri装置
JP2000005142A (ja) 磁気共鳴イメージング方法及び装置
JP2005152534A (ja) 磁気共鳴撮影装置およびrf波生成方法
JP5360757B2 (ja) 磁気共鳴画像法および磁気共鳴画像装置
JP2021137501A (ja) 磁気共鳴イメージング方法及び装置
JP2008284225A (ja) 磁気共鳴画像診断装置
JP5710161B2 (ja) Mri装置及び制御プログラム
JP2006000478A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP5366431B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130722

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131022

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140122

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5508697

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350