JP2009092387A - 変位計測方法及び変位計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光によりスキッド成分を検出できる変位計測方法及びその変位計測装置を提供するものである。
【解決手段】レーザ光Lによる発散光を、1/4波長板25、及び被照射面100の手前で焦点fを結ぶ対物レンズ26を通して被照射面100に照射し、被照射面100で反射し、対物レンズ26及び1/4波長板25を通過した戻り光L′を用いて、スキッド成分を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面状態の測定に用いられる変位計測方法及び変位計測装置に関する。
被測定面の表面粗さの測定方法として、レーザ光を用い、臨界角法で測定する非接触測定方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この非接触測定方法は、図13に示すように、レーザ光源1、臨界角プリズム2、対物レンズ3及び検出素子となる2分割されたフォトダイオード4a,4bからなる光学測定系が使用される。この非接触測定方法では、レーザ光源1から出射したレーザ光が、平行光となって臨界角プリズム2に入り、対物レンズ3で収束されて被測定面5に照射される。被測定面で反射した戻り光は、対物レンズ3を介して臨界角プリズム2に入射し、反射されて、2分割フォトダイオード4a,4bに受光される。このフォトダイオード4a,4bで検出した検出信号を差動アンプ6に入力し、差動アンプ6から変位出力が得られるように構成される。
対物レンズ3の焦点上にB面があるときは、B面で反射した戻り光は、臨界角プリズム2で全反射して2分割フォトダイオード4a,4bに同じ光量で受光され、フォトダイオード4aと4bの検出信号差が0となる。一方、対物レンズ3の焦点より手前にA面が、焦点より奥にC面がある時、被測定面で反射した戻り光が臨界角プリズムに入射されるが、臨界角より小さい角度で入射した光は臨界角プリズム2を一部透過して残りが反射され、、臨界角より大きい角度で入射光は臨界角プリズム2で全反射される。つまり、入射光軸の上下で反射状態が異なるので、フォトダイオード4a,4bでは、異なった反射光量を受光する。このとき、フォトダイオード4a、4bの検出信号の差分が出力される。このように、焦点位置を0とするプラス、マイナスの変位出力から被測定面の表面粗さ、すなわち微細な凹凸が測定される。
レーザ光を用いて非接触で表面状態を測定する測定装置としては、その他、特許文献2、3、4等においても開示されている。
特開平10−21517号公報 特開平2004−37251号公報 特開平3−78609号公報 特開昭62−237306号公報
ところで、上述した表面粗さ測定では、通常、被測定面に対向して測定用の非接触センサ(装置)を配置し、この非接触センサを被測定面に沿って走行させて表面粗さを測定している。このとき、非接触センサは、走行中に測定環境内での振動、走行機構による送り振動などの振動を受ける。このため、非接触センサからの出力には、被測定面の表面粗さ成分に、非接触センサの振動成分と被測定面の大きなうねり成分が含まれることになる。図12に、被測定面の表面粗さ成分(図12C)、非接触センサの振動成分と被測定面のうねり成分が重畳された成分(図12B)、及び両者の成分を含む測定成分(図12A)を示す。図12Bに示す、うねり成分と振動成分を含んだ成分をスキッド成分と呼ぶ。図12Aに示す、うねり成分と振動成分と表面粗さ成分を含んだ成分(いわゆる測定成分)をスタイラス成分と呼ぶ。
従来のレーザ光を用いた非接触測定方法では、被測定面上に対物レンズの焦点を合わせるようにして、最小スポット径としたレーザ光を被測定面上に照射しているため、うねり成分が必ず含むことになる。従って、表面粗さを厳密に測定には、別の装置でスキッド成分を測定して、このスキッド成分と、レーザ光を用いた非接触測定で得られたスタイラス成分とを演算(減算)して求めることが考えられている。
本発明は、上述の点に鑑み、レーザ光によりスキッド成分を検出できる、いわゆる光スキッド光学系を用いた変位計測方法及びその変位計測装置を提供するものである。
さらに、本発明は、上記光スキッド光学系と、レーザ光を用いたスタイラス光学系とを組み合わせて、被照射面の表面粗さ、あるいはスキッド成分等を測定できる、変位計測方法及びその変位計測装置を提供するものである。
本発明に係る変位計測方法は、レーザ光による発散光を、1/4波長板、及び被照射面の手前で焦点を結ぶ対物レンズを通して被照射面に照射し、被照射面で反射し、対物レンズ及び1/4波長板を通過した戻り光を用いて、スキッド成分を検出することを特徴とする。
本発明に係る変位計測装置は、少なくとも1/4波長板と、被照射面の手前で焦点を結ぶ対物レンズを有し、レーザ光による発散光を、1/4波長板及び対物レンズを通して被照射面に照射し、被照射面で反射して対物レンズ及び1/4波長板を通過した戻り光を、スキッド成分検出用の受光素子に導くスキッド光学系を備えて成ることを特徴とする。
本発明に変位計測方法及び変位計測装置では、発散光を用い、この発散光を被照射面の手前で焦点を結ぶ対物レンズを介して被照射面に照射するので、大きいスポット径で被照射面に照射される。この大きいスポット径の光による被照射面から反射する戻り光を用いることにより、大きいスポット中の表面粗さの平均変位が出力としてあらわれ、非接触式でスキッド成分を検出することができる。
本発明に係る変位計測方法は、第1のレーザ光による発散光を、第1の1/4波長板、及び被照射面の手前で焦点を結ぶ第1の対物レンズを通して前記被照射面に照射し、被照射面で反射し、第1の対物レンズ及び第1の1/4波長板を通過した第1の戻り光を用いてスキッド成分を検出し、
第2のレーザ光による平行光を、第2の1/4波長板、及び被照射面上で焦点を結ぶ第2の対物レンズを通して前記被照射面に照射し、被照射面で反射し、第2の対物レンズ及び前記第2の1/4波長板を通過した第2の戻り光を用いてスタイラス成分を検出し、
スキッド成分とスタイラス成分を演算することを特徴とする。
本発明に係る変位計測装置は、少なくとも第1の1/4波長板と、被照射面の手前で焦点を結ぶ第1の対物レンズを有し、第1のレーザ光による発散光を、第1の1/4波長板及び前記第1の対物レンズを通して前記被照射面に照射し、被照射面で反射し、第1の対物レンズ及び第1の1/4波長板を通過した戻り光を、第1の臨界角プリズムを介してスキッド成分検出用の第1の受光素子に導くスキッド光学系と、
少なくとも第2の1/4波長板と、被照射面上で焦点を結ぶ第2の対物レンズを有し、第2のレーザ光による平行光を、第2の1/4波長板及び第2の対物レンズを通して被照射面に照射し、被照射面で反射し、第2の対物レンズ及び第2の1/4波長板を通過した戻り光を、第2の臨界角プリズムを介してスタイラス成分検出用の第2の受光素子に導くスタイラス光学系と、
第1の受光素子で検出したスキッド成分と第2の受光素子で検出したスタイラス成分を演算する演算手段とを備えて成ることを特徴とする。
本発明の変位計測方法及び変位計測装置では、発散光を用い、この発散光を被照射面の手前で焦点を結ぶ第1の対物レンズを介して被照射面に大きなスポット径で照射し、その被照射面から反射する戻り光用いてスキッド成分を検出する。また、平行光を用い、この平行光を被照射面上で焦点を結ぶ対物レンズを介して被照射面に小さいスポット径で照射し、その被照射面から反射する戻り光を用いてスタイラス成分を検出する。このスキッド成分とスタイラス成分を演算することにより、被照射面の表面粗さ成分、あるいはスキッド成分のみを非接触で検出することができる。
本発明に係る第1の変位計測方法及びその変位計測装置によれば、非接触式でスキッド成分のみを測定することができる。例えば変位計測装置の送り振動成分、非照射面のうねり成分を含むスキッド成分を精度良く検出することができる。
本発明に係る第2の変位計測方法及びその変位計測装置によれば、非接触式でスキッド成分及びスタイラス成分を同時に測定することができる。例えば、被照射面の表面粗さ成分に、被照射面のうねり成分及び変位計測装置の送り振動成分を含むスタイラス成分と、被照射面のうねり成分及び変位計測装置の送り振動成分を含むスキッド成分とを同時に検出することができる。そして、このスタイラス成分とスキッド成分を演算することにより、被照射面の表面粗さ成分を精度良く測定することができる。必要に応じて、スキッド成分のみを測定することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明の理解を容易にするために、臨界角法を用いた変位計測方法及びその変位計測装置について説明する。臨界角法を用いた変位計測装置11は、図5に示すように、レーザ光源12と、レーザ光源12から出射したレーザ光Lを平行光とするための光学レンズ13と、偏光ビームスプリッタ14と、1/4波長板15と、被測定面などの被照射面100に対向する対物レンズ16と、臨界角プリズム17と、2分割のフォトダイオードからなる受光素子18a,18bとを備えて成る。
対物レンズ16は、被照射面100上に焦点を結ぶように被照射面100に対向して配置される。1/4波長板15及び対物レンズ16は、偏光ビームスプリッタ14で反射されたレーザ光L2が被照射面100に向かう光路上に順に配置される。2分割の受光素子18a,18bは、被照射面100で反射した戻り光L′が臨界角プリズム17に入射し、反射した後の光路上に配置される。受光素子18a,18bは、平行光で入射する戻り光の光軸を中心に2分割されるように配置される。
次に、動作を説明する。図5は、被照射面100が対物レンズ16の焦点位置にある状態である。レーザ光源12から出射したレーザ光Lは、光学レンズ13により平行光となって偏光ビームスプリッタ14に入射する。レーザ光Lは直線偏光であるので、そのS偏光とP偏光の何れか一方、本例ではS偏光が偏光ビームスプリッタ14で90°反射して1/4波長板15に入り、所定回転方向の円偏光に変換された後、対物レンズ16で収束されて被照射面100上で集光するように被照射面100に照射される。被照射面100上に照射されたレーザ光のスポット径は最小に絞られたスポット径となる。
次いで、被照射面100で反射した戻り光L′は、対物レンズ16を通り平行光として1/4波長板15、偏光ビームスプリッタ15を透過して臨界角プリズム17に入射される。すなわち、上記被照射面100で反射した戻り光は、上記所定回転方向とは逆の回転方向の円偏光に変換される。この逆回転方向の円偏光が1/4波長板15を通ることにより、P偏光に変換され、このP偏光が偏光ビームスプリッタ14を透過して臨界角プリズム17に入射される。平行光で臨界角プリズム17に入射された戻り光は、ここで全反射されて2分割のフォトダイオードによる受光素子18a,18bに受光される。符号19は受光スポットを示す。この場合、図5に示すように、それぞれの受光素子18a,18bで受光される光量は相等しくなり、受光素子18a、18bからの検出出力Va、Vbは等しくなる(Va=V)。従って、受光素子18a,18bからの検出出力Va,Vbを、例えば差動増幅器を通して出力すれば、差分Va−Vb=0の出力信号が出力される。
次に、図6の状態は、被照射面100が、対物レンズ16の焦点より奥の位置、すなわち焦点より遠い位置に在る場合である。レーザ光源12から出射されたレーザ光が平行光となって偏光ビームスプリッタ14、1/4波長板15及び対物レンズ16を通して被照射面100に照射される。被照射面100で反射し、対物レンズ16を通過した戻り光L′は、収束光となり、1/4波長板15、偏光ビームスプリッタ14を透過して臨界角プリズム17に入射される。
このとき、光軸を境に臨界角よりも大きい角度で入射した戻り光、すなわち図6において臨界角プリズム17の光軸より上側に入射した戻り光は、全反射して受光素子18bに受光される。しかし、臨界角より小さい角度で入射した戻り光、すなわち図6において臨界角プリズム17の光軸より下側に入射した戻り光は、一部が臨界角プリズム17を透過して残りが反射して受光素子18aに受光される。これにより、それぞれの受光素子18a,18bでの受光量は、受光素子18a側で小さく、受光素子18b側で大きくなり、受光素子18a、18bの検出出力Va,Vbの間に差が生じる(Va<Vb)。従って、受光素子18a,18bからの検出出力Va,Vbを、例えば差動増幅器を通して出力すれば、差分Va−Vb=−Vsの出力信号が出力される。
次に、図7の状態は、被照射面100が、対物レンズ16の焦点より手前位置、すなわち焦点より近い位置に在る場合である。レーザ光源12から出射されたレーザ光が平行光となって偏光ビームスプリッタ14、1/4波長板15及び対物レンズ16を通して被照射面100に照射される。被照射面100で反射し、対物レンズ16を通過した戻り光L′は、図3とは逆に発散光となり、1/4波長板15、偏光ビームスプリッタ14を透過して臨界角プリズム17に入射される。
このとき、光軸を境に臨界角よりも大きい角度で入射した戻り光、すなわち図7において臨界角プリズム17の光軸より下側に入射した戻り光は、全反射して受光素子18aに受光される。しかし、臨界角より小さい角度で入射した戻り光、すなわち図7において臨界角プリズム17の光軸より上側に入射した戻り光は、一部が臨界角プリズム17を透過して残りが反射して受光素子18bに受光される。これにより、それぞれの受光素子18a,18bでの受光量は、受光素子18a側で大きく、受光素子18b側で小さくなり、受光素子18a、18bの検出出力Va,Vbの間に差が生じる(Va>Vb)。従って、受光素子18a,18bからの検出出力Va,Vbを、例えば差動増幅器を通して出力すれば、差分Va−Vb=+Vsの出力信号が出力される。
上述の臨界角法を用いた変位計測方法及び変位計測装置で得られる出力は、被照射面100の表面粗さ成分に、被照射面のうねり成分及び変位計測装置の送り振動などの振動成分を含むいわゆるスキッド成分が加わったスタイラス成分となる。
次に、図1〜図3を用いて、本発明に係る変位計測方法及びその変位計測装置の第1実施の形態、すなわち、スキッド成分のみを測定できる変位計測方法及びその変位計測装置を説明する。本実施の形態の変位計測方法は、いわゆる光スキッド計測方法となる。
本実施の形態に係る変位計測装置21は、図1に示すように、レーザ光源22と、レーザ光源22かた出射したレーザ光Lを発散光とする光学レンズ、いわゆる発散レンズ23と、偏光ビームスプリッタ24と、1/4波長板25と、被測定面などの被照射面100に対向する対物レンズ26と、臨界角プリズム27と、複数分割、本例では2分割のフォトダイオードからなる受光素子28a,28bとを備えて成る。
対物レンズ26は、被照射面100より手前側で焦点を結ぶように構成される。すなわち対物レンズ26は、被照射面100と対物レンズ26の間で焦点を結ぶように被照射面100に対向して配置される。
1/4波長板15及び対物レンズ16は、偏光ビームスプリッタ14で反射されたレーザ光が被照射面100に向かう光路上に順に配置される。2分割の受光素子28a,28bは、被照射面100で反射した戻り光L′が臨界角プリズム17に入射し、反射した後の光路上に配置される。受光素子18a,18bは、平行光で入射する戻り光の光軸を中心に2分割されるように配置される。
次に、本実施の形態の変位計測装置21の動作と共に、スキッド成分のみを検出する変位計測方法を説明する。図1は、被照射面100で反射した戻り光が、対物レンズ26の焦点を通過する状態の場合である。レーザ光源22から出射したレーザ光Lは、発散レンズ23を通して発散光となって偏光ビームスプリッタ24に入射する。前述したようにレーザ光Lは直線偏光であるので、そのS偏光とP偏光の何れか一方、本例ではS偏光が偏光ビームスプリッタ24で90°反射して、1/4波長板25に入り、所定回転方向の円偏光に変換された後、対物レンズ26で収束されて被照射面100に照射される。このとき、円偏光は、対物レンズ26の焦点位置(f)で一旦集光された後、発散してスポット径を大きくした状態で被照射面100上に照射される。
次いで、被照射面100で反射した全ての戻り光L′は、対物レンズ26の焦点位置(f)に集光した後、発散して対物レンズ26に入射される。このため、対物レンズ26を透過した後は平行光となって、1/4波長板25を通過して偏光ビームスプリッタ24に入射される。前述と同様に、被照射面100で反射した戻り光は、入射した円偏光とは逆の回転方向の円偏光となるので、1/4波長板25を通過した戻り光L′はP偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ24に入射する。P偏光の戻り光L′は、偏光ビームスプリッタ24を透過して臨界角プリズム27に平行光として入射する。
平行光として臨界角プリズム27に入射された戻り光L′は、臨界角プリズム27で全反射され、90°光路変更して2分割の受光素子28a,28bに受光される。この場合、図1に示すように、それぞれの受光素子18a,18bで受光される光量は相等しくなり、受光素子18a、18bからの検出出力Va、Vbは等しくなる(Va=Vb)。従って、受光素子18a,18bからの検出出力Va,Vbを、例えば差動増幅器を通して出力すれば、差分Va−Vb=0の出力信号が出力される。
次に、図2の状態は、被照射面100が、図5Aの被照射面の位置を基準として、対物レンズ26より遠い位置に在る場合である。レーザ光源22から出射されたレーザ光Lが発散光となって偏光ビームスプリッタ24、1/4波長板25及び対物レンズ26を通して被放射面100に照射される。被照射面100で反射し、対物レンズ26を通過した戻り光L′は、収束光となり、1/4波長板25、偏光ビームスプリッタ24を透過して臨界角プリズム27に入射される。
このとき、光軸を境に臨界角よりも大きい角度で入射した戻り光L′、すなわち図2において臨界角プリズム27の光軸より上側に入射した戻り光は、全反射して受光素子28bに受光される。しかし、臨界角より小さい角度で入射した戻り光L′、すなわち図2において臨界角プリズム27の光軸より下側に入射した戻り光は、一部が臨界角プリズム27を透過して残りが反射して受光素子28aに受光される。これにより、それぞれの受光素子28a,28bでの受光量は、受光素子28a側で小さく、受光素子28b側で大きくなり、受光素子28a、28bの検出出力Va,Vbの間に差が生じる(Va<Vb)。従って、受光素子28a,28bからの検出出力Va,Vbを、例えば差動増幅器を通して出力すれば、差分Va−Vb=−Vsの出力信号が出力される。
次に、図3は、被照射面100が、図1の被照射面の位置を基準として、対物レンズに近い位置に在る場合である。レーザ光源22から出射されたレーザ光が発散光となって偏光ビームスプリッタ24、1/4波長板25及び対物レンズ26を通して被放射面100に照射される。被照射面100で反射し、対物レンズ26を通過した戻り光L′は、図2とは逆に発散光となり、1/4波長板25、偏光ビームスプリッタ24を透過して臨界角プリズム27に入射される。
このとき、光軸を境に臨界角よりも大きい角度で入射した戻り光、すなわち図3において臨界角プリズム27の光軸より下側に入射した戻り光は、全反射して受光素子28aに受光される。しかし、臨界角より小さい角度で入射した戻り光、すなわち図3において臨界角プリズム27の光軸より上側に入射した戻り光は、一部が臨界角プリズム27を透過して残りが反射して受光素子28bに受光される。これにより、それぞれの受光素子28a,28bでの受光量は、受光素子28a側で大きく、受光素子28b側で小さくなり、受光素子28a、28bの検出出力Va,Vbの間に差が生じる(Va>Vb)。従って、受光素子28a,28bからの検出出力Va,Vbを、例えば差動増幅器を通して出力すれば、差分Va−Vb=+Vsの出力信号が出力される。
第1実施の形態に係る変位計測方法及び変位計測装置によれば、レーザ光Lが、発散した形で被照射面100に照射されるので、被照射面100上で照射されたレーザスポットの径は大きくなる。レーザスポットの径が大きくなると、スポット中の表面粗さの平均変位が出力としてあらわれる。このため、うねり成分と振動成分を含んだスキッド成分のみを検出し、測定することができる。
ここで、図4に、S偏光とP偏光に係る入射角rと反射率Rの関係を示す。臨界角は、41°8′である。受光素子28a,28bに受光させるレーザ光としてP偏光を選択することにより、S偏光に比べて臨界角近傍で急激な反射率の変化が得られる。
図8に、スキッド成分とスタイラス成分を同時に測定できる、本発明に係る変位計測方法及びその変位計測装置の第2実施の形態を示す。本実施の形態に係る変位計測装置31は、スキッド成分を検出するスキッド光学系を有する第1の変位計測装置32と、スタイラス成分を検出するスタイラス光学系を有する第2の変位計測装置32とを備える。
第1の変位計測装置32は、前述の図1で示す変位計測装置と同様の光学系を有する。すなわち、第1の変位計測装置32は、第1のレーザ光源22と、このレーザ光源22から出射したレーザ光L1を発散光とする光学レンズ、いわゆる発散レンズ23と、第1の偏光ビームスプリッタ24と、第1の1/4波長板25と、被測定面などの被照射面100に対向する第1の対物レンズ26と、第1の臨界角プリズム27と、複数分割、本例では2分割のフォトダイオードからなる第1の受光素子28a,28bとを有して成る。対物レンズ26は、被照射面100より手前で焦点を結ぶように構成される。従って、対物レンズ26は、被照射面100と対物レンズ26との間で焦点を結ぶように被照射面100に対向して配置される。
1/4波長板15及び対物レンズ16は、偏光ビームスプリッタ14で反射されたレーザ光が被照射面100に向かう光路上に順に配置される。2分割の受光素子28a,28bは、被照射面100で反射した戻り光L1′が臨界角プリズム17に入射し、反射した後の光路上に配置される。受光素子18a,18bは、平行光で入射する戻り光L1′の光軸を中心に2分割されるように配置される。
一方、第2の変位計測装置33は、前述の図5で示す臨界角法を用いた変位計測装置と同様の光学系を有する。すなわち、第2の変位計測装置33は、第2のレーザ光源12と、このレーザ光源12から出射したレーザ光L2を平行光とするための光学レンズ13と、第2の偏光ビームスプリッタ14と、第2の1/4波長板15と、被測定面などの被照射面100に対向する第2の対物レンズ16と、第2の臨界角プリズム17と、2分割のフォトダイオードからなる第2の受光素子18a,18bとを有して成る。対物レンズ16は、被照射面100上に焦点を結ぶように被照射面100に対向して配置される。
1/4波長板15及び対物レンズ16は、偏光ビームスプリッタ14で反射されたレーザ光L2が被照射面100に向かう光路上に順に配置される。2分割の受光素子18a,18bは、被照射面100で反射した戻り光L2′が臨界角プリズム17に入射し、反射した後の光路上に配置される。受光素子18a,18bは、平行光で入射する戻り光L2′の光軸を中心に2分割されるように配置される。
さらに、第1の変位計測装置32の対物レンズ26と、第2の変位計測装置の対物レンズ16との後段には、光路統合・分離用光学系34が配置される。この光路統合・分離用光学系は、対物レンズ26を透過したレーザ光L1と、対物レンズ16を透過したレーザ光L2が、共に被照射面100上の同じ位置に照射させ、また、被照射面100から反射した戻り光L1′、L2′をそれぞれ分離してスキッド光学系32とスタイラス光学系33へ導くための光学系である。この光路統合・分離用光学系34は、ミラー35とハーフミラー36、例えばキュービック・ビームスプリッタ(CBS)とから成る。光路統合・分離用光学系34では、第1変位計測装置32の対物レンズ26を透過したレーザ光L1をハーフミラー36で反射させて被照射面100に照射し、第2の変位計測装置33の対物レンズ16を透過したレーザ光L2をハーフミラー36を透過させて被照射面100の上記と同一位置に照射するようになされる。また、光路統合・分離用光学系34では、被照射面100から反射したスキッドの戻り光L1′とスタイラスの戻り光L2′をハーフミラー36で分割し、一方のスタイラスの戻り光L2′をハーフミラー36を透過して、スタイラス光学系33に導き、他方のスキッドの戻り光L1′をハーフミラー36で反射し、さらにミラー35で反射して、スキッド光学系32へ導くようになされる。
次に、本実施の形態の変位計測装置31の動作と共に、この変位計測方法を説明する。第1の変位計測装置32からは、スキッド成分のみのスキッド検出信号が得られる。すなわち、前述の図1〜図3の動作説明と同様に、レーザ光源22から出射したレーザ光L1が発散レンズ23を介して発散光として偏光ビームスプリッタ24に入射される。偏光ビームスプリッタ24で反射したS偏光が1/4波長板25で円偏光に変換されて対物レンズ26を透過し、光路統合・分離用光学系35を介して被照射面100に照射される。被照射面100で反射した戻り光L1′は、光路統合・分離用光学系35、対物レンズ26、1/4波長板25を透過してP偏光に変換される。このP偏光の戻り光L1′は、偏光ビームスプリッタ24を透過して臨界角プリズム27に入射され、反射して2分割の受光素子28a,28bに受光される。受光素子28a,28bからの検出出力を、例えば差動増幅器に入力してスキッド成分に対応した検出信号、すなわちスキッド検出信号を得る。
一方、第2の変位計測装置33からは、スタイラス成分を有するスタイラス検出信号が得られる。すなわち、前述の図5〜図7の動作説明と同様に、レーザ光源12から出射したレーザ光L2が光学レンズ23を介して平行光として偏光ビームスプリッタ14に入射される。偏光ビームスプリッタ14で反射したS偏光が1/4波長板15で円偏光に変換されて対物レンズ16を透過し、光路統合・分離用光学系35を介して被照射面100に照射される。被照射面100で反射した戻り光L2′は、光路統合・分離用光学系35、対物レンズ16、1/4波長板15を透過してP偏光に変換される。このP偏光の戻り光L2′は、偏光ビームスプリッタ14を透過して臨界角プリズム17に入射され、反射して2分割の受光素子18a,18bに受光される。受光素子18a,18bからの検出出力を、例えば差動増幅器に入力してスタイラス成分に対応した検出信号、すなわちスタイラス検出信号を得る。
この2つのスキッド検出信号とスタイラス検出信号を、演算手段としての例えばコンピュータに供給し、スタイラス検出信号からスキッド検出信号を減算処理することにより、被照射面100の表面粗さを測定することができる。
本実施の形態の変位計測装置31では、スキッド成分のみを測定することもできる。
第2実施の形態に係る変位計測方法及びその変位計測装置31によれば、スキッド成分と、スタイラス成分を同時に検出することができ、このスキッド検出信号とスタイラス検出信号を演算することにより、被照射面100、例えば被測定面の表面粗さを精度よく測定することができる。
図9及び図10に、スキッド成分とスタイラス成分を同時に測定できる、本発明に係る変位計測方法及びその変位計測装置の第3実施の形態を示す。図9は概略平面図、図10は概略斜視図である。本実施の形態に係る 変位計測装置41は、スキッド成分を検出するスキッド光学系を有する第1の変位計測装置42と、スタイラス成分を検出するスタイラス光学系を有する第2の変位計測装置43とを備える。
第1の変位計測装置42は、前述の図8で示す第1の変位計測装置と同様に、第1のレーザ光源22と、このレーザ光源22から出射したレーザ光L1を発散光とする光学レンズ、いわゆる発散レンズ23と、第1の偏光ビームスプリッタ24と、第1の対物レンズ26を有する。さらに第1の変位計測装置42は、1/4波長板45と第1のハーフミラー47、例えばキュービック・ビームスプリッタ(CBS)と、2組の第1の2回反射の臨界角プリズム48及び49と、2組の第1の複数分割、本例では2分割の受光素子28a1,28b1及び28a2,28b2と、1/4波長板45の後段に配したミラー(本例では直角プリズム)51とを有する。
第1の対物レンズ26は、前述と同様に、被照射面100より手前で焦点を結ぶように構成される。この第1の対物レンズ26は、本例では第1の偏光ビームスプリッタ24と1/4波長板45との間に配置される。ハーフミラー47は、偏光ビームスプリッタ24を透過した戻り光L1′の光路上に配置される。このハーフミラー47で2分割された一方の光路上に一方の第1の2回反射臨界角プリズム48及び一方の第1の2分割受光素子18a1,18b1が配置される。ハーフミラー47で2分割された他方の光路上に他方の第1の2回反射臨界角プリズム49及び他方の第1の2分割受光素子18a2,18b2が配置される。
第2の変位計測装置43は、前述の図8で示す第2の変位計測装置と同様に、第1のレーザ光源12と、このレーザ光源12から出射したレーザ光L2を平行光とする光学レンズ、いわゆる平行レンズ13と、第2の偏光ビームスプリッタ14と、第2の対物レンズ16と、第2の1/4波長板15とを有する。さらに第2の変位計測装置43は、ハーフミラー54、例えばキュービック・ビームスプリッタ(CBS)と、2組の第2の2回反射の臨界角プリズム55及び56と、2組の第2の複数分割、本例では2分割の受光素子18a1,18b1及び18a2,18b2とを有する。
第2の対物レンズ16は、前述と同様に、被照射面100上で焦点を結ぶように構成される。この第2の対物レンズ16は、本例では第2の偏光ビームスプリッタ14と第2の1/4波長板15との間に配置される。ハーフミラー54は、偏光ビームスプリッタ14を透過した戻り光L2′の光路上に配置される。このハーフミラー54で2分割された一方の光路上に一方の第2の2回反射の臨界角プリズム56及び一方の第2の2分割受光素子18a1,18b1が配置される。ハーフミラー54で2分割された他方の光路上に他方の第2の2回反射の臨界角プリズム56及び他方の第2の2分割受光素子18a2,18b2が配置される。
さらに、第1の変位計測装置42のミラー51と、第2の変位計測装置43の1/4波長板15の後段には、図9で説明したと同様に、スキッドのレーザ光とスタイラスのレーザ光L1,L2を、被照射面100上の同じ位置に照射し、また被照射面100で反射した戻り光L1′、L2′をそれぞれのスキッド光学系42及びスタイラス光学系43へ分離して導くための光路統合・分離用光学系57が配置される。この光路統合・分離用光学系57は、ハーフミラー58、例えばキュービック・ビームスプリッタ(CBS)と、ミラー(本例では直角プリズム)59とから成る。光路統合・分離用光学系57では、第1の変位計測装置42のミラー51で反射したレーザ光L1をハーフミラー58に透過させ、ミラー59で反射させる。本例では垂直下方に反射させる。また、第2の変位計測装置43の1/4波長板16を透過したレーザ光L2をハーフミラー58で反射させ、ミラー59で反射させる。本例では垂直下方に反射させる。ミラー59で反射したそれぞれのレーザ光L1,L2は必要な共通光路を介して、あるいは介さないで被照射面100に照射されるように構成される。
第1の変位計測装置42のレーザ光源22と、第2の変位計測装置43のレーザ光源12は、それぞれ波長の異なるレーザL1、L2を出射する。また、第1の変位計測装置42の2分割受光素子28a1、28b1,28a2、28b2は、その波長感度がレーザ光源22のレーザ波長付近となるように構成される。第2の変位計測装置43の2分割受光素子18a1、18b1,18a2、18b2は、その波長感度がレーザ光源12のレーザ波長付近となるように構成される。
次に、本実施の形態の変位計測装置41の動作と共に、この変位計測方法を説明する。第1の変位計測装置42からは、スキッド成分のみのスキッド検出信号が高感度で得られる。すなわち、第1のレーザ光源22から出射したレーザ光L1は、発散レンズ23で発散光となり、第1の偏光ビームスプリッタ24に入射され、S偏光またはP偏光のいずれか一方、本例ではS偏光が反射されて第1の対物レンズ26を透過する。
第1の対物レンズ26を透過したS偏光は、1/4波長板45を透過して所定回転方向の円偏光に変換される。この円偏光は、ミラー51で反射されて、逆の回転方向の円偏光に変化され、後段の光路統合・分離光学系47のハーフミラー58を透過し、さらにミラー59で反射されて、再度、所定回転方向の円偏向となる。本例では逆の回転方向の円偏光が垂直下方に反射され所定回転方向の円偏光となる。この反射された円偏光が、必要な共通光路を介して、あるいは介さないで被照射面100に照射される。
被照射面100で反射して再度、逆回転方向の円偏光とされた戻り光L1′は、ミラー59で反射されて所定回転方向の円偏光とされ、ハーフミラー58を透過し、さらにミラー51で反射されて逆回転方向の円偏光となる。この逆回転方向の円偏向が1/4波長板45を透過し、P偏光となる。
このP偏光が、対物レンズ26を透過した後、第1の偏光ビームスプリッタ24を透過し、第1のハーフミラー47で2つの光路に分離して進む。一方の光路に進んだP偏光の戻り光L1′は、臨界角プリズム48に入射し、2回反射して一方の第1の受光素子28a1,28b1に受光される。受光素子28a1,28b1からの検出出力を、例えば差動増幅器に入力してスキッド成分に対応した検出信号、すなわち第1のスキッド検出信号を得る。
他方の光路に進んだP偏光の戻り光L1′は、臨界角プリズム49に入射し、2回反射して他方の第1の受光素子28a2,28b2に受光される。受光素子28a2,28b2からの検出出力を、例えば差動増幅器に入力してスキッド成分に対応した検出信号、すなわち第2のスキッド検出信号を得る。
受光素子28a1,28b1,28a2,28b2と、受光素子18a1,18b1,18a2,18b2では、レーザ波長により受光感度が違うので、戻り光でのスキッド成分と、スタイラス成分を分離して受光することができる。
この2つの第1及び第2のスキッド検出信号を後述する演算処理をして、誤差を補正したスキッド検出信号を得る。
一方、第2の変位計測装置43からは、スタイラス成分を有するスタイラス検出信号が高感度で得られる。すなわち、第2のレーザ光源12から出射したレーザ光L2は、平行レンズ13で平行光となり、第2の偏光ビームスプリッタ14に入射され、S偏光またはP偏光のいずれか一方、本例ではS偏光が反射されて第2の対物レンズ16を透過する。
第2の対物レンズ16を透過したS偏光は、第2の1/4波長板15を透過して所定回転方向の円偏光に変換される。この円偏光は、光路統合・分離光学系47のハーフミラー58で反射し、さらにミラー59で反射される。本例では円偏光が垂直下方に反射される。この反射された円偏光が、必要な共通光路を介して、あるいは介さないで被照射面100に照射される
被照射面100で反射したの回転方向の円偏光による戻り光L2′は、ミラー59で反射され、ハーフミラー58で反射して第2の1/4波長板15を透過し、P偏光に変換される。このP偏光の戻り光L2′が第2の対物レンズ16を透過した後、第2の偏光ビームスプリッタ14を透過し、第2のハーフミラー54で2つの光路に分離して進む。一方の光路に進んだP偏光の戻り光L2′は、臨界角プリズム55に入射し、2回反射して一方の第2の受光素子18a1,18b1に受光される。受光素子18a1,18b1からの検出出力を、例えば差動増幅器に入力してスタイラス成分に対応した検出信号、すなわち第1のスタイラス検出信号を得る。
他方の光路に進んだP偏光の戻り光L2′は、臨界角プリズム56に入射し、2回反射して他方の方の第2の受光素子18a2,18b2に受光される。受光素子18a2,18b2からの検出出力を、例えば差動増幅器に入力してスタイラス成分に対応した検出信号、すなわち第2のスタイラス検出信号を得る。
この2つの第1及び第2のスタイラス検出出力信号を後述する演算処理をして、誤差を補正したスキッド検出信号を得る。
本実施の形態では、上述した臨界角プリズム48、49、55、56として、2回反射の臨界角プリズムを用いている。2回反射の臨界角プリズムを用いることにより、受光素子における検出感度を高めることができる。
本実施の形態では、上述したスキッド光学系42及びスタイラス光学系43における、戻り光L1′、L2′をそれぞれ2つの光路に分割して2組の受光素子に受光させている。これによって、被照射面100、例えば被測定面が水平面になく、ある許容範囲の角度(例えば±5°程度)の傾きがあった場合にも、この傾きによる検出信号の誤差を補正することができる。以下に説明する。
図11に、簡略化した戻り光を検出するモデルを示す。被照射面100、例えば被測定面で反射した戻り光L0′は、対物レンズ61を透過し、ハーフミラー62により2分され、一方がハーフミラー62を透過して2分割のフォトダイオードによる受光素子A,Bに受光される。戻り光L0′の他方は、ハーフミラー62で90°反射されて、2分割のフォトダイオードによる受光素子C,Dに受光される。破線で示す光路は、被照射面100が水平状態にある場合である。実線で示す光路は、被照射面100が所定角度θだけ傾いた状態にある場合である。
被照射面100が水平のときの破線の光路を基準としたとき、傾斜した被照射面100からの反射した戻り光は、受光素子63A,63Bでは、対物レンズ61側から見て、破線の基準位置より左に寄って受光され、受光素子63C,63Dでは、対物レンズ61側から見て、破線の基準位置より右に寄って受光される。この受光素子63A〜63Dの受光量の変化に基づく検出出力を数1の式で演算する。
Figure 2009092387
ここで、Eは第1、第2の変位計測装置からの出力信号(測定値)である。A+Δ,B−Δ、C―Δ、D+Δは、それぞれ受光素子63A,63B,63C,63Dの破線から変位した差分の受光量に対応した変位信号である。A,B,C,Dはそれぞれ各受光素子63A,63B,63C,63Dの検出信号である。A+B+C+Dは、受光素子63A〜63Dが受光する全体の受光量に対応する検出信号である。
受光素子63Aと受光素子63Dが対応し、受光素子63Bと受光素子63Cが対応する。つまり、同じ戻り光について、受光位置のずれが、破線を基準して左右逆になる。信号A,Dに+Δ、信号B,Cに−Δのずれが生じても相殺されるようになる。
数1の式で演算することで、被照射面100の傾き(例えば±5°以内の傾き)の誤差を補正することができる。全体の受光量に基づく(A+B+C+D)の和信号で割ることで、レーザ光源の強度変化、被反射面の反射率の変化の影響を除去することができる。
上述の第3実施の形態に係る変位計測方法及び変位計測装置41によれば、スキッド成分と、スタイラス成分を同時に検出することができ、このスキッド検出信号とスタイラス検出信号を演算することにより、被照射面1100、例えば被測定面の表面粗さを精度良く測定することができる。さらに、2回反射の臨界角プリズムを用いることにより、受光素子での検出感度を高め、大きな検出信号が得られる。また、戻り光をハーフミラーで2分割し、それぞれの戻り光を2組の2分割の受光素子で検出することにより、被照射面の許容される傾きに対して、誤差を補正することができる。
本発明に係る変位計測方法及びその変位計測装置は、被測定面の表面粗さ成分のみの測定、あるいは変位計測装置の送り振動成分、被測定面の大きなうねり成分を含むスキッド成分のみの測定に適用して好適である。
上例では、本発明に係る変位計測方法及び変位計測装置を、表面粗さの測定に適用した場合について説明したが、その他、運動体の変位測定などに適用することができる。変位計として使用する場合、例えば工作機械において、被加工物をセットするテーブルなどの運動体の変位を測定する際には、基準面の真直度が最も重要になる。光ビームのスポット径が小さいと、基準面の表面粗さの影響を受けてしまうため、スポット径を大きくする必要がある。言い換えれば、本発明のスキッド式の変位計測方法及びその装置は、基準面の表面粗さの影響を受けにくいこと、つまり、粗面(表面粗さの悪い面)真直度の高い面を基準面とすることができることも特徴になる。工作機械のテーブルの変位を測定する場合には、テーブルに本発明の変位計測装置を取り付け、この変位計測装置のレーザ光に対向して基準面を配置し、テーブルを可動して行うことで、精度のよい変位測定ができる。
本発明に係る変位計測装置の第1実施の形態の構成図である。 第1実施の形態の動作説明図(その1)である。 第1実施の形態の動作説明図(その2)である。 P偏光とS偏光の入射角と反射率の関係を示すグラフである。 臨界角法を用いた変位計測装置の原理を示す構成図である。 臨界角法を用いた変位計測装置の動作説明図(その1)である。 臨界角法を用いた変位計測装置の動作説明図(その1)である。 本発明に係る変位計測装置の第2実施の形態の構成図である。 本発明に係る変位計測装置の第3実施の形態の構成図である。 本発明に係る変位計測装置の第3実施の形態の斜視図である。 本発明に係る被測定面傾斜補正の説明に供するモデル図である。 A,B及びC スタイラス成分、スキッド成分及び表面粗さ成分を示す説明図である。 従来の非接触測定方法を示す構成図である。
符号の説明
11・・変位計測装置、12・・レーザ光源、13・・平行レンズ、14・・偏光ビームスプリッタ、15・・1/4波長板、16・・対物レンズ、17・・臨界角プリズム、18a,18b・・受光素子、21、31、41・・変位計測装置、22・・レーザ光源、23・・発散レンズ、24・・偏光ビームスプリッタ、25・・1/4波長板、26・・対物レンズ、27・・臨界角プリズム、28a、28b・・受光素子、32、42・・スキッド光学系、33、43・・スタイラス光学系、34、57・・光路統合・分離用光学系、45、46・・1/4波長板、47、55・・ハーフミラー、49、56・・臨界角プリズム、100・・被照射面

Claims (12)

  1. レーザ光による発散光を、1/4波長板、及び被照射面の手前で焦点を結ぶ対物レンズを通して前記被照射面に照射し、
    前記被照射面で反射し、前記対物レンズ及び前記1/4波長板を通過した戻り光を用いて、スキッド成分を検出する
    ことを特徴とする変位計測方法。
  2. 前記発散光を偏光ビームスプリッタで反射させ、
    前記戻り光を前記偏光ビームスプリッタを透過して臨界角プリズムを経て受光素子に受光させて、前記スキッド成分を検出する
    ことを特徴とする請求項1記載の変位計測方法。
  3. 少なくとも1/4波長板と、被照射面の手前で焦点を結ぶ対物レンズを有し、
    レーザ光による発散光を、前記1/4波長板及び前記対物レンズを通して前記被照射面に照射し、前記被照射面で反射して、前記対物レンズ及び前記1/4波長板を通過した戻り光を、スキッド成分検出用の受光素子に導くスキッド光学系を備えて成る
    ことを特徴とする変位測定装置。
  4. 前記スキッド光学系には、前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
    偏光ビームスプリッタ及び臨界角プリズムを有し、
    前記発散光を前記偏光ビームスプリッタで反射させ、
    前記戻り光を、前記偏光ビームスプリッタを透過した後、前記臨界角プリズムを経て前記受光素子に受光させるようにして成る
    ことを特徴とする請求項3記載の変位測定装置。
  5. 前記レーザ光源からのレーザ光を発散光とする発散レンズを有し、
    前記受光素子が2分割受光素子で形成されて成る
    ことを特徴とする請求項4記載の変位測定装置。
  6. 第1のレーザ光による発散光を、第1の1/4波長板、及び被照射面の手前で焦点を結ぶ第1の対物レンズを通して前記被照射面に照射し、
    前記被照射面で反射し、前記第1の対物レンズ及び前記第1の1/4波長板を通過した第1の戻り光を用いて、スキッド成分を検出し、
    第2のレーザ光による平行光を、第2の1/4波長板、及び前記被照射面上で焦点を結ぶ第2の対物レンズを通して前記被照射面に照射し、
    前記被照射面で反射し、前記第2の対物レンズ及び前記第2の1/4波長板を通過した第2の戻り光を用いて、スタイラス成分を検出し、
    前記スキッド成分と前記スタイラス成分を演算する
    ことを特徴とする変位計測方法。
  7. 前記第1のレーザ光による発散光を第1の偏光ビームスプリッタで反射させ、
    前記第1の戻り光を、前記第1の偏光ビームスプリッタを透過して第1の臨界角プリズムを経て第1の受光素子に受光させて、前記スキッド成分を検出し、
    前記第2のレーザ光による平行光を第2の偏光ビームスプリッタで反射させ、
    前記第2の戻り光を、前記第2の偏光ビームスプリッタを透過して第2の臨界角プリズムを経て第2の受光素子に受光させて、前記スタイラス成分を検出する
    ことを特徴とする請求項6記載の変位計測方法。
  8. 前記第1の戻り光を第1のハーフミラーを介して2分割し、2分割されたそれぞれの戻り光をそれぞれに配置した前記第1の受光素子に受光させ、
    前記第2の戻り光を第2のハーフミラーを介して2分割し、2分割されたそれぞれの戻り光をそれぞれに配置した前記第2の受光素子に受光させる
    ことを特徴とする請求項7記載の変位計測方法。
  9. 少なくとも第1の1/4波長板と、被照射面の手前で焦点を結ぶ第1の対物レンズを有し、
    第1のレーザ光による発散光を、前記第1の1/4波長板及び前記第1の対物レンズを通して前記被照射面に照射し、
    前記被照射面で反射し、前記第1の対物レンズ及び前記第1の1/4波長板を通過した戻り光を、第1の臨界角プリズムを介してスキッド成分検出用の第1の受光素子に導くスキッド光学系と、
    少なくとも第2の1/4波長板と、前記被照射面上で焦点を結ぶ第2の対物レンズを有し、
    第2のレーザ光による平行光を、前記第2の1/4波長板及び前記第2の対物レンズを通して前記被照射面に照射し、
    前記被照射面で反射し、前記第2の対物レンズ及び前記第2の1/4波長板を通過した戻り光を、第2の臨界角プリズムを介してスタイラス成分検出用の第2の受光素子に導くスタイラス光学系と、
    前記第1の受光素子で検出したスキッド成分と前記第2の受光素子で検出したスタイラス成分を演算する演算手段とを備えて成る
    ことを特徴とする変位計測装置。
  10. 前記スキッド光学系には、第1のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、第1の偏光ビームスプリッタと、第1の臨界角プリズムを有し、
    前記スタイラス光学系には、第2のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、第2の偏光ビームスプリッタと、第2の臨界プリズムとを有し、
    前記第1のレーザ光による発散光を前記第1の偏光ビームスプリッタで反射して前記第1の1/4波長板側に照射し、
    前記第1の戻り光を、前記第1の偏光ビームスプリッタに透過して前記第1臨界角プリズムを経て前記第1の受光素子に受光させて前記スキッド成分を検出し、
    前記第2のレーザ光による平行光を前記第2の偏光ビームスプリッタで反射して前記第2の1/4波長板側に照射し、
    前記第2の戻り光を、前記第2の偏光ビームスプリッタに透過して前記第2臨界角プリズムを経て前記第2の受光素子に受光させて前記スタイラス成分を検出するようにして成る
    ことを特徴とする請求項9記載の変位計測装置。
  11. 前記スキッド光学系には、第1のハーフミラーと、2組の第1の受光素子を有し、
    前記スタイラス光学系には、第2のハーフミラーと、2組の第2の受光素子を有し、
    前記第1の戻り光を前記第1のハーフミラーを介して2分割し、2分割されたそれぞれの戻り光を前記2組のそれぞれの第1の受光素子に受光させ、
    前記第2の戻り光を前記第2のハーフミラーを介して2分割し、2分割されたそれぞれの戻り光を前記2組のそれぞれの第2の受光素子に受光させるようにして成る
    ことを特徴とする請求項10記載の変位計測装置。
  12. 前記第1のレーザ光源からの第1のレーザ光を発散光とする発散レンズを有し、
    前記第2のレーザ光源からの第2のレーザ光を平行光とするレンズを有し、
    前記第1及び第2の受光素子が2分割受光素子で形成されて成る
    ことを特徴とする請求項10又は11記載の変位測定装置。
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