JP2009085130A - 車両用エンジンの冷却装置 - Google Patents

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JP2009085130A JP2007257705A JP2007257705A JP2009085130A JP 2009085130 A JP2009085130 A JP 2009085130A JP 2007257705 A JP2007257705 A JP 2007257705A JP 2007257705 A JP2007257705 A JP 2007257705A JP 2009085130 A JP2009085130 A JP 2009085130A
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岡田  卓也
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Abstract

【課題】 冷却水回路を流動する冷却水の急激な温度変化を防止した車両用エンジンの冷却装置を提供する。
【解決手段】 エンジン1へ冷却水を圧送するウォータポンプ5と、冷却水を放熱するフィンに接した冷却水配管に流動させて冷却するラジエータ2と、ラジエータ2の冷却水出口が少なくとも2つ設けられ、フィンに接した冷却水配管の出口である冷却水下部出口15と、フィンに接した冷却水配管が短い冷却水配管の出口である冷却水上部出口13と、冷却水下部出口15からの冷却水を開閉する大切替弁34と、冷却水上部出口13からの冷却水を開閉し、大切替弁34と開弁温度が異なる小切替弁33と、を有し、大切替弁34と小切替弁33の開閉を制御して適温の冷却水をウォータポンプ5へ移送させるサーモスタット4と、を備えたことを特徴とする車両用エンジンの冷却装置。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用エンジンの冷却装置に関する。特に、水冷式で2弁式サーモスタットが設けられた車両用エンジンの冷却装置に関する。
車両用エンジンの燃焼室内は、高温の燃料ガスが発生して膨張行程においてピストンを押し上げて仕事をすると共に、燃焼室壁に熱を伝えるため、燃焼室を形成しているシリンダやピストン等の温度が上昇する。これらの温度が過度に上昇すると、熱変形や潤滑不良をおこしてエンジンを損傷することになるので、エンジンを冷却する冷却装置が設けられている。冷却装置は、エンジンの過熱を防ぐと共に、様々な運転条件においてもエンジンを適切な温度に保つことが求められている。冷却装置には、エンジンに直接空気を当てて冷却する空冷式と冷却水を循環させて冷却する水冷式があり、近年の自動車にはほとんど水冷式が用いられている。
従来の車両用エンジンの水冷式の冷却装置は、ポンプにより圧送された冷却水がエンジン内を循環して、エンジンの熱を奪ってエンジンを冷却させる。熱を奪って温められた冷却水は、ラジエータに移送されてラジエータのフィンによる放熱効果を利用して冷やされて、再びポンプにより循環される。また、冷却水回路には、エンジンの暖機を早めるためにラジエータをバイパスする冷却水回路と、冷却水を適温に保つためのサーモスタットが設けられている。サーモスタットは水温が低い時はラジエータを介す冷却水回路を閉じて、冷却水の温度上昇を促し、所定の冷却水の温度より高くなると、サーモスタットはラジエータを介す冷却水回路を閉いて、冷却水の温度を下げることで、エンジンへ圧送される冷却水の温度を適温に保つ制御を行っている。
また、このサーモスタットは、温度上昇によって融解することで体積の膨張するワックスを封入したピストンを備えており、ワックスの膨張変化によってピストンを伸縮させるとで弁を開閉させて、冷却水回路の通路を切り換えている。ヒータユニットから戻された冷却水やラジエータから冷却水がサーモスタット内を導通して、導通した冷却水の温度によってワックスが膨張変化をおこす。このようなサーモスタットを使用して、エンジンへ圧送される冷却水の温度を適温に保つ構成が提案されている。
特許文献1では、サーモスタットがラジエータからの冷却水を弁によって開閉するように設けられ、サーモスタットのワックス部付近にヒータからの冷却回路とラジエータを迂回するバイパス回路を備えて、ヒータからの冷却回路とラジエータを迂回するバイパス回路からの冷却水の温度で弁を開閉して、冷却水回路内の冷却水の温度を制御している。
特開平 6−2544号公報
しかしながら、上記先行技術では、冷却水の温度が上昇してサーモスタットの弁が開いた直後に、ラジエータからの低温の冷却水が流入することで、エンジンの冷却水の温度が急激に下がってしまうことで、エンジン内の冷却水の温度が安定せず、エンジンに不具合を与える危険性がある。また、変動幅が大きい水温を有した冷却水が生じて、冷却水回路を循環してしまうので、変動幅の大きい水温にワックスが反応して、サーモスタットの弁が開閉を繰り返してしまうハンチングを生じてしまい、冷却水温の変動を更に助長する惧れがあった。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、冷却水回路を流動する冷却水の急激な温度変化を防止した車両用エンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用エンジンの冷却装置は、前記エンジンへ冷却水を圧送するポンプと、前記エンジンから移送された前記冷却水を放熱するフィンに接した冷却水配管に流動させて冷却するラジエータと、前記ラジエータの冷却水出口が少なくとも2つ設けられ、前記フィンに接した前記冷却水配管の出口である第1冷却水出口と、前記第1冷却水出口を有する前記冷却水配管と比べて、フィンに接した冷却水配管が短い冷却水配管の出口である第2冷却水出口と、前記第1冷却水出口からの第1冷却水回路を開閉する第1弁と、前記第2冷却水出口からの第2冷却水回路を開閉し、前記第1弁と開弁温度が異なる第2弁と、を有し、前記第1弁と前記第2弁の開閉を制御して適温の冷却水を前記ポンプへ移送させるサーモスタットと、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、第1冷却水出口からは、ラジエータ内のフィンに長く接した配管を導通した冷却水が送られ、第2冷却水からはラジエータ内のフィンに短く接した配管を導通した冷却水が送られるので、第1冷却水出口からサーモスタットへ移送される冷却水は低温となり(以降、低温冷却水)、第2冷却水出口からサーモスタットへ移送される冷却水は低温冷却水よりも温度が高い(以降、中温冷却水)。また、サーモスタットは、低温冷却水を開閉する弁と、中温冷却水を開閉する弁を設けていて、更にこの2弁は開弁する温度が異なるために、サーモスタット内を流動する冷却水の温度に応じて、低温冷却水の開閉や中温冷却水を開閉することができるので、エンジンに圧送される冷却水の温度を急激に変動させることが無い。例えば、サーモスタット内を流動する冷却水の温度が低い時は、共に弁を閉じてラジエータを介さない冷却水回路で冷却水の温度上昇を促すことができる。
また、上述の発明に加えて、前記サーモスタットは、前記第2弁の開弁温度が前記第1弁の開弁温度より低い温度で設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、中温冷却水を流動させる第2弁の開閉させる温度が、低温冷却水を流動させる第1弁の開閉させる温度よりも低く設定されているので、サーモスタット内の流動する冷却水の温度が適温より低い場合には、第2弁を開閉させて中温冷却水を含んだ冷却水をエンジンに圧送して、エンジンの暖機を促すことができる。例えば、中温冷却水を用いずに第1弁を開閉したとき、低温冷却水による急激な冷却水温度低下してしまいエンジンに不具合をもたらす可能性がある。そのため、中温冷却水を用いることで、エンジンへ圧送される冷却水の急激な温度変動を防止することができ、エンジンやサーモスタットなどの装置の故障を未然に防ぐこともできる。
また、上述の発明に加えて、前記サーモスタットは、前記第1冷却水回路が前記第2冷却水回路よりも開口が広いことを特徴とする。
この構成によれば、低温冷却水が流通する第1弁の開口が、中温冷却水が流通する第2弁の開口よりも広く設けられているので、低温冷却水の水量がサーモスタット内やエンジンに圧送される冷却水に大きく影響を与えることができる。そのため、冷却水回路の冷却水が高温時のときに、低温冷却水によって温度を下げてエンジンの冷却効率を高めることができる。これによりエンジンの過熱を防いでエンジンの変形や故障を未然に防ぐことができる。
また、上述の発明に加えて、前記サーモスタットは、前記第1弁と前記第2弁が同じ軸体に支持され、所定の前記冷却水の温度により前記軸体をスライドして前記第1弁及び前記第2弁の開閉を行う開閉制御部を有することを特徴とする。
この構成によれば、低温冷却水を開閉する第1弁と中温冷却水を開閉する第2弁と、この2弁を開閉させる開閉制御部が同じ軸体に支持させて、開閉制御部がスライドすることで第1弁と第2弁の開閉することができる。そのため、1つの開閉制御部で2つの弁を制御できるので、2つの開閉制御部を設ける必要が無くサーモスタットをコンパクトにすることができる。さらに、開閉制御部は所定の冷却水の温度によって、第1弁及び第2弁を開閉することができるので、例えば、サーモスタット内を流動する冷却水が高温である場合は第1弁を開放し、冷却水が低温である場合は第2弁を開放して、エンジンへ圧送される冷却水の水温を適温に一定に保つことができる。
また、上述の発明に加えて、前記ラジエータの前記第1冷却水出口がラジエータロアタンクに有し、前記ラジエータの前記第2冷却水出口がラジエータアッパータンクに有していることを特徴とする。
この構成によれば、フィンを設けた配管を最も長く流動した冷却水がラジエータ下端のラジエータロアタンクの第1冷却水出口からサーモスタットへ移送され、また、フィンを設けた配管に冷却水を導通させる前のラジエータ上端にあるラジエータアッパータンクの第2冷却水出口からサーモスタットへ移送されるので、低温冷却水はラジエータの最も高い放熱効果受けている冷却水であり、エンジンへ圧送される冷却水を最も冷やすことができて、効率よくエンジンを放熱させることができる。また、中温冷却水はラジエータの放熱効果受けていない冷却水であり、ラジエータを介さないバイパス配管と同様に冷却水が低温時にエンジンの暖機を促すことができる。
このように、本発明によれば、2弁式サーモスタットとラジエータで生成される温度の異なる2系統の冷却水を用いて、冷却水回路を流動する冷却水の急激な温度変化を防止した車両用エンジンの冷却装置を提供することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明における実施形態に係る車両エンジンの冷却水回路の構成を概略的に示した説明図である。図2は、本発明における実施形態に係る車両のラジエータの構成を示した斜視図である。図3から第4図は、本発明における実施形態に係る車両のサーモスタットの構成と動作を概略的に示した説明図である。図6は、本発明における実施形態に係る車両のサーモスタットの効果を示すグラフである。冷却水回路の水温を横軸にとり、ラジエータ放熱量を縦軸にとったグラフで、従来における車両のサーモスタットとの比較を表している。図1に示すように、車両のエンジンの冷却水回路には、エンジン1は、ラジエータ2、ヒータコア3、サーモスタット4、ウォータポンプ5で構成されている。ウォータポンプ5より圧送された冷却水によりエンジン1を冷却する。エンジン1によって温められた冷却水は分岐して、ラジエータ2又は、ラジエータをバイパスするヒータコア3へ送られる。ヒータコア3に送られたエンジン1によって温められた冷却水は、ヒータコアを経由してサーモスタット4へ送られる。(この括弧内追加不要。ヒータコアとは車室内の空調装置でエンジンの冷却水により車室内の気温を上げる為のもので、エンジンの冷却装置として見た場合、放熱量の小さなラジエータと等価で、ラジエータをバイパスして冷却水を循環させるためのバイパス通路の役目をします。)
ラジエータ2は、上部にアッパタンク11、中央にラジエータコア10、下部にロアタンク14か設けられており、エンジン1から送られた温められた冷却水の一部は、冷却水入口12からアッパタンク11に入り、冷却機能を有するラジエータコア10を通過しながら冷却されて、下部のロアタンク14に流れる。冷却された冷却水は、ロアタンク14の冷却水下部出口15からサーモスタット4へ送られる。また、アッパタンク11の冷却水上部出口13から冷却する前の温かい冷却水がサーモスタット4へ送られる。
サーモスタット4は、ロアタンク14の冷却水下部出口15からの低温冷却水が入る入口と、アッパタンク11の冷却水上部出口13からの中温冷却水が入る入口と、ヒータコア3から送られる高温冷却水が入る入口と、冷却水をウォータポンプへ送る出口を有している2弁式のサーモスタットである。このように、3つの水温を持つ冷却水をサーモスタットの切り替えによって適温の冷却水をエンジン1に供給してエンジンの安定な状態に保つことができる。
図2に示す通り、ラジエータ2の上部には、アッパタンク11、冷却水口入口12、冷却水上部出口13、ラジエータキャップ16を設けている。エンジン1からの送られる温められた冷却水は、ホース21を介して冷却水入口12からアッパタンク11へ流れ込む。アッパタンク11に流入した冷却水は、ラジエータ2の中央に設けられたラジエータコア10内の配管を通過するときに、冷却されて、下部に設けられたロアタンク14へ送られる。冷却された冷却水は、ロアタンク14の冷却水下部出口15からホース22を介してサーモスタット4へ送られる。また、一部のエンジン1からの送られる温められた冷却水は、ラジエータコア10を介せずに、アッパタンク11の冷却水上部出口13からホース23を介してサーモスタット4へ送られる。
アッパタンク11には、ラジエータキャップ16が設けれ、サブタンク(図示せず)と接続している。ラジエータキャップ16で冷却水回路を密封することで、冷却水の熱膨張により冷却水回路に圧力が加わり、水温が100度になっても冷却水は沸騰せずに気泡の発生を抑えることができる。そのため、ラジエータ2の冷却効率を高めることができる。また、ラジエータキャップ16にはプレッシャバルブが備わっていて、ラジエータ2内の圧力が所定圧力以上のときに、プレッシャバルブが開放して、サブタンクを経由して大気へ逃がして圧力の調整を行っている。ラジエータ2内冷却水が冷えて凝縮すると圧力が所定圧力以下となって、ラジエータ内が負圧になり、サブタンクから冷却水を吸出し、ラジエータ内の冷却水量を一定にしている。
ラジエータコア10は、冷却水が通るチューブと放熱用のフィンからなり、熱の放散に優れた放熱面積を大きくした構造となっている。冷却水は、アッパタンク11からチューブ内を通って、ロアタンク14へ流れる間にフィンを通過する空気によって冷却される。この冷却用の空気は、走行風やエンジンの動力によって駆動されるファンによって得られる。
ロアタンク14には、冷却された冷却水をサーモスタットへ送るための開口である冷却水下部出口15と、冷却水を排出するためのドレーンプラグ17を設けている。
図3に示す通り、サーモスタット4は、流路を切りえる2つの弁である小切替弁33、大切替弁34と、この2つの弁をスライドさせるワックスが封入されたピストン31(以下ワックス31と表す)と、ワックス31の収縮により駆動される軸である駆動軸32と、小切替弁33と係止してラジエータ2のアッパタンク11からの冷却水の流入を止める仕切板35と、大切替弁34と係止してラジエータ2のロアタンク14からの冷却水の流入を止める仕切板36と、ワックス31、2つの弁、仕切り板とを保持する枠体30と、一方を小切替弁33に他方を枠体30に取り付けたスプリング37と、一方を大切替弁34に他方を枠体30に取り付けたスプリング38とで構成している。
また、サーモスタット4は、ヒータコア3からの流入口とラジエータ2のアッパタンク11からの流入口が狭く、ラジエータ2のロアタンク14からの流入口とウォータポンプ5への流出口が広く設けられている。このラジエータ2のロアタンク14からの流入口から大切替弁34の開放口を通過してウォータポンプ5への流出口への冷却水の経路が、最も温度が低い低温冷却水をエンジン1に送ってエンジンを冷却する効果が高いので、この流入口及び流出口を広く設けられている。
また、図3においては、冷却水回路の冷却水が所定の温度1よりも低温である状態のサーモスタット4を示す。このとき、ワックス31が駆動軸32の上端側(大切替弁34側)に駆動して、大切替弁34、小切替弁33とも仕切板35、36と接していて、ラジエータ2のアッパタンク11及びロアタンク14からの冷却水を滞留させて、ラジエタ2をバイパスして最も温度の高い高温冷却水であるヒータコア3からの流入を積極的に行って、ウォータポンプ5を介してエンジン1へ高温冷却水を送っている。これにより、エンジンの運転に従って冷却水回路の冷却水温度は上昇していく。
図4において、図3の冷却水回路の冷却水が所定の温度1まで上昇した状態のサーモスタット4を示す。図4に示すように、冷却水回路の冷却水が所定の温度1まで上昇すると、その温度を検知してワックス31が駆動軸32を下側(大切替弁34側)へ駆動する。このとき、ワックス31に固定されている小切替弁33は、ワックス31と追従してスプリング37を押圧しながら下側へ移動して、仕切板35から離れる。このため、仕切板35と小切替弁33との開口からラジエータ2のアッパタンク11からの中温冷却水がサーモスタット4に流入する。
図5において、図4の冷却水回路の冷却水が所定の温度1から更に上昇して所定の温度2まで上昇した状態のサーモスタット4を示す。図5に示すように、冷却水回路の冷却水が所定の温度2まで上昇すると、その温度を検知してワックス31が駆動軸32を更に下方(大切替弁34側)へ駆動して、大切替弁34側を押圧しながら移動させる。このとき、大切替弁34側は、ワックス31から押されることで、スプリング38を縮めながら下側へ移動して、仕切板36から離れる。このため、仕切板36と大切替弁34との開口からラジエータ2のロアタンク14からの低温冷却水がサーモスタット4に流入する。
このように、同軸同方向に作動するサーモバルブである小切替弁33と大切替弁34を2つ備えているため、ワックス31が可動することで、3段階の切替が可能になっている。つまり、冷却水の水温が低い場合は、小切替弁33と大切替弁34が両方とも閉じて高温冷却水を用いて冷却水の水温を上昇させる。冷却水が温まってくると、小切替弁33が開放して大切替弁34が閉じて、高温冷却水と中温冷却水の両方を用いて、冷却水の水温の上昇幅を制御する。そして、冷却水が十分温まると、小切替弁33と大切替弁34が両方とも開放して、高温、中温、低温の冷却水すべてがエンジン1へ送られる。このとき、低温冷却水の流入口が広いため、低温の冷却水が最も流れやすく効果的にエンジンを冷却することができる。
図6に示すように、ラジエータの放熱量は、ラジエータのフィンを導通した冷却水の水量を表している。冷却水の水温が低い時は、ラジエータを介した冷却水は、サーモスタットの弁が閉じているため使用されない。そのため、ラジエータのフィンを導通した冷却水は使われず、ラジエータの放熱量は0を示している。従来のサーモスタットと比べて、本発明におけるサーモスタットでは、ラジエータのフィンを導通した冷却水が使われる始める水温が高い。これは、ラジエータ2のアッパタンク11からの中温冷却水によって、冷却水回路内の水温を制御しているためにサーモスタットの開弁により急激な温度低下を防ぐことができるためである。つまり、比較的高温まで閉弁状態を維持することで、効果的にエンジンの暖機を促しているとともに、この冷却水が低温状態のときに、低温冷却水を使わないことで、急激な冷却水の温度変動を防止している。
また、冷却水回路内の水温が高くなってくると、従来のサーモスタットと比べて、本発明におけるサーモスタットでは、ラジエータ放熱量がとても高く、積極的にラジエータのフィンを導通した冷却水を使用している。これは、ラジエータ2のロアタンク14からの低温冷却水が導通するサーモスタット内の開口が広く設けているため、効率よくラジエータを介する冷却水回路で冷却水が循環できるためである。
上記実施形態によれば、第1冷却水出口からは、ラジエータ内のフィンに長く接した配管を導通した冷却水が送られ、第2冷却水からはラジエータ内のフィンに短く接した配管を導通した冷却水が送られるので、第1冷却水出口からサーモスタットへ移送される冷却水は低温となり(以降、低温冷却水)、第2冷却水出口からサーモスタットへ移送される冷却水は低温冷却水よりも温度が高い(以降、中温冷却水)。また、サーモスタットは、低温冷却水を開閉する弁と、中温冷却水を開閉する弁を設けていて、更にこの2弁は開弁する温度が異なるために、サーモスタット内を流動する冷却水の温度に応じて、低温冷却水の開閉や中温冷却水を開閉することができるので、エンジンに圧送される冷却水の温度を急激に変動させることが無い。
また、本実施形態によれば、中温冷却水を流動させる第2弁の開閉させる温度が、低温冷却水を流動させる第1弁の開閉させる温度よりも低く設定されているので、サーモスタット内の流動する冷却水の温度が適温より低い場合には、第2弁を開閉させて中温冷却水を含んだ冷却水をエンジンに圧送して、エンジンの暖機を促すことができる。例えば、中温冷却水を用いずに第1弁を開閉したとき、低温冷却水による急激な冷却水温度低下してしまいエンジンに不具合をもたらす可能性がある。そのため、中温冷却水を用いることで、エンジンへ圧送される冷却水の急激な温度変動を防止することができ、エンジンやサーモスタットなどの装置の故障を未然に防ぐこともできる。
また、本実施形態によれば、低温冷却水が流通する第1弁の開口が、中温冷却水が流通する第2弁の開口よりも広く設けられているので、低温冷却水の水量がサーモスタット内やエンジンに圧送される冷却水に大きく影響を与えることができる。そのため、冷却水回路の冷却水が高温時のときに、低温冷却水によって温度を下げてエンジンの冷却効率を高めることができる。これによりエンジンの過熱を防いでエンジンの変形や故障を未然に防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、低温冷却水を開閉する第1弁と中温冷却水を開閉する第2弁と、この2弁を開閉させる開閉制御部が同じ軸体に支持させて、開閉制御部がスライドすることで第1弁と第2弁の開閉することができる。そのため、1つの開閉制御部で2つの弁を制御できるので、2つの開閉制御部を設ける必要が無くサーモスタットをコンパクトにすることができる。さらに、開閉制御部は所定の冷却水の温度によって、第1弁及び第2弁を開閉することができるので、例えば、サーモスタット内を流動する冷却水が高温である場合は第1弁を開放し、冷却水が低温である場合は第2弁を開放して、エンジンへ圧送される冷却水の水温を適温に一定に保つことができる。
また、本実施形態によれば、フィンを設けた配管を最も長く流動した冷却水がラジエータ下端のラジエータロアタンクの第1冷却水出口からサーモスタットへ移送され、また、フィンを設けた配管に冷却水を導通させる前のラジエータ上端にあるラジエータアッパータンクの第2冷却水出口からサーモスタットへ移送されるので、低温冷却水はラジエータの最も高い放熱効果受けている冷却水であり、エンジンへ圧送される冷却水を最も冷やすことができて、効率よくエンジンを放熱させることができる。また、中温冷却水はラジエータの放熱効果を低温冷却水に比較して受けていない冷却水であり、またラジエータを介さないバイパス配管に対しては低温の冷却水となり、これらを段階的に切り替えることにより急激な冷却水の温度変動を防止することが出来る。
このように、本実施形態によれば、2弁式サーモスタットとラジエータで生成される温度の異なる2系統の冷却水を用いて、冷却水回路を流動する冷却水の急激な温度変化を防止した車両用エンジンの冷却装置を提供することができる。
本実施形態において、サーモスタット4内の2つの弁の開閉をスライドして制御するワックス31を設けているが、特にこれに限定しない。例えば、2つの弁に夫々反応温度の異なるワックスを設けて、ワックスの変形によって夫々の弁を開閉制御しても構わない。
また、本実施形態において、ラジエータ2のアッパタンク11とロアタンク14から冷却水の取り出し口を設けているが、特にこれに限定しない。例えば、アッパタンク11の冷却水上部出口13に代わって、ラジエータコア10の途中から取り出し口を設けて、少し冷却した中温冷却水を利用しても構わない。
また、本実施形態において、ヒータコア3やラジエータ2を介せずに、エンジン1からサーモスタット4へ直接冷却水を循環させる冷却水回路を設けてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本発明における実施形態に係る車両エンジンの冷却水回路の構成を概略的に示した説明図である。 本発明における実施形態に係る車両のラジエータの構成を示した斜視図である。 本発明における実施形態に係る車両のサーモスタットの構成を概略的に示した説明図である。 本発明における実施形態に係る車両のサーモスタットの構成を概略的に示した説明図である。 本発明における実施形態に係る車両のサーモスタットの構成を概略的に示した説明図である。 本発明における実施形態に係る車両のサーモスタットの効果を示すグラフである。
符号の説明
1 エンジン
2 ラジエータ
3 ヒータコア
4 サーモスタット
5 ウォータポンプ
10 ラジエータコア
11 アッパタンク
12 冷却水入口
13 冷却水上部出口
14 ロアタンク
15 冷却水下部出口
16 ラジエータキャップ
17 ドレーンプラグ
21、22、23 ホース
30 (サーモスタット)枠体
31 ワックス
32 駆動軸
33 小切替弁
34 大切替弁
35、36 仕切板
37、38 スプリング

Claims (5)

  1. 車両用のエンジンを冷却する冷却装置において、
    前記エンジンへ冷却水を圧送するポンプと、
    前記エンジンから移送された前記冷却水を放熱するフィンに接した冷却水配管に流動させて冷却するラジエータと、
    前記ラジエータの冷却水出口が少なくとも2つ設けられ、前記フィンに接した前記冷却水配管の出口である第1冷却水出口と、
    前記第1冷却水出口を有する前記冷却水配管と比べて、フィンに接した冷却水配管が短い冷却水配管の出口である第2冷却水出口と、
    前記第1冷却水出口からの第1冷却水回路を開閉する第1弁と、前記第2冷却水出口からの第2冷却水回路を開閉し、前記第1弁と開弁温度が異なる第2弁と、を有し、前記第1弁と前記第2弁の開閉を制御して適温の冷却水を前記ポンプへ移送させるサーモスタットと、を備えたことを特徴とする車両用エンジンの冷却装置。
  2. 前記サーモスタットは、前記第2弁の開弁温度が前記第1弁の開弁温度より低い温度で設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンの冷却装置。
  3. 前記サーモスタットは、前記第1冷却水回路が前記第2冷却水回路よりも開口が広いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用エンジンの冷却装置。
  4. 前記サーモスタットは、前記第1弁と前記第2弁が同じ軸体に支持され、所定の前記冷却水の温度により前記軸体をスライドして前記第1弁及び前記第2弁の開閉を行う開閉制御部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用エンジンの冷却装置。
  5. 前記ラジエータの前記第1冷却水出口がラジエータロアタンクに有し、前記ラジエータの前記第2冷却水出口がラジエータアッパータンクに有していることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンの冷却装置。
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