以下、本発明の実施の形態に係る食器洗い機について図1〜図10を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の説明は本発明の具体例であって特許請求の範囲の記載内容を限定するものではない。
図1に模式的に示した、本実施の形態における食器洗浄機100は、前部に開口部1を有する食器洗い機本体2と、この食器洗い機本体2に対し引き出し自在に設けられ、上方に開口3を有する洗浄槽4と、この洗浄槽4に収容され、食器等の被洗浄物を載置する食器かご6、7などと、洗浄方向の駆動によって洗浄水を加圧して洗浄に供し、または排水方向の駆動によって排水を行う洗浄・排水ポンプ8と、この洗浄・排水ポンプ8により加圧された洗浄水を、洗浄槽4の底部4aのほぼ中央に回転中心11が位置する回転洗浄ノズル12の複数の吐出経路と、洗浄槽4の四周壁4bの後部壁4b1、両側の側壁4b2、4b3の一方、前部壁4b4の少なくとも1つに設けられた非回転洗浄ノズル13の1つまたは複数の吐出経路とに選択的に供給する分水手段14とを備えたビルトインタイプのものとなっている。しかし、これに限られることはなく、載置型のものでも本発明は適用できる。また、洗浄・排水ポンプ8に代えて、洗浄と排水共に専用のポンプを採用することもできる。これにより、洗浄のための配管およびポンプの設置と、排水のための配管とポンプの配置が個別に最適設計できる。
これにより、食器洗い機本体2の洗浄槽4への給水後に洗浄・排水ポンプ8を洗浄方向に駆動すると、洗浄・排水ポンプ8は洗浄槽4内の洗浄水を吸い込み加圧して分水手段14へ送り出す。分水手段14は回転洗浄ノズル12の複数の吐出経路と、非回転洗浄ノズル13の1つまたは複数の吐出経路とに向け同時またはおよび異時に分水させて選択的に供給するので、従来通りの洗浄槽4の底部4aのほぼ中央部に回転中心11を有して配置した回転洗浄ノズル12と、洗浄槽4の四周壁4bの後部壁4b1、両側の側壁4b2、4b3の一方、前部壁4b4の少なくとも1つに新規に設けた非回転洗浄ノズル13との働きを選択的に複合させ、またはこれに、回転、非回転洗浄ノズル12、13を選択的に働かせるときの、それらに備えられることのある複数の吐出経路を選択的に働かせることをも複合させて、洗浄水を洗浄槽4の底部4aおよび四周壁4bにおける複数のノズル位置から多様なパターンで、洗浄槽4内に噴出させて食器かご6、7などに載置された被洗浄物を洗浄することができる。
この結果、洗浄槽4の底部4aのほぼ中央部に回転中心11を有した回転洗浄ノズル12と、洗浄槽4の四周壁4bの少なくとも1つに設けた非回転洗浄ノズル13とに、それぞれ有した1つまたは複数の吐出経路に、洗浄水を選択的に切換え供給することによる、回転、非回転洗浄ノズルの働きの選択的な複合により、または回転、非回転洗浄ノズル12、13に備えられることのある複数の吐出経路の働きの選択的な複合が加わって、洗浄水を複数のノズル位置から多様なパターンで洗浄槽4内に噴出させることができ、洗浄水の総噴射域、総噴射密度、洗浄水の噴射向きの多様性が高まるので、より死角のない噴射によって洗浄効率を高められるし、互いに干渉し合う噴射モードどうしは異時となるように選択的に実行すれ洗浄効果は低減しないし、噴射の無駄が省ける。それには、回転洗浄ノズルによる洗浄を最優先して、予想され、または食器配置などの仕様の違いによって傾向が生じる洗浄のウイークポイントに対応した非回転洗浄ノズルを補助的に採用するのが好適である。しかも、複数の吐出経路への分水を異時に行う割合に応じて循環に必要な総水量を抑えてランニングコストも低減できるし圧力損失もより低減する。
なお、洗浄後、洗浄・排水ポンプ8を排水方向に回転させると洗浄槽4内の洗浄水の排水に伴い分水手段14を通じた回転洗浄ノズル12や非回転洗浄ノズル13からの残水を排水してドレン処理をする。
また、洗浄槽4の洗浄・排水ポンプ8が沿う四周壁4bの1つが、後部壁4b1や側壁4b2、4b3などであって、家屋の外壁や仕切り壁などの配管引込面に対向させる構成によって引込み位置から洗浄・排水ポンプ8までの配管長さが短縮するし、後部壁4b1、側壁4b2、4b3、前部壁4b4での洗浄・排水ポンプ8の四周方向偏り側を前記引込位置に近い側とすることで前記配管長さはさらに短くなる。また、洗浄・排水ポンプ8は側壁4b2、4b3の前部寄りや、前部壁に沿って設けると、洗浄・排水ポンプ8が食器洗い機本体2の開口部1に近くなるので、その分洗浄・排水ポンプ8の設置やメンテナンスの作業が容易になる。
これらを実行するのに本実施の形態において、食器洗い機本体2は、上記の他、洗浄槽4の底部4aの回転洗浄ノズル12に至らない範囲を貯水部4eとし、この貯水部4eに給水するための給水弁23、貯水部4eに配置したヒータ25、貯水部4eからの排水を図る排水用凹部4e1、洗浄槽4内に温風を送り込む食器乾燥用のファンヒータ27、排水用凹部4e1に接続された水位センサ28などを備え、これらを制御手段31により適時に駆動し、洗い、すすぎおよび乾燥の各行程を逐次制御する。なお、本発明に係る食器洗い機において、乾燥行程は必須ではない。また、分水手段14は次に詳述するが、洗浄・排水ポンプ8の駆動、駆動停止による洗浄水の加圧、加圧解除に応動して、洗浄水を選択的に供給する弁体32を内蔵しており、制御手段31による直接の制御は不要になっている。しかし、動作や制御の方式は特に問うものではない。
本実施の形態の食器洗い機本体2が備える分水手段14は、図2〜図5に示してあり、洗浄・排水ポンプ8に連通する流入部をなす弁室133と、この弁室133の上に設けられて既述した複数の吐出経路、図示例では、回転洗浄ノズル12に設けた図2、図4、図6に示した2つの吐出経路34、35と、非回転洗浄ノズル13の吐出経路36に連通する複数の流出路36、37と、流出路38と、弁室133内に設けられて流入する洗浄水を複数の流出路36、37、38に選択的に分水させるように切換える前記弁体32とで構成されている。また、非回転洗浄ノズル13は、洗浄槽4の底部4a付近の分水手段14との接続端13aからの図1に示すような単独の立ち上がり部13bのみ、前記接続端13aからの図示していない水平部を経た立ち上がり部、前記接続端13aからの図1に例示するように立ち上がり部13bを経た水平部13c、の少なくともいずれかを備えたものとする。併せ、洗浄・排水ポンプ8は図図7に一例を示してあるが、洗浄槽4の四周壁4bの後部壁4b1、両側の側壁4b2、4b3の一方、前部壁4b4のうちの1つの、具体例では後部壁4b1の、四周方向一方、具体例では後部に向かって左側に寄った位置に沿って設け、弁室133は、分水手段14において、回転洗浄ノズル12におけるその回転中心11と同心の接続口12aに対応する流出路、具体的には流出路36、37をそれらの流出口36a、37aにて接続し回転自在に支持する回転支持部41と、非回転洗浄ノズル13の接続端13aに対応する流出路、具体的には流出路38を接続する流出口42と、の間の位置で各流出路36、37、38に接続するとともに、流出口36a、37aは、洗浄・排水ポンプ8が沿う前記四周壁4bの1つに、具体的には後部壁4b1に前記一方寄りの側で隣接する隣接壁、具体的には後部に向かって左側の側壁4b3の近傍に位置させたものとしている。
これにより、洗浄・排水ポンプ8は、洗浄槽4の四周壁4bの後部壁4b1、両側の側壁4b2、4b3の一方、前部壁4b4のうちの、1つの、四周方向一方に寄った位置に沿って位置し、分水手段14において、回転洗浄ノズル12を回転自在に支持する回転支持部41が洗浄槽4の底部4aのほぼ中央に位置し、非回転洗浄ノズル13の接続端13aに接続する流出口42が、洗浄・排水ポンプ8が沿う前記四周壁4bの1つである例えば後部壁4b1に前記周方向一方寄りの側で隣接する例えば隣接壁4b2の近傍に位置することになるので、洗浄・排水ポンプ8、分水手段14およびこれの回転支持部41と流出口42が、洗浄槽4の底部4aのほぼ中央部回転中心11と1つのコーナ43とを結ぶ対角線を持ったほぼ1/4領域A以内に、配置できる上、回転支持部41および流出口42の間に位置する弁室133は、前記1/4領域A内の回転支持部41よりもさらに近い位置から洗浄・排水ポンプ8に接続できるし、回転支持部41および流出口42は、前記1/4領域A内にて回転洗浄ノズル12の接続口12aおよび非回転洗浄ノズル13の接続端13aに接続して、洗浄槽4の底部4aのほぼ中央に回転中心11が位置する回転洗浄ノズル12と、洗浄槽4の四周壁4bの少なくとも1つ、具体的には後部壁4b1に設けられる非回転洗浄ノズル13に対し、洗浄・排水ポンプ8からの短い配管、通路長にて、洗浄水を供給することができる。
この結果、洗浄・排水ポンプ8、洗浄水の選択的供給を行う分水手段14およびこれの回転支持部41と流出口42が、洗浄槽4の底部4aの1つのコーナ43側となるほぼ1/4領域A以内に、配置できて配管構造が簡単でかさ張らず食器洗い機100全体が小型化、軽量化、低コスト化する。また、弁室133は近い位置から洗浄・排水ポンプ8に接続し、回転支持部41よび流出口42は、前記1/4領域A内にて回転洗浄ノズル12および非回転洗浄ノズル13に接続するので、短い接続通路で、前記短い配管と併せ、洗浄・排水ポンプ8の駆動、駆動停止に対する分水切換えの応答性を高めるのに併せて、圧力損失をも抑えられ、洗浄効率の向上、洗浄時間の短縮に有利なものとなる。また、複数の吐出経路への分水を異時に行う割合に応じて循環に必要な総水量を抑えてランニングコストも低減できるし、圧力損失による洗浄効率の低減も防げる。
なお、図示例では、回転支持部41、弁室133、流出口42は、図2、図7に示すように、ほぼ一直線上に並び、流出口42は、隣接壁4b2近傍での洗浄・排水ポンプ8側寄りに位置し、非回転洗浄ノズル13の接続端13aからの立ち上がり部13bを経た水平部13cは、少なくとも四周壁4bの洗浄・排水ポンプ8が沿う1つである、具体的には後部壁4b1に設け、少なくとも水平部13cに洗浄水を噴出する噴射口44を設けたものとしている。
このように、回転支持部41、弁室133、流出口42が、ほぼ一直線上に並ぶことにより、弁室133から回転支持部41に向かう流出路36、37と、流出口42に向かう流出路38とが、図2に見られるように互いに逆向きに延び、逆向きに延びる流出路のそれぞれが、回転支持部41に向かう流出路36、37のように複数ずつあっても、弁室133の平面視した周方向の半周ずつを利用して、弁室133まわりの拡張なしに必要な範囲で個別に単純経路で連通さて弁体32による流出路36、37、38などの切換えを受けられる。また、流出口42が洗浄・排水ポンプ8側に寄った分だけ、洗浄・排水ポンプ8、分水手段14およびこれの回転支持部41と流出口42との配置が、前記1/4領域A未満に小さくなり、弁室133の洗浄・排水ポンプ8との接続距離がさらに短縮するし、非回転洗浄ノズル13の接続端13aからの立ち上がり部13bを経た水平部13cが、少なくとも四周壁4bの洗浄・排水ポンプ8が沿う1つに設けられる場合の接続距離も短縮し、水平13cが四周壁4bの2つ、3つ、4つに延長される場合や、立ち上がり部13bから周方向両側に分岐する場合にも対応できる。
また、回転支持部41と、回転洗浄ノズル12の接続口12aとは、図1、図4に示すように、洗浄4の底部4aよりも上で垂直に接続している。これにより、回転洗浄ノズル12はその接続口12aを洗浄槽4の底部4aの上で、回転支持部41に垂直方向から他に邪魔されることなく接続することができる。また、流出口42と、立ち上がり部13bの接続端とも、洗浄槽4の底部よりも上で垂直に接続している。これにより、非回転洗浄ノズルもその接続端13aを洗浄槽4の底部4aの上で、流出口42に垂直方向から他に邪魔されることなく接続することができる。
本実施の形態の回転洗浄ノズル12は、特に、分水手段14から洗浄・排水ポンプ8の駆動制御に応じて選択的に供給される吐出経路36、37の違いによって、その回転方向が正転と逆転とに切換えられるようにしている。そのための具体的方法は種々考えられるが、洗浄水の噴射口44からの噴射エネルギーを利用することができる。
また、分水手段14における弁室133は、図7に示すように洗浄・排水ポンプ8側に延びる接続口133bを有し、回転支持部41とはほぼ反対側となり、弁体32とはその回転中心46を通る放射方向となる反対の側を向いて洗浄・排水ポンプ8と洗浄槽4の底部4aの下で接続されている。これに対応して、洗浄槽4の底部4aの洗浄・排水ポンプ8が沿うように設けられる周壁4bの部分、図示例では後部壁4b1に沿った洗浄・排水ポンプ8設置範囲に対応して上方へ膨出した膨出部4fを設け、この膨出部4fの下の空間47に洗浄・排水ポンプ8を設置し、洗浄・排水ポンプ8の設置によって洗浄槽4のまわりにデッドスペースが生じるのを防止している。これによっても、食器洗い機本体2が大型化するのを抑えられる。
ここで、分水手段14について詳述する。分水手段14は、洗浄・排水ポンプ8に連通する流入部をなす既述の弁室133と、この弁室133の上に設けられて前記複数の吐出経路33、34、35と連通する複数の流出路36、37、38を持った分水通路48と、弁室133内に設けられて流入する洗浄水を複数の流出路36、37、38に選択的に分水させように切換える弁体32とで構成され、分水通路48は、複数の流出路36、37、38のうちの少なくとも1つを一体形成して備えると共に、分水通路48を洗浄槽4内から取り外すことにより、弁体32を洗浄槽4内から着脱可能にしている。これにより、流出路36、37、38の通水洗浄、弁体32自体のメンテナンス、弁体32や弁室133の洗浄といったことが容易になり、複雑な通路構造や弁構造部を長期に清潔に保てるし、複雑な切換え動作をする弁体32の正常な機能も確保しやすい。具体的には、図3に示すように分水通路48は上下の半殻体を超音波溶着などして複数の流出路36、37、38を一体に形成して、その全体が図3、図4、図7に示すように、洗浄槽4の底部4aに設けた凹部49に上方から着脱できるよう嵌め込み、底部4aと段差がない状態に装着するようにし、併せ、凹部49の底部に上方に開口133aを持った弁室133を固定し、前記装着された分水通路49の接続口49aがシールパッキン51を介し着脱できるように上下方向に接続されるようにしている。これにより、弁室133および分水通路48を洗浄槽4内から着脱できるようにするにも、洗浄槽4内に大きく突出して他の邪魔になってデッドスペースができたりしない。特に、分水手段とこれに隣接する洗浄槽4の底部4aとがほぼ同等の高さ関係とすると、清掃時に引っ掛りをなして作業の邪魔になったり外力を受けて損傷するようなことを防止することができる。シールパッキン51は接続口48aの外まわりに装着して、開口133aの内周との間をシールするようにしてあるが、開口133aの内周側に装着しておくこともできる。
弁体32は、弁室133の流入部と分水通路48の複数の流出路36、37.38との間を進退および回転移動することにより、前記流入部から流入した洗浄水を複数の流出路36、37、38を通じて吐出する吐出経路33、34、35を切換えるようにしている。このために、図3、図8(a)に示すように、分水通路48の接続口48aに、弁室133から分水通路48内の3つの流出路36、37、38へ個別かつ維持に分水する4つの分水開口48a1〜48a4を弁体32の回転中心46まわりに、放射状のリブ48a5により均等な大きさに仕切って形成して、図2に示すように分水開口48a1、8a2は流出路36に、分水開口48a3は流出路37に通じ、分水開口48a4は流出路38に通じるようにしている。
弁体32は、図3に示すように弁室133の底部に一体成形するなどして設けたガイド軸60まわりに回転自在でかつ上下動して前記分水通路48の接続口48aに対し上下方向に離接する円盤状のものとし、接続口48aへの当接時、ガイド軸60まわりの回転によって前記分水開口48a1〜48a4のいずれか1つを開口させる回転中心46まわりの1/4範囲を図8(b)(d)に示すように切除するなどした通水部32aを形成している。これにより、弁体32は、洗浄・排水ポンプ8の駆動、駆動停止による洗浄水圧の有無に応動して、複数の分水開口48a1〜48a4を持った接続口48aに所定の回転位置にて当接し特定の1つ以外を塞いで特定の1つを通水部32aにて通じ分水する分水位置と、接続口48aから離れて各分水開口48a1〜48a4の全てを開放する分水しない非分水位置との間で上下移動し、この弁体32の分水位置と非分水位置との間の往復動作に伴い、弁体32が分水開口48a1〜48a4を閉じる回転位置を変更していくように上部カム対61と下部カム対62とが交互に働くようになっている。
さらに具体的には、下部カム対62は互いに噛み合う鋸歯状カム62a、62b同士であり、双方は弁体32を1/4回転位置ずつに安定させる案内条件を持っている。一方、上部カム対61は山形カム61aと分水口48a1〜48a4を仕切るリブ48a5の下端がなす放射状カム61bとであり、弁体32が下部カム対62によって安定していた非分水位置から洗浄水圧によって押し上げられたとき、山形カム61aの斜面が放射状カム61bの途中位置から当接させて弁体32を分水位置まで1/4回未満回転させて安定させる機能を持ち、洗浄水圧解除によって分水位置から弁体32が落下すると、下部カムタ対62の鋸歯状カム62a、62b同士は互いの歯の途中位置で噛み合い、弁体32を前記上部カム対61による1/4回未満回転から1/4回転までの残りを回転させて安定させる機能を持っている。
これにより、弁体32は分水位置に上動する都度上動前の安定回転位置から1/4回転未満回転させられ、弁体32は一旦分水位置に上動した後落下する都度下部カム対62の噛み合わせ位置が次の1/4回転位置へ安定させるように変更される。この結果、複数の分水開口48a1〜48a4のうち1つずつが順次に開放され、分水開口48a1から回転洗浄ノズル12の流出路36を経た回転洗浄ノズル12の吐出経路33への分水、分水開口48a2から回転洗浄ノズル12の流出路36を経た回転洗浄ノズル12の吐出経路33への分水、分水開口48a3から流出路37を経た吐出経路34への分水、分水開口48a4から流出路38を経た非回転洗浄ノズル13の吐出経路35への分水が、順次に、繰り返されることになる。
ここに、制御手段31が洗浄・排水ポンプ8の駆動停止を挟む駆動時間を一定とする制御では、洗浄・排水ポンプ8からの洗浄液を分水開口48a1、48a2を通じて回転洗浄ノズル12の吐出経路36に2回繰り返し供給し回転洗浄ノズル12を正回転させて洗浄に供する時間は、洗浄・排水ポンプ8からの洗浄液を分水開口48a3を通じて回転洗浄ノズル12の吐出経路37に供給し回転ノズル12を逆転させて洗浄に供する時間と、分水開口48a4から流出路38を通じて非回転洗浄ノズル13の吐出経路35に供給し洗浄に供する時間の双方に対して、2倍となる。
これは、回転洗浄ノズル12から噴射する洗浄水が、食器の食物を入れる内側となる凹部に行き届きやすくするため、例えば、図9に例示するように、回転洗浄ノズル12の洗浄槽4の底部4aのほぼ中央に位置する回転中心11を通り、かつ、洗浄槽4の四周壁4bの相対向し合う2つの周壁4b1、4b4に直角な直線71を境に、食器72の内側が相対向し合う対称な向きに載置されるように食器かご6を最適設計したことに対し、回転洗浄ノズル12の正転を優先して、最適配置された前記食器72などに対する洗浄が十分であるように噴射条件などを最適設計していることに対応している。
つまり、回転洗浄ノズル12の正転洗浄にて通常は十分であるところ、洗浄時間の短縮、被洗浄物の収容量の増大、被洗浄物の配置形態のばらつきなどに起因したウイークポイントへの洗浄を逆転洗浄で補い、より短時間でより洗い残しなく洗浄できるようにしている。また、図9に示すように内側が対向し合うように対称配置する食器72の一方側が大きく、他方側が小さくなるように食器かご6を設計した場合、図1に示す場合は前後に対向し合い、前部側の食器が大きく後部側の食器が小さい場合、小さい食器を配置する領域の上方に空間ができるので、この空間にも図1に示すように食器かご7を設けて洗浄槽4内を有効利用するが、この食器かごの領域を回転洗浄ノズル12の適正洗浄範囲にするには困難や無駄があったりするので、これを回転洗浄ノズル12のウイークポイントとして回転洗浄ノズル12の洗浄負荷を軽減しておき、既述した非回転洗浄ノズル13の主として水平部13cによって洗浄を補助できるようにしており、立ち上がり部13bの食器かご7に対応する範囲に噴射口44を設けることで洗浄の補助機能を高めている。この意味で、水平部13cは立ち上がり部13bを設けた側壁4b2と反対の側壁4b3へも延長するのが好適であるし、さらに、前部壁4b4へも延長することも考えられる。このような洗浄の補助機能から、水平部13cは四周壁4bの全周にあるのが最強となるし、水平部13cの延長域とはべつに、立ち上がり部13bから周方向両側に分岐させて設けることもでき、この場合両側に分岐する水平部13cの高さや延長経路に違いを持たせると、洗浄槽4内の広い洗浄域内での高さ方向、平面方向の場所ごとで異なる洗浄負荷の違いに対応しやすい。
もっとも、図示例での4つの分水開口48a1〜48a4を通じた分水を、前記非回転洗浄ノズル13の吐出経路35が1つであるのを2つにするなどして、既存の吐出経路33、34、35に増設分を加えた4つに対し、行うようにすると、前記洗浄・排水ポンプ8の駆動制御では、回転洗浄ノズル12の吐出経路33への分水時間と、回転洗浄ノズル12の吐出経路34、非回転洗浄ノズル13の吐出経路35および追加吐出経路への分水時間とが同じになってしまう。
しかし、分水手段14から洗浄・排水ポンプ8の駆動制御に応じて選択的に供給される回転洗浄ノズル12の各吐出経路33、34の違いによって、その回転方向が正転と逆転とに切換えられる場合の、正転時間と逆転時間とが所定の割合となるように、制御手段31は洗浄・排水ポンプ8の駆動を自由に制御することができる。それには、制御手段31は、洗浄・排水ポンプ8の正転時と逆転時とのそれぞれの駆動時間の割合により、回転洗浄ノズル12の正転時間と逆転時間との割合を制御すればよい。正転と逆転とで洗浄効果が変わらない関係では、正転時間と逆転時間とは同等に設定することもできる。
もっとも、吐出経路36、37、38や前記追加分、さらなる追加分を含め、それに対応した分水開口48a1〜48a4や追加分を含めたものからの分水時間の割合は、制御手段31による各分水制御持の洗浄・排水ポンプ8の駆動時間の割合によって自由に設定、制御できる。
ここで、分水手段14から選択的に供給される洗浄水を、2つの吐出経路33、34を有して洗浄44から噴出させる正逆回転自在な回転洗浄ノズル12が、分水手段14から洗浄・排水ポンプ8の駆動制御に応じて選択的に供給される吐出経路33、34の違いによって、その回転方向が正転と逆転とに切換える場合に限っていえば、制御手段31によって、回転洗浄ノズル12の正転時間と逆転時間とが所定の割合となるように洗浄・排水ポンプ8を駆動することにより、洗浄・排水ポンプ8からの洗浄水を、2つの吐出経路33、34に対し、分水手段14を介し制御手段31による洗浄・排水ポンプ8の駆動制御に応じて選択的に供給し、この洗浄水が供給される吐出経路33、34の違いによって正転と逆転を、単独に切換えられることになる。これが本実施の形態では既述のように複合して設けた他の吐出経路35およびそれに関連する非回転洗浄ノズル13などの他の洗浄ノズルを含んで切換え使用できることになる。
その際の回転洗浄ノズル12単独の、または非回転洗浄ノズル13など他と複合しての、回転洗浄ノズル12の正転時間と逆転時間とが所定の時間割合となるように、制御手段31が洗浄・排水ポンプ8の駆動を制御することにより、回転洗浄ノズル12による正転洗浄と逆転洗浄とを、単独で、あるいは非回転洗浄ノズル13など他の動作時間と複合して、多様な時間割合によって、多様に異なる洗浄条件にきめ細かく対応して、1つの回転洗浄ノズル12だけでも、節水や洗浄時間の短縮を図ってしかも十分な洗浄ができるので、洗浄域が広く大型な回転洗浄ノズル12が1つしか設けられないビルトインタイプの食器洗い機の場合に特に有効となる。
例えば、正転と逆転とで回転方向の違いに応じて異なった洗浄のウイークポイントが生じるような場合には、正転時間と逆転時間の時間割合をほぼ同等に設定することにより、正転時の洗浄のウイークポイントを逆転時に回転方向の違いにより補助洗浄し、逆転時の洗浄のウイークポイントを正転時に回転方向の違いにより補助洗浄して、正転時と逆転時とで異なる洗浄のウイークポイントを相殺し、洗浄効果を高められる。
また、正転および逆転の一方、具体的には記述した正転を優先して洗浄しながら、その回転方向が一定であることによって洗浄のウイークポイントが生じるような場合に、その回転方向と逆向きとなる正転および逆転の他方、具体的には既述した逆転によって、洗浄のウイークポイントの洗浄不足度に見合った必要最小限の時間で回転方向の違いを利用した補助洗浄をして、洗浄効果を高められる。
ここに、制御手段31は、洗浄・排水ポンプ8の、回転洗浄ノズル12の正転時と逆転時とのそれぞれの駆動時間の割合により、弁体32の1/4ずつの均等な回転による切換え動作に関係なく、切換えの時間間隔を制御して、回転洗浄ノズル12の正転時間と逆転時間との割合を制御していることになり、機種ごとに予め設定した時間条件に応じて、あるいは複数ノメニューごとに予め設定した時間条件のうちの選択されたものに応じて、あるいはその時々にユーザが入力しまたは選択する時間条件に応じて駆動時間を制御するようにできる。これは、既述した本実施の形態の分水手段14が、吐出経路33には弁体32の2回の切換え分の分水を行い、吐出経路34、35にはそれぞれ1回の切換え分しか分水していないことが支障とならないで行える。例えば、吐出経路33への2回の切換えの分水時間を他の切換え時の各分水時間の1/2に設定すれば、吐出経路33、34、35への分水時間を均等とすることができるし、どのような時間割合にも対応できる。また、分水順位によっては吐出経路33、34への分水による回転洗浄ノズル12の正転と逆転との間に、非回転洗浄ノズル13など他の洗浄ノズルへの分水を挟むように設定することもできる。また、分水順位は分水手段によって特定しているので、回転しない非回転洗浄ノズル13への分水状態は回転洗浄ノズル12の正転または逆転からの弁体32の切換え回数を基に判定することができ、回転洗浄ノズル12の正転および逆転の初期回転情報、あるいは無回転情報のみによって、非回転洗浄ノズル13への分水時間を含めた、正転時間、逆転時間の制御ができる。
このように、回転洗浄ノズル12の正転時と逆転時とで洗浄・排水ポンプ8の駆動時間を個別に制御するのに、回転洗浄ノズル12の回転方向を検知する回転方向検知手段を備え、制御手段31は、前記回転洗浄ノズル12の正転時と逆転時との回転方向検知手段からの出力に基づき、正転時間と逆転時間とが所定の割合となるように制御するものとすればよい。この場合の回転方向検知手段としては、特に図示しないが、最も邪魔になりにくく、設置しやすいものとして、例えば、固定部となる分水手段14や洗浄槽4の底4aや四周壁4dなどの回転方向2箇所にリードスイッチを設け、これに対向する回転洗浄ノズル12の回転部に磁石を設け、2つのリードスイッチのどちらが先に磁石に応動するかで回転洗浄ノズル12の回転方向を検出することができる。しかし、これに限られることはない。
このようにして、回転洗浄ノズル12の回転方向を回転方向検出手段によって検出すれば、制御手段31は回転洗浄ノズル12を所定の時間割合で正転および逆転させるのに、その時々の回転方向の情報に基づき、当該回転方向に割り当てられる時間分ずつ洗浄・排水ポンプ8の駆動を継続した後駆動を停止すればよく、所定の時間割合での正転時間と逆転時間とは、それぞれ連続に達成しても、複数回繰り返して達成してもよい。複数回の繰り返しによれば、正転による優先洗浄と逆転による補助洗浄とを順次に繰り返し進行させられる。
また、別に、前記2つの吐出経路33、34に選択的に供給される洗浄水の流れを検知する流水検知手段を備え、制御手段31は、回転洗浄ノズル12の正転時と逆転時との前記流水検知手段からの出力に基づき、正転時間と逆転時間とが所定の割合となるように制御ができる。この場合の流水検出手段は、最も邪魔になりにくく、設置しやすいものとして、例えば、分水手段14の固定側で、分水されている領域内、つまり、弁室133から分水されて個別に流れる領域内、具体的には分水通路48における流出路36内、流出路37内に挿入した電極対として、そこに洗浄水が分水されたかどうか、具体的には継続して洗浄水が存在するかどうかを検知するものとすればよい。しかし、これに限られることはない。
このように、回転洗浄ノズル12における2つの吐出経路33、34に流出路36、37を通じて選択的に供給される洗浄水の流れは、供給される吐出経路33、34の違いによって回転洗浄ノズル12の回転方向に対応しており、この洗浄水の流出路36、37での流れを流水検出手段によって検出すると、制御手段31は回転洗浄ノズル12を所定の時間割合で正転および逆転させるのに、流出路36、37でのその時々の洗浄水の流れ情報に基づき、当該流れ情報に対応する回転方向に割り当てられる時間分ずつ洗浄・排水ポンプ8の駆動を継続した後駆動を停止すればよい。
また、別に、弁体32の2つの吐出経路33、34への洗浄水の供給切換え位置を検知する弁体位置検知手段を備え、前記制御手段31は、回転洗浄ノズル12の正転時と逆転時との弁体位置検知手段からの出力に基づき、正転時間と逆転時間とが所定の割合となるように制御するものとすることができる。この場合の弁体位置検知手段は、最も邪魔になりにくく、設置しやすいものとして、例えば、分水の切換えのために回転位置が順次に変わる弁体32に磁石を設け、この磁石に弁室133側のリードスイッチが、少なくとも弁体32が正転用の流出路36に分水する回転位置か、逆転用の流出路37に分水する回転位置かで応動して検知するものとすることができる。しかし、これに限られることはない。
このように、回転洗浄ノズル12における2つの吐出経路33、34に選択的に供給する弁体32の供給切換え位置は、供給される吐出経路33、34の違いによる回転洗浄ノズル12の回転方向に対応しており、この弁体32の供給切換え位置を弁体位置検出手段によって検出するので、制御手段31は回転洗浄ノズル12を所定の時間割合で正転およ逆転させるのに、その時々の弁体32の供給切換え位置情報に基づき、当該供給切換え位置情報に対応する回転方向に割り当てられる時間分ずつ洗浄ポンプの駆動を継続した後駆動を停止すればよい。もっとも、弁体位置検知手段は、非回転洗浄ノズル13などへの切換え位置をも積極的に検知することもできる。
図示する例では、さらに、分水手段14が分水通路48の一端にある回転支持部41によって回転洗浄ノズル12の接続口12aを回転自在に支持して2つの流出路36、37を、図2に示すように回転洗浄ノズル12の両端間に及んで平面視回転中心軸11部でクロスするようにクロス配置された2つの吐出経路33、34に、前記回転中心11まわりで連通させるのに、流出路37から吐出経路37への流出口37aと、流出路36から吐出経路33への流出口36aとを、図4に示すように回転中心11まわりに同心な内外二重通路構造の流出口36a、37aとして回転支持部41に開口させ、吐出経路33、34の導入口12a1、12a2を、回転中心11まわりに同心な内外二重通路構造の導入口12a1、12a2として接続口12aに開口させ、接続口12aの回転支持部への接続によって、それら流出口36a、37aと導入口12a1、12a2とが繋がり、この内外二重通路構造の導入口12a1、12a2が、吐出経路33、34のクロス域における吐出経路33、34との平面視互いに回転中心11を中心とする点対称配置となる2箇所ずつの導入部12a3、12a4に連通させるようにしている。これにより、分水通路48の流出路36から回転洗浄ノズル12の吐出経路33への分水時の洗浄水の流れも、分水通路48の流出路37から回転洗浄ノズル12の吐出経路34への分水時の洗浄水の流れも、回転洗浄ノズル12の回転にもかかわらず、また、その回転位置の違いにも関わらず、回転中心に同心な内外二重通路構造によって脈動や乱れなく安定した回転中心11まわりにほぼ均等な層流状態となって各吐出通路33、34にほぼ均等に導入されるし、各吐出通路33、34へはそれらが回転軸11まわりのクロス域における回転中心11を中心とする点対称配置となる2箇所ずつの導入連通部12a3、12a4を通じて、回転洗浄ノズル12の回転バランスを崩すことなく導入されるので、回転洗浄ノズル12は正転も逆転も振動や脈動、回転むらといったことなく安定に回転し、回転による洗浄効果が低下したり回転位置によってむらが生じたりしない。これには、流出路36、37から吐出路33、34に分水する通路断面積が双方同等になるように設計されるのが好適である。
また、回転支持部41は図4に示すように、これを持った分水通路48において、弁室133からからの横向きとなって洗浄槽4の底部4aに沿って延びる延出経路範囲Bから回転中心方向に向け屈曲した上向きとなる屈曲経路範囲Cをなし、この屈曲経路範囲Cの少なくとも外コーナC1側は滑らかな湾曲形状をなしその湾曲のための湾曲高さ領域Hを有したものとしている。これによって、分水通路48の流出路36、37に分水された洗浄水は、前記横向き回路範囲Bから滑らかな屈曲経路範囲Cを経て無理なく、乱れることなく、垂直な上向きとなっている回転支持部41の回転中心11に同心な内外二重通路構造をなす流出口36a、37aに向けスムーズに案内されて、同じく垂直で回転中心11に同心な内外二重通路構造をなす導入口12a1、12a2へ衝突や偏り、乱れなどなく真上に流れ込んで、前記導入連通口12a3、12a4を通じて吐出経路33、34に回転中心11まわりにバランスよく導入されるので、回転洗浄ノズル12の回転のバランス、安定性がさらに向上する。例えば屈曲経路範囲Cの内面の曲率は、分水通路48の横断面形状をほぼ円形とした場合、その内径のほぼ1/2以上とすることが乱流の発生の抑制および圧力損失の低減という点で好適であり、例えば、分水通路48の内径が20mmとし、屈曲経路範囲Cの曲率を10mm以上とするのがよい。また、屈曲経路範囲Cの内コーナの内面が角張れば、下流側に乱流やキャビテーションが生じやすくなるので、外コーナ側より曲率は十分小さくてよいが、軸線方向の曲面としておくことが望ましい。
このために、本例では、前記横向きの延出経路範囲Bは、弁室133との接続高さ位置H0から回転支持部41側に向って下向き傾斜となる部分B1を有したものとしており、延出経路の弁室から回転支持部側への下向きの傾斜によって、屈曲経路を湾曲形状とするための湾曲高さ領域Hが、弁室設置の高さ領域H1と並列な関係にて確保でき、それが沿う洗浄槽の壁からのかさ張りをさらに抑えられる。しかし、接続高さ位置H0よりも低い部分には洗浄水が残るので、好適には、弁室133と共にドレン排水を適時に実施することになる。しかし、延出経路範囲Bを図4に仮想線で示すような水平方向以上の高さで延出させまたは上向き傾斜とすることにより、湾曲高さ領域H1の下端壁48aは、弁室32との接続高さH0以上となるので、天部壁48cの高さや形状に関係なく、洗浄水を弁室133に流れ込ませて途中に残るのを回避し、弁室133一か所にてドレン処理ができる。
もっとも、複数の洗浄ノズルを備えて洗浄効果を高めるのに、少なくとも1つを回転洗浄ノズル12とし、底部4aの中央部に配置して優先使用するのが好適な1つの態様ではあるが、これに限られることはなく、少なくとも1を前記立ち上がり部13b、水平部13cを有した非回転洗浄ノズル13として、他の1つまたは複数の洗浄ノズルと選択的に複合して働かせて洗浄効果を高めることもできる。
この場合、立ち上がり部13bは図7に示したように、平面視して洗浄・排水ポンプ8から外れた位置にて一端部である接続端13aが洗・排水ポンプ8よりも高い位置まで立ち上げ、水平部13cは、立ち上がり部13bの一端部に接続され、平面視して洗浄・排水ポンプ8の少なくとも上方を経由するかまたは上方に位置して四周4bの少なくとも1つに設けたものとするだけで、食器洗い機本体2の洗浄槽4への給水後に洗浄・排水ポンプ8を給水方向に駆動すると、洗浄・排水ポンプ8は洗浄槽4内の洗浄水を吸い込み加圧して分水手段14へ送り出し、分水手段14は少なくとも1つが非回転洗浄ノズル13であり、他が回転洗浄ノズル12などである複数の洗浄ノズルの1つまたは複数の吐出経路33、34、35に向け同時またはおよび異時に分水させて選択的に供給するので、少なくとも1つの非回転洗浄ノズル12を含む複数の浄ノズルとそれらが持つ1つまたは複数の吐出経路33、34、35による洗浄作用を選択的に複合させて、洗浄水を複数のノズル位置から多様なパターンで、洗浄槽4内に噴出させて食器かご6、7に載置された食器72などの被洗浄物を洗浄することができる。
しかも、非回転洗浄ノズル13は、洗浄槽4の底部4aまわりに設けられる洗浄・排水ポンプ8からの洗浄水を分水手段14による分水にて、立ち上がり部13bを通じ水平部13cに供給されて噴射させるが、水平部13cは洗浄槽4の四周壁4bの少なくとも1つに、それに沿って配置した洗浄・排水ポンプ8の上方を経由するか上方に位置して設けたことにより、平面視して洗浄・排水ポンプ8から外れた立ち上がり部13cを含み洗浄・排水ポンプ8からの分水手段14を介した給水経路長を、洗浄・排水ポンプ8と邪魔し合わない引き回し経路にて短くすることができる。また、立ち上がり部13bによって水平部13cを洗浄槽4の必要所定高さに位置させて、他の洗浄ノズルと複合して働かせられる。
また、図7に仮想線で示すように、立ち上がり部13bを複数の吐出経路35、35aで構成し、この複数の吐出経路35、35aにそれぞれ対応させて水平部13cおよびその吐出経路35、35aを設けるとともに、立ち上がり部13nの複数の吐出経路35、35aを少なくとも接続端13aにおいて一体成形成するなどして、それぞれに対応させて一体成形するなどして分水通路48に設けた複数の流出口42、42aに同時に接続、分離可能に設けたものとすることができる。これにより、非回転洗浄ノズル13に複数の吐出経路35、35aを備えて洗浄水の噴射域を増大させて洗浄効果を高めながら、分水手段14との接続はその分水通路48における複数の流出口42、42aに対して同時に、つまり一挙動にて接続および分離することができる。
なお、弁室133は図10に示すように、洗浄槽4の底部4aと一体形成して部品点数と組み立て工数とを低減してさらにコスト低下を図ることができる。具体的には、洗浄槽4の底部4aの分水通路48を嵌め込む凹部49の底部に弁室133の開口133a部で繋がるように一体成形してある。他の構造は先の例の分水通路48および弁室133、弁体32がなす分水手段14と変わるところはなく、共通する部材や部分には同一の符号を付して説明は省略する。また、本発明において、弁体32は、モータなどの専用アクチュエータによって駆動し、制御手段31により分水の切換え制御を行うようにもできる。