JP2009091899A - 杭頭補強部材とそれを用いた杭頭補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単であり、現場での作業が少なく施工費用の安価な基礎杭の杭頭と基礎構造物との接合のための杭頭補強部材と杭頭補強構造を提供することを目的とする。
【解決手段】杭頭補強構造において、基礎杭3の杭頭3aの外径より僅かに大きな内径を有する円筒形の鋼製リング2の外周に、上部構造と接続のための複数の鉄筋4を上方に延びるように溶接した杭頭補強部材1が、その円筒形の鋼製リング2を基礎杭3の杭頭3aに嵌挿し、基礎杭3の杭頭外側と杭頭補強部材1の内側との間にモルタル又はセメントペーストから選択される充填・固化材6を充填し固化することにより接合され、鋼製リング2に溶接された鉄筋4の鋼製リング2直上の部分にアンボンド材5が塗布されている。
【選択図】図12

Description

本発明は、基礎杭の杭頭部を補強する杭頭補強部材とそれを用いた杭頭補強構造に関する。
従来、基礎杭の杭頭とフーチング等の基礎構造物とを接合するための杭頭接合構造としては、図14(a)(b)(c)に示すように、コンクリートが中詰めされた基礎杭3の杭頭3aをフーチング等の基礎構造物7内に直接埋め込み接合する構造(以下、「従来技術1」という。)や、基礎杭3の杭頭3a内に鉄筋籠8を配置して鉄筋籠8の上部を基礎構造物7内に配置して基礎構造物7と一体に接合する構造(以下、「従来技術2」という。)や、基礎杭3の杭頭3aの内外側に複数のひげ鉄筋9を溶接して、ひげ鉄筋9を基礎構造物7内に配置して基礎構造物7と接合する構造(以下、「従来技術3」という。)がよく知られている。
また、特許第3176332号公報には、図15に示すように、基礎杭3の杭頭3aに内側に複数の鉄筋4を溶接した補強環10を間隔保持部材11を介して設置し、補強環10の内側と杭頭3aの外側間にコンクリート12を充填して一体とし、鉄筋4を基礎構造物7に配置して基礎構造物7と接合する構造(以下、「従来技術4」という。)が開示されている。
特開2001−220756号公報 特許第3176332号公報
従来技術1は、基礎杭の杭頭を直接基礎構造物内に埋め込むため、基礎を厚くする必要があり、その分根切り面を深く掘り下げ、土留め工事、残土処理、埋め戻し工事が多く必要となり、構築費用が増大するという問題点を有する。
従来技術2は、鉄筋籠により杭頭と基礎構造を接合する構造であるため、杭頭固定度が小さく、耐震性が若干低下するという問題点を有する。
従来技術3は、現場で杭頭にひげ筋を溶接しなければならず、狭い空間での溶接作業であったり、立向きのフレア溶接であるなど溶接条件が厳しくなりがちであり、溶接品質を保証することが困難であるという問題点を有する。
従来技術4は、補強環の内側に鉄筋が溶接され、杭頭外側と補強環内側との間の間隔保持材を介してコンクリートが充填されるため、充填コンクリートの量を多く必要とし、さらに、地震等により杭頭に水平力が作用する際、杭頭と補強環との間にせん断力が作用するので、そのせん断力に抵抗するため充填コンクリートの強度も大きなものにしなければならないという問題点を有する。
本発明は、従来技術の問題点を解消するもので、構造が簡単であり、現場での作業が少
なく施工費用の安価な基礎杭の杭頭と基礎構造物との接合のための杭頭補強部材と杭頭補強構造を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、基礎杭の杭頭の外径より僅かに大きな内径を有する円筒形の鋼製リングの外周に、上部構造との接続のための複数の鉄筋を上方に延びるように溶接した杭頭補強部材が、その円筒形の鋼製リングを基礎杭の杭頭に嵌挿し、基礎杭の杭頭外側と杭頭補強部材の内側との間にモルタル又はセメントペーストから選択される充填・固化材を充填し固化することにより接合され、前記円筒形の鋼製リングに溶接された鉄筋の鋼製リング直上の部分にアンボンド材が塗布され、一定以上の曲げモーメントが付加された場合に前記アンボンド材が塗布された部分を降伏させ、前記基礎杭の杭頭に負荷される曲げモーメントの大きさを低減させることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、基礎杭の杭頭と杭頭補強部材の僅かな間隙寸法は、前記基礎杭の周長Lに対し90%以上の部分が3〜30mmであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記円筒形の鋼製リングに、鉄筋に代えて上部構造との定着抵抗機構を有する鋼棒が溶接され、前期鋼棒の鋼製リング直上の部分にアンボンド材が塗布されてなることを特徴とする。
また本発明では、杭頭補強材の鋼製リング外周に溶接される複数の鉄筋もしくは鋼棒の鋼製リング直上の部分にアンボンド材を塗布することにより、地震等による水平力が作用した際、アンボンド材を塗布した鉄筋又は鋼棒部分が自由に回動可能であるため、一定の曲げモーメントが負荷されるとその鉄筋又は鋼棒部分が降伏して、基礎杭の杭頭に負荷される曲げモーメントを軽減することができるので、杭頭の断面や地中梁の断面を小さくすることができる。
また、本発明では、現場での溶接作業をすることなく、現場での基礎杭の杭頭への取り付けが容易な杭頭補強構造とすることができるとともに、杭頭外側と杭頭補強部材の鋼製リング内側との間の間隙、または、杭頭内側と杭頭補強部材の鋼製リング外側との間の間隙を僅かに設けることにより、杭頭と充填・固化材ならびに杭頭補強部材と充填・固化材の応力伝達を可能とする。
また、本発明では、少なくとも円周方向の所定範囲(前記基礎杭の周長Lに対し約90%以上)の狭小部の間隙寸法を3mm〜30mmの範囲内に設定することにより、他の部位でこの数値を外れていても本発明の所期の効果を奏することができる。
また、本発明では、杭頭補強部材の鋼製リング外周に溶接される鉄筋の代わりに上部構造との定着抵抗機構(U字状フック、定着板またはスタッドなど)を有する鋼棒を複数溶接することにより、上部構造との定着長さを、鉄筋に比べて短くすることができ、上部構造を小さくすることが可能となる。上部構造が小さくなると、上部構造のコンクリートや鉄筋を削減できるだけでなく、土留め工事、残土処理、埋め戻し工事などが少なくなるので、構築費用を低減できる。
実施形態1に係る杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す斜視図である。 実施形態1に係る杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す一部断面図である。 実施形態1に係る杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す平面図である。 参考形態に係る杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す斜視図である。 参考形態に係る杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す一部断面図である。 参考形態に係る杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す平面図である。 (a)は、本発明の接合構造の作用効果を確認するための解析モデルとして、2本の鋼管を鋼製リングで継いで構成した単純梁を示す断面図、(b)は、(a)のA−A´断面図、(c)は、鋼管と鋼製リングの接合部の拡大断面図である。 図7に示す単純梁に2点集中荷重Pを載荷した場合の構造解析結果を示す図である。 実施形態2を示し、上部構造との定着抵抗機構(U字状フック)を有する鋼棒を鉄筋の代わりに用いた場合の杭頭補強構造を示す側断面図である。 実施形態3を示し、上部構造との定着抵抗機構(定着板)を有する鋼棒を鉄筋の代わりに用いた場合の杭頭補強構造を示す側断面図である。 実施形態4を示し、上部構造との定着抵抗機構(スタッド)を有する鋼棒を鉄筋の代わりに用いた場合の杭頭補強構造を示す側断面図である。 実施形態5を示し、鋼製リングの直上部分にアンボンド材を塗布した場合の杭頭補強構造を示す斜視図である。 実施形態5に係る杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す一部断面図である。 (a)(b)(c)は、従来技術を示す断面図である。 (a)(b)は、従来技術を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図により説明する。
図1〜図3は本発明の実施形態1を示し、図4〜図6は本発明の参考形態を示す。各図において、図1と図4は、杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す斜視図、図2と図5は、杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す一部断面図、図3と図6は、杭頭補強部材を基礎杭の杭頭に固定した杭頭補強構造を示す平面図である。
図7は、本発明に係る接合構造の作用効果を確認するための解析モデルとして、2本の鋼管を継いだ単純梁13を示す断面図であり、図8は、図7に示す単純梁13に2点集中荷重Pを載荷した場合の構造解析の結果を示すグラフである。
また、図9〜図11は、本発明の実施形態2、3、4を示し、上部構造との定着抵抗機構(U字状フック、定着板またはスタッドなど)を有する鋼棒が鋼製リング2に溶接された杭頭補強構造を示す断面図である。
図1〜図3に示される実施形態1においては、杭頭補強部材1は、円筒形の鋼製リング2を有する。鋼製リング2は、基礎杭3の杭頭3aの外径より僅かに大きい内径を有する。本発明の主要な要素は、前記鋼製リング2と杭頭3aの僅かな間隙である。この僅かな間隙は、後に図7、図8により説明する解析結果から導かれる間隙寸法に基づいて決定されるものであり、この僅かな間隙にモルタル又はセメントペーストから選択される充填・固化材6を充填・固化することにより、基礎杭3と鋼製リング2を一体化することで、杭
頭接合部に要求される強度と剛性を発揮することが可能となる。ちなみに、この鋼製リング2の肉厚は、後述する基礎杭3の肉厚tと同厚又は同厚以下としてもよい。また、この鋼製リング2の長さL4は、かかる基礎杭3の外径Dとの間において以下の式(1)が成り立つ範囲において調整されていてもよい。
L4=D/2〜D/8・・・・・・・・・(1)
鋼製リング2の外側には、複数の鉄筋4の下端部が溶接により固定される。鉄筋4は上方に延び、その延びる長さはコンクリート製のフーチング基礎、地中梁、独立基礎等の基礎構造物への定着性を考慮して決定される。実施形態1に示す鉄筋4は、上部構造との定着性を向上させるための定着抵抗構造を有していないが、実施形態2、3、4として図9〜図11に示すように、鉄筋4に代わり上部構造との定着抵抗機構(U字状フック、定着板、スタッドなど)を有する鋼棒14を鋼製リング2に溶接してもよい。
すなわち、図9の実施形態2では、鋼製リング2の外側に、上部にU字状フック15を有する複数の鋼棒14の下端部が溶接により固定されている。図10の実施形態3では、鋼製リング2の外側に、上部に定着板16を有する複数の鋼棒14の下端部が溶接により固定されている。図11の実施形態4では、鋼製リング2の外側に、上部にスタッド17を有する複数の鋼棒14の下端部が溶接により固定されている。このようにU字状フック、定着板またはスタッドなどを有する鋼棒14を鉄筋4の代わりに用いた場合、鋼棒14の上方へ伸びる長さを短くでき、コンクリート製のフーチング基礎、地中梁、独立基礎等の基礎構造物を小さくできる。(なお、実施形態2〜4の他の構成は実施形態1と同じなので詳細説明を省略する)。
次に、図4〜図6に示される参考形態においては、杭頭補強部材1aは、円筒形の鋼製リング2aを有する。鋼製リング2aは、基礎杭3の杭頭3aの内径より僅かに小さい外径を有する。参考形態においても重要な要素は、前記鋼製リング2aと杭頭3aの間の僅かな間隙である。この僅かな間隙は、後に図7、図8で説明する試験結果から導かれる間隙寸法であり、この僅かな間隙にモルタル又はセメントペーストから選択される充填・固化材6を充填・固化することにより、基礎杭3と鋼製リング2を一体化することで、杭頭接合部に要求される強度と剛性を発揮することが可能となる。ちなみに、この鋼製リング2の肉厚は、後述する基礎杭3の肉厚tと同厚又は同厚以下としてもよい。また、この鋼製リング2の長さL4は、かかる基礎杭3の外径Dとの間において以下の式(1)が成り立つ範囲において調整されていてもよい。
L4=D/2〜D/8・・・・・・・・・(1)
鋼製リング2aの内側には、複数の鉄筋4の下端部が溶接により固定される。鉄筋4は上方に延び、その延びる長さはコンクリート製のフーチング基礎、地中梁、独立基礎等の基礎構造物への定着性を考慮して決定される。参考形態に示す鉄筋4は、上部構造との定着性を向上させるための定着抵抗機構を有していないが、実施形態2、3、4として図9〜図11に示したような、鉄筋4に代わり上部構造との定着抵抗機構(U字状フック、定着板、スタッドなど)を有する鋼棒14を鋼製リング2aに溶接してもよい。
すなわち、図9〜図11の実施形態2〜4では、鉄筋4の代わりに、鋼製リング2の外側に、上部にU字状フック15や定着板16またはスタッド17を有する複数の鋼棒14の下端部が溶接により固定されていることで、鋼棒14の上方へ伸びる長さを短くでき、コンクリート製のフーチング基礎、地中梁、独立基礎等の基礎構造物を小さくできることは前に説明したとおりであり、このような定着抵抗機構を参考形態に取り入れることができる。
本発明の主要素は、基礎杭3の杭頭3aと、その外周に嵌合する鋼製リング2または2aとの間に僅かな間隙寸法を形成することであるので、これを詳しく説明する。基礎杭3の杭頭3aとその外周に嵌合する鋼製リング2との間の間隙寸法ならびに、基礎杭3の杭頭3aとその内周に嵌合する鋼製リング2aとの間隙寸法は、これに充填・固化材6を充填したとき、基礎杭3と杭頭補強部材1または1aの円筒形の鋼製リング2または2aの曲げ応力の伝達性状に大きな影響を及ぼすとの知見を得た。
前記知見の実効性を数値解析により確認したので図7、図8によって説明する。図7に示すように、解析モデルとして左右2本の鋼管18を鋼製リング19とモルタル又はセメントペーストからなる充填・固化材6を用いて継いだ単純梁13を作り、この単純梁13を両端部の支点20で支持した上、鋼製リング19の両外側で集中荷重Pを左右2本の鋼管18に載荷した。
なお、左右の各鋼管18の外径は1000mm、管の肉厚(t)19.0mm、両支点20間の長さ(L)12500mm、各鋼管18の中央の管端部のクリアランス(G1)が4mm、各鋼管18の中央の端部から集中荷重Pの載荷点までの長さ(L1)2500mm、集中荷重Pの載荷点から各支点20までの長さ(L2)が3750mmである。また、鋼製リング19の外径は1048mm、1098mm、1138mmの何れかとし、長さ(L3)500mm、管の肉厚(t1)19.0mmである。また充填・固化材6を充填する間隙(G)を5mm、30mm、50mmと変化させた。これに伴い、鋼製リング19の外径を、(G)=5mmのとき(D)=1048mm、(G)=30mmのとき(D)=1098mm、(G)=50mmのとき(D)=1138mmと変化させた。
前記の単純梁13に荷重Pを2点集中載荷した場合の構造解析結果を図8に示す。図8によると、充填・固化材6を充填する間隙寸法(G)が50mmの場合は、間隙寸法(G)が5mm、30mmの場合に比べて強度、剛性ともに劣っていることが確認できる。このような性能低下は、間隙寸法(G)が大きいため、充填・固化材6が劣化し易く、また充填・固化材6の劣化が接合部耐力に大きな影響を及ぼすからである。鋼管と鋼製リングを充填・固化材で固化・一体化した接合部の耐力低下を防止するために、従来は充填・固化材の充填部にズレ止めが用いられていることが多い。
前記のとおり従来技術では、鋼管と鋼製リングの接合部の耐力低下を防止する手段としては、専らズレ止め若しくはリブ付き鋼管を用いることが一般的であり、充填・固化材もコンクリートであることが多い。そのため、ズレ止め若しくはリブ付き鋼管があっても内側に充填・固化材を注入できるような空間が鋼管と鋼製リングの間に必要(例えば、100mm程度以上)であったが、本発明では、ズレ止め若しくはリブ付き鋼管がなくても接合部の耐力を十分に確保するため、鋼管と鋼製リングの間隙寸法を小さくすることを考えている。
前記の間隙寸法の大きさは、これに充填する充填・固化材6の流動性とも関係するため、これについて説明する。本発明では、基礎杭3の杭頭3aと鋼製リング2または2aが作る空間形状での間隙寸法(G)の最小値として、流動性試験の漏斗値が6秒±2秒であるモルタルの場合、間隙寸法(G)を5mmとし、漏斗値が7秒±2秒であるセメントペーストの場合、3mmが望ましいことを充填施工試験にて確認している。
前記の試験結果から、本発明では間隙寸法(G)の最小値を3mmとし、最大値を30mmの範囲に設定している。なお、3mm〜30mmの間隙寸法は、杭頭3aと鋼製リング2または2aが同心円に配置されていて円周方向に均等間隙が形成されている場合に限定されるものではない。例えば、基礎杭の周長Lに対し90%以上の部分が3〜30mm
であればよく、残りの基礎杭の周長Lに対する10%以下の部分が、上記3〜30mmの範囲を逸脱していても本発明の所期の作用効果を奏することができる。
杭頭補強部材1は、工場等で予め形成しておく。基礎杭3の杭頭3aが露出するように地盤を根切りし、杭頭補強部材1を基礎杭3の杭頭3aに嵌挿し、杭頭補強部材1の鋼製リング2の内側と杭頭3aの外側との間隙に、モルタル又はセメントペーストの何れかの充填・固化材6を充填し固化させ、杭頭補強部材1と杭頭3aを一体に接合して杭頭補強構造を形成する。杭頭補強部材1と杭頭3aとの間隙が僅かであるため、その間隙に充填される充填・固化材6の量を少なくすることができ、かつ、地震等により水平力が杭頭に作用した場合、その水平力が僅かな間隔の充填・固化材6を介してスムーズに杭頭補強部材1へ伝達されるので、充填・固化材6に大きなせん断耐力を必要とせず、充填・固化材6として一般的なモルタル又はセメントペーストの何れかを使用できる。
参考形態の杭頭補強部材1aについても前記と同じで、工場等で予め形成しておく。基礎杭3の杭頭3aが露出するように地盤を根切りし、杭頭補強部材1aを基礎杭3の杭頭3aに嵌挿し、杭頭補強部材1aの鋼製リング2aの外側と杭頭3aの内側との間隙に、モルタル又はセメントペーストの何れかの充填・固化材6を充填し固化させ、杭頭補強部材1aと杭頭3aを一体に接合して杭頭補強構造を構成する。杭頭補強部材1aと杭頭3aとの間隙が僅かであるため、その間隙に充填される充填・固化材の量を少なくすることができ、かつ、地震等により水平力が杭頭に作用した場合、その水平力が僅かな間隔の充填・固化材を介してスムーズに杭頭補強部材1aへ伝達されるので、充填・固化材に大きなせん断耐力を必要とせず、一般的な充填・固化材を使用できる点は実施形態1と同じである。
杭頭補強部材1または1aの鋼製リング2または2aから上に延びる鉄筋4の部分に型枠を設置し、基礎構造物の鉄筋を配筋して、コンクリートを打設して杭頭3aと基礎構造等の上部構造とを一体に接合する。
この基礎構造においては、軸力は基礎杭3が負担し、杭頭補強部材1は、曲げ応力に対してのみ負担する。図12,13(実施形態5)に示すように、杭頭補強部材1の鉄筋4の鋼製リング2の直上部分にアンボンド材5を塗布するようにしてもよい。これにより、地震等により水平力が杭頭3aに作用した際、杭頭補強部材1の鉄筋4のアンボンド材5を塗布した部分が基礎構造物のコンクリートとの付着がないため、一定以上の曲げモーメントが負荷されるとその部分が降伏し、杭頭3aや地中梁等の基礎構造物に作用する曲げモーメントの大きさを低減できるため、杭頭3aや地中梁等の基礎構造物の断面を小さくすることができる。また、このアンボンド材5の数や長さを調整することにより、基礎構造物に作用する曲げモーメントの大きさ自体を制御することも可能となる。なお、鉄筋4(鋼棒14)のうちアンボンド材5が塗布されている部分の断面積は、設計の仕様に応じて予め調整されていてもよい。参考形態の場合も、杭頭補強部材1aの鉄筋4の鋼製リング2の直上部分にアンボンド材5を塗布することにより、実施形態5と同様の作用効果を奏する。
1、1a 杭頭補強部材
2、2a 鋼製リング
3 基礎杭
3a 杭頭
4 鉄筋
5 アンボンド材
6 充填・固化材
7 基礎構造物
8 鉄筋籠
9 ひげ鉄筋
10 補強環
11 間隔保持部材
12 コンクリート
13 単純梁
14 鋼棒
15 U字状フック
16 定着板
17 スタッド
18 鋼管
19 鋼製リング
20 支点

Claims (3)

  1. 基礎杭の杭頭の外径より僅かに大きな内径を有する円筒形の鋼製リングの外周に、上部構造との接続のための複数の鉄筋を上方に延びるように溶接した杭頭補強部材が、その円筒形の鋼製リングを基礎杭の杭頭に嵌挿し、基礎杭の杭頭外側と杭頭補強部材の内側との間にモルタル又はセメントペーストから選択される充填・固化材を充填し固化することにより接合され、
    前記円筒形の鋼製リングに溶接された鉄筋の鋼製リング直上の部分にアンボンド材が塗布され、一定以上の曲げモーメントが付加された場合に前記アンボンド材が塗布された部分を降伏させ、前記基礎杭の杭頭に負荷される曲げモーメントの大きさを低減させることを特徴とする杭頭補強構造。
  2. 基礎杭の杭頭と杭頭補強部材の僅かな間隙寸法は、前記基礎杭の周長Lに対し90%以上の部分が3〜30mmであることを特徴とする請求項1記載の杭頭補強構造。
  3. 前記円筒形の鋼製リングに、鉄筋に代えて上部構造との定着抵抗機構を有する鋼棒が溶接され、前記鋼棒の鋼製リング直上の部分にアンボンド材が塗布されてなること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の杭頭補強構造。
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