JP2009080284A - 液晶素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機配向膜の形成方向に起因する配向ムラを改善することのできる透明電極パターンの配置を提供する。
【解決手段】本発明の液晶素子を構成する透明電極パターン7は、マザー基板14上の位置により決定される柱状構造物の形成方向に合わせて所定の角度傾斜して作成する。こうすることで、液晶素子は柱状構造物の形成方向と注入方向とを同一方向にすることができる。これによりマザー基板14内のすべての液晶素子において最適な条件で注入をおこなうことができ、柱状構造物からなる蒸着配向膜の形成方向に起因する配向ムラを軽減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は液晶素子に関するもので、さらに詳しくは、液晶の注入特性の向上、および液晶素子の特性のバラツキを軽減させるための液晶素子の構造および製造方法に関するものである。
現在知られている液晶の配向方法として、有機配向膜をラビングする方法と無機配向膜を斜方蒸着する方法の大きく分けて2つに分かれている。このうち有機配向膜は生産性に優れているが、耐熱性、耐光性が十分ではない。また、強誘電性液晶を用いた液晶素子など、高プレチルト角が必要な液晶素子などでは、無機配向膜を用いなければ高プレチルト角を得るのは困難である。
無機配向膜は、主に斜方蒸着法により形成される。蒸着源はSiO、SiO2、などが用いられ、これらの蒸着源を抵抗加熱等で加熱して蒸発させ基板に付着させる。基板に付着した無機化合物が柱状構造物を形成する。この柱状構造物の集合体が配向膜となっている。液晶分子の配向方向はこの柱状構造物により定められる。
斜方蒸着法で作成された無機配向膜は、耐熱性や耐光性に優れ、高プレチルト角が容易に得られるという利点があるが、一方で斜方蒸着の特性上基板に形成される柱状構造物の形成方向に分布が生じ、液晶の配向ムラが生じやすいことが知られている。そのため液晶分子の配向方向が液晶素子ごとに異なってしまい液晶素子の特性にバラツキが生じてしまう。
この形成方向に分布が生じる理由を以下説明する。通常、液晶素子を製造する場合は、大型のマザー基板内に液晶素子となる複数個の液晶セル基板を位置取りし、柱状構造物の蒸着配向膜をマザー基板上に蒸着し、個々のセル基板がすべて同時に蒸着配向膜が形成されて、液晶素子が多数個取りできるように製造される。
代表的な斜方蒸着工程の例を以下に説明する。図7は斜方蒸着に用いられる蒸着装置および蒸着装置内のマザー基板位置を模式的に表した図である。12は排気手段を備えた真空槽である。図7では簡略化のため排気手段は省略する。13は蒸着源である。ここに配置されたSiO、SiO2などの蒸着材料が抵抗加熱、イオンビームなどにより過熱され真空槽12内に飛散する。14は液晶セル基板が多数個配置されたマザー基板である。15はマザー基板を回転させるための回転手段である。この回転手段15の中心は蒸着源13の位置と一致しておりマザー基板14を真空槽12内で回転させることにより蒸着源13から飛散する無機材料をすべてのマザー基板14に均一に蒸着することができる。16はマザー基板14と回転手段15とを固定する治具であり、角度調整機能がついておりこれにより斜方蒸着の蒸着角度を調整できる。この例では回転転手段15と治具16を用いてマザー基板14を固定したが、この方法には限定されず他の方法でマザー基板14の回転、固定をおこなってもかまわない。
以下、柱状構造物の形成方向に分布に関して、図8および図9a,図9bを用いて説明する。図8の点Oはマザー基板最上部のうちマザー基板横方向の中点である。この点Oは回転転手段15の円周上に位置している。点AはOから水平に延ばした線と回転手段15の中心軸との交点である。Z1は蒸着源13と点Aまでの距離である。Z2は蒸着源13からマザー基板14上の点Oまでの距離である。Rは回転手段15の半径の距離である。すなわち(Z1+R20.5=Z2である。点Pはマザー基板14上の任意点である。この
場合、マザー基板14のZ2上の位置では斜方蒸着により形成される柱状構造物の形成方向はマザー基板14縦方向と平行方向である。
次にマザー基板14上のある任意の点Pでの柱状構造物の形成方向に関して図9a、図9bをもちいて考える。図9aはマザー基板14を横から見たもの、図9bはマザー基板14を正面から見たときの図である。図9a、図9b中の点Oはマザー基板14の中心位置であり、その位置を(0,0)とする。点Pの位置は点Oを(0,0)としたとき(Xp,Yp)とあらわすことにする。Z3は(Z2−Yp)である。ここで、図9aで示すようにマザー基板14とz1がなす角を角度θとし、点Pでの柱状構造物の形成方向の角度を角度θpとするとθpは以下の数式で表される。
式2 θp=Tan−1(Xp/Z3)
式3 Z3={(R-Ypsinθ)+(Z1-Ypcosθ)}0.5
上式のように柱状構造物の形成方向は蒸着源13からのマザー基板14までの高さ(Z1)、回転手段15の半径(R)、マザー基板14上の位置(Xp、Yp)、により決定される。そのため、角度θpのバラツキを抑えるためには、Z1、Rを大きくするすなわち蒸着装置自体を大きくするか、マザー基板14のサイズを小さくする必要があるといえる。
図10に、図9aにおけるZ1、Rが、それぞれZ1=800mm、R=500mmである場合の柱状構造物の形成方向を示す。図10中の矢印は柱状構造物の形成方向である。マザー基板の成膜面中心位置では、柱状構造物の形成方向はマザー基板縦方向と平行方向になっているが、マザー基板の成膜面中心位置から離れると柱状構造物の形成方向は一定の角度をもって形成される。つまり同一のマザー基板内でも位置によって柱状構造物の向きが異なり、液晶分子の配向方向が異なってしまうのが分かる。
次に、従来の一般的な透明電極パターン配置について説明する。斜方蒸着を行うマザー基板14上に作成される透明電極パターンの配置について、図11を用いて説明する。図11の7a〜7eはマザー基板14上にあらかじめ作成されている透明電極パターン、d4〜d8はそれぞれ電極パターン7a〜7eの列ごとで形成される柱状構造物の形成方向である。通常、図11のように、マザー基板上には透明電極パターンが多数個配置された形状をしており、図11では縦、横5×4個、計20箇所に透明電極パターンが形成されている。
例えば図11が上側のマザー基板14の透明電極パターン7a〜7eだとした場合、これに対応するように、他のマザー基板を用意し、下側のマザー基板にも透明電極パターンを形成する。この上下マザー基板について前述した無機配向膜の蒸着工程を行い、その後2枚の前記マザー基板のうち、一方の前記マザー基板に対して、上下のガラス基板を接着するためのシール材を、液晶セル基板ごとに配置するシール材配置工程を行い、もう一方のマザー基板には、液晶セルギャップを保つためのスペーサを適当な量散布を行う。シール材の配置はスクリーン印刷やディスペンサーでの塗布など様々な方法が、あるが、ここでは詳細は省略する。そして、上下のマザー基板についてシール材を介して貼り合わせる、貼り合わせ工程を行う。
この上下のマザー基板について貼り合わせ工程を行うことで、図12のような上下が貼り合わされた一対のマザー基板を得る。図12の8a〜8eは液晶セル、9は液晶を挟持するため上下の液晶セル基板を接着するシール材、10は液晶の注入口である。注入口は液晶を注入するために、シール材が一部開口して形成されている。d4〜d8は液晶セル8a〜8eのそれぞれの列において、液晶セル8a〜8eの基板上における柱状構造物の
形成方向を示している。これは、図11の電極パターン7a〜7eで示した柱状構造物の形成方向と当然ながら同一方向である。
次に、図12の一対のマザー基板から、個々の液晶セル8a〜8eを切断する切断工程を行う。これにより複数の液晶セルが得られる。この切断工程は、液晶セルを1個ずつ切断しても良いし、マザー基板から一行ごとに、複数の液晶セルをつなげて短冊状に切断してもよい。複数の液晶セルをつなげて切断した場合には、複数個の液晶セルに対して、同時に液晶注入することが可能となる。
次に、この切断工程の後に液晶を注入する注入工程を行う。図13を用いて注入工程について説明する。図13は液晶セルの平面図であり、8は液晶セル基板、9は液晶を挟持するため上下の液晶セル基板を接着するシール材、10は液晶の注入口、11は液晶充填領域であり、このシール材の内側、液晶充填領域11に前述した電極パターンが形成されている。
まず、液晶セルを高温焼成して液晶セル内部に形成されている無機配向膜に吸着された水分等を取り除く。次に液晶セルを常温に戻した後、液晶セルを真空チャンバー内部に配置し液晶セル内の液晶充填領域11を減圧する。十分減圧をおこなった後に液晶を注入口10に塗布し、注入口10を塞ぐ。そして、真空チャンバー内を大気圧に戻すと液晶セルに内外の圧力差によって液晶は注入されていく。液晶充填領域11が液晶で満たされたら、例えば光硬化樹脂などの封止剤で注入口10を封鎖する。このような工程を経て、液晶素子が製造される。
次に液晶セルの注入工程と柱状構造物の関係について図14、図15を用いて説明する。図14は図12の液晶セル8aを拡大した図である。すでに、液晶セルはマザー基板より切断されているが、説明を分かりやすくするため、マザー基板14も図示している。図14中のhは注入口10部分のシール材の端と端を結んだ線分である。液晶セル8aは、図12におけるマザー基板14の成膜面中心位置にあったため、図14で図示した柱状構造物の形成方向d4は、図12の柱状構造物の形成方向d4と同じく、マザー基板14の縦方向と平行方向に形成されている。よって、図14に図示した液晶セルの柱状構造物の形成方向d4は、シール材の端と端を結んだ線分hと垂直方向になっている。このため、液晶の注入方向と柱状構造物の形成方向が同一方向なので、液晶の注入工程による配向ムラはごくわずかである。
図15は図12における液晶セル8dを拡大した図である。図12の液晶セル8dは、マザー基板14の成膜面中心位置から外側にずれているため、マザー基板14上の位置に対応して、前述の式2により決定される角度θpだけ柱状構造物は傾斜し、形成方向d7に形成されている。よって、図15に図示するように液晶セル基板8dは、柱状構造物の形成方向d7が、シール材の端と端を結んだ線分hと垂直方向ではない。そのため、注入方向と柱状構造物の形成方向が異なっており、注入に起因する配向ムラを引き起こす。
上記のように、マザー基板14上の位置により柱状構造物の形成方向が異なっている。特に横方向、すなわち蒸着方向と垂直方向のサイズが大きいマザー基板においては、その傾向が顕著になっている。特に、注入方向と柱状構造物の形成方向とが液晶分子の配向性に関係する強誘電性液晶などにおいては、注入方向と柱状構造物の形成方向とが一致しないと配向ムラが発生しやすく問題であった。
さらに、柱状構造物の形成方向が異なっているため、マザー基板内の液晶素子ごとに液晶分子の配向方向が異なってしまい、これに起因する問題も発生する。例えば、液晶として強誘電性液晶を用いた場合には、偏光板の透過軸は液晶分子の配向方向に従って配置す
るのが一般的だが、液晶素子ごとに液晶分子の光軸が異なると、透過軸が異なる数種類の偏光板を用意してマザー基板の位置ごと貼り分ける必要がある。そのため偏光板貼り付け工程で液晶素子のマザー基板上の位置ごとで液晶セルの分類、管理する必要があり作業性を低下させる。そのためマザー基板全面に渡って良好な注入特性を得られるような手段が必要不可欠である。
液晶の配向ムラを軽減する方法として例えば特許文献1にあるような方法が提案されている。これによると、斜方蒸着で形成された無機配向膜に強誘電性液晶を良好に配向させるには液晶注入方向が重要であること述べられている。特に柱状構造物の形成方向と注入方向を一致させる方法が述べられている。図16は特許文献1で述べられている液晶素子の概略図である。200は液晶素子、201は液晶をはさむ上下のガラス基板を接着するシール材、202は液晶素子の液晶駆動領域、203は液晶の注入口、d14は液晶の注入方向である。図16では、液晶素子の注入口203の開口幅を従来の液晶素子より一辺長さに対する割合が大きく構成されているのが特徴である。
特開2005−156704号公報(第9頁、第1図)
しかしながら、従来の技術では、マザー基板全面に渡って、柱状構造物の形成方向が均一であるわけではなく、前述した注入時の問題や偏光板配置の問題は解決されない。柱状構造物の形成方向は蒸着装置の大きさおよび成膜するマザー基板サイズにより決定されるので、蒸着装置を大きくするか、基板サイズ小さくすれば、柱状構造物の形成方向の分布は若干少なくなる。しかし大型の蒸着装置を用いたり、また基板サイズを小さくしたりするのは、生産性に問題があった。
よって、本発明の目的は、簡易な方法でマザー基板内のすべて液晶素子における柱状構造物の形成方向を均一とし、配向ムラを軽減することを目的とする。また、偏光板貼り付け工程で液晶素子のマザー基板上の位置ごとでの分類、管理する必要をなくし、生産性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では以下の構成を採用する。
複数の液晶セル基板を備えたマザー基板に蒸着配向膜を蒸着する蒸着工程と、複数の液晶セル基板ごとに、液晶を注入するための注入口を形成したシール材を配置するシール材配置工程とを備えた液晶素子の製造方法であって、注入口を形成しているシール材における2つの端部を結んだ線分に対して垂直となる方向に、蒸着配向膜における柱状構造物の形成方向が、複数のセル基板ごとでほぼ一致するように、あらかじめマザー基板に、複数の液晶セル基板の電極パターンを形成する工程とを有することを特徴とする。複数の液晶セル基板は、マザー基板上で扇状に配置されていることを特徴とする。
本発明の液晶素子は、あらかじめ透明電極パターンを柱状構造物の形成方向に合わせるように所定の角度傾斜させて形成しておく。つまり、マザー基板上に液晶素子となる液晶セル基板が扇状に配置されるようにしておく。これにより単個の液晶セルに切断した時には、すべての液晶セルにおいて、柱状構造物で形成された蒸着配向膜と液晶の注入方向とが、平行になり、蒸着配向膜と注入方向の不一致による配向ムラが軽減できる。またマザー基板内のすべての液晶セルにおいて、その液晶分子の配向方向が同一方向となるため、偏光板貼り付け工程で液晶素子ごとに偏光板の透過軸を調整して貼り分ける必要が無く生
産性の向上が見込まれる。
以下、本発明にかかる実施形態について図を用いて説明するがこの発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本実施形態では、斜方蒸蒸着法より形成された無機配向膜を蒸着配向膜として用いた強誘電性液晶素子を例にとって説明する。
まずは本実施例における液晶素子の構造について図2を用いて説明する。図2は強誘電性液晶を内蔵した液晶素子を説明するために、液晶素子の断面を模式的に示す図である。図2において、1はガラス基板、2は透明電極、3は無機配向膜、4は強誘電性液晶、5はスペーサである。
ガラス基板1には透明電極2が形成されている。この透明電極2は、ガラス基板1にITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)の膜を形成し、所定の形状にフォトリソグラフィー技術を用いてパターンニングを行って形成したものである。透明電極2の上にSiO(Silicon Oxide:酸化ケイ素)等の無機化合物の配向膜3を真空蒸着法にて作成した。
上記のように、透明電極2と配向膜3を形成した一対のガラス基板1を対向させて2つ合わせ、その間に強誘電性液晶4を挟んでいる。セルギャップと呼ばれる配向膜3間の距離を一定に保つために、この2枚のガラス基板1の間に加圧等で変形しないスペーサ5を適当な数だけ配設する。
次に、強誘電性液晶の電気光学効果について説明する。図3は強誘電性液晶の透過率と電圧の特性図である。強誘電性液晶は2つの安定状態を持ち、その2つの安定状態はある閾値を超えた電圧を印加することによって状態が切り替わり、印加電圧の極性によって第1の安定状態あるいは第2の安定状態を選択することができる。
強誘電性液晶のようなメモリ性を有する液晶では、電圧印加前、液晶分子は第1の安定状態または第2の安定状態のいずれか片方に位置しており、電圧が印加されないかぎりこの状態を保持することができる。電圧印加前、どちらかの安定状態にであった液晶分子は、図3に図示されるように、印加電圧を徐々に上げて行くと、V1になったところで第1の安定状態に切り替わり始め、V2に達したところですべての液晶分子が第1の安定状態になる。その後V2から徐々に電圧を下げていくと、V3になるまでは液晶分子は第1の安定状態のままであるが、印加電圧がV3よりも大きくなったところで液晶分子が第2の安定状態に切り替わり始める。更に印加電圧がV4に達するとすべとの液晶分子が第2の安定状態になる。よって、印加電圧が0となる電圧無印加時には、第1の安定状態か第2の安定状態のどちらかが維持される。そして、状態を逆にするためには閾値以上の逆極性の電圧を印加する必要がある。
図4を用いて強誘電性液晶分子の電圧印加による挙動を説明する。強誘電性液晶は、閾値以上の異なる極性の電圧を印加すると柱状構造物の形成方向dからチルト角θだけ傾いた2つの安定状態のみをとることができる。ここで、6は液晶分子、液晶分子6の先端の矢印は自発分極の向きである。つまり、閾値以上の電圧を印加すると片方の安定状態からもう一方の安定状態になることで液晶分子の光軸は2θ変化する。このときの入射光量と透過光量の関係は以下の数式になる。
式1 Iout=Iin*Sin(2θ)*Sin(πΔnd/λ)
上記数式においてIinは入射光量、Ioutは透過光量、Δnは液晶分子の複屈折率
異方性、dはセルギャップ、λは入射波長である。
強誘電性液晶の場合、安定状態からもう一方の安定状態になることで液晶分子の光軸は2θ変化する。柱状構造物の形成方向は、この二つの安定状態になるときの液晶分子の位置のちょうど中間点となっている。
強誘電性液晶を挟持した液晶素子で用いられる配向膜は様々であるが、強誘電性液晶の大きな特徴であるメモリ性を発現させるためには液晶分子に大きなプレチルト角を持たせることが必要となる。そのために無機配向膜も用いた斜方蒸着法で作成するのが一般的である。斜方蒸着法は従来の技術をそのまま使用することができる。
ここで、透明電極パターンを形成する工程に関して説明をする。液晶素子を作成する場合、ガラス基板上に所望の透明電極パターンを作成するための工程が必要となる。このような微細加工工程は主に、フォトリソグラフィー技術を用いて行われる。以下のフォトリソグラフィー技術を用いてパターンニングを行う工程を説明する。
まず、ガラス基板に感光性の有機高分子化合物をスピンコータにより塗布した後、これをホットプレート等の加熱手段で加熱してガラス基板に塗布したレジスト膜中の溶剤を除去するためのプリベー クを行う。次に、所定のパターンを形成したフォトマスクを介して紫外線や電子線やX線などを照射してレジスト膜に露光を行ってフォトマスクのパターンを転写する。そして、露光後のレジスト膜中での化学反応を促進させるためのポストベークを行い、レジスト膜を現像して基板上にレジストパターンを形成する。現像工程では、使用するレジストがポジ型とネガ型によって異なる。ポジ方の場合、露光により感光したレジスト部分が除去され、ネガ型レジストを用いた場合にはレジストの未感光部分が除去される。このようなパターニングが行われたガラス基板に、薬剤を用いたエッチングを行うと、レジストが設けられていない領域の下地のみがエッチングされることになる。その後ガラス基板上のレジストを化学的処理などによって剥離させる。以上の一連の処理を行いガラス基板上に所定の透明電極パターンを形成する。
次に本実施例における透明電極パターンの配置について詳しく説明する。本実施例では、あらかじめマザー基板上の透明電極パターンを所定の角度傾斜させておき、単個の液晶セル基板に切断した時は柱状構造物の形成方向と注入方向が一致するようにしたものである。以下その詳細を説明する。
図5は、マザー基板14上に作成される本実施例の電極パターンの配置を示した図である。7f〜7jはマザー基板14上に作成された透明電極パターンであり、マザー基板14の各列で所定の角度傾斜して形成されている。d9〜d13はマザー基板の各列での平均の柱状構造物の形成方向である。透明電極パターン7f〜7jの傾斜角度は前述の蒸着の特性により決定され、透明電極パターン7f〜7jの前述した式2の角度θpを求め、各列ごとにその平均値を傾斜角度として採用されている。この透明電極パターン7f〜7jが形成されている個々の箇所が、液晶セル基板の位置と対応している。
本実施例では透明電極パターン7f〜7jのマザー基板上における上下方向を加味して、角度θpの平均値を透明電極パターン7f〜7jの傾斜角度としたが、これは、透明電極パターンが各列における上下方向でも位置ごとに柱状構造物の形成方向が異なっているためである。本実施例では、各列において、平均値の傾斜角度で透明電極パターン7f〜7jを傾斜させ、列ごとでのバラツキを抑えることとしたが、透明電極パターンの傾斜角の設定方法はこれには限定されない。当然個々の透明電極パターンの位置に対応する角度θpを求め、個々に傾斜させても良い。しかしながら、個々の透明電極パターンをそれぞれ対応する角度θpだけ、それぞれ傾斜させると、マザー基板の中に配置される個々の液
晶セル基板の向きが、少しずつ異なってしまい、切断工程での切断の位置合わせが少し煩雑になってしまう。そこで本実施例では、いずれの透明電極パターンにおいても、傾斜角度がほぼ等しければ、同様の効果が得られるため、平均値の傾斜角度を採用した。
次に、対向側のマザー基板を用意し、対向側のマザー基板にも、傾斜させて透明電極パターンを作成する。そして、従来と同様に、これらのマザー基板について貼り合わせ工程等を行い、図1のような一対のマザー基板を作成する。
図1において、8f〜8jは液晶セルを示し、d9〜d13は各液晶セルの列における柱状構造物の平均となる形成方向である。図1に図示するように、マザー基板14上に液晶セルは、扇状に配置されている。図1に図示するように、図1における液晶セル8f〜8jは、図5における透明電極パターン7f〜7jと、マザー基板上での位置が同じなので、図1における柱状構造物の形成方向についても、図5で図示した形成方向d9〜d13と同じである。
次に、図1で図示した一対のマザー基板を切断工程によって、個々の液晶セルに切断する。切断工程は、従来の方法を用いることが出来る。
図6は、図1における液晶セル8iを切断して、単個の液晶セルとし、液晶注入工程にて注入時の状態を示した図である。すでに、液晶セルはマザー基板より切断されているが、説明を分かりやすくするため、マザー基板14も図示している。また、液晶注入工程では、図6のように、液晶セルは傾斜されて配置しているわけではないが、同様に分かりやすくするため、図1で図示したようにマザー基板上での配置状態を反映して、傾斜して図示してある。
図6において、透明電極パターンは前述したように、あらかじめ液晶充填領域11に形成されている。また、柱状構造物の形成方向は、図1における形成方向d12と同じである。柱状構造物の形成方向d12は、注入口10におけるシール材9の端と端を結んだ線分hと垂直方向になっている。つまり、液晶の注入方向と柱状構造物の形成方向が、同一方向になっているのが分かる。よって、液晶の注入工程による配向ムラは発生しなかった。
上記のように柱状構造物の形成方向と注入方向を同一方向にするには、マザー基板内における柱状構造物の形成方向の角度θpを割り出し、その角度だけ透明電極パターンをあらかじめ傾斜させて形成しておけばよく、それによりマザー基板全面に渡って良好な注入特性が得られ、注入に起因する配向ムラが軽減される。角度θpについては、マザー基板内における液晶セル基板の列ごとに角度θpの平均値を採用しても構わない。
本実施例ではマザー基板を適当な角度傾ける斜方蒸着を例にとって説明したが、この特性は斜方蒸着および回転機構を有する治具を用いた場合には限定されず、水平に蒸着した場合においても適応される。
本実施例であげた斜方蒸着による柱状構造物の形成方向は、マザー基板と回転手段と治具との固定位置、マザー基板と蒸着源との位置関係により変化するが、透明電極パターンの傾斜角をその蒸着特性に合わせて設定すればよく、その他条件においても適用可能である。マザー基板から切り出されて作成されたすべての液晶素子が適切な注入方向から注入されるので配向ムラがすくなくなくなり液晶素子の品質が向上する。
本実施例では、マザー基板より切断された液晶素子における液晶分子の配向方向が、すべての液晶素子で同一方向であるため、偏光板の透過軸をマザー基板上の位置ごとに数種類用意して張り分ける等の工程が無くても高コントラストの液晶素子が均一に得られる。
本発明におけるマザー基板上の液晶セルの配置を示した図である。 本発明の液晶素子の構造を模式的に示す断面図である。 実施例に用いられている強誘電性液晶の特性を説明するための図である。 実施例に用いられている強誘電性液晶の特性を説明するための図である。 本発明におけるマザー基板上の透明電極パターンを説明するための図である。 本発明の注入方向と柱状構造物の形成方向とを説明するための図である。 従来の液晶素子の蒸着工程を説明するための図である。 従来の柱状構造物の形成方向を説明するための図である。 従来の柱状構造物の形成方向を説明するための図である。 従来の柱状構造物の形成方向を説明するための図である。 従来の蒸着特性を説明するための図である。 従来のマザー基板上の透明電極パターンを説明するための図である。 従来のマザー基板と液晶セル基板とを説明するための図である。 従来の液晶素子の注入工程を説明するための図である。 従来の注入方向と柱状構造物の形成方向とを説明するための図である。 従来の注入方向と柱状構造物の形成方向とを説明するための図である。 従来の注入方向について説明するための図である。
符号の説明
1ガラス基板
2透明電極
3無機配向膜
4強誘電性液晶
5スペーサ
6液晶分子
9シール材
10注入口
11液晶充填領域
12真空槽
13蒸着源
14マザー基板
15回転手段
16治具

Claims (2)

  1. 複数の液晶セル基板を備えたマザー基板に蒸着配向膜を蒸着する蒸着工程と、
    前記複数の液晶セル基板ごとに、液晶を注入するための注入口を形成したシール材を配置するシール材配置工程とを備えた液晶素子の製造方法であって、
    前記注入口を形成している前記シール材における2つの端部を結んだ線分に対して垂直となる方向に、前記蒸着配向膜における柱状構造物の形成方向が、前記複数のセル基板ごとでほぼ一致するように、あらかじめ前記マザー基板に、前記複数の液晶セル基板の電極パターンを形成する工程とを有する液晶素子の製造方法。
  2. 前記複数の液晶セル基板は、前記マザー基板上で扇状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶素子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010101950A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Fujinon Corp 斜方蒸着による複屈折素子製造方法
JP2011215449A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Seiko Epson Corp 斜方蒸着基板、液晶装置、液晶装置の製造方法、投射型表示装置

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