JP2009088370A - 半導体装置の設計方法および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体装置内の予備セルでのリーク電流の発生を防止する半導体装置の設計方法を提供する。
【解決手段】セルベース設計手法において、標準セルにより論理回路の構成されたレイアウト上に予備セルを予め配置しておき、その予備セルを使用して前記論理回路を論理変更する半導体装置の設計方法であって、前記予備セルC1は、外部電圧を入出力する配線(例えばVDD,VSS)と、その配線に接続された回路(T1,T2,15,16からなる部分)とを備え、その予備状態では、前記回路内の電路のうちの前記配線に至る電路が途中箇所k7,k8,k13,k14で分離されており、その使用時に、そのm分離箇所が接続されて使用される。
【選択図】図1
【解決手段】セルベース設計手法において、標準セルにより論理回路の構成されたレイアウト上に予備セルを予め配置しておき、その予備セルを使用して前記論理回路を論理変更する半導体装置の設計方法であって、前記予備セルC1は、外部電圧を入出力する配線(例えばVDD,VSS)と、その配線に接続された回路(T1,T2,15,16からなる部分)とを備え、その予備状態では、前記回路内の電路のうちの前記配線に至る電路が途中箇所k7,k8,k13,k14で分離されており、その使用時に、そのm分離箇所が接続されて使用される。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばセルベース手法によりレイアウトされた論理回路を論理変更する半導体装置の設計方法およびその設計方法で設計製造された半導体装置に関する。
現在のシステムLSIは、低コスト、短期間で設計するため、標準セルを用いて設計するセルベース設計手法が主流となっている。従来のセルベース設計手法では、配線の変更だけで論理回路の変更を行うために、予備の標準セル(以後、予備セルと呼ぶ)がLSI上に準備される事が多い。予備セルは、予め自動配置・配線領域(以後、P&R領域と呼ぶ)上に形成され、論理回路とは論理接続されていない。論理回路の変更が生じた場合には、標準セルおよび予備セルの配置はそのままで、既存の論理回路と予備セルとの間の接続関係を変更するだけで、論理回路の変更が行われている。
MOSトランジスタは、電源配線VDDまたはグランド配線VSSに接続している時は、そのチャネルオフ時にもその内部の電位差のある部分でリーク電流が発生する。トランジスタの縦構造で説明すると、図17の様に、ゲート・ソース間(1)、ゲート・ドレイン間(2)、ソース・ドレイン間(3)、ゲート・ウェル間(4)、ソース・ウェル間(5)、ドレイン・ウェル間(6)でリーク電流が発生する。
標準セルの一例として、インバータ回路の標準セルC100のレイアウトを図18に示す。またこのインバータ回路の等価回路図を図2に示す。
この標準セルC100は、PMOSトランジスタT1と、NMOSトランジスタT2と、電源配線VDDと、グランド配線VSSと、入力配線15と、出力配線16とを備えている。
この標準セルC100のウェルは、n−ウェルnwとp−ウェルpwとに区分されており、そのn−ウェルnwにPMOSトランジスタT1が配置され、そのp−ウェルpwにNMOSトランジスタT1が配置されている。各MOSトランジスタT1,T2のゲートGは、一層の配線層(ポリシリコンなど)10により一体形成されて相互接続されている。電源配線VDD、グランド配線VSS、入力配線15および出力配線16はそれぞれ、1層目のメタル(第1メタル)で形成された配線である。
電源配線VDDとn−ウェルnwおよびPMOSトランジスタT1のソースSとは、それぞれコンタクト7,8により相互接続されている。入力配線15と配線層10とは、コンタクト9により相互接続されている。出力配線16と各MOSトランジスタT1,T2のドレインDとは、それぞれコンタクト11,12により相互接続されている。グランド配線VSSとNMOSトランジスタT2のソースSおよびp−ウェルpwとは、それぞれコンタクト13,14により相互接続されている。
この様に標準セルC100は、MOSトランジスタT1,T2等により回路構成され、その回路が電源配線VDDとグランド配線VSSとの間に常時接続されて構成されている。
LSI内の各種の回路に対応する標準セルも、このインバータ回路の標準セルC100と同様に、MOSトランジスタ等からなる回路を備え、電源配線VDDとグランド配線VSSとの間に常時接続されて構成されている。
従来では、予備セルとしては、それに対応する標準セルがそのまま使用されていた。
尚、この種の半導体装置の設計方法に関する先行技術文献として特許文献1のものが知られている。
従来の予備セルとしては、それに対応する標準セルがそのまま用いられており、且つ電源配線VDDとグランド配線VSSの間に常時接続されて準備されている。そのため、従来の予備セルでは、製造後のLSI内で使用されていなくても、その内部のMOSトランジスタにおいて図17の様なリーク電流が発生している。
更にLSIの高集積化・大規模化が年々進んでおり、LSIの規模に応じて予備セルの数が決定されるため、搭載される予備セルの数は増加傾向にある。また、微細化の進歩によりリーク電流の問題が更に顕著になってきている。このため、従来の予備セルでは、LSI全体の消費電力に対する予備セルのリーク電流による消費電力の割合が無視できないものになりつつあるという問題点がある。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、半導体装置内の予備セルから発生するリーク電流を防止する半導体装置の設計方法および半導体装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決する為に、本発明の第1の形態は、論理回路の構成されたレイアウト上に予備セルを予め配置しておき、その予備セルを使用して前記論理回路を論理変更する半導体装置の設計方法であって、前記予備セルは、外部電圧を入出力する配線と、その配線に接続された回路とを備え、その予備状態では、前記回路内の電路のうちの前記配線に至る電路が途中箇所で分離されており、その使用時に、その分離箇所が接続されて使用されるものである。
本発明の第1の形態によれば、予備セルが使用されずに半導体装置に残っても、予備セル内の前記電路上でのリーク電流の発生を防止できる。
実施の形態1.
この実施の形態に係る半導体装置の設計方法は、セルベース設計手法において、複数の標準セル(通常セルと呼ぶ場合もある)が論理接続されてなる論理回路の構成されたレイアウト上に、前記論理回路に論理接続されていない予備の標準セル(以後、予備セルと呼ぶ)を1個以上予め配置しておき、前記論理回路の論理変更の際に新たに必要になる標準セルをそれら予備セルの中から調達し、その調達した予備セルを使用して前記論理回路を論理変更するものである。ここでは、前記論理回路の論理変更は、標準セルおよび予備セルの配置はそのままで、それらの間の接続関係のみを変更することで行われる。
この実施の形態に係る半導体装置の設計方法は、セルベース設計手法において、複数の標準セル(通常セルと呼ぶ場合もある)が論理接続されてなる論理回路の構成されたレイアウト上に、前記論理回路に論理接続されていない予備の標準セル(以後、予備セルと呼ぶ)を1個以上予め配置しておき、前記論理回路の論理変更の際に新たに必要になる標準セルをそれら予備セルの中から調達し、その調達した予備セルを使用して前記論理回路を論理変更するものである。ここでは、前記論理回路の論理変更は、標準セルおよび予備セルの配置はそのままで、それらの間の接続関係のみを変更することで行われる。
上記の予備セルは、外部電圧を入出力する配線(例えば電源配線やグランド配線)と、その配線に接続された所定機能を有する回路(例えばインバータ回路やNAND回路など)とを備え、前記回路内の電路のうちの前記配線に至る電路が途中箇所で分離されており(この状態を「未接続予備セル」と呼ぶ)、その使用時に、その分離箇所が接続されて使用される(この状態を「接続済予備セル」と呼ぶ)。
上記の予備セルの一例として、図18のインバータ回路の標準セルC100に対する予備セルを図1に示す。
この予備セル(未接続予備セル)C1は、図1の様に、電源に接続された電源配線VDDと、グランドに接続されたグランド配線VSSと、PMOSトランジスタ(第1のMOSトランジスタ)T1と、NMOSトランジスタ(第2のMOSトランジスタ)T2と、入力配線15と、出力配線16とを備えている。
この予備セルC1のウェルは、n−ウェルnwとp−ウェルpwとに区分されている。n−ウェルnwは、その周囲(その底面も含む)がp−領域prで囲繞されており、これにより隣接する予備セルC101,C102のn−ウェルnwと分離されている。またp−ウェルpwは、その周囲(その底面も含む)がn−領域nrで囲繞されており、これにより隣接する予備セルC101,C102のp−ウェルpwと分離されている。尚、図1の符号pr(nr)の点線は、p−ウェル(n−ウェル)の底面を指している。
PMOSトランジスタT1は、予備セルC1のn−ウェルnwに配置され、他方、NMOSトランジスタT2は、予備セルC1のp−ウェルpwに配置されている。各MOSトランジスタT1,T2のゲートGは、一層の配線層(ポリシリコンなど)10により一体形成されて相互接続されている。電源配線VDD、グランド配線VSS、入力配線15および出力配線16はそれぞれ、例えば1層目のメタル(第1メタル)で形成された配線である。
またこの予備セルC1では、PMOSトランジスタT1のドレインD1と出力配線16とは、コンタクト11により相互接続されており、NMOSトランジスタT2のドレインDと出力配線16とは、コンタクト12により相互接続されており、入力配線15と配線層10とは、コンタクト9により相互接続されている。他方、電源配線VDDとn−ウェルnwとは、その箇所k7のコンタクトが省略されて相互分離されており、電源配線VDDとPMOSトランジスタT1のソースSとは、その箇所k8のコンタクトが省略されて相互分離されており、電源配線VSSとp−ウェルpwとは、その箇所k14のコンタクトが省略されて相互分離されており、電源配線VSSとPMOSトランジスタT2のソースSとは、その箇所k13のコンタクトが省略されて相互分離されている。
即ちこの予備セルC1では、図3の様に、その箇所k7にコンタクト7を配置して各部VDDとnwを相互接続し、また箇所k8にコンタクト8を配置して各部VDDとT1のSを相互接続し、また箇所k13にコンタクト13を配置して各部VSSとT2のSを相互接続し、また箇所k14にコンタクト14を配置して各部VSSとpwを相互接続して、接続済予備セルC1aにすることで、インバータ回路として機能する様になる。
図2は、予備セルC1の等価回路図を示したものである。同図の様にこの予備セルC1では、箇所k7のコンタクトを省略して各部VDDとnwを分離することで、PMOSトランジスタT1でのn−ウェルnwと各部S,G,Dとの間のリーク電流(図17の4,5,6)が防止される。また箇所k14のコンタクトを省略して各部VSSとpwを分離することで、NMOSトランジスタT2でのp−ウェルpwと各部S,G,Dとの間のリーク電流(図17の4,5,6)が防止される。これらによりこの予備セルC1において、n−ウェルnwからPMOSトランジスタT1のゲートGにリークパスして配線層10を経てNMOSトランジスタT2のゲートGからp−ウェルpwにリークパスして流れるリーク電流I1が防止される。
また箇所k8のコンタクトを省略して各部VDDとT1のSとを分離することで、PMOSトランジスタT1でのソースSと各部G,Dとの間のリーク電流(図17の1,3)が防止される。また箇所k13のコンタクトを省略して各部VSSとT2のSとを分離することで、NMOSトランジスタT2でのソースSと各部G,Dとの間のリーク電流(図17の1,3)が防止される。
またこの予備セルC1では、その予備状態では、入力配線15および出力配線16は共に、外部から分離される。これにより予備セルC1の各MOSトランジスタT1,T2のゲートG・ドレインD間のリーク電流(図17の1)が防止される。
この予備セルC1は、その使用時に、図3の様に、その分離箇所k7,k8,k13,k14にコンタクト7,8,13,14が配置されてその分離箇所が接続されて接続済予備セルC1aにされて使用される。尚、予備セルC1の分離箇所k7,k8,k13,k14に実際にコンタクト7,8,13,14を配置する代わりに、予備セルC1全体を接続済予備セルC1aに置き換えてもよい。
尚、この半導体装置の設計方法では、使用されない予備セルC1は、製造後の半導体装置内で使用されないで存在するが、上記の様に、電源配線VDDから予備セルC1内の回路を通じてグランド配線VSSに至る電路が途中箇所k7,k8,k13,k14で分離されているので、その電路上でのリーク電流の発生が防止される。また入力配線15および出力配線16が外部から分離されているので、入力配線15から予備セルC1内の回路を通じて出力配線16に至る電路上でのリーク電流の発生も防止される。
以上に説明した半導体装置の設計方法によれば、予備セルC1は、外部電圧を入出力する配線(例えばVDD,VSS)と、その配線に接続された回路(T1,T2,15,16からなる部分)とを備え、その予備状態では、前記回路内の電路のうちの前記配線に至る電路が途中箇所k7,k8,k13,k14で分離されており、その使用時に、その分離箇所が接続されて使用されるので、予備セルC1が使用されずに半導体装置に残っても、予備セルC1内の前記電路上でのリーク電流の発生を防止できる。
また予備セルC1は、例えば、第1および第2のMOSトランジスタT1,T2と、電源配線VDDと、グランド配線VSSと、入力配線15と、出力配線16とを有し、第1および第2のMOSトランジスタT1,T2のゲートGが互いに一体形成されて入力配線15に接続され、第1および第2のMOSトランジスタT1,T2のドレインDが出力配線16に接続され、第1のMOSトランジスタT1のソースSおよびウェルprが電源配線VDDに接続され、第2のMOSトランジスタT2のソースSおよびウェルnrがグランド配線VSSに接続されるインバータ回路において、そのインバータ回路内の電路のうちの電源配線VDD、前記グランド配線VSS、入力配線15または出力配線16に至る電路が途中箇所k7,k8,k13,k14で分離されたものであるので、インバータ回路の予備セルに対して、使用されずに半導体装置に残っても、その予備セル内の前記電路上でのリーク電流の発生を防止できる。
また第1および第2のMOSトランジスタT1(T2)のうちの少なくとも一方(この実施の形態では両方)は、予備セルC1内のそのウェルpw(nw)がそのウェルの導電型と異なる導電型の領域nr(pr)により囲繞されるので、そのウェルpw(nw)と隣接する他のセルC101,C102内の同じ導電型のウェルからのリーク電流の侵入を防止できる。またその少なくとも一方T1(T2)は、予備セルC1の予備状態で、箇所k8,k7(k13,k14)のコネクタが省略されることで、そのソースSおよびそのウェルnw(pw)がそれらに接続される当該配線VDD(VSS)と分離されるので、第1および第2のMOSトランジスタT1(T2)でのリーク電流(即ち各部S,nw(S,pw)と各部G,Dとの間のリーク電流)を防止できる。
また予備状態C1では、その予備状態で、その入力配線15および出力配線16が共に外部から分離されるので、入力配線15と出力配線16との間の電路上でのリーク電流の発生を防止できる。
またこの半導体装置の設計方法では、論理回路の論理変更は、標準セルおよび予備セルの配置はそのままで、それらの間の接続関係のみを変更することで行われるので、セル用のフォトマスクを省略できる。
尚、予備セルC1のレイアウトサイズは、リーク電流を防止できるように構成したため、標準セルよりも大きくなる場合がある。そのため、論理変更を行う前の論理回路では、主に標準セルを使用することが望ましい。
尚、この実施の形態には、上記の半導体装置の設計方法だけでなく、その設計方法により製造される半導体装置も含まれる。
実施の形態2.
実施の形態1では、予備セルとして、図18のインバータ回路の標準セルC100に対する予備セルの一例を示したが、この実施の形態では、予備セルとして、その標準セルC100に対する予備セルの他の例を示す。
実施の形態1では、予備セルとして、図18のインバータ回路の標準セルC100に対する予備セルの一例を示したが、この実施の形態では、予備セルとして、その標準セルC100に対する予備セルの他の例を示す。
この実施の形態の予備セル(未接続予備セル)C2は、図4の様に、電源に接続された電源配線VDDと、グランドに接続されたグランド配線VSSと、PMOSトランジスタ(第1のMOSトランジスタ)T1と、NMOSトランジスタ(第2のMOSトランジスタ)T2と、入力配線15Bと、出力配線16とを備えている。
この予備セルC2のウェルは、n−ウェルnwとp−ウェルpwとに区分されており、そのn−ウェルnwにPMOSトランジスタT1が配置され、そのp−ウェルpwにNMOSトランジスタT1が配置されている。
MOSトランジスタT1,T2のゲートGは、ポリシリコンなどにより形成されている。MOSトランジスタT1,T2のゲートGは、実施の形態1では、共に一体形成されていたが、この実施の形態では、互いに分離形成されている。
電源配線VDD、グランド配線VSS、入力配線15Bおよび出力配線16はそれぞれ、例えば1層目のメタル(第1メタル)で形成された配線である。
またこの予備セルC2では、電源配線VDDとn−ウェルnwとは、コンタクト7により相互接続されており、グランド配線VSSとp−ウェルpwとは、コンタクト14により相互接続されている。他方、電源配線VDDとPMOSトランジスタT1のソースSとは、箇所k8のコンタクトが省略されて相互分離されており、グランド配線VSSとNMOSトランジスタT2のソースSとは、箇所k13のコンタクトが省略されて相互分離されており、入力配線15BとMOSトランジスタT1,T2のゲートGとは、箇所k33,k34のコンタクトが省略されて相互分離されており、出力配線16とMOSトランジスタT1,T2のドレインDとは、箇所k11,k12のコンタクトが省略されて相互分離されている。
即ちこの予備セルC2では、図6の様に、箇所k8にコンタクト8を配置して各部VDDとT1のSを相互接続し、また箇所k13にコンタクト13を配置して各部VSSとT2のSを相互接続し、また箇所k33,k34にコンタクト33,34を配置して各部15BとT1のSおよびT2のSを相互接続し、また箇所k11,k12にコンタクト11,12を配置して各部16とT1のDおよびT2のDを相互接続して、接続済予備セルC2aにすることで、インバータ回路として動作する様になる。
図5は、予備セルC2の等価回路図を示したものである。同図の様にこの予備セルC2では、箇所k8のコンタクトを省略して各部VDDとT1のSを分離することで、PMOSトランジスタT1でのソースSと各部G,D,nwとの間のリーク電流(図17の1,3,5)が防止される。また箇所k13のコンタクトを省略して各部VSSとT2のSを分離することで、NMOSトランジスタT2でのソースSと各部G,D,pwとの間のリーク電流(図17の1,3,5)が防止される。
また箇所k11のコンタクトを省略して各部16とT1のDを分離することで、PMOSトランジスタT1でのドレインDと各部G,D,nwとの間のリーク電流(図17の2,3,6)が防止される。また箇所k12のコンタクトを省略して各部16とT2のDを分離することで、NMOSトランジスタT2でのドレインDと各部G,S,pwとの間のリーク電流(図17の2,3,6)が防止される。
また箇所k33のコンタクトを省略して各部15BとT1のGを分離することで、PMOSトランジスタT1でのゲートGとn−ウェルnwとの間のリーク電流(図17の4)が防止される。また箇所k34のコンタクトを省略して各部15BとT2のGを分離することで、NMOSトランジスタT2でのゲートGとp−ウェルpwとの間のリーク電流(図17の4)が防止される。これらによりこの予備セルC2において、n−ウェルnwからPMOSトランジスタT1のゲートGにリークパスして入力配線15Bを経てNMOSトランジスタT2のゲートGからp−ウェルpwにリークパスして流れるリーク電流I1が防止される。
この予備セル(未接続予備セル)C2は、その使用時に、図6の様に、その分離箇所k8,k11,k12,k13,k33,k34にそれぞれコンタクト8,11,12,13,33,34が配置されてその分離箇所が接続されることで、接続済予備セルC2aにされて使用される。尚、未接続予備セルC2の分離箇所k8,k11,k12,k13,k33,k34に実際にコンタクト8,11,12,13,33,34を配置する代わりに、予備セルC2の全体を予め作成した接続済予備セルC2aに置き換えてもよい。
尚、この予備セルC2では、図4の様に、実施の形態1と比べて、(i)コンタクト7,14を残して各部VDDとnw,VSSとpwを分離しない代わりに、(ii)各箇所k33,k34のコンタクトを省略して入力配線15Bと各MOSトランジスタT1,T2のゲートGとを分離すると共に各箇所k11,k12のコンタクトを省略して出力配線16と各MOSトランジスタT1,T2のドレインDとを分離している点が相異している。特に上記(i)により、実施の形態1の様に、予備セルC2のn−ウェルnw(p−ウェルpw)の周囲をp−領域pr(n−領域nr)で囲繞する必要が無くなり、また特に上記(ii)により、予備状態で入力配線15Bまたは出力配線16が外部と接続されていても、その接続に起因するリーク電流が防止される。
以上に説明した半導体装置の設計方法によれば、予備セルC2は、外部電圧を入出力する配線(例えばVDD,VSS)と、その配線に接続された回路(T1,T2,15B,16からなる部分)とを備え、その予備状態では、前記回路内の電路のうちの前記配線に至る電路が途中箇所k8,k11,k12,k13,k33,k34で分離されており、その使用時に、その分離箇所が接続されて使用されるので、予備セルC2が使用されずに半導体装置に残っても、予備セルC2内の前記電路上でのリーク電流の発生を防止できる。
また予備セルC2は、例えば、第1および第2のMOSトランジスタT1,T2と、電源配線VDDと、グランド配線VSSと、入力配線15Bと、出力配線16とを有し、第1および第2のMOSトランジスタT1,T2のゲートGが入力配線15Bに接続され、第1および第2のMOSトランジスタT1,T2のドレインDが出力配線16に接続され、第1のMOSトランジスタT1のソースSおよびウェルnwが電源配線VDDに接続され、第2のMOSトランジスタT2のソースSおよびウェルpwがグランド配線VSSに接続されるインバータ回路において、そのインバータ回路内の電路のうちの電源配線VDD、グランド配線VSS、入力配線15Bまたは出力配線16に至る電路が途中箇所k8,k11,k12,k13,k33,k34で分離されたものであるので、インバータ回路の予備セルに対して、使用されずに半導体装置に残っても、その予備セル内の前記電路上でのリーク電流の発生を防止できる。
また第1および第2のMOSトランジスタT1(T2)のうちの少なくとも一方(この実施の形態では両方)は、予備セルC2の予備状態で、箇所k33(k34)のコンタクトが省略されることで、そのゲートGが入力配線15Bと分離され、また箇所k11(k12)のコンタクトが省略されることで、そのドレインDが出力配線16と分離され、また箇所k8(k13)のコンタクトが省略されることで、そのソースSが当該配線VDD(VSS)と分離されるので、第1および第2のMOSトランジスタT1(T2)でのリーク電流(即ち各部S,nw(S,pw)と各部G,Dとの間のリーク電流および各部GとDとの間のリーク電流)を防止できる。
また予備セルC2の予備状態では、入力配線15Bは、各箇所k33,k34のコンタクトが省略されることで、第1および第2のMOSトランジスタT1,T2のゲートGと分離され、また出力配線16は、各箇所k11,k12のコンタクトが省略されることで、第1および第2のMOSトランジスタT1,T2のドレインDと分離されるので、予備セルC2の予備状態で、入力配線15Bまたは出力配線16が外部と接続されていても、その接続に起因するリーク電流を防止できる。
尚、この実施の形態には、上記の半導体装置の設計方法だけでなく、その設計方法により製造される半導体装置も含まれる。
実施の形態3.
実施の形態1では、予備セルとして、図18のインバータ回路の標準セルC100に対する予備セルを示したが、この実施の形態では、予備セルとして、図7のAND回路の標準セルC200に対する予備セルを示す。
実施の形態1では、予備セルとして、図18のインバータ回路の標準セルC100に対する予備セルを示したが、この実施の形態では、予備セルとして、図7のAND回路の標準セルC200に対する予備セルを示す。
まず上記の標準セルC200は、図7の様に、電源に接続された電源配線VDDと、グランドに接続されたグランド配線VSSと、PMOSトランジスタT3,T4,T7(第3,第4,第7のMOSトランジスタ)と、NMOSトランジスタT5,T6,T8(第5,第6,第8のMOSトランジスタ)と、第1および第2の入力配線61,62と、接続配線63と、出力配線64とを備えている。各MOSトランジスタT3〜T6によりNAND回路が構成され、各MOSトランジスタT7,T8によりインバータ回路が構成されている。
この標準セルC200のウェルは、n−ウェルnwとp−ウェルpwとに区分されており、そのn−ウェルnwにPMOSトランジスタT3,T4,T7が配置され、そのp−ウェルpwにNMOSトランジスタT5,T6,T8が配置されている。
各MOSトランジスタT3とT5,T4とT6,T7とT8のゲートGはそれぞれ、一層の配線層(ポリシリコンなど)58,59,60により一体形成されて相互接続されている。また各MOSトランジスタT3とT4のドレインDも、一体形成されて相互接続されており、各MOSトランジスタT4とT7のソースSも、一体形成されて相互接続されており、MOSトランジスタT5のドレインDとMOSトランジスタT6のソースSも、一体形成されて相互接続されている。
電源配線VDD、グランド配線VSS、第1および第2の入力配線61,62と、出力配線64と、接続配線63はそれぞれ、例えば1層目のメタル(第1メタル)で形成された配線である。
電源配線VDDとn−ウェルnwとは、コンタクト65,68により相互接続されており、電源配線VDDとMOSトランジスタT3のソースSとは、コンタクト66により相互接続されており、電源配線VDDと各MOSトランジスタT4,T7の共通のソースSとは、コンタクト69により相互接続されている。またグランド配線VSSとp−ウェルpwとは、コンタクト75,79により相互接続されており、グランド配線VSSと各MOSトランジスタT3,T8のソースSとはそれぞれ、各コンタクト74,77により相互接続されている。また第1の入力配線61と配線層58とは、コンタクト71により相互接続されており、第2の入力配線62と配線層59とは、コンタクト73により相互接続されており、出力配線64と各MOSトランジスタT7,T8のドレインDとはそれぞれ、各コンタクト70,78により相互接続されている。また接続配線63と各MOSトランジスタT3,T4の共通のドレインDとは、コンタクト67により相互接続されており、接続配線63とMOSトランジスタT6のドレインDとは、コンタクト76により相互接続されており、接続配線63と配線層60とは、コンタクト72により相互接続されている。
次に上記の標準セルC200に対する予備セル(未接続予備セル)C3を説明する。
予備セルC3と標準セルC200との違いを説明すると、標準セルC200(図7)では、各MOSトランジスタT3とT5,T4とT6,T7とT8のゲートGはそれぞれ、配線層58,59,60により一体形成されて相互接続されているが、予備セルC3では、図8の様に、各MOSトランジスタT3とT5,T4とT6,T7とT8のゲートGは、互いに分離形成されている点が相異している。尚、予備セルC3では、各MOSトランジスタT3,T5のゲートGはそれぞれ、その箇所k80,k81にコンタクトを配置することで第1の入力配線61Cと相互接続可能であり、各MOSトランジスタT4,T6のゲートGはそれぞれ、その箇所k82,k83にコンタクトを配置することで第2の入力配線62Cと相互接続可能であり、各MOSトランジスタT7,T8のゲートGはそれぞれ、その箇所k84,k85にコンタクトを配置することで接続配線63Cと相互接続可能になっている。
またこの予備セルC3では、図8および図10の様に、標準セルC200と比べて、箇所k66のコンタクトが省略されて各部VDDとT3のSとが分離され、箇所k67のコンタクトが省略されて各部63CとT3のDおよびT4のDとが分離され、箇所k69のコンタクトが省略されて各部VDDとT4のSおよびT7のSとが分離され、箇所k70のコンタクトが省略されて各部64とT7のDとが分離され、箇所k74のコンタクトが省略されて各部VSSとT5のSとが分離され、箇所k76のコンタクトが省略されて各部63CとT6のDとが分離され、箇所k77のコンタクトが省略されて各部VSSとT8のSとが分離され、箇所k78のコンタクトが省略されて各部64とT8のDとが分離され、箇所k80,k81のコンタクトが省略されて各部61CとT3のGおよびT5のGとが分離され、箇所k82,k83のコンタクトが省略されて各部62CとT4のGおよびT6のGとが分離され、箇所k84,k85のコンタクトが省略されて各部63CとT7のGおよびT8のGとが分離される点が相異している。
尚、各コンタクト65,68(75,79)により各部VDDとnw(VSSとpw)が相互接続されている点は、予備セルC3と標準セルC200とで共通している(図7,図8)。
この予備セルC3では、箇所k66(k69)のコンタクトを省略して各部VDDとT3のS(VDDとT4のS)を分離することで、PMOSトランジスタT3(T4)でのソースSと各部G,D,nwとの間のリーク電流(図17の1,3,5)が防止される。また箇所k74(k77)でコンタクトを省略して各部VSSとT5のS(VSSとT8のS)を分離することで、NMOSトランジスタT5(T8)でのソースSと各部G,D,pwとの間のリーク電流(図17の1,3,5)が防止される。
また箇所k67のコンタクトを省略して各部63CとT3のDおよびT4のDと分離することで、PMOSトランジスタT3,T4でのドレインDと各部G,D,nwとの間のリーク電流(図17の2,3,6)が防止される。また箇所k70のコンタクトを省略して各部64とT7のDとを分離することで、PMOSトランジスタT7でのドレインDと各部G,D,nwとの間のリーク電流(図17の2,3,6)が防止される。また箇所k76,k78のコンタクトを省略して各部63CとT6のD,64とT8のDを分離することで、NMOSトランジスタT6,T8でのドレインDと各部G,S,pwとの間のリーク電流(図17の2,3,6)が防止される。
また箇所k80,k82,k84のコンタクトを省略して各部61CとT3のG,62CとT4のG,63CとT7のGを分離することで、PMOSトランジスタT3,T4,T7でのゲートGとn−ウェルnwとの間のリーク電流(図17の4)が防止される。また箇所k81,k83,k85のコンタクトを省略して各部61CとT5のG,62CとT6のG,63CとT8のGを分離することで、NMOSトランジスタT5,T6,T8でのゲートGとp−ウェルnwとの間のリーク電流(図17の4)が防止される。
この予備セル(未接続予備セル)C3は、その使用時に、図9の様に、その分離箇所k66,k67,k69,k70,k80〜k85,k74,k76〜k78にそれぞれコンタクト66,67,69,70,80〜85,74,76〜78が配置されてその分離箇所が接続されることで、接続済予備セルC3aにされて使用される。尚、未接続予備セルC3の分離箇所k66,k67,k69,k70,k80〜k85,k74,k76〜k78に実際にコンタクト66,67,69,70,80〜85,74,76〜78を配置する代わりに、予備セルC3の全体を予め作成した接続済予備セルC3aに置き換えてもよい。
以上に説明した半導体装置の設計方法によれば、予備セルC3は、外部電圧を入出力する配線(例えばVDD,VSS)と、その配線に接続された回路(T3〜T8,61C,62C,63C,64からなる部分)とを備え、その予備状態では、前記回路内の電路のうちの前記配線に至る電路が途中箇所k66,k67,k69,k70,k74,k76〜k78,k80〜k85で分離されており、その使用時に、その分離箇所が接続されて使用されるので、予備セルC3が使用されずに半導体装置に残っても、予備セルC3内の前記電路上でのリーク電流の発生を防止できる。
また予備セルC3は、例えば、第3〜第8のMOSトランジスタT3〜T8と、電源配線VDDと、グランド配線VSSと、第1および第2の入力配線61C,62Cと、接続配線63Cと、出力配線64とを有し、第3のMOSトランジスタT3のソースSおよびウェルnwが電源配線VDDに接続され、第4および第7のMOSトランジスタT4,T7のソースSが互いに一体形成されて電源配線VDDに接続され、第4および第7のMOSトランジスタT4,T7のウェルnwが電源配線VDDに接続され、第5および第8のMOSトランジスタT5,T8のソースSおよびウェルpwがグランド配線VSSに接続され、第3および第5のMOSトランジスタT3,T5のゲートGが第1の入力配線61Cに接続され、第4および第6のMOSトランジスタT4,T6のゲートGが第2の入力配線62Cに接続され、第7および第8のMOSトランジスタT7,T8のゲートGが接続配線63Cに接続され、第3および第4のMOSトランジスタT3,T4のドレインDが互いに一体形成されて接続配線63Cに接続され、第6のMOSトランジスタT6のドレインDが接続配線63Cに接続され、第7および第8のMOSトランジスタT7,T8のドレインDが出力配線64に接続され、第5のMOSトランジスタT5のドレインDと第6のMOSトランジスタT6のソースSとが互いに一体形成されるAND回路において、そのAND回路内の電路のうちの電源配線VDD、グランド配線VSS、第1の入力配線61C、第2の入力配線62Cまたは出力配線64に至る電路が途中箇所k66,k67,k69,k70,k74,k76〜k78,k80〜k85で分離されたものであるので、AND回路の予備セルに対して、使用されずに半導体装置に残っても、その予備セル内の前記電路上でのリーク電流の発生を防止できる。
また第3,第4,第7および第8のMOSトランジスタT3(T4,T7,T8)のうちの少なくとも1つは(この実施の形態では全て)は、予備セルC3の予備状態で、箇所k80(k82,k84,k85)のコンタクトが省略されることで、そのゲートGがそれに接続される当該配線61C(62C,63C、63C)と分離され、また箇所k67(k67,k70,k78)のコンタクトが省略されることで、そのドレインDがそれに接続される当該配線63C(63C,64,64)と分離され、また箇所k66(k69,k69,k77)のコンタクトが省略されることで、そのソースSがそれに接続される当該配線VDD(VDD,VDD,VSS)と分離されるので、第3,第4,第7および第8のMOSトランジスタT3,T4,T7,T8でのリーク電流(即ち各部S,nw(T8の場合はpw)と各部G,Dとの間のリーク電流および各部GとDとの間のリーク電流)を防止できる。
また予備セルC3の予備状態では、第5のMOSトランジスタT5は、箇所k81のコンタクトが省略されることで、そのゲートGが第1の入力配線61Cと分離され、箇所k74のコンタクトが省略されることで、そのソースSが前記グランド配線と分離され、第6のMOSトランジスタT6は、箇所k83のコンタクトが省略されることで、そのゲートGが第2の入力配線62Cと分離され、箇所k76のコンタクトが省略されることで、そのドレインDが接続配線63Cと分離されるので、第6のMOSトランジスタT6のソースSと第5のMOSトランジスタT5のドレインDとが一体形成されている場合でも、それら各MOSトランジスタT5,T6でのリーク電流を防止できる。
また予備セルC3の予備状態では、第1の入力配線61Cは、各箇所k80,k81のコンタクトが省略されることで、第3および第5のMOSトランジスタT3,T5のゲートGと分離され、また第2の入力配線62Cは、各箇所k82,k83のコンタクトが省略されることで、第4および第6のMOSトランジスタT4,T6のゲートGと分離され、出力配線64は、各箇所k70,k78のコンタクトが省略されることで、第7および第8のMOSトランジスタT7,T8のドレインDと分離されるので、予備セルC3の予備状態で、第1および第2の入力配線61C,62Cまたは出力配線64が外部と接続されていても、その接続に起因するリーク電流を防止できる。
尚、この実施の形態でも、実施の形態2と同様にコンタクト65,68,75,79を残して各部VDDとnw,VSSとpwを分離しないので、実施の形態1の様に予備セルC3のn−ウェルnw(p−ウェルpw)の周囲をp−領域pr(n−領域nr)で囲繞する必要が無い。
尚、この実施の形態には、上記の半導体装置の設計方法だけでなく、その設計方法により製造される半導体装置も含まれる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3の予備セルC1〜C3では、コンタクトを省略することで各部を分離したが、そうする代わりに、配線(メタル配線)を断線することで各部を分離しても構わない。この場合は、使用時に、その断線箇所を接続すればよい(または予め作成した接続済予備セルと置換すればよい)。この様にしても、実施の形態1〜3と同様の効果を得る。
実施の形態1〜3の予備セルC1〜C3では、コンタクトを省略することで各部を分離したが、そうする代わりに、配線(メタル配線)を断線することで各部を分離しても構わない。この場合は、使用時に、その断線箇所を接続すればよい(または予め作成した接続済予備セルと置換すればよい)。この様にしても、実施の形態1〜3と同様の効果を得る。
例えば実施の形態1の予備セルC1の場合では、図16の様に、コンタクト8(13)を省略する代わりに、電源配線VDD(グランド配線VSS)の当該コンタクト8(13)近傍の箇所k90(k93)を断線し、コンタクト7(14)を省略する代わりに電源配線VDD(グランド配線VSS)の当該コンタクト7(14)の両側近傍の箇所k91,k92(k94,k95)を断線すればよい。
尚、実施の形態1〜3でのコンタクトの省略と、この実施の形態での配線の断線とを組み合わせても構わない。
実施の形態5.
この実施の形態でも、予備セルの他の一例を説明する。この実施の形態の予備セルは、例えばそれぞれ同種で且つ特性の異なる複数の回路を備え、その予備状態では、前記複数の回路の各々においてその回路内の電路が途中箇所で分離されて動作不能にされ、その使用状態では、前記複数の回路のうちの一の回路が選択的に機能する様に当該分離箇所が接続されて動作可能にされる。
この実施の形態でも、予備セルの他の一例を説明する。この実施の形態の予備セルは、例えばそれぞれ同種で且つ特性の異なる複数の回路を備え、その予備状態では、前記複数の回路の各々においてその回路内の電路が途中箇所で分離されて動作不能にされ、その使用状態では、前記複数の回路のうちの一の回路が選択的に機能する様に当該分離箇所が接続されて動作可能にされる。
以下、上記の予備セルとして、その特性(例えば動作速度)が異なる2個のインバータ回路を備えた予備セルC4について説明する(図11〜図13)。尚、この予備セルC4は、図1の標準セルC100に対応する予備セルである。
この予備セル(未接続予備セル)C4は、図11および図12の様に、電源配線VDDと、グランド配線VSSと、PMOSトランジスタT10,T11,T12,T13(第10、第11,第12,第13のMOSトランジスタ)と、NMOSトランジスタT14,T15,T16,T17(第14,第15,第16,第17のMOSトランジスタ)と、第1の接続配線90と、第2の接続配線91とを備えている。
各MOSトランジスタT10,T11,T14,T15の閾値はそれぞれ、第1の閾値(例えば通常の閾値)に設定されており、他方、各MOSトランジスタT12,T13,T15,T16の閾値はそれぞれ、第2の閾値(通常の閾値よりも低い閾値)に設定されている。
そして各MOSトランジスタT10,T11,T14,T15により、第1の動作速度(ここでは通常の動作速度)で動作する第1のインバータ回路300aが構成され、他方、各MOSトランジスタT12,T13,T16,T17により、第2の動作速度(ここでは第1のインバータ回路300aよりも遅い動作速度)で動作する第2のインバータ回路300bが構成されている。
尚ここでは、インバータ回路300aは、実施の形態2のインバータ回路(図5)において、MOSトランジスタT1(T2)をそれぞれ、ゲート同士,ソース同士およびドレイン同士が相互接続されたN個(ここでは2個)のMOSトランジスタT10,T11(T14,T15)に置換して電流能力(ドライブ能力)をN倍(ここでは2倍)にしたインバータ回路になっている。同様にインバータ回路300bも、実施の形態2のインバータ回路(図5)の電流能力をN倍(ここでは2倍)にしたインバータ回路になっている。
この予備セルC4のウェルは、n−ウェルnwとp−ウェルpwとに区分されており、そのn−ウェルnwにPMOSトランジスタT10,T11,T12,T13が配置され、そのp−ウェルpwにNMOSトランジスタT14,T15,T16,T17が配置されている。
各MOSトランジスタT10〜T17のゲートGは、ポリシリコンなどにより形成されており、互いに分離形成されている。また各MOSトランジスタT10,T11のドレインDは、一体形成されて相互接続されており、各MOSトランジスタT12,T13のドレインDも、一体形成されて相互接続されている。また各MOSトランジスタT14,T15のソースSも、一体形成されて相互接続されており、各MOSトランジスタT16,T17のソースSも、一体形成されて相互接続されている。
電源配線VDD、グランド配線VSS、第1の接続配線90および第2の接続配線91はそれぞれ、例えば1層目のメタル(第1メタル)で形成された配線である。
第1の接続配線90は、その一端部が入力配線になっており、他方、その残部が各MOSトランジスタT10〜T17のゲートGと接続される配線となっている。また第2の接続配線91は、その一端部が出力配線になっており、他方、その残部が各MOSトランジスタT10〜T17のドレインDと接続される配線となっている。
またこの予備セルC4では、電源配線VDDとn−ウェルnwとは、コンタクト100,101,102,103により相互接続されており、グランド配線VSSとp−ウェルpwとは、コンタクト124,125,126,127により相互接続されている。他方、電源配線VDDと各MOSトランジスタT10,T11,T12,T13のソースSとはそれぞれ、箇所k104,k106,k107,k109のコンタクトが省略されて相互分離されており、またグランド配線VSSと各MOSトランジスタT14,T15,T16,T17のソースSとはそれぞれ、箇所k118,k120,k121,k123のコンタクトが省略されて相互分離されている。また第1の接続配線90と各MOSトランジスタT10〜T17のゲートGとはそれぞれ、箇所k110,k112,k114,k116,k111,k113,k115,k117のコンタクトが省略されて相互分離されている。また第2の接続配線91と各MOSトランジスタT10とT11,T12とT13,T14とT15,T16とT17の共通のドレインDとはそれぞれ、箇所k105,k108,k119,k122のコンタクトが省略されて相互分離されている。
この予備セルC4では、上記の様に各箇所のコンタクトが省略されて各部が分離されていることで、第1および第2のインバータ回路300a,300bが共に、動作不能にされ且つそれら各回路300a,300b内のリーク電流が防止される様になっている。尚、各インバータ回路300a,300b内の分離箇所と防止されるリーク電流との関係は、実施の形態2,3の場合と実質的に同じなので、その説明は省略する。
そしてこの予備セルC4は、その使用時には、第1および第2のインバータ回路300a,300bのうちの一方の回路だけを、その回路内の全ての当該分離箇所をコンタクトで接続して選択的に機能させる様にし、他方の回路については、その回路内の当該分離箇所を接続しないで機能させない様にして、動作可能にされる。
例えば使用時に第1のインバータ回路300aを選択的に機能させる場合は、図13の様に、第1のインバータ回路300a内の全ての当該分離箇所k104〜k106,k110〜k113,k118〜k120をそれぞれコンタクト104〜106,110〜113,118〜120で接続し、且つ第2のインバータ回路内300bの当該分離箇所k107〜k109,k114〜k117,k121〜k123はコンタクトで接続しない様にする。これにより予備セルC4は、第1のコンバータ回路300aとして(即ち第1の動作速度で且つ実施の形態2よりもドライブ能力が2倍のインバータ回路として)動作可能になる。
他方使用時に第2のインバータ回路300bを選択的に機能させる場合は、図14の様に、第2のインバータ回路300b内の全ての当該分離箇所k107〜k109,k114〜k117,k121〜k123をそれぞれコンタクト107〜109,114〜117,121〜123で接続し、且つ第1のインバータ回路内300aの当該分離箇所k104〜k106,k110〜k113,k118〜k120はコンタクトで接続しない様にする。これにより予備セルC4は、第2のコンバータ回路300bとして(即ち第2の動作速度で且つ実施の形態2よりもドライブ能力が2倍のインバータ回路として)動作可能になる。
以上に説明した半導体装置の設計方法によれば、実施の形態2と同様の効果を得るほかに、予備セルC4は、複数の回路300a,300bを備え、その予備状態では、それら複数の回路の各々においてその回路内の電路が途中箇所k104〜k117で分離されて動作不能にされ、その使用状態では、それら複数の回路のうちの一の回路が選択的に機能する様に当該分離箇所が接続されて動作可能にされるので、予備セルC4の特性を、選択する回路に応じて変化させる事ができる。
また複数の回路300a(300b)はそれぞれ、同種の回路(インバータ回路)であり、そのMOSトランジスタT10,T11、T14,T15(T12,T13,T16,T17)の閾値がそれら各回路に応じて異なるので、予備セルC4の特性としてMOSトランジスタの動作速度を、選択する回路に応じて変化させる事ができる。
また予備セルC4は、例えば、第1の閾値を持つ第10、第11、第14および第15のMOSトランジスタT10,T11,T14,T15と、第2の閾値を持つ第12、第13、第16および第17のMOSトランジスタT12,T13,T16,T17と、電源配線VDDと、グランド配線VSSと、その一端部が入力配線である第1の接続配線90と、その一端部が出力配線である第2の接続配線91とを有し、第10〜第13のMOSトランジスタT10〜T13のソースSおよびウェルnwが電源配線VDDに接続され、第14〜第17のMOSトランジスタT14〜T17のソースSおよびウェルpwがグランド配線VSSに接続され、第10〜第17のMOSトランジスタT10〜T17のゲートGが第1の接続配線90に接続され、第10および第11のMOSトランジスタT10,T11のドレインDが互いに一体形成されて第2の接続配線91に接続され、第12および第13のMOSトランジスタT12,T13のドレインDが互いに一体形成されて第2の接続配線91に接続され、第14および第15のMOSトランジスタT14,T15のドレインが互いに一体形成されて第2の接続配線91に接続され、第16および第17のMOSトランジスタT16,T17のドレインDが互いに一体形成されて第2の接続配線91に接続されるインバータ回路において、そのインバータ回路内の電路のうち、(i)第1の閾値を持つ第10、第11、第14および第15のMOSトランジスタT10,T11,T14,T15が機能しない様に(即ち第1のインバータ回路300aが機能しない様に)電源配線VDD、グランド配線VSS、前記入力配線または前記出力配線に至る電路が途中箇所k104〜k106,k110〜k113,k118〜k120で分離されるか、または(ii)第2の閾値を持つ第12、第13、第16および第17のMOSトランジスタT12,T13,T16,T17が機能しない様に(即ち第2のインバータ回路300bが機能しない様に)電源配線VDD、グランド配線VSS、前記入力配線および前記出力配線に至る電路が途中箇所k107〜k109,k114〜k117,k121〜k123で分離されるか、または(iii)第10〜第17のMOSトランジスタT10〜T17の全部が機能しない様に(即ち予備セルC4全体が機能しない様に)電源配線VDD、グランド配線VSS、前記入力配線または前記出力配線に至る電路が途中箇所k104〜k117で分離されたものであるので、インバータ回路の予備セルに対して、上記(iii)の場合は、使用されずに半導体装置に残っても、その予備セル内の前記電路上でのリーク電流の発生を防止でき、また半導体内で使用される場合は、上記(ii)または(iii)に応じて、その予備セルの特性(MOSトランジスタの動作速度)を変化させる事ができる。
また第10、第11、第14および第15のMOSトランジスタT10,T11,T14,T15は、予備セルC4の予備状態で、各箇所k110,k112,k111,k113のコンタクトが省略されることで、そのゲートGがそれに接続される第1の接続配線90と分離され、各箇所k104,k106,k118,k120のコンタクトが省略されることで、そのソースSがそれに接続される電源配線VDDまたはグランド配線VSSと分離され、各箇所k105,k119のコンタクトが省略されることで、それらのドレインDが第2の接続配線91と分離されるので、第10、第11、第14および第15のMOSトランジスタT10,T11,T14,T15(即ち第1のインバータ回路300a)を機能しない様に電源配線VDD、グランド配線VSS、前記入力配線または前記出力配線に至る電路を途中箇所で分離できると共に、それら各MOSトランジスタT10,T11,T14,T15でのリーク電流を防止できる。
また第12、第13、第16および第17のMOSトランジスタT12,T13,T16,T17は、予備セルC4の予備状態で、各箇所k114,k116,k115,k117のコンタクトが省略されることで、そのゲートGがそれに接続される第1の接続配線90と分離され、各箇所k107,k109,k121,k123のコンタクトが省略されることで、そのソースSがそれに接続される電源配線VDDまたはグランド配線VSSと分離され、各箇所k108,k122のコンタクトが省略されることで、それらのドレインDが第2の接続配線91と分離されるので、第12、第13、第16および第17のMOSトランジスタT12,T13,T16,T17(即ち第2のインバータ回路300b)を機能しない様に電源配線VDD、グランド配線VSS、前記入力配線または前記出力配線に至る電路を途中箇所で分離できると共に、それら各MOSトランジスタT12,T13,T16,T17でのリーク電流を防止できる。
尚この実施の形態の予備セルC4では、各回路300aと300bの同一接続箇所に配置されてドレイン同士・ソース同士・ゲート同士が相互接続されたMOSトランジスタの個数(例えば300aと300bのPMOSトランジスタの個数やNMOSトランジスタの個数)が、それら各回路で同一であったが、それら各回路に応じて異なる様にしてもよい(例えば回路300aのPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの個数をそれぞれ1個にし、回路300bのPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの個数をそれぞれ2個にしてもよい)。この様にすれば、予備セルC4の特性としてMOSトランジスタのドライブ能力を、選択する回路に応じて変化させる事ができる。
尚、この実施の形態には、上記の半導体装置の設計方法だけでなく、その設計方法により製造される半導体装置も含まれる。
実施の形態6.
この実施の形態でも、予備セルの他の一例を説明する。この実施の形態の予備セルは、その回路内に互いに並列接続された複数の同種の回路素子を備え、その予備状態では、その回路内の電路が途中箇所で分離されて動作不能にされ、その使用状態では、前記複数の同種の回路素子のうちの所定の回路素子が選択的に機能する様に、その回路内の当該分離箇所が接続されて動作可能にされる。
この実施の形態でも、予備セルの他の一例を説明する。この実施の形態の予備セルは、その回路内に互いに並列接続された複数の同種の回路素子を備え、その予備状態では、その回路内の電路が途中箇所で分離されて動作不能にされ、その使用状態では、前記複数の同種の回路素子のうちの所定の回路素子が選択的に機能する様に、その回路内の当該分離箇所が接続されて動作可能にされる。
以下、上記の予備セルとして、複数の同種の回路素子が、ドレイン同士・ソース同士・ゲート同士が相互接続された複数のMOSトランジスタである場合について説明する。ここでは、説明便宜上、実施の形態6で使用した図11〜図14を用いて説明する。
この実施の形態の予備セル(未接続予備セル)C5は、図11および図12の様に、電源配線VDDと、グランド配線VSSと、PMOSトランジスタT10,T11,T12,T13と、NMOSトランジスタT14,T15,T16,T17と、第1の接続配線90と、第2の接続配線91とを備えている。詳細な説明は、実施の形態6と同じなので省略する。
即ちこの予備セルC5は、標準セルC100(図18,図2)において、PMOSトランジスタT1を、ドレイン同士・ソース同士・ゲート同士が相互接続された複数のPMOSトランジスタT10〜T13に置換し、NMOSトランジスタT2を、ドレイン同士・ソース同士・ゲート同士が相互接続された複数のPMOSトランジスタT14〜T17に置換したものである。
そしてこの予備セルC5は、その予備状態では、その回路内の電路が途中箇所k104〜k123で分離されて動作不能にされ、その使用状態では、複数のPMOSトランジスタT10〜T13のうちの所定のものが選択的に機能すると共に複数のNMOSトランジスタT14〜T17のうちの所定のものが選択的に機能する様に、その回路内の当該分離箇所が接続されて、動作可能にされる。
例えば、予備セルC5を第1の動作速度(通常の動作速度)で且つドライブ能力が通常の2倍のインバータ回路として動作させる場合には、図13の様に、複数のPMOSトランジスタT10〜T13のうちのPMOSトランジスタT10,T11が選択的に機能すると共に複数のNMOSトランジスタT14〜T17のうちのNMOSトランジスタT14,T15が選択的に機能する様に、その回路内の当該分離箇所k104〜k106,k110〜k113,k118〜k120を接続し、他の当該分離箇所は、接続しない様にする。
また例えば、予備セルC5を第2の動作速度(通常よりも遅い動作速度)で且つドライブ能力が通常の2倍のインバータ回路として動作させる場合には、図14の様に、複数のPMOSトランジスタT10〜T13のうちのPMOSトランジスタT12,T13が選択的に機能すると共に複数のNMOSトランジスタT14〜T17のうちのNMOSトランジスタT16,T17が選択的に機能する様に、その回路内の当該分離箇所k107〜k109,k114〜k117,k121〜k123を接続する。
以上に説明した半導体装置の設計方法によれば、実施の形態5と同様の効果を得るほかに、予備セルC5は、その回路内に互いに並列接続された複数の同種の回路素子(例えばPMOSトランジスタT10〜T13、NMOSトランジスタT14〜T17)を備え、その予備状態では、その回路内の電路が途中箇所k104〜k123で分離されて動作不能にされ、その使用状態では、前記複数の同種の回路素子のうちの所定の回路素子が選択的に機能する様にその回路内の当該分離箇所が接続されて、動作可能にされるので、予備セルC5の特性を、選択する回路素子に応じて変化させる事ができる。
また前記複数の同種の回路素子は、ドレイン同士・ソース同士・ゲート同士が相互接続された複数のMOSトランジスタであるので、予備セルC5の特性としてMOSトランジスタのドライブ能力や動作速度を、選択する回路素子に応じて変化させる事ができる。
また予備セルC5は、例えば、第1の閾値を持つ第10、第11、第14および第15のMOSトランジスタT10,T11,T14,T15と、第2の閾値を持つ第12、第13、第16および第17のMOSトランジスタT12,T13,T16,T17と、電源配線VDDと、グランド配線VSSと、その一端部が入力配線である第1の接続配線90と、その一端部が出力配線である第2の接続配線91とを有し、第10〜第13のMOSトランジスタT10〜T13のソースSおよびウェルnwが電源配線VDDに接続され、第14〜第17のMOSトランジスタT14〜T17のソースSおよびウェルpwがグランド配線VSSに接続され、第10〜第17のMOSトランジスタT10〜T17のゲートGが第1の接続配線90に接続され、第10および第11のMOSトランジスタT10,T11のドレインDが互いに一体形成されて第2の接続配線91に接続され、第12および第13のMOSトランジスタT12,T13のドレインDが互いに一体形成されて第2の接続配線91に接続され、第14および第15のMOSトランジスタT14,T15のドレインが互いに一体形成されて第2の接続配線91に接続され、第16および第17のMOSトランジスタT16,T17のドレインDが互いに一体形成されて第2の接続配線91に接続されるインバータ回路において、そのインバータ回路内の電路のうち、(i)第1の閾値を持つ第10、第11、第14および第15のMOSトランジスタT10,T11,T14,T15が機能しない様に電源配線VDD、グランド配線VSS、前記入力配線または前記出力配線に至る電路が途中箇所k104〜k106,k110〜k113,k118〜k120で分離されるか、または(ii)第2の閾値を持つ第12、第13、第16および第17のMOSトランジスタT12,T13,T16,T17が機能しない様に電源配線VDD、グランド配線VSS、前記入力配線および前記出力配線に至る電路が途中箇所k107〜k109,k114〜k117,k121〜k123で分離されるか、または(iii)第10〜第17のMOSトランジスタT10〜T17の全部が機能しない様に(即ち予備セルC5全体が機能しない様に)電源配線VDD、グランド配線VSS、前記入力配線または前記出力配線に至る電路が途中箇所k104〜k117で分離されたものであるので、インバータ回路の予備セルに対して、上記(iii)の場合は、使用されずに半導体装置に残っても、その予備セル内の前記電路上でのリーク電流の発生を防止でき、また半導体内で使用される場合は、上記(ii)または(iii)に応じて、その予備セルの特性(MOSトランジスタの動作速度)を変化させる事ができる。
尚、この実施の形態には、上記の半導体装置の設計方法だけでなく、その設計方法により製造される半導体装置も含まれる。
実施の形態7.
実施の形態5,6の予備セルC4,C5では、コンタクトを省略することで各部を分離したが、そうする代わりに、実施の形態4の様に配線(メタル配線)を断線することで各部を分離しても構わない。この場合は、使用時に、その断線箇所を接続すればよい(または予め作成した接続済予備セルと置換すればよい)。この様にしても、実施の形態5,6と同様の効果を得る。
実施の形態5,6の予備セルC4,C5では、コンタクトを省略することで各部を分離したが、そうする代わりに、実施の形態4の様に配線(メタル配線)を断線することで各部を分離しても構わない。この場合は、使用時に、その断線箇所を接続すればよい(または予め作成した接続済予備セルと置換すればよい)。この様にしても、実施の形態5,6と同様の効果を得る。
実施の形態8.
この実施の形態に係る半導体装置の設計方法は、実施の形態1〜7の予備セルC1〜C5を自動配置配線ツール上で使用する場合の半導体装置の設計方法である。
この実施の形態に係る半導体装置の設計方法は、実施の形態1〜7の予備セルC1〜C5を自動配置配線ツール上で使用する場合の半導体装置の設計方法である。
参考として、まずこの種の従来の(即ち標準セルとそれに対応する予備セルとが同一の場合の)半導体装置の設計方法を説明する。この種の従来の半導体装置の設計方法では、レイアウト上に配置された各標準セルは、セル名が付されてそのセル名で識別されている。そしてそれら各標準セルのうち、“予備セルである”というプロパティ情報が付された標準セルは、予備セルとして扱われ、その様なプロパティ情報が付されていない標準セルは、実際に使用される標準セルとして扱われる。即ち、それら各標準セルが予備セルであるか実際に使用される標準セルであるかの区別は、その標準セルに“予備セルである”というプロパティ情報が付されているか否かで行われる。
そしてレイアウト上に構成された論理回路を変更する場合は、図15に基づき、以下の手順で行われる。
まずステップT1で、設計者により、変更前の論理回路に対応するネットリスト(セル名で識別された各標準セル間の接続関係が規定されたもの)に対し、新たに必要な標準セル(セル名「B」)が追加されると共に各標準セル間(例えば既存の標準セルと追加された標準セルとの間)の接続関係が修正されて、変更後の論理回路に対応するネットリストが作成される。
次にステップT2で、設計者により、上記の変更後の論理回路に対応するネットリストが自動配置配線ツールに入力される。尚、自動配置配線ツールには、変更前の論理回路の構成されたレイアウトが予め入力されている。このレイアウト上には、上記の追加された標準セル(セル名「B」)に対する予備セル(セル名「B」)が予め1つ以上配置されている。
次にステップT3で、自動配置配線ツールにより、変更前の論理回路の構成されたレイアウト上に予め配置されている、上記の追加された標準セル(セル名「B」)に対する予備セル(即ち、その追加された標準セルと同じセル名「B」が付された予備セル)のうち、上記の追加された標準セル(セル名「B」)として最適なもの(例えば配線が最短になるもの)が選択される。
次にステップT4で、自動配置配線ツールにより、その選択された予備セル(セル名「B」)から“予備セルである”というプロパティ情報が外される。これにより、その選択された予備セル(セル名「B」)は、以後、レイアウト上でセル名「B」の標準セルとして扱われる。
次にステップT5で、自動配置配線ツールにより、ステップT4で上記の選択された予備セル(セル名「B」)が標準セル(セル名「B」)として扱われる様になったレイアウトに対し、各標準セルおよび各予備セルの配置はそのままで、各標準セル間の配線だけが、ステップT2で入力されたネットリストに従って変更されることで、変更後の論理回路の構成されたレイアウトが作成される。尚、ネットリスト中の各標準セルとレイアウト上の各標準セルとの同定は、各標準セルに付されたセル名に基づいて行われている。
次にこの実施の形態に係る半導体装置の設計方法を説明する。この実施の形態に係る半導体装置の設計方法では、ライブラリとして標準セルの他に、それに対する予備セル(未接続予備セル)および接続済予備セルが準備されている。それら標準セル、予備セルおよび接続済予備セルは、一般に同一ではないので、それぞれ異なるセル名が付されている。例えば標準セル(セル名「B」)に対する予備セルのセル名は「B2」と付され、その接続済予備セルのセル名は「B3」と付されている。
そしてレイアウト上に構成された論理回路を変更する場合は、図15に基づき、以下の手順で行われる。
まずステップS1で、設計者により、変更前の論理回路に対応するネットリスト(セル名で識別された各標準セル間の接続関係が規定されたもの)に対し、新たに必要な標準セル(セル名「B」)が追加されると共に各標準セル間(例えば既存の標準セルと追加された標準セルとの間)の接続関係が修正されて、変更後の論理回路に対応するネットリストが作成される。
次にステップS2で、設計者により、上記の変更後の論理回路に対応するネットリストが自動配置配線ツールに入力される。尚、自動配置配線ツールには、変更前の論理回路の構成されたレイアウトが予め入力されている。このレイアウト上には、上記の追加された標準セル(セル名「B」)に対する予備セル(セル名「B2」)が予め1つ以上配置されている。
次にステップS3で、自動配置配線ツールにより、変更前の論理回路の構成されたレイアウト上に予め配置されている、上記の追加された標準セル(セル名「B」)に対する予備セル(即ちセル名「B2」が付された予備セル)のうち、上記の追加された標準セル(セル名「B」)として最適なもの(例えば配線が最短になるもの)が選択される。
次にステップS4で、自動配置配線ツールにより、その選択された予備セル(セル名「B2」)に対応する接続済予備セル(セル名「B3」)がライブラリ中から取得され、レイアウト上のその選択された予備セル(セル名「B2」)がそのライブラリから取得された接続済予備セル(セル名「B3」)に置換される(これにより予備セルの分離箇所が接続されたことになる)。これにより、その置換さえた接続済予備セル(セル名「B3」)は、以後、レイアウト上でセル名「B3」の標準セルとして扱われる。
次にステップS5で、自動配置配線ツールにより、ステップS4で、選択された予備セル(セル名「B2」)が接続済予備セル(セル名「B3」)に置換されたレイアウトに対し、各標準セル、各予備セルおよび接続済予備セルの配置はそのままで、各標準セルおよび接続済予備セル間の配線が、ステップS2で入力されたネットリストに従って変更されることで、変更後の論理回路の構成されたレイアウトが作成される。尚、ネットリスト中の各標準セルとレイアウト上の各標準セルとの同定は、各標準セルに付されたセル名に基づいて行われている。
以上に説明した半導体装置の設計方法によれば、ライブラリ内に、標準セルとそれに対する予備セルとその予備セルに対応する接続済予備セルとが準備され、自動配置配線ツールにより、レイアウト上に予め配置された1個以上の予備セルのうちの一の予備セルが、ネットリストに追加された標準セルに対応するものとして選択されると、その選択された予備セルがライブラリに準備されたその予備セルに対応する接続済予備セルに置換されるので、従来の様に標準セルと予備セルとが同一でなくても、従来の自動配置配線ツールを用いて自動配置配線を行う事ができる。
尚、この実施の形態には、上記の半導体装置の設計方法だけでなく、その設計方法により製造される半導体装置も含まれる。
本発明は、半導体装置(LSI)の論理回路の論理変更時に使用する半導体装置の設計方法およびその設計方法で製造される半導体装置に適用可能である。
C1〜C5 予備セル、VDD 電源配線、VSS グランド配線、k7,k8,k13,k14 分離箇所、7,8,13,14 コンタクト、15 入力配線、16 出力配線、T1〜T17 MOSトランジスタ、S ソース、G ゲート、D ドレイン、pw p−ウェル、nw n−ウェル、pr p−領域、pn n−領域。
Claims (15)
- セルベース設計手法において、標準セルにより論理回路の構成されたレイアウト上に予備セルを予め配置しておき、その予備セルを使用して前記論理回路を論理変更する半導体装置の設計方法であって、
前記予備セルは、外部電圧を入出力する配線と、その配線に接続された回路とを備え、その予備状態では、前記回路内の電路のうちの前記配線に至る電路が途中箇所で分離されており、その使用時に、その分離箇所が接続されて使用されることを特徴とする半導体装置の設計方法。 - インバータ回路の予備セルを含む半導体装置であって、
前記予備セルは、
第1および第2のMOSトランジスタと、電源配線と、グランド配線と、入力配線と、出力配線とを有し、前記第1および前記第2のMOSトランジスタのゲートが互いに一体形成されて前記入力配線に接続され、前記第1および前記第2のMOSトランジスタのドレインが前記出力配線に接続され、前記第1のMOSトランジスタのソースおよびウェルが前記電源配線に接続され、前記第2のMOSトランジスタのソースおよびウェルが前記グランド配線に接続されるインバータ回路において、
前記インバータ回路内の電路のうちの前記電源配線、前記グランド配線、前記入力配線または前記出力配線に至る電路が途中箇所で分離されたものであることを特徴とする半導体装置。 - 前記第1および前記第2のMOSトランジスタのうちの少なくとも一方は、前記予備セル内のそのウェルがそのウェルの導電型と異なる導電型の領域により囲繞されており、そのソースおよびそのウェルがそれらに接続された当該配線と分離されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- 前記入力配線および前記出力配線は共に、外部から分離されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- インバータ回路の予備セルを含む半導体装置であって、
前記予備セルは、
第1および第2のMOSトランジスタと、電源配線と、グランド配線と、入力配線と、出力配線とを有し、前記第1および前記第2のMOSトランジスタのゲートが前記入力配線に接続され、前記第1および前記第2のMOSトランジスタのドレインが前記出力配線に接続され、前記第1のMOSトランジスタのソースおよびウェルが前記電源配線に接続され、前記第2のMOSトランジスタのソースおよびウェルが前記グランド配線に接続されるインバータ回路において、
前記インバータ回路内の電路のうちの前記電源配線、前記グランド配線、前記入力配線または前記出力配線に至る電路が途中箇所で分離されたものであることを特徴とする半導体装置。 - 前記第1および前記第2のMOSトランジスタのうちの少なくとも一方は、そのゲートが前記入力配線と分離され、そのドレインが前記出力配線と分離され、そのソースがそれに接続された当該配線と分離されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
- 前記入力配線および前記出力配線は共に、外部から分離されることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
- 前記入力配線は、第1および第2のMOSトランジスタのゲートと分離され、
前記出力配線は、第1および第2のMOSトランジスタのドレインと分離されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。 - AND回路の予備セルを含む半導体装置であって、
前記予備セルは、
第3〜第8のMOSトランジスタと、電源配線と、グランド配線と、第1および第2の入力配線と、接続配線と、出力配線とを有し、前記第3のMOSトランジスタのソースおよびウェルが前記電源配線に接続され、前記第4および第7のMOSトランジスタのソースが互いに一体形成されて前記電源配線に接続され、前記第4および第7のMOSトランジスタのウェルが前記電源配線に接続され、前記第5および前記第8のMOSトランジスタのソースおよびウェルが前記グランド配線に接続され、前記第3および前記第5のMOSトランジスタのゲートが前記第1の入力配線に接続され、前記第4および前記第6のMOSトランジスタのゲートが前記第2の入力配線に接続され、前記第7および前記第8のMOSトランジスタのゲートが前記接続配線に接続され、前記第3および前記第4のMOSトランジスタのドレインが互いに一体形成されて前記接続配線に接続され、前記第6のMOSトランジスタのドレインが前記接続配線に接続され、前記第7および前記第8のMOSトランジスタのドレインが前記出力配線に接続され、前記第5のMOSトランジスタのドレインと前記第6のMOSトランジスタのソースとが互いに一体形成されるAND回路において、前記AND回路内の電路のうちの前記電源配線、前記グランド配線、前記第1の入力配線、前記第2の入力配線または前記出力配線に至る電路が途中箇所で分離されたものであることを特徴とする半導体装置。 - 前記第3,第4,第7および第8のMOSトランジスタのうちの少なくとも1つは、そのゲートがそれに接続される当該配線と分離され、そのドレインがそれに接続された当該配線と分離され、そのソースがそれに接続された当該配線と分離されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
- 前記第5のMOSトランジスタは、そのゲートが前記第1の入力配線と分離され、そのソースが前記グランド配線と分離され、
前記第6のMOSトランジスタは、そのゲートが前記第2の入力配線と分離され、そのドレインが前記接続配線と分離されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。 - 前記第1の入力配線は、前記第3および前記第5のMOSトランジスタのゲートと分離され、
前記第2の入力配線は、前記第4および前記第6のMOSトランジスタのゲートと分離され、
前記出力配線は、前記第7および前記第8のMOSトランジスタのドレインと分離されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。 - インバータ回路の予備セルを含む半導体装置であって、
前記予備セルは、第1の閾値を持つ第10、第11、第14および第15のMOSトランジスタと、第2の閾値を持つ第12、第13、第16および第17のMOSトランジスタと、電源配線と、グランド配線と、その一端部が入力配線である第1の接続配線と、その一端部が出力配線である第2の接続配線とを有し、前記第10〜第13のMOSトランジスタのソースおよびウェルが前記電源配線に接続され、前記第14〜第17のMOSトランジスタのソースおよびウェルが前記グランド配線に接続され、前記第10〜第17のMOSトランジスタのゲートが前記第1の接続配線に接続され、前記第10および第11のMOSトランジスタのドレインが互いに一体形成されて前記第2の接続配線に接続され、前記第12および第13のMOSトランジスタのドレインが互いに一体形成されて前記第2の接続配線に接続され、前記第14および第15のMOSトランジスタのドレインが互いに一体形成されて前記第2の接続配線に接続され、前記第16および第17のMOSトランジスタのドレインが互いに一体形成されて前記第2の接続配線に接続されるインバータ回路において、前記インバータ回路内の電路のうち、前記第1の閾値を持つ第10、第11、第14および第15のMOSトランジスタのみが機能しない様に前記電源配線、前記グランド配線、前記入力配線または前記出力配線に至る電路が途中箇所で分離されるか、または前記第2の閾値を持つ第12、第13、第16および第17のMOSトランジスタのみが機能しない様に前記電源配線、前記グランド配線、前記入力配線および前記出力配線に至る電路が途中箇所で分離されるか、または前記第10〜前記第17のMOSトランジスタの全部が機能しない様に前記電源配線、前記グランド配線、前記入力配線または前記出力配線に至る電路が途中箇所で分離されたものであることを特徴とする半導体装置。 - 前記第10、第11、第14および第15のMOSトランジスタは、それらのゲートが前記第1の接続配線と分離され、それらのドレインが前記第2の接続配線と分離され、それらのソースがそれに接続される前記電源配線または前記グランド配線と分離されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
- 前記第12、第13、第16および第17のMOSトランジスタは、それらのゲートが前記第1の接続配線と分離され、それらのドレインが前記第2の接続配線から分離され、それらのソースがそれに接続された前記電源配線または前記グランド配線から分離されていることを特徴とする請求項13または14に記載の半導体装置。
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