JP2009091771A - 被覆材除去ツール - Google Patents

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泰弘 小林
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Abstract

【課題】 作業者に対する作業負担を軽減して構造物の外面や内面を被覆した被覆材を短時間で除去することのできる被覆材除去ツールを提供することを課題とする。
【解決手段】 構造物の外面又は内面を被覆した被覆材を除去するための被覆材除去ツールであって、駆動モータと、該駆動モータの出力を受けることで回転動作又は往復動作して被覆材を除去する除去手段を有する先端工具と、一方向を長手にして延びるように形成されるとともに、長手方向の一端側が駆動モータに連結された本体と、作業者の肩に載置可能に構成されたショルダーパッドとを備え、前記先端工具は、駆動モータの出力を除去手段に伝達可能に本体の長手方向の他端側に取り付けられ、前記本体は、先端工具及び駆動モータのそれぞれが作業者の前後に位置するようにショルダーパッドの上面に直接的又は間接的に支持されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物の外面や内面を被覆したアスベストや塗装、コーティング等の被覆材を除去するための被覆材除去ツールに関する。
従来から、建物等の構造物は、保温・断熱・耐火・腐食防止等といった目的に応じた被覆材によって外面や内面が被覆されるのが一般的である。
このため、構造物を解体したりリフォームしたりするに際し、被覆材を除去するといった作業を伴う場合がある。
かかる作業は、一般的に、手持ち式の除去ツールを用いて手作業によって行われる。すなわち、作業者は、除去ツールとして、スクレーパーやブラシを用いたり、電動サンダー等の駆動モータを備えたハンドツールを用いたりして被覆材の除去作業を行っている。
ところで、上述のように被覆材を除去する際、作業者は、構造物を被覆した被覆材と向かい合うように位置した状態で、除去ツールを被覆材に擦りつけて除去作業を行うことになるが、除去作業の対象となる位置によっては作業者に過度の負担を負わせる姿勢で作業を行わなければならない場合がある。
すなわち、除去作業の対象となる領域が高い位置にあると、作業者は上向きの姿勢で連続的に作業を行わなければならず、また、除去作業の対象となる領域が低い位置にあると、作業者は低い姿勢(例えば、かがんだ姿勢)で連続的に作業を行わなければならない。そのため、作業者は、無理な姿勢で長期に亘って連続的な作業を行うことが余儀なくされ、作業者に対する作業負担が大きいといった問題がある。
また、ハンドツールによる作業は、ハンドツールが駆動モータを備えているため、スクレーパーやブラシを用いて手作業で行うよりも被覆材をスピーディーに除去することができるが、重量の重いハンドツールを手持ちで操作しなければならないため、作業者に対して過度の負担を与えてしまう。
特に、除去する対象がアスベストである場合、周辺に対する安全性確保といった観点から、アスベストの飛散を防止できるように除去作業を行う作業領域が密閉に近い状態にされるため、過酷な作業環境となる。そのため、上述のような作業負担を作業者に負わせると、作業者に対する作業負担がより顕著に増大するといった問題がある。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、作業者に対する作業負担を軽減して構造物の外面や内面を被覆した被覆材をスピーディーに除去することのできる被覆材除去ツールを提供することを課題とする。
本発明は、構造物の外面又は内面を被覆した被覆材を除去するための被覆材除去ツールであって、駆動モータと、該駆動モータの出力を受けることで回転動作又は往復動作して被覆材を除去する除去手段を有する先端工具と、一方向を長手にして延びるように形成され、長手方向の一端側が駆動モータに連結された本体と、作業者の肩に載置可能に構成されたショルダーパッドとを備え、前記先端工具は、駆動モータの出力を除去手段に伝達可能に本体の長手方向の他端側に取り付けられ、前記本体は、先端工具及び駆動モータのそれぞれが作業者の前後に位置するようにショルダーパッドの上面に直接的又は間接的に支持されていることを特徴とする。
上記構成の被覆材除去ツールによれば、先端工具の除去手段が駆動モータの出力を受けて作動する(回転動作又は往復動作)ので、被覆材をスピーディーに除去することができる。そして、該被覆材除去ツールは、作業者の肩に載置可能に構成されたショルダーパッドに本体が支持されているので、当該被覆材除去ツールの荷重を肩で受けることができ、作業者の両手に対する負担を軽減することができる。
特に、該被覆材除去ツールは、先端工具及び駆動モータのそれぞれが作業者の前後に位置するように前記本体がショルダーパッドの上面に直接的又は間接的に支持されているので、駆動モータと先端工具の荷重が作業者の前後の何れかに偏って作用することがない。すなわち、駆動モータや先端工具の重量は、該被覆材除去ツールの全体重量に対して占める割合が大きい重量物であるが、作業者の体(肩)を基準にこれらを前後に振り分けることで作業者にとって良好な重量バランスとなる。これにより、被覆材除去ツールの荷重が作業者(肩)にバランスよく作用することになり、作業者に対する荷重負担が軽減されるとともに被覆材除去ツールの操作性を向上させることができる。
また、本発明の一態様として、前記先端工具は、本体の他端側に着脱自在に構成されていることが好ましい。このようにすれば、作業状況や作業内容に応じた先端工具に取り換えることができる。
本発明の他態様として、前記本体は、筒体で構成されるとともに駆動モータの出力軸が内挿され、前記先端工具は、除去手段を回転動作又は往復動作させるための入力軸を備え、該入力軸が前記出力軸に作動的に連結されてもよい。このように駆動モータの出力軸が本体に内挿されることで、先端工具(除去手段)を作動可能としつつも出力軸を覆う安全カバー等を設ける必要がなく、装置の小型化や軽量化を図ることができる。
また、本発明の別の態様として、本体の長手方向に延びる第一の軸心と直交する第二の軸心周りで回転可能に本体の他端部に連設され、第二の軸心と直交する第三の軸心周りで回転可能な伝達軸が内挿された首振部と、前記出力軸の回転を伝達軸に伝達する出力伝達機構とをさらに備え、前記先端工具は、除去手段を回転動作又は往復動作させるための入力軸を備え、該入力軸が前記伝達軸に作動的に連結されてもよい。このようにすれば、除去手段を作動可能にしつつも首振部を回転させることができる。これにより、除去の対象となる被覆材に対向するように先端工具(除去手段)の向きを変更することができる。
この場合、前記本体は、第一の軸心周りで回転可能に構成されていることが好ましい。このようにすれば、首振部を回転させて先端工具の向きを変更した上で本体を第一の軸心周りで回転させることで先端工具の向きの変更範囲が拡大され、作業効率をより向上させることができる。
そして、本発明のさらに別の態様として、本体とショルダーパッドの上面とを連結する連結体をさらに備え、該連結体は、本体を第一の軸心方向にスライド可能に支持するように構成されていることが好ましい。このようにすれば、本体をスライドさせることで先端工具が前後方向に移動するので、作業者が移動しなくても先端工具を除去の対象となる被覆材に接近させることができる。
また、本発明のさらに別の態様として、本体とショルダーパッドの上面とを連結する連結体をさらに備え、該連結体は、本体を傾動可能に支持するように構成されていることが好ましい。このようにすれば、本体を傾動させることで先端工具が上下方向に移動するので、先端工具の配置の変更範囲が拡大され、作業効率をより向上させることができる。
本発明のさらに別の態様として、本体とショルダーパッドの上面とを連結する連結体をさらに備え、該連結体は、ショルダーパッドが着脱可能に構成されるとともに、走行可能な台車が備える上下方向に伸縮可能な伸縮機構の上端部に設けられたツール取付部に連結可能に構成されてもよい。このようにすれば、ショルダーパッドを肩に載置した状態で被覆材の除去作業を行うことのできない高所に対し、足場等を構築することなく除去作業を行うことができる。すなわち、ショルダーパッドを連結体から取り外した上で、該連結体を伸縮機構の上端部に設けられたツール取付部に連結させると、本体は、第一の軸心が伸縮機構の軸心に対して交差するように配置される。そして、伸縮機構を伸長させると本体とともに先端工具が上昇することになる。従って、先端工具が上昇した状態で除去手段を作動させることで、高所にある被覆材を円滑に除去することができる。
本発明に係る被覆材除去ツールによれば、作業者に対する作業負担を軽減して構造物の外面や内面を被覆した被覆材をスピーディーに除去することができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の一実施形態に係る被覆材除去ツールについて、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の被覆材除去ツールは、構造物の外面や内面を被覆したアスベストや塗装、コーティング等の種々の被覆材を除去の対象とするが、本実施形態においては、アスベストの除去を対象とする被覆材除去ツールについて説明することとする。
本実施形態に係る被覆材除去ツールは、構造物の外面又は内面(壁面や天井面)を被覆したアスベストを除去するためものであり、図1及び図2に示す如く、駆動モータ10と、該駆動モータ10の出力を受けることで回転動作又は往復動作して被覆材を除去する除去手段201a(201b,201c,201d)を有する先端工具20a(20b,20c,20d)と、一方向を長手にして延びるように形成されるとともに、長手方向の一端側が駆動モータ10に連結された本体30と、作業者Wの肩に載置可能に構成されたショルダーパッド40とを備えている。
前記駆動モータ10は、エアーモータや電動モータを採用することができるが、本実施形態においては除去の対象がアスベストであるため、粉塵を飛散させる排気が必要なエアーモータを使用せずに電動モータが採用されている。そして、駆動モータ10の電源は、充電池であってもよいが、アスベストを除去する領域が一般的に広大であり、また一般的にAC電力供給が可能であることから、本実施形態においては、AC電源が採用されている。そして、前記駆動モータ10は、略全体(出力軸S及びその近傍を除く)がカバー100で覆われており、作業後にカバー100を水洗いすることで付着したアスベストを洗い流すことができるようになっている。
本実施形態においては、前記駆動モータ10に出力軸Sを貫通させたドーナツ板状のフランジ体101が取り付けられており、該フランジ体101に対してカバー100が取り付けられている。
前記カバー100は、外面が凹凸のない均一面になっており、アスベストの付着(凹凸へのアスベストの入り込み)を防止するようにもなっている。なお、図示しないが、駆動モータ10のON/OFFの切り換えは、該被覆材除去ツール1の何れかの箇所(例えば、カバー100の外面、後述のハンドルH)に設けられたスイッチ、或いは、駆動モータ10に接続された電線上に設けられたスイッチ等により行われる。
先端工具20a(20b,20c,20d)は、駆動モータ10の出力を除去手段201a(201b,201c,201d)に伝達可能に本体30の長手方向の他端側に着脱自在に取り付けられるようになっている。そして、該先端工具20a(20b,20c,20d)は、除去手段201a(201b,201c,201d)を回転動作又は往復動作させるための入力軸200a(200b,200c,200d)を備えており、該入力軸200a(200b,200c,200d)が駆動モータ10の出力軸Sに対して作動的に連結されるように構成されている。
ここで先端工具20a(20b,20c,20d)について具体的に説明すると、本実施形態においては、図3(a)〜図3(d)に示す如く、アスベストの除去の程度が異なる四つの先端工具20a,20b,20c,20dが用意されている。なお、以下の説明において、便宜上、各先端工具20a,20b,20c,20dを、第一先端工具20a、第二先端工具20b、第三先端工具20c、及び第四先端工具20dということとし、これらの全てを対象とする場合には、総称して単に先端工具20a,20b,20c,20dということとする。また、後述する第一入力軸200a、第二入力軸200b、第三入力軸200c、及び第四入力軸200dの全てを対象とする場合には、これらを総称して単に入力軸200a,200b,200c,200dといい、後述する第一除去手段201a、第二除去手段201b、第三除去手段201c、及び第四除去手段201dの全てを対象とする場合には、これらを総称して単に除去手段201a,201b,201c,201dということとする。
前記第一先端工具20aは、図3(a)に示す如く、入力軸(以下、第一入力軸という)200aと、第一入力軸200aの一端に連設された除去手段(以下、第一除去手段という)201aとを備えている。前記第一入力軸200aは、後述する伝達軸と同心で連結できるように構成されており、本実施形態においては、後述するワンタッチ継手のボールを嵌入させるための凹部202a…が外周に形成されている。前記凹部202a…は、断面半円状をなしており、ワンタッチ継手のボールの配置に対応するように第一入力軸200aの周方向に間隔をあけて複数箇所に形成されている。第一入力軸200aには、該第一入力軸200aの軸心周りの回転力を伝達するためのキー203aが設けられている。該キー203aは、第一入力軸200aの軸心と同方向に延びて第一入力軸200aの外周から外側に突出するように設けられている。また、第一入力軸200aの一端には、第一除去手段201aを固定するための雄ねじ部204aが突設されている。
前記第一除去手段201aは、円板状のプレート(以下、第一プレートという)205aと、該第一プレート205aの一方の面に凸設された複数の爪206a…とで構成されている。前記第一プレート205aは、第一入力軸200aと同心をなすように該第一入力軸200aの他端側に固定されている。本実施形態に係る第一プレート205aは、該第一プレート205aに挿通した第一入力軸200aの雄ねじ部204aにナット207aを螺合させることで固定されている。前記複数の爪206a…は、それぞれ第一プレート205aの他方の面に立設された金属片で構成されており、第一プレート205aの中心を基準にして放射状に配置されている。これにより、該第一先端工具20aは、第一入力軸200aを回転させることに第一除去手段201a(複数の爪206a…)を回転動作させて被覆材であるアスベストを壁面や天井面から掻き落として除去するようになっている。
前記第二先端工具20bは、図3(b)に示す如く、入力軸(以下、第二入力軸という)200bと、第二入力軸200bの一端に連設された除去手段(以下、第二除去手段という)201bとを備えている。該第二先端工具20bは、第一先端工具20aと取り換えられるものであるため、前記第二入力軸200bは、前記第一入力軸200aと同一の構成になっている。すなわち、第二入力軸200bは、前記伝達軸と同心で連結できるように構成されており、本実施形態においては、ワンタッチ継手のボールを嵌入させるための凹部202b…が外周に形成されている。前記凹部202b…は、断面半円状をなしており、ワンタッチ継手のボールの配置に対応するように第二入力軸200bの周方向に間隔をあけて複数箇所に形成されている。そして、第二入力軸200bには、該第二入力軸200bの軸心周りの回転力を伝達するためのキー203bが設けられている。該キー203bは、第二入力軸200bの軸心と同方向に延びて第二入力軸200bの外周から外側に突出するように設けられている。また、第二入力軸200bの一端には、第二除去手段201bを固定するための雄ねじ部204bが突設されている。
前記第二除去手段201bは、円板状のプレート(以下、第二プレートという)205bと、該第二プレート205bの一方の面に積層された砥石206bとで構成されている。前記第二プレート205bは、第二入力軸200bと同心をなすように該第二入力軸200bの他端側に固定されている。本実施形態に係る第二プレート205bは、該第二プレート205bに挿通した第二入力軸200bの雄ねじ部204bにナット207bを螺合させることで固定されている。前記砥石206bは、第二プレート205bの他方の面の全面又は第二プレート205bの他方の面の中央部を除くドーナツ状の領域に設けられている。これにより、該第二先端工具20bは、第二入力軸200bを回転させることに第二除去手段201b(砥石206b)を回転動作させて被覆材であるアスベストを壁面や天井面から削り落として除去するようになっている。
前記第三先端工具20cは、図3(c)に示す如く、入力軸(以下、第三入力軸という)200cと、第三入力軸200cの一端に連設された除去手段(以下、第三除去手段という)201cとを備えている。該第三先端工具20cは、第一先端工具20a及び第二先端工具20bと取り換えられるものであるため、前記第三入力軸200cは、前記第一入力軸200a及び第二入力軸200bと同一の構成になっている。すなわち、第三入力軸200cは、前記伝達軸と同心で連結できるように構成されており、本実施形態においては、ワンタッチ継手のボールを嵌入させるための凹部202c…が外周に形成されている。前記凹部202c…は、断面半円状をなしており、ワンタッチ継手のボールの配置に対応するように第三入力軸200cの周方向に間隔をあけて複数箇所に形成されている。そして、第三入力軸200cには、該第三入力軸200cの軸心周りの回転力を伝達するためのキー203cが設けられている。該キー203cは、第三入力軸200cの軸心と同方向に延びて第三入力軸200cの外周から外側に突出するように設けられている。また、第三入力軸200cの一端には、第三除去手段201cを固定するための雄ねじ部204cが突設されている。
前記第三除去手段201cは、円板状のプレート(以下、第三プレートという)205cと、該第三プレート205cの一方の面に植設された多数の線材206c…(毛)とで構成された、いわゆるブラシである。前記第三プレート205cは、第三入力軸200cと同心をなすように該第三入力軸200cの他端側に固定されている。本実施形態に係る第三プレート205cは、該第三プレート205cに挿通した第三入力軸200cの雄ねじ部204cにナット207cを螺合させることで固定されている。前記多数の線材206c…は、金属、樹脂等を採用することができるが、本実施形態においては、アスベストの確実な除去を目的に金属製のものが採用されている。該多数の線材206c…は、第三プレート205cの他方の面の中央部を除くドーナツ状の領域に植設されている。これにより、該第三先端工具20cは、第三入力軸200cを回転させることに第三除去手段201c(線材206c…)を回転動作させて被覆材であるアスベストを壁面や天井面から削り落として除去するようになっている。
このように第一乃至第三先端工具20a,20b,20cは、除去手段201a,201b,201cを入力軸200a,200b,200cの軸心周りで回転動作させることでアスベストを除去できるように構成されている。
これに対し、第四先端工具20dは、図3(d)に示す如く、入力軸(以下、第四入力軸という)200dと、第四入力軸200dの回転を往復動作に変換する動作変換機構210dと、該動作変換機構210dに連結された除去手段(以下、第四除去手段という)201dとを備えており、第四除去手段201dを往復動作させることによってアスベストを除去するようになっている。
第四先端工具20dは、第一先端工具20a、第二先端工具20b、及び第三先端工具20cと取り換えられるものであるため、前記第四入力軸200dは、前記第一入力軸200a、第二入力軸200b及び第三入力軸200cと同一の構成になっている。すなわち、第四入力軸200dは、前記伝達軸と同心で連結できるように構成されており、本実施形態においては、ワンタッチ継手のボールを嵌入させるための凹部202d…が外周に形成されている。前記凹部202d…は、断面半円状をなしており、ワンタッチ継手のボールの配置に対応するように第四入力軸200dの周方向に間隔をあけて複数箇所に形成されている。そして、第四入力軸200dには、該第四入力軸200dの軸心周りの回転力を伝達するためのキー203dが設けられている。該キー203dは、第四入力軸200dの軸心と同方向に延びて第四入力軸200dの外周から外側に突出するように設けられている。
前記動作変換機構210dは、回転運動を直線運動に変換するリンク機構が採用されている。具体的には、該動作変換機構(リンク機構)210dは、前記第四入力軸200dの一端に偏心して設けられた第一ピン211dと、該第一ピン211dに一端部が連結されたリンク212dと、該リンク212dの他端部に連結されるとともに、第四入力軸200dの軸心と直交する直線上で案内される第二ピン213dと備えている。そして、第四先端工具20dは、動作変換機構210dを内装するケーシング214dを備えており、該ケーシング214dに設けられたガイド(図示しない)によって第二ピン213dが前記直線上で案内されるようになっている。なお、ケーシング214dは、第四入力軸200dが伝達軸に連結された状態で、後述する首振部31と当接し、第四入力軸200dの軸心周りで回転不能になるように構成されている。
前記第四除去手段201dは、軸部215dと、該軸部215dの先端に連設されたヘラ部216dとで構成される、いわゆる、スクレーパーである。そして、該スクレーパー201dは、ヘラ部216dを外部に位置させた状態で軸部215dがケーシング214d挿通され、該軸部215dが第二ピン213dに連結されている。そして、該軸部215dについてもケーシング214dに設けられたガイド(図示しない)によって第二ピン213dと同方向に案内されるようになっている。本実施形態に係る第四先端工具20dは、第二ピン213dが連結されるとともに該第二ピンと同方向に移動(スライド)可能なスライド体217dがケーシング214dに内装されており、該スライド体217dにスクレーパー201dの軸部215dが軸心方向にスライド可能に内挿されるとともにスクレーパー201dを外側に向けて付勢する付勢手段218dが内装されている。これにより、第四先端工具20dは、スライド体217dとともにスクレーパー201dが往復動作し、被覆材を除去する際にスクレーパー201dに過度の負担が生じたときにスクレーパー201dが適宜スライドするようになっている。
これにより、該第四先端工具20dは、第四入力軸200dを回転させることで、動作変換機構210dを介して第四除去手段(スクレーパー)201dを往復動作させて被覆材であるアスベストを壁面や天井面から削り落として除去するようになっている。
図2に戻り、本体30について説明すると、前記本体30は、先端工具20a,20b,20c,20d及び駆動モータ10のそれぞれが作業者Wの前後に位置するようにショルダーパッド40の上面に直接的又は間接的に支持されている。該本体30は、一方向が長手になす筒体(径方向と直交する長さ方向が長手をなす筒体)で構成されており、本実施形態においては円筒体で構成されている。該本体30は、駆動モータ10の出力軸Sが内挿され、長手方向の一端が駆動モータ10に連結されている。なお、本実施形態においては、駆動モータ10にフランジ体101が取り付けられているので、本体30の一端はフランジ体101を介して駆動モータ10に連結されている。該本体30は、樹脂やアルミ合金等といった軽量な材料で構成され、装置の軽量化が図られている。また、前記本体30は、カバー100と同様に、外面が凹凸のない均一面になっており、アスベストの付着(凹凸へのアスベストの入り込み)を防止するようにもなっている。
そして、本実施形態において、上述の如く、駆動モータ10に出力軸Sの長さが規定長さに設定された汎用モータが採用されているため、出力軸Sの回転を本体30の他端側に取り付けられる先端工具20a,20b,20c,20dに伝達できるように、本体30内には、カップリングCを介して出力軸Sに略同心で連結された回転軸S1が内装されている。そして、本体30内で回転軸S1が安定して高速回転できるよう、本体30内には長手方向に間隔をあけて少なくとも二カ所にベアリングB,Bが嵌入されている。これにより、回転軸S1は、ベアリングB,Bを介して本体30に対して回転自在に支持されている。なお、本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、本体30の一端側においては駆動モータ10の出力軸Sと回転軸S1とを連結するカップリングCをベアリングBで支持することで、回転軸S1を間接的に支持する一方、本体の他端側においては回転軸S1をベアリングBで直接支持している。
本実施形態において、前記本体30の他端部には、本体30の長手方向の延びる軸心(以下、第一の軸心という)CL1と直交する軸心(以下、第二の軸心という)CL2周りで回転可能な前記首振部31が連設されている。これに伴い、前記本体30の他端には、図4(a)及び図4(b)に示す如く、首振部31を枢結するためのピン310を軸支するための一対の第一突片311,311が延設されている。該一対の第一突片311,311は、互いに対向しており、前記ピン310を挿通するための貫通穴312が互いに同心となるように穿設されている。
該首振部31は、前記入力軸200a,200b,200c,200dが略同心で連結される前記伝達軸313が第二の軸心CL2と直交する軸心(以下、第三の軸心という)CL3周りで回転可能に内挿されている。具体的には、首振部31は、筒状に形成されており、本体30側になる一端に前記ピン310を軸支するための一対の第二突片314,314が延設されている。該一対の第二突片314,314は、互いに対向しており、前記ピン310を挿通するための貫通穴315が互いに同心となるように穿設されている。該首振部31は、一対の第二突片314,314間に第一突片311,311を介在させた状態でこれらの貫通穴312,315にピン310が挿通されることで、該ピン310(第二の軸心CL2)周りで回転できるようになっている。なお、該首振部31は、一対の第二突片314,314に対して貫通穴315周りで所定角度毎に位置決穴316…が穿設されており、前記一対の第一突片311,311を貫通した位置決ピン317が位置決穴316…に挿入されることで、ピン310周りで回転した状態で位置決めされるようになっている。また、本実施形態に首振部31は、本体30の他端の下部に延設された位置決片318に当接する(下部が受けられる)ことで本体30の第一の軸心CL1と同心となった姿勢で維持し、前記ピン310を中心にして上方側にのみ回転できるようになっている。
該首振部31は、内部に伝達軸313を軸支するためのベアリングB,Bが嵌入されている。前記伝達軸313は、本体30側に位置する一端部に後述する出力伝達機構32の一構成である傘歯車(第二傘歯車)321が同心で連設されており、前記ワンタッチ継手33が首振部31の外側に位置するように他端部に連設されている。
前記ワンタッチ継手33は、前記入力軸200a,200b,200c,200dが挿入される筒状部330と、該筒状部330に対して軸心方向にスライド可能に外嵌された筒状のスライド体331とを備えている。前記筒状部330は、伝達軸313側の一端部の外周に鍔部332が形成されるとともに、スライド体331と鍔部332との間にコイルバネ333が外嵌されている。そして、該筒状部330の他端側には、スライド体331に対する抜け止め334が設けられている。これにより、スライド体331はコイルバネ333による付勢によって常態において筒状部330の他端側に位置し、コイルバネ333の付勢に抗して筒状部330の一端側にスライドできるようになっている。
前記筒状部330は、周壁に前記ボール335が嵌め込まれる穴336が内外を貫通するように形成されている。そして、該筒状部330は、前記ボール335の外径よりも薄肉に形成されており、穴336に嵌め込まれたボール335の一部が内面又は外面の何れか一方から突出するようになっている。前記穴336は、ボール335の一部が内部に突出させつつも内側に脱落することが防止される一方で、ボール335が外側に移動できるように形状設定されている。また、筒状部330の内周面には、他端から一端に向けて延びるキー溝337が形成されており、先端工具20a,20b,20c,20dの入力軸200a,200b,200c,200dに設けられたキー203a,203b,203c,203dを軸心方向にスライドさせつつ嵌合できるようになっている。
前記スライド体331は、内周面が筒状部330の外周面に摺接した状態でスライドできるように形成されており、内周面の筒状部330の他端側に対応する部位に周方向に間隔をあけて複数の凹部(以下、ボール退避用凹部という)338…が形成されている。該ボール退避用凹部338…は、少なくとも筒状部330から突出するボール335の一部を収容できる深さに設定されており、スライド体331を筒状部330の一端側(鍔部332側)にスライドさせたときに、筒状部330の穴336と対向するようになっている。これにより、コイルバネ333に付勢された状態において、筒状部330の穴336に嵌め込まれたボール335がスライド体331の内周面に押されて筒状部330の内部に突出する一方、スライド体331をスライドさせて筒状部330の穴336とスライド体331のボール退避用凹部338…とが対向した状態で、ボール335のスライド体331側への移動が許容され、該ボール335が筒状部330の内部から退避できるようになっている。
これにより、このワンタッチ継手33は、スライド体331をスライドさせた状態で入力軸200a,200b,200c,200dを筒状部330に抜き差しすることで、ボール335が入力軸200a,200b,200c,200dに押されてスライド体331側に移行し、入力軸200a,200b,200c,200dの凹部202a…が筒状部330の穴336と対向する位置まで入力軸200a,200b,200c,200dを挿入できるように構成されている。そして、該ワンタッチ継手33は、スライド体331のスライドを解除してスライド体331が常態の位置に戻ると、ボール335がスライド体331の内面に押されてボール335の一部が筒状部330の内部、すなわち、筒状部330に挿入した入力軸200a,200b,200c,200dの凹部202a…,202b…,202c…,202d…に入り込んで入力軸200a,200b,200c,200dの抜け止めがなされ、キー203a,203b,203c,203dとキー溝337との嵌合で第三の軸心CL3周りの回転力が伝達できるように構成されている。このように上記構成のワンタッチ継手33は、先端工具20a,20b,20c,20dの入力軸200a,200b,200c,200dと伝達軸313とをワンタッチで連結できるようになっている。
そして、本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、本体30に対して首振部31が回転可能に設けられているため、駆動モータ10の出力軸S(本体30に内装された回転軸S1)の回転を、本体30に対して回転(傾動)する首振部31に内挿された伝達軸313に伝達するための出力伝達機構32を備えている。
前記出力伝達機構32は、本体30に内装された回転軸S1の他端に同心で連設される第一傘歯車320と、前記伝達軸313に連設された第二傘歯車321と、首振部31の回転中心(第二の軸心CL2)上で回転自在に設けられ、前記第一傘歯車320及び第二傘歯車321が噛合した第三傘歯車322とで構成されている。なお、本実施形態に係る第三傘歯車322は、本体30と首振部31とを枢結した前記ピン310周りに回転自在に設けられている。これにより、該出力伝達機構32は、首振部31(伝達軸313)がピン310周りで回転しても、第二傘歯車321が第三傘歯車322に対して噛合状態を維持することができ、駆動モータ10の出力を伝達軸313に伝達できるようになっている。
図1及び図2に戻り、前記ショルダーパッド40は、作業者Wの肩に載置した状態で、概ね該肩に沿うように湾曲形状に設定されている。すなわち、ショルダーパッド40は、断面略逆U字状に形成されている。該ショルダーパッド40についても、軽量化を図るべく、樹脂やアルミ合金等といった軽量な材料で成形されている。
そして、前記本体30は、ショルダーパッド40に直接的に連結されてもよいが、本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、本体30とショルダーパッド40の上面とを連結する連結体35を備えている。
前記連結体35は、本体30を長手方向にスライド可能且つ傾動可能に支持するように構成されている。具体的には、本実施形態に係る連結体35は、ショルダーパッド40に固定された連結ベース350と、本体30が第一の軸心CL1方向にスライド可能に挿通された筒状の本体取付部351と、本体取付部351を傾動可能に連結ベース350に連結したヒンジ部352とを備えている。本実施形態において、上述の如く、本体30が円筒体で構成されているため、これに伴って本体取付部351の内穴は本体30の外形に対応して円形状に形成されている。これにより、本体30は、第一の軸心CL1方向にスライド可能に構成されるとともに、第一の軸心CL1周りでも回転可能になっている。
そして、前記ヒンジ部352は、連結ベース350に直接的又は間接的に取り付けられる一対の支持片352aと、本体取付部351に連設されたリブ体352bと、一対の支持片352aとリブ体352bとを枢結するピン体352cとを備えている。
前記一対の支持片352aは、間隔をあけて互いに対向するように形成されており、互いの下端同士が板状のフレーム352dによって連結されている。そして、該一体の支持片352aには、前記ピン体352cを挿通するための貫通穴319aが穿設されている。前記リブ体352bは、一対の支持片352a間に介装されており、前記ピン体352cを挿通するための貫通穴319bが穿設されている。これにより、本実施形態に係る連結体35は、貫通穴319a,319bに挿通したピン体352c周りで前記リブ体352b(本体取付部351)が回転することで、本体30が傾動できるようになっている。
本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、本体30が一方向に長手をなすように形成され、該本体30にショルダーパッド40が取り付けられるため、作業者Wの肩にショルダーパッド40載置した状態で、当該装置の重量の大半を占める駆動モータ10及び先端工具20a,20b,20c,20dが作業者Wの前後に位置させることで、作業者Wに対して作用する荷重負担のバランスを図るようになっている。そして、ショルダーパッド40を肩に載置した状態で、先端工具20a,20b,20c,20dが作業者Wの前方に位置するため、作業者Wが先端工具20a,20b,20c,20dの配置を円滑に変更できるように、本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、作業者Wが作業時に把持するためのハンドルHが本体30の他端側に延設されている。該ハンドルHは、本体30の第一の軸心CL1に対して交差方向に延出するように本体30に取り付けられている。
本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、ショルダーパッド40が着雑自在に構成されており、ショルダーパッド40を取り外した状態で後述する専用の台車に取り付けることもできるようになっている。これに伴って、本実施形態に係る連結体35は、前記連結ベース350又はフレーム352dの何れか一方(本実施形態においてはフレーム352d)にワンタッチ継手353が取り付けられ、他方(本実施形態においては連結ベース350)に対して前記ワンタッチ継手353に連結される連結軸354が取り付けられる。かかる連結体35のワンタッチ継手353は、首振部31のワンタッチ継手33と同様の機構で構成されており、他方に取り付けられる連結軸354は、先端工具20a,20b,20c,20dの入力軸200a,200b,200c,200dと同様の構成とされている。なお、連結体35においては、連結軸354周りで本体30が回転できるように、ワンタッチ継手33及び連結軸354にはキー及びキー溝が設けられていないが、その他の構成は首振部31のワンタッチ継手33と先端工具20a,20b,20c,20dの入力軸200a,200b,200c,200dと同様であるため、ここでのワンタッチ継手353及び連結軸354の説明は割愛することとする。
前記台車について概略説明すると、台車は、走行可能に構成されており、図5に示す如く、キャスター502の取り付けられたベース本体500と、該ベース本体500の上面に設けられ、上下方向に伸縮可能な伸縮機構501とを備えている。前記ベース本体500は、プレート状に形成されており、下側に走行用のキャスター502が取り付けられている。そして、前記伸縮機構501は、軸心CL4を上下方向に位置させてベース本体500上に立設された、いわゆるテレスコピック機構が採用されている。該伸縮機構501は、電動で上下方向に伸縮するようになっており、上端には本実施形態に係る被覆材除去ツール1を取り付けるためのツール取付部503が設けられている。
本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、上述の如く、前記連結ベース350部又はフレーム352dの何れか一方(本実施形態においてはフレーム352d)にワンタッチ継手353が取り付けられ、他方(本実施形態においては連結ベース350)にワンタッチ継手353に連結される連結軸354が取り付けられているので、前記ツール取付部503は、ショルダーパッド40に固定されたワンタッチ継手353又は連結軸354と同様のワンタッチ又は連結軸(本実施形態においては連結軸504)が立設されている。
これにより、本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、台車50の連結軸504と連結体35のワンタッチ継手353とを連結することで、本体30が伸縮機構501を境にして駆動モータ10と先端工具20a,20b,20c,20dとを前後に配置した状態で取り付けることもでき、作業台や足場を設けることなく伸縮機構501を伸長させることで先端工具20a,20b,20c,20dを高所にある被覆材に対応させた配置にできるようになっている。
本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、ショルダーパッド40が着脱自在に構成され、前記台車50に取り付け可能に構成されているため、台車50に取り付けられて上昇した状態で操作できるように、前記ハンドルHに対し、長尺な棒状の延長ハンドルHLが取り付け可能になっている。ハンドルHに対する延長ハンドルHLの連結構造として、ショルダーパッド40と連結体35との連結と同様、前記ワンタッチ継手と連結軸とが採用されており、本実施形態において、延長ハンドルHLの先端にワンタッチ継手507が連設され、ハンドルHの下端に連結軸508が連設されている。該ワンタッチ継手507及び連結軸508は、ショルダーパッド40に固定されたワンタッチ継手353とこれに係合する連結軸354と同様の構成である。これにより、伸縮機構501が伸長して上昇位置にある被覆材除去ツール1の姿勢を延長ハンドルHLに対する操作によって行うことができるようになっている。
そして、本実施形態に係る台車50は、伸縮機構501(テレスコピック機構)の動作のしない位置に、該伸縮機構501の軸心CL4と交差する方向に延びる操作レバー505が取り付けられている。該操作レバー505は、自己の軸心方向にスライド自在で且つ自己の軸心及び伸縮機構501の軸心CL4と直交方向に延びる軸心周りで回転自在に設けられている。
そして、該操作レバー505は、一端側が作業者Wの把持する部位とされ、他端部に延長ハンドルHLに連結可能なハンドル連結体506が設けられている。該ハンドル連結体506は、延長ハンドルHLをその軸心方向の任意位置で固定できるように構成されており、操作レバー505の軸心及び伸縮機構501の軸心CL4と直交する方向の軸心周りで回転可能に設けられている。これにより、操作レバー505を回転させることで、延長ハンドルHLを上下させることができ、これによって被覆材除去ツール1(本体30)を連結体35のピン体352c周りで回転(傾動)させることができるようになっている。なお、該ハンドル連結体506は、延長ハンドルHLの取り外しが可能になっており、延長ハンドルHLを本体30の第一の軸心CL1周りで回転させることもできるようになっている。
なお、本実施形態においては、アスベストの除去処理を対象とし、作業エリアの前段にセキュリティーゾーンとして幅狭で高さの制限された通路が設けられるため、上記構成の台車50は、高さ2m以下、幅1m以下に設定される。
本実施形態に係る被覆材除去ツール1及び台車50は、以上の構成からなり、次に、これらの作動について説明する。まず、被覆材除去ツール1を単体で作業を行う場合、作業者Wは作業領域内で駆動モータ10を電源に接続するとともに、ショルダーパッド40と肩に載せる。この状態で、図1及び図2に示す如く、駆動モータ10と先端工具20a,20b,20c,20dとが作業者Wの前後に位置し、作業者Wに対して荷重負担のバランスのとれた状態となる。そして、除去対象に先端工具20a,20b,20c,20d(除去手段201a,201b,201c,201d)が対向できる姿勢となるように首振部31及び本体30の姿勢を調整する。このとき、首振部31の第二の軸心CL2周りでの回転(傾動)、連結体35のピン体352c周りでの本体30の傾動、第一の軸心CL1周りでの本体30の回転の組み合わせによって、先端工具20a,20b,20c,20dの姿勢が調整される。
そして、駆動モータ10の電源をONにすると、駆動モータ10の出力が先端工具20a,20b,20c,20dの入力軸200a,200b,200c,200dに伝達され、除去手段201a,201b,201c,201dが作動することになる。従って、除去手段201a,201b,201c,201dを作動させつつ本体30をスライドさせ、先端工具20a,20b,20c,20dを被覆材に押し付ければ、除去手段201a,201b,201c,201dによって壁面や天井面(構造物の内面や外面)を被覆した被覆材(アスベスト)が除去されることになる。そして、被覆材の除去状態に応じて先端工具20a,20b,20c,20dを取り換え、同様に被覆材を除去する。このように、被覆材の除去状態に応じて先端工具20a,20b,20c,20dを交換することで、最終的に適正な除去状態となる。なお、先端工具20a,20b,20c,20dを交換するに際し、駆動モータ10の電源をOFFにすることは言うまでもない。
そして、ショルダーパッド40を作業者Wの肩に載置した状態で先端工具20a,20b,20c,20dの届かない高所の被覆材を除去する場合、被覆材除去ツール1のショルダーパッド40を取り外し、図6に示す如く、台車50のツール取付部503に被覆材除去ツール1を取り付けるとともに、ハンドルHに対して延長ハンドルHLを連結する。この状態で、棒状の伸縮機構501(テレスコピック機構)の前後に駆動モータ10及び先端工具20a,20b,20c,20dが位置することになる。これにより、伸縮機構501に偏った転倒モーメントが作用しないため、作業中に台車50が不用意に転倒することが防止される。
そして、先端工具20a,20b,20c,20d(除去手段201a,201b,201c,201d)が除去対象に対向可能な姿勢となるように首振部31及び本体30の姿勢を調整する。このとき、延長ハンドルHL又は操作レバー505による操作で、首振部31の回転(傾動)、連結体35のピン体352c周りでの本体30の傾動、第一の軸心CL1周りでの本体30の回転の組み合わせによって、先端工具20a,20b,20c,20dの姿勢が調整される。
そして、駆動モータ10の電源をONにすると、駆動モータ10の出力が先端工具20a,20b,20c,20dの入力軸200a,200b,200c,200dに伝達され、除去手段201a,201b,201c,201dが作動することになる。従って、除去手段201a,201b,201c,201dを作動させつつ延長ハンドルHL又は操作レバー505を操作して本体30をスライドさせ、先端工具20a,20b,20c,20dを被覆材に押し付ければ、除去手段201a,201b,201c,201dによって高所にある被覆材(アスベスト)が除去されることになる。そして、被覆材除去ツール1を下降させて被覆材の除去状態に応じた先端工具20a,20b,20c,20dに取り換え、同様に被覆材を除去する。このように、被覆材の除去状態に応じて先端工具20a,20b,20c,20dを交換することで、高所に対しても最終的に適正な除去状態にすることができる。
以上のように、本実施形態に係る被覆材除去ツール1によれば、先端工具20a,20b,20c,20dの除去手段201a,201b,201c,201dが駆動モータ10の出力を受けて作動する(回転動作又は往復動作)ので、被覆材をスピーディーに除去することができる。そして、該被覆材除去ツール1は、作業者Wの肩に載置可能に構成されたショルダーパッド40に本体30が支持されているので、当該被覆材除去ツール1の荷重を肩で受けることができ、両手に対する負担を軽減することができる。
特に、該被覆材除去ツール1は、先端工具20a,20b,20c,20d及び駆動モータ10のそれぞれが作業者Wの前後に位置するように前記本体30がショルダーパッド40の上面に直接的又は間接的に支持されているので、駆動モータ10と先端工具20a,20b,20c,20dの荷重が作業者Wの前後の何れかに偏って作用することがない。すなわち、駆動モータ10や先端工具20a,20b,20c,20dの重量は、該被覆材除去ツール1の全体重量に対して占める割合が大きい重量物であるが、作業者Wの体(肩)を基準にこれらを前後に振り分けることで作業者Wにとって良好な重量バランスとなる。これにより、被覆材除去ツール1の荷重が作業者W(肩)にバランスよく作用することになり、作業者Wに対する荷重負担が軽減されるとともに被覆材除去ツール1の操作性を向上させることができる。
また、前記先端工具20a,20b,20c,20dは、本体30の他端側に着脱自在に構成されているので、作業の状況や内容に応じた先端工具20a,20b,20c,20dに取り換えることができる。
さらに、前記本体30は、筒体で構成されるとともに駆動モータ10の出力軸Sが内挿され、前記先端工具20a,20b,20c,20dは、除去手段201a,201b,201c,201dを回転動作又は往復動作させるための入力軸200a,200b,200c,200dを備え、該入力軸200a,200b,200c,200dが前記出力軸Sに作動的に連結されるので、先端工具20a,20b,20c,20d(除去手段201a,201b,201c,201d)を作動可能としつつも出力軸Sや回転軸S1を覆う安全カバー等を設ける必要がなく、装置の小型化や軽量化を図ることができる。
そして、本体30の長手方向に延びる第一の軸心CL1と直交する第二の軸心周りCL2で回転可能に本体30の他端部に連設され、第二の軸心CL2と直交する第三の軸心CL3周りで回転可能な伝達軸313が内挿された首振部31と、駆動モータ10の出力軸Sの回転を伝達軸313に伝達する出力伝達機構32とをさらに備え、前記先端工具20a,20b,20c,20dは、除去手段201a,201b,201c,201dを回転動作又は往復動作させるための入力軸200a,200b,200c,200dが前記伝達軸313に作動的に連結されているので、除去手段201a,201b,201c,201dを作動可能にしつつも首振部31を回転させることができる。これにより、除去の対象となる被覆材に対向するように先端工具20a,20b,20c,20d(除去手段201a,201b,201c,201d)の向きを変更することができる。
そして、前記本体30が第一の軸心CL1周りで回転可能に構成されているので、首振部31を回転させて先端工具20a,20b,20c,20dの向きを変更した上で本体30を第一の軸心CL1周りで回転させることで先端工具20a,20b,20c,20dの向きの変更範囲が拡大され、作業効率をより向上させることができる。
そして、本実施形態に係る被覆材除去ツール1は、前記連結体35が本体30を第一の軸心CL1方向にスライド可能に支持するように構成されているので、本体30をスライドさせることで先端工具20a,20b,20c,20dを前後方向に移動させることができ、作業者Wが移動しなくても先端工具20a,20b,20c,20dを除去の対象となる被覆材に接近させることができる。
また、前記連結体35は、本体30を傾動可能に支持するようにも構成されているので、本体30を傾動させることで先端工具20a,20b,20c,20dを上下方向に移動させることができ、これによっても、先端工具20a,20b,20c,20dの配置の変更範囲が拡大され、作業効率をより向上させることができる。
そして、連結体35は、ショルダーパッド40が着脱可能に構成されるとともに、走行可能な台車50が備える上下方向に伸縮可能な伸縮機構501の上端部に設けられたツール取付部503に連結可能に構成されているので、足場等を構築することなく高所にある被覆材の除去作業を行うことができる。
そして、本実施形態において、駆動モータ10をカバー100で覆い、カバー100及び本体30の表面を凹凸のない均一面で構成したので、除去の対象が有害なアスベストであっても全体に対する水洗いをすることで、付着したアスベストを容易に除去することができ、被覆材除去ツール1における作業領域からの持ち出しに対する処理を簡素化することができる。
尚、本発明の被覆材除去ツールは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、除去の対象として構造物を解体する際に除去されるアスベストを一例に挙げたが、除去の対象はアスベストに限定されるものではなく、被覆材として、例えば、塗装(塗膜)や、コーティング等の構造物の外面や内面を被覆したものであればよい。
従って、被覆材除去ツール1は、除去の対象となる被覆材によっては必ずしも全体を水洗いできる構成にする必要はない。勿論、アスベストを除去の対象とする場合には、水洗いできることが好ましいことは言うまでもない。
そして、上記実施形態において、被覆材除去ツール1全体を水洗い可能とすべく、駆動モータ10をカバー100で覆ったが、例えば、水洗いを前提とする場合に、駆動モータ10自体を防水仕様のものを採用すれば必ずしも防水用のカバー100を設ける必要はない。但し、より確実な防水や、被覆材の粉塵等の入り込みを防止すること考慮すれば、駆動モータ10の防水の有無に関係なくカバー100を設けることが好ましい。
上記実施形態において、被覆材除去ツール1を台車50に取り付けるべく、ショルダーパッド40を着脱自在に構成したがこれに限定されるものではなく、例えば、図7に示す如く、一対の支持片352aを連結したフレーム352dをショルダーパッド40に取り付けられた連結ベース350に直接固定するようにしてもよい。すなわち、ショルダーパッド40は、必要に応じて着脱可能にすればよい。
また、上記実施形態において、連結体35を介して本体30とショルダーパッド40とを連結し、該本体30を第一の軸心CL1方向にスライド可能で且つピン体352c周りで回転可能に構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、本体30を第一の軸心CL1方向にスライドのみできるようにしてもよいし、本体30をピン体352c周りで回転のみできるようにしてもよい。また、本体30をショルダーパッド40の上面に直接固定してもよい。但し、作業中に本体30の姿勢を適宜変更させることを考慮すれば、上記実施形態と同様に構成することが好ましいことは言うまでもない。
上記実施形態において、本体30の他端に延設した位置決片318に首振部31を当接させることで、伝達軸313と回転軸S1とが同心となる位置で首振部31を位置決めし、首振部31の上方側への回転のみを許容するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、位置決片318を設けずに首振部31を下方側にも回転できるように構成してもよい。この場合、首振部31の回転範囲に対応するように、第二突片314に対して複数の位置決穴316…を設け、首振部31の姿勢に対応した位置決穴316に位置決ピン317を挿入することで首振部31の姿勢を所望の姿勢で維持させるようにすればよい。
上記実施形態において、本体30の他端に首振部31を連設したが、これに限定されるものではなく、例えば、図8に示す如く、首振部31を設けることなく先端工具20a,20b,20c,20dの入力軸200a,200b,200c,200dを駆動モータ10の出力軸S又はこれに連結された回転軸S1に連結するようにしたものであってもよい。この場合においても、先端工具20a,20b,20c,20dを着脱可能に構成することが好ましい。勿論、作業の適用範囲を広げるには、上記実施形態と同様に首振部31を設けることが好ましいことは言うまでもない。
上記実施形態において、本体30の他端側にハンドルHを設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、ハンドルHを設けずに本体30を把持して当該被覆材除去ツール1を操作するようにしてもよい。但し、操作性を向上させるには、上記実施形態と同様にハンドルHを設けることが好ましいことは言うまでもない。
上記実施形態において、本体30を筒体で構成し、該本体30内に駆動モータ10の出力軸Sとこの出力軸Sに連結した回転軸S1とを内装するようにしたが、例えば、図9に示す如く、本体30の第一の軸心CL1と出力軸S又は回転軸S1の軸心CL1’が略平行になるように、一方向に長手に形成される本体30’に対して駆動モータ10の出力軸Sとこの出力軸Sに連結した回転軸S1とを並列的に配置し、本体30’の一端に駆動モータ10を連結するとともに、本体30’の他端に首振部31を連設したり、先端工具20a,20b,20c,20dを直接的に取り付けたりしてもよい。このようにしても、ショルダーパッド40が本体30’を支持する構成にかわりがなく、ショルダーパッド40を肩に載置した状態で、作業者Wの前後に駆動モータ10及び先端工具20a,20b,20c,20dが位置することになり、作業者Wの対する荷重負担がバランスのとれたものとなる。この場合、回転軸S1の円滑な回転の確保と作業者Wの安全確保との観点で、本体30の両端で回転軸S1を軸支し、該回転軸S1を覆うカバー100’を設けることは言うまでもない。但し、このような構成にすれば、カバー100’等の構成が必要となるので、荷重負担のバランスがとれるものの重量の増大やサイズの大型化が余儀なくされるので、荷重負担の観点から上記実施形態と同様にすることが好ましい。
そして、上記実施形態において、ショルダーパッド40を取り外して台車50に被覆材除去ツール1を取り付けることを前提に、本体30に固定したハンドルHにワンタッチ継手507を介して延長ハンドルHLを連結するようにしたが、例えば、ハンドルHに対して延長ハンドルHLをネジによって連結するようにしてもよい。但し、粉塵が飛散する環境下で使用することで、ネジ穴に粉塵が入り込んで螺合が困難になる可能があることを考慮すれば上記実施形態のようにワンタッチ継手507を介してハンドルHと延長ハンドルHLとを連結するようにすることが好ましい。
そして、上記実施形態において、ハンドルHに延長ハンドルHLを連結することで操作できる範囲を拡大させるようにしたが、例えば、ハンドルH及び延長ハンドルHLのそれぞれを本体30に対して着脱可能に構成し、作業内容に応じて適宜取り換えるようにしてもよい。このようにハンドルH及び延長ハンドルHLを交換可能とする場合、本体30にワンタッチ継手507又は連結軸508の何れか一方を直接連設し、ハンドルH及び延長ハンドルHLのそれぞれにワンタッチ継手507又は連結軸508の何れか他方を連設するようにしてもよいが、例えば、図10に示す如く、作業者Wが把持する棒状のハンドルバー360の一端に、本体30を挟み込む一対の挟持体361,361を設けたものを採用してもよい。この場合、前記一対の挟持体361,361の一端をハンドルバー360に対して枢着し、その支点周りで回転することで互いに離間するように構成し、一対の挟持体361,361の他端側同士を連結(図においてはネジ止め)して、本体30を挟み込むように構成すればよい。
上記実施形態において、先端工具20a,20b,20c,20dを着脱自在に構成し、複数の先端工具20a,20b,20c,20dに交換可能としたが、これに限定されるものではなく、先端工具20a,20b,20c,20dの入力軸200a,200b,200c,200dをカップリングC等で駆動モータ10の出力軸S、又は、出力軸Sに連結された回転軸S1に対して恒久的に連結するようにしてもよい。但し、このようにすれば、除去作業に応じて先端工具20a,20b,20c,20dの異なる複数の被覆材除去ツール1を作業現場に持ち込むことになるので、上記実施形態と同様、先端工具20a,20b,20c,20dを着脱自在にすることが好ましいことは言うまでもない。
上記実施形態において、駆動モータ10に汎用モータを採用したため、出力軸Sが規定長さであるところ、回転軸S1を介して駆動モータ10の出力を先端工具20a,20b,20c,20d(除去手段)の入力軸200a,200b,200c,200dに伝達するようにしたが、例えば、駆動モータ10の出力軸Sを長尺に形成し、該出力軸Sに前記入力軸200a,200b,200c,200dを作動的に連結するようにしても勿論よい。この場合においても、駆動モータ10と先端工具20a,20b,20c,20dとの間隔が広くなるので、出力軸Sを適宜軸受で支持することが好ましいことは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る被覆材除去ツールの全体図を示す。 同実施形態に係る被覆材除去ツールの全体概略断面図を示す。 同実施形態に係る被覆材除去ツールの先端工具を示す。 同実施形態に係る被覆材除去ツールの部分拡大断面図であって、(a)は、先端工具、首振部及び出力伝達機構の縦断面図を示し、(b)は、(a)のI−I断面図を示す。 同実施形態に係る被覆材除去ツールを取り付けるための台車の概略全体図を示す。 同実施形態に係る被覆材除去ツールを取り付けた台車による作業状態を説明するための説明図を示す。 本発明の他実施形態に係る被覆材除去ツールの全体図を示す。 本発明の別の実施形態に係る被覆材除去ツールの全体図を示す。 本発明のさらに別の実施形態に係る被覆材除去ツールの全体図を示す。 本発明の実施形態に係る被覆材除去ツールに取り付けられるハンドル及び延長ハンドルの他の形態を説明するための説明図を示す。
符号の説明
1…被覆材除去ツール、10…駆動モータ、20a…第一先端工具(先端工具)、20b…第二先端工具(先端工具)、20c…第三先端工具(先端工具)、20d…第四先端工具(先端工具)、30…本体、31…首振部、32…出力伝達機構、33…ワンタッチ継手、35…連結体、40…ショルダーパッド、50…台車、100…カバー、101…フランジ体、200a…第一入力軸(入力軸)、200b…第二入力軸(入力軸)、200c…第三入力軸(入力軸)、200d…第四入力軸(入力軸)、201a…第一除去手段(除去手段)、201b…第二除去手段(除去手段)、201c…第三除去手段:ブラシ(除去手段)、201d…第四除去手段:スクレーパー(除去手段)、202a,202b,202c,202d…凹部、203a,203b,203c,203d…キー、204a,204b,204c…雄ねじ部、205a…第一プレート、205b…第二プレート、205c…第三プレート、206a…爪、206b…砥石、206c…線材、207a,207b,207c…ナット、210d…動作変換機構、211d…第一ピン、212d…リンク、213d…第二ピン、214d…ケーシング、215d…軸部、216d…ヘラ部、217d…スライド体、218d…付勢手段、310…ピン、311…第一突片、312,315…貫通穴、313…伝達軸、314…第二突片、316…位置決穴、317…位置決ピン、318…位置決片、319a,319b…貫通穴、320…第一傘歯車、321…第二傘歯車、322…第三傘歯車、330…筒状部、331…スライド体、332…鍔部、333…コイルバネ、334…抜け止め、335…ボール、336…穴、337…キー溝、338…ボール退避用凹部、350…連結ベース、351…本体取付部、352…ヒンジ部、352a…支持片、352b…リブ体、352c…ピン体、352d…フレーム、353…ワンタッチ継手、354…連結軸、360…ハンドルバー、361…挟持体、500…ベース本体、501…伸縮機構、502…キャスター、503…ツール取付部、504…連結軸、505…操作レバー、506…ハンドル連結体、507…ワンタッチ継手、508…連結軸、B…ベアリング、C…カップリング、CL1…第一の軸心、CL2…第二の軸心、CL3…第三の軸心、CL4…軸心、H…ハンドル、HL…延長ハンドル、S…出力軸、S1…回転軸、W…作業者

Claims (8)

  1. 構造物の外面又は内面を被覆した被覆材を除去するための被覆材除去ツールであって、駆動モータと、該駆動モータの出力を受けることで回転動作又は往復動作して被覆材を除去する除去手段を有する先端工具と、一方向を長手にして延びるように形成され、長手方向の一端側が駆動モータに連結された本体と、作業者の肩に載置可能に構成されたショルダーパッドとを備え、前記先端工具は、駆動モータの出力を除去手段に伝達可能に本体の長手方向の他端側に取り付けられ、前記本体は、先端工具及び駆動モータのそれぞれが作業者の前後に位置するようにショルダーパッドの上面に直接的又は間接的に支持されていることを特徴とする被覆材除去ツール。
  2. 前記先端工具は、本体の他端側に着脱自在に構成されている請求項1に記載の被覆材除去ツール。
  3. 前記本体は、筒体で構成されるとともに駆動モータの出力軸が内挿され、前記先端工具は、除去手段を回転動作又は往復動作させるための入力軸を備え、該入力軸が前記出力軸に作動的に連結されている請求項1又は2に記載の被覆材除去ツール。
  4. 本体の長手方向に延びる第一の軸心と直交する第二の軸心周りで回転可能に本体の他端部に連設され、第二の軸心と直交する第三の軸心周りで回転可能な伝達軸が内挿された首振部と、前記出力軸の回転を伝達軸に伝達する出力伝達機構とをさらに備え、前記先端工具は、除去手段を回転動作又は往復動作させるための入力軸を備え、該入力軸が前記伝達軸に作動的に連結されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の被覆材除去ツール。
  5. 前記本体は、第一の軸心周りで回転可能に構成されている請求項4に記載の被覆材除去ツール。
  6. 本体とショルダーパッドの上面とを連結する連結体をさらに備え、該連結体は、本体を第一の軸心方向にスライド可能に支持するように構成されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の被覆材除去ツール。
  7. 本体とショルダーパッドの上面とを連結する連結体をさらに備え、該連結体は、本体を傾動可能に支持するように構成されている請求項1乃至6の何れか1項に記載の被覆材除去ツール。
  8. 本体とショルダーパッドの上面とを連結する連結体をさらに備え、該連結体は、ショルダーパッドが着脱可能に構成されるとともに、走行可能な台車が備える上下方向に伸縮可能な伸縮機構の上端部に設けられたツール取付部に連結可能に構成されている請求項1乃至7の何れか1項に記載の被覆材除去ツール。
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