JP2009087542A - 組電池および組電池用バスバー - Google Patents

Abstract

【課題】複数の単電気を組み合わせて、異なる単電池の電極端子同士を電気的に接続し、しかも単電池同士の相対的な位置ずれがあっても健全性を保持できるようにする。
【解決手段】密閉型金属製単電池ケース２および単電池ケース２から突出した電極端子５，７を備えた複数の単電池１を互いに隣接させて配列し、互いに隣接する二つの単電池１の電極端子５，７同士を電気的に接続するバスバー１６を有する組電池である。電極端子５，７と単電池ケース２の間に電気絶縁性のシール材が配置され、バスバー１６は、金属製の平板を複数箇所で３次元的に異なる方向に曲げて形成されている。バスバー１６は、金属製の平板を複数の折線で折り曲げて形成され、折線の少なくとも二つが互いに平行でない。
【選択図】図１

Description

この発明は、複数の単電池を配列しバスバーで相互に接続して一体化した組電池および、その組電池を構成するバスバーに関する。

複数の単電池を配列し、それらの単電池の電極同士を電気的に接続して一体化した組電池が知られている（特許文献１、２）。

一方、たとえばリチウムイオン電池では、材料の特性上、電池ケース内に水分の浸入を防ぐ必要があるため、金属製の電池ケースを用いる。そして、電流を取り出すための電極端子のプラスかマイナスの電極の少なくとも一方は電池ケースとの電気絶縁を保ちながら電池ケースを貫通する必要がある。そのため、電池ケースと電極端子との間に、たとえばプラスチック製の絶縁シール材を介在させる。
特開２００６−３３９０３２号公報 特開２００７−２００７５８号公報

上述の組電池で、その組電池を構成する複数の単電池相互間は必ずしも互いに完全に固定されているわけではなく、互いに相対的に位置ずれが生じることがある。その場合、異なる単電池の電極端子同士を電気的に接続している電極端子間接続部がこれら電極端子の相対的位置ずれを許容する構造になっていないと、電極端子の相対的位置ずれに伴って、電極端子間接続部により電極端子に大きな力が発生し、絶縁シール材が歪み、隙間が発生する可能性がある。その場合、外気中の水分が隙間を通って電池ケース内に浸入し、電池性能の劣化を招く結果になる。

本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、複数の単電気を組み合わせて、異なる単電池の電極端子同士をバスバーで電気的に接続し、しかも単電池同士の相対的な位置ずれがあっても健全性を保持できるような組電池および、その組電池で用いられるバスバーを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明に係る組電池は、密閉型金属製単電池ケースおよびその単電池ケースから突出した電極端子を備えた複数の単電池を互いに隣接させて配列し、互いに隣接する二つの前記単電池の前記電極端子同士を電気的に接続する少なくとも一つのバスバーを有する組電池であって、前記電極端子と前記単電池ケースの間に電気絶縁性のシール材が配置され、前記バスバーは、金属製の平板を複数箇所で３次元的に異なる方向に曲げて形成されていること、を特徴とする。

また、本発明に係る組電池用バスバーは、互いに隣接して配置された二つの単電池の電池ケースから互いに平行で同じ向きに突出した二つの電極端子の先端に電気的に接合されて組電池を構成するためのバスバーであって、金属製の平板を複数箇所で３次元的に異なる方向に曲げて形成されていること、を特徴とする。

本発明によれば、複数の単電気を組み合わせた組電池で、異なる単電池の電極端子同士をバスバーによって電気的に接続し、しかも単電池同士の相対的な位置ずれがあっても健全性を保持することができる。

以下、図面を参照して本発明に係る組電池の実施形態について説明する。ここで、図１は本発明に係る組電池の一実施形態の斜視図であって、５個の単電池を組み合わせた例を示す図である。また、図２は図１の組電池における一つの単電池の縦断面図、図３は図１の組電池における一つのバスバーに接続片を接続した状態を示す斜視図、図４は図３の状態を示す平面図、図５は図３および図４のバスバーの展開図である。

また、図６は本発明に係る組電池の一実施形態の展開斜視図であって、３個の単電池を組み合わせた例を示す図、図７は図６の組電池の接続状態を示す斜視図である。

この実施形態の組電池は複数（図１の例では５個、図６および図７の例では３個）の単電池１を互いに密着させて１列の並べて一体化したものである。図１に示す例と図６および図７に示す例は、単電池の個数は異なるが基本構造は共通である。

各単電池１はたとえばリチウムイオン電池であって、扁平な直方体の電池ケース２に収容されている。電池ケース２はアルミニウム製などの金属製であって、図２に示すように、電池ケース２の内部に電極群３が収容され、電池ケース２内の電解液４に浸漬されている。電極群３の正極側は電池ケース２の端子側端面１０の内面と電気的に接続され、その接続位置に対応する電池ケース２外側に正電極端子７が突設されている。

一方、電極群３の負極側は、電池ケース２内で負電極端子５に接続されている。負電極端子５はたとえばアルミニウム製または銅製であって、電気絶縁性のシール材６によって電池ケース２と絶縁されながら、電池ケース２の端子側端面１０を貫通している。負電極端子５が電池ケース２を貫通する部分にシール材６が介在することにより、負電極端子５と電池ケース２の間の電気絶縁を保ちながら、電池ケース２内の気密を保つようになっている。この気密性により、水分の電池ケース２内への浸入が阻止される。シール材６は、たとえばプラスチック製である。

この組電池で、単電池１は、その比較的広い面１１同士を互いに密着させていて、端子側端面１０はこの比較的広い面１１に隣接する位置にあって、すべての単電池１の端子側端面１０が共通の一平面内にあるように配置されている。比較的広い面１１同士は、たとえば両面粘着テープや接着剤（図示せず）によって貼り合わせる。そして、単電池１を束にしたときに端子側端面１０に隣接する外側面に粘着テープや熱収縮テープなどの外側テープ１２を巻いて互いに固定する。負電極端子５の先端面５ａおよび正電極端子７の先端面７ａは端子側端面１０からほぼ同じ高さに突出している。

組電池の端子側端面１０の上全体を覆うように１枚の電圧測定基板１３が配置されている。電圧測定基板１３には負電極端子５および正電極端子７が貫通する複数の電極端子孔１４（図６参照）が形成されている。負電極端子５の先端面５ａおよび正電極端子７の先端面７ａは、それぞれに対応する電極端子孔１４を貫通して突出している。電圧測定基板１３は、たとえばガラス繊維入りエポキシなどの強化プラスチック（ＦＲＰ）などの絶縁材料からできていて、外側表面に、銅などでできた電気回路による電圧測定用パターン１５が形成されている（図６および図７参照）。

互いに隣接する単電池１の負電極端子５と正電極端子７とを相互に電気的に接続するために、電圧測定基板１３の上方にバスバー１６が配置されている。組電池内の単電池１が相互に直列に接続される場合、図１、図６および図７に示すように、互いに隣接する単電池の負電極端子５と正電極端子７とを相互に電気的に接続する。

バスバー１６は、図３、図４および図５に示すように、１枚の平板を４箇所の折り曲げ線４０で直角に折り曲げて構成されている。すなわち、両端部は、それぞれ、負電極端子５の先端面５ａと正電極端子７の先端面７ａに接合されて水平に延びる接合端面２０、２１になっている。また、接合端面２０、２１の内側は、互いに対向して平行に鉛直方向に立ち上がる立ち上がり面２２、２３と、互いに対向する立ち上がり面２２、２３の側端部同士を接続して鉛直方向に延びるつなぎ面２４とが配置されている。平板を折り曲げてバスバー１６を形成する際の４本の折り曲げ線４０のうちの２本と他の２本が互いにほぼ垂直方向になっている。バスバー１６は、たとえばアルミニウム製または銅製である。

さらに、つなぎ面２４と電圧測定用パターン１５とを電気的に接続する接続片２５が取り付けられている。接続片２５は平板をＬ字状に折り曲げた形状であって、その一辺はバスバー１６のつなぎ面２４に接続され、他の一辺は電圧測定用パターン１５にハンダ付けされている。接続片２５はたとえばニッケル製の薄板であって、バスバー１６と接続片２５との接合は、たとえば超音波溶接や抵抗溶接による。

単電池１相互間はバスバー１６によって直列に接続され、それらの両端は電流取り出し線３０（図６、図７参照）によって組電池外の電流供給対象機器（図示せず）に接続されている。また、各単電池１ごとの電圧を測定するために、各バスバー１６に接続された接続片２５が電圧測定用パターン１５を通じて、電圧測定基板１３の上方に設置された一つの電圧測定コネクター３１に接続されている。電圧測定コネクター３１を通じて、この組電池の外に配置された電圧測定装置（図示せず）に電圧信号が送られ、各単電池１ごとの電圧が測定される。

以上説明した本発明に係る組電池の実施形態によれば、バスバー１６が、板材を４箇所で３次元的に折り曲げた構造であるので、種々の方向に変形しやすい。そのため、組電池を構成する単電池１の電池ケース２同士の位置が互いにずれた場合であっても、単電池１の電極同士の電気的接続を保ちつつ、負電極端子５と電池ケース２の間に介在するシール材６に大きな力がかかるのを抑制できる。それにより、シール材６の変形によって外部の水分が電池ケース２内に侵入するのを阻止することができる。また、バスバー１６は平板を折り曲げた簡単な構造であるから、製造が容易で安価であり、取り付けもしやすい。

以上説明した実施形態は単なる例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、電池ケース２が正極側であり、負極側端子５と電池ケース２の間にシール材６を配置する構成としたが、逆に電池ケース２を負極側としてもよい。

また、上記実施形態では、バスバー１６は４箇所の折れ線部で直角に折れ曲がるものとしたが、折れ曲がり部はすべてが平行でなければ、４箇所に限らず、また、必ずしも直角に折り曲げなくともよい。さらに、必ずしも折れ曲がっている必要はなく、複数の方向に湾曲したものでもよい。

本発明に係る組電池の一実施形態の斜視図であって、５個の単電池を組み合わせた例を示す図。 図１の組電池における一つの単電池の縦断面図。 図１の組電池における一つのバスバーに接続片を接続した状態を示す斜視図。 図３の状態を示す平面図。 図３、図４のバスバーの展開図。 本発明に係る組電池の一実施形態の展開斜視図であって、３個の単電池を組み合わせた例を示す図。 図６の組電池の接続状態を示す斜視図。

符号の説明

１：単電池、２：電池ケース、３：電極群、４：電解液、５：負電極端子、５ａ：先端面、６：シール材、７：正電極端子、７ａ：先端面、１０：端子側端面、１１：比較的広い面、１２：外側テープ、１３：電圧測定基板、１４：電極端子孔、１５：電圧測定用パターン、１６：バスバー、２０，２１：接合端面、２２，２３：立ち上がり面、２４：つなぎ面、２５：接続片、３０：電流取り出し線、３１：電圧測定コネクター、４０：折り曲げ線

Claims (5)

1. 密閉型金属製単電池ケースおよびその単電池ケースから突出した電極端子を備えた複数の単電池を互いに隣接させて配列し、互いに隣接する二つの前記単電池の前記電極端子同士を電気的に接続する少なくとも一つのバスバーを有する組電池であって、
   前記電極端子と前記単電池ケースの間に電気絶縁性のシール材が配置され、
   前記バスバーは、金属製の平板を複数箇所で３次元的に異なる方向に曲げて形成されていること、
   を特徴とする組電池。
2. 前記バスバーは、金属製の平板を複数の折線で折り曲げて形成され、前記折線の少なくとも二つが互いに平行でないこと、
   を特徴とする請求項１に記載の組電池。
3. 前記バスバーが接続される互いに隣接する前記単電池の前記電極端子の先端はほぼ同じ平面内で同じ向きに並列されており、
   前記バスバーは、
   そのバスバーの両端に位置して二つの前記電極端子の先端が並ぶ方向に延びてそれらの電極端子の先端に接合された二つの接合端面部と、
   前記接合端面部それぞれに連続して前記接合端面部から垂直に前記電極端子から離れる向きに互いに平行に対向して立ち上がる二つの立ち上がり面部と、
   前記二つの立ち上がり面部の互いに対向する片方の側端部同士の間を接続するつなぎ面部と、
   を有すること、を特徴とする請求項２に記載の組電池。
4. 前記複数の単電池の前記電極端子の先端が貫通して突出する複数の電極端子孔が形成された電圧測定基板と、前記バスバーと前記電圧測定基板とを接続する接続片と、を有し、
   前記バスバーは、前記電極端子孔を貫通した前記電極端子の先端に接続されていること、
   を特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか一項に記載の組電池。
5. 互いに隣接して配置された二つの単電池の電池ケースから互いに平行で同じ向きに突出した二つの電極端子の先端に電気的に接合されて組電池を構成するためのバスバーであって、
   金属製の平板を複数箇所で３次元的に異なる方向に曲げて形成されていること、
   を特徴とする組電池用バスバー。

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