JP2009087903A - 有機el表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 有機EL表示装置は、基板と、前記基板上に形成された複数の第1電極と、前記複数の第1電極の中央を露出させるとともに、外縁を覆うバンクと、前記バンク上に形成された第2電極と、前記バンク、前記第1電極及び前記第2電極の上に配置された発光材料層と、前記発光材料層の上に形成された第3電極とを有し、前記発光材料層は、前記第2電極と重なる位置に周囲が盛り上がった開口を備え、前記第3電極は、前記開口の内面を覆っている。
【選択図】 図9
Description
特許文献1(特開2007−103058号公報)には、補助配線をバンクの上に形成し、共通電極の抵抗を下げる技術が開示されている。
特許文献2及び3は、補助配線をバンクの下に形成し、バンクの上の共通電極と導通をとることで共通電極の抵抗を下げる技術が開示されている。
特に、特許文献2(特開2007-103098号公報)には、補助配線上のバンクにコンタクトホールを設け、その上から発光材料層を形成し、そのコンタクトホールの上からレーザを照射することでコンタクトホール上の発光材料層を部分的に飛散あるいは昇華させ、それによって共通電極と補助配線との導通を実現することが開示されている。
また、特に、特許文献3(特開2007−108469号公報)には、補助配線上のバンクにコンタクトホール開口を設け、その上から発光材料層を形成し、そのコンタクトホール上の発光材料層の上から、ピンを打ち込むことで共通電極と補助配線との導通を実現するか、導電性の球体を多数含むペーストを塗布した後加圧してそれらを打ち込むことで共通電極と補助配線との導通を実現することが開示されている。
そこで、共通電極の上に補助電極を形成する場合、マスク蒸着が有力な技術とされている。
しかし、マスク蒸着は、マスクの熱膨張を考慮する必要から、蒸着位置に大きなマージンが必要であり、高精細の表示装置を実現するためには、さらなるマスク設計の進歩が必要である。
しかし、補助配線を発光材料層の下に配置する場合、有機膜がその中間に存在し、補助配線と共通電極との接続の妨げになる。単色発光とカラーフィルタの組合せのカラー有機EL表示装置だけでなく、多色発光でも発光材料層を構成する少なくとも1層はプロセス簡略化のために、異なる色の画素にも共通に蒸着する、所謂「ベタ蒸着」が採用された有機EL表示装置でも同様の問題が生じる。
その問題に対して、特許文献2では、レーザでコンタクトホールにおける電気的な導通を確保しようとしていたが、発光材料層の飛散あるいは昇華によって、コンタクトホールの内面に凹凸が生じ、共通電極のスパッタ成膜では連続膜とならない可能性が生じる。 また、発光材料層やバンクに熱によるダメージを与えかねない。
また、特許文献3の図8のように、導電性の球体を多数含むペーストを塗布した後加圧することでコンタクトホール及び発光材料層中に当該ペーストを打ち込む場合、まず、所望の位置へ、微量のペーストを細い幅で供給する必要があり、作業性がかなり悪い。また、ACFフィルムでは、加熱加圧することによりバインダ(ペースト)を横方向に逃がして上下の端子間(共通電極と補助配線の間)に導電粒子同士の接触による微細配線を多数構成するが、コンタクトホールのような開口では、バインダが逃げるスペースがないため、押しただけでは荷電粒子同士の接触による微細配線が構成されない場合も起きうる。また、コンタクトホールを導電性の球体を多数含むペーストで充填すると、熱膨張数の差から、バンクとの間の境界に隙間ができやすく、寿命が縮まる可能性がある。
本発明の目的は、発光材料層より下層に配置した配線(補助配線)と共通電極との間の接続構造を備えた、高精細で長寿命な有機EL表示装置を提供することにある。
(1)本発明の有機EL表示装置は、基板と、前記基板上に形成された複数の第1電極と、前記複数の第1の電極の中央を露出させるとともに、外縁を覆うバンクと、前記バンク上に形成された第2電極と、前記バンク、前記第1電極及び前記第2電極の上に配置された発光材料層と、前記発光材料層の上に形成された第3電極とを有し、
前記発光材料層は、前記第2電極と重なる位置に周囲が盛り上がった開口を備え、
前記第3電極は、前記開口の内面を覆っている。
(2)上記(1)において、
前記開口は、前記発光材料層を物理的に変形させて形成したものである。
(3)上記(1)において、
前記第1の電極は、前記発光材料層で発光した光を反射する機能を有し、
前記第3の電極は、前記発光材料層で発光した光を透過する機能を有する。
(4)上記(1)において、
前記第2電極は、前記第3電極よりも抵抗値が低い材料からなる。
(5)上記(1)において、
前記第2電極の表面は、前記開口に沿った凹みを備えている。
(6)上記(1)において、
前記開口は、第1電極の数より多い。
基板上に第1電極を形成する第1工程と、
前記基板上に、前記第1電極が露出している開口を備えたバンクを形成する第2工程と、
前記バンク上に第2電極を形成する第3工程と、
前記第3工程の後に、前記発光材料層を形成する第4工程と、
前記発光材料層の上から、前記第2電極と重なる位置に、凸状部材を押し込み、引き抜く第5工程と、
前記第5工程の後に、第1の電極及び第2電極を覆う連続膜をスパッタリング法又は蒸着法により形成する第6工程と、を有する。
(8)上記(7)において、
前記第5工程中に、前記凸状部材を上下以外の向きに動かす。
(9)上記(8)において、
前記第5工程中に、前記凸状部材を振動させる。
以下、文字やグラフィックを表示する最小単位のものをドットと呼ぶが、この最小単位のドットを本実施例では画素(ピクセル)と呼ぶ。また、カラー表示においては、一般的に、画素を赤(R),緑(G),青(B)の3色に分割するためにRGB3色を一まとめにして画素(ピクセル)と呼び、RGBで分割した3分の1(1/3)ドットをサブ画素(サブピクセル)と呼ぶが、本実施例ではRGBで分割した3分の1(1/3)ドットも画素と呼ぶ。
上下に映像信号線DATA及び電源線POWER、左右に補助配線SUPと走査線SCANが配置され、画素回路はこれらの配線と有機EL素子OLEDとの間に接続されている。
画素回路は、第1トランジスタTFT1、第2トランジスタTFT2、データ保持容量CAPで構成されている。
第1トランジスタTFT1のソースドレイン領域の一端に、映像信号線DATAが接続され、他端に、データ保持容量CAPの一端が接続され、制御端であるゲートは、走査線SCANに接続されている。
データ保持容量CAPの他端は、第2トランジスタTFT2の制御端及び電源線POWERに接続されている。
電源線POWERには、データ保持容量CAPだけでなく、第2トンランジスタTFT2のソースドレイン領域の一端が接続されている。
第2トンランジスタTFT2の他端は、有機EL素子OLEDのアノードに接続されている。
有機EL素子のカソードは、補助配線SUPに接続されている。
第1トランジスタTFT1のソースドレイン領域の一端と映像信号線DATAとは、第1コンタクトホールCH1を介して接続されている。
データ保持容量CAPの他端と電源線POWERとは、第2コンタクトホールCH2を介して接続されている。
第2トランジスタTFT2のソースドレイン領域の一端と電源線POWERとは、第3コンタクトホールCH3を介して接続されている。
第2トランジスタTFT2のソースドレイン領域の他端と有機EL素子OLEDのアノードとは、第4コンタクトホールCH4を介して接続されている。
図8に示すように、基板SUB上に、下地膜UC、半導体層FG、ゲート絶縁膜GI、金属ゲート電極層SG、第1層間絶縁層INS1、金属ソースドレイン電極層SD、第2層間絶縁層INS2、画素電極AD、バンクBNK、補助配線SUP、発光材料層OLE、共通電極CDが形成されている。
基板SUBは、0.5mmの厚さの無アルカリガラスである。
下地膜UCは、基板SUBに含まれるイオン性不純物が薄膜トランジスタTFTに影響を及ぼすのを回避するために設けられており、厚さ50〜200nmの窒化シリコン膜と厚さ50〜200nmの酸化シリコン膜との積層膜からなる。
半導体層FGは、薄膜トランジスタTFTのソース領域、ドレイン領域、チャネル領域だけでなく、高濃度ドーピングによる配線やデータ保持容量CAPの下層電極を構成する層である。この半導体層FGは、厚さ50〜150nmのポリシリコンで構成される。
ゲート絶縁膜GIは、厚さ100〜200nmのTEOSによる酸化シリコン膜で構成され、コンタクトホール以外の基板全面を覆っている。ゲート絶縁膜だけでなく、データ保持容量CAPの誘電体層としても機能する。
第1層間絶縁膜INS1は、厚さ200〜500nmの酸化シリコン膜で構成され、コンタクトホール以外の基板全面を覆っている。
金属ソースドレイン電極層SDは、映像信号線DATA、電源線POWERを構成するだけでなく、半導体層FGと金属ゲート電極層SGとを接続する際の配線や、抵抗を下げる冗長配線を構成する。厚さ20〜120nm程度の厚さのMoW膜と50〜150nm程度の厚さのMoW膜との間に200〜400nm程度の厚さのAlSi膜を挟み込んだ積層構造の金属膜からなる。
第2層間絶縁膜INS2は、厚さ300〜500nmのシリコン窒化膜の上に、厚さ1μm〜2μmのポリイミド、アクリル、エポキシの何れから選択された有機絶縁膜が形成された積層構造で構成され、コンタクトホール以外の基板全面を覆っている。
図2中上下方向に延伸する映像信号線DATAは、ゲート絶縁膜GIと第1層間絶縁膜INS1を貫通するコンタクトホールCH1で、半導体層FGまで引き出され、第1トランジスタTFT1のソースドレイン領域の一端に接続される。
図2中左右方向に延伸する走査線SCANは、図2中上方向に突起を備え、その突起が第1トランジスタTFT1のゲート電極となっている。
第1トランジスタTFT1のソースドレイン領域(半導体層FG)の他端は、走査線SCANの延伸方向に引き伸ばされて、データ保持容量CAPの下部電極となる。
データ保持容量CAPの下部電極の上にゲート絶縁膜GIを介して金属ゲート電極層SGの電極が配置される。これがデータ保持容量CAPの上部電極を構成する。
このデータ保持容量CAPの上部電極は、電源線POWERまで引き伸ばされ、第2コンタクトホールCH2を介して図中上下方向に延伸する電源線POWERに、物理的、電気的に接続される。
図2中上下方向に延伸する電源線POWERは、さらに第3コンタクトホールCH3を介して、半導体層FGに接続される。
この半導体層FGは、データ保持容量CAPの上部電極の一部の突起部の下を通過し、第2トランジスタTFT2を構成する。なお、この第2トランジスタTFT2の半導体層は、第1トランジスタTFT1の半導体層とは分離されている。
画素電極ADは、上下2層で構成される。下層は、厚さ50〜200nmのAlSi膜と20〜120nm程度の厚さのMoW膜との積層膜(上Al膜/下MoW膜)で構成され、画素毎に分離されている。上層は、厚さ30〜200nm程度のITO(Indium Tin Oxide)膜で構成され、画素毎に分離されている。上層のITOは、下層の金属を覆い、下層を介さずに第2トランジスタTFT2と電気的に直接接続されている。即ち、画素電極ADの上層は、ホール注入する陽極として機能し、下層は発光材料層OLEで発光した光を反射する反射膜として機能する。
図3に画素電極ADの上層の平面レイアウトを示す。
画素電極ADの上層ITOは、そのエッジが電源線POWERと映像信号線DATAに重なり、走査線と重ならないように配置されている。
バンクBNKは、画素電極ADの外縁を覆い、画素電極ADを露出する開口部BNK−OPENを備えた画素電極AD間を絶縁する絶縁膜で、窒化シリコン膜SiN、アクリル又はポリイミドで構成される。
発光材料層OLEは、ホール輸送層、発光層、電子輸送層の3層を少なくとも備えている。この発光材料層OLEの平面レイアウトを図5に示す。そのうちの少なくとも一層がバンクの上にも形成されるが、補助配線SUPの上に位置する発光材料層OLEは、第5コンタクトホールCH5の部分が除去され、補助配線SUPが発光材料層OLEから露出している。
陰極となる共通電極CDは、IZOなどの亜鉛系の酸化導電膜で構成され、発光材料層OLEの全面を覆っている。図5に示すように、画素左右方向に複数個並んで配置された第5コンタクトホールCH5で補助配線SUPに接続されている。
第5コンタクトホールCH5の周囲の発光材料層OLEは盛り上がっている。そして、その発光材料層OLEの表面に共通電極CDがスパッタリングで成膜されるので、第5コンタクトホールCH5の周囲の共通電極CDの表面も盛り上がった凸状になっている。スパッタリングは一定の膜厚だけ成膜されるので、発光材料層OLEの凸状の斜面に沿って形成されている。
この盛り上がった凸状斜面が形成される工程を、図6乃至図9で説明する。図6で示すように、発光材料層OLE迄は従前と同様の方法で成膜する。その後、第5コンタクトホールCH5(図7参照)を、先端は若干丸いが実質上鋭角に尖がっている釘や針のような円錐状の突起PINS(図6参照)を押し込み、引き抜くことで形成する。円錐状突起PINSを力で押し込む際に、周囲の発光材料層OLEが周りに押し込まれるので、表面が盛り上がるのである。この実施例では、上下方向に押し込んだが、押し込む途中、押し込んだ状態、引き抜く途中のいずれかの工程で、円錐状突起PINSを平面方向に微妙に移動させてもよい。具体的には、超音波のような振動を加えることが考えられる。このように、動きを与えれば、補助配線SUPの表面は傷つき酸化膜除去的な働きが期待できるだけでなく、発光材料層OLEを十分外へ寄せられるので、第5コンタクトホールCH5の開口を確保でき、電気的な導通が確かなものになる。
また、第5コンタクトホールCH5は、本実施例では、1画素につき1つにしたが、1画素当たり複数設けてもよい。その場合、剣山のように多数の針を発光材料層に宛がうことになり、断線の可能性を低減できるだけでなく、位置決めの煩わしさを減らすことができる。但し、画素電極ADを露出する開口部BNK−OPENの発光材料層OLEを傷つけることが無いように、十分にバンクの高さを高くしておく。
なお、突起PINSは治具PLATEに固定して用いるが、この治具PLATEは、熱による膨張が小さく、更に硬い材料で形成することが望ましい。本実施例の治具PLATEは、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)係の合金材料で構成した。
本実施例によれば、発光材料層より下層に配置した配線(補助配線)と共通電極との間の接続構造を備えた、高精細で長寿命な有機EL表示装置を提供することができる。
Claims (9)
- 基板と、
前記基板上に形成された複数の第1電極と、
前記複数の第1電極の中央を露出させるとともに、外縁を覆うバンクと、
前記バンク上に形成された第2電極と、
前記バンク、前記第1電極及び前記第2電極の上に配置された発光材料層と、
前記発光材料層の上に形成された第3電極とを有し、
前記発光材料層は、前記第2電極と重なる位置に周囲が盛り上がった開口を備え、
前記第3電極は、前記開口の内面を覆っていることを特徴とする有機EL表示装置。 - 請求項1において、
前記開口は、前記発光材料層を物理的に変形させて形成したものであることを特徴とする有機EL表示装置。 - 請求項1において、
前記第1電極は、前記発光材料層で発光した光を反射する機能を有し、
前記第3電極は、前記発光材料層で発光した光を透過する機能を有することを特徴とする有機EL表示装置。 - 請求項1において、
前記第2電極は、前記第3電極よりも抵抗値が低い材料からなることを特徴とする有機EL表示装置。 - 請求項1において、
前記第2電極の表面は、前記開口に沿った凹みを備えていることを特徴とする有機EL表示装置。 - 請求項1において、
前記開口は、第1電極の数より多いことを特徴とする有機EL表示装置。 - 基板上に第1電極を形成する第1工程と、
前記基板上に、前記第1電極が露出している開口を備えたバンクを形成する第2工程と、
前記バンク上に第2電極を形成する第3工程と、
前記第3工程の後に、前記発光材料層を形成する第4工程と、
前記発光材料層の上から、前記第2電極と重なる位置に、凸状部材を押し込み、引き抜く第5工程と、
前記第5工程の後に、第1電極及び第2電極を覆う連続膜をスパッタリング法又は蒸着法により形成する第6工程と、
を有することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。 - 請求項7において、
前記第5工程中に、前記凸状部材を上下以外の向きに動かすことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。 - 請求項8において、
前記第5工程中に、前記凸状部材を振動させることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
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JP2005116330A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Sony Corp | 有機発光素子の製造方法および有機発光素子並びに表示装置 |
JP2007214000A (ja) * | 2006-02-10 | 2007-08-23 | Seiko Epson Corp | 電気光学装置の製造方法 |
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