JP2009087651A - 酸化チタンを混練した蓄電性ゴム及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴムに電池活物質及び電子伝導性の分散材を分散させた蓄電性ゴムにおいて、前記電池活物質として酸化チタンをゴム100質量部に対し100〜200質量部分散させ、電子伝導性の分散材としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びグラファイトから選ばれる1種以上の炭素粉末を膨潤性ゴム100質量部に対し20〜100質量部分散させたことを特徴とする。また、正極、負極、及び非水電解質を備えたリチウムイオン二次電池において、前記負極に、上記蓄電性ゴムを用いたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
このリチウムイオン二次電池は、非水系電解液中に、正極及び負極を配設し、各々の極板には、集電体表面に正極活物質又は負極活物質が結着された構成のものである。この電池に用いられる正・負極板は、一般的に、活物質(正極活物質又は負極活物質)、導電材(電子伝導性の分散材)、結着剤(バインダー)等を溶剤に混練分散して合剤とし、集電体の片面もしくは両面に塗布、乾燥した後に、必要に応じてプレスしたものを、所定の形状にスリットすることにより製造されている。
これらの問題を解決するために、ゴムの持っている柔軟性、密着性、耐熱老化性、耐候性、耐寒性等の特性を利用し、ゴムを電池の電極のバインダーとする技術が開発されているが、電極の柔軟性、集電体への活物質の密着性等は十分ではなかった。
(1)ゴムに電池活物質及び電子伝導性の分散材を分散させた蓄電性ゴムにおいて、前記電池活物質として酸化チタンをゴム100質量部に対し100〜200質量部分散させ、電子伝導性の分散材としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びグラファイトから選ばれる1種以上の炭素粉末をゴム100質量部に対し20〜100質量部分散させたことを特徴とする蓄電性ゴムである。
(2)前記ゴムが、膨潤性ゴムであることを特徴とする前記(1)の蓄電性ゴムである。
(3)前記膨潤性ゴムが、アクリルゴムであることを特徴とする前記(2)の蓄電性ゴムである。
(4)正極、負極、及び非水電解質を備えたリチウムイオン二次電池において、前記負極に、電池活物質として酸化チタンをゴム100質量部に対し100〜200質量部分散させ、電子伝導性の分散材としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びグラファイトから選ばれる1種以上の炭素粉末をゴム100質量部に対し20〜100質量部分散させた蓄電性ゴムを用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
(5)前記負極のゴムが、膨潤性ゴムであることを特徴とする前記(4)のリチウムイオン二次電池である。
(6)前記膨潤性ゴムが、アクリルゴムであることを特徴とする前記(5)のリチウムイオン二次電池である。
(7)前記正極に、電池活物質として遷移金属複合酸化物をゴム100質量部に対し10〜50質量部分散させ、電子伝導性の分散材としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びグラファイトから選ばれる1種以上の炭素粉末をゴム100質量部に対し60〜100質量部分散させた蓄電性ゴムを用いたことを特徴とする前記(4)〜(6)のいずれか一項のリチウムイオン二次電池である。
(8)前記正極の遷移金属複合酸化物が、LiMnO2であることを特徴とする前記(7)のリチウムイオン二次電池である。
(9)前記正極のゴムが、膨潤性ゴムであることを特徴とする前記(7)又は(8)のリチウムイオン二次電池である。
(10)前記膨潤性ゴムが、アクリルゴムであることを特徴とする前記(9)のリチウムイオン二次電池である。
(11)前記蓄電性ゴムが、イオン導電性の分散材としてClO4 −、BF4 −、又はPF6 −のリチウム塩を含有することを特徴とする前記(4)〜(10)のいずれか一項のリチウムイオン二次電池である。
(12)前記蓄電性ゴムがシート状であることを特徴とする前記(4)〜(11)のいずれか一項のシート状のリチウムイオン二次電池である。
ゴムの種類は限定されるものではないが、ACM(アクリルゴム)、NBR(ニトリルゴム)、H−MBR(水添加ニトリルゴム)、CO(ヒドリンゴム)、FKM(フッ素ゴム)などの膨潤性ゴム、多少膨潤するCR(クロロプレンゴム)、膨潤性が小さいBR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、IR(イソプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、Q(シリコーンゴム)、多硫化ゴム、ウレタンゴムなどを用いることができる。ACM(アクリルゴム)、NBR(ニトリルゴム)、H−MBR(水添加ニトリルゴム)、CO(ヒドリンゴム)から選ばれる膨潤性ゴムが好ましい。ここで、膨潤性ゴムとは、有機電解液に対して膨潤しやすいゴムを意味する。
電池活物質としての酸化チタンは、アクリルゴムなどの膨潤性ゴム100質量部に対し100〜200質量部分散させることが好ましい。酸化チタンの量が少ないと電池として機能しなくなり、多すぎても電池としての挙動が見られなくなるので、上記の範囲が好ましい。
膨潤性ゴムなどのゴムに、電池活物質として酸化チタンを分散させた蓄電性ゴムは、リチウムイオン二次電池の負極として用いることができる。
また、正極に蓄電性ゴムを用いる場合には、電池活物質を、アクリルゴム、ニトリルゴムなどの膨潤性ゴム100質量部に対し10〜50質量部分散させることが好ましい。
また、電子伝導性の分散材は、負極に用いる蓄電性ゴムには、膨潤性ゴム100質量部に対し20〜100質量部分散させることが好ましく、正極に用いる蓄電性ゴムには、膨潤性ゴム100質量部に対し60〜100質量部分散させることが好ましい。電子伝導性の分散材が少ないと、電池として機能しなくなり、また、多すぎるとゴムへの混練が困難になるので、上記の範囲が好ましい。
イオン導電性の分散材としては、ClO4 −、B10Cl10 2−、B12Cl12 2−、BF4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、BR4 −、B(Ar)4 −、AlC4 −、CF3SO3 −、(CF3SO2)2N−、(CF3SO2)3C−などのリチウム塩を用いることができるが、ClO4 −、BF4 −、又はPF6 −のリチウム塩が好ましい。
蓄電性ゴムにイオン導電性の分散材(リチウム塩)を分散させる方法としては、電池活物質及び電子伝導性の分散材を分散させた膨潤性ゴムを、有機溶媒とリチウム塩を含むイオン導電性の液体に浸漬させて膨潤させる方法を採用することができる。
膨潤性ゴムに浸透させることができるイオン導電性の液体としては、リチウム電池に従来から非水電解液として使用されている有機溶媒とリチウム塩(電解質)を含む電解液が挙げられる。
このようなイオン導電性の液体としては、PC(プロピレンカーボネート)、EC(エチレンカーボネート)、EMC(エチルメチルカーボネート)、DEC(ジエチルカーボネート)、GBL(γ−ブチロラクトン)、DME(1,2−ジメトキシエタン)、MP(プロピオン酸メチル)などの有機溶媒に、上記のリチウム塩(電解質)を含む電解液を用いることができ、LiClO4/PC+DME、LiClO4/EC+DEC、LiBF4/PC+DME、LiBF4/EC+DEC、LiPF6/PC+DME、LiPF6/EC+DECなどが好ましい。
また、上記のような電解液は、そのまま、本発明の蓄電性ゴムを負極としたリチウムイオン二次電池の電解液とすることができる。
なお、イオン導電性の分散材をゴムに分散させる方法は、上記の方法に限定されず、電子伝導性の分散材及び電池活物質と共に、ゴムに練り込む方法等も採用できる。
さらに、イオン導電性の分散材として、固体電解質を用いても良い。
セパレータの材料は限定されるものではないが、アクリルゴムなどの膨潤性ゴムに炭酸カルシウムなどのフィラーを分散させたものを使用することができる。
蓄電性ゴム、セパレータをシート状とすることにより、シート状のリチウムイオン二次電池が得られる。
負極の材料は、ACM100質量部に対し、活物質として酸化チタン(アナターゼ型、粒径0.15μm、石原産業製、以下、同じ)を200質量部又は100質量部、電子伝導性の分散材としてケッチェンブラック(1次粒子径34nm、BET比表面積1270m2/g、株式会社ケッチェンブラックインターナショナル製、以下、同じ)を20質量部加えたものであり、これをオープンロールで混練して、170℃、30secでシート状に予備成型をし、集電体となる銅箔に同温度で10分の加硫接着を行った。その後、150℃、1時間で二次加硫を行った。このようにして試料極を作製した。
電気化学的測定はサイクリックボルタンメトリー(以下CV)を3電極式気密セル(電極間距離1cm)を用いて行った。作製した試料極を用い、電極面積1cm2となるようにし、参照極・対極には金属Li箔を用い、電解液には水分濃度50ppm以下の1moldm−3のLiClO4/PC+DME、LiClO4/EC+DEC、LiBF4/PC+DME、LiBF4/EC+DEC、LiPF6/PC+DME、LiPF6/EC+DEC(何れも溶媒混合比は体積比で50:50、キシダ化学製、LiClO4/EC+DECのみ三菱化学製)を用いた。セルの組み立てはアルゴン雰囲気中で行った。測定には、POTENTIOSTAT/GALVANOSTAT HA−151(北斗電工製)とFUNCTION GENERETOR HB−111(北斗電工製)を用い、電位掃引速度0.1mV/sec、走査範囲を0.0〜3.3Vvs.Li/Li+として室温で行った。
およそすべての電解液(溶質、溶媒)において2.4V付近(図1〜図7のそれぞれ上半分のピークを参照。TiO2+Li++e−←LiTiO2の酸化反応に対応する。)、1.5V付近(図1〜図7のそれぞれ下半分のピークを参照。TiO2+Li++e−→LiTiO2の還元反応に対応する。)で酸化還元反応を確認することができた。
負極の材料は、ACM100質量部に対し、活物質として酸化チタンを200質量部、電子伝導性の分散材としてケッチェンブラックを20質量部加えたものをオープンロールで混練して、薄いシート状に分出しを行い、負極(帯電性ゴム)とした。正極の材料は、ACM100質量部に対し、活物質としてマンガン酸リチウムを40質量部、電子伝導性の分散材としてグラファイトを55質量部とケッチェンブラックを20質量部加えたものをオープンロールで混練して、薄いシート状に分出しを行い、正極(帯電性ゴム)とした。セパレータの材料はACM100質量部に対し、フィラーとして炭酸カルシウムを40質量部加えたものをオープンロールで混練して、薄いシート状に分出しを行い、セパレータゴムとした。これらシート状の材料を負極集電体/負極(帯電性ゴム)/セパレータゴム/正極(帯電性ゴム)/正極集電体の順に重ね合わせ、熱プレスを用いて170℃で10分の加硫を行った。その後、150℃、1時間で二次加硫を行った。このようにして、図8に示すラミネートテストピースとした。
充電電流が0.1mAのとき2時間半でカットオフ電位に達し、その直後LED(赤)を接続したところ約30分の点灯が確認できた。
負極の材料を、ACM100質量部に対し、活物質としてグラファイト(KS−15)を75質量部又は55質量部、電子伝導性の分散材としてケッチェンブラックを20質量部加えたものとした以外は、実施例1と同様にして、試料極を作製し、電解液を 1moldm−3LiPF6/EC+DECとしてCVの測定を行った。
図11から分かるように、上半分にピークがほとんど認められず、酸化還元反応がわずかしか確認できないので、負極活物質をグラファイトとした蓄電性ゴムを用いた場合には、電池としては機能するものの、高い性能を得ることは難しいといえる。
Claims (12)
- ゴムに電池活物質及び電子伝導性の分散材を分散させた蓄電性ゴムにおいて、前記電池活物質として酸化チタンをゴム100質量部に対し100〜200質量部分散させ、電子伝導性の分散材としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びグラファイトから選ばれる1種以上の炭素粉末をゴム100質量部に対し20〜100質量部分散させたことを特徴とする蓄電性ゴム。
- 前記ゴムが、膨潤性ゴムであることを特徴とする請求項1に記載の蓄電性ゴム。
- 前記膨潤性ゴムが、アクリルゴムであることを特徴とする請求項2に記載の蓄電性ゴム。
- 正極、負極、及び非水電解質を備えたリチウムイオン二次電池において、前記負極に、電池活物質として酸化チタンをゴム100質量部に対し100〜200質量部分散させ、電子伝導性の分散材としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びグラファイトから選ばれる1種以上の炭素粉末をゴム100質量部に対し20〜100質量部分散させた蓄電性ゴムを用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
- 前記負極のゴムが、膨潤性ゴムであることを特徴とする請求項4に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記膨潤性ゴムが、アクリルゴムであることを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記正極に、電池活物質として遷移金属複合酸化物をゴム100質量部に対し10〜50質量部分散させ、電子伝導性の分散材としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びグラファイトから選ばれる1種以上の炭素粉末をゴム100質量部に対し60〜100質量部分散させた蓄電性ゴムを用いたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記正極の遷移金属複合酸化物が、LiMnO2であることを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記正極のゴムが、膨潤性ゴムであることを特徴とする請求項7又は8に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記膨潤性ゴムが、アクリルゴムであることを特徴とする請求項9に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記蓄電性ゴムが、イオン導電性の分散材としてClO4 −、BF4 −、又はPF6 −のリチウム塩を含有することを特徴とする請求項4〜10のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記蓄電性ゴムがシート状であることを特徴とする請求項4〜11のいずれか一項に記載のシート状のリチウムイオン二次電池。
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JP2007254611A JP2009087651A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | 酸化チタンを混練した蓄電性ゴム及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 |
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KR101110074B1 (ko) | 2009-12-02 | 2012-02-15 | 삼성전자주식회사 | 잉크젯 인쇄용 음극 조성물, 이를 사용하여 제조한 전극 및 리튬 전지 |
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2007
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