JP2009092573A - 厚さ測定法 - Google Patents

厚さ測定法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009092573A
JP2009092573A JP2007264866A JP2007264866A JP2009092573A JP 2009092573 A JP2009092573 A JP 2009092573A JP 2007264866 A JP2007264866 A JP 2007264866A JP 2007264866 A JP2007264866 A JP 2007264866A JP 2009092573 A JP2009092573 A JP 2009092573A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
test object
fluorescence
objective lens
confocal
excitation light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007264866A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimasa Suzuki
良政 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2007264866A priority Critical patent/JP2009092573A/ja
Publication of JP2009092573A publication Critical patent/JP2009092573A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】被検物の厚さを非接触で正確に測定する方法を提供する。
【解決手段】対物レンズと被検物の間の距離と、励起光の収束点の近傍から発生する蛍光の強度との関係を示すI−Zカーブを取得する。次に、I−Zカーブから、対物レンズと被検物の間の距離と、蛍光強度変化との関係を示すdI/dZ−Zカーブを作成する。dI/dZ−Zカーブから、蛍光強度変化の最大値を与える対物レンズと被検物の間の距離と、蛍光強度変化の最小値を与える対物レンズと被検物の間の距離との差dを求める。この差dは、被検物の空気換算厚である。続いて、空気換算厚に被検物の屈折率を乗算して被検物の実厚を計算する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、被検物の厚さを測定する方法に関する。
従来から提案されているガラス厚さ測定方法として、ダイヤルゲージなどによる接触子を利用した測定装置が挙げられる。これは、被検物に接触子を接触させて測定するため、被検物の表面に傷を付けるおそれがある。
特開2002−213925号公報は、被検物にUV光を照射して発生する自家蛍光の強度から、レンズの厚さを非接触で求める手法を提案している。
特開2002−213925号公報
しかし、被検物から発生する自家蛍光の強度のばらつきや光源が発する光の強度のばらつきの影響のため、この手法によって正確な測定を行なうことは難しい。
本発明の目的は、被検物の厚さを非接触で正確に測定する方法を提供することである。
本発明は、共焦点蛍光光学系を使用して被検物の厚さを測定する厚さ測定方法であり、前記被検物から蛍光を発生させる励起光を収束させる対物レンズと前記被検物の間の距離と、前記励起光の収束点の近傍から発生する蛍光の強度との関係を取得する関係取得工程と、前記関係から前記被検物の空気換算厚を計算する空気換算厚計算工程と、前記空気換算厚に前記被検物の屈折率を乗算して前記被検物の実厚を計算する実厚計算工程とを有している。
本発明によれば、被検物の厚さを非接触で正確に測定する方法が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態において使用する被検物の厚さを測定するための厚さ測定装置を概略的に示している。図1に示すように、厚さ測定装置は、被検物90を載置するためのステージ42と、共焦点蛍光光学系10を有している。共焦点蛍光光学系10では、励起光を収束させて被検物90に照射し、被検物90から発生する蛍光の強度を測定することができる。共焦点蛍光光学系10は、光源12と、コリメートレンズ14と、蛍光ミラーユニット16と、対物レンズ18と、収束レンズ20と、共焦点開口板22と、光検出器24とを有している。光源12からは、励起光を含む光が射出される。この励起光には、被検物90の材質自体を励起して被検物90から蛍光を発生させる波長の光が含まれている。コリメートレンズ14は光源12の光射出側に配置され、光源12から射出された光を平行化する。蛍光ミラーユニット16は、光源12からの励起光と被検物90から発生する蛍光とを分離する。対物レンズ18は、蛍光ミラーユニット16で分離された励起光を収束させるとともに被検物90から発生する蛍光を集光する。収束レンズ20は、蛍光ミラーユニット16を通過した蛍光を収束させる。共焦点開口板22は微小な光学的開口を有し、励起光の収束点(図1の構成では対物レンズ18の後ろ側焦点に一致する)に対して共焦点に配置されている。光検出器24は、被検物90から発生し共焦点開口板22を通過した蛍光を検出する。
共焦点蛍光光学系10は、対物レンズ18をパワーの高いものに変更し、コリメートレンズ14と収束レンズ20を省略することも可能である。
光源12は、実質的に点光源と見なせる光源であり、たとえば、半導体レーザーで構成されてよい。光検出器24は、これに限らないが、たとえば、フォトダイオードやフォトマルチプライヤーやCCDカメラで構成されてよい。共焦点開口板22は、たとえば、ピンホールで構成されている。このピンホールの直径、すなわち光学的開口の直径は、励起光の収束点とその近傍の領域からの光を選択的に透過する大きさとなっている。本実施形態では、励起光の収束点は対物レンズ18の焦点に一致する。また、収束点とその近傍は共焦点検出領域であって、本実施形態では0.1〜10μmの領域である。
蛍光ミラーユニット16は、たとえば、励起光を選択的に透過する励起フィルターと、励起光を選択的に反射し蛍光を選択的に透過するダイクロイックミラーと、蛍光を選択的に透過する吸収フィルターとから構成されている。蛍光ミラーユニット16は、測定する被検物90から発生する蛍光に適した波長帯域のものを使用する。
光源12から射出された光は、コリメートレンズ14によって平行化され、蛍光ミラーユニット16に到達する。蛍光ミラーユニット16は、被検物90に含まれる蛍光物質に対する励起波長の光つまり励起光を選択的に反射する。蛍光ミラーユニット16で反射された励起光は、対物レンズ18によって収束される。
被検物90中の蛍光物質は、励起光の照射を受けて蛍光を発生する。また励起光の一部は被検物90で反射される。蛍光と励起光の一部は、対物レンズ18に入射し、蛍光ミラーユニット16に到達する。蛍光ミラーユニット16は、蛍光を選択的に透過し、励起光を反射する。蛍光ミラーユニット16を透過した蛍光は、収束レンズ20によって収束され、共焦点開口板22に到達する。共焦点検出領域内から発生した蛍光は共焦点開口板22の光学的開口を通過し得るが、ほかの領域から発生した蛍光は共焦点開口板22の光学的開口を通過し得ない。共焦点開口板22を通過した光は光検出器24に入射する。光検出器24は、受光した光の強度を反映した電気信号を出力する。
ステージ42は上下に移動可能であり、載置された被検物90を対物レンズ18の軸に沿って移動させることができ、これにより対物レンズ18と被検物90の間の距離を変更することができる。ステージ42の上下動はコントローラー46によって制御される。光検出器24から出力される電気信号は検出器制御部44を介してコントローラー46に取り込まれる。コントローラー46は、ステージ42の上下位置と光検出器24の出力とを関連づけて信号処理装置48に送る。
以下、図1に示した厚さ測定装置を使用して被検物90の厚さの測定方法について説明する。この測定方法では、まず、第一工程において、I−Zカーブを取得する。I−Zカーブは、対物レンズ18と被検物90の間の距離と、光検出器24で検出される蛍光の強度との関係を示すカーブである。次に、第二工程において、I−Zカーブから被検物90の空気換算厚を計算する。続いて、第三工程において、第二工程で求めた空気換算厚から被検物90の実厚(実際の厚さ)を計算する。被検物90の厚さをさらに正確に求めるために、これらの工程のほかに、被検物90の実厚を補正する第四工程を加えるとさらによい。
<第一工程:I−Zカーブの取得>
ガラス板やプラスチック板などは、UV光などが照射されると、自家蛍光を発する。また蛍光体は、蛍光体の吸収波長の光で励起されると、これよりも長波長の蛍光を発する。共焦点蛍光光学系10では、共焦点検出領域内からの蛍光だけが検出される。このため、対物レンズ18と被検物90の間の距離つまり間隔を変化させると、これに応じて検出される蛍光強度が変化する。
この第一工程では、照射工程と、測定工程と、変更工程とを繰り返し行なう。照射工程では、被検物90から蛍光を発生させる励起光を収束させて被検物90に照射する。測定工程では、励起光の収束点(共焦点検出領域)に対して共焦点に配置された微小な光学的開口を介して、被検物90から発生する蛍光の強度を測定する。変更工程では、対物レンズ18と被検物90の間の距離を変更する。対物レンズ18と被検物90の間の距離の変更は、ステージ42により行なう。ステージ42を駆動することで、被検物90を対物レンズ18の軸に沿って移動させることができる。このようにして、I−Zカーブが得られる。なお、上述のように、I−Zカーブは、対物レンズ18と被検物90の間の距離と、共焦点検出領域から発生する蛍光の強度との関係を示している。I−Zカーブを図2に示す。
図2に示した区間Aでは、図3に示すように、被検物90は対物レンズ18の焦点位置から十分遠くにある。この場合、共焦点検出領域26は被検物90の外に位置しているため、光検出器24で検出される蛍光強度は0である。
図2に示した区間Bでは、図4に示すように、被検物90の表面付近が対物レンズ18の焦点位置にある。この場合、共焦点検出領域26の少なくとも一部が被検物90の中に位置しているので、光検出器24で検出される蛍光強度はある値を持つ。共焦点検出領域26と被検物90が重なる部分は、被検物90が対物レンズ18に近づくにつれて増大する。そのため、被検物90の移動に伴って、光検出器24で検出される蛍光強度は次第に強くなっていく。そして、共焦点検出領域26が被検物90の内部に位置したとき(被検物90の表面近傍)に、蛍光強度が最大になる。
図2に示した区間Cでは、図5に示すように、被検物90の中央部(内部)が対物レンズ18の焦点位置にある。この場合、共焦点検出領域26が完全に被検物90の中に位置しているので、光検出器24で検出される蛍光強度はある値を持つ。ただし、発生した蛍光の一部は被検物90(被検物90の表面と共焦点検出領域26の間の部分)によって吸収される。吸収される蛍光は、被検物90が対物レンズ18に近づくにつれて増えるため、光検出器24で検出される蛍光強度は次第に弱くなっていく。
図2に示した区間Dでは、図6に示すように、被検物90の裏面付近が対物レンズ18の焦点位置にある。この場合、共焦点検出領域26の少なくとも一部が被検物90の中に位置しているので、光検出器24で検出される蛍光強度はある値を持つ。共焦点検出領域26と被検物90が重なる部分は、被検物90が対物レンズ18に近づくにつれて減少する。そのため、被検物90の移動に伴って、光検出器24で検出される蛍光強度は次第に弱くなっていく。そして、共焦点検出領域26が被検物90の外部に位置したときに、蛍光強度が0になる。
図2に示した区間Dでは、図7に示すように、被検物90は対物レンズ18の焦点位置から十分遠くにある。この場合、共焦点検出領域26は完全に被検物90の外に出ているため、光検出器24で検出される蛍光強度は0である。
ここでは、対物レンズ18の軸に沿って被検物90を移動させることによって、対物レンズ18と被検物90の間の距離を変更している。しかしながら、対物レンズ18と被検物90の間の距離の変更は、対物レンズ18の軸に沿って共焦点蛍光光学系10全体を移動させることによって、または対物レンズ18の軸に沿って対物レンズ18を移動させることによって行なってもよい。
共焦点蛍光光学系10において、対物レンズ18のNAは、0.1より大きいとよく、好ましくは、0.2以上であるとよい。対物レンズ18のNAが大きいと、深さ方向の分解能が高くなるため、測定精度が向上する。また、共焦点開口板22の光学的開口の直径D[μm]と、励起光の収束点から共焦点開口板22までの光学系の投影倍率βは、D/β<100μmを満たしているとよく、好ましくは、D/β<20μmを満たしているとよい。D/βが小さいと、共焦点検出領域26が小さくなるため、測定精度が向上する。
<第二工程:空気換算厚の計算>
図8に示すように、第一工程で得られたI−Zカーブから、dI/dZ−Zカーブを作成する。dI/dZ−Zカーブは、対物レンズ18と被検物90の間の距離と、蛍光強度変化との関係を示すカーブで、I−Zカーブをいわゆる微分したカーブである。dI/dZ−Zカーブから、LmaxとLminを求める。ここで、Lmaxは蛍光強度変化の最大値を与える対物レンズ18と被検物90の間の距離、Lminは蛍光強度変化の最小値を与える対物レンズ18と被検物90の間の距離である。そして、LmaxとLminとの差dを計算する。蛍光強度変化は、共焦点検出領域26が被検物90を横切るときに極値になる。したがって、上で求めたdが被検物90の空気換算厚になる。
[第二工程の変形例]
第一工程で取得したI−Zカーブは離散データである。I−Zカーブを区間多項式でスプライン近似や多項式近似してからdI/dZ−Zカーブを求めても構わない。これにより、離散データの中間に極値がある場合も、計算により極値を求めることができる。そのため、測定精度が高くなる。
[第二工程の変形例]
まず、Z方向のスキャンステップの粗いプレスキャンを行ない、蛍光強度変化が最大値と最小値になる位置の予測をつける。その後、最大値の周辺部と最小値の周辺部についてのみ、スキャンステップの細かい本スキャンを行なう。これにより、短時間で精度の高い測定ができる。
<第三工程:実厚の計算>
被検物の屈折率nをあらかじめ求めておく。第二工程で求めた被検物90の空気換算厚dに被検物90の屈折率nを乗算して被検物90の実厚Lを求める。これにより、被検物90の厚さを非接触で正確に求めることができる。
<第四工程:実厚の補正>
被検物90が厚い場合、共焦点蛍光光学系10の球面収差による影響を無視できなくなる。球面収差による影響は、近軸的な計算によって求められる励起光の収束位置と実際の励起光の収束位置とのずれとなって現れる。そこで、このずれ量と測定で求めた被検物90の空気換算厚との関係を示す補正テーブルを光学シミュレーションによってあらかじめ求めておく。そして、補正テーブルに従って第三工程で求めた被検物90の厚さを補正する。この補正を加えることによって被検物90の厚さをさらに正確に求めることができる。被検物90の屈折率を利用すれば、従来の光線追跡によって上記関係を求めることができる。
[補正テーブルの算出]
補正テーブルの求め方を以下に示す。
1)光学データを入力する。対物レンズ18については、そのレンズデータを使用する。光束径φはφ=2×f×NAとする。ここで、fは対物レンズ18の焦点距離、NAは対物レンズ18の開口数である。被検物90の厚さはd、屈折率はnとする。
2)図9に示すように、波面収差が被検物90の上面で最小になる位置に被検物90を動かす。対物レンズ18と被検物90の間の距離X1を求める。
3)図10に示すように、波面収差が被検物90の下面で最小になる位置に被検物90を動かす。対物レンズ18と被検物90の間の距離X2を求める。
4)補正厚を求める。測定で求めた被検物90の空気換算厚は(X1−X2)×n、被検物90の本当の厚さはdである。両者の差Δ=d−(X1−X2)×nが補正値になる。
5)被検物90の厚さdをいろいろと変えながら、その都度、2)〜4)の作業を行なう。
6)2)〜5)で求めた被検物90の空気換算厚と、空気換算厚と被検物90の本当の厚さの差の関係を示す補正テーブル(図11)を作成する。
<実験データ>
[測定条件]
顕微鏡にはFV1000(オリンパス)、対物レンズにはUPLFL10X(NA0.4)を使用した。ピンホール径は10μm、投影倍率は38倍である。光源12にはArレーザー(波長488nm)、被検物90には、ユニサンデー0.5mm厚の塩化ビニールシート(屈折率1.55)を使用した。被検物90と対物レンズの間にはカバーガラス(厚さ0.17mm)を配置した。
[プレスキャン]
第一工程:対物レンズ18と被検物90との間の距離を10μmピッチで変更しながら、変更の都度、蛍光強度を測定した。取得したI−Zカーブを図12に示す。
第二工程:図12に示したI−Zカーブの隣接する二つのプロットの差を計算することによってdI/dZ−Zカーブを作成した。作成したdI/dZ−Zカーブを図13に示す。このdI/dZ−Zカーブの極大値は40μm、極小値は380μmであった。
[本スキャン]
第一工程:図13に示したdI/dZ−Zカーブの極大値前後の区間を、対物レンズ18と被検物90との間の距離を1μmピッチで変更しながら、変更の都度、蛍光強度を測定した。取得したI−Zカーブを図14に示す。また、図13に示したdI/dZ−Zカーブの極小値前後の区間を、対物レンズ18と被検物90との間の距離を1μmピッチで変更しながら、変更の都度、蛍光強度を測定した。取得したI−Zカーブを図15に示す。
第二工程:図14に示したI−Zカーブの隣接する二つのプロットの差を計算してdI/dZ−Zカーブを作成した。作成したdI/dZ−Zカーブを図16に示す。このdI/dZ−Zカーブの極大値は40μmであった。また、図15に示したI−Zカーブの隣接する二つのプロットの差を計算してdI/dZ−Zカーブを作成した。作成したdI/dZ−Zカーブを図17に示す。このdI/dZ−Zカーブの極小値は374μmであった。
[第三工程]
本スキャンの第二工程で求めた極大値40μm、極小値374μmから、被検物90の空気換算厚dを計算すると、d=0.334mmとなった。被検物90の屈折率n=1.55より、被検物90の実厚LはL=n×d=0.518mmとなった。
[第四工程]
測定で求めた被検物90の空気換算厚と補正厚との関係を示す補正テーブルを光学シミュレーションによってあらかじめ計算しておく。求めた補正テーブルを図18に示す。測定で求めた被検物90の空気換算厚0.334mmの補正厚は0.004mmなので、被検物90の補正した厚さLはL=0.518+0.004=0.522mmとなった。被検物90を接触方式(マイクロメータ)で測定したら0.526mmであった。これは、本発明の方法の妥当性を証明するものといえる。
<共焦点蛍光光学系の変形例>
図19は、図1に示した共焦点蛍光光学系10に代替可能な別の共焦点蛍光光学系10Aを概略的に示している。図19に示すように、本変形例による共焦点蛍光光学系10Aでは、図1に示した共焦点蛍光光学系10Aに対して、蛍光ミラーユニット16と対物レンズ18との間に、収束レンズ30と、共焦点開口板32と、コリメートレンズ34とが付加されている。収束レンズ30は、蛍光ミラーユニット16で分離された励起光をいったん収束させる。共焦点開口板32は少なくとも一つの微小な光学的開口を有し、収束レンズ30による収束面に配置されている。コリメートレンズ34は、共焦点開口板32を通過した励起光を平行化する。また、共焦点開口板22が省略されるとともに、光検出器24の受光面が共焦点開口板32に対して共焦点に配置されている。
この共焦点蛍光光学系10Aでは、蛍光ミラーユニット16で反射された励起光は、収束レンズ30によっていったん収束される。収束された励起光は、共焦点開口板32の光学的開口を通過した後、コリメートレンズ34に入射する。そして、励起光はコリメートレンズ34によって平行化され、対物レンズ18によって収束されて被検物90に照射される。被検物90から発生した蛍光と被検物90で反射された励起光の一部は、対物レンズ18に入射し、コリメートレンズ34を経て、共焦点開口板32に達する。共焦点検出領域内からの蛍光は共焦点開口板32の光学的開口を通過し得るが、ほかの領域からの蛍光は共焦点開口板32の光学的開口を通過し得ない。共焦点開口板32の光学的開口を通過した蛍光は、収束レンズ30によって平行化され、蛍光ミラーユニット16に到達する。蛍光ミラーユニット16は、蛍光を選択的に透過し、励起光を反射する。蛍光ミラーユニット16を透過した蛍光は、光検出器24に入射する。
この共焦点蛍光光学系10Aでは、共焦点開口板32の光学的開口が実質的に点光源として作用するので、光源12は点光源である必要がない。このため、光源12には、半導体レーザーに代えて、ハロゲンランプや水銀ランプやLEDを使用してもよい。これにより、共焦点蛍光光学系10Aを安価に構成することができる。
図20は、図19に示した共焦点開口板32に代替可能な別の共焦点開口板36を示している。また図21は、図19に示した光検出器24に代替可能な別の光検出器38を示している。本変形例による共焦点開口板36は、図20に示すように、複数の微小な光学的開口36aを有している。また本変形例による光検出器38は、図21に示すように、複数の受光部38aを有しており、共焦点開口板36の複数の光学的開口36aを通過した蛍光を独立に検出する。光検出器38は、複数の受光部38aが受光した蛍光の強度をそれぞれ反映した複数の電気信号を出力する。各受光部38aは単一の受光素子で構成されてもよく、また光検出器38の受光領域の一部で構成されてもよい。
本変形例によれば、被検物の複数の位置の厚さを同時に測定できる。また、これら複数の位置における厚さの値の平均値を求めて、これら複数の位置を含む領域の平均的な厚さとしてもよい。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
本発明の実施形態において使用する被検物の厚さを測定するための厚さ測定装置を概略的に示している。 I−Zカーブを示している。 図2に示した区間Aにおける、共焦点検出領域と被検物の位置関係を示している。 図2に示した区間Bにおける、共焦点検出領域と被検物の位置関係を示している。 図2に示した区間Cにおける、共焦点検出領域と被検物の位置関係を示している。 図2に示した区間Dにおける、共焦点検出領域と被検物の位置関係を示している。 図2に示した区間Eにおける、共焦点検出領域と被検物の位置関係を示している。 I−Zカーブから作成したdI/dZ−Zカーブを示している。 波面収差が被検物の上面で最小になる対物レンズと被検物の間の距離を示している。 波面収差が被検物の下面で最小になる対物レンズと被検物の間の距離を示している。 被検物の実厚と補正厚との関係を示す補正テーブルを示している。 プレスキャンにおいて取得したI−Zカーブを示している。 図12に示したI−Zカーブから作成したdI/dZ−Zカーブを示している。 図13に示したdI/dZ−Zカーブの極大値前後の区間を本スキャンして取得したI−Zカーブを示している。 図13に示したdI/dZ−Zカーブの極小値前後の区間を本スキャンして取得したI−Zカーブを示している。 図14に示したI−Zカーブから作成したdI/dZ−Zカーブを示している。 図15に示したI−Zカーブから作成したdI/dZ−Zカーブを示している。 被検物の空気換算厚と補正厚との関係を示す補正テーブルを示している。 図1に示した共焦点蛍光光学系に代替可能な別の共焦点蛍光光学系を概略的に示している。 図19に示した共焦点開口板に代替可能な別の共焦点開口板を示している。 図19に示した光検出器に代替可能な別の光検出器を示している。
符号の説明
10,10A…共焦点蛍光光学系、12…光源、14…コリメートレンズ、16…蛍光ミラーユニット、18…対物レンズ、20…収束レンズ、22…共焦点開口板、24…光検出器、26…共焦点検出領域、30…収束レンズ、32…共焦点開口板、34…コリメートレンズ、36…共焦点開口板、36a…光学的開口、38…光検出器、38a…受光部、42…ステージ、44…検出器制御部、46…コントローラー、48…信号処理装置、90…被検物。

Claims (14)

  1. 共焦点蛍光光学系を使用して被検物の厚さを測定する厚さ測定方法であり、
    前記被検物から蛍光を発生させる励起光を収束させる対物レンズと前記被検物の間の距離と、前記励起光の収束点の近傍から発生する蛍光の強度との関係を取得する関係取得工程と、
    前記関係から前記被検物の空気換算厚を計算する空気換算厚計算工程と、
    前記空気換算厚に前記被検物の屈折率を乗算して前記被検物の実厚を計算する実厚計算工程とを有している、測定方法。
  2. 前記関係取得工程は、前記励起光を収束させて前記被検物に照射する照射工程と、前記励起光の収束点に対して共焦点に配置された微小な光学的開口を介して前記被検物から発生する前記蛍光の強度を測定する測定工程と、前記対物レンズと前記被検物の間の距離を変更する変更工程とを繰り返し行なう、請求項1に記載の測定方法。
  3. 実厚計算工程は、前記対物レンズと前記被検物の間の距離と、前記蛍光の強度の変化との関係を取得し、蛍光強度変化の最大値を与える前記対物レンズと前記被検物の間の距離と、蛍光強度変化の最小値を与える前記対物レンズと前記被検物の間の距離との差を計算する、請求項1に記載の測定方法。
  4. 前記実厚計算工程で得られた前記実厚を補正する補正工程をさらに有している、請求項1に記載の測定方法。
  5. 前記補正工程は、前記共焦点蛍光光学系の球面収差によって生じる近軸的な計算によって求められる前記励起光の収束位置と実際の前記励起光の収束位置とのずれ量と前記被検物の前記空気換算厚との関係を示す補正テーブルをあらかじめ求めておき、この補正テーブルに従って前記被検物の前記実厚を補正する、請求項4に記載の測定方法。
  6. 前記共焦点蛍光光学系は、
    前記励起光を射出する点光源と、
    前記励起光と前記蛍光とを分離する蛍光ミラーユニットと、
    前記蛍光ミラーユニットで分離された前記励起光を収束させるとともに前記被検物から発生した前記蛍光を集光する対物レンズと、
    前記励起光の収束点に対して共焦点に配置された、微小な光学的開口を有する共焦点開口板と、
    前記共焦点開口板を通過した前記蛍光を検出する光検出器とを有している、請求項2に記載の測定方法。
  7. 前記変更工程は、前記対物レンズの軸に沿って前記被検物を移動させる、請求項6に記載の測定方法。
  8. 前記変更工程は、前記対物レンズの軸に沿って前記共焦点蛍光光学系全体を移動させる、請求項6に記載の測定方法。
  9. 前記共焦点蛍光光学系は、前記点光源と前記対物レンズの間の光路上に配置された、前記励起光を平行化するコリメートレンズをさらに有しており、
    前記変更工程は、前記対物レンズの軸に沿って前記対物レンズを移動させる、請求項6に記載の測定方法。
  10. 前記共焦点蛍光光学系は、
    前記励起光を射出する光源と、
    前記励起光と前記蛍光とを分離する蛍光ミラーユニットと、
    前記蛍光ミラーユニットで分離された前記励起光をいったん収束させる収束レンズと、
    前記収束レンズによる収束面に配置された、少なくとも一つの微小な光学的開口を有する共焦点開口板と、
    前記共焦点開口板を通過した前記励起光を収束させるとともに前記被検物から発生した前記蛍光を集光する対物レンズと、
    前記共焦点開口板に対して共焦点に配置された、前記蛍光を検出する光検出器とを有している、請求項2に記載の測定方法。
  11. 前記変更工程は、前記対物レンズの軸に沿って前記被検物を移動させる、請求項10に記載の測定方法。
  12. 前記変更工程は、前記対物レンズの軸に沿って前記共焦点蛍光光学系全体を移動させる、請求項10に記載の測定方法。
  13. 前記共焦点蛍光光学系は、前記共焦点開口板と前記対物レンズの間の光路上に配置された、前記励起光を平行化するコリメートレンズをさらに有しており、
    前記変更工程は、前記対物レンズの軸に沿って前記対物レンズを移動させる、請求項10に記載の測定方法。
  14. 前記共焦点開口板は複数の微小な光学的開口を有しており、前記光検出器は前記複数の光学的開口を通過した前記蛍光を独立に検出する、請求項10に記載の測定方法。
JP2007264866A 2007-10-10 2007-10-10 厚さ測定法 Withdrawn JP2009092573A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007264866A JP2009092573A (ja) 2007-10-10 2007-10-10 厚さ測定法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007264866A JP2009092573A (ja) 2007-10-10 2007-10-10 厚さ測定法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009092573A true JP2009092573A (ja) 2009-04-30

Family

ID=40664691

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007264866A Withdrawn JP2009092573A (ja) 2007-10-10 2007-10-10 厚さ測定法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009092573A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011007556A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Lasertec Corp 三次元形状測定装置及び三次元形状測定方法
JP2013113767A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 厚み計測装置および厚み計測方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011007556A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Lasertec Corp 三次元形状測定装置及び三次元形状測定方法
JP2013113767A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 厚み計測装置および厚み計測方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6044315B2 (ja) 変位計測方法および変位計測装置
JP6362498B2 (ja) 微視的標本を検査するための光学顕微鏡および顕微鏡方法
US11009461B2 (en) Defect investigation device simultaneously detecting photoluminescence and scattered light
JP5469133B2 (ja) 顕微鏡システム
ATE554416T1 (de) Kalibriervorrichtung und laser-scanning-mikroskop mit einer derartigen kalibriervorrichtung
JPWO2017110837A1 (ja) 共焦点変位計
JP6886464B2 (ja) 試料媒質の波長依存性屈折率を決定するための光学顕微鏡及び方法
JP2008215833A (ja) 光学特性測定装置および光学特性測定方法
JP5107003B2 (ja) エバネッセント波発生装置及びそれを用いた観察装置
JP2009540346A (ja) 干渉共焦点顕微鏡
JP2007139632A (ja) 反射率測定機及び反射率測定方法。
JP2008039750A (ja) 高さ測定装置
KR101568980B1 (ko) 자동초점 조절장치 및 자동초점 조절방법
JP2009092573A (ja) 厚さ測定法
US8541760B2 (en) Method for calibrating a deflection unit in a TIRF microscope, TIRF microscope, and method for operating the same
JP2005062515A (ja) 蛍光顕微鏡
JP2007093339A (ja) 検査装置
JP2007225400A (ja) 光学検出装置
JP6045579B2 (ja) ブランクの吸収を求める装置及び方法
JP2012212018A (ja) 焦点維持装置及び顕微鏡装置
JP2019178923A (ja) 測距ユニット及び光照射装置
JP6129014B2 (ja) 蛍光検出装置および蛍光検出方法
WO2002014842A1 (fr) Dispositif d'analyse de substances contenant un liquide et procede d'analyse de substances contenant un liquide
JP2011134687A (ja) 照明装置
JP5266855B2 (ja) 光学式外観検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110104