JP2009096946A - 発光素子材料および発光素子 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、蛍光色素や電荷輸送材として有用な発光素子材料およびこれを用いた発光素子に関する。本発明の発光素子は、表示素子、フラットパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標識、看板、電子写真機および光信号発生器などの分野に利用可能である。
陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が両極に挟まれた有機発光体内で再結合する際に発光するという有機薄膜発光素子の研究が、近年活発に行われている。この発光素子は、薄型で、低駆動電圧下で高輝度発光が可能であり、かつ、発光材料を選ぶことにより多色発光が可能なことが特徴であり、注目を集めている。
イーストマンコダック社のC.W.Tangらによって有機薄膜発光素子が高輝度に発光することが示されて以来、この技術について、多くの研究機関が検討を行っている。コダック社の研究グループが提示した有機薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基板上に、正孔輸送性のジアミン化合物、発光層であるトリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)、そして陰極としてMg:Ag(合金)を順次設けたものであり、10V程度の駆動電圧で1,000cd/m2の緑色発光が可能であった(非特許文献1参照)。
また、有機薄膜発光素子は、発光層に種々の蛍光材料を用いることにより、多様な発光色を得ることが可能であることから、ディスプレイなどへの実用化研究が盛んである。三原色の発光材料の中では緑色発光材料の研究が最も進んでおり、現在は赤色発光材料と青色発光材料の特性向上を目指して鋭意研究がなされている。
有機薄膜発光素子における最大の課題の1つは、素子の発光効率と色純度の両立である。特に青色発光素子に関しては、発光効率と色純度に優れ、信頼性の高い素子を提供する青色発光材料は少ない。例えば、青色ドーパント材料として、スチリルアミン誘導体(特許文献1参照)、ペリレン誘導体(特許文献2参照)、アントラセン誘導体(特許文献3参照)、フルオレン誘導体(特許文献4、5参照)を用いる技術が開示されている。また、イミダゾピリジン化合物の金属錯体を青色発光素子に用いる技術が開示されているが(特許文献6参照)、いずれも発光効率と色純度が不十分であった。
特開平5−17765号公報
特開2003−86380号公報
国際公開第00/40586号パンフレット
特開2007−39406号公報
国際公開第06/100896号パンフレット
特開2001−057292号公報
アプライド フィジックス レターズ(Applied Physics Letters)(米国)1987年、51巻、12号、913〜915頁
そこで本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、発光効率が高く、色純度に優れた発光素子を可能にする発光素子材料およびこれを用いた発光素子を提供することを目的とする。
本発明は一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体を含有する発光素子材料である。
R1〜R9はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、アミノ基、シリル基、−P(=O)R12R13および隣接置換基との間に形成される環構造の中から選ばれる。R12およびR13は同じでも異なっていてもよく、アリール基またはヘテロアリール基である。R10およびR11は同じでも異なっていてもよく、ハロゲン、水素、アルキル基、アリール基および複素環基から選ばれる。
また、本発明は、少なくとも陽極、陰極および発光層を有し、該陽極と該陰極の間に該発光層が存在し、該発光層が電気エネルギーにより発光する発光素子であって、該発光層が一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体を含有する発光素子である。
本発明の発光素子材料は、発光素子等に利用可能な、発光性能の高い発光素子材料を提供できる。本発明によれば、発光効率が高く、色純度に優れた発光素子が得られる。
一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体について詳細に説明する。
R1〜R9はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、アミノ基、シリル基、−P(=O)R12R13および隣接置換基との間に形成される環構造の中から選ばれる。R12およびR13は同じでも異なっていてもよく、アリール基またはヘテロアリール基である。R10およびR11は同じでも異なっていてもよく、ハロゲン、水素、アルキル基、アリール基および複素環基から選ばれる。
これらの置換基のうち、アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。置換されている場合の追加の置換基には特に制限は無く、例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、通常1以上20以下が好ましく、より好ましくは1以上8以下の範囲である。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。シクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、3以上20以下の範囲である。
複素環基とは、例えば、ピラン環、ピペリジン環、環状アミドなどの炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。複素環基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、2以上20以下の範囲である。
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。シクロアルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、3以上20以下の範囲である。
アルキニル基とは、例えば、エチニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのエーテル結合を介して脂肪族炭化水素基が結合した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アルキルチオ基の炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルチオ基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アリールエーテル基とは、例えば、フェノキシ基など、エーテル結合を介した芳香族炭化水素基が結合した官能基を示し、芳香族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アリールチオエーテル基における芳香族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アリールチオエーテル基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示す。アリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、6以上40以下の範囲である。
ヘテロアリール基とは、フラニル基、チオフェニル基、ピロリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、ピリジル基、キノリニル基などの炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する環状芳香族基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。ヘテロアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、2以上30以下の範囲である。
アミノ基は、置換基を有していても有していなくてもよい。置換基としては例えば上記のようなアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などが挙げられる。
シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基などのケイ素原子への結合を有する官能基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。シリル基の炭素数は特に限定されないが、通常好ましくは、3以上20以下の範囲である。また、ケイ素数は、通常好ましくは、1以上6以下である。
また、任意の隣接する2置換基(例えば一般式(1)のR1とR2)が互いに結合して、共役または非共役の縮合環を形成していてもよい。縮合環の構成元素としては、炭素以外にも窒素、酸素、硫黄、リンおよびケイ素から選ばれる元素を含んでいてもよい。また、縮合環がさらに別の環と縮合してもよい。
ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を示す。
本発明の一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体は、分子内でホウ素と錯体を形成することにより、高い発光効率と色純度を有している。
上記のようなイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体として、特に限定されるものではないが、具体的には以下のような例が挙げられる。
一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体の合成には、公知の方法を使用することができる。配位子の2−(2−ヒドロキシフェニル)イミダゾピリジン骨格を得る方法は、例えば、2−アミノピリジン誘導体と2−ブロモ−2’−ヒドロキシアセトフェノン誘導体を縮合する方法が挙げられる。また、2−(2−ヒドロキシフェニル)イミダゾピリジン骨格へアリール基もしくはヘテロアリール基を導入する方法は、例えば、パラジウム触媒またはニッケル触媒の存在下で、ハロゲン化フルオレン誘導体とアリール誘導体もしくはヘテロアリール誘導体とのカップリング反応を用いる方法などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
次に、本発明における発光素子の実施形態について例をあげて詳細に説明する。本発明の発光素子は、陽極、陰極、および該陽極と該陰極の間に存在する有機層を有し、該有機層は少なくとも発光層を含み、該発光層が電気エネルギーにより発光する。
有機層は、発光層のみからなる構成の他に、1)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、2)発光層/電子輸送層、3)正孔輸送層/発光層などの積層構成が挙げられる。また、上記各層は、それぞれ単一層、複数層のいずれでもよい。正孔輸送層および電子輸送層が複数層をからなる場合、電極に接する側の層をそれぞれ正孔注入層および電子注入層と呼ぶことがあるが、以下の説明では、正孔注入材料は正孔輸送材料に、電子注入材料は電子輸送材料にそれぞれ含まれる。
本発明の発光素子は、一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体を含む本発明の発光素子材料が有機層に含まれる。ここで、発光素子材料とは、発光素子における発光に関与している化合物を指すものであり、自ら発光するもの、およびその発光を助けるもののいずれかに該当する。具体的には、正孔輸送材料、発光材料および電子輸送材料などが発光素子材料に該当する。
本発明の発光素子材料は、正孔輸送材料や電子輸送材料として用いてもよいが、高い発光性能を有することから発光材料として好適に用いられる。また、本発明の発光素子材料は、青色領域に強い発光を示すことから、青色発光材料として好適に用いられるが、緑色〜赤色発光素子や白色発光素子用の材料としても用いることができる。
陽極は、正孔を有機層に効率よく注入できる材料であれば特に限定されないが、比較的仕事関数の大きい材料を用いるのが好ましい。陽極の材料としては、例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロールおよびポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが挙げられる。これらの電極材料は、単独で用いてもよいが、複数の材料を積層または混合して用いてもよい。
陽極の抵抗は、発光素子の発光に十分な電流が供給できればよいが、発光素子の消費電力の点からは低抵抗であることが望ましい。例えば、抵抗が300Ω/□以下であれば電極として機能するが、現在では10Ω/□程度のITO基板の供給も可能になっていることから、100Ω/□以下の低抵抗品を使用することが特に望ましい。陽極の厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶことができるが、通常100〜300nmの間で用いられることが多い。
また、発光素子の機械的強度を保つために、陽極を基板上に形成することが好ましい。基板は、ソーダガラスや無アルカリガラスなどのガラス基板が好適に用いられる。ガラス基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、SiO2などのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用することもできる。さらに、陽極が安定に機能するのであれば、基板はガラスである必要はなく、例えば、プラスチック基板上に陽極を形成しても良い。陽極の形成方法は、特に制限されず、例えば、電子線ビーム法、スパッタリング法および化学反応法などを用いることができる。
陰極に用いられる材料は、電子を有機層に効率良く注入できる物質であれば特に限定されないが、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウムおよびマグネシウムならびにこれらの合金などが挙げられる。電子注入効率をあげて素子特性を向上させるためには、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかしながら、これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であることが多いため、有機層に微量(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以下)のリチウムやマグネシウムをドーピングして安定性の高い電極を得る方法が好ましい例として挙げることができる。また、フッ化リチウムのような無機塩の使用も可能である。さらに、電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウムおよびインジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、シリカ、チタニアおよび窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物などの有機高分子化合物を積層することが、好ましい例として挙げられる。陰極の形成方法は、特に制限されず、例えば、抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティングおよびコーティングなどを用いることができる。
正孔輸送層は、正孔輸送材料の一種または二種以上を積層または混合する方法、もしくは、正孔輸送材料と高分子結着剤の混合物を用いる方法により形成される。また、正孔輸送材料に塩化鉄(III)のような無機塩を添加して正孔輸送層を形成してもよい。正孔輸送材料は、薄膜を形成でき、陽極から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であれば特に限定されない。例えば、4,4’−ビス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミンなどのトリフェニルアミン誘導体、ビス(N−アリールカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体、チオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどが好ましい。
発光層は、ホスト材料とドーパント材料との混合物であっても、ホスト材料単独であっても、いずれでもよい。ホスト材料とドーパント材料は、それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであってもよい。ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料と積層されていても、ホスト材料中に分散されていても、いずれでもよい。ドーパント材料の量は、多すぎると濃度消光現象が起きるため、ホスト材料とドーパント材料の合計に対して20重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10重量%以下である。ドーピング方法は、ドーパント材料をホスト材料との共蒸着法によって形成してもよいし、ホスト材料とドーパント材料を予め混合してから蒸着しても良い。本発明のフルオレン化合物はホスト材料として用いてもよいが、蛍光量子収率が高いことから、ドーパント材料として好適に用いられる。
ドーパント材料は、一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体一種のみを用いても、複数のイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体を混合して用いてもよい。また、その他のドーパント材料の一種類以上を一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体と混合して用いてもよい。混合しうるドーパント材料としては、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、トリフェニレン、ペリレン、フルオレン、インデンなどのアリール環を有する化合物やその誘導体(例えば2−(ベンゾチアゾール−2−イル)−9,10−ジフェニルアントラセンや5,6,11,12−テトラフェニルナフタセンなど)、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどのヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、4,4’−ビス(2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エテニル)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(スチルベン−4−イル)−N−フェニルアミノ)スチルベンなどのアミノスチリル誘導体、芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、ピロメテン誘導体、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−9−(2’−ベンゾチアゾリル)キノリジノ[9,9a,1−gh]クマリンなどのクマリン誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンに代表される芳香族アミン誘導体などが挙げられる。
発光材料に含有されるホスト材料は、特に限定されないが、アントラセンやピレンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどの芳香族アミン誘導体、トリス(8−キノリナート)アルミニウム(III)をはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピロロピロール誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体などが好適に用いられる。中でも、電子供与性または中性置換基を有する縮合芳香環誘導体をホストとして用いると、本発明のイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体が有する高発光効率の効果がより顕著になるため、好ましい。具体的には、アントラセン化合物、ピレン化合物およびジスチリルベンゼン誘導体から選ばれた化合物をホスト材料として用いると、本発明のフルオレン化合物と組み合わせた際により高効率となり、好ましい。
電子輸送層は、陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送する層である。電子輸送層には、電子注入効率が高く、かつ、注入された電子を効率良く輸送することが望まれる。そのため電子輸送層は、電子親和力が大きく、電子移動度が大きく、安定性に優れ、かつ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質で構成されることが望ましい。しかしながら、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、電子輸送層が陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たすならば、電子輸送能力がそれ程高くない材料で構成されていても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料で構成されている場合と同等となる。
電子輸送層に用いられる電子輸送材料は、特に限定されないが、ナフタレン、アントラセンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、カルバゾール誘導体およびインドール誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)などのキノリノール錯体やヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体およびフラボノール金属錯体が挙げられる。駆動電圧を低減できることから、電子輸送材料は、炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素およびリンの中から選ばれる元素で構成され、電子受容性窒素を含むヘテロアリール環構造を有する化合物を用いることが好ましい。
電子受容性窒素とは、隣接原子との間に多重結合を形成している窒素原子を表す。窒素原子が高い電子陰性度を有することから、該多重結合は電子受容的な性質を有し、電子輸送能に優れ、電子輸送層に用いることで発光素子の駆動電圧を低減できる。それゆえ、電子受容性窒素を含むヘテロアリール環は、高い電子親和性を有する。電子受容性窒素を含むヘテロアリール環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、ピリミドピリミジン環、ベンゾキノリン環、フェナントロリン環、イミダゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズイミダゾール環、フェナンスロイミダゾール環などが挙げられる。
これらのヘテロアリール環構造を有する化合物としては、例えば、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジンやターピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、キノキサリン誘導体およびナフチリジン誘導体などが好ましい化合物として挙げられる。中でも、トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼンなどのイミダゾール誘導体、1,3−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)1,3,4−オキサジアゾリル]フェニレンなどのオキサジアゾール誘導体、N−ナフチル−2,5−ジフェニル−1,3,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、バソクプロインや1,3−ビス(1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼンなどのフェナントロリン誘導体、2,2’−ビス(ベンゾ[h]キノリン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレンなどのベンゾキノリン誘導体、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロールなどのビピリジン誘導体、1,3−ビス(4’−(2,2’:6’2”−ターピリジニル))ベンゼンなどのターピリジン誘導体、ビス(1−ナフチル)−4−(1,8−ナフチリジン−2−イル)フェニルホスフィンオキサイドなどのナフチリジン誘導体が、電子輸送能の点から好ましく用いられる。さらに、1,3−ビス(1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼン、2,7−ビス(1,10−フェナントロリン−9−イル)ナフタレン、1,3−ビス(2−フェニル−1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼンなどのフェナントロリン二量体、および2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロールなどのビピリジン二量体は、一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体を含む発光層と組み合わせた際の発光効率向上効果が著しく高く、特に好ましい例として挙げられる。
上記電子輸送材料は単独でも用いられるが、上記電子輸送材料の2種以上を混合して用いたり、その他の電子輸送材料の一種以上を上記の電子輸送材料に混合して用いても構わない。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの金属と混合して用いることも可能である。電子輸送層のイオン化ポテンシャルは、特に限定されないが、好ましくは5.8eV以上8.0eV以下であり、より好ましくは6.0eV以上7.5eV以下である。
発光素子を構成する上記各層の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、レーザー誘起熱転写法など特に限定されないが、通常は、素子特性の点から抵抗加熱蒸着または電子ビーム蒸着が好ましい。
上記各層の厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することはできないが、1〜1000nmの間から選ばれる。発光層、電子輸送層および正孔輸送層の膜厚はそれぞれ、好ましくは1nm以上200nm以下であり、さらに好ましくは5nm以上100nm以下である。
本発明の発光素子は、電気エネルギーを光に変換できる機能を有する。ここで電気エネルギーとしては主に直流電流が使用されるが、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、できるだけ低いエネルギーで最大の輝度が得られるよう選ばれることが好ましい。
本発明の発光素子は、例えば、マトリクスおよび/またはセグメント方式で表示するディスプレイとして好適に用いられる。
マトリクス方式では、表示のための画素が格子状やモザイク状など二次元的に配置され、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状やサイズは用途によって決まる。例えば、パソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられ、また、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑および青の画素を並べて表示させる。カラー表示の場合、その配列方式は、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法は、線順次駆動およびアクティブマトリクスのどちらでもよい。線順次駆動は、発光素子の構造が簡単であるが、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリクスの方が優れる場合がある。駆動方法は、用途によって使い分ける。
セグメント方式とは、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、このパターンの配置によって決められた領域を発光させる方式である。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示および自動車のパネル表示などが挙げられる。そして、マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
本発明の発光素子は、各種機器等のバックライトとしても好ましく用いられる。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板および標識などに使用される。特に、液晶表示装置、中でも薄型化が検討されているパソコン用途のバックライトに、本発明の発光素子は好ましく用いられる。本発明の発光素子により、従来のものより薄型で軽量なバックライトを提供できる。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されない。なお、下記の各実施例にある化合物の番号は上の化学式に記載した化合物の番号を指す。また構造分析に関する評価方法を下記に示す。
1H−NMRは超伝導FT−NMR EX−270(日本電子(株)製)を用い、重クロロホルム溶液にて測定を行った。
合成例1 化合物[17]の合成
2−アミノ−4−メチルピリジン10.7g、2−ブロモ−2−メトキシアセトフェノン25.0gとエタノール500mLの混合溶液を窒素気流下、10時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を濃縮した。粗生成物をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−(2−メトキシフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン14.6gを得た。
2−アミノ−4−メチルピリジン10.7g、2−ブロモ−2−メトキシアセトフェノン25.0gとエタノール500mLの混合溶液を窒素気流下、10時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を濃縮した。粗生成物をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−(2−メトキシフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン14.6gを得た。
4−フェニルベンズアルデヒド3.0g、4−クロロアニリン2.5g、p−トルエンスルホン酸1水和物315mgとトルエン160mLの混合溶液を窒素気流下、6時間加熱還流した。反応終了後、濃縮した。得られた固体をエタノール50mLで洗浄し、N−(4−クロロフェニル)(4−ビフェニル)イミン4.55g得た。
2−(2−メトキシフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン1.50g、N−(4−クロロフェニル)(4−ビフェニル)イミン2.02g、水酸化カリウム1.80gとN,N−ジメチルホルムアミド25mLの混合溶液を窒素気流下、100℃で6時間加熱攪拌した。反応溶液を室温に冷却し、塩酸で中和後、水100mLに注ぎこみ、析出した固体をろ取した。得られた固体をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた固体を酢酸エチルで加熱洗浄し、2−(2−メトキシフェニル)−7−[2−(4−ビフェニル)エテニル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン1.83gを得た。
2−(2−メトキシフェニル)−7−[2−(4−ビフェニル)エテニル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン900mg、三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液2.70mLとジクロロメタン45mLの混合溶液を−78℃から室温にかけて、21時間攪拌した。0℃に冷却した反応溶液に濃アンモニア水25mLを滴下し、室温で1時間攪拌した。反応溶液に水100mLを加え、クロロホルムを用いて抽出した。得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて再結晶し、2−(2−ヒドロキシフェニル)−7−[2−(4−ビフェニル)エテニル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン573mg得た。
2−(2−ヒドロキシフェニル)−7−[2−(4−ビフェニル)エテニル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン573mg、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.03mL、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体550μLとジクロロエタン15mLの混合溶液を窒素気流下、9時間加熱還流した。反応溶液を室温に冷却後濃縮した。メタノールに懸濁し、ろ取し、2−(2−ヒドロキシフェニル)−7−[2−(4−ビフェニル)エテニル]イミダゾ[1,2−a]ピリジンの二フッ化ホウ素錯体619mgを得た。
実施例1
化合物[17]を用いた発光素子を次のように作製した。30×40mmのガラス基板(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)上にITO導電膜をガラス基板中央部分に150nmの厚さで30×13mmの大きさに形成し、陽極とした。陽極が形成された基板を“セミコクリン(登録商標)56”(フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いて、この基板をイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから、熱メタノールに15分間浸漬させた後、乾燥させた。素子を作製する直前にこの基板を1時間UV−オゾン処理し、さらに真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−5Pa以下になるまで排気した。
化合物[17]を用いた発光素子を次のように作製した。30×40mmのガラス基板(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)上にITO導電膜をガラス基板中央部分に150nmの厚さで30×13mmの大きさに形成し、陽極とした。陽極が形成された基板を“セミコクリン(登録商標)56”(フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いて、この基板をイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから、熱メタノールに15分間浸漬させた後、乾燥させた。素子を作製する直前にこの基板を1時間UV−オゾン処理し、さらに真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−5Pa以下になるまで排気した。
前記基板のITO膜上に、抵抗加熱法によって、まず正孔注入材料として、銅フタロシアニンを10nm、正孔輸送材料として、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを50nm蒸着した。次に、発光材料として、ホスト材料として、下記式に示すH−1を、またドーパント材料として化合物[17]を、ドープ濃度が2%になるように35nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送材料として、下記式に示すE−1を20nmの厚さに積層した。以上のように形成した有機層上に、フッ化リチウムを0.5nmの厚さに蒸着した後、アルミニウムを1000nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニターの表示値である。この発光素子を10mA/cm2で直流駆動したところ、発光効率2.6lm/Wの高効率発光と、C.I.E.色度座標で(0.15,0.12)と高色純度の青色発光が得られた。
実施例2
ホスト材料として、下記式に示すH−2を、電子輸送材料として、下記式に示すE−2を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を10mA/cm2で直流駆動したところ、発光効率2.1lm/Wの高効率発光と、C.I.E.色度座標で(0.15,0.14)と高色純度の青色発光が得られた。
ホスト材料として、下記式に示すH−2を、電子輸送材料として、下記式に示すE−2を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を10mA/cm2で直流駆動したところ、発光効率2.1lm/Wの高効率発光と、C.I.E.色度座標で(0.15,0.14)と高色純度の青色発光が得られた。
比較例1
ドーパント材料として、下記式に示すD−1を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を10mA/cm2で直流駆動したところ、発光効率1.4lm/Wの発光と、C.I.E.色度座標で(0.15,0.18)の青色発光が得られた。
ドーパント材料として、下記式に示すD−1を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を10mA/cm2で直流駆動したところ、発光効率1.4lm/Wの発光と、C.I.E.色度座標で(0.15,0.18)の青色発光が得られた。
比較例2
ドーパント材料として、下記式に示すD−2を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を10mA/cm2で直流駆動したところ、発光効率2.9lm/Wの発光と、C.I.E.色度座標で(0.18,0.38)の水色発光が得られた。
ドーパント材料として、下記式に示すD−2を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。この発光素子を10mA/cm2で直流駆動したところ、発光効率2.9lm/Wの発光と、C.I.E.色度座標で(0.18,0.38)の水色発光が得られた。
実施例3
30×40mmのガラス基板(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)上にITO導電膜をガラス基板中央部分に150nmの厚さで30×13mmの大きさに形成し、陽極とした。陽極が形成された基板をアセトンおよび“セミコクリン(登録商標)56”(フルウチ化学(株)製)で各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いて、基板をイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから、熱メタノールに15分間浸漬させた後、乾燥させた。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、さらに真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。
30×40mmのガラス基板(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)上にITO導電膜をガラス基板中央部分に150nmの厚さで30×13mmの大きさに形成し、陽極とした。陽極が形成された基板をアセトンおよび“セミコクリン(登録商標)56”(フルウチ化学(株)製)で各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いて、基板をイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから、熱メタノールに15分間浸漬させた後、乾燥させた。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、さらに真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。
前記基板のITO膜上に、抵抗加熱法によって、まず正孔輸送材料として4,4’−ビス(N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを150nm蒸着した。次に、ホスト材料としてH−1を、またドーパント材料として化合物[17]をドープ濃度が2%になるように35nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送材料として、E−1を20nmの厚さに積層した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニターの表示値である。次に、厚さ50μmのコバール板にウエットエッチングによって16本の250μm開口部(残り幅50μm、300μmピッチに相当)を設けたマスクを、真空中でITOストライプに直交するように配置し、マスクとITO基板が密着するように、基板の裏面から磁石をあてて固定した。そして有機層にリチウムを0.5nmドーピングした後、アルミニウムを200nm蒸着して32×16ドットマトリクス素子を作製した。本素子をマトリクス駆動させたところ、クロストークなく文字表示できた。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表される、イミダゾピリジン化合物のホウ素錯体を含有することを特徴とする発光素子材料。
- 陽極と陰極の間に少なくとも発光層が存在し、電気エネルギーにより発光する発光素子であって、発光素子が請求項1記載の発光素子材料を含有することを特徴とする発光素子。
- 発光層がホスト材料とドーパント材料を有し、一般式(1)で表されるイミダゾピリジン化合物のホウ素錯体を含有する発光素子材料がドーパント材料であることを特徴とする請求項2記載の発光素子。
- 発光層と陰極の間に少なくとも電子輸送層が存在し、電子輸送層が電子受容性窒素を有するヘテロアリール環構造を有する化合物を含有し、ヘテロアリール環構造を有する化合物が炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンの中から選ばれる元素で構成されていることを特徴とする請求項2記載の発光素子。
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WO2010137449A1 (ja) * | 2009-05-25 | 2010-12-02 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ |
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