JP2009098026A - 硬化度判定用器具、及び、硬化度判定方法 - Google Patents

硬化度判定用器具、及び、硬化度判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】客観的かつ簡易な方法で硬化中のコンクリート表層部の硬化度を判定すること。
【解決手段】本願の硬化度判定用器具は、コンクリートの表層部の硬化度判定用器具であって、基面と該基面に対して所定高さ突出する突出面とを備える重量体からなり、前記突出面が前記表層部の表面に対向するように前記重量体を載置するときにおいて、前記突出面が前記表層部の表面に対して水平に接するように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、凝結中のコンクリート表層部の硬化度を測定するための硬化度判定用器具、及び、硬化度判定方法に関する。
コンクリートを打設して床スラブを形成する際、コンクリート表層部は、トンボによる荒均しの後、木鏝(きごて)押さえ及び金鏝(かなごて)押さえが行われる。木鏝押さえ及び金鏝押さえが適切に行われないと、床表面強度が脆弱となったり、平滑さが確保できないという問題を生ずる。
鏝押さえは、コンクリートの凝結過程において行われる。コンクリートの凝結過程ではブリージング水が発生することがある。鏝による押さえの時期が早すぎると、鏝押さえを行った後もブリージング水が発生し、鏝押さえを行った効果が損なわれる。一方、鏝による押さえの時期が遅すぎると、コンクリート表層部の硬化が進行しすぎてしまい、鏝押さえが困難となる。また、誤った時期に鏝押さえを行うと、コンクリートにひび割れ、表面剥離、及び表面強度不足などの不具合を生ずることがある。
コンクリートの凝結の進行具合は、コンクリート材料の調合割合及び気象条件にも影響される。よって、鏝押さえの時期も気象条件等に左右されるため、打設からの経過時間に基づいて鏝押さえの時期を適切に判定することは難しい。また、鏝押さえ時期は客観的に判定されることが望ましいが、実際の建設現場では、職人がかんじきを履き、凝結過程にあるコンクリート表面に乗ったときにつけられる跡を観察することにより、経験による勘で判定されることが多い。
客観的なコンクリートの凝結状態の判定方法については、JIS A 1147に規定されている凝結試験法がある。また、特許文献1には、コンクリート上に振動機構を設置し、発生させた振動の振幅等を計測することによりコンクリートの仕上げ時期を判定することが示されている。
特開平8−152394号公報
しかしながら、上述のような方法であると、コンクリートの硬化状況を測定するために建設現場に大型の装置を用意しなければならないという問題があった。そこで、コンクリート表層部の硬化状況を容易かつ客観的に判定することが望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡易かつ客観的に凝結中のコンクリート表層部の硬化度を判定することを目的とする。
このような目的を達成するために本発明に係る硬化度判定用器具は、コンクリートの表層部の硬化度判定用器具であって、基面と該基面に対して所定高さ突出する突出面とを備える重量体からなり、前記突出面が前記表層部の表面に対向するように前記重量体を載置するときにおいて、前記突出面が前記表層部の表面に対して水平に接するように構成されることを特徴とする。
このような硬化度判定用器具の突出面をコンクリートの表層部に対向するように載置することで突出面がコンクリートの表層部に沈み込む。コンクリートの表層部の硬化が進んでいる場合、突出面の沈み込み量は少なく、コンクリートの表層部の硬化が進んでいない場合、突出面の沈み込み量は多い。よって、コンクリートの表層部に突出面が沈み込むことにより形成された跡に基づいて沈み込み量を判定することで、容易にコンクリートの表層部の硬化度を判定することができる。また、硬化度判定用器具の重量と突出面の面積は一定に保たれるので、一定の応力をもって突出面が表層部に沈み込むこととなる。よって、この一定の応力によって生じた沈み込み量を判定することとなるので、客観的に表層部の硬化度を判定することができる。
また、本発明に係る硬化度判定用器具において、前記突出面の前記基面に対する高さは5mm以下であることを特徴とする。
コンクリートの表層部と内部とでは、硬化する速度が異なる。コンクリートの表層部の硬化度を判定する場合には、コンクリートの表面からごく浅い部分の硬化度を測定する必要がある。よって、突出面の高さを5mm以下とすることで、突出面の沈み込み量に基づいてコンクリートの表層部の硬化度を判定することができる。
また、本発明に係る硬化度判定用器具において、前記突出面の形状が前記重量体の重心を中心とする円形状または環形状であることを特徴とする。
このようにすることで、硬化度判定用器具の重心を中心とした同心円上に突出面が形成されるので、中心から同心円上に均一に突出面を配置することができる。
また、本発明に係る硬化度判定用器具において、前記突出面が所定高さ毎に段階的に複数設けられていることを特徴とする。
このように、高さが段階的に複数設けられた突出面が表層部に対向するように硬化度判定用器具が載置されると、複数の突出面のうちのいくつかの突出面が表層部に沈み込んだ跡を形成する。そして、どの高さの突出面が表層部に跡を形成したかを観察することによって、容易に表層部の硬化度を判定することができる。
また、上記目的を達成するために本発明に係る硬化度判定方法は、基面と該基面に対して所定高さ突出した突出面とを備える重量体を、前記突出面がコンクリートの表層部の表面に対して水平になるように載置し、前記表層部における前記突出面の沈み込みの深さに基づいて前記表層部の硬化度を判定することを特徴とする。
前述の通り、コンクリートの表層部の硬化が進んでいる場合、突出面の沈み込み量は少なく、コンクリートの表層部の硬化が進んでいない場合、突出面の沈み込み量は多い。よって、コンクリートの表層部に突出面が沈み込むことにより形成された跡に基づいて沈み込み量を判定することで、容易にコンクリートの表層部の硬化度を判定することができる。また、重量体の重量と突出面の面積は一定に保たれるので、一定の応力をもって突出面が表層部に沈み込むこととなる。よって、この一定の応力によって生じた沈み込み量を判定することとなるので、客観的に表層部の硬化度を判定することができる。
また、本発明に係る硬化度判定方法において、前記重量体の重量と前記表層部に接触する前記突出面の面積との比が0.01〜0.03(N/mm)であり、前記突出面の前記表層部に対する沈み込みの深さが0.2〜2.0(mm)であるときを金鏝押さえ時期であると判定することを特徴とする。
このようにすることで、突出面によって形成されたコンクリートの表層部の溝の深さに基づいて、容易に金鏝押さえ時期を判定することができる。
また、本発明に係る硬化度判定方法において、前記質量体の重量と前記表層部に接触する前記突出面の面積との比が0.01〜0.03(N/mm)であり、前記突出面の前記表層部に対する沈み込みの深さが2.0〜4.0(mm)であるときを木鏝押さえ時期であると判定することを特徴とする。
このようにすることで、突出面によって形成されたコンクリートの表層部の溝の深さに基づいて、容易に木鏝押さえ時期を判定することができる。
また、本発明に係る硬化度判定方法において、前記突出面が所定高さ毎に段階的に複数設けられており、前記表層部に沈み込んだ前記突出面の数により前記表層部の硬化度を判定することを特徴とする。
このようにすることで、複数の突出面のうちのどの高さの突出面が表層部に溝を形成したかを沈み込んだ突出面の数を計数することによって判定することができる。そして、沈み込んだ突出面の数に基づいて重量体の沈み込み量を判定することができ、容易に鏝押さえ時期を判定することができる。
このように、コンクリートの表層部に突出面が沈み込むことにより形成された跡に基づいて沈み込み量を判定することで、容易にコンクリートの表層部の硬化度を判定することができる。また、硬化度判定用器具の重量と突出面の面積は一定に保たれるので、一定の応力をもって突出面が表層部に沈み込むこととなる。よって、この一定の応力によって生じた沈み込み量を判定することとなるので、客観的に表層部の硬化度を判定することができる。
以下に、コンクリート表層部の硬化度判定用器具、及び、この硬化度判定用器具を用いたコンクリート表層部の硬化度判定方法について説明する。
図1は、本実施形態において使用される硬化度判定用器具1の説明図である。図の上部に示されているのが硬化度判定用器具1の上面図であり、下部に示されているのが硬化度判定用器具の側面図である。
この硬化度判定用器具1には、木鏝押さえ時期を判定するための硬化度判定用器具(以下、木鏝押さえ時期判定用器具)と、金鏝押さえ時期を判定するための硬化度判定用器具(以下、金鏝押さえ時期判定用器具)との2種類がある。これは、木鏝押さえ時期におけるコンクリート表層部のほうが金鏝押さえ時期におけるコンクリート表層部よりも硬化が進行していないため、両者間で後述する突出面の寸法を異ならせているのである。よって、ここではまず、硬化度判定用器具の形状を説明し、その後に各鏝押さえ時期判定用器具についての具体的な寸法について言及することとする。
図に示されるように、硬化度判定用器具1は、高さH、直径Dを有する円柱体の一方の平面上に円形及び複数の環状の突出面が形成されることにより構成される。硬化度判定用器具1の上面を基面5とする。硬化度判定用器具1の基面5上の中央には直径がd0の小さな円柱状の突出部が形成される。この小さな円柱状の突出部を第1突出部10とし、第1突出部の上面を第1突出面11とする。この第1突出面11の基面5からの高さは(a+a+a)である。
また、硬化度判定用器具1の基面5上には、内径がd1であり外径がd2である環状の突出部が形成される。この突出部を第2突出部20とし、第2突出部20の上面を第2突出面21とする。第2突出面21の基面5からの高さは(a+a)である。また、硬化度判定用器具1の基面5上には、内径がd3であり外径がd4である環状の突出部が形成される。この突出部を第3突出部30とし、第2突出部30の上面を第3突出面31とする。第3突出面31の基面5からの高さはaである。
尚、硬化度判定用器具1の上部に突出面が形成されているが、実際にこの硬化度判定用器具1が使用されるときにおいて、これらの突出面が形成されている面が下向きにされ、コンクリートの表層部に接することとなる。
次に、硬化度判定用器具1のうち金鏝押さえ時期判定用器具の具体的な寸法について説明する。金鏝押さえ時期判定用器具の円柱体の高さHは20mmである。また、金鏝押さえ時期判定用器具の円柱の直径Dは50mmである。
金鏝押さえ時期判定用器具の第1突出面11の直径d0は5mmである。また、第2突出面21の内径d1は20mmであり、外径d2は24mmである。また、第3突出面31の内径d3は30mmであり、外径d4は34mmである。
そして、各突出面の高さを規定するaの値は0.5mmである。よって、第1突出面11の基面5に対する高さは1.5mmであり、第2突出面21の基面5に対する高さは1.0mmであり、第3突出面31の基面5に対する高さは0.5mmである。
金鏝押さえ時期判定用器具の材質はステンレス鋼が用いられる。ステンレス鋼の比重は7.8であるので、金鏝押さえ時期判定用器具の重量は309gとなる。また、第1突出面11と第2突出面21の合計面積は158mmである。よって、第1突出部11と第2突出部21のみが表層部に接するときにおいて、第1突出面11と第2突出面21とにかかる応力の平均値は、0.02(N/mm)となる。
後述するように、金鏝押さえ判定用器具の第1突出面11と第2突出面21のみが表層部に溝を形成するときを適切な金鏝押さえ時期としている。つまり、金鏝押さえ判定用器具の沈み込み量が0.5mm以上1.0mm未満のときにおいて、第1突出面11と第2突出面21にかかる応力の平均値が0.02(N/mm)のときを適切な金鏝押さえ時期と設定しているのである。
この応力の平均値は、一般的な作業者である成人男性がかんじきを履いたときに、かんじき下面に生ずる応力の平均値とほぼ等しい。これは、従来、作業者がかんじきを履いてコンクリート表面上を歩行し、コンクリート表層面につけられたかんじき跡に基づいて鏝押さえ時期を判定していたことによる。
尚、この第1突出面11と第2突出面21にかかる応力の平均値を0.02(N/mm)に設定したが、0.01〜0.03(N/mm)の範囲で設定することができる。
次に、硬化度判定用器具1のうち木鏝押さえ時期判定用器具の具体的な寸法について説明する。木鏝押さえ時期判定用器具が金鏝押さえ時期判定用器具と異なっているのは、第1突出面11、第2突出面21、及び、第3突出面31の基面5に対するそれぞれの高さのみである。よって、他の寸法は、金鏝押さえ時期判定用器具の寸法と同様である。
木鏝押さえ時期判定用器具において、各突出面の基面5に対する高さを規定するaの値は1.5mmである。よって、第1突出面11の基面5に対する高さは、4.5mmであり、第2突出面21の基面5に対する高さは3.0mmであり、第3突出面31の基面5に対する高さは0.5mmである。
木鏝押さえ時期判定用器具の材質もステンレス鋼が用いられる。尚、木鏝押さえ時期判定用器具と金鏝押さえ時期判定用器具の寸法の違いは、各突出部の基面5に対する高さである。しかしながら、各突出部の体積が硬化度判定用器具1の体積全体に占める割合は小さいものであるので、木鏝押さえ時期判定用器具の重量は金鏝押さえ時期判定用器具の重量とほぼ同じとなる。また、第1突出面11と第2突出面21の合計面積も158mmであり同じ面積である。よって、木鏝押さえ時期判定用器具を使用した場合も、第1突出部11と第2突出部21のみがコンクリート表層部に接するときにおいて、第1突出面11と第2突出面21とにかかる応力の平均値は、0.02(N/mm)となる。
ここでも、木鏝押さえ時期判定用器具の第1突出面11と第2突出面21のみが表層部に溝を形成するときを適切な木鏝押さえ時期としている。つまり、木鏝押さえ時期判定用器具の沈み込み量が1.5mm以上3.0mm未満のときにおいて、第1突出面11と第2突出面21にかかる応力の平均値が0.02(N/mm)のときを適切な木鏝押さえ時期と設定しているのである。
尚、この第1突出面11と第2突出面21にかかる平均の応力は、0.01〜0.03(N/mm)の範囲で設定することができる。
ところで、木鏝押さえを行う時期は金鏝押さえを行う時期よりもより早い時期であり、コンクリートの表層部の硬化がより進んでいないときである。このような条件において、木鏝押さえ時期判定用器具と金鏝押さえ時期判定用器具の重量をほぼ同じにできるのは、木鏝押さえ時期判定用器具と金鏝押さえ時期判定用器具とで突出面の表層部に対する接触面積が同じ面積であっても、深い場所ほどコンクリートによる抵抗が大きくなることによる。つまり、コンクリート表面から深いほど沈み込みにくくなるので、突出面の高さだけを変更することにより、互いに異なる硬化度の時期を判定する木鏝押さえ時期判定用器具と金鏝押さえ時期判定用器具を提供できるのである。
図2は、硬化度判定方法を説明するためのフローチャートである。ここでは、床スラブを形成する際に上述の木鏝押さえ時期判定用器具と金鏝押さえ時期判定用器具を用いてコンクリート表層部の硬化度の判定を行う。
まず、作業者はコンクリートの打設を行う(S102)。この打設の際、トンボによりコンクリート表面の荒均しが行われる。その後、2時間ほどでコンクリート表層部の木鏝押さえの時期となるが、表層部の硬化の進行度合いは気象条件等によって異なる。よって、このコンクリートの打設後2時間前後で、コンクリート表層部が木鏝押さえを行うのに適切な状態にまで硬化したか、すなわち、木鏝押さえを行う適切な時期となっているか否かの判定が行われる(S104)。コンクリート表層部の木鏝押さえ時期の判定は次のようにして行う。まず、木鏝押さえ時期判定用器具の各突出面が下になるようにして、硬化度判定用器具をゆっくりとコンクリート表層面に載置する。ここで、ゆっくりとコンクリート表層面に載置するのは、木鏝押さえ時期判定用器具の自重のみによって、各突出部をコンクリート表層部に沈み込ませる必要があるからである。仮に、コンクリート表層部に若干でも落下させるように木鏝押さえ時期判定用器具を置くこととした場合、落下しただけの速度をもって表層部に着地することとなる。そうすると、落下したときの衝撃で、突出部が余計に表層部に沈み込んでしまい、正しい木鏝押さえ時期の判定が行えなくしてしまうおそれがある。よって、木鏝押さえ時期判定用器具は表層面にゆっくりと載置する必要がある。
木鏝押さえ時期判定用器具をコンクリート表層面上に載置した後、数秒程度放置する。ここでは、載置している時間を数秒としたが、例えば5秒というような判定用の基準を設けることとしてもよい。その後、木鏝押さえ時期判定用器具をコンクリート表層部からゆっくりと取り除く。
木鏝押さえ時期判定用器具が表層部から取り除かれた後、複数の突出面が形成した溝が表層部に観察できる。この突出部が表層部に形成した溝に基づいて、木鏝押さえ時期の判定が行われる。判定は、複数の突出面のうち、どの突出面が表層部に溝を形成したかを観察することによって行われる。
図3は、鏝押さえ時期として適切であるときの、コンクリート表層部に形成された溝の形状を説明する図である。図には、第1突出面11、及び、第2突出面21のみによって表層部に形成された溝を表層面上部から観察したときの様子が示されている。表層部にこのような溝が形成されたとき、第1突出面11と第2突出面21のコンクリート表層部に対する接触のみで、木鏝押さえ時期判定用器具の重量を保持できたことになる。
前述の通り、木鏝押さえ時期判定用器具の沈み込み量が1.5mm以上3.0mm未満のとき、すなわち、第1突出面11と第2突出面21のみが表層部に接するときを適切な木鏝押さえ時期と設定している。よって、このとき、コンクリートの表層部の硬化は、木鏝押さえするのに適した程度にまで進んでいると判定できる。
図4は、鏝押さえ時期としては早すぎるときの、コンクリート表層部に形成された溝の形状を説明する図である。図には、第1突出面11、第2突出面21、及び、第3突出面31によって表層部に形成された溝を表層面上部から観察したときの様子が示されている。このとき、コンクリート表層部には、第1突出面11、第2突出面21、及び、第3突出面31の全てが接触している。つまり、木鏝押さえ時期判定用器具の第3突出面31までもがコンクリート表層部に接するまで沈み込んだことになる。
つまり、表層部は木鏝押さえをするほどには硬化は進んでおらず、木鏝押さえ時期として適切であるとして設定された沈み込み量である1.5mm以上3.0mm未満の範囲を超えて木鏝押さえ時期判定用器具は沈み込んでしまったことになる。よって、このときには、木鏝押さえを行うには早すぎると判定することができる。
図5は、鏝押さえ時期としては遅すぎるときの、コンクリート表層部に形成された溝の形状を説明する図である。図には、第1突出面11のみによって表層部に形成された溝を表層面上部から観察したときの様子が示されている。表層部にこのような溝が形成されたとき、第1突出面11のコンクリート表層部に対する接触だけで、木鏝押さえ時期判定用器具の重量を保持できたことになる。
つまり、木鏝押さえをするには表層部の硬化が進みすぎており、木鏝押さえ時期として適切であるとして設定された沈み込み量である範囲に満たない量しか木鏝押さえ時期判定用器具は沈み込まなかったのである。このとき、コンクリート表層部の硬化は木鏝押さえをするには遅すぎる程度にまで進んでいると判定することができる。
このように、木鏝押さえ時期判定用器具を用いることによって、容易に木鏝押さえの時期を判定することができる。
木鏝押さえの時期が適切であると判定されると、コンクリート表層部は木鏝押さえが行われる(S106)。木鏝押さえが行われてから1時間ほどでコンクリート表層部の金鏝押さえ時期となるが、表層部の硬化の進行度合いは気象条件等によって異なる。よって、木鏝押さえから1時間前後で、コンクリート表層部が金鏝押さえを行うのに適切な状態にまで硬化したか、すなわち、金鏝押さえを行う適切な時期となっているか否かの判定が行われる(S108)。
金鏝押さえ時期の判定は、金鏝押さえ時期判定用器具を用いて、前述の木鏝押さえ時期の判定と同様にして行われる。つまり、コンクリート表層部に突出面が接するように金鏝押さえ時期判定用器具がゆっくりと載置される。そして、数秒後に金鏝押さえ時期判定用器具を取り除き、コンクリート表層部に形成された溝に基づいて金鏝押さえの時期が判定される。第1突出面11と第2突出面21のみにより溝が形成されている場合には、適切な金鏝押さえ時期であると判定できる。また、第1突出面11、第2突出面21、及び、第3突出面31の全てによる溝が形成されている場合には、金鏝押さえをするには早すぎると判定できる。また、第1突出面11のみによる溝が形成されている場合には、金鏝押さえするには遅すぎると判定できる。
このようにして、金鏝押さえの時期が適切であると判定されると、コンクリート表層部は金鏝押さえが行われる(S110)。
このように硬化度判定用器具1(木鏝押さえ時期判定用器具、及び、金鏝押さえ時期判定用器具)を用いることとすると、硬化度判定用器具1の有する重量により沈み込んだ量に基づいて、客観的にコンクリート表層部の硬化度を判定することができる。また、硬化度判定用器具1は、上述に示した寸法のように非常に小型である。そのため、作業者は、この硬化度判定用器具1をコンクリートの打設の際にポケットなどにしまっておき、いつでも容易にコンクリート表層部の硬化度の判定を行うことができる。
このように複数の突出面を有する硬化度判定用器具を用い、コンクリート表層面にいくつの跡が形成されたかの数に基づいて表層部の硬化度の判定を行ったが、これは言い換えると複数の高さの突出面を使用することで、硬化度判定用器具がどれだけ表層部に沈み込んだかを判定していることでもある。このようにして、硬化度判定用器具1の沈み込み量に基づいて適切な鏝押さえの時期を判定することができる。
硬化度判定用器具の最も突出した基面に対する突出面の高さは5mm以下にすることが望ましい。これは、鏝押さえが行われる深さがほぼ5mm以下であることから、コンクリート表面から5mm以下の硬化度が測定できればよいからである。
また、ここでは、円形及び環状の跡がつけられたことに基づいて鏝押さえ時期を判定していたが、例えば第3突出面31の環状痕が半分だけついていたときも鏝押さえ時期であると判定するように柔軟に鏝押さえ判定時期を設定することとしてもよい。
また、上述の実施形態では、木鏝押さえ時期判定用器具の第1突出面11と第2突出面21が溝を形成するときにおける、木鏝押さえ時期判定用器具の沈み込み量を1.5mm以上3.0mm未満に設定したが、この範囲は2mm〜4mmの範囲内で任意に設定することができる。このとき、第1突出部11から第3突出部31までの高さの変化量は一定の変化量となるように構成されることが望ましい。
また、金鏝押さえ時期判定用器具の第1突出面11と第2突出面21が溝を形成するときにおける、金鏝押さえ時期判定用器具の沈み込み量を0.5mm以上1.0mm未満に設定したが、この範囲は0.2mm〜2.0mmの範囲内で任意に設定することができる。このときも、第1突出部11から第3突出部31までの高さの変化量は一定の変化量となるように構成されることが望ましい。
また、硬化度判定用器具1の重量を309gとしたが、硬化度を判定するコンクリートの組成によって、重さや寸法を変えることとしてもよい。また、突出面の形状を円形及び環状としたが、突出面の形状を他の形状としてもよい。例えば、正方形及び矩形状としてもよいし、それ以外の多角形形状としてもよい。
また、本実施形態における硬化度判定用器具1では、1つの円形と2つの環状の突出面を設けることとしたが、環状の突出面の数を増やすこととしても良い。また、コンクリート表層部における硬化度判定用器具1の沈み込みの量を観察できればよいため、硬化度判定用器具に1つだけ突出面を設けることとして、この突出面の沈み込み量を計測することとしてもよい。
また、中央の円が小さすぎると、載置したときのバランスが良くない場合もあるため、中央の円をより広くすることとしてもよい。また、中央の円形突出部から外周の環状突出部に向かって基面に対する高さが高くなるようになっているが、高さの順序はこれに限られない。
本実施形態において使用される硬化度判定用器具1の説明図である。 硬化度判定方法を説明するためのフローチャートである。 鏝押さえ時期として適切であるときの、コンクリート表層部に形成された溝の形状を説明する図である。 鏝押さえ時期としては早すぎるときの、コンクリート表層部に形成された溝の形状を説明する図である。 鏝押さえ時期としては遅すぎるときの、コンクリート表層部に形成された溝の形状を説明するための図である。
符号の説明
1 硬化度判定用器具、5 基面、
10 第1突出部、11 第1突出面、
20 第2突出部、21 第2突出面、
30 第3突出部、31 第3突出面

Claims (8)

  1. コンクリートの表層部の硬化度判定用器具であって、基面と該基面に対して所定高さ突出する突出面とを備える重量体からなり、前記突出面が前記表層部の表面に対向するように前記重量体を載置するときにおいて、前記突出面が前記表層部の表面に対して水平に接するように構成される硬化度判定用器具。
  2. 前記突出面の前記基面に対する高さは5mm以下である、請求項1に記載の硬化度判定用器具。
  3. 前記突出面の形状が前記重量体の重心を中心とする円形状または環形状である、請求項1又は2に記載の硬化度判定用器具。
  4. 前記突出面が所定高さ毎に段階的に複数設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化度判定用器具。
  5. 基面と該基面に対して所定高さ突出した突出面とを備える重量体を、前記突出面がコンクリートの表層部の表面に対して水平になるように載置し、前記表層部における前記突出面の沈み込みの深さに基づいて前記表層部の硬化度を判定する硬化度判定方法。
  6. 前記重量体の重量と前記表層部に接触する前記突出面の面積との比が0.01〜0.03(N/mm)であり、前記突出面の前記表層部に対する沈み込みの深さが0.2〜2.0(mm)であるときを金鏝押さえ時期であると判定する、請求項5に記載の硬化度判定方法。
  7. 前記質量体の重量と前記表層部に接触する前記突出面の面積との比が0.01〜0.03(N/mm)であり、前記突出面の前記表層部に対する沈み込みの深さが2.0〜4.0(mm)であるときを木鏝押さえ時期であると判定する、請求項5に記載の硬化度判定方法。
  8. 前記突出面が所定高さ毎に段階的に複数設けられており、前記表層部に沈み込んだ前記突出面の数により前記表層部の硬化度を判定する請求項5〜7のいずれかに記載の硬化度判定方法。
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