JP2005265881A - トナー、現像剤、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents

トナー、現像剤、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】、低温定着性に優れると共に、耐ホットオフセット性、耐熱保存性も兼ね備え、帯電性にも優れたトナーを提供する。
【解決手段】少なくとも着色剤とバインダ樹脂とからなり、静電潜像の現像に供されるトナーであって、前記トナーは、活性水素基を有する化合物と、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるバインダ成分とを含むトナー組成物を、有機溶媒中に溶解又は分散させ、該溶解液又は分散物を水系媒体中に乳化分散させて、前記活性水素基を有する化合物と前記変性ポリエステル系樹脂を反応促進剤としての第3級アミン化合物の存在下、伸長及び/又は架橋反応させることにより得られ、製造されたトナー中の前記第3級アミン化合物の含有率が0.3重量%以下であるトナーである。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤に使用されるトナーに関する。更には、当該トナーを含んで構成される現像剤を使用する現像装置並びに画像形成装置に関する。
電子写真、静電記録、静電印刷等の画像形成方法は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に、現像剤に含まれるトナーが一旦付着し、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体にトナーが転写された後、定着工程において紙面に定着される。現像剤としては、磁性キャリアとトナーとから成る二成分系現像剤、及び、磁性キャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂などのトナーバインダを着色剤などと共に溶融混練し、微粉砕して製造される、混練粉砕法のトナーが用いられている。
近年高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。従来の混練粉砕法により、このような小粒径化、球形化したトナーを製造するのは非常に困難であることから、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等を用いて製造されるトナーが開発されてきている。
例えば、乳化重合法により得られる重合体の一次粒子を、重合体の乳化分散体中に着色剤、帯電制御剤等を加えて攪拌を続け、二次粒子に生長させてトナーを得る方法(例えば、特許文献1参照。)や、重合体が溶解可能な溶媒に、重合体の他、着色剤、添加剤等を加えて溶解又は分散させ、水系媒体中、高速剪断下で造粒してトナーを得る方法(例えば、特許文献2参照。)等が提案されている。
しかしながら、トナーの物性値が十分でないなど、重合法によるトナーにもいくつかの解決すべき課題が残されている。
その一つは、画像形成装置の更なる省エネルギー化ために、画像の低温での定着を可能とするトナーの開発である。従来、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法のトナーで用いられる樹脂としてはスチレン−アクリル酸エステル共重合体が一般的であり、融点、ガラス転移点が低く低温定着性に有利とされているポリエステル樹脂を所望の粒径、粒度分布に粒子化することは困難であった。
また、低温定着性のために、用いる樹脂の分子量を低下させると、耐熱保存性や耐ホットオフセット性等、他のトナーの特性を犠牲にすることがあった。
そこで、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーの開発として、例えば、低分子量のポリエステル樹脂と共にイソシアネート基含有プレポリマーを含むトナー組成物を水系媒体中に分散させ、アミン類の添加により該プレポリマーの架橋及び/又は伸長反応を行わせトナー粒子を形成するトナーの製造方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。このような製造方法により、トナーの低温定着性に有利な低分子量のポリエステル樹脂を含有し、高分子量の外殻を有するトナー粒子が作製でき、トナーの耐熱保存性等を改良できるものである。
特許2537503号公報 特開平7−152202号公報 特開11−149180号公報
しかしながら、例えば上記の製造方法のように、水系媒体中で、イソシアネート基含有プレポリマーを含むトナー組成物と、アミン類との架橋及び/又は伸長反応を伴ってトナー粒子を形成させる場合、反応が進行しなければ所望の特性を有するトナーが得られない。したがって、これらの反応を促進する促進剤、制御剤等がトナー組成物に添加されることがある。一方、これら反応の促進剤、制御剤等は、これらがトナー中に残存する結果、トナーの特性、例えば帯電特性等に悪影響を及ぼすものであってはならない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低温定着性に優れると共に、耐ホットオフセット性、耐熱保存性も兼ね備え、帯電性にも優れたトナーを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のことを特徴とする。
1.本発明は、少なくとも着色剤とバインダ樹脂とからなり、静電潜像の現像に供されるトナーであって、活性水素基を有する化合物と、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるバインダ成分とを含むトナー組成物を、有機溶媒中に溶解又は分散させ、該溶解液又は分散物を水系媒体中に乳化分散させて、前記活性水素基を有する化合物と前記変性ポリエステル系樹脂を反応促進剤としての第3級アミン化合物の存在下、伸長及び/又は架橋反応させることにより得られ、製造されたトナー中の前記第3級アミン化合物の含有率が、0.3重量%以下であるトナーである。
2.前記第3級アミン化合物は、前記トナー組成物中に1重量%以下の割合で添加される ことを特徴とする。
3.前記第3級アミン化合物は、下記の構造式(I)で表されることを特徴とする。
Figure 2005265881
4.前記第3級アミン化合物は、また、下記の構造式(II)で表されることを特徴とする。
Figure 2005265881
5.前記第3級アミン化合物は、前記伸長及び/又は架橋反応の反応促進剤として寄与することを特徴とする。
6.前記トナーの体積平均粒径(Dv)は3〜6μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.0〜1.3であることを特徴とする。
7.前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
8.また、本発明は、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、前記いずれかのトナーを使用した一成分現像剤である。
9.また、本発明は、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、磁性キャリアと前記いずれかのトナーとからなる二成分現像剤である。
10.更に、本発明は、現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、潜像担持体との対向位置において電界を形成し、潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、前記の現像剤を使用する現像装置である。
11.また、本発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、該現像手段が前記現像装置であるプロセスカートリッジである。
12.また、本発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写手段と、記録部材上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、該現像手段が前記現像装置である画像形成装置である。
13.前記潜像担持体は、アモルファスシリコンからなる光導電層を有する感光体であることを特徴とする。
14.前記帯電手段は、前記潜像担持体に帯電部材を接触させ、該帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行うことを特徴とする。
15.前記定着手段は、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して該加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を担持した記録部材を通過させて加熱定着させることを特徴とする。
本発明によれば、低温定着性に優れると共に、耐ホットオフセット性、耐熱保存性も兼ね備え、帯電性にも優れたトナーを提供することができる。また、本発明のトナーを現像剤として用いるプロセスカートリッジ、あるいは画像形成装置によって、異常画像の発生がなく、定着性にも優れた、高品質の画像を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のトナーは、活性水素基を有する化合物と、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるバインダ成分とを含むトナー組成物を、有機溶媒中に溶解又は分散させ、該溶解液又は分散物を水系媒体中に乳化分散させて、前記活性水素基を有する化合物と前記変性ポリエステル系樹脂を伸長及び/又は架橋反応させることにより得られる。
以下に、本発明のトナーを構成する材料について詳しく述べる。
[トナー組成物]
トナー組成物とは、活性水素基を有する化合物と、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂とを含むバインダ樹脂成分の他に、着色剤、離型剤、帯電制御剤等のトナー構成成分を含んでもよい。以下、トナー組成物に含まれる材料について示す。
<変性ポリエステル系樹脂>
変性ポリエステル系樹脂としては、活性水素基を有する化合物と反応可能な官能基を有するポリエステル系樹脂が挙げられる。官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基等が挙げられる。
本発明において、変性ポリエステル系樹脂としてイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを用いることができる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを、さらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
アルコール性水酸基を末端に有するポリエステルを重縮合反応により調製するため、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
上記ポリエステルのアルコール性水酸基と反応させて、ポリエステルプレポリマーを調製するために用いられるポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネートの使用比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ポリエステルプレポリマー(A)中に含有されるイソシアネート基の量が少なすぎ、後に述べる活性水素基を含有する化合物との伸長及び/又は架橋反応を行うことができない。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、伸長及び/又は架橋反応後の変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、トナーの耐ホットオフセット性が十分に得られない。
<非反応性ポリエステル>
本発明のトナーにおいては、ポリエステルプレポリマー(A)単独使用だけでなく、この(A)と共に、変性されていない非反応性のポリエステル(C)をバインダ樹脂成分として含有させることが重要である。(C)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上する。
(C)としては、前記(A)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(A)と同様である。また、(C)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。
(A)と(C)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(A)のポリエステル成分と(C)とは類似の組成が好ましい。
(C)を含有させる場合の(A)と(C)の重量比は、通常5/95〜75/25、好ましくは10/90〜25/75、さらに好ましくは12/88〜25/75、特に好ましくは12/88〜22/78である。(A)の重量比が5%未満では、トナーの耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
非反応性ポリエステル(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。
(C)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満ではトナーの耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、(C)の酸価は通常0.5〜40、好ましくは5〜35である。この範囲を超えるものは高温高湿度下、低温低湿度下の環境下において、環境の影響を受けやすく、画像の劣化を招きやすい。
<活性水素基含有化合物>
後述するように、上記のイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)は、活性水素基含有化合物と伸長及び/又は架橋反応させることにより、より高分子量の変性ポリエステル樹脂を生成する。
活性水素基含有化合物としては、アミン類を用いることができる。アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2より大きかったり1/2未満では、伸長及び/又は架橋反応により得られるウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する。
さらに、必要により伸長及び/又架橋反応は、停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステル樹脂の分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
<着色剤>
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量は、トナー母体中の含有量として、通常1〜15wt%、好ましくは3〜10wt%となる量である。
また、着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。 マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、例えば上記ウレア変性ポリエステル樹脂(A)、非反応性ポリエステル樹脂(C)の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
マスターバッチは、マスターバッチ用のバインダ樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得ることができる。この際、着色剤とバインダ樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウェットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
また、着色剤またはマスターバッチは、上記有機溶媒相中に溶解または分散させることができるが、これに限定されるものではない。
<離型剤>
また、トナーバインダ樹脂成分、着色剤とともに離型剤としてワックスを含有させることもできる。ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。
また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。
ワックスの使用量は、トナー母体中の含有量として、通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%となる量である。また、ワックスは上記有機溶媒相中に溶解または分散させることができるが、これに限定されるものではない。
<帯電制御剤>
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、第4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
帯電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させる事もできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いが、トナー母体粒子調整後にその表面に固定化させることが好ましい。
[有機溶媒]
有機溶媒としては、トナー組成物を溶解又は分散可能な溶媒で有れば特に限定するものではない。好ましいものとしては、溶媒の沸点が150℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフランなどを単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、トナー粒子形成後に揮発しやすい点で、特に、酢酸メチル、酢酸エチルが好ましい。トナー固形成分100部に対する有機溶媒の使用量は、通常40〜300部、好ましくは60〜140部、さらに好ましくは80〜120部である。
[水系媒体]
水系媒体としては、水単独でも良いが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
本発明のトナーにおいては、上記ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)とを少なくとも含むトナー組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させ、得られた溶解液又は分散液を水系媒体中に乳化分散させて、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)の伸長及び/又は架橋反応を行わせる際、反応促進剤として第3級アミン化合物を添加する。トナー組成物中に、非反応性ポリエステル(C)が含まれている場合など、トナー組成物中に酸成分が多すぎると、上記のポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との伸長及び/又は架橋反応が進行しにくい。このため、第3級アミン化合物を混合することにより、特に非反応性ポリエステル(C)と塩を形成させることで、トナー組成物中に含まれる酸成分の影響を排除し、架橋及び/伸長反応を促進させる。
[第3級アミン化合物]
第3級アミン化合物としては、アミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、およびアミジンなどが挙げられる。アミンとしては、芳香族アミン(トリフェニルアミン、トリアリルアミンなど)、脂環式アミン(N−メチルピペリジンなど);および脂肪族アミン(トリエチルアミン、トリメチルアミンなど)などが挙げられる。アミノアルコールとしては、トリエタノールアミン、ジヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタンとしては、トリエタンチオールアミン、トリメタンチオールアミンなどが挙げられる。また、アミジンとしては、DBU(1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン−5)などが挙げられる。これら第3級アミン化合物の中でも、有機溶媒への溶解性、非反応性ポリエステル(C)との塩形成がともに良好であることから、以下の構造式(I)又は(II)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2005265881
Figure 2005265881
上記第3級アミン化合物は、乳化分散液中で非反応性ポリエステル(C)と塩を形成するなどして水相に抜けるが、一部はトナー粒子中に含有される。このようにしてトナー粒子中に含有される第3級アミン化合物の量が多いと、トナーは、特に高温高湿度下において帯電特性が低下する傾向にあることが発明者らによって明らかにされている。
本発明のトナーは、上記のようなトナーの帯電特性の低下を招かないために、第3級アミン化合物のトナー中の含有率を0.3重量%以下とする。これにより、第3級アミン化合物の存在下、乳化分散液中での伸長及び/又は架橋反応が促進されてトナー母体粒子の形成が良好に行われ、低温定着性、耐熱保存性、耐ホットオフセット性いずれにも優れると共に、高温高湿度下においても十分な帯電特性を示すトナーを得ることができる。
尚、トナー中の第3級アミン化合物の含有率は、以下のようにして測定することができる。
<第3級アミン化合物含有率測定>
秤量したトナーを溶剤(ジメチルホルムアミド(DMF)に30%水酸化ナトリウム水溶液を約0.3%加えた溶液)に分散し、攪拌して、第3級アミン化合物の抽出を行う。抽出した溶液に内部標準物質(ジメチルデシルアミン)を加え、ガスクロマトグラフ分析計で分析し、第3級アミン化合物のピーク面積と内部標準物質のピーク面積比を算出し、予め作成しておいた検量線からトナー中の第3級アミン化合物の含有率を求める。
トナー中の第3級アミン化合物の含有率を0.3重量%とするために、第3級アミン化合物の添加量は、トナー組成物中の1重量%以下とすることが好ましい。トナー組成物とは、先にも述べたように、活性水素基を有する化合物と、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂、及び、必要に応じて、非反応性ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤等のトナーを構成する材料全体を指す。これらの重量に第3級アミン化合物の重量を加えた全重量に対する第3級アミン化合物の量が、1重量%であるようにする。
一方、第3級アミン化合物は、トナー組成物中の酸成分を中和して乳化分散液中での伸長及び/又は架橋反応を促進する反応促進剤としての役目を果たすため、トナー組成物中の添加量は0.05重量%以上であることが好ましい。
<バインダ樹脂の素性など>
本発明では、上記のとおり、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン(B)類との反応によって得られるウレア変性ポリエステル樹脂をトナーバインダ樹脂成分として用いることを特徴としており、また、非反応性ポリエステル(C)等の他成分(着色剤マスターバッチの作製に用いる樹脂を含む)も併用される。
本発明において、トナーバインダ樹脂成分のガラス転移点(Tg)は、通常40〜70℃、好ましくは45〜55℃である。40℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。架橋及び/又は伸長反応により得られたウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル樹脂系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても良好な耐熱保存性を示す。
トナーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて1000Paとなる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。トナーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて100Pa・sとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
[トナー母体粒子の調製]
本発明のトナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
<水系媒体中でのトナー製造法>
上記トナー組成物を有機溶媒に溶解又は分散させて得られた有機溶媒相を水系媒体中に乳化分散させて、トナー母体粒子を形成させる。このとき、水系媒体中には、好ましくは樹脂微粒子を分散させておく。
<樹脂微粒子>
水系媒体中でのトナー母体粒子の造粒工程において、最終的なトナーの形状(円形度、粒度分布等)を制御する目的で、樹脂微粒子が添加される。樹脂微粒子は、後述する様に有機溶媒相が水系媒体中に分散されて有機分散粒子が形成される際に、その表面部分に結合するものと考えられ、これにより後記外添剤と同様に、得られるトナー母体粒子の主として表面部分に偏在するものと考えられる。
この樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
本発明のトナーにおいては、得られる外添剤処理後のトナー粒子に含まれる樹脂微粒子の量を0.5〜5.0wt%にすることが必要であり、また、重要である。 前記含有量が0.5wt%未満では、トナーの耐熱保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でのブロッキングが発生する。また、含有量が5.0wt%を超えると、トナー定着工程において、トナー中に含まれる離型剤としてのワックスのしみ出しを樹脂微粒子が阻害し、離型性効果が得られず、ホットオフセットが発生する。
樹脂微粒子の含有量は、トナー粒子に起因せず樹脂微粒子に起因する物質を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計で分析し、そのピーク面積から算出し測定することができる。検出器としては、質量分析計が好ましいが、特に制限はない。
この樹脂微粒子の水系媒体中における分散・配合量は、上記含有量に係る条件を満足する様に設定すればよいが、通常0.5〜10wt%程度の範囲内とされる。
樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)は40〜100℃が好ましく、重量平均分子量は9000〜20万が好ましい。樹脂微粒子のTgが40℃未満、及び/又は重量平均分子量が9000未満では、トナーの耐熱保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でブロッキングが発生する。また、樹脂微粒子のTgが80℃を超えるか、及び/又は重量平均分子量が20万を超えると、トナー定着工程において、樹脂微粒子がトナーの定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。
<有機溶媒相の分散・反応>
上記のとおり、トナー母体粒子は、ポリエステルプレポリマー(A)、アミン類(B)、第3級アミン化合物を含む有機溶媒相を、上記水系媒体相中に分散させて、水系媒体中で伸長および/または架橋反応させ、ウレア変性ポリエステルを形成する工程を経て形成される。水系媒体相でポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体相に有機溶媒に溶解、又は分散させたポリエステルプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。有機溶媒に溶解、又は分散させたポリエステルプレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、非反応性ポリエステル樹脂(C)などは、水系媒体相で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合後、有機溶媒に溶解、又は分散させた後、水系媒体相にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、帯電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体相で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ポリエステルプレポリマー(A)の有機溶媒相に含まれる固形成分100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
ポリエステルプレポリマー(A)等を含む有機溶媒相を、乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
伸長及び/又は架橋反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
<有機溶媒除去、洗浄、乾燥>
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。このとき、系内を層流の攪拌状態とし、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモルフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
また、得られたトナー粒子は、必要に応じて分級操作を行い、所望の粒度分布に整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた乳化分散体からできるだけ取り除くことが好ましいが、上述の分級操作と同時に行うのが好ましい。
[外添剤の適用]
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合を行ったり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
トナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他 高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
[トナー形状等]
<円形度および円形度分布>
本発明のトナーは特定の形状と形状の分布を有すことが重要であり、平均円形度が0.90未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。なお形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.975〜0.900のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効である事が判明した。より好ましくは、平均円形度が0.970〜0.950で円形度が0.94未満の粒子が15%以下である。また、平均円形度が0.975以上の場合、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、カラー写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。
<体積平均粒径、個数平均粒径>
本発明のトナーは、その体積平均粒径(Dv)が3〜6μmであることが好ましい。また、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.30以下、好ましくは1.10〜1.20の範囲であることが好ましい。このような粒径及び粒度分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.30を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
<トナー形状>
また、本発明のトナーは、以下の形状規定によって表すことができる。
図1は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図1において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図1(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図1(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。また、長軸と短軸との比(r2/r1)を0.5に近づけ、厚さと短軸との比(r3/r2)を0.7に近づけることで、トナーは紡錘形状となり、トナー画像転写後の感光体表面に残存するトナーのクリーニング性を良好にすることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
本発明のトナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
また、本発明のトナーは、一成分現像剤としても、磁性キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合の磁性キャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理したものなどが挙げられる。本発明における磁性キャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
本発明のトナーを現像剤として用いる画像形成装置について説明する。
図2は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
画像形成手段18の現像装置4には、上記のトナーを含んだ現像剤を用いる。現像装置4は、現像剤担持体が現像剤を担持、搬送して、感光体40との対向位置において交互電界を印加して感光体40上の潜像を現像する。交互電界を印加することで現像剤を活性化させ、トナーの帯電量分布をより狭くすることができ、現像性を向上させることができる。
また、上記現像装置4は、感光体40と共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。これにより、交換性、利便性を図り、画像形成装置のメンテナンスを容易にすることができる。
上記の画像形成装置の動作は以下の通りである。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
上記画像形成装置において、感光体40は、アモルファスシリコン(a−Si)からなる光導電層を有する感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)を用いることができる。a−Si系感光体は、半導体レーザーなどの長波長光に高い感度を示すと共に、表面硬度が高く、繰り返し使用による劣化もほとんど認められないほど耐久性に優れている。
a−Si系感光体は、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成して作製される。この中でもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして用いられている。
図3は、a−Si系感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。図3(a)に示す感光体500は、支持体501の上に、シリコン原子を母体とし、更に水素原子及び/又はハロゲン原子を含む非晶質材料(以下、「a−Si(H,X)」と略記する。)からなり光導電性を有する光導電層502が設けられている。図3(b)に示す感光体500は、支持体501の上に、a−Si(H,X)からなり光導電性を有する光導電層502と、a−Si系表面層503とから構成されている。図3(c)に示す感光体500は、支持体501の上に、a−Si(H,X)からなり光導電性を有する光導電層502と、a−Si系表面層503と、a−Si系電荷注入阻止層504とから構成されている。図3(d)に示す感光体500は、支持体501の上に、光導電層502が設けられている。該光導電層502はa−Si(H,X)からなる電荷発生層505ならびに電荷輸送層506とからなり、その上にa−Si系表面層503が設けられている。
感光体500の支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状、無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体を形成し得るように適宜決定するが、画像形成装置用感光体としての可撓性が要求される場合には、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされる。
本発明に用いることが出来るa−Si系感光体には、必要に応じて導電性支持体と光導電層との間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を設けるのがいっそう効果的である(図3(c))。すなわち、電荷注入阻止層は感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能が発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
光導電層は必要に応じて下引き層上に形成され、光導電層502の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは1〜100μm、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜45μmとされるのが望ましい。
電荷輸送層は、光導電層を機能分離した場合の電荷を輸送する機能を主として奏する層である。この電荷輸送層は、その構成要素として少なくともシリコン原子と炭素原子とフッ素原子とを含み、必要であれば水素原子、酸素原子を含むa−SiC(H、F、O)からなり、所望の光導電特性、特に電荷保持特性,電荷発生特性および電荷輸送特性を有する。本発明においては酸素原子を含有することが特に好ましい。
電荷輸送層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果などの点から適宜所望にしたがって決定され、電荷輸送層については、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、最適には20〜30μmとされるのが望ましい。
電荷発生層は、光導電層を機能分離した場合の電荷を発生する機能を主として奏する層である。この電荷発生層は、構成要素として少なくともシリコン原子を含み、実質的に炭素原子を含まず、必要であれば水素原子を含むa−Si(H)から成り、所望の光導電特性、特に電荷発生特性,電荷輸送特性を有する。
電荷発生層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μm、最適には1〜5μmとされる。
本発明に用いることが出来るa−Si系感光体には、必要に応じて、上述のようにして支持体上に形成された光導電層の上に、更に表面層を設けることが出来、a−Si系の表面層を形成することが好ましい。この表面層は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
表面層の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性低下がみられる。
また、上記画像形成装置において、帯電手段は、帯電部材を感光体40に接触させ、帯電部材に電圧を印加して帯電を行う接触帯電方式の帯電装置を用いることができる。接触方式の帯電装置を備えることにより、オゾンの発生を低減することができる。
図4は、接触方式の帯電装置の概略構成を示す図である。被帯電体としての感光体40は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体40に接触させた帯電部材としての帯電ローラ60は、芯金60aとこの芯金60aの外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層60bを基本構成とし、芯金60aの両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させると共に、不図示の加圧手段によって感光体40に所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラ60は感光体40の回転駆動に従動して回転する。ここでは帯電ローラ60は、直径9mmの芯金上に10Ω・cm程度の中抵抗ゴム層を被膜して直径16mmに形成されている。
帯電ローラ60の芯金60aと電源60cとは電気的に接続されており、電源60cにより帯電ローラ60に対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体40の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
上記接触方式の帯電装置で使われる帯電部材の形状としては、帯電ローラに限らず、磁気ブラシ、ファーブラシなど、どのような形態をとってもよく、画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシを用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、および金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電部材とする。
また、上記画像形成装置において、定着装置25は以下のような構成を用いることもできる。図5は、定着装置の別の構成を示す図である。この定着装置25は、定着フィルム26を回転させて定着する、いわゆるサーフ定着装置である。以下詳説すると、定着フィルム26はエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、該定着フィルム26の支持回転体である駆動ローラ25cと、従動ローラ25bと、この両ローラ間の下方に設けたヒータ支持体に保持させて固定支持させて配設した加熱体25fと、に捲回張設してある。定着フィルム26は、駆動ローラ25c及びそれに伴う従動ローラの時計回転方向の回転に伴って回転駆動される。従動ローラ25bは定着フィルム26のテンションローラも兼ねている。この回転駆動速度は、加圧ローラ27と定着フィルム26が接する定着ニップ領域Lにおいて、記録部材と定着フィルム26の速度が等しくなる速度に調節される。
ここで、加圧ローラ27はシリコーンゴム等の離型性のよいゴム弾性層を有するローラであり、反時計周りに回転しつつ、定着ニップ領域Lに対して総圧4〜10kgの当接圧をもって圧接させてある。
定着フィルム26は、耐熱性、離型性、耐久性に優れたものが好ましく、総厚100μm以下、好ましくは40μm以下の薄肉のものを使用する。例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等の耐熱樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィルム、例えば、20μm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものや、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の弾性層を施したものである。
また、加熱体25fは、平面基板25eおよび定着ヒータ25aから構成されている。平面基板25eは、アルミナ等の高熱伝導度且つ高電気抵抗率を有する材料からなっており、定着フィルム26と接触する表面に、抵抗発熱体で構成した定着ヒータ25aが長手方向に設置されている。かかる定着ヒータ25aは、例えばAg/Pd、TaN等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により線状もしくは帯状に塗工したものである。また、定着ヒータ25aの両端部には、図示しない電極が形成され、この電極間に通電することで抵抗発熱体が発熱する。
さらに、平面基板25eの定着ヒータ25aが具備されている面と逆の面には、サーミスタによって構成した定着温度センサ25dが設けられている。 定着温度センサ25dによって検出された平面基板25eの温度情報は、図示しない制御手段に送られ、かかる制御手段により定着ヒータ25aに供給される電力量が制御され、加熱体25fが所定の温度に制御される。
上記のような定着装置25を備えることにより、熱効率が良く、装置立ち上がり時間の短縮が可能な画像形成装置とすることができる。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、下記において「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
(実施例1)
以下に、本発明に係るトナーの具体的に製造について説明する。
<樹脂微粒子エマルションの合成>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
<水相の調製>
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
<低分子量ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子量ポリエステル1]を得た。[低分子量ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
<中間体ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、イソシアネート基を有する[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
<ケチミンの合成>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
<マスターバッチの合成>
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)60部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
<油相の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
<乳化>
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部、構造式(I)で表される第3級アミン化合物1.0部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。これにより、樹脂微粒子を含む水系媒体中で油相を分散させると共に伸長反応が行われる。
<脱溶剤>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄・乾燥>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。
<外添剤処理>
上記で得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。[トナー1]の各物性値については、表1に一覧を示した。
<現像剤の調製>
[トナー1]5重量%、およびシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなるニ成分現像剤を調製した。この現像剤を使用して、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できる評価機(リコー製Ipsio color 8100をベースに評価できるように改造したもの)を用いて、連続印刷して下記の評価方法で評価し、得られた評価結果を表2に示した。
(実施例2)
実施例1の乳化において、構造式(I)で表される第3級アミン化合物を0.6部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー2]を得た。
(実施例3)
実施例1の乳化において、構造式(I)で表される第3級アミン化合物を0.3部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー3]を得た。
(実施例4)
実施例1の乳化において、第3級アミン化合物(DBU(1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)を1.0部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー4]を得た。
(実施例5)
実施例1の乳化において、第3級アミン化合物(トリエタノールアミン、和光純薬工業(株)製)を1.0部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー5]を得た。
(比較例1)
実施例1の乳化において、第3級アミン化合物を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして[トナー6]を得た。
(比較例2)
実施例1の乳化において、構造式(I)で表される第3級アミン化合物を1.5部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー7]を得た。
(比較例3)
実施例1の乳化において、第3級アミン化合物(DBU(1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7))を1.5部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー8]を得た。
(比較例4)
実施例1の乳化において、第3級アミン化合物(トリエタノールアミン、和光純薬工業(株)製)を1.5部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー9]を得た。
<評価方法>
(トナー評価項目)
(1)体積平均粒径及び粒度分布の測定
トナーの粒径は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100μmで測定した。体積平均粒径および個数平均粒径は上記粒度測定器により求めた。(Dv/Dn)は上記の値より自動的に算出した。
(2)平均円形度
フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得た。
(3)第3級アミン含有率
トナー中の第3級アミン含有量は、トナーを溶剤(ジメチルホルムアミド(DMF)に30%水酸化ナトリウム水溶液を約0.3%加えた溶液)に分散し、攪拌、抽出後、抽出した溶液に内部標準物質(ジメチルデシルアミン)を加えをガスクロマトグラフ分析計で分析し、第3級アミン化合物のピーク面積と内部標準物質のピーク面積比から算出し測定した。
(4)帯電量
現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込み、ブローして帯電量を求めた。トナー濃度は4.5〜5.5wt%に調整した。
(画像評価項目)
(5)クリーニング性
評価機を用い、100枚出力後のクリーニング工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.005未満のものを「◎」、0.005〜0.010のものを「○」、0.011〜0.02のものを「△」、0.02を超えるものを「×」として評価した。
(6)画像濃度
評価機を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを150,000枚ランニング出力した後、ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定を行った。これを4色単独に行い平均を求めた。この値が、1.2未満の場合は「×」、1.2以上1.4未満の場合は「△」、1.4以上1.8未満の場合は「○」、1.8以上2.2未満の場合は「◎」とした。
(7)画像粒状性、鮮鋭性
評価機を用い、単色で写真画像の出力を行い、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。良好なものから順に、「◎」はオフセット印刷並、「○」はオフセット印刷よりわずかに悪い程度、「△」はオフセット印刷よりかなり悪い程度、「×」は従来の電子写真画像程度(非常に悪い)、で評価した。
(8)地肌汚れ
評価機を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行った。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れが良く、良好なものから「◎」、「○」、「△」、「×」の順にランク付けした。
(9)文字画像内部の白抜け
評価機を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、文字部画像をリコー社製タイプDXのOHPシートに4色重ねて出力させ、文字部の線画像内部が抜けるトナー未転写頻度を段階見本と比較した。ランク1が最低、ランク5が最高である。ランク1または2の場合は「×」、ランク3の場合は「△」、ランク4の場合は「○」、ランク5の場合は「◎」とした。
(10)トナー流動性
パウダーテスター(PT−N型、ホソカワミクロン製)に、上から順に目開き75μm、45μm、22μmのメッシュを重ねて装填し、トナー母体を一番上側の75μmメッシュ上に2g入れ、縦方向に1mmの振動を10秒間与え、各メッシュ上のトナー残存量からトナー母体の流動性(凝集度)を算出した。
凝集度(%)=(5×(75μmメッシュ上の残トナー量(g))
+3×(45μmメッシュ上の残トナー量(g))
+(22μmメッシュ上の残トナー量(g)))×10
凝集度が8%以下の場合は「◎」、8〜16%の場合は「○」、16〜25%の場合は「△」、25%以上の場合は「×」とした。
(11)定着性
評価機を用い、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製、タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cmのトナー付着量で定着評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。定着上限温度は190℃以上の場合は「◎」、190〜180℃の場合は「○」、180〜170℃の場合は「△」、170℃以下の場合は「×」とした。また、定着下限温度は135℃以下の場合は「◎」、135〜145℃の場合は「○」、145〜155℃の場合は「△」、155℃以上の場合は「×」とした。
Figure 2005265881
Figure 2005265881
表1及び表2の結果より、実施例1〜5に示される本発明のトナーは、低温定着性に優れると共に、安定した帯電特性を有し、異常画像を発生させることがなく、画像濃度の十分な高品質の画像を形成できることが明らかとなった。
本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 アモルファスシリコン系感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。 接触方式の帯電装置の概略構成を示す図である。 定着装置の別の構成を示す図である。
符号の説明
4 現像装置
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置

Claims (15)

  1. 少なくとも着色剤とバインダ樹脂とからなり、静電潜像の現像に供されるトナーであって、
    前記トナーは、活性水素基を有する化合物と、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるバインダ成分とを含むトナー組成物を、有機溶媒中に溶解又は分散させ、該溶解液又は分散物を水系媒体中に乳化分散させて、前記活性水素基を有する化合物と前記変性ポリエステル系樹脂を第3級アミン化合物の存在下、伸長及び/又は架橋反応させることにより得られ、
    製造されたトナー中の前記第3級アミン化合物の含有率が、0.3重量%以下である ことを特徴とするトナー。
  2. 請求項1に記載のトナーにおいて、 前記第3級アミン化合物は、前記トナー組成物中に1重量%以下の割合で添加される ことを特徴とするトナー。
  3. 請求項1又は2に記載のトナーにおいて、 前記第3級アミン化合物は、下記の構造式(I)で表される ことを特徴とするトナー。
    Figure 2005265881
  4. 請求項1又は2に記載のトナーにおいて、 前記第3級アミン化合物は、下記の構造式(II)で表される ことを特徴とするトナー。
    Figure 2005265881
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーにおいて、 前記第3級アミン化合物は、前記伸長及び/又は架橋反応の反応促進剤として寄与する ことを特徴とするトナー。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーにおいて、 前記トナーの体積平均粒径(Dv)は3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.0〜1.3である ことを特徴とするトナー。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーにおいて、 前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある ことを特徴とするトナー。
  8. 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
    該現像剤は、請求項1ないし7のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤である ことを特徴とする現像剤。
  9. 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
    該現像剤は、磁性キャリアと請求項1ないし7のいずれかに記載のトナーとからなる二成分現像剤である ことを特徴とする現像剤。
  10. 現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、潜像担持体との対向位置において電界を形成し、潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
    該現像装置は、請求項8又は9に記載の現像剤を使用する ことを特徴とする現像装置。
  11. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、
    該現像手段は、請求項10に記載の現像装置である ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写手段と、記録部材上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
    該現像手段は、請求項10に記載の現像装置である ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12に記載の画像形成装置において、 前記潜像担持体は、アモルファスシリコンからなる光導電層を有する感光体である ことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項12又は13に記載の画像形成装置において、 前記帯電手段は、前記潜像担持体に帯電部材を接触させ、該帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行う ことを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項12ないし14のいずれかに記載の画像形成装置において、 前記定着手段は、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して該加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を担持した記録部材を通過させて加熱定着させる ことを特徴とする画像形成装置。
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