JP2009090300A - 接合方法 - Google Patents

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久司 堀
Tomohiro Kawamoto
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Abstract

【課題】金属部材同士の接合部における気密性及び水密性を向上させることができる接合方法を提供することを課題とする。
【解決手段】内方にオフセットされた接合端部11,21が形成された金属部材10,20の突合部J1に表面A側から摩擦攪拌を行う工程と、突合部J1に裏面B側から摩擦攪拌を行う工程と、接合端部11,21の両縁部を切除する工程と、表面A側及び裏面B側から接合端部11,21を挟むように継手部材40,40を配置する工程と、突合部J1に第一側面C側から摩擦攪拌を行う工程と、突合部J1に第二側面D側から摩擦攪拌を行う工程と、被接合金属部材1の両側面C,D側から接合端部11,21及び継手部材40,40を挟むように継手部材50,50を配置する工程と、被接合金属部材1と継手部材40,50の突合部及び継手部材40,50の突合部に摩擦攪拌を行う工程とを含んでいる接合方法。
【選択図】図13

Description

本発明は、摩擦撹拌を利用した金属部材の接合方法に関する。
金属部材同士の接合方法としては、摩擦撹拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。この摩擦撹拌接合は、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。なお、回転ツールは、円柱状を呈するショルダ部の下端面に撹拌ピン(プローブ)を突設してなるものが一般的である。
ここで、接合すべき金属部材の肉厚が回転ツールの撹拌ピンの長さよりも大きい場合には、図14(a)に示すように、金属部材110,120同士の突合部J1に凹溝130を形成し、突合部J1に対して摩擦攪拌を行った後に、図14(b)に示すように、凹溝130内に嵌め込まれた接続板140と各金属部材110,120との突合部J2,J3に対して摩擦攪拌を行うことで、肉厚が大きい金属部材110,120同士を接合させることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−342481号公報(段落0016〜0017、図2)
しかしながら、前記した従来の接合方法では、凹溝130の底面131と、接続板140の下面141との間に未接合部が形成されており、金属部材110,120同士の接合部における水密性及び気密性が低下してしまうという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、金属部材同士の接合部における気密性及び水密性を向上させることができる接合方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、第一金属部材と第二金属部材とを突き合わせてなる被接合金属部材に対して回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行う接合方法であって、第一金属部材及び第二金属部材には、それぞれ被接合金属部材の表面及び裏面よりも内方にオフセットされた接合端部が形成されており、第一金属部材の接合端部と第二金属部材の接合端部との突合部に対して、被接合金属部材の表面側から摩擦攪拌を行う第一の本接合工程と、第一金属部材の接合端部と第二金属部材の接合端部との突合部に対して、被接合金属部材の裏面側から摩擦攪拌を行う第二の本接合工程と、各接合端部の両側の縁部をそれぞれ切除することで、被接合金属部材の全周に亘って凹溝を形成する切除工程と、被接合金属部材の表面側及び裏面側から各接合端部を挟むように、二体の第一継手部材を凹溝内に挿入する第一の継手部材配置工程と、第一金属部材の接合端部と第二金属部材の接合端部との突合部に対して、被接合金属部材の一方の側面側から摩擦攪拌を行う第三の本接合工程と、第一金属部材の接合端部と第二金属部材の接合端部との突合部に対して、被接合金属部材の他方の側面側から摩擦攪拌を行う第四の本接合工程と、被接合金属部材の両側面側から各接合端部及び各第一継手部材を挟むように、二体の第二継手部材を凹溝内に挿入する第二の継手部材配置工程と、被接合金属部材と第一継手部材及び第二継手部材との突合部に対して摩擦攪拌を行うとともに、第一継手部材と第二継手部材との突合部に対して摩擦攪拌を行う第五の本接合工程と、を含んでいることを特徴としている。
この構成では、第一金属部材の接合端部と第二金属部材の接合端部との突合部が摩擦攪拌により接合された後に、各接合端部の周囲に配置された第一継手部材及び第二継手部材が被接合金属部材に対して摩擦攪拌により接合されており、被接合金属部材の断面中心位置から肉厚方向において二重に摩擦攪拌が行われているため、第一金属部材と第二金属部材との接合部における気密性及び水密性を向上させることができる。
前記した第三の本接合工程及び第四の本接合工程において、一方の第一継手部材に摩擦攪拌の開始位置を設定し、他方の第一継手部材に摩擦攪拌の終了位置を設定することができる。
ここで、接合端部同士の突合部を挟むように二体のタブ材を配置し、一方のタブ材に摩擦攪拌の開始位置を設定し、他方のタブ材に摩擦攪拌の終了位置を設定した場合には、突合部に対して回転ツールを挿入・離脱させることがなくなるため、接合部の品質を高めることができる。接合端部同士の突合部を挟むように二体の第一継手部材を配置した場合には、二体の第一継手部材がタブ材の役割を兼ねることになり、別途タブ材を設ける必要がないため、接合作業が簡易化され、作業効率を向上させることができる。
前記した第三の本接合工程及び第四の本接合工程において、第一金属部材の接合端部と第二金属部材の接合端部との突合部に対して摩擦攪拌を行うとともに、各接合端部と第一継手部材との突合部に対して摩擦攪拌を行うように構成することができる。
この構成では、各接合端部と第一継手部材との突合部が摩擦攪拌により接合されるため、第一金属部材と第二金属部材との接合部における気密性及び水密性をさらに向上させることができる。
前記した第三の本接合工程及び第四の本接合工程において、回転ツールを接合端部又は第一継手部材から離脱させたときに形成された抜き穴に対して、充填用金属部材を充填するように構成することができる。
この構成では、第一継手部材に形成された抜き穴に充填用金属部材を充填して埋めることで、第一継手部材の接合端部と第二継手部材の接合端部との突合部に、抜き穴による空洞部が形成されないため、第一金属部材と第二金属部材との接合部における気密性及び水密性をさらに向上させることができる。
前記した第一から第五の各本接合工程のうち少なくとも一の本接合工程を行う前に、突合部を仮接合する仮接合工程を行うように構成することができる。
第一から第五の各本接合工程を行うときには、接合される各部材の突合部に回転ツールを押し込むため、部材同士を引き離そうとする力が作用し、突合部に目開きが発生する場合がある。しかし、前記した構成では、第一から第五の本接合工程を行う前に、突合部を仮接合することで、第一から第五の各本接合工程を好適に行うことができる。
本発明の接合方法によれば、被接合金属部材の断面中心位置から肉厚方向において二重に摩擦攪拌が行われているため、第一金属部材と第二金属部材との接合部における気密性及び水密性を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の接合方法に用いられる被接合金属部材1は、図1(a)に示すように、断面視矩形の第一金属部材10と第二金属部材20とを突き合わせることで形成されている。
なお、被接合金属部材1の表面を表面A、裏面を裏面B、一方の側面を第一側面C、他方の側面を第二側面Dとする。また、本実施形態における上下左右前後は、図1の矢印に従う。
第一金属部材10及び第二金属部材20は、同一断面形状で同一組成の金属材料であり、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金などの摩擦撹拌可能な金属材料からなる。
第一金属部材10及び第二金属部材20には、被接合金属部材1の表面A及び裏面Bよりも内方にオフセットされた接合端部11,21が形成されている。すなわち、第一金属部材10及び第二金属部材20において突合部J1側の端部は、厚さ寸法が小さく形成されており、第一金属部材10と第二金属部材20との接合部Jの表面A側及び裏面B側には、第一側面Cから第二側面Dに亘って、左右方向に延びる凹溝30,30がそれぞれ形成されている。
次に、図2を参照して、仮接合工程に用いる回転ツールF(以下、「仮接合用回転ツールF」という)及び本接合工程に用いる回転ツールG(以下、「本接合用回転ツールG」という)を詳細に説明する。
図2(a)に示す仮接合用回転ツールFは、工具鋼など被接合金属部材1よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部F1と、このショルダ部F1の下端面F11に突設された撹拌ピン(プローブ)F2とを備えて構成されている。
仮接合用回転ツールFの寸法・形状は、被接合金属部材1の材質や厚さ等に応じて設定すればよいが、少なくとも、後記する第一の本接合工程で用いる本接合用回転ツールG(図2(b)参照)よりも小型にする。このようにすると、本接合よりも小さな負荷で仮接合を行うことが可能となるので、仮接合時に摩擦撹拌装置に掛かる負荷を低減することが可能となり、さらには、仮接合用回転ツールFの移動速度(送り速度)を本接合用回転ツールGの移動速度よりも高速にすることもできるので、仮接合に要する作業時間やコストを低減することができる。
ショルダ部F1の下端面F11は、塑性流動化した金属を押えて周囲への飛散を防止する役割を担う部位であり、本実施形態では、凹面状に成形されている。ショルダ部F1の外径Xの大きさに特に制限はないが、本実施形態では、本接合用回転ツールGのショルダ部G1の外径Yよりも小さくなっている。
撹拌ピンF2は、ショルダ部F1の下端面F11の中央から垂下しており、本実施形態では、先細りの円錐台状に成形されている。また、撹拌ピンF2の周面には、螺旋状に刻設された撹拌翼が形成されている。
撹拌ピンF2の外径の大きさに特に制限はないが、本実施形態では、最大外径(上端径)Xが本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2の最大外径(上端径)Yよりも小さく、かつ、最小外径(下端径)Xが撹拌ピンG2の最小外径(下端径)Yよりも小さい。撹拌ピンF2の長さLは、本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2の長さLよりも小さくすることが望ましい。
図2(b)に示す本接合用回転ツールGは、工具鋼など被接合金属部材1よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部G1と、このショルダ部G1の下端面G11に突設された撹拌ピン(プローブ)G2とを備えて構成されている。
ショルダ部G1の下端面G11は、仮接合用回転ツールFと同様に、凹面状に成形されている。撹拌ピンG2は、ショルダ部G1の下端面G11の中央から垂下しており、本実施形態では、先細りの円錐台状に成形されている。また、撹拌ピンG2の周面には、螺旋状に刻設された撹拌翼が形成されている。
以下、本実施形態の接合方法における各工程について詳細に説明する。
なお、本実施形態では、仮接合用回転ツールF及び本接合用回転ツールGの回転方向は、全て右回転で行うものとする。このように、仮接合用回転ツールF及び本接合用回転ツールGの回転方向を統一することで、作業手間を省略することができる。
(1)第一の準備工程
図1を参照して第一の準備工程を説明する。第一の準備工程は、第一及び第二の本接合工程における摩擦撹拌の開始位置や終了位置が設けられる当て部材(第一タブ材2及び第二タブ材3)を準備する工程である。
第一の準備工程は、第一金属部材10の接合端部11と第二金属部材20の接合端部21とを突き合せる(1−1)突合工程と、被接合金属部材1の接合部Jの左右両側に第一タブ材2及び第二タブ材3を配置する(1−2)タブ材配置工程と、第一タブ材2及び第二タブ材3を溶接により被接合金属部材1に仮接合する(1−3)溶接工程と、被接合金属部材1を図示しない摩擦撹拌装置の架台に設置する(1−4)設置工程と、を具備している。
(1−1)突合工程
突合工程では、図1(a)に示すように、第一金属部材10の接合端部11の後端面に、第二金属部材20の接合端部21の前端面を密着させる。
また、第一金属部材10の接合端部11の表面(上面)と第二金属部材20の接合端部21の表面(上面)とを面一にし、さらに、第一金属部材10の接合端部11の裏面(下面)と第二金属部材20の接合端部21の裏面(下面)とを面一にする。
また、第一金属部材10の接合端部11の右側面と第二金属部材20の接合端部21の右側面とを面一にし、第一金属部材10の接合端部11の左側面と第二金属部材20の接合端部21の左側面とを面一にする。
なお、被接合金属部材1の表面Aは、第一金属部材10の表面(上面)と第二金属部材20の表面(上面)とで形成され、裏面Bは、第一金属部材10の裏面(下面)と第二金属部材20の裏面(下面)とで形成され、第一側面Cは、第一金属部材10の右側面と第二金属部材20の右側面とで形成され、第二側面Dは、第一金属部材10の左側面と第二金属部材20の左側面とで形成されている。
(1−2)タブ材配置工程
タブ材配置工程では、図1(b)に示すように、第一タブ材2及び第二タブ材3によって、被接合金属部材1の接合部Jを挟むように、接合部Jの第一側面C側に第一タブ材2を配置し、接合部Jの第二側面D(図1(a)参照)側に第二タブ材3を配置する。
第一タブ材2及び第二タブ材3の材質に特に制限はないが、本実施形態では、被接合金属部材1と同一組成の金属材料で形成している。また、第一タブ材2及び第二タブ材3の形状・寸法にも特に制限はないが、本実施形態では、直方体の部材であり、その厚さ寸法を各接合端部11,21の厚さ寸法と同一にしている。
(1−3)溶接工程
溶接工程では、図1(b)に示す被接合金属部材1と第一タブ材2とにより形成された各入隅部を溶接して被接合金属部材1と第一タブ材2とを仮接合する。さらに、被接合金属部材1と第二タブ材3とにより形成された各入隅部を溶接して被接合金属部材1と第二タブ材3とを仮接合する。なお、各入隅部の全長に亘って連続して溶接を施してもよいし、断続して溶接を施してもよい。
(1−4)設置工程
設置工程では、第一タブ材2及び第二タブ材3が仮溶接された被接合金属部材1を図示しない摩擦撹拌装置の架台に載置し、例えばクランプを用いて移動不能に拘束する。本実施形態の摩擦撹拌装置では、被接合金属部材1の上方から摩擦撹拌を行うように設定されている。
なお、第一の準備工程において、溶接工程を省略する場合には、図示しない摩擦撹拌装置の架台上で、突合工程とタブ材配置工程を行ってもよい。
(2)第一の予備工程
図3及び図4を参照して第一の予備工程を説明する。第一の予備工程は、第一の本接合工程に先立って行われる工程であり、表面A側において被接合金属部材1と第二タブ材3との突合部J3を接合する(2−1)第二タブ材接合工程と、被接合金属部材1の突合部J1を仮接合する(2−2)仮接合工程と、被接合金属部材1と第一タブ材2との突合部J2を接合する(2−3)第一タブ材接合工程と、を具備している。
第一の予備工程では、図4に示すように、仮接合用回転ツールFを一筆書きの移動軌跡(ビード)を形成するように移動させて、突合部J3,J1,J2に対して連続して摩擦撹拌を行う。すなわち、摩擦撹拌の開始位置SP1に挿入した仮接合用回転ツールFの撹拌ピンF2(図3(a)参照)を途中で離脱させることなく終了位置EP1まで移動させる。なお、本実施形態では、第二タブ材3に摩擦撹拌の開始位置SP1を設け、第一タブ材2に終了位置EP1を設けているが、開始位置SP1と終了位置EP1の位置を限定する趣旨ではない。
第一の予備工程における摩擦撹拌の手順をより詳細に説明する。
まず、図3(a)に示すように、第二タブ材3の適所に設けた開始位置SP1の直上に仮接合用回転ツールFを位置させ、続いて、仮接合用回転ツールFを右回転させつつ下降させて撹拌ピンF2を開始位置SP1に押し付ける。
仮接合用回転ツールFの回転速度は、撹拌ピンF2の寸法・形状、摩擦撹拌される被接合金属部材1等の材質や肉厚等に応じて設定されるものであるが、多くの場合、500〜2000rpmの範囲内において設定される。
撹拌ピンF2が第二タブ材3の表面に接触すると、摩擦熱によって撹拌ピンF2の周囲にある金属が塑性流動化し、図3(b)に示すように、撹拌ピンF2が第二タブ材3に挿入される。
撹拌ピンF2の全体が第二タブ材3に入り込み、かつ、ショルダ部F1の下端面F11の全面が第二タブ材3の表面に接触したら、図4に示すように、仮接合用回転ツールFを回転させつつ第二タブ材接合工程の始点s2に向けて相対移動させる。
仮接合用回転ツールFの移動速度(送り速度)は、撹拌ピンF2の寸法・形状、摩擦撹拌される被接合金属部材1の材質や肉厚等に応じて設定されるものであるが、多くの場合、100〜1000mm/分の範囲内において設定される。仮接合用回転ツールFの移動時の回転速度は、挿入時の回転速度と同じか、それよりも低速にする。
なお、仮接合用回転ツールFを移動させる際には、ショルダ部F1の軸線を鉛直線に対して進行方向の後ろ側へ僅かに傾斜させてもよいが、傾斜させずに鉛直にすると、仮接合用回転ツールFの方向転換が容易となり、複雑な動きが可能となる。
仮接合用回転ツールFを移動させると、その撹拌ピンF2の周囲にある金属が順次塑性流動化するとともに、撹拌ピンF2から離れた位置では、塑性流動化していた金属が再び硬化する。
仮接合用回転ツールFを相対移動させて第二タブ材接合工程の始点s2まで連続して摩擦撹拌を行ったら、始点s2で仮接合用回転ツールFを離脱させずにそのまま第二タブ材接合工程に移行する。
(2−1)第二タブ材接合工程
第二タブ材接合工程では、図4に示すように、各接合端部11,21と第二タブ材3との突合部J3に対して摩擦撹拌を行う。具体的には、各接合端部11,21と第二タブ材3の継ぎ目(境界線)上に摩擦撹拌のルートを設定し、このルートに沿って仮接合用回転ツールFを相対移動させることで、突合部J3に対して摩擦撹拌を行う。なお、本実施形態では、仮接合用回転ツールFを途中で離脱させることなく第一タブ材接合工程の始点s2から終点e2まで連続して摩擦撹拌を行う。
なお、仮接合用回転ツールFを右回転させた場合には、仮接合用回転ツールFの進行方向の左側に微細な空洞欠陥が発生する虞があるので、仮接合用回転ツールFの進行方向の右側に被接合金属部材1が位置するように第二タブ材接合工程の始点s2と終点e2の位置を設定することが望ましい。このようにすると、被接合金属部材1側に空洞欠陥が発生し難くなるので、高品質の接合体を得ることができる。
ちなみに、仮接合用回転ツールFを左回転させた場合には、仮接合用回転ツールFの進行方向の右側に微細な空洞欠陥が発生する虞があるので、仮接合用回転ツールFの進行方向の左側に被接合金属部材1が位置するように、第二タブ材接合工程の始点と終点の位置を設定することが望ましい。
なお、仮接合用回転ツールFの撹拌ピンF2が突合部J3に入り込むと、被接合金属部材1と第二タブ材3を引き離そうとする力が作用するが、被接合金属部材1と第二タブ材3により形成された各入隅部を溶接により仮接合しているので、被接合金属部材1と第二タブ材3との間に目開きが発生することがない。
(2−2)仮接合工程
図4に示すように、仮接合用回転ツールFが第二タブ材接合工程の終点e2に達したら、終点e2で摩擦撹拌を終了させずに仮接合工程の始点s1まで連続して摩擦撹拌を行い、そのまま仮接合工程に移行する。すなわち、第二タブ材接合工程の終点e2から仮接合工程の始点s1まで仮接合用回転ツールFを離脱させずに摩擦撹拌を継続し、さらに、始点s1で仮接合用回転ツールFを離脱させることなく仮接合工程に移行する。このようにすると、第二タブ材接合工程の終点e2での仮接合用回転ツールFの離脱作業が不要となり、さらに、仮接合工程の始点s1での仮接合用回転ツールFの挿入作業が不要となることから、予備的な接合作業の効率化・迅速化を図ることができる。
本実施形態では、第二タブ材接合工程の終点e2から仮接合工程の始点s1に至る摩擦撹拌のルートを第二タブ材3に設定し、仮接合用回転ツールFを第二タブ材接合工程の終点e2から仮接合工程の始点s1に移動させる際の移動軌跡を第二タブ材3に形成する。このようにすると、第二タブ材接合工程の終点e2から仮接合工程の始点s1に至る工程中において、被接合金属部材1に空洞欠陥が発生し難くなるので、高品質の接合体を得ることができる。
仮接合工程では、各接合端部11,21の突合部J1に対して摩擦撹拌を行う。具体的には、各接合端部11,21の継ぎ目上に設定された摩擦撹拌のルートに沿って、仮接合用回転ツールFを始点s1から終点e1まで連続して移動させることで、突合部J1の全長に亘って摩擦撹拌を行う。
仮接合用回転ツールFが仮接合工程の終点e1に達したら、終点e1で摩擦撹拌を終了させずに第一タブ材接合工程の始点s3まで連続して摩擦撹拌を行い、そのまま第一タブ材接合工程に移行する。
本実施形態では、仮接合工程の終点e1から第一タブ材接合工程の始点s3に至る摩擦撹拌のルートを第一タブ材2に設定し、仮接合用回転ツールFを仮接合工程の終点e1から第一タブ材接合工程の始点s3に移動させる際の移動軌跡を第一タブ材2に形成する。このようにすると、仮接合工程の終点e1から第一タブ材接合工程の始点s3に至る工程中において、被接合金属部材1に空洞欠陥が発生し難くなるので、高品質の接合体を得ることができる。
(2−3)第一タブ材接合工程
第一タブ材接合工程では、図4に示すように、各接合端部11,21と第一タブ材2との突合部J2に対して摩擦撹拌を行う。具体的には、各接合端部11,21と第一タブ材2の継ぎ目上に設定された摩擦撹拌のルートに沿って、仮接合用回転ツールFを始点s3から終点e3まで連続して移動させることで、突合部J2に対して摩擦撹拌を行う。
仮接合用回転ツールFが第一タブ材接合工程の終点e3に達したら、終点e3で摩擦撹拌を終了させずに、第一タブ材2に設けた終了位置EP1まで連続して摩擦撹拌を行う。なお、本実施形態では、各接合端部11,21の継ぎ目(境界線)の延長線上に終了位置EP1を設けている。
仮接合用回転ツールFが終了位置EP1に達したら、仮接合用回転ツールFを回転させつつ上昇させて撹拌ピンF2を終了位置EP1から離脱させる。
なお、撹拌ピンF2を終了位置EP1から離脱させたときに形成される抜き穴をドリルなどで拡径することで、第一タブ材2に設定されたSM1に下穴を形成してもよい。この下穴は、本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2(図3(b)参照)の挿入抵抗(圧入抵抗)を低減する目的で設けられるものである。
(3)第一の本接合工程
図5を参照して第一の本接合工程を説明する。第一の本接合工程は、被接合金属部材1の表面A側における突合部J1を本格的に接合する工程である。第一の本接合工程では、本接合用回転ツールG(図3(b)参照)を使用して、仮接合された状態の突合部J1に対して被接合金属部材1の表面A側から摩擦撹拌を行う。
第一の本接合工程では、図5(a)〜(c)に示すように、開始位置SM1に本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2を挿入(圧入)し、挿入した撹拌ピンG2を途中で離脱させることなく終了位置EM1まで移動させることで、開始位置SM1から終了位置EM1まで連続して摩擦撹拌を行う。
ここで、第一の予備工程を終了した時点では、仮接合用回転ツールFを備えた摩擦撹拌装置は、第一タブ材2の終了位置EP1の直上(図4参照)に位置しているため、第一の本接合工程の開始位置SM1を第一タブ材2の終了位置EP1に設定すると、本接合用回転ツールGを備えた摩擦撹拌装置を移動させることなく第一の本接合工程を行うことができ、作業を省略することができる。
図5(a)〜(c)を参照して第一の本接合工程をより詳細に説明する。
まず、図5(a)に示すように、開始位置SM1の直上に本接合用回転ツールGを位置させ、続いて、本接合用回転ツールGを右回転させつつ下降させて撹拌ピンG2の先端を第一タブ材2に挿入する。撹拌ピンG2を第一タブ材2に入り込ませると、撹拌ピンG2の周囲にある金属が塑性流動化する。
さらに、撹拌ピンG2の全体が第一タブ材2に入り込み、かつ、ショルダ部G1の下端面G11の全面が第一タブ材2の表面に接触したら、図5(b)に示すように、摩擦撹拌を行いながら被接合金属部材1の突合部J1の一端に向けて本接合用回転ツールGを相対移動させ、さらに、突合部J2を横切らせて突合部J1に突入させる。
本接合用回転ツールGを移動させると、その撹拌ピンG2の周囲にある金属が順次塑性流動化するとともに、撹拌ピンG2から離れた位置では、塑性流動化していた金属が再び硬化して塑性化領域W1が形成される。
本接合用回転ツールGの移動速度(送り速度)は、撹拌ピンG2の寸法・形状、摩擦撹拌される被接合金属部材1等の材質や肉厚等に応じて設定されるものであるが、多くの場合、30〜300mm/分の範囲内において設定される。
被接合金属部材1への入熱量が過大になる虞がある場合には、本接合用回転ツールGの周囲に表面A側から水を供給するなどして冷却することが望ましい。なお、第一金属部材10の接合端部11と第二金属部材20の接合端部21(図4参照)との間に冷却水が入り込むと、接合面に酸化皮膜を発生させる虞があるが、本実施形態では、仮接合工程を実行して第一金属部材10の接合端部11と第二金属部材20の接合端部21と間の目地を閉塞しているので、被接合金属部材1の接合部Jに冷却水が入り込み難く、接合部Jの品質を劣化させる虞がない。
突合部J1では、各接合端部11,21(図4参照)の継ぎ目上(仮接合工程における移動軌跡上)に摩擦撹拌のルートを設定し、当該ルートに沿って本接合用回転ツールGを相対移動させることで、突合部J1の一端から他端まで連続して摩擦撹拌を行う。突合部J1の他端まで本接合用回転ツールGを相対移動させたら、摩擦撹拌を行いながら突合部J3を横切らせ、そのまま終了位置EM1に向けて相対移動させる。
なお、本実施形態では、被接合金属部材1の表面A側に現れる各接合端部11,21の継ぎ目(境界線)の延長線上に摩擦撹拌の開始位置SM1を設定しているので(図4参照)、第一の本接合工程における摩擦撹拌のルートを一直線にすることができる。摩擦撹拌のルートを一直線にすると、本接合用回転ツールGの移動距離を最小限に抑えることができるので、第一の本接合工程を効率良く行うことができ、さらには、本接合用回転ツールGの磨耗量を低減することができる。
本接合用回転ツールGが終了位置EM1に達したら、図5(c)に示すように、本接合用回転ツールGを回転させつつ上昇させて撹拌ピンG2を終了位置EM1から離脱させる。なお、終了位置EM1において撹拌ピンG2を上方に離脱させると、撹拌ピンG2と略同形の抜き穴Q1が不可避的に形成されることになるが、本実施形態では、そのまま残置する。
本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2を終了位置EM1から離脱させるときの本接合用回転ツールGの回転速度(離脱時の回転速度)は、移動時の回転速度よりも高速にすることが望ましい。このようにすると、離脱時の回転速度を移動時の回転速度と同じにした場合に比べて、撹拌ピンG2の離脱抵抗が小さくなるので、終了位置EM1における撹拌ピンG2の離脱作業を迅速に行うことができる。
なお、本実施形態においては、第一の本接合工程の前に、第一の予備工程を行ったが、第一の予備工程を省略して、第一の準備工程の直後に第一の本接合工程を行ってもよい。
(4)第二の準備工程
図6を参照して第二の準備工程を説明する。第二の準備工程は、第二の予備工程に先だって行われる準備工程である。本実施形態では、被接合金属部材1の裏面B側を上方に向けて、図示しない摩擦撹拌装置に再度設置する(4−1)再設置工程を具備するものである。
(4−1)再設置工程
再設置工程では、図6(a)に示すように、第一の本接合工程を終えた被接合金属部材1の拘束を解いた後、被接合金属部材1の表裏を逆にして、裏面B側を上方に向け、摩擦撹拌装置の架台に再度設置する。本実施形態では、図1(b)に示す被接合金属部材1を前後軸回りに半回転させて、被接合金属部材1の表裏を逆にする。なお、摩擦撹拌装置の形態によっては、被接合金属部材1の拘束を解かずに表裏を回転させてもよい。
ここで、図6(a)は、第二の準備工程の再設置工程後において、突合部J1から第一金属部材10側を臨む断面図である。この図6(a)に示すように、再設置工程では、被接合金属部材1の上面が裏面Bとなるとともに、突合部J1側から第一金属部材10を臨むと、被接合金属部材1の左側に第一タブ材2、右側に第二タブ材3が位置する。
(5)第二の予備工程
図6を参照して第二の準備工程を説明する。第二の予備工程は、第二の本接合工程に先だって行われる工程であり、被接合金属部材1の裏面B側において、各接合端部11,21(図4参照)と第一タブ材2との突合部J2を接合する(5−1)第一タブ材接合工程と、各接合端部11,21の突合部J1を仮接合する(5−2)仮接合工程と、各接合端部11,21と第二タブ材3との突合部J3を接合する(5−3)第二タブ材接合工程と、を具備している。
(5−1)第一タブ材接合工程、(5−2)仮接合工程、(5−3)第二タブ材接合工程
第二の予備工程における第一タブ材接合工程、仮接合工程及び第二タブ材接合工程は、前記した第一の予備工程における第一タブ材接合工程、仮接合工程及び第二タブ材接合工程と略同等の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
図6(a)に示す仮接合用回転ツールFを、第一の予備工程と同様に一筆書きの移動軌跡(ビード)を形成するように移動させて(図4参照)、突合部J2,J1,J3の順で連続して摩擦撹拌を行う。すなわち、摩擦撹拌の開始位置SP2に挿入した仮接合用回転ツールFの撹拌ピンF2を途中で離脱させることなく終了位置EP2まで移動させ、第一タブ材接合工程、仮接合工程及び第二タブ材接合工程を連続して実行する。
ここで、第一の予備工程では、図4に示すように、第二タブ材3側から第二タブ材接合工程、接合工程及び第一タブ材接合工程を順次に行った。一方、第二の予備工程では、図6(a)に示すように、突合部J1から第一金属部材10側を臨むと、第一タブ材2が被接合金属部材1の左側に位置するとともに、第一の本接合工程を終えた時点で、本接合用回転ツールGは第一タブ材2の上方に位置しているため、第一タブ材2側から第一タブ材接合工程、仮接合工程及び第二タブ材接合工程を順次に行う。このようにすると、仮接合用回転ツールFを備えた摩擦撹拌装置の移動距離が小さくて済むため、作業を省略することができる。
(6)第二の本接合工程
図6(b)を参照して第二の本接合工程を説明する。第二の本接合工程は、被接合金属部材1の裏面B側における突合部J1を本格的に接合する工程であり、第一の本接合工程と略同等であるため、その詳細な説明は省略する。
第二の本接合工程では、第二タブ材3の裏面Bに設定された開始位置SM2に本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2を挿入し、この撹拌ピンG2を終了位置EM2まで移動させて摩擦撹拌を行うことで、突合部J1に塑性化領域W2が形成される。
ここで、第二の予備工程を終了した時点では、摩擦撹拌装置は第二タブ材3の終了位置EP2の直上(図6(a)参照)に位置しているため、第二の本接合工程の開始位置SM2を第二タブ材3の終了位置EP2に設定すると、摩擦撹拌装置を移動させることなく第二の本接合工程を行うことができ、作業を省略することができる。
(7)第一のタブ材切除工程
第一のタブ材切除工程では、図7(a)に示すように、第一タブ材2及び第二タブ材3を被接合金属部材1から切除する。本実施形態では、第二の本接合工程を終えた被接合金属部材1を摩擦撹拌装置の架台から一旦外し、図示しない切削器具を用いて突合部J2,J3に沿って第一タブ材2及び第二タブ材3を切除する。
(8)接合端部切除工程
接合端部切除工程では、図7(a)及び(b)に示すように、各接合端部11,21の左右両側の縁部をそれぞれ切除する。本実施形態では、摩擦攪拌装置から外された状態の被接合金属部材1に対して、図示しない切削器具を用いて各接合端部11,21の縁部をそれぞれ切除する。
各接合端部11,21の縁部を切除する幅は限定されるものではないが、本実施形態では、被接合金属部材1の第一側面C及び第二側面Dから同じ幅を切除している。このように、各接合端部11,21の両側の縁部をそれぞれ切除することで、各接合端部11,21の外周面を底面とする凹溝30が被接合金属部材1の全周に亘って形成される。
(9)第一の継手部材配置工程
第一の継手部材配置工程は、図8に示すように、各接合端部11,21を挟むように、表面A側及び裏面B側から二体の第一継手部材40,40を凹溝30内に挿入する工程である。
第一継手部材40は、被接合金属部材1と同一組成の金属材料で形成された直方体の部材であり、その左右幅寸法を各接合端部11,21の左右幅寸法と同一にしている。
第一の継手部材配置工程では、表面A側の第一継手部材40の裏面(下面)と凹溝30の底面(各接合端部11,21の表面(上面))とを密着させ、第一継手部材40の前後両端面と凹溝30の両側面とをそれぞれ密着させる。なお、第一継手部材40の各面と凹溝30の各面との間には若干の隙間を空けてもよい。
また、表面A側の第一継手部材40の表面(上面)と被接合金属部材1の表面Aとを面一にし、さらに、表面A側の第一継手部材40の左右両側面と各接合端部11,21の左右両側面とをそれぞれ面一にする。
同様に、裏面B側の第一継手部材40の表面(上面)と凹溝30の底面(各接合端部11,21の裏面(下面))とを密着させ、第一継手部材40の前後両端面と凹溝30の両側面とをそれぞれ密着させる。
また、裏面B側の第一継手部材40の表面(上面)と被接合金属部材1の表面Aとを面一にし、さらに、裏面B側の第一継手部材40の左右両側面と各接合端部11,21の左右両側面とをそれぞれ面一にする。
また、被接合金属部材1と各第一継手部材40,40とにより形成された各入隅部を溶接して被接合金属部材1と各第一継手部材40,40とを仮接合する。
(10)第三の準備工程
図9を参照して第三の準備工程を説明する。第三の準備工程は、第三の本接工程に先だって行われる工程である。本実施形態では、被接合金属部材1の第一側面C側を上方に向けて、図示しない摩擦撹拌装置に再度設置する(10−1)再設置工程を具備するものである。
(10−1)再設置工程
再設置工程では、図9(a)に示すように、第一の継手部材配置工程を終えた被接合金属部材1の第一側面C側を上方に向け、摩擦撹拌装置の架台に再度設置する。本実施形態では、図8に示す被接合金属部材1を前後軸回りに1/4回転させて、被接合金属部材1の向きを設定する。
(11)第三の本接合工程
図9を参照して第三の本接合工程を説明する。第三の本接合工程は、各接合端部11,21の第一側面C側における突合部J1を接合する(11−1)接合端部接合工程と、各接合端部11,21と各第一継手部材40,40との第一側面C側における突合部J4,J5とを接合する(11−2)第一継手部材接合工程と、を具備するものである。
なお、第三の本接合工程における摩擦攪拌接合は、第一及び第二の各本接合工程で行われた摩擦攪拌接合と略同等であるため、その詳細な説明は省略する。
(11−1)接合端部接合工程
接合端部接合工程では、図9(a)に示すように、裏面B側の第一継手部材40に設定された開始位置SM3に本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2(図3(b)参照)を挿入する。そして、撹拌ピンG2を各接合端部11,21の継ぎ目上に設定された摩擦撹拌のルートに沿って、表面A側の第一継手部材40に設定された終了位置EM3まで移動させて摩擦攪拌を行うことで、突合部J1に塑性化領域W3が形成される。
本実施形態の接合端部接合工程では、突合部J1を挟むように配置された二体の第一継手部材40,40がタブ材の役割を兼ねることになり、別途タブ材を設ける必要がないため、接合作業が簡易化され、作業効率を向上させることができる。
本接合用回転ツールGが終了位置EM3に達したら、本接合用回転ツールGを回転させつつ上昇させて撹拌ピンG2を終了位置EM3から離脱させる。
終了位置EM3において撹拌ピンG2を上方に離脱させると、図9(b)に示すように、撹拌ピンG2と略同形の抜き穴Q2が不可避的に形成される。本実施形態では、被接合金属部材1と同一組成の金属材料で、抜き穴Q2と同形の充填用金属部材R1を抜き穴Q2に充填して、抜き穴Q2を埋める。
(11−2)第一継手部材接合工程
第一継手部材接合工程では、図9(c)に示すように、各接合端部11,21と各第一継手部材40,40との第一側面C側における突合部J4,J5を接合する。本実施形態では、突合部J4の一方の端部に本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2(図3(b)参照)を挿入し、突合部J4の他方の端部まで移動させて摩擦攪拌を行うことで、突合部J4に塑性化領域W4が形成される。さらに、同様にして、突合部J5にも塑性化領域W5を形成する。
このように、各接合端部11,21と各第一継手部材40,40との突合部J4,J5を摩擦攪拌により接合することで、第一金属部材10と第二金属部材20との接合部Jにおける気密性及び水密性を向上させることができる。
なお、本接合用回転ツールGを終了位置から上方に離脱させると、撹拌ピンG2と略同形の抜き穴が不可避的に形成される。本実施形態では、接合端部接合工程と同様に、抜き穴に充填用金属部材を充填して、抜き穴を埋める。
(12)第四の準備工程
図10を参照して第四の準備工程を説明する。第四の準備工程は、第四の本接工程に先だって行われる工程である。本実施形態では、被接合金属部材1の第二側面D側を上方に向けて、図示しない摩擦撹拌装置に再度設置する(12−1)再設置工程を具備するものである。
(12−1)再設置工程
再設置工程では、図10(a)に示すように、第三の本接合工程を終えた被接合金属部材1の第二側面D側を上方に向け、摩擦撹拌装置の架台に再度設置する。本実施形態では、第三の本接合工程を終えた被接合金属部材1を前後軸回りに半回転させて、被接合金属部材1の向きを設定する。
(13)第四の本接合工程
図10を参照して第四の本接合工程を説明する。第四の本接合工程は、各接合端部11,21の第二側面D側における突合部J1を接合する(13−1)接合端部接合工程と、各接合端部11,21と各第一継手部材40,40との第二側面D側における突合部J4,J5とを接合する(13−2)第一継手部材接合工程と、を具備するものである。なお、第四の本接合工程は、第三の本接合工程と略同等であるため、その詳細な説明は省略する。
(13−1)接合端部接合工程
接合端部接合工程では、図10(a)に示すように、表面A側に配置された第一継手部材40に設定された開始位置SM4に本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2(図3(b)参照)を挿入し、この撹拌ピンG2を各接合端部11,21の継ぎ目上に設定された摩擦撹拌のルートに沿って、終了位置EM4まで移動させて摩擦攪拌を行うことで、突合部J1に塑性化領域W6が形成される。
本接合用回転ツールGが終了位置EM4に達したら、本接合用回転ツールGを終了位置EM4から離脱させ、図10(b)に示すように、終了位置EM4に形成された抜き穴Q2に充填用金属部材R1を充填して、抜き穴Q2を埋める。
このように、第一の本接合工程では各接合端部11,21の表面A側における突合部J1を接合し、第二の本接合工程では裏面B側における突合部J1を接合し、第三の本接合工程では第一側面C側における突合部J1を接合し、第四の本接合工程では第二側面D側における突合部J1を接合することで、各接合端部11,21の突合部J1が全周に亘って摩擦攪拌により接合される。
(13−2)第一継手部材接合工程
第一継手部材接合工程では、図10(c)に示すように、各接合端部11,21と各第一継手部材40,40との第二側面D側における突合部J4,J5を接合する。本実施形態では、突合部J4,J5の一方の端部に本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2(図3(b)参照)を挿入し、突合部J4,J5の他方の端部まで移動させて摩擦攪拌を行うことで、突合部J4,J5に塑性化領域W7,W8がそれぞれ形成される。また、突合部J4,J5の終了位置に形成された抜き穴は、充填用金属部材を充填して埋める。
このようにして、各接合端部11,21の表面A側及び裏面B側に第一継手部材40,40がそれぞれ接合されることで、図11(a)に示すように、被接合金属部材1の接合部Jでは、第一側面C側及び第二側面D側に凹溝30,30が形成された状態となる。
(14)第二の継手部材配置工程
第二の継手部材配置工程は、図11(b)に示すように、各接合端部11,21及び各第一継手部材40,40を挟むように、第一側面C側及び第二側面D側から二体の第二継手部材50,50を各凹溝30,30内に挿入する工程である。
第二継手部材50は、被接合金属部材1と同一組成の金属材料で形成された直方体の部材であり、その厚さ寸法を凹溝30の深さ寸法と同一にし、前後長さ寸法を凹溝30の溝幅寸法と同一にし、左右幅寸法を被接合金属部材1の左右幅寸法と同一にしている。
第二の継手部材配置工程では、第二側面D側に配置された第二継手部材50の内側面(図11(b)における下面)と凹溝30の底面(各接合端部11,21及び各第一継手部材40,40の側面(図11(b)における上面))とを密着させる。また、第一側面C側に配置された第二継手部材50の内側面(図11(b)における上面)と凹溝30の底面(各接合端部11,21及び各第一継手部材40,40の側面(図11(b)における下面))とを密着させる。さらに、各第二継手部材50,50の前後両端面と各凹溝30,30の両側面とをそれぞれ密着させる。なお、第二継手部材50の各面と凹溝30の各面との間には若干の隙間を空けてもよい。
また、各第二継手部材50,50の一方の側面(図11(b)における右側面)と被接合金属部材1の表面Aとをそれぞれ面一にし、さらに、各第二継手部材50,50の他方の側面(図11(b)における左側面)と被接合金属部材1の裏面Bとをそれぞれ面一にする。
ここで、図10(b)に示すように、第一継手部材40の側面に形成された抜き穴Q2は、充填用金属部材R1によって埋められており、第一継手部材40と第二継手部材50との突合部J6,J7の内部に、抜き穴Q2による空洞部が形成されないため、第一金属部材10と第二金属部材20との接合部Jにおける気密性及び水密性が向上している。
(15)第五の準備工程
図12(a)を参照して第五の準備工程を説明する。第五の準備工程は、第五の本接工程において第一側面C側及び第二側面D側の摩擦撹拌接合を行うときに、摩擦撹拌の開始位置や終了位置が設けられる当て部材(第三タブ材4及び第四タブ材5)を準備する工程である。第五の準備工程は、被接合金属部材1の接合部Jの両側に第三タブ材4と第四タブ材5を配置する(15−1)タブ材配置工程と、第三タブ材4と第四タブ材5を溶接により被接合金属部材1に仮接合する(15−2)溶接工程と、を具備するものである。
(15−1)タブ材配置工程
タブ材配置工程では、図12(a)に示すように、第二の継手部材配置工程を終えた被接合金属部材1の接合部Jを挟むように、接合部Jの表面A側に第三タブ材4を配置し、接合部Jの裏面B側に第四タブ材5を配置する。第三タブ材4及び第四タブ材5は被接合金属部材1と同一組成の金属材料で形成された直方体の部材であり、その厚さ寸法を被接合金属部材1の厚さ寸法と同一にしている。
(15−2)溶接工程
溶接工程では、図12(a)に示すように、被接合金属部材1と第三タブ材4及び第四タブ材とにより形成された各入隅部を溶接して仮接合する。このとき、第三タブ材4及び第四タブ材5の側面(図12(a)における上面)と、第二継手部材50の側面(図12(a)における上面)とを面一にする。
(16)第五の本接合工程
図12(a)を参照して第五の本接合工程を説明する。第五の本接合工程は、被接合金属部材1と第二継手部材50との第二側面D側における突合部J8,J9を接合する(16−1)第一の継手部材接合工程と、被接合金属部材1の第一側面C側を上方に向けて、図示しない摩擦撹拌装置に再度設置する(16−2)再設置工程と、被接合金属部材1と第二継手部材50との第一側面C(図11(b)参照)側における突合部を接合する(16−3)第二の継手部材接合工程と、を具備するものである。なお、第五の本接合工程で実施される摩擦攪拌接合は、第一から第四の各本接合工程で実施された摩擦攪拌接合と略同等であるため、その詳細な説明は省略する。
(16−1)第一の継手部材接合工程
第一の接合工程では、図12(a)に示すように、表面A側の第三タブ材4に設定された開始位置SM5に本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2(図3(b)参照)を挿入し、この本接合用回転ツールGを、第一金属部材10と第二継手部材50との継ぎ目上に設定された摩擦撹拌のルートに沿って、裏面B側の第四タブ材5に設定された終了位置EM5まで移動させて摩擦攪拌を行うことで、突合部J8に塑性化領域W9が形成される。さらに、同様にして、本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2を、第二金属部材20と第二継手部材50との継ぎ目上に設定された摩擦撹拌のルートに沿って、開始位置SM6から終了位置EM6まで移動させることで、突合部J9に塑性化領域W10が形成される。
(16−2)再設置工程
再設置工程は、第一の接合工程を終えた被接合金属部材1を前後軸回りに半回転させ、第一側面C側(図11(b)参照)を上方に向けた状態で摩擦撹拌装置の架台に再度設置する工程である。
(16−3)第二の継手部材接合工程
第二の継手部材接合工程は、被接合金属部材1と第二継手部材50との第一側面C側(図11参照)における突合部を接合する工程であり、前記した第一の継手部材接合工程と略同等であるため、その説明は省略する。
(17)第二のタブ材切除工程
第二のタブ材切除工程では、図12(a)に示す被接合金属部材1から第三タブ材4及び第四タブ材5を切除する工程であり、被接合金属部材1を摩擦撹拌装置の架台から一旦外し、図示しない切削器具を用いて第三タブ材4及び第四タブ材5を切除する。
(18)第六の準備工程
図12(b)を参照して第六の準備工程を説明する。第六の準備工程は、第六の本接工程において表面A側及び裏面B側(図11(b)参照)の摩擦撹拌接合を行うときに、摩擦撹拌の開始位置や終了位置が設けられる当て部材(第五タブ材6及び第六タブ材7)を準備する工程である。第六の準備工程は、被接合金属部材1の接合部Jの両側に第五タブ材6と第六タブ材7を配置する(18−1)タブ材配置工程と、第五タブ材6と第六タブ材7を溶接により被接合金属部材1に仮接合する(18−2)溶接工程と、を具備するものである。
(18−1)タブ材配置工程
タブ材配置工程では、図12(b)に示すように、第五の本接合工程を終えた被接合金属部材1の接合部Jを挟むように、接合部Jの第一側面C側に第五タブ材6を配置し、接合部Jの第二側面D側に第六タブ材7を配置する。第五タブ材6及び第六タブ材7は被接合金属部材1と同一組成の金属材料で形成された直方体の部材であり、その厚さ寸法を被接合金属部材1の厚さ寸法と同一にしている。
(18−2)溶接工程
溶接工程では、図12(b)に示すように、被接合金属部材1と第五タブ材6及び第六タブ材とにより形成された各入隅部を溶接して仮接合する。このとき、第五タブ材6及び第六タブ材7の表面及び裏面と、被接合金属部材1の表面A及び裏面Bとをそれぞれ面一にする。
(19)第六の本接合工程
図12(b)を参照して第六の本接合工程を説明する。第六の本接合工程は、被接合金属部材1と第一継手部材40及び第二継手部材50との表面A側における突合部J10,J11を接合する(19−1)第一の継手部材接合工程と、第一継手部材40と第二継手部材50との表面Aにおける突合部J6,J7を接合する(19−2)第二の継手部材接合工程と、被接合金属部材1の裏面B側(図11(b)参照)を上方に向けて、図示しない摩擦撹拌装置に再度設置する(19−3)再設置工程と、被接合金属部材1と第一継手部材40及び第二継手部材50との裏面B側における突合部を接合する(19−4)第三の継手部材接合工程と、第一継手部材40と第二継手部材50との裏面B側における突合部を接合する(19−5)第四の継手部材接合工程と、を具備するものである。なお、第六の本接合工程で実施される摩擦攪拌接合は、第一から第五の各本接合工程で実施された摩擦攪拌接合と略同等であるため、その詳細な説明は省略する。
(19−1)第一の継手部材接合工程
第一の継手部材接合工程では、図12(b)に示すように、第一側面C側の第五タブ材6に設定された開始位置SM7に本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2(図3(b)参照)を挿入する。そして、本接合用回転ツールGを、第一金属部材10と第一継手部材40及び各第二継手部材50,50との継ぎ目上に設定された摩擦撹拌のルートに沿って、第二側面D側の第六タブ材7に設定された終了位置EM7まで移動させて摩擦攪拌を行うことで、突合部J10に塑性化領域W11が形成される。さらに、同様にして、本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2を開始位置SM8から終了位置EM8まで移動させて摩擦攪拌を行うことで、突合部J11に塑性化領域W12を形成する。
(19−2)第二の継手部材接合工程
第二の継手部材接合工程は、図12(b)に示すように、第一金属部材10に設定された開始位置SM9に本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2(図3(b)参照)を挿入し、この本接合用回転ツールGを、第一継手部材40と第二継手部材50との継ぎ目上に設定された摩擦撹拌のルートに沿って移動させて摩擦攪拌を行うことで、突合部J6に塑性化領域W13が形成される。なお、本接合用回転ツールGが突合部J6を通過した後は、本接合用回転ツールGを第二側面D側に向けて移動させ、第六タブ材7に設定された終了位置EM9まで移動させる。さらに、同様にして、本接合用回転ツールGの撹拌ピンG2を開始位置SM10から終了位置EM10まで連続して移動させることで、突合部J7に塑性化領域W14を形成する。
(19−3)再設置工程
再設置工程では、第二の継手部材接合工程を終えた被接合金属部材1を前後軸回りに半回転させ、裏面B側(図11(b)参照)を上方に向けた状態で摩擦撹拌装置の架台に再度設置する。
(19−4)第三の継手部材接合工程
第三の継手部材接合工程は、被接合金属部材1と第一継手部材40及び第二継手部材50との裏面B側(図11(b)参照)における突合部を接合する工程であり、前記した第一の継手部材接合工程と略同等であるため、その説明は省略する。
(19−5)第四の継手部材接合工程
第四の継手部材接合工程は、第一継手部材40と第二継手部材50との裏面B側(図11(b)参照)における突合部を接合する工程であり、前記した第二の継手部材接合工程と略同等であるため、その説明は省略する。
なお、本実施形態では第五の本接合工程と第六の本接合工程を二つの工程を分けているが、タブ材を用いずに摩擦撹拌接合を行う場合には、第五の本接合工程の接合作業と第六の本接合工程の接合作業とを連続して行うことができ、第五の本接合工程の接合作業と第六の本接合工程とを一つの工程としてもよい。
(20)第三のタブ材切除工程
第三のタブ材切除工程は、図12(b)に示す被接合金属部材1から第五タブ材6及び第六タブ材7を切除する工程である。第三のタブ材切除工程では、第六の本接合工程を終えた被接合金属部材1を摩擦撹拌装置の架台から一旦外し、図示しない切削器具を用いて第五タブ材6及び第六タブ材7を切除する。これにより、図13に示すように、第一金属部材10と第二金属部材20とが接合部Jで接合された被接合金属部材1が形成される。
以上説明した本実施形態の接合方法によれば、図13に示すように、第一金属部材10の接合端部11と第二金属部材20の接合端部21との突合部J1が摩擦攪拌により接合された後に、各接合端部11,21の周囲に配置された第一継手部材40,40及び第二継手部材50,50が被接合金属部材1に摩擦攪拌により接合されており、被接合金属部材1の断面中心位置から肉厚方向において二重に摩擦攪拌が行われているため、第一金属部材10と第二金属部材20との接合部Jにおける気密性及び水密性を向上させることができる。
なお、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。例えば、本実施形態の摩擦撹拌装置は、被接合金属部材の上方から摩擦撹拌を行うものであったが、これに限定されるものではなく、被接合金属部材の周囲を本接合用回転ツールが移動しながら摩擦撹拌を行ってもよい。また、第一金属部材10及び第二金属部材20は中空の部材であってもよい。
本実施形態の第一の準備工程を示した図で、(a)は突合工程の斜視図、(b)はタブ材配置工程の斜視図である。 本実施形態の回転ツールを示した図で、(a)は仮接合用回転ツールの側面図、(b)は本接合用回転ツールの側面図である。 本実施形態の仮接合用回転ツールの使用状態を示した図で、(a)は仮接合用回転ツールを第二タブ材に当接させたときの側面図、(b)は仮接合用回転ツールを第二タブ材に押し込んだときの側面図である。 本実施形態の第一の予備工程における第二タブ材接合工程、仮接合工程及び第一タブ材接合工程を示した平面図である。 本実施形態の第一の本接合工程を図4のI−I矢視方向で示した断面図で、(a)は開始位置、(b)は中間部分、(c)は終了位置の摩擦撹拌接合を示した図である。 本実施形態の第二の本接合工程を示した断面図で、(a)は開始位置、(b)は中間部分の摩擦撹拌接合を示した図である。 本実施形態の第一のタブ材切除工程を示した図で、(a)は平面図、(b)は斜視図である。 本実施形態の第一の継手部材配置工程を示した斜視図である。 本実施形態の第三の本接合工程を示した図で、(a)は接合端部接合工程の平面図、(b)は(a)のII−II矢視方向の断面図、(c)は第一継手部材接合工程の平面図である。 本実施形態の第四の本接合工程を示した図で、(a)は接合端部接合工程の平面図、(b)は(a)のIII−III矢視方向の断面図、(c)は第一継手部材接合工程の平面図である。 本実施形態の第二の継手部材配置工程を示した図で、(a)は第二継手部材を配置する前の斜視図、(b)は第二継手部材を配置した後の斜視図である。 本実施形態の第五及び第六の本接合工程を示した図で、(a)は第五の本接合工程の平面図、(b)は第六の本接合工程の平面図である。 本実施形態の接合方法によって接合された被接合金属部材を示した斜視図である。 従来の接合方法を示した図で、(a)は接続板を配置する前の断面図、(b)は接続板を配置した後の断面図である。
符号の説明
1 被接合金属部材
2 第一タブ材
3 第二タブ材
4 第三タブ材
5 第四タブ材
6 第五タブ材
7 第六タブ材
10 第一金属部材
11 接合端部
20 第二金属部材
21 接合端部
30 凹溝
40 第一継手部材
50 第二継手部材
A 表面
B 裏面
C 第一側面
D 第二側面
F 仮接合用回転ツール
F2 撹拌ピン
G 本接合用回転ツール
G2 撹拌ピン
J 接合部
J1〜J11 突合部
R1 充填用金属部材
W1〜W14 塑性化領域

Claims (5)

  1. 第一金属部材と第二金属部材とを突き合わせてなる被接合金属部材に対して回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行う接合方法であって、
    前記第一金属部材及び前記第二金属部材には、それぞれ前記被接合金属部材の表面及び裏面よりも内方にオフセットされた接合端部が形成されており、
    前記第一金属部材の接合端部と前記第二金属部材の接合端部との突合部に対して、前記被接合金属部材の表面側から摩擦攪拌を行う第一の本接合工程と、
    前記第一金属部材の接合端部と前記第二金属部材の接合端部との突合部に対して、前記被接合金属部材の裏面側から摩擦攪拌を行う第二の本接合工程と、
    前記各接合端部の両側の縁部をそれぞれ切除することで、前記被接合金属部材の全周に亘って凹溝を形成する切除工程と、
    前記被接合金属部材の表面側及び裏面側から前記各接合端部を挟むように、二体の第一継手部材を前記凹溝内に挿入する第一の継手部材配置工程と、
    前記第一金属部材の接合端部と前記第二金属部材の接合端部との突合部に対して、前記被接合金属部材の一方の側面側から摩擦攪拌を行う第三の本接合工程と、
    前記第一金属部材の接合端部と前記第二金属部材の接合端部との突合部に対して、前記被接合金属部材の他方の側面側から摩擦攪拌を行う第四の本接合工程と、
    前記被接合金属部材の両側面側から前記各接合端部及び前記各第一継手部材を挟むように、二体の第二継手部材を前記凹溝内に挿入する第二の継手部材配置工程と、
    前記被接合金属部材と前記第一継手部材及び前記第二継手部材との突合部に対して摩擦攪拌を行うとともに、前記第一継手部材と前記第二継手部材との突合部に対して摩擦攪拌を行う第五の本接合工程と、を含んでいることを特徴とする接合方法。
  2. 前記第三の本接合工程及び前記第四の本接合工程において、
    一方の前記第一継手部材に摩擦攪拌の開始位置を設定し、他方の前記第一継手部材に摩擦攪拌の終了位置を設定することを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記第三の本接合工程及び前記第四の本接合工程において、
    前記第一金属部材の接合端部と前記第二金属部材の接合端部との突合部に対して摩擦攪拌を行うとともに、前記各接合端部と前記第一継手部材との突合部に対して摩擦攪拌を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接合方法。
  4. 前記第三の本接合工程及び前記第四の本接合工程において、
    前記回転ツールを前記接合端部又は前記第一継手部材から離脱させたときに形成された抜き穴に対して、充填用金属部材を充填することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の接合方法。
  5. 前記第一から第五の各本接合工程のうち少なくとも一の本接合工程を行う前に、
    前記突合部を仮接合する仮接合工程を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の接合方法。
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