JP2009089652A - オリゴヌクレオチド及びこれをプライマーとして用いたラクトバチルス・フルクチボランスの検出法 - Google Patents
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Abstract
【課題】LAMP法でラクトバチルス・フルクトチボランスを種特異的に検出できる方法の提供。
【解決手段】ラクトバチルス・フルクトチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的になるように化学合成されたオリゴヌクレオチド。LAMP法を用いてラクトバチルス・フルクトチボランスを検出するためのプライマーとして使用する特定の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
【選択図】なし
【解決手段】ラクトバチルス・フルクトチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的になるように化学合成されたオリゴヌクレオチド。LAMP法を用いてラクトバチルス・フルクトチボランスを検出するためのプライマーとして使用する特定の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
【選択図】なし
Description
本発明は、オリゴヌクレオチド及びこれをプライマーとして用いたラクトバチルス・フルクチボランスの検出方法に関する。さらに詳しくは、特定の塩基配列を有する合成オリゴヌクレオチドをプライマーとしてLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法を行い、増幅されたプライマーの伸長物を検出することによりラクトバチルス・フルクチボランスを特異的に検出する方法に関する。
ラクトバチルス・フルクチボランス(Lactobacillus fructivorans)は、耐酸性、耐塩性及び耐熱性を合わせ持つ乳酸桿菌であり、従来より、酸性食品、ホットパック食品、醗酵食品等で細菌的事故を散発させている。ラクトバチルス・フルクチボランスの中には通常の細菌試験で行われている平板培地での増殖が遅く、検出までに7日〜10日かかるものもある。そこで、以前より増殖培地の検討がなされてきたが、増殖が遅いことはこの菌の固有の性質であるために、抜本的な解決は困難であった。
このような状況下、16SrRNAをコードするDNA配列(以下16SrDNAと称する)を標的とするポリメラーゼ連鎖反応法(Polymerase
Chain Reaction、以下PCR法と省略する)による迅速検出法が知られており、この検出法を用いてラクトバチルス属の特定の菌種の同定や解析が行われている。
本出願人は、特開2005−160332号公報(特許文献1)にて、PCR法でラクトバチルス・フルクチボランスを検出するために新規にプライマーを開発し、ラクトバチルス・フルクチボランスの迅速な検出を可能とした。
Chain Reaction、以下PCR法と省略する)による迅速検出法が知られており、この検出法を用いてラクトバチルス属の特定の菌種の同定や解析が行われている。
本出願人は、特開2005−160332号公報(特許文献1)にて、PCR法でラクトバチルス・フルクチボランスを検出するために新規にプライマーを開発し、ラクトバチルス・フルクチボランスの迅速な検出を可能とした。
しかしながら、このPCR法を用いた細菌の検出法は反応を行うために特殊な専用機器を必要とし、最終判定方法には電気泳動法と呼ばれる特殊な手法や、紫外線を照射する装置などが必要となる。また、このPCR法による検査は、開始から判定まで通常4〜5時間を要することから、食品工業などの現場で用いるためには更に簡便かつ迅速に結果が得られる手法が求められていた。
最近では、PCR法に代わる遺伝子増幅法としてLAMP(Loop-Mediated Isothermal
Amplification)法による手法が栄研化学(株)より開発された。この手法は必要とする試薬に特定の遺伝子領域を増幅するためのプライマーを混合し、65℃付近の一定温度にて1時間程度反応させ、その判定は反応液の濁度により確認可能な方法である。また、この手法は、PCR法にみられるような特殊な専用機器を用いる必要はなく、また反応時間も短いため簡便であり、迅速な結果を得られると考えられる。
Amplification)法による手法が栄研化学(株)より開発された。この手法は必要とする試薬に特定の遺伝子領域を増幅するためのプライマーを混合し、65℃付近の一定温度にて1時間程度反応させ、その判定は反応液の濁度により確認可能な方法である。また、この手法は、PCR法にみられるような特殊な専用機器を用いる必要はなく、また反応時間も短いため簡便であり、迅速な結果を得られると考えられる。
しかしながら、この手法は、検査対象の細菌に対して特異的に反応するプライマーを独自に開発する必要があるが、ラクトバチルス・フルクチボランスについても特異的なプライマーは未だ発見されていない。
特開2005−160332号公報
本発明は、このような従来の状況に対し、LAMP法でラクトバチルス・フルクチボランスを検出するために新規にプライマーを開発し、ラクトバチルス・フルクチボランスを迅速に検出できるようにすることを目的とする。
本発明者は、ラクトバチルス・フルクチボランスにおいて、16SrDNA配列が種のレベルで保存されており、他種の株の配列とは異なっている領域を探索し、当該領域の中の特定配列を標的とするプライマーを新規に開発し、そのプライマーをLAMP法で用いることによりラクトバチルス・フルクチボランスを良好に検出できること、または、ラクトバチルス属の他種から良好に識別できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ラクトバチルス・フルクチボランス(Lactobacillus fructivorans)の16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1乃至4のいずれかに示される塩基配列を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチド、
(2)ラクトバチルス・フルクチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成された4種のオリゴヌクレオチドからなるプライマーであって、少なくとも1種が請求項1記載の配列番号1〜4のいずれかに示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドからなることを特徴とする、ラクトバチルス・フルクチボランス検出用プライマー、
(3)ラクトバチルス・フルクチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1〜4に示される塩基配列FIP、BIP、F3およびB3からなる4種のプライマーのセット、
(4)(2)又は(3)記載のプライマーを検体に加え、LAMP(Loop-Mediated Isothermal
Amplification)法によりプライマーの伸長反応と標的とするヌクレオチド配列の増幅を行い、そのヌクレオチド配列の増幅を検出することを特徴とするラクトバチルス・フルクチボランスの検出方法、
である。
(1)ラクトバチルス・フルクチボランス(Lactobacillus fructivorans)の16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1乃至4のいずれかに示される塩基配列を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチド、
(2)ラクトバチルス・フルクチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成された4種のオリゴヌクレオチドからなるプライマーであって、少なくとも1種が請求項1記載の配列番号1〜4のいずれかに示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドからなることを特徴とする、ラクトバチルス・フルクチボランス検出用プライマー、
(3)ラクトバチルス・フルクチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1〜4に示される塩基配列FIP、BIP、F3およびB3からなる4種のプライマーのセット、
(4)(2)又は(3)記載のプライマーを検体に加え、LAMP(Loop-Mediated Isothermal
Amplification)法によりプライマーの伸長反応と標的とするヌクレオチド配列の増幅を行い、そのヌクレオチド配列の増幅を検出することを特徴とするラクトバチルス・フルクチボランスの検出方法、
である。
本発明によれば、LAMP法でラクトバチルス・フルクチボランスを検出するにあたり、高い検出感度と選択性を得ることができる。また試料中に存在する異属及び同属異種の細菌の増殖を考慮にいれる必要がなくなり、熟練を必要とすることなく、迅速かつ簡易にラクトバチルス・フルクチボランスを検出することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る、オリゴヌクレオチドおよびこれをプライマーとして用いたラクトバチルス・フルクチボランスの検出方法について説明する。
本発明がラクトバチルス・フルクチボランスの検出のために行うLAMP法は、栄研化学(株)が開発したLoop-Mediated Isothermal
Amplification法(特許3313358号)に基づくものである。
Amplification法(特許3313358号)に基づくものである。
本発明において、ラクトバチルス・フルクチボランスの特定は、標準菌株を用いた場合は、その標準菌株の属名及び種名による。また標準菌株でないものを用いた場合は、常法によりラクトバチルス属細菌特有の形態(グラム陽性桿菌)及び性状(カタラーゼ陰性かつ芽胞非形成)を確認した後、市販の同定キットである「アピ50CHL(日本ビオメリュー(株)販売)」を用いた同定による。
具体的同定方法としては、前記同定キットに従い細菌液を調製し、この細菌液を「アピ50CHL」に添加して接種菌液を調製する。次に、この接種菌液を「アピ50CH(日本ビオメリュー(株)販売)」のチューブ部分に接種した後、ミネラルオイルを重層する。プレートに蓋をし、35℃で48時間培養する。培養後、培地の色の変化により各生化学性状を判定し、解析ソフトであるAPIWEB(日本ビオメリュー(株)販売)で同定する。
なお、「アピ50CHL」同定キットを用いて同定した種名と、16SrDNA塩基配列を解析し、データベースと相同性を照合して推定した種名が異なる場合は、本発明では、16SrDNA塩基配列より推定した種名を基準とする。
16SrDNA解析による種の具体的な推定方法は、まず、単一コロニーの分離と純粋培養を行った後、DNAの熱水抽出を行うため、滅菌精製水にコロニーを懸濁し、100℃で10分間の湯せんで加熱する。次に、16SrRNAをコードする全領域に対する共通のプライマーである下記に示す2種のオリゴヌクレオチド[Journal
of Bacteriology, 173 (2), p697-703 (1991)]を用い、
(5´) AGAGTTTGATCATGGCTCAG (3´) (配列番号5)
(5´) GGTTACCTTGTTACGACTT (3´) (配列番号6)
前記単一コロニーの熱水抽出物をDNAの鋳型としてPCRを行った後(細菌で保存性が高い配列部分をプライマーとしているので、未知の細菌であっても16SrRNAをコードする約1400塩基対のDNAが増幅される。)、PCR産物を電気泳動し、16SrRNAをコードする約1400塩基対のDNAの増幅を確認する。次に、PCR産物の塩基配列を「ABI
PRISM 3100 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズジャパン(株)」で解読する。日本DNAデータバンク(DDBJ)の相同性検索ソフト:ブラスト(BLAST)により、当該塩基配列と相同性の高い塩基配列を検索し、種を推定する。
of Bacteriology, 173 (2), p697-703 (1991)]を用い、
(5´) AGAGTTTGATCATGGCTCAG (3´) (配列番号5)
(5´) GGTTACCTTGTTACGACTT (3´) (配列番号6)
前記単一コロニーの熱水抽出物をDNAの鋳型としてPCRを行った後(細菌で保存性が高い配列部分をプライマーとしているので、未知の細菌であっても16SrRNAをコードする約1400塩基対のDNAが増幅される。)、PCR産物を電気泳動し、16SrRNAをコードする約1400塩基対のDNAの増幅を確認する。次に、PCR産物の塩基配列を「ABI
PRISM 3100 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズジャパン(株)」で解読する。日本DNAデータバンク(DDBJ)の相同性検索ソフト:ブラスト(BLAST)により、当該塩基配列と相同性の高い塩基配列を検索し、種を推定する。
本発明では、LAMP法によりラクトバチルス・フルクチボランスを検出するに際して使用するプライマーとして、特定の塩基配列を有する本発明のオリゴヌクレオチド、即ち、ラクトバチルス・フルクチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1〜4に示される塩基配列
FIP
(5´)
GCATTACTCTCACGGCCCGTAGAAGGGTTTCGGCTCGTA (3´) (配列番号1)
BIP
(5´)
CGTCGCGACGGTATCTAACCAGGACAACGCTTGCCACCTA (3´) (配列番号2)
F3
(5´) AGTCTGATGGAGCAATGCC (3´) (配列番号3)
B3
(5´) GCTCGCTTTACGCCCAAT (3´) (配列番号4)
のいずれかを含むオリゴヌクレオチドを使用する。
FIP
(5´)
GCATTACTCTCACGGCCCGTAGAAGGGTTTCGGCTCGTA (3´) (配列番号1)
BIP
(5´)
CGTCGCGACGGTATCTAACCAGGACAACGCTTGCCACCTA (3´) (配列番号2)
F3
(5´) AGTCTGATGGAGCAATGCC (3´) (配列番号3)
B3
(5´) GCTCGCTTTACGCCCAAT (3´) (配列番号4)
のいずれかを含むオリゴヌクレオチドを使用する。
これら配列番号1〜4で示されるオリゴヌクレオチドの配列は、ラクトバチルス・フルクチボランス、及び異属並びに異種の16SrDNAの塩基配列を詳細に解析した結果、ラクトバチルス・フルクチボランスの異株間に保存され、異属並びに異種と完全に識別される領域を見出すことにより決定されたものである。
本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用し、LAMP法でラクトバチルス・フルクチボランスを検出する場合、サンプルヌクレオチド、プライマー、鎖置換型DNA合成酵素、基質等を一緒に一定温度(約60〜65℃)で保温することにより、検出まで1ステップの工程で行うことができる。
この反応では鎖置換型DNA合成酵素が使用されるが、この酵素は、鎖型DNAの二本鎖をほどきながらDNA合成を行うことができる。このため、LAMP法では、PCR法のようにあらかじめ二本鎖DNAを一本鎖に熱変性する必要がない。
本発明のプライマーセットは、約60〜65℃においてアニーリングと同時にDNA鎖の合成も起こす。アニーリング反応およびDNA鎖合成により約1時間反応を行うことにより、ヌクレオチドを109〜1010倍に増幅させることが可能である。
そのほか、LAMP法では核酸の合成により基質が大量に消費され、副産物であるピロリン酸がマグネシウムと反応してピロリン酸マグネシウムとなり、肉眼でも観察できるほど白濁する。この白濁を反応終了後の観察、もしくは反応中の濁度の上昇を経時的に光学的に観察できる測定機器、例えば400nmの吸光度の変化を通常の分光光度計を用いて増幅の確認が可能である。
なお、このLAMP法を適用する検体としては、マヨネーズ、ドレッシング等の酸性食品、ホットパック食品、醗酵食品等やこれらの食品の材料等をあげることができる。
以下、本発明のオリゴヌクレオチドおよびこれをプライマーとして用いたラクトバチルス・フルクチボランスの検出方法について、実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
(1)検体の調製
本発明のプライマーがラクトバチルス・フルクチボランスに対して特異的であることを確認するために、表1中の縦の見出し欄に示した種々の細菌をそれぞれ増菌用の平板培地に接種し、培養した。菌体を掻き取り、生理的食塩水に懸濁し、沸騰水中で10分間加熱することによりDNAを抽出し、遠心分離した上澄液を検体とした。なお、この懸濁液中の菌濃度は107cfu/mL程度であった。
本発明のプライマーがラクトバチルス・フルクチボランスに対して特異的であることを確認するために、表1中の縦の見出し欄に示した種々の細菌をそれぞれ増菌用の平板培地に接種し、培養した。菌体を掻き取り、生理的食塩水に懸濁し、沸騰水中で10分間加熱することによりDNAを抽出し、遠心分離した上澄液を検体とした。なお、この懸濁液中の菌濃度は107cfu/mL程度であった。
(2)プライマーの合成
ラクトバチルス・フルクチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とするプライマーとして、配列番号1〜4の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをホスホアミダイト法により合成した。
ラクトバチルス・フルクチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とするプライマーとして、配列番号1〜4の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをホスホアミダイト法により合成した。
(3)反応液の調製とLAMP反応
LAMP反応試薬は、栄研化学(株)製のLoopamp DNA増幅試薬キットを用いた。LAMP反応液は、2倍濃度反応用緩衝液12.5μL、配列番号1の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(FIP)40pmol、配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(BIP)40pmol、配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(F3)5pmol、配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(B3)5pmol、DNAポリメラーゼ1.0μLを加え、滅菌蒸留水で23μLとした。
LAMP反応試薬は、栄研化学(株)製のLoopamp DNA増幅試薬キットを用いた。LAMP反応液は、2倍濃度反応用緩衝液12.5μL、配列番号1の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(FIP)40pmol、配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(BIP)40pmol、配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(F3)5pmol、配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(B3)5pmol、DNAポリメラーゼ1.0μLを加え、滅菌蒸留水で23μLとした。
23μLの反応液に、検体2μLを添加し、合計25μLとした。また、陰性対照としては、検体の代わりに滅菌蒸留水2μLを、陽性対照としては、検体の代わりに対照DNA2μLを添加した。これを65℃で1時間加熱し、LAMP反応を行った。反応終了後、80℃で2分間加熱し、酵素を失活させ反応を停止させた。
増幅反応が進むにつれ、遊離してくるピロリン酸と、反応液中に存在するマグネシウムイオンとがピロリン酸マグネシウムを形成する。増幅が起こっている場合のみ反応液が白濁する。この白濁を観察することで、増幅産物の有無を判断した。また、反応液1μLをポリアクリルアミドゲル上で電気泳動にかけ、DNAのバンドの検出をあわせて行った。DNAのバンドは、エチジウムブロマイド溶液で10分間染色後、紫外線照射して観察し、確認した。
結果を表1に示す。表1中の目視欄の+は、反応液の目視判定で白濁が認められたことを表し、電気泳動欄の+は、電気泳動でDNAのバンドが検出されたことを表す。
表1の結果から、本発明によれば、ラクトバチルス・フルクチボランスを種特異的に検出できることがわかる。また、電気泳動によるDNAバンドの検出と目視による白濁の判定の結果が一致していることから、本発明によれば、目視により簡易かつ迅速にラクトバチルス・フルクチボランスを検出できることがわかる。
本発明のオリゴヌクレオチド、プライマー、プライマーのセット、及びこのプライマーを用いたLAMP法による検出方法は、酸性食品、ホットパック食品、醗酵食品等の食品又は食品材料をはじめとする種々の検体において、ラクトバチルス・フルクチボランスを検出するために有用となる。
Claims (4)
- ラクトバチルス・フルクチボランス(Lactobacillus fructivorans)の16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1乃至4のいずれかに示される塩基配列を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチド。
- ラクトバチルス・フルクチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成された4種のオリゴヌクレオチドからなるプライマーであって、少なくとも1種が請求項1記載の配列番号1〜4のいずれかに示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドからなることを特徴とする、ラクトバチルス・フルクチボランス検出用プライマー。
- ラクトバチルス・フルクチボランスの16SrRNAをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列の一部と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1〜4に示される塩基配列FIP、BIP、F3およびB3からなる4種のプライマーのセット。
- 請求項2又は3記載のプライマーを検体に加え、LAMP(Loop-Mediated Isothermal
Amplification)法によりプライマーの伸長反応と標的とするヌクレオチド配列の増幅を行い、そのヌクレオチド配列の増幅を検出することを特徴とする、ラクトバチルス・フルクチボランスの検出方法。
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