JP2009090347A - ロウ材シート及びロウ材シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉末圧延によって製造されるロウ材シートを構成する粉体層の基材からの剥離や、脱落等による製品の歩留まりの低下を抑制するロウ材シート及びロウ材シートの製造方法を提供する。
【解決手段】シート状の金属板21と、粉末圧延により金属板21に一体化されたロウ材組成層22とを有するロウ材シート1であって、金属板21とロウ材組成層22との間に、金属板21とロウ材組成層22との剥離を防止する中間層23を有する。
【選択図】図1
【解決手段】シート状の金属板21と、粉末圧延により金属板21に一体化されたロウ材組成層22とを有するロウ材シート1であって、金属板21とロウ材組成層22との間に、金属板21とロウ材組成層22との剥離を防止する中間層23を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ロウ材シート及びロウ材シートの製造方法であって、特に粉末圧延によって製造されるロウ材シート及びロウ材シートの製造方法に関するものである。
粉末圧延によるロウ材シートは、例えば、ステンレスの基材に、ロウ、ニッケル、クロム及びシリコンの粉末を混合し、その混合粉末を一対に対峙して設置された圧延ローラで圧着させ、圧着により数十ミクロンの粉体層を形成させたものをさらに焼結または溶融させることで形成される。
この粉末圧延によるロウ材シートは、曲げ加工、プレス加工等の加工性がよく、また、バインダーを使用しないことにより、ロウ付けの際、バインダーの揮発の必要がないためロウ付け性がよいという特徴がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−25251号公報
しかしながら、上記ロウ材シートの製造工程において、圧延ローラによる圧着が不十分であると、上記粉体層の上記基材からの剥離や、脱落等を発生させ、ロウ材シートの製品の歩留まりを低下させる問題があった。
圧延ローラによる圧着が不十分である原因として、例えば、上記混合粉末と、上記基材との構成や、性質の関係の問題がある。
例えば、構成の関係の問題として、上記混合粉末と、上記基材とが高硬度の構成である場合、圧延しても混合粉末が基材にめり込まず、圧着させることが出来ないという場合がある。
また、例えば、性質の関係の問題として、上記混合粉末と、上記基材との境界面で、接触により腐食を起こし、基材からの剥離や、脱落等を発生させるという場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、上記粉体層の基材からの剥離や、脱落等による製品の歩留まりの低下を抑制するロウ材シート及びロウ材シートの製造方法を提供することを目的する。
上記の課題を解決するために、本発明は、シート状の基材と、粉末圧延により上記基材に一体化されたロウ材組成層とを有するロウ材シートであって、上記基材と上記ロウ材組成層との間に、上記基材と上記ロウ材組成層との剥離を防止する中間層を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、基材とロウ材組成層とが中間層を介して固着される。
このような構成を採用することで、本発明では、基材とロウ材組成層とが中間層を介して固着される。
また、本発明は、上記中間層は、粉体から形成されるという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、粉体から形成される中間層を介して固着される。
このような構成を採用することで、本発明では、粉体から形成される中間層を介して固着される。
また、本発明は、上記中間層と、上記ロウ材組成層とは、協働してロウ付け特性を発現させるという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、中間層と、ロウ材組成層とが、ロウ付けの加熱の際、混ざり合うことで、所望のロウ付け特性を得ることができる。
このような構成を採用することで、本発明では、中間層と、ロウ材組成層とが、ロウ付けの加熱の際、混ざり合うことで、所望のロウ付け特性を得ることができる。
また、本発明は、上記中間層は、上記基材に対する腐食を防止する耐腐食特性を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、耐食性を有する中間層により基材を腐食から保護することができる。
このような構成を採用することで、本発明では、耐食性を有する中間層により基材を腐食から保護することができる。
また、本発明は、上記中間層は、上記ロウ材組成層より、融点が高いという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、ロウ付けの加熱時、中間層を溶解させずに残留させることができる。
このような構成を採用することで、本発明では、ロウ付けの加熱時、中間層を溶解させずに残留させることができる。
また、本発明は、シート状の基材と、粉末圧延により上記基材に一体化されたロウ材組成層とを有するロウ材シートの製造方法であって、上記基材の少なくとも一方の面に、上記基材と上記ロウ材組成層との剥離を防止する中間層を形成する工程と、上記中間層上に、上記ロウ材組成層を形成する工程とを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、基材に、中間層を形成し、該中間層上にロウ材組成層を形成する。
このような構成を採用することで、本発明では、基材に、中間層を形成し、該中間層上にロウ材組成層を形成する。
また、本発明は、上記中間層は、ショットライニング法を用いて形成するという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、粉体を基材に当てることで、容易に中間層を形成することができる。
このような構成を採用することで、本発明では、粉体を基材に当てることで、容易に中間層を形成することができる。
上記の課題を解決するために、本発明は、シート状の基材と、粉末圧延により上記基材に一体化されたロウ材組成層とを有するロウ材シートであって、上記基材と上記ロウ材組成層との間に、上記基材と上記ロウ材組成層との剥離を防止する中間層を有するという構成を採用することで、上記基材と上記ロウ材組成層とが、中間層を介して固着される。つまり、上記基材と上記ロウ材組成層との構成や、成分の関係の問題を中間層を設けることにより緩和させることで、上記基材と上記ロウ材組成層との様々な組み合わせの一体となったロウ材シートを形成することができる。
したがって、本発明では、粉体層の基材からの剥離や、脱落等による製品の歩留まりの低下を抑制することができる。
したがって、本発明では、粉体層の基材からの剥離や、脱落等による製品の歩留まりの低下を抑制することができる。
また、本発明は、シート状の基材と、粉末圧延により上記基材に一体化されたロウ材組成層とを有するロウ材シートの製造方法であって、上記基材の少なくとも一方の面に、上記基材と上記ロウ材組成層との剥離を防止する中間層を形成する工程と、上記中間層上に、上記ロウ材組成層を形成する工程とを有するという構成を採用する。このような構成を採用することで、本発明では、基材に、中間層を形成し、該中間層上にロウ材組成層を形成する。つまり、上記基材と上記ロウ材組成層との構成や、成分の関係の問題を中間層を設けることにより緩和させることで、一体となってロウ材シートを形成することができる。
したがって、本発明では、粉体層の基材からの剥離や、脱落等による製品の歩留まりの低下を抑制することができる。
したがって、本発明では、粉体層の基材からの剥離や、脱落等による製品の歩留まりの低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一の部材には同一の参照符号が付されている。また、理解を容易にするために、これらの図面は、縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態のロウ材シート1を示す。
ロウ材シート1は、金属板(基材)21と、金属板21に後述するロウ材粉末2を粉末圧延により固着され、一体化されて成るロウ材組成層22と、金属板21及びロウ材組成層22を仲介して剥離を防止する中間層23とから構成される。
ロウ材シート1は、金属板(基材)21と、金属板21に後述するロウ材粉末2を粉末圧延により固着され、一体化されて成るロウ材組成層22と、金属板21及びロウ材組成層22を仲介して剥離を防止する中間層23とから構成される。
金属板21は、例えば、ニッケル基合金、ステンレス、銅等の金属をシート状に加工したものから構成される。
ロウ材組成層22は、例えば、ニッケルロウ材(BNi−5)、ニッケル、クロム及びシリコンの粉末を粉末圧延によって形成される粉体層から形成される。したがって、ロウ材組成層22は、ロウ付け特性を有する構成となっている。
中間層23は、金属板21及びロウ材組成層22を仲介して剥離を防止するものであり、金属板21及びロウ材組成層22と比べて硬度が低い軟質材料や、耐食性に優れた耐食材料から構成される。
中間層23は、例えば、融点(約1600℃)が高く、耐食性を有するチタンや、ニッケル等から成る粉体層、シート状の板、メッキ等から構成される。
中間層23は、例えば、融点(約1600℃)が高く、耐食性を有するチタンや、ニッケル等から成る粉体層、シート状の板、メッキ等から構成される。
以下、本実施形態のロウ材シート1について、ロウ材シート1の製造工程と併せて説明する。
まず、金属板21に中間層23を形成する工程について説明する。
図2は、金属板21に中間層23をショットライニング法によって形成する形成装置10の構成図を示す。
形成装置10は、中間層23を構成する材料粉末X及び圧縮された高圧の噴射ガスGを後述するスプレーガン12へ供給する供給装置11と、供給された材料粉末X及び噴射ガスGを金属板21の表面に向けて噴射するスプレーガン12とを有する構成となっている。
形成装置10は、中間層23を構成する材料粉末X及び圧縮された高圧の噴射ガスGを後述するスプレーガン12へ供給する供給装置11と、供給された材料粉末X及び噴射ガスGを金属板21の表面に向けて噴射するスプレーガン12とを有する構成となっている。
材料粉末Xは、上述した中間層23を構成する軟質材料や、耐食材料等の微細粉末から構成される。
供給装置11は、中空構造を有しており、材料粉末Xを貯蓄可能な構成となっている。また、供給装置11は、不図示のガス圧縮装置を有しており、圧縮された高圧の噴射ガスGと、貯蓄された材料粉末Xとを混合し、スプレーガン12に供給する構成となっている。
スプレーガン12は、一端で供給装置11と接続し、他端の噴射口12Aが金属板21と所定の距離で対面するように設置される。また、スプレーガン12は、金属板21の幅方向(紙面と垂直な方向)に移動自在に設けられた不図示のスライダに搭載され、金属板21の表面に対して幅方向に平行移動可能な構成となっている。
続いて、形成装置10の動作について説明する。
まず、形成装置10は、材料粉末Xを供給装置11に導入する。
材料粉末Xが導入された供給装置11は、内部に材料粉末Xを貯蓄し、ガス圧縮装置を稼動させ、空気や、気体等を圧縮し高圧に加圧し、噴射ガスGを形成する。次いで、供給装置11は、貯蓄された材料粉末Xの一定量を連続的に、高圧の噴射ガスGと混合し、スプレーガン12へ供給する。
スプレーガン12は、供給された材料粉末X及び噴射ガスGを紙面下方に搬送される金属板21に向けて、噴射口12Aを介して高速に噴射する。
材料粉末Xが導入された供給装置11は、内部に材料粉末Xを貯蓄し、ガス圧縮装置を稼動させ、空気や、気体等を圧縮し高圧に加圧し、噴射ガスGを形成する。次いで、供給装置11は、貯蓄された材料粉末Xの一定量を連続的に、高圧の噴射ガスGと混合し、スプレーガン12へ供給する。
スプレーガン12は、供給された材料粉末X及び噴射ガスGを紙面下方に搬送される金属板21に向けて、噴射口12Aを介して高速に噴射する。
噴射口12Aから噴射された材料粉末Xは、固体のまま金属板21に衝突する。そして、高速で金属板21に衝突した材料粉末Xは、塑性変形して金属板21に付着し、中間層23を形成する。また、材料粉末Xが金属板21に衝突した際の運動エネルギーが、熱エネルギーに変換されることで、材料粉末Xの構成によっては、材料粉末Xの一部が融点を超えて結合し、強固に金属板21に密着することができる。
ここで、スプレーガン12は、金属板21の幅方向に設けられたスライダに沿って、金属板21と略同一の幅に往復移動しながら、材料粉末Xを噴射し、金属板21に衝突させる。
ここで、金属板21は、自身がライン乗って搬送されることから、幅方向に亘って付着する材料粉末Xの付着位置が搬送方向に徐々にずれていき、結果、金属板21の全体に亘って中間層23が形成される。
ここで、金属板21は、自身がライン乗って搬送されることから、幅方向に亘って付着する材料粉末Xの付着位置が搬送方向に徐々にずれていき、結果、金属板21の全体に亘って中間層23が形成される。
次に、上記工程により金属板21に形成された中間層23上に、ロウ材組成層22を形成する工程について説明する。
図3は、中間層23上にロウ材組成層22を形成し、ロウ材シート1を製造する製造装置Dの構成図を示す。
製造装置Dは、ロウ材組成を有するロウ材粉末2を貯蓄するホッパ3Aと、ホッパ3Aに貯蓄されたロウ材粉末2を後述する圧延ローラ4Aの周面に向けて搬送して供給するベルトフィーダ5Aと、圧延ローラ4Aの周面に供給されたロウ材粉末2及び中間層23が形成された金属板21を圧延する圧延ローラ4A、4Bと、圧延加工されたロウ材粉末2及び中間層23が形成された金属板21を加熱処理する加熱炉6と、加熱処理を経たロウ材シート1を巻き取る回収ローラ8とを有する。
製造装置Dは、ロウ材組成を有するロウ材粉末2を貯蓄するホッパ3Aと、ホッパ3Aに貯蓄されたロウ材粉末2を後述する圧延ローラ4Aの周面に向けて搬送して供給するベルトフィーダ5Aと、圧延ローラ4Aの周面に供給されたロウ材粉末2及び中間層23が形成された金属板21を圧延する圧延ローラ4A、4Bと、圧延加工されたロウ材粉末2及び中間層23が形成された金属板21を加熱処理する加熱炉6と、加熱処理を経たロウ材シート1を巻き取る回収ローラ8とを有する。
ロウ材粉末2は、ロウ材組成を有する粉末から構成される。本実施形態では、ロウ材粉末2は、上述のロウ材組成層22を構成する粉末である、ニッケルロウ材(BNi−5)粉末、ニッケル粉末、クロム粉末及びシリコン粉末の混合粉末から構成される。
混合粉末は、例えば、所望に計量されたニッケルロウ材(BNi−5)粉末と、ニッケルロウ材(BNi−5)粉末を構成する成分と同じ割合で、ニッケル粉末を71wt%、クロム粉末を19wt%、シリコン粉末を10wt%の重量比で計量された各粉末とを混合することで構成される。
なお、上記構成の成分割合であれば、ニッケル、クロム、シリコンの各合金粉も混合しても良い。
混合粉末は、例えば、所望に計量されたニッケルロウ材(BNi−5)粉末と、ニッケルロウ材(BNi−5)粉末を構成する成分と同じ割合で、ニッケル粉末を71wt%、クロム粉末を19wt%、シリコン粉末を10wt%の重量比で計量された各粉末とを混合することで構成される。
なお、上記構成の成分割合であれば、ニッケル、クロム、シリコンの各合金粉も混合しても良い。
ホッパ3Aは、ロウ材粉末2を貯蓄し、断面形状が下方に向かうに従って漸次縮径する中空構造を有する構成となっている。
ベルトフィーダ5Aは、ホッパ3Aの下方に設けられ、不図示の回転駆動機構と接続されて回転駆動することで、ホッパ3Aの下部から供給されるロウ材粉末2を搬送する構成となっている。また、ベルトフィーダ5Aは、搬送先が、圧延ローラ4Aの上方に位置しており、ロウ材粉末2を圧延ローラ4Aの周面上に供給する構成となっている。
なお、ベルトフィーダ5Aは、圧延ローラ4Aの幅と略同一の幅を有しており、圧延ローラ4Aの幅方向に亘って均一に、ロウ材粉末2を供給可能な構成となっている。
なお、ベルトフィーダ5Aは、圧延ローラ4Aの幅と略同一の幅を有しており、圧延ローラ4Aの幅方向に亘って均一に、ロウ材粉末2を供給可能な構成となっている。
圧延ローラ4A、4Bは、一対となっており、ベルトフィーダ5Aの下方に設けられる。また、圧延ローラ4A、4Bは、互いの周面が所定の間隔で平行対峙するように配置される。そして、圧延ローラ4A、4Bは、不図示の回転駆動機構により回転駆動することによって、圧延ローラ4A、4Bの間に挿入される部材を圧延する構成となっている。
加熱炉6は、圧延ローラ4A、4Bの下方に設置される。そして、加熱炉6は、加熱炉6内へプーリ9を介して挿入された圧延ローラ4A、4Bにより圧延された部材を加熱処理する構成となっている。
回収ローラ8は、不図示の回転駆動機構により回転駆動可能に担持される。そして、回収ローラ8は、加熱炉6による加熱処理の工程を経たロウ材シート1を巻き取る構成となっている。
続いて、製造装置Dの動作について説明する。
製造装置Dは、ホッパ3A内に貯蓄されたロウ材粉末2をベルトフィーダ5Aの駆動によって、ホッパ3A下部から搬出させ、圧延ローラ4Aに向けて搬送する。そして、ベルトフィーダ5Aは、圧延ローラ4Aの周面に、圧延ローラ4Aの幅方向に亘り連続的にロウ材粉末2を供給する。
製造装置Dは、ホッパ3A内に貯蓄されたロウ材粉末2をベルトフィーダ5Aの駆動によって、ホッパ3A下部から搬出させ、圧延ローラ4Aに向けて搬送する。そして、ベルトフィーダ5Aは、圧延ローラ4Aの周面に、圧延ローラ4Aの幅方向に亘り連続的にロウ材粉末2を供給する。
圧延ローラ4A、4Bは、所定の距離で回転駆動することによって、圧延ローラ4A,4B間に供給されたロウ材粉末2と、圧延ローラ4A、4Bの間に上方から下方へ挿通されて搬送される中間層23が形成された金属板21とを圧延する。当該圧延によって、ロウ材粉末2は、金属板21に形成された中間層23上に固着され、ロウ材組成層22を形成することとなる。
ここで、中間層23を介して、金属板21及びロウ材組成層22が一体となるため、例えば、高硬度同士の金属板21及びロウ材組成層22であっても、中間層23が軟質材料から形成されていれば、金属板21及びロウ材組成層22が中間層23にめり込む形で固着され、剥離や、脱落等を抑制・防止することができる。また、金属板21及びロウ材組成層22が性質上、境界面で腐食を引き起こしても、中間層23が耐食性を有する耐食材料から構成されていれば、腐食を抑制することができる。
中間層23上にロウ材組成層22が固着した金属板21は、圧延ローラ4A、4Bの下方に位置する加熱炉6にプーリ9を介して挿入される。
加熱炉6は、中間層23上にロウ材組成層22が固着した金属板21をロウ材組成層22の融点付近の温度まで加熱する。
そして、加熱炉6内で加熱処理されたロウ材組成層22は焼結または一部溶融した後冷却されて層となり、中間層23上にしっかりと固着される。
そして、加熱炉6内で加熱処理されたロウ材組成層22は焼結または一部溶融した後冷却されて層となり、中間層23上にしっかりと固着される。
上記製造工程により製造された、金属板21、中間層23及びロウ材組成層22から成るロウ材シート1は、回収ローラ8の回転駆動により巻き取られることによって、回収されることとなる。
なお、加熱炉6によって加熱されたロウ材シート1は、必要に応じて冷却されてから回収ローラ8によって回収されても良い。また、ロウ材組成層22は、ロウ材粉末2を構成する構成粉末の構成比率や、種類を適宜調整することで、ロウ材シート1の用途に適した機能を備えさせることもできる。
なお、加熱炉6によって加熱されたロウ材シート1は、必要に応じて冷却されてから回収ローラ8によって回収されても良い。また、ロウ材組成層22は、ロウ材粉末2を構成する構成粉末の構成比率や、種類を適宜調整することで、ロウ材シート1の用途に適した機能を備えさせることもできる。
以上の工程より製造されたロウ材シート1は、ロウ付けの際、ロウ材組成層22の融点(例えば1080℃)以上に加熱されることにより、ロウ材組成層22が溶融し、ロウ付け特性を発現させる構成となる。このとき、中間層23が、ロウ材組成層22の融点より高い融点を有する構成であった場合、金属板21と共に残留することで、金属板21を補強し、また、腐食等から保護することもできる。
したがって、上述の本実施形態によれば、シート状の金属板21と、粉末圧延により金属板21に一体化されたロウ材組成層22とを有するロウ材シート1であって、金属板21とロウ材組成層22との間に、金属板21とロウ材組成層22との剥離を防止する中間層23を有するという構成を採用することで、金属板21とロウ材組成層22とが、中間層23を介して固着される。つまり、金属板21とロウ材組成層22との構成や、成分の関係の問題を中間層23を設けることにより緩和させることで、金属板21とロウ材組成層22との様々な組み合わせの一体となったロウ材シート1を形成することができる。
したがって、本実施形態では、ロウ材組成層22の金属板21からの剥離や、脱落等による製品の歩留まりの低下を抑制することができる。
したがって、本実施形態では、ロウ材組成層22の金属板21からの剥離や、脱落等による製品の歩留まりの低下を抑制することができる。
また、本実施形態は、中間層23は、軟質材料の材料粉末Xから形成されるという構成を採用することで、金属板21とロウ材組成層22とが、材料粉末Xから形成される中間層23介してめり込む形で固着される。
したがって、本実施形態では、高硬度同士の金属板21及びロウ材組成層22の剥離や、脱落等を抑制することができる効果がある。
したがって、本実施形態では、高硬度同士の金属板21及びロウ材組成層22の剥離や、脱落等を抑制することができる効果がある。
また、本実施形態は、中間層23は、金属板21に対する腐食を防止する耐腐食特性を有するという構成を採用することで、本実施形態では、耐食性を有する中間層23により金属板21を腐食から保護することができる。
また、本実施形態は、中間層23は、ロウ材組成層22より、融点が高いという構成を採用することで、ロウ付けの加熱時、中間層を溶解させずに残留させることができる。
したがって、本実施形態では、金属板21を補強し、また、腐食等から保護することができる。
したがって、本実施形態では、金属板21を補強し、また、腐食等から保護することができる。
また、本実施形態は、シート状の金属板21と、粉末圧延により金属板21に一体化されたロウ材組成層22とを有するロウ材シート1の製造方法であって、金属板21の少なくとも一方の面に、金属板21とロウ材組成層22との剥離を防止する中間層23を形成する工程と、中間層23上に、ロウ材組成層22を形成する工程とを有するという構成を採用することで、本実施形態では、金属板21に、中間層23を形成し、中間層23にロウ材組成層22を形成する。
したがって、本実施形態では、金属板21とロウ材組成層22との構成や、成分の関係の問題を中間層23を設けることにより緩和させることで、金属板21とロウ材組成層22との様々な組み合わせの一体となったロウ材シート1を形成することができる。
したがって、本実施形態では、金属板21とロウ材組成層22との構成や、成分の関係の問題を中間層23を設けることにより緩和させることで、金属板21とロウ材組成層22との様々な組み合わせの一体となったロウ材シート1を形成することができる。
また、本実施形態は、中間層23は、ショットライニング法を用いて形成するという構成を採用することで、本実施形態では、材料粉末Xを金属板21に衝突させ、容易に中間層23を形成することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述の本実施形態では、スプレーガン12は、金属板21に対して幅方向に平行移動可能な構成となっていると説明した。しかしながら、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、スプレーガン12は、噴射口12Aが、金属板21の幅と略同一の幅を有しており、金属板21の幅方向に亘り一度に材料粉末Xを噴射する構成であっても良い。
また、スプレーガン12を複数台用いて、金属板21の幅方向に亘って並設し、金属板21の幅方向に亘り一度に材料粉末Xを噴射する構成であっても良い。
また、スプレーガン12を複数台用いて、金属板21の幅方向に亘って並設し、金属板21の幅方向に亘り一度に材料粉末Xを噴射する構成であっても良い。
また、本実施形態では、ロウ材組成層22の粉末圧延による形成の後、加熱炉6で加熱処理すると説明した。しかしながら、本発明は、必ずしもロウ材組成層22の粉末圧延による形成の後に、加熱炉6で加熱処理する必要はない。
また、本実施形態では、中間層23は、粉体(材料粉末X)から構成されると説明した。しかしながら、本発明は、中間層23は、シート状の板や、メッキ等であっても良い。
また、本実施形態では、ロウ材シート1は、ロウ材組成層22のみで、ロウ付け特性を発現すると説明した。しかしながら、本発明は、中間層23と、ロウ材組成層22とが、協働してロウ付け特性を発現させるという構成であっても良い。
例えば、ロウ材粉末2の構成粉末の一部であるニッケル粉末を材料粉末Xとして利用し、金属板21に、上記中間層23の形成工程に沿って、ニッケル粉末から成る中間層23を形成する。該中間層23上に、残りの構成粉末を製造装置Dによって粉末圧延し、ロウ材組成層22を形成することで、ロウ材シート1を製造する。
このような構成を採用することで、本発明では、中間層23と、ロウ材組成層22とが、ロウ付けの加熱の際、ニッケル粉末から成る中間層23と、上記残りの構成粉末から成るロウ材組成層22とが、溶解し混ざり合うことで、所望の構成比率となり、ロウ付け特性を得ることができる。したがって、上記構成により、ロウ材組成層22の構成粉末を中間層23に利用することで、別途、材料粉末Xを用意するコストを抑えることができる。
例えば、ロウ材粉末2の構成粉末の一部であるニッケル粉末を材料粉末Xとして利用し、金属板21に、上記中間層23の形成工程に沿って、ニッケル粉末から成る中間層23を形成する。該中間層23上に、残りの構成粉末を製造装置Dによって粉末圧延し、ロウ材組成層22を形成することで、ロウ材シート1を製造する。
このような構成を採用することで、本発明では、中間層23と、ロウ材組成層22とが、ロウ付けの加熱の際、ニッケル粉末から成る中間層23と、上記残りの構成粉末から成るロウ材組成層22とが、溶解し混ざり合うことで、所望の構成比率となり、ロウ付け特性を得ることができる。したがって、上記構成により、ロウ材組成層22の構成粉末を中間層23に利用することで、別途、材料粉末Xを用意するコストを抑えることができる。
また、本実施形態では、中間層23は、ショットライニング法によって形成されると説明した。しかしながら、本発明は、中間層23の形成工程は、ショットライニング法に限定されるものではない。
例えば、金属板21に材料粉末Xを載せておき、当該材料粉末Xの上にロウ材粉末2を積置し、一括して粉末圧延処理を施すことによって、ロウ材組成層22を形成すると共に中間層23を形成する構成であっても良い。
例えば、金属板21に材料粉末Xを載せておき、当該材料粉末Xの上にロウ材粉末2を積置し、一括して粉末圧延処理を施すことによって、ロウ材組成層22を形成すると共に中間層23を形成する構成であっても良い。
また、中間層23は、接着剤や、メッキ、材料粉末Xを溶剤に溶かし塗布・乾燥させる、金属板21と気相反応させる等の化学処理によって形成される構成であっても良い。
また、中間層23は、金属板21に材料粉末Xを乗せた後に、レーザー照射、トーチ・バーナー、集光炉、真空炉・雰囲気炉等の加熱処理によって固着させて形成される構成であっても良い。
また、中間層23は、本実施形態の製造装置Dのホッパ3Aに、材料粉末Xを導入し、金属板21に粉末圧延して形成される構成や、コールドスプレー法によって材料粉末Xを金属板21に衝突させて形成される構成であっても良い。
また、中間層23は、プレスや、重ね圧延、爆着、電磁圧延等の接触加工処理によって圧接され形成される構成であっても良い。
また、中間層23は、磁力や、静電気力、蒸着等の物理現象を利用し、金属板21に磁着、蒸着して形成される構成であっても良い。
また、中間層23は、シーム抵抗溶接や、溶射等の溶接処理によって形成される構成であっても良い。
また、上記実施形態において、ロウ材シート1は、金属板21の片面の全面に中間層23及びロウ材組成層22が形成されると説明した。しかしながら、本発明のロウ材シート1は、金属板21の両面の全面に中間層23及びロウ材組成層22が形成される構成であっても良い。
この場合、図2に示す中間層23の形成工程で、金属板21の逆側に形成装置10を設置し、金属板21の両側から材料粉末Xを衝突させ、金属板21の両側に中間層23を形成させる。次いで、両側に中間層23を形成させた金属板21を製造装置Dに搬送する。製造装置Dは、図3に示すホッパ3Bと、ベルトフィーダ5Bとを稼動させ、圧延ローラ4Bの周面にロウ材粉末2を供給することで、中間層23上にロウ材組成層22を形成させ、金属板21の両面に中間層23及びロウ材組成層22が形成されるロウ材シート1が製造される。
また、上記実施形態の製造装置Dにおいて、圧延ローラ4A上に供給されたロウ材粉末2の厚み(供給量)を調節する機構を設けても良い。
この場合、図2に示す中間層23の形成工程で、金属板21の逆側に形成装置10を設置し、金属板21の両側から材料粉末Xを衝突させ、金属板21の両側に中間層23を形成させる。次いで、両側に中間層23を形成させた金属板21を製造装置Dに搬送する。製造装置Dは、図3に示すホッパ3Bと、ベルトフィーダ5Bとを稼動させ、圧延ローラ4Bの周面にロウ材粉末2を供給することで、中間層23上にロウ材組成層22を形成させ、金属板21の両面に中間層23及びロウ材組成層22が形成されるロウ材シート1が製造される。
また、上記実施形態の製造装置Dにおいて、圧延ローラ4A上に供給されたロウ材粉末2の厚み(供給量)を調節する機構を設けても良い。
また、上記実施形態において、ロウ材粉末2は、ロウ(BNi−5)、ニッケル、クロム及びシリコンの混合粉末から構成されると説明した。しかしながら本発明におけるロウ材粉末2は、必ずしも上記構成に限定されない。ロウ材粉末2は、例えば、JIS規格のBNi−2であれば、ニッケル(Ni)粉末とニッケル−クロム(Ni−Cr)合金粉末とニッケル−ボロン(Ni−B)合金粉末と鉄−クロム(Fe−Cr)合金粉末と鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金粉末と鉄−シリコン(Fe−Si)合金粉末とを混合し、全体の総和の成分比がニッケル(Ni)を母材成分とし、クロム(Cr)が6wt%以上かつ8wt%以下、ボロン(B)が2.75wt%以上かつ3.5wt%以下、鉄(Fe)が2.5wt%以上かつ3.5wt%以下、シリコン(Si)が4wt%以上かつ5wt%以下となるように調合したものであっても良い。
1…ロウ材シート、21…金属板(基材)、22…ロウ材組成層、23…中間層、X…材料粉末(粉体)
Claims (11)
- シート状の基材と、粉末圧延により前記基材に一体化されたロウ材組成層とを有するロウ材シートであって、
前記基材と前記ロウ材組成層との間に、前記基材と前記ロウ材組成層との剥離を防止する中間層を有することを特徴とするロウ材シート。 - 前記中間層は、粉体から形成されることを特徴とする請求項1に記載のロウ材シート。
- 前記中間層と、前記ロウ材組成層とは、協働してロウ付け特性を発現させることを特徴とする請求項1または2に記載のロウ材シート。
- 前記中間層は、前記基材に対する腐食を防止する耐腐食特性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロウ材シート。
- 前記中間層は、前記ロウ材組成層より、融点が高いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のロウ材シート。
- シート状の基材と、粉末圧延により前記基材に一体化されたロウ材組成層とを有するロウ材シートの製造方法であって、
前記基材の少なくとも一方の面に、前記基材と前記ロウ材組成層との剥離を防止する中間層を形成する工程と、
前記中間層上に、前記ロウ材組成層を形成する工程とを有することを特徴とするロウ材シートの製造方法。 - 前記中間層は、ショットライニング法を用いて形成することを特徴とする請求項6に記載のロウ材シートの製造方法。
- 前記中間層は、粉体から形成されることを特徴とする請求項6または7に記載のロウ材シートの製造方法。
- 前記中間層と、前記ロウ材組成層とは、協働してロウ付け特性を発現させることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のロウ材シートの製造方法。
- 前記中間層は、前記基材に対する腐食を防止する耐腐食特性を有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載のロウ材シートの製造方法。
- 前記中間層は、前記ロウ材組成層より、融点が高いことを特徴とする請求項6〜10いずれか一項に記載のロウ材シートの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007264461A JP2009090347A (ja) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | ロウ材シート及びロウ材シートの製造方法 |
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- 2007-10-10 JP JP2007264461A patent/JP2009090347A/ja active Pending
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