JP2009093009A - トナーの製造方法、トナー、現像剤、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナーの製造方法、トナー、現像剤、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】小粒径、且つ粒度分布のシャープ化により粉体流動性、転写性を良好にすると共に、帯電特性、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーを提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、樹脂微粒子が分散されている水系媒中で粒子を形成して、得られるトナーにおいて、前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下であり、前記樹脂微粒子の粒径が45〜55nmであり、前記樹脂微粒子の分散液の酸価が45〜55mgKOH/gであることを特徴とするトナーである。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤に使用される画像形成用トナーの製造方法及び得られたトナーに関する。更に本発明は、当該トナーを使用する画像形成装置、プロセスカートリッジに関する。
静電複写プロセスの画像形成に用いられるトナーとして、近年、高画質化への要求の高まりから、小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドット状の画像等の再現性が良好になり、球形化により、現像性、転写性のさらなる向上を図ることができる。
従来からトナーの製造方法として用いられてきた混練粉砕法によるトナーでは、このような小粒径化、球形化するトナーを製造するのは非常に困難であることから、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造された重合法による重合トナーの採用が拡大されている。
しかしながら、トナーの物性値が十分でないなど、重合トナーにもいくつか解決すべき課題が残されている。例えば、小粒径化、粒度分布のシャープ化により粉体流動性、転写性を良好にすると共に、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーとすべく、様々な検討がなされている。その一つとして、いわゆる重合トナーではなく、粉砕トナーであり、樹脂微粒子の重量平均分子量、粒径、構造を適切な範囲にすることにより、トナー粒子を形成するトナーの製造方法およびトナー等の発明が開示されている(特許文献1参照)。
また、前記のような反応で生成されるトナー粒子は、乳化状態の影響を大きく受けるため、負帯電トナーではトナーの酸価およびアミン価を適正な範囲にすることにより、トナーの構成材料のうち、負帯電性を示す成分と正帯電性を示す成分とのバランスを良好にし、トナーの負帯電性を安定して得ることができるトナーの製造方法、トナーなどの発明が開示されている(特許文献2参照)。
また、特許文献3には、トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法の発明が開示されている。この文献には、トナー粒子間での材料の組成が均一であり、帯電安定性に優れ、カブリやトナー飛散の発生が少なく、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーを得るため、トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を水系媒体中に体積平均粒径が0.1〜3μmの分散粒子として分散させて水中油滴型分散液を調製した後、前記分散粒子の体積平均粒径を3〜9μmまで増大させてからトナーを造粒することを特徴とするトナーの製造方法などの発明が記載されている(特許請求の範囲)。しかし水系媒体相において、微粒子の平均粒径は0.1〜3μmであり、本発明の製造方法とは大きく異なっている。
また、特許文献4〜6にも、前記同様のトナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法の発明が開示されている。これらの発明のトナーも特許文献3と同様に重合法により粒子の造粒を行っており、特許文献4および5には体積平均粒径55nmの有機微粒子が用いられることが記載されている。また特許文献6には、トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を、有機樹脂微粒子を含まない水系媒体中に分散粒子として分散させて水中油滴型分散液を調製した後、該水中油滴型分散液中に有機樹脂微粒子を添加して該有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒することを含み、前記有機樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)が80〜100℃であり、重量平均分子量(Mw)が5,000〜20,000であることを特徴とするトナーの製造方法などが開示されている。
特開2005−55498号公報 特開2005−265886号公報 特開2006−184829号公報 特開2006−209094号公報 特開2006−243510号公報 特開2006−330666号公報
本発明は、従来における上記した問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、小粒径、且つ粒度分布のシャープ化により粉体流動性、転写性を良好にすると共に、帯電特性、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
1.少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル及び着色剤とを有するトナー組成液と、樹脂微粒子が分散された水系媒体とを接触させて架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応を行って造粒するトナーの製造方法であって、
前記樹脂微粒子の体積平均粒径が41nmより大きく60nmより小さい範囲で、かつ、前記樹脂微粒子が分散された水系媒体の酸価が42mgKOH/gより大きく58mgKOH/gより小さいことを特徴とする。
2.前記1のトナーの製造方法において、前記トナー組成液の酸価が5〜20mgKOH/gであり、アミン価が0.5〜10mgKOH/gであることを特徴とする。
3.前記1又は2のトナーの製造方法において、前記水系媒体中に界面活性剤を有し、当該水系媒体中で造粒して前記トナーを得ることを特徴とする。
4.前記1ないし3のいずれかのトナーの製造方法において、前記トナー組成液を前記水系媒体中に分散させる工程を有することを特徴とする
5.前記1ないし4のいずれかのいずれかのトナーの製造方法において、前記トナー組成液は、さらに離型剤を含有し、前記離型剤はカルナウバワックス、ライスワックス、エステルワックスの中から選択される少なくとも1つであることを特徴とする。
6.前記1ないし5のいずれかのいずれかのトナーの製造方法において、前記トナー組成液の結着樹脂は、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体と、ポリエステルとを有し、前記トナー組成液を、前記樹脂微粒子を含有する水系媒体中で架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応を行うことを特徴とする。
7.また本発明は、前記1〜6のいずれかに記載のトナーの製造方法によって得られたトナーであることを特徴とする。
8.前記7に記載のトナーは、体積平均粒径が3〜8μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下であることを特徴とする。
9.前記7または8に記載のトナーは、負帯電トナーであることを特徴とする。
10.前記7ないし9のいずれかに記載の前記トナーは、平均円形度が0.94以上であることを特徴とする。
11.また、本発明の現像剤は、トナーと、磁性粒子からなるキャリアとを少なくとも含む静電潜像を現像する二成分系現像剤であって、前記トナーは前記7ないし10のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする。
12.また、本発明の現像剤は静電潜像を現像する現像剤であって、前記現像剤は、前記7ないし10のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤であることを特徴とする。
13.また、本発明の画像形成装置は、潜像を担持する像担持体と、前記潜像担持体(前記像担持体)表面を均一に帯電させる帯電装置と、帯電した前記像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、前記像担持体表面に形成された静電潜像をトナーで可視像化する現像装置と、前記可視像化された可視像を記録材料に転写する転写装置と、前記像担持体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置と、前記記録材料上の可視像を熱又は圧力の少なくとも1つで定着させる定着装置と、を備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記7ないし10のいずれかに記載のトナーを使用する現像装置を有することを特徴とする。
14.前記13に記載の画像形成装置において、前記像担持体は、アモルファスシリコン感光体を用いることを特徴とする。
15.前記13又は14に記載の画像形成装置において、前記帯電装置は、像担持体に帯電部材を接触させることを特徴とする。
16.また前記13ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、像担持体上の静電潜像をトナーで現像する際に交互電界を印加することを特徴とする。
17.また前記13ないし16のいずれかに記載の画像形成装置において、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触する定着フィルムと、前記定着フィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材とを有し、
前記定着フィルムと前記加圧部材との間にトナーによる未定着画像を形成させた前記記録部材を通過させて加熱定着する定着装置を備えることを特徴とする。
18.前記13ないし17のいずれかに記載の画像形成装置において、像担持体と現像装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカートリッジを備えることを特徴とする。
19.また、少なくとも、像担持体と現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置は、請求項7ないし10のいずれかに記載のトナーを使用することを特徴とする。
本発明のトナーの製造方法によれば、小粒径、且つ粒度分布のシャープ化により粉体流動性、転写性を良好にすると共に、帯電特性、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーを提供することができる。
また、本発明の製造方法によって得られたトナーを現像剤として用いるプロセスカートリッジ、あるいは画像形成装置によって、異常画像の発生がなく、定着性にも優れた、高品質の画像を提供することができる。
本発明の製造方法によって得られたトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、樹脂微粒子が分散されている水系媒体中で粒子を形成して、得られるトナーにおいて、前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下である。前記の樹脂微粒子の体積平均粒径は、41nmより大きく、60nm未満の大きさ、好ましくは45〜55nmであり、前記樹脂微粒子の分散液(前記樹脂微粒子が分散されている水系媒体)の酸価は42mgKOH/gより大きく、58mgKOH/gより小さく、好ましくは45〜55mgKOH/gであることを特徴とする。
後述する実施例において詳しく説明するように、本発明者らは、水系媒体中に分散している樹脂微粒子の粒径とその分散液の酸価を適正な範囲にすることにより、小粒径、且つ粒度分布のシャープなトナーを得ることができることを見出した。これにより、現像性、転写性に優れるトナーとすることができる。
樹脂微粒子の体積平均粒径が、41nmより大きく、60nm未満の大きさであり、前記樹脂微粒子の分散液の酸価は42mgKOH/gより大きく、58mgKOH/gより小さければ本発明の効果を奏することができるが、特に45nm未満で、且つ樹脂微粒子分散液の酸価が45mgKOH/g未満であると、乳化油滴が小さくなりやすく、得られるトナーにおいて微粉が増加し、トナーの体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が悪化する。また、樹脂微粒子の粒径が55nmを超え、且つ樹脂微粒子分散液の酸価が55mgKOH/gを超えると乳化油滴が大きくなりやすくなり、粗大粉が増加し、トナーの体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が悪化する。
本発明の有機溶媒組成物(トナー組成物を有機溶媒に溶解又は分散させた溶解又は分散液:トナー組成液)中の結着樹脂にはポリエステル樹脂が含まれることが好ましい。ポリエステル樹脂は、スチレンアクリル樹脂に比べて、低分子量化が容易であり、低温定着性に優れており、省エネルギー化に対して好ましく、窒素原子を含む官能基を有する変性ポリエステル、ポリエステル、着色剤、含窒素化合物とを少なくとも含んだトナー組成物を、有機溶媒中に溶解又は分散させた溶液又は分散液を水系媒体中に分散して、この溶液又は分散液中の架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応を行わせて製造することができる。なお本明細書中、「架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応」を、「架橋及び/又は伸長反応」と記載する。
以下、本発明のトナーの製造方法に用いられるトナー材料を具体的に説明する。
[有機溶媒相]
<有機溶媒>
有機溶媒としては、トナー組成物を溶解又は分散してトナー組成液とすることの可能な溶媒で有れば特に限定されない。好ましいものとしては、溶媒の沸点が150℃未満の揮発性であることが、有機溶剤の除去が容易である点から好ましい。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフランなどを単独で、あるいは2種以上、組合せて用いることができる。これらの中でも、トナー粒子形成後に揮発しやすい点で、特に、酢酸メチル、酢酸エチルが好ましい。トナー固形成分100重量部に対する有機溶媒の使用量は、通常40〜300重量部で、好ましくは60〜140重量部で、さらに好ましくは80〜120重量部である。
<官能基含有ポリエステル系樹脂>
本発明において、変性ポリエステル系樹脂としてイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを用いることができる。このプレポリマーは、「活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体」に含まれる。このようなイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを、さらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
アルコール性水酸基を末端に有するポリエステルを重縮合反応により調製するため、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
上記ポリエステルのアルコール性水酸基と反応させて、ポリエステルプレポリマーを調製するために用いられるポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネートの使用比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ポリエステルプレポリマー(A)中に含有されるイソシアネート基の量が少なすぎ、後に述べる活性水素基を含有する化合物との架橋及び/又は伸長反応を行うことができない。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、架橋及び/又は伸長反応後の変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、トナーの耐ホットオフセット性が十分に得られない。
<非反応性ポリエステルの併用>
本発明のトナーにおいては、ポリエステルプレポリマー(A)単独使用だけでなく、この(A)と共に、変性されていない非反応性のポリエステル(C)をバインダ樹脂成分として含有させることが重要である。(C)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上する。
(C)の変性されていない非反応性のポリエステルとしては、前記(A)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(A)と同様である。また、(C)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。
前記(A)のポリエステルプレポリマーと(C)の変性されていない非反応性のポリエステルは少なくとも一部が相溶していることが、低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(A)のポリエステル成分と(C)の変性されていない非反応性のポリエステルとは類似の組成が好ましい。
(C)の変性されていない非反応性のポリエステルを含有させる場合の(A)のポリエステルプレポリマーと(C)の変性されていない非反応性のポリエステルの量は、重量比で、通常5/95〜75/25、好ましくは10/90〜25/75、さらに好ましくは12/88〜25/75、特に好ましくは12/88〜22/78である。(A)のポリエステルプレポリマーの重量比が5%未満では、トナーの耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
非反応性ポリエステル(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、30000を超えると低温定着性が悪化する。
<活性水素基含有化合物>
後述するように、上記のイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)は、活性水素基含有化合物と架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応をさせることにより、より高分子量の変性ポリエステル樹脂を生成する。
活性水素基含有化合物としては、アミン類を用いることができる。アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4‘−ジアミノ−3,3‘−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2((B1)の一種以上、(B1)から選択される少なくとも1種と少量の(B2)から選択される少なくとも1種の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2より大きかったり、1/2未満では、架橋及び/又は伸長反応により得られるウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する。
さらに、必要により架橋及び/又は伸長反応は、停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
<含窒素化合物>
含窒素化合物は、有機溶媒中のトナー組成物に含有されて、トナー組成液の酸価を適正範囲にする役目を果たす。本発明のトナーの製造工程において、非反応性ポリエステル(C)の存在により、トナー組成物中に酸成分が多すぎると、上記のポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応が進行しにくい。このため、含窒素化合物を混合することにより、特に非反応性ポリエステル(C)と塩を形成させることで、トナー組成物中に含まれる酸成分の影響を排除し、架橋及び/又は伸長反応を促進させる。また、含窒素化合物の添加量を調整することで、トナー組成物またはトナー組成液の酸価を上記適正範囲にし、所望の粒径及び粒度分布を有するトナーを安定して製造するようにする。
含窒素化合物としては、第3級アミン化合物を好ましく使用することができる。第3級アミン化合物としては、アミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、およびアミジンなどが挙げられる。
アミンとしては、芳香族アミン(トリフェニルアミン、トリアリルアミンなど)、脂環式アミン(N−メチルピペリジンなど);および脂肪族アミン(トリエチルアミン、トリメチルアミンなど)などが挙げられる。
アミノアルコールとしては、トリエタノールアミン、ジヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタンとしては、トリエタンチオールアミン、トリメタンチオールアミンなどが挙げられる。
また、アミジンとしては、DBU(1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン−5)などが挙げられる。
これら第3級アミン化合物の中でも、有機溶媒への溶解性、非反応性ポリエステル(C)との塩形成がともに良好であることから、以下の構造式(1)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2009093009
上記第3級アミン化合物の添加量は、トナー組成物の酸価を上記適正範囲にするために、トナー組成物の重量に対して0.05重量%以上であることが好ましい。また、トナー組成物のアミン価を上記適正範囲にするために、トナー組成物の重量に対して3重量%以下であることが好ましい。
<バインダ樹脂成分>
本発明では、上記のとおり、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン(B)類との反応によって得られるウレア変性ポリエステル樹脂をトナーバインダ樹脂成分として用いることを特徴としており、また、非反応性ポリエステル(C)等の他成分(着色剤マスターバッチの作製に用いる樹脂を含む)も併用される。
本発明において、トナーバインダ樹脂成分のガラス転移点(Tg)は、通常40〜70℃、好ましくは45〜55℃である。40℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応により得られたウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル樹脂系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても良好な耐熱保存性を示す。
トナーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて1000Paとなる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。トナーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて100Pa・sとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えると、TG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
[水系媒体相]
<水系媒体>
水系媒体としては、水単独でも良いが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
<樹脂微粒子>
水系媒体中でのトナー粒子の造粒工程において、最終的なトナーの形状(円形度、粒度分布等)を制御する目的で、樹脂微粒子が添加される。樹脂微粒子は、後述する様に有機溶媒相および活性水素基含有化合物(アミン類)が水系媒体中に分散されて有機分散粒子が形成される際に、その表面部分に結合するものと考えられ、これにより後記外添剤と同様に、得られるトナー母体粒子の主として表面部分に偏在するものと考えられる。
この樹脂微粒子は、予め水系媒体に分散させておくのがよく、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
本発明のトナーにおいては、得られる外添剤処理後のトナー粒子に含まれる樹脂微粒子の量を0.5〜5.0wt%の範囲にする。
前記含有量が0.5wt%未満では、トナーの耐熱保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でのブロッキングが発生する。また、含有量が5.0wt%を超えると、トナー定着工程において、トナー中に含まれる離型剤としてのワックスのしみ出しを樹脂微粒子が阻害し、離型性効果が得られず、ホットオフセットが発生する。
樹脂微粒子の含有量は、トナー粒子に起因せず樹脂微粒子に起因する物質を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計で分析し、そのピーク面積から算出し測定することができる。検出器としては、質量分析計が好ましいが、特に制限はない。
この樹脂微粒子の水系媒体中における分散・配合量は、上記含有量に係る条件を満足する様に設定すればよいが、通常0.5〜10wt%程度の範囲内とされる。
樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)は40〜100℃が好ましく、重量平均分子量は9000〜20万が好ましい。樹脂微粒子のTgが40℃未満、及び/又は重量平均分子量が9000未満では、トナーの耐熱保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でブロッキングが発生する。また、樹脂微粒子のTgが80℃を超えるか、及び/又は重量平均分子量が20万を超えると、トナー定着工程において、樹脂微粒子がトナーの定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。
さらに、樹脂微粒子の粒径が45〜55nmの範囲にすることで、乳化油滴の粒径を安定化することができ、最終的に得られるトナーの粒度分布を狭くすることができる。
[他の配合成分]
<着色剤>
着色剤としては公知の染料及び顔料が使用可能であり、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量は、トナー母体中に、通常1〜15wt%、好ましくは3〜10wt%となる量で使用される。
また、着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、例えば上記ウレア変性ポリエステル樹脂(A)、非反応性ポリエステル樹脂(C)の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは単独で、あるいは混合して使用できる。
マスターバッチは、マスターバッチ用のバインダ樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得ることができる。この際、着色剤とバインダ樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウェットケーキをそのまま用いることができるため、乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには、3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
また、着色剤またはマスターバッチは、上記有機溶媒相中に溶解または分散させることができるが、これに限定されるものではない。
<離型剤>
また、トナーバインダ樹脂成分、着色剤とともに離型剤としてワックスを含有させることもできる。ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。
カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。
また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。
ワックスの使用量は、トナー母体中の含有量として、通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%となる量である。また、ワックスは上記有機溶媒相中に溶解または分散させることができるが、これに限定されるものではない。
<帯電制御剤>
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、第4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
帯電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させる事もできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いが、トナー母体粒子調整後にその表面に固定化させることが好ましい。
[トナー粒子の調製]
本発明のトナーは以下の方法で製造することができるが、勿論これらに限定されることはない。
<水系媒体中でのトナー製造法>
上記のように樹脂微粒子を分散させた水系媒体中に、以下に示す通り有機溶媒相を分散させて、トナー粒子を形成させる。
<有機溶媒相の分散・反応>
上記のとおり、トナー粒子は、ポリエステルプレポリマー(A)を含む有機溶媒相をアミン類(B)、第3級アミン化合物とともに、上記水系媒体相中に分散させて、水系媒体中で伸長反応または架橋反応の少なくとも1つの反応を行わせしめ、ウレア変性ポリエステルを形成する工程を経て形成される。
水系媒体相でポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体相に有機溶媒に溶解、又は分散させたポリエステルプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物(以下、トナー原料と呼ぶ)を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。有機溶媒に溶解、又は分散させたポリエステルプレポリマー(A)と他のトナー組成物である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、非反応性ポリエステル樹脂(C)などは、水系媒体相で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合後、有機溶媒に溶解、又は分散させた後、水系媒体相にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、帯電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体相で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ポリエステルプレポリマー(A)の有機溶媒相に含まれる固形成分100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
ポリエステルプレポリマー(A)等を含む有機溶媒相を、乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11のオメガ−フルオロアルキル)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4のアルキル)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8のオメガ−フルオロアルカノイル)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20のフルオロアルキル)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13のパーフルオロアルキルカルボン酸)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12のパーフルオロアルキル)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10のパーフルオロアルキル)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10のパーフルオロアルキル)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16のモノパーフルオロアルキル)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸(あるいはアミノ酸)、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10のパーフルオロアルキル)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることが出来る。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、架橋及び/又は伸長反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
架橋及び/又は伸長反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。或いはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどを用い、短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
また、得られたトナー粒子は、必要に応じて分級操作を行い、粒度分布を整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた乳化分散体からできるだけ取り除くことが好ましいが、上述の分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合を行ったり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
[外添剤の適用]
トナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
(樹脂微粒子の粒径)
樹脂微粒子の粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を使用して測定を行なった。例えば、(株)堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−920を使用した、測定方法に関して説明する。
測定は、フローセルを使用し、試料バスに、分散媒を入れ、循環後、気泡を除去し、光軸調整を行う。循環速度を上げ、試料バスに、透過率が85〜90%の範囲内になるように樹脂微粒子分散液を投入し、5分間超音波処理を行なった後、もう一度、光軸調整を行い、データの取り込み数を10〜15回で測定を行う。樹脂微粒子の粒径は、累積50%に相当する粒径であるメジアン径を使用した。
(酸価、アミン価)
樹脂微粒子分散液及びトナーの酸価は、JISK 0070の規格に準じて測定することができ、トナーのアミン価は、ASTM D 2074の規格に準じて測定することができる。
(平均円形度)
本発明のトナーは特定の形状と形状の分布を有することが重要であり、平均円形度が0.90未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。なお、形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。
この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.90〜0.98、好ましくは0.975〜0.900のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが判明した。より好ましくは、平均円形度が0.970〜0.950で円形度が0.94未満の粒子が15%以下である。また、平均円形度が0.975以上の場合、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、カラー写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。
(体積平均粒径およびDv/Dn値)
本発明の画像形成用トナーは、体積平均粒径(Dv)が3.0〜8.0μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下であることが好ましい。このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。またDv/Dn値が1.25を越えると、小粒径から大粒径にかけての分布が広くなってしまい、その結果、帯電量分布が広がるため、現像性、転写性が不均一になり、画像粒状性、鮮鋭性が悪化する。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.25を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
(二成分現像剤)
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
(一成分現像剤)
また本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性現像剤或いは、非磁性現像剤として用いることもできる。
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次外添剤を加えていけばよい。
もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
本発明の画像形成用トナーを現像剤として用いる画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
画像形成手段18の現像装置4には、上記のトナーを含んだ現像剤を用いる。現像装置4は、現像剤担持体が現像剤を担持、搬送して、感光体40との対向位置において交互電界を印加して感光体40上の潜像を現像する。交互電界を印加することで現像剤を活性化させ、トナーの帯電量分布をより狭くすることができ、現像性を向上させることができる。
また、上記現像装置4は、感光体40と共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。
上記の画像形成装置の動作は以下の通りである。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
以下実施例により、本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下、特に断わらない限り、「部」は重量部を、「%」は、重量%(wt%)を意味する。
<実施例1>
以下に、本発明のトナーの製造について、順を追って説明する。
〜樹脂微粒子の合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、500回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度を75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で4時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[樹脂微粒子分散液1]とする。
この[樹脂微粒子分散液1]をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、体積平均粒径は、46nmであり、また前記した方法により求めた酸価は45mgKOH/gであった。
[樹脂微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。この樹脂分のガラス転移温度(Tg)は42℃であり、重量平均分子量は30,000であった。
〜水相の調製〜
水990部、[樹脂微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧下5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧下2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25mgKOH/gであった。
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧下5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
〜少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネートは、1.53%であった。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418mgKOH/gであった。
〜油相の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナウバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のままで5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器にカーボンプラック(リーガル400R、キャボット製)160部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1Kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で、ワックスの分散を行なった。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%で、酸価は10mgKOH/g、アミン価は5.5mgKOH/gであった。
〜乳化〜
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部、前記の構造式(1)で表される三級アミン化合物(U−CAT 660M サンアプロ(株)製)0.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
すなわち、樹脂微粒子を含む水系媒体とトナー組成液とを接触させて分散させると共に伸長反応が行なわれる。この際の水系媒体とトナー組成液との接触は、トナー組成液に水系媒体を加えて行ってもよく、また、水系媒体にトナー組成液を加えるようにしてもよい。水系媒体とトナー組成液との接触の順番は問わず、水系媒体およびトナー組成液のいずれかを、攪拌しながら他方を加えることによって行うことができる。この接触の際には、通常使用されるミキサーにより行うことができ、たとえば前記したように、第1回目の攪拌工程の後に、ハイシェアを印加して乳化する工程の2段階の工程を有することができる。トナー組成液としては、少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体と、ポリエステルと着色剤とを含み、他に上記したようにワックスなどを含有することができる。この場合にトナー液とするには、他に前記した有機溶媒を用いることができる。
〜脱溶剤〜
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行ない、[分散スラリー1]を得た。
〜洗浄〜
前記[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、下記(1)〜(4)の処理を行い、[濾過ケーキ1]を得た。
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
〜乾燥処理〜
上記[濾過ケーキ1]を、循風乾燥機を用いて45℃で48時間乾燥した。
その後、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを、
[トナー母体粒子1]とする。
〜外添剤処理〜
上記[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部を加えヘンシェルミキサーを用いて混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。この[トナー1]の各物性値について、表1に示す。
〜現像剤の調整〜
[トナー1]5%、およびシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95%からなるニ成分現像剤である[現像剤1]を調製した。この[現像剤1]を使用して、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450改造機を用いて、連続印刷して下記の評価方法で評価し、得られた結果を表2に示す。
<実施例2>
実施例1の「〜樹脂微粒子の合成〜」を、下記の〜樹脂微粒子の合成(2)〜のように行って[樹脂微粒子分散液2]を作成し、以降この[樹脂微粒子分散液2]を用いて実施例1と同様にして、[トナー2]を得た。
〜樹脂微粒子の合成(2)〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、500回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。
さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[樹脂微粒子分散液2]とする。この[樹脂微粒子分散液2]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、53nmであり、酸価は54mgKOH/gであった。
[樹脂微粒子分散液2]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は30,500であった。
<比較例1>
実施例1の「〜樹脂微粒子の合成〜」を、下記の〜樹脂微粒子の合成(比1)〜のように行って[樹脂微粒子分散液3]を作成し、以降この[樹脂微粒子分散液3]を用いて実施例1と同様にして、[トナー3]を得た。
〜樹脂微粒子の合成(比1)〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、600回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。
さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で4時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[樹脂微粒子分散液3]とする。該[樹脂微粒子分散液3]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、42nmであり、酸価は38mgKOH/gであった。[樹脂微粒子分散液3]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは41℃であり、重量平均分子量は28,500であった。
[樹脂微粒子分散液3]を使用した以外は、実施例1に準じて同様の操作を行い[トナー3]を得た。
<比較例2>
実施例1の「〜樹脂微粒子の合成〜」を、下記の〜樹脂微粒子の合成(比2)〜のように行って[樹脂微粒子分散液4]を作成し、以降この[樹脂微粒子分散液4]を用い、実施例1と同様の操作を行って、[トナー4]を得た。
〜樹脂微粒子の合成(比2)〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。
さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で4時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[樹脂微粒子分散液4]とする。この[樹脂微粒子分散液4]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、58nmであり、酸価は60mgKOH/gであった。
[樹脂微粒子分散液4]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は31,000であった。
この[樹脂微粒子分散液4]を使用した以外は実施例1に準じて同様の操作を行い、[トナー4]を得た。
<比較例3>
実施例1の樹脂微粒子の合成工程において、撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部と、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部と、スチレン80部と、メタクリル酸133部と、アクリル酸ブチル60部と、チオグリコール酸ブチル12部と、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、600回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して系内温度を75℃まで昇温し、4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で4時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[樹脂微粒子分散液5]とする。得られたこの[樹脂微粒子分散液5]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、42nmであり、酸価は60mgKOH/gであった。
[樹脂微粒子分散液5]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは39℃であり、重量平均分子量は25,300であった。この[樹脂微粒子分散液5]を使用した以外は実施例1に準じて同様の操作を行い、[トナー5]を得た。
<比較例4>
実施例1の樹脂微粒子の合成工程において、撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部と、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部と、スチレン80部と、メタクリル酸53部と、アクリル酸ブチル140部と、チオグリコール酸ブチル12部と、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で4時間熟成して、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[樹脂微粒子分散液6]とする。この[樹脂微粒子分散液6]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、59nmであり、酸価は41mgKOH/gであった。
[樹脂微粒子分散液6]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。この樹脂分のTgは41℃であり、重量平均分子量は29400であった。この[樹脂微粒子分散液6]を使用した以外は実施例1に準じて同様の操作を行い、[トナー6]を得た。
<比較例5>
実施例1の樹脂微粒子の合成工程において、撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部と、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部と、スチレン80部と、メタクリル酸108部と、アクリル酸ブチル85部と、チオグリコール酸ブチル12部と、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、600回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して系内温度75℃まで昇温し、4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で4時間熟成して、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[樹脂微粒子分散液7]とする。この[樹脂微粒子分散液7]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は41nmであり、酸価は52mgKOH/gであった。[樹脂微粒子分散液7]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。この樹脂分のTgは40℃であり、重量平均分子量は27100であった。[樹脂微粒子分散液7]を使用した以外は実施例1に準じて同様の操作を行い、[トナー7]を得た。
<比較例6>
実施例1の樹脂微粒子の合成工程において、撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部と、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部と、スチレン80部と、メタクリル酸73部と、アクリル酸ブチル120部と、チオグリコール酸ブチル12部と、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、500回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成して、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[樹脂微粒子分散液8]とする。得られた[樹脂微粒子分散液8]をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は49nmであり、酸価は38mgKOH/gであった。[樹脂微粒子分散液8]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。この樹脂分のTgは41℃であり、重量平均分子量は28,300であった。[樹脂微粒子分散液8]を使用した以外は実施例1に準じて同様の操作を行い、[トナー8]を得た。
[評価方法]
(評価項目)
(1)体積平均粒径、および(Dv/Dn)の測定
体積平均粒径(Dv)および個数平均粒径(Dn)は、コールターカウンター法により測定することができる。コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。また、(Dv/Dn)は上記の値より自動的に算出した。
(2)平均円形度
円形度は、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用して測定することができる。フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用した測定方法に関して以下に説明する。
トナー、トナー粒子及び外添剤のフロー式粒子像分析装置による測定は、例えば、東亜医用電子社(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10-3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz、50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、さらに、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10-3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
(3)帯電量
現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込み、ブローオフ法により帯電量を測定した。
(4)クリーニング性
リコー社製のimagio MP C4500改造機を評価機として用い、100枚出力後の清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.005未満のものを◎、0.005〜0.010のものを○、0.011〜0.02のものを△、0.02を超えるものを×として評価した。
(5)画像濃度
前記リコー社製のimagio MP C4500改造機を評価機として用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを150,000枚ランニング出力した後、ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定を行なった。これを4色単独に行ない平均を求めた。この値が、1.2未満の場合は×、1.2以上1.4未満の場合は△、1.4以上1.8未満の場合は○、1.8以上2.2未満の場合は◎とした。
(6)画像粒状性、鮮鋭性
リコー社製のimagio MP C4500改造機を評価機として用い、単色で写真画像の出力を行ない、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。良好なものから、◎、○、△、×の4段階で評価した。◎はオフセット印刷並であり、○はオフセット印刷よりわずかに悪い程度であり、△はオフセット印刷よりかなり悪い程度であり、×は従来の電子写真画像程度であり、非常に悪い。
(7)地肌汚れ
リコー社製のimagio MP C4500改造機を評価機として用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行なった。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れが良く、×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
(8)文字画像内部の白抜け
リコー社製のimagio MP C4500改造機を評価機として用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、文字部画像をリコー社製タイプDXのOHPシートに4色重ねて出力させ、文字部の線画像内部が抜けるトナー未転写頻度を段階見本と比較した。ランク1が最低、ランク5が最高である。ランク1または2の場合は×、ランク3の場合は△、ランク4の場合は○、ランク5の場合は◎とした。
(9)トナー流動性
パウダーテスター(PT−N型、ホソカワミクロン製)に、上から順に目開き75μm、45μm、22μmのメッシュを重ねて装填し、トナー母体を一番上側の75μmメッシュ上に2g入れ、縦方向に1mmの振動を10秒間与え、各メッシュ上のトナー残存量からトナー母体の流動性(凝集度)を算出した。
凝集度(%)=(5×(75μmメッシュ上の残トナー量(g))
+3×(45μmメッシュ上の残トナー量(g))
+(22μmメッシュ上の残トナー量(g)))×10
凝集度が8%以下の場合は◎、8〜16%の場合は○、16〜25%の場合は△、25%以上の場合は×とした。
(10)定着性
リコー社製のimagio MP C4500改造機を評価機として用い、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製、タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cm2のトナー付着量で定着評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行ない、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。定着上限温度は190℃以上の場合は◎、190〜180℃の場合は○、180〜170℃の場合は△、170℃以下の場合は×とした。また、定着下限温度は135℃以下の場合は◎、135〜145℃の場合は○、145〜155℃の場合は△、155℃以上の場合は×とした。

Figure 2009093009
Figure 2009093009
表1、2を参照して分かるとおり、実施例1、実施例2に示す本発明のトナー1、トナー2は、トナーの粒度分布(Dv/Dn)が、1.26より小さく、例えば1.25以下(好ましくは1.2未満)と優れると共に、樹脂微粒子の酸価が41よりも大きく60未満の範囲にあり、かつ、樹脂微粒子の粒径の大きさも42よりも大きく58未満の範囲にあるので、帯電性、クリーニング性も良好で、地汚れや文字部白抜け、定着オフセット等の異常画像の発生もない結果が得られた。
一方、比較例1では樹脂微粒子の酸価も粒径も低く、比較例2のトナーは、表1、表2から分かるように、トナーの粒度分布(Dv/Dn)高く、画像濃度、画像粒状度・鮮鋭度、文字部白抜け、定着オフセット等の異常画像の発生が見られた。
本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
現像装置
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置

Claims (19)

  1. 少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル及び着色剤を有するトナー組成液と、樹脂微粒子が分散された水系媒体とを接触させて架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応を行って造粒するトナーの製造方法であって、
    前記樹脂微粒子の体積平均粒径が41nmより大きく60nmより小さく、かつ、前記樹脂微粒子が分散された水系媒体の酸価が42mgKOH/gより大きく、58mgKOH/gより小さいことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記トナー組成液の酸価が5〜20mgKOH/gであり、アミン価が0.5〜10mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記水系媒体中に界面活性剤を有し、当該水系媒体中で造粒して前記トナーを得ることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  4. 前記トナー組成液を前記水系媒体中に分散させる工程を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 前記トナー組成液は、さらに離型剤を含有し、前記離型剤はカルナウバワックス、ライスワックス、エステルワックスの中から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  6. 前記トナー組成液の結着樹脂は、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体と、ポリエステルとを有し、前記トナー組成液を、前記樹脂微粒子を含有する水系媒体中で架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーの製造方法によって得られたトナー。
  8. 前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下であることを特徴とする請求項7に記載のトナー。
  9. 前記トナーは、負帯電トナーであることを特徴とする請求項7または8に記載のトナー。
  10. 前記トナーは、平均円形度が0.94以上であることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載のトナー。
  11. トナーと、磁性粒子からなるキャリアとを少なくとも含む静電潜像を現像する二成分系現像剤であって、前記トナーは請求項7ないし10のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする現像剤。
  12. 静電潜像を現像する現像剤であって、前記現像剤は、請求項7ないし10のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤であることを特徴とする現像剤。
  13. 潜像を担持する像担持体と、前記像担持体表面を均一に帯電させる帯電装置と、帯電した前記像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、前記像担持体表面に形成された静電潜像をトナーで可視像化する現像装置と、前記可視像化された可視像を記録材料に転写する転写装置と、前記像担持体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置と、前記記録材料上の可視像を熱又は圧力の少なくとも1つで定着させる定着装置と、を備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、請求項7ないし10のいずれかに記載のトナーを使用する現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  14. 前記像担持体は、アモルファスシリコン感光体を用いることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記帯電装置は、像担持体に帯電部材を接触させることを特徴とする請求項13又は14に記載の画像形成装置。
  16. 前記画像形成装置は、像担持体上の静電潜像をトナーで現像する際に交互電界を印加することを特徴とする請求項13ないし15のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. 前記画像形成装置は、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触する定着フィルムと、前記定着フィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材とを有し、
    前記定着フィルムと前記加圧部材との間にトナーによる未定着画像を形成させた前記記録部材を通過させて加熱定着する定着装置を備えることを特徴とする請求項13ないし16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 前記画像形成装置は、像担持体と現像装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカートリッジを備えることを特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記載の画像形成装置。
  19. 少なくとも、像担持体と現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置は、請求項7ないし10のいずれかに記載のトナーを使用することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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