JP2009095634A - 暖房便座とそれを搭載したトイレ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱膨張・収縮による歪みを最小限とすることでコード状の発熱体の破断を防止する暖房便座を提供すること。
【解決手段】着座部の内面に配設した発熱体は、領域ごとに単位面積あたりのコード状の発熱体の長さを等しくし、コード状発熱体は180°の折り返し部の集合で蛇行状に形成され、その直線部長さは80mm以下であり、発熱体の直線部長さを短くしたことで、膨張・収縮による歪みが最小限となり、コード状発熱体7の破断を抑制することができる。
【選択図】図1A

Description

本発明は、暖房機能を有する便座に関するものである。
従来、この種の暖房便座は、図7に示すように、合成樹脂製の馬蹄形の便座の着座部に面状発熱体101を埋設していた。この面状発熱体101は金属箔シート102と粘着テープ103との間にフッ素樹脂を絶縁皮膜104とした外径1mm以下のコード状ヒータ105を略長U字形状の連続した配線パターンで挟持したものである。
実際には、7本の0.05mmのニッケルクロム合金線をより線状態にした抵抗線106にフッ素樹脂としてETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンの共重合体の架橋体)で被覆して、外径約0.55mmのコード状ヒータ105としている。
これによって、コード状ヒータ105の絶縁皮膜104として薄肉であっても十分な機械的強度を有し、かつ比較的高温まで溶融しにくいフッ素樹脂を使用したことにより、コード状ヒータ105の外径を1mm以下の細径にすることが可能で、面状発熱体101の表面を平滑に近くでき、便座に埋設する際に合成樹脂の流れを円滑にできるというものであった(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−78143号公報
しかしながら、前記従来の構成においては、コード状ヒータ105に通電がなされて抵抗線106が発熱する際に熱膨張が発生し、特に、略長U字形状の長手方向に伸張度が高い傾向となる。
さらに暖房便座においては、その保温機能を維持するために、通電のON、OFFなどの制御がなされ、それに伴い、コード状ヒータ105の抵抗線106は熱膨張、収縮を繰り返す。
その熱膨張、収縮による歪みは、コード状ヒータ105、金属箔シート102、粘着テープ103の三者の間に発生した空隙107などで集中して発生して増幅され、コード状ヒータ105が連続的に屈伸し、最も屈伸状態が激しい部分が破断しうるため、便座の暖房性能が失われることがあった。
また、便座着座部を熱良導性材料で構成し、使用時のみ瞬間的に暖めることで省エネルギーを実現する構成においては、数秒で使用者が冷たさを感じない冷感限界温度にまで暖める必要があり、冬場を想定し仮に5℃から29℃まで便座表面温度を昇温させる際には、ヒータ線温度が100〜150K程度上昇する。このように瞬間暖房便座においては、ヒータの線温度が非常に高くなり、その上でヒータの配線パターンに起因する温度分布にムラがあると、さらに線温度は局所的に高温となるため、従来よりも熱膨張による伸びが大きくなり、ヒータの屈伸度合いも大きくなるため、破断に至るまでの時間も短くなることが課題であった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、繰り返し生じる熱膨張収縮の影響を最小にするヒータパターンとして、熱影響を抑制可能でヒータ性能を長期に保持できる暖房便座を提供することを目的とする。
本発明に係る暖房便座は、着座部、およびこの着座部の下方に配置した便座本体と、着座部の内面に配設したコード状発熱体とを備え、コード状発熱体は180°の折り返し部の集合で蛇行状に形成され、直線部長さは80mm以下としたものである。
上記発明によれば、コード状発熱体の直線部長さを80mm以下と短くしたことで、繰り返し行う暖房動作により生じる膨張・収縮による歪みが抑制される。仮に線膨張係数16.8×10−6のエナメル線をコード状発熱体7とした場合、温度上昇150Kにおける伸びは0.2mm程度となり、180°の折り返し部が緩衝部位としても働き影響を無視できる。さらに、直線部長さを短くすることで、コード状発熱体7全体として180°の折り返し部、つまりは緩衝部位の数も増えることとなり、併せてコード状発熱体7の破断を抑制することができる。
以上のように本発明によれば、長期にわたり暖房性能が損なわれることのない暖房便座を提供できる。
請求項1に記載の発明は、着座部、およびこの着座部の下方に配置した便座本体と、着座部の内面に配設したコード状発熱体とを備え、着座部は複数の領域に分割され、領域ごとの単位面積あたりのコード状発熱体長さを略等しくした暖房便座であり、各々の領域での昇温値はほぼ等しくなり、着座部全体の表面温度が均一となるため、膨張・収縮による歪みが最小限となり、コード状発熱体7の破断を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、特に第1の発明において、発熱体は180°の折り返し部の集合で蛇行状に形成されたもので、小さなU字形状の集合とすることでコード状発熱体を各領域ごとに分散して配設しやすくなるため、単位面積あたりのコード状発熱体長さの等しい構成を取りやすい。
請求項3記載の発明は、特に第1から第2のいずれか1つの発明において、コード状発熱体の配設は、便座本体嵌合部近傍で密にしたものである。着座部の縁の立ち下がり高さは着座部の場所によってまちまちで、かつこの部分は便座本体との嵌合のためにコード状発熱体を構成することが難しく、そこからの放熱量が大きくなる。上記のようなコード状発熱体を構成しづらい側のワット密度を上げるような構成をとることで、着座部の温度分布の均一性が向上する。
請求項4に記載の発明は、着座部、およびこの着座部の下方に配置した便座本体と、着座部の内面に配設したコード状発熱体とを備え、コード状発熱体は180°の折り返し部の集合で蛇行状に形成され、その直線部長さは80mm以下とした暖房便座である。
そして、必要時にのみ繰り返し暖房するために発生する、暖房時と非暖房時のコード状発熱体自体の温度差が1桁以上となるような、通常の保温暖房として使われるコード状発熱体の使用状態と比べて非常に温度差が大きく、繰り返し頻度も高く、温度上昇の速度も20度/秒以上という高速であるような高速昇温の動作を行う構成であって、実際の着座面の温度が実使用に最適な温度となるように、着座部の熱容量を最小にし、コード状発熱体自体の被覆や絶縁構成をできるだけ薄くしたものを用いて構成した暖房便座であっても、直線部の熱膨張収縮による伸びの影響が折り返し蛇行した屈曲部によって緩衝されるので、コード状発熱体の破断が生じず、コード状発熱体の性能が長期に渡り保持される。例えば、コード状発熱体の材料がエナメル線の場合、実使用時には雰囲気温度によって10
0〜150K程度温度上昇する。直線部長さを80mm以下とすることで、仮に150K温度上昇した場合においても、エナメル線の伸びは線膨張係数16.8×10−6から0.2mm程度であり、180°の折り返し部が緩衝部位となり影響を無視でき、コード状発熱体の破断を抑制することができる。フッソ樹脂皮膜で被覆した銅線などをコード状発熱体として用いても、エナメル線と同様に扱うことができる。
請求項5に記載の発明は、特に第2から4のいずれかの発明において、発熱体の中で得に高温となる領域のみの直線部長さを短くしたものである。
着座部を暖房する点について、着座部の各部位に注目すると、特に高温化する必要のある部位としては次のような部位がある。着座部の中でも特に使用者の大腿部などが接触する部分は、着座に備えて特に早く高温に昇温し、着座に十分な温度になる必要がある。着座された際には、便座の表面が人体に覆われ放熱しなくなるが、逆に人体に熱を奪われるので、周囲に比較し高温化する必要がある。また、サーモスタットや温度ヒューズ等の安全装置を取り付ける場所は、これらの安全装置の熱容量に発熱体熱が奪われて、その部分の着座部表面の昇温速度が低下するのを防止するために、コード状発熱体の配設密度を上げて安全装置を取り付ける対応箇所とその周辺の温度を高温にする。これらの他の箇所より高温となる発熱体の特定の部位では、膨張・収縮による歪みも大きくなるが、その部分に配設するコード状発熱体の直線部長さを短くして、熱の影響をなるべく小さくすることでその破断を抑制することができる。また、前者と後者では実際に即して設計すると発熱体の配設密度が異なり、実際の温度上昇幅も異なるが、その場合においても温度の上昇幅に応じてコード状発熱体の膨張の程度が変るので直線部長さを変えることで部位毎に個別に対応ができる。
請求項8記載の発明は、特に第1から第6のいずれか1つの発明において、蛇行状のコード状発熱体を熱良導性の箔体を介して着座部の内面に取着して構成した暖房便座であり、熱良導性の箔体を介するため、温度分布が均一となり快適な暖房便座を提供できる。
請求項9記載の発明は、特に第8の発明において、片面に絶縁シートを有し、それら絶縁シート側同士で接着した上熱良導性箔体と下熱良導性箔体との間にコード状発熱体を挟持し、上方の熱良導性箔体を着座部の内面に取着した暖房便座であり、発熱体そのものの絶縁層に加えてさらにもう1層絶縁層を構成するため、絶縁性が大きく向上する。
請求項10記載の発明は、特に第8の発明において、片面に絶縁シートを有し、それら箔体側同士で接着した上熱良導性箔体と下熱良導性箔体との間にコード状発熱体を挟持し、接着した上下熱良導性箔体の端面を絶縁部材で封止し、上方の熱良導性箔体を着座部の内面に取着した暖房便座であり、発熱体そのものの絶縁層に加えてさらにもう1層絶縁層を構成するため、絶縁性が大きく向上する。さらに、発熱体のすぐ外側に熱良導性箔体を構成するため、発熱体の熱が速やかに箔体に吸熱され温度分布が均一となり発熱体の線温度も下がるので、コード状発熱体7の破断を抑制することができる。
請求項11記載の発明は、特に第1から第10のいずれか1つの発明において、着座部を熱良導材で構成した暖房便座である。着座部が熱良導材であるため、従来の樹脂材料を着座部に用いた暖房便座と比べると瞬間的に便座の暖房が行われ、使用者のトイレルームへの入室を検知してからの通電でも十分快適な暖かさを提供できるため、使用者がいない時には暖房便座への通電を切ることができ、省エネとなる。
請求項12記載の発明は、特に第11の発明における暖房便座を便器に装着したトイレ装置であり、瞬間的に便座が暖まる優れた機能のトイレ装置となる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照にしながら説明する。なお、本実施の形態によって発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1A、図1Bに暖房便座1の発熱体4の配列図を示す。図2に暖房便座1の着座部3の上面図を示す。図3に図2のa1−a1断面およびa2−a2断面図を示す。図4に発熱体4の拡大断面図を示す。
暖房便座1は、合成樹脂などで形成され、便座装置に付随する各種機能ユニットを内蔵する便座本体2と、便座本体2上方に設けた板厚約1mmのアルミニウムなどの熱良導性板材(例えば、熱伝導率237W/(m・K)のアルミニウム、420w/(m・K)の銅等の良導性板材を示す)を成型して構成した着座部3とで構成してある。着座部3が熱良導性板材で構成されているため、必要時のみの便座暖房、例えば、トイレルームへの入室を人体検知センサで検知し、入室から着座までの間に着座部3を速熱的に昇温することが可能となり、不必要時に着座部3への加熱を停止、あるいは所定温度より低い保温温度で維持することができるため、省エネとなる。
着座部3の内面には発熱体4が配設してある。すなわち、前記発熱体4はエナメル線5を絶縁材6で被覆したコード状発熱体7が採用されており、上、下熱良導性の箔体8,9の間に蛇行状に配列保持されている。エナメル線5は、外径0.25mmの銅線10にPAI、またはPIを材料とした被覆厚0.012mmの絶縁被覆11を施した外径0.254mmのものであり、外周をPFAなどからなる被覆厚0.12mmの絶縁被覆6でさらに被覆した同軸ケーブル状の構成である。前記エナメル線5を挟持する箔体8,9は、0.05mmのアルミニウム箔材が使用されており、それらの対抗面、つまりはエナメル線挟持面には層厚0.025mmのPETなどの耐熱絶縁層12,13が施されている。耐熱絶縁層12,13を粘着剤で接着することで前記上、下箔体8,9は一体化されており、また上箔体8は着座部3の内面に同じく粘着剤を介して接着してある。この際、圧延しながら上、下箔体8,9を接着していくことで、貼り合わせにより生じる空気溜りを最小限のものとし、コード状発熱体7から箔体への熱伝導性を向上させる。このように、コード状発熱体7は、エナメル線5の絶縁被覆11、それを被覆する絶縁材6、さらには箔体8,9の耐熱絶縁層12,13で三重に絶縁対策が施されているので、非常に安全性の高いものとしてある。また、コード状発熱体7を挟持した際、凹凸の無い平面である箔体8側で着座部3に接着しているため、断熱層となる不要な気泡の発生を抑制し、着座部3の表面温度の均一性を向上させる。
発熱体4の具体的な配列は、直線部長さを80mm以下としたU字形状の集合で構成される。U字形状は着座部3の中心線14方向に対してある角度αで略左右対称に並んでおり、αを小さくするに従いU字形状の直線部長さは長くなる。このαを調整することで、コード状発熱体7の直線部長さを調節することができる。また線間距離L1や左右のU字形状同士の距離L2を各々のU字形状ごとに調節することで、局所的なコード状発熱体7の長さの調整ができる。中心線14に対して対象的な配列のため、均一な温度分布となるように調節も容易である。U字形状とした部分は本実施の形態ではR4〜R7である。
発熱体4は、上、下箔体8、9によりコード状発熱体7を保持しているが、便座暖房を繰り返し行うので、熱変化による影響が生じる。この時に貼り合わせに用いられる接着剤は高温時に軟化し、保持されているコード状発熱体7自体も高温化時には熱膨張することで「伸び」が生じ、保持された状態から動いてしまう可能性がある。その際、直線部が長いほど、常温と高温との間での伸縮の差が大きくなり、直線部の一部に屈曲や、貼り付け状態での浮きが生じるなどの状況が発生する。すると、高温化した際に、浮きの生じた部分で上、下箔体8,9への放熱ができずコード状発熱体7の局所過熱となり、被覆材破断
や断線が生じてしまう。そこで、繰り返し昇温する際の伸縮の影響を最小にできるように配線パターンを設定する必要があり、それには直線部の長さと屈曲部の繰り返しが大きく関与することが明らかになった。Uターン部の屈曲形状は、この伸縮の影響をある程度吸収することができるので、適度な長さの直線部分と屈曲部の構成を備えて、繰り返し生じる高温化による温度変化の影響を最小限におさえ、かつ、なるべくコード状発熱体7の全長を短くして便座の着座部暖房温度を均一にすることが出来る最適な配設パターンとすることが非常に大きな課題となる。この課題を解決できる配設パターンの一例がこの構成である。
便座の着座部3は複雑な3次曲面の形状をしており、コード状発熱体7を蛇行配線した発熱体4を貼り付けると、屈曲部が線のよじれも吸収して、好都合である。
便座の着座部3の形状は複雑な3次曲面であり、着座部3の各場所の凹凸面によって表面積が変わるため着座部3表面からの放熱量も変わってくる。また、縁の立ち上がり部には発熱体4を配設しづらいため、縁近傍では放熱が大きく、縁の立ち下がり高さの違いによっても放熱量が変わってくるので、均一な線間距離で発熱体4を配列すると着座部3では表面温度にムラが生じる。しかし、この配列ではU字形状のUターン部を縁近傍に構成しているため、Uターン部の分縁近傍のワット密度が高くなり都合がよい。また、配線するコード状発熱体7自体が同軸のケーブル状であるため、面ヒータなどと違って方向性を気にせず、屈曲配設することができる。さらに、この構成だと角度αおよび線間距離L1、U字間距離L2を調節し、着座部3の凹凸のため表面積が広い箇所や縁の立ち上がり部が高いために放熱の大きい箇所では発熱体4を密に配設し、逆に放熱の低い箇所では発熱体4を粗に配設するといった発熱体全体の中で局所的に粗密を設けることが可能であるので、着座部3の表面温度分布がムラなく均一なものとなる。具体的には、発熱体密度を領域A1では粗に、領域A2では密となるように配設する。図3の各断面図の通り、領域A1と比べ、領域A2では縁の立ち上がりが高く着座部3の面積も狭いため、相対的に発熱体4を配設できない部分の面積が占める割合が大きい。したがって、そこからの放熱を考慮して領域A1より密に配設することで着座部3全体のワット密度を略均一なものにできる。すなわち分割された領域毎に単位面積あたりのコード状発熱体長さを略等しい長さとして温度分布を均一化することが出来る。
前記の構成において、コード状発熱体7に通電して発熱させると、その熱は箔体8、9から着座部3に伝熱され、全面を所定の暖房温度に加温することとなる。箔体8、9は上下2枚のものが一体化されている形にあるので、下部箔体9に伝導された熱も熱伝導しやすい上部箔体8に殆んど伝わり、有効に着座部3に熱移動するものである。
そして、コード状発熱体7は、各々の領域でのワット密度は違うものの昇温値はほぼ等しくなるように配線パターンを調整されているため、着座部3全体の表面温度が均一となり、膨張・収縮による歪みが最小限となって、コード状発熱体7の破断を抑制することができる。さらに直線部の長さが80mm以下と短いため、線膨張係数16.8×10−6のエナメル線では温度上昇150Kにおける伸びは0.2mm以下と熱膨張に起因する長さ変化が極めて小さいものとなり、熱膨張に起因するストレスが小さくなるため、長期間の使用でも破損などを抑制できるものである。また、この配線パターンではコード状発熱体7伸縮の緩衝部位として働くU字形状の180°の折り返し部をスペースの効率よく多数構成することができるので、さらに熱膨張によるコード状発熱体7の伸縮の影響を低減させることができる。加えて、コード状発熱体7の熱的伸縮が小さいので箔体8、9に対する密着性も長期間良好に維持できることとなり、これにより着座部3の加温が効率的に、かつ確実に行うことができるものである。
また、コード状発熱体7の構成としては、図4(b)に示すように、耐熱絶縁層12、
13をエナメル線5に対して外側に来るように上、下箔体8、9を構成した後、一体化した箔体端面を絶縁部材15で封止する構成も考えられる。この構成では、図4(a)の構成と同様三重の絶縁性を保った上で、エナメル線5のすぐ外側に熱良導性の箔体8、9があるために、コード状発熱体7の熱が速やかに箔体8、9に吸熱され温度分布が均一となり、結果として銅線10の線温度も下がるのでコード状発熱体7の破断を抑制することができる。
また一方、使用者が着座した際にまず冷たさを感じ、また接触面積も広い太腿が接するであろう領域である領域A3の辺りのコード状発熱体7の配線密度を相対的に高密度化、残りの領域を低密度化し、あえて便座部表面の温度分布を不均一にする構成も考えられる。こうすることで、より快適性の高い即暖房便座を提供することができる。
なお、発熱体4の一部を密蛇行とした検温部16が形成してあり、検温部16にはバイメタルなどを使った復帰型のサーモスタットを設置するようにしている。例えば、着座部3が想定外の異常温度となると復帰型のサーモスタットが開いて一時的に通電を停止し、電源を遮断するようにしている。このような密蛇行箇所は安全装置の数だけ複数個設けてもよい。また、この検温部の線密度が高い部分は、上昇温度が高く熱影響が他の部位よりも大きいので、着座部よりも直線部長さを本実施の形態では15から20mmの長さで、他の部位よりも短くし、R2で蛇行配設している。この構成によって、この部分の熱影響も緩和され、断線が抑制される。
(実施の形態2)
図5A、図5Bに暖房便座1の発熱体4の配列図を示す。実施の形態1と異なるのはこの配列で、他については実施の形態1と同様であり、同作用をする構成については同一の符号を付し、詳細な説明は実施例1のものを援用する。
コード状発熱体7の具体的な配列は、直線部長さを80mm以下としてU字形状の集合で構成される。U字形状は着座部3の中心方向に対して左右に平行に並び、図に点線Bで示すようなブロックを作り配列される。平行に並んでいるU字形状の線間距離L3を変えることで、着座部3の中心線14に対して垂直方向に温度分布を調節することができる。具体的には、着座部3の縁の立ち下がり高さは着座部3の場所によってまちまちで、かつこの部分は便座本体2との嵌合のためにコード状発熱体7を構成することが難しく、そこからの放熱量が大きくなる。そのため、着座部3の中心部の線間距離L3を大きくとり、縁側にいくにしたがって線間距離L3を小さくすることで、温度分布の均一化が図れる。つまり、中心線14に沿った方向に発熱体4のU字形状が配設されているため、中心線14に対して垂直方向へのワット密度の粗密は調整しやすい配列となっている。
また、便座の着座部3の形状は複雑な3次曲面であり、着座部3の各場所の凹凸によっても表面積が変わってくる。そのため、ブロック毎に線間距離L3を変えることで、ブロック毎の線密度を調節することができ、暖房便座1全体として温度分布の均一化も図ることができる。
さらにこの配列は、コード状発熱体7の直線距離が30〜50mm程度の長さで構成することが出来るため、ますます温度上昇時のコード状発熱体7の膨張が小さいものとなり、かつコード状発熱体7の伸びの緩衝地帯となるU字形状のUターン部の数も増えるため、よりコード状発熱体7の破断を抑制できる。
(実施の形態3)
図6A、図6Bに暖房便座1の発熱体4の配列図を示す。実施の形態1と異なるのはこの配列で、他については実施の形態1と同様であり、同作用をする構成については同一の
符号を付し、詳細な説明は実施例1のものを援用する。
発熱体4の具体的な配列は、直線部長さを80mm以下としてU字形状の集合で構成される。U字形状は着座した際の左右方向に直線部をもつように配列される。発熱体4の線間距離L4、L5を変えることで着座部3前後方向の温度分布を、線間距離L6を変えることで着座部3左右方向の温度分布をそれぞれ調節することができる。
また、ほぼ全てのU字形状が平行なものとなっているので、上熱良導性箔体8および下熱良導性箔体9とで挟持する際、一定方向から圧延するだけで気泡が入りづらいものとなっている。気泡が確実に排除できる構成であれば、発熱体4の動き、浮きなどの発生も最小限に抑えられるので好ましい。
図中に点線Cで示すような領域を考えると、領域ごとのL4、L5、L6を3次曲面である着座部3の表面形状に合わせて調節することで、暖房便座1全体として温度分布の均一化も図ることができる。
以上の実施の形態から明らかなように、本発明の本質は、発熱体4の構成を直線部長さの短いU字形状の集合とした蛇行させたコード状発熱体7で構成したもので、コード状発熱体7としてはエナメル線5に特定されることはなく、さらに線形の太いものでもよいし、複数本撚り合わせたものでもよい。また、即熱タイプの着座部ではなく、常時、暖房温度を維持しておく通常の暖房便座へももちろん展開可能で、便器上にセットすれば快適なトイレにすることができるものである。
以上のように、本発明にかかる暖房便座は、着座部の温度的特性を向上したもので、快適なトイレを提供できるものである。
(a)本発明の実施の形態1における暖房便座の発熱体の配列を示す正面図(b)同右側面図(c)左側面図(d)下面図(e)上面図 (f)本発明の実施の形態1における暖房便座の発熱体の背面図 同実施の形態1における暖房便座の着座部の上面図 (a)同実施の形態1における暖房便座の着座部の上面図のA1−A1断面図(b)A2−A2断面図 (a)同実施の形態1における発熱体の拡大断面図(b)同発熱体の封止構成の説明図 (a)同実施の形態2における暖房便座の発熱体の配列を示す正面図(b)同右側面図(c)左側面図(d)下面図(e)上面図 (f)同実施の形態2における暖房便座の発熱体の背面図 (a)同実施の形態2における暖房便座の発熱体の配列を示す正面図(b)同右側面図(c)左側面図(d)下面図(e)上面図 (f)同実施の形態3における暖房便座の発熱体の背面図 (a)従来の衛生洗浄装置のヒータ配線を示す図(b)同装置の便座のヒータ取付部の断面図
符号の説明
1 暖房便座
2 便座本体
3 着座部
4 コード状発熱体
5 エナメル線
6 絶縁材
7 コード状発熱体
8 上熱良導性箔体
9 下熱良導性箔体
10 銅線
11 絶縁被覆
12、13 耐熱絶縁層
14 中心線
15 絶縁部材

Claims (12)

  1. 着座部、およびこの着座部の下方に配置した便座本体と、前記着座部の内面に配設したコード状発熱体とを備え、前記着座部は複数の領域に分割され、前記領域ごとの単位面積あたりのコード状発熱体長さを略等しくした暖房便座。
  2. コード状発熱体は180°の折り返し部の集合で蛇行状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の暖房便座。
  3. コード状発熱体の配設は、便座本体嵌合部近傍で密にすることを特徴とする請求項1〜2のうちいずれか1項記載の暖房便座。
  4. 着座部、およびこの着座部の下方に配置した便座本体と、前記着座部の内面に配設したコード状発熱体とを備え、前記コード状発熱体は180°の折り返し部の集合で蛇行状に形成され、その直線部長さは80mm以下とした暖房便座。
  5. 蛇行状に形成したコード状発熱体の他の部分よりも高温となる領域で、前記コード状発熱体の直線部長さを短くした請求項2から4のいずれか1項に記載の暖房便座。
  6. コード状発熱体をエナメル線で構成した請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の暖房便座。
  7. エナメル線をさらに絶縁被覆で被覆した請求項6記載の暖房便座。
  8. 蛇行状のコード状発熱体を熱良導性の箔体を介して着座部の内面に取着した請求項1〜7のうちいずれか1項記載の暖房便座。
  9. 片面に絶縁シートを有し、それら絶縁シート側同士で接着した上熱良導性箔体と下熱良導性箔体との間にコード状発熱体を挟持し、上方の熱良導性箔体を着座部の内面に取着した請求項8記載の暖房便座。
  10. 片面に絶縁シートを有し、それら箔体側同士で接着した上熱良導性箔体と下熱良導性箔体との間にコード状発熱体を挟持し、接着した上下熱良導性箔体の端面を絶縁部材で封止し、上方の熱良導性箔体を着座部の内面に取着した請求項8記載の暖房便座。
  11. 着座部を熱良導材で構成した請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の暖房便座。
  12. 請求項11の暖房便座を便器に装着したトイレ装置。


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