JP2009080037A - スキャンテスト回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の回路に分割して動的故障テストを実施する場合に、分割回路間の組み合わせ回路に対するテストが抜け落ち、動的故障の検出率が下がる。
【解決手段】半導体装置に内蔵される論理回路が分割された複数の分割回路を有する半導体装置のスキャンテスト回路であって、クロック制御回路と、少なくとも2以上の分割回路の各々に備えられた第1、第2のスキャンパスとを有し、第1のスキャンパスは分割回路の各々が有するスキャンFFのうち他方の前記分割回路と信号の送受を行うスキャンFFからなる周辺スキャンFFにより構成され、第2のスキャンパスは分割回路の各々が有するスキャンFFのうち前記周辺スキャンFFを除いたスキャンFFからなる内部スキャンFFにより構成され、クロック制御回路は分割回路の各々の周辺スキャンFFおよび内部スキャンFFに対応するクロック信号の伝播と遮断を制御する
【選択図】図1

Description

本発明は半導体装置のテスト回路に関し、特に半導体装置のスキャンテスト回路に関する。
従来より、半導体装置のテストにおいて、論理回路の高速化に従い、動的故障テスト(dynamic test)が行われている。動的故障とは信号伝搬が既定の時間内に収まらない故障である。論理回路内で動的故障が発生すると、論理回路の速度的性能が下がる場合や、論理回路そのものが正常に動作しない場合が発生する。
動的故障テストは、例えば実際の回路動作と同じあるいはそれ以上の動作クロック周波数で論理回路(半導体装置)を動作させ、被テスト回路である論理回路が正常な期待値を出力するかをテストする。テスト時の被テスト回路の動作周波数が実際の被テスト回路の動作周波数に等しい場合は実スピードテストと呼ばれる場合もある。また動的故障テストは、論理回路が所望とするテストレート(動作クロック周波数)に対し、論理回路の動作遅延が基準を満たす程度に小さいかテストするものであるため、遅延テストともに称される。
このように、動的故障テストでは、リリースクロックとキャプチャクロックの時間的間隔が短く、回路の論理値変化の間隔が短い。論理回路(半導体装置)を高速で動作させるため電源の電圧降下の影響(瞬間的な電源ドロップ、IRドロップなど)が重なり電源ノイズが発生し、正しいテスト結果を得ることができない。
このため、例えば図10に示すような動的故障テスト方法が特許文献1に開示されている。
その方法は、1つのクロック信号源を複数のクロック信号に分割し各クロック信号(501,502)の伝搬の許容と遮断とを制御するクロック制御回路503を用いて、供給するクロック信号によって被検査回路506を複数のグループ(504,505)に分割する回路構成を実現し、この回路構成を利用して、1回のテストステップでの動的故障テストを被検査回路の一部のグループ(例えば504)に限定して実施し、複数回のテストステップで、被検査回路の全てに対して動的故障テストを行う手法を用いるものである。なお、特許文献1では、上述のように構成したテスト回路を用いて、選択された1つの分割回路(例えば504)に対して動的故障テストを実施するとともに他の分割回路(例えば505)に対して静的故障テストを実施する。
特開2005−24359号公報
しかしながら、図10に示す従来例では1つの分割回路と他の分割回路の間の動的故障テストができていない。従来例では、1つの分割回路と他の分割回路の間の動的故障テストを行う仕組みも含まれていない。従来例では1つの分割回路に対して動的故障テストを実施するとともに他の分割回路に対して静的故障テストを実施するものであり、分割回路間の組み合わせ回路に対する動的故障テストが抜け落ちている。つまり、従来技術では、複数の回路に分割して動的故障テストを実施する場合に、分割回路間の組み合わせ回路に対する動的故障テストが抜け落ち、論理回路全体としては動的故障の故障検出率が下がる事態となる。
本発明のテスト回路は、半導体装置に内蔵される論理回路の一部または全部が分割された複数の分割回路を有する半導体装置のスキャンテスト回路であって、クロック制御回路と、少なくとも2以上の分割回路の各々に備えられた、第1のスキャンパスと第2のスキャンパスと、を有し、第1のスキャンパスは、分割回路の各々が有するスキャンFFのうち、他方の前記分割回路と信号の送受を行うスキャンFFからなる周辺スキャンFFにより構成され、第2のスキャンパスは、分割回路の各々が有するスキャンFFのうち、前記周辺スキャンFFを除いたスキャンFFからなる内部スキャンFFにより構成され、クロック制御回路は、分割回路の各々の周辺スキャンFFおよび内部スキャンFFに対応するクロック信号の伝播と遮断を制御することを特徴とする。
また、本発明のテスト方法は、上述のスキャンテスト回路を有する半導体装置のテスト方法であって、少なくとも1以上のテスト対象の分割回路の各々が有する周辺スキャンFFと内部スキャンFFと、テスト対象でない他の分割回路の各々が有する周辺スキャンFFに対し、クロック制御回路がクロックを印加し、テスト対象の分割回路の各々が有する第1および第2のスキャンパスならびにテスト対象でない分割回路の各々が有する第1スキャンパスにより、スキャンテストを行うことを特徴とする。
本発明によって、1つの分割回路内のみならず他の分割回路との間の動的故障テストを行うことができるため、動的故障の故障検出率を上げることが可能となる。
本発明の前記ならびにその他の目的、特徴、及び効果をより明確にすべく、以下図面を用いて本発明の実施の形態につき詳述する。
1.第1の実施の形態
図1は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
半導体装置1は、2つの分割回路A(11)と分割回路B(12)とに回路分割されている。半導体装置1をいくつに分割するかは後述の分割方法により適宜決定されるべきである。ここでは説明を簡単にするために2分割されている場合で説明する。
第1の実施の形態における本発明のスキャンテスト回路は、2つに分割された分割回路(11、12)を有する半導体装置1のテスト回路である。各々の分割回路(11、12)は、他方の分割回路と信号の送受を行うスキャンフリップフロップ(以下スキャンFFと称する)2からなる周辺スキャンFF21、23により構成された第1のスキャンパス25、27と、周辺スキャンFFを除いたスキャンFFからなる内部スキャンFF22、24により構成された第2のスキャンパス26,28とを備える。また、本発明のスキャンテスト回路は、周辺スキャンFFおよび内部スキャンFFに対するクロック信号CLK1,CLK2,CLK3,CLK4の伝播と遮断を制御するクロック制御回路45を有する。つまり、本発明のスキャンテスト回路は、分割回路に対応する第1および第2のスキャンパス(25、26、27、28)とクロック制御回路45とを有する構成である。
分割回路A(11)は、その内部に複数個のスキャンFF2および組み合わせ回路3−Aを備える。スキャンFFは、スキャン動作が可能なフリップフロップであり、詳細は後述する。分割回路A(11)のスキャンFF2は、まず2つのグループに分けられる。第1のグループは、分割回路A(11)の外側(つまり他の分割回路)との間をつなぐ入出力信号を最初に送受するスキャンFFのグループである。このグループに属するスキャンFFを本明細書では周辺スキャンFFと称する。一方、第2のグループは、分割回路A(11)の周辺スキャンFF以外のスキャンFFのグループである。第2のグループに属するスキャンFFを、本明細書では内部スキャンFFと称する。したがって、分割回路A(11)のスキャンFFは、周辺スキャンFF21と内部スキャンFF22とからなる。
分割回路A(11)の周辺スキャンFF21の各々は、クロックCLK1が入力され、CLK1に同期して動作(1相同期動作)する。また、周辺スキャンFF21は、シリアルに接続されスキャンパス25を構成する。スキャンパス25は、スキャン入力(SCAN−IN1)が周辺スキャンFF21の最初のスキャンFF2に入力され、前段のスキャンFF2の出力が後段のスキャンFF2の入力に接続され、周辺スキャンFF21の最後のスキャンFF2の出力がスキャン出力(SCAN−OUT1)に接続されるように構成される。
同様に、分割回路A(11)の内部スキャンFF22の各々は、クロックCLK2が入力され、CLK2に同期して動作(1相同期動作)する。また、内部スキャンFF22は、シリアルに接続されスキャンパス26を構成する。スキャンパス26は、スキャン入力(SCAN−IN2)が内部スキャンFF22の最初のスキャンFF2に入力され、前段のスキャンFF2の出力が後段のスキャンFF2の入力に接続され、内部スキャンFF22の最後のスキャンFF2の出力がスキャン出力(SCAN−OUT2)に接続されるように構成される。
なお、本発明のテスト回路では1つの分割回路の周辺スキャンFFと内部スキャンFF各々に印加されるクロックを共有してはならない。また、1つの分割回路のスキャンFFは、周辺用と内部用にスキャンパス(スキャンパスチェーン)を共有してはならない。
組み合わせ回路3−Aは、内部スキャンFF22のうち対応する各スキャンFF2からデータを入力し、組み合わせ論理に従った演算を行って内部スキャンFF22のうち対応する各スキャンFF2に結果を出力する。
周辺スキャンFF21と内部スキャンFF22との間にも組み合わせ回路は存在し、組み合わせ回路3−Aと同様の動作をするが、説明の繰り返しを避けるため図1およびここでの説明は省略する。
分割回路B(12)も分割回路A(11)と同様の構成を有する。すなわち、分割回路B(12)は、周辺スキャンFF23、内部スキャンFF24、組み合わせ回路3−Bから構成される。また、周辺スキャンFF23はスキャンパス27を構成する。スキャンパス27はスキャン入力(SCAN−IN3)とスキャン出力(SCAN−OUT3)に接続されるように構成される。内部スキャンFF24はスキャンパス28を構成する。スキャンパス28はスキャン入力(SCAN−IN4)とスキャン出力(SCAN−OUT4)に接続されるように構成される。
なお、分割回路A(11)と分割回路B(12)の間、すなわち、分割回路A(11)の周辺スキャンFF21と分割回路B(12)の周辺スキャンFF23との間にも組み合わせ回路(3−1から3−8)がある。組み合わせ回路3−Aおよび3−Bに加えて、組み合わせ回路(3−1から3−8)が本願発明のテストターゲットである。
また、各スキャンパスFF2に入力される各クロック(CLK1〜CLK4)は、クロック制御回路45において生成される。クロック制御回路45は、端子39を通じて外部より入力されるクロック信号(CLK)と、端子41、42,43,44を通じて外部より入力されるイネーブル信号(EN21、EN22、EN23,EN24)とからCLK1〜CLK4を生成する。
図2はクロック制御回路45の詳細を示す図である。図2に示すように、クロック制御回路45は、論理積ゲート46、47,48,49によってクロック信号CLKとイネーブル信号(EN21、EN22、EN23,EN24)各々との論理積をとり、それぞれクロック信号CLK1、CLK2、CLK3、CLK4として各スキャンFFに分配する。例えば、CLK1については、イネーブル信号EN21が1の時、入力されたCLKをCLK1としてゲート46が出力し、イネーブル信号EN21が0の時は0をCLK1として出力する。CLK2,CLK3,CLK4についても同様である。つまり、CLK1、CLK2、CLK3、CLK4の各クロック信号は、それぞれイネーブル信号(EN21、EN22、EN23,EN24)によって、伝播と遮断を制御される。したがって、クロックCLKは、1つのクロック源(ここでは、外部からのCLK入力)を複数のクロック信号に分割し、クロック制御回路45の制御を経て、各分割回路(11,12)の周辺スキャンFFと内部スキャンFFとに分配される。
また、スキャンパスを構成する周辺スキャンFF21と内部スキャンFF22の各スキャンFF2には、クロックの他に不図示のシフト制御信号(SMC)が配られている。シフト制御信号は半導体装置1の外部より入力され、論路値1の時シフトモード、論理値0の時通常モードとする。
次に、スキャンFF2について説明する。スキャンFFの例を図3に示す。スキャンFF2は、MUX51とDフリップフロップ52とから構成される。MUX51は、上述のシフト制御信号(SMC)を入力し、SMCの値に応じて、入力されるデータ(D)またはスキャンイン信号(SIN)のいずれか一方を後段のDフリップフロップ52に出力する。シフト制御信号が、論路値1の時シフトモード、論理値0の時通常モードとするため、ここでは、SMCが1の時、スキャンイン信号(SIN)を、SMCが0の時、入力されるデータ(D)をDフリップフロップ52に出力するように構成される。Dフリップフロップ52はクロック信号を受け、このクロック信号に同期して入力されたデータを取り込むとともに、取り込んだ値を出力(Q/SOUT)に出力する。なお、クロック信号は、このスキャンFFが属する上述の分割回路およびグループに応じて、それぞれクロック制御回路45の生成したCLK1、CLK2,CLK3、CLK4のいずれかが与えられる。
次に、半導体装置1の論理回路の分割について説明する。図6および図7は、本願発明のテスト回路を半導体装置への適応を説明する図である。図6に示すように、一般に半導体装置1には論理回路5が構成されている。論理回路5は、スキャンFF2と組み合わせ回路3の集合体である。図6に示すように、ある組み合わせ回路3−1は、組み合わせ回路に保持値(データ)を出力するスキャンFF2−1、2−20の出力を受け、組み合わせ回路3−1に構成された論理に従った処理を行い、その結果を後段のスキャンFF2−2、2−21に出力する。後段のスキャンFF(たとえばスキャンFF2−21の場合)は、次のクロックが入力された時点でさらに後段の組み合わせ回路3−9にその保持値を出力する。論理回路5はこのように構成されたスキャンFF2と組み合わせ回路3によって、半導体装置1の入力端子8より入力したデータを処理し、出力端子7を通じて半導体装置1の外部に処理結果を出力するように構成されている。このような論理回路5を図1のように2つの分割回路に分割する場合、図6の1点鎖線で示す境界で、論理回路5は2つに分割される。すなわち、組み合わせ回路を境界として分割される。
分割された2つの領域、分割回路A(11)、分割回路B(12)の各々は図1のように、周辺スキャンFF21、23と内部スキャンFF22,24を持つことになる。図7に、図6で示した半導体装置1に本発明のテスト回路を構成した例を示す。ここで、周辺スキャンFF21、23はそれぞれ分割回路間の信号のやり取りを持つ。すなわち、論理回路5は、周辺スキャンFF21と周辺スキャンFF23との間に組み合わせ回路3−1〜3−8を有し、組み合わせ回路(3−1〜3−8)は周辺スキャンFF21、23の一方の周辺スキャンFFのデータを入力とし処理結果を他方の周辺スキャンFFに出力する構成となる。
組み合わせ回路3−1に注目すると、分割回路B(12)の周辺スキャンFF23中のスキャンFF2−1、2−20の出力が、組み合わせ回路3−1によって処理され、その処理結果が分割回路B(12)の周辺スキャンFF23中のスキャンFF2−2のみならず分割回路A(11)の周辺スキャンFF21中のスキャンFF2−21に出力されている。
消費電力の面からの論理回路の分割は、分割された回路の動的故障テスト時の動作クロック周波数における消費電力を見積もり、動的故障テストが問題なく行える程度になるように行えばよい。問題となるのは、同一クロックで動作する回路規模が非常に大きい論理回路、スキャンテスト時に実動作クロックを与える実スピードテストでは消費電力が大きく電源ノイズの増加により実スピードテストが正しく行えないような論理回路である。従って、このような論理回路を、複数に分割し、分割した回路のみの消費電力が問題の無いレベルになる程度に分割を行えばよい。
次に本実施の形態における本願発明のスキャンテスト回路の動作について図4、図5を用いて説明する。図4は本願発明のスキャンテスト回路によるテストのフローチャートを示したものである。また図5は、後述するステップ102における本願発明のテスト回路を用いたテストのタイミングチャートを示す図である。
図5に示すように、半導体装置1の論理回路5を複数の回路に回路分割する(ステップ101)。回路分割は、上述のように分割した回路の消費電力が問題ないレベルになる程度に行う。ステップ101はすでに本願発明のスキャンテスト回路を有する場合は割愛される。なお、以下では、半導体装置1が分割回路AおよびBの2つに分割される場合として説明する。
次に、分割回路A内および分割回路Aと分割回路B(他の分割回路)間の動的故障テスト(遅延テスト)を行う(ステップ102)。このときの詳細な動作は以下のとおりである。
まず、図1に示す本願発明のスキャンテスト回路において、イネーブル信号をEN21=1、EN22=1,EN23=1、EN24=0とし、分割回路A(11)の周辺スキャンFF21、内部スキャンFF22および分割回路B(12)の周辺スキャンFF23に対してのみクロック信号CLKが供給されるように設定する。したがって分割回路B(12)の内部スキャンFF24に供給されるクロックCLK4は0固定となる。そして、シフトモード信号(SMC)を1としシフトモードにした上で、外部よりSCAN−IN1端子41、SCAN−IN2端子42、SCAN−IN3端子43を通じてスキャンデータを、クロック信号CLKを必要パルス分印加しながら、入力する。これによりスキャンパス25、26、27の各々スキャンFF2にスキャンデータが入力され初期値が設定される。つまり、分割回路A(11)の周辺スキャンFF21、内部スキャンFF22および分割回路B(12)の周辺スキャンFF23の各スキャンFF2にスキャンデータが入力され初期値が設定される。
そして、スキャンパス25、26、27の各々スキャンFF2に初期値が設定された後、シフトモード信号(SMC)を0とし、通常モードにする(T0)。通常モードに切り替えた後に、さらに外部よりクロック信号CLKを2パルス分、実スピード(所望するクロック周波数)で印加する(T1、T2)。このときT1時点で印加されるクロックCLK、CLK1,CLK2,CL3がリリースクロックであり、T2時点で印加されるクロックCLK、CLK1,CLK2,CL3がキャプチャクロックである。リリースクロックを印加することにより、スキャンFF2の保持値は上述のようにスキャンFF2の前段の組み合わせ回路3から入力されるデータに置き換わる。T1から次のキャプチャクロック(T2)により再度スキャンFF2は保持値を変える。これはT2のタイミングで新たなデータを組み合わせ回路3からスキャンFF2が読み込むためである。これにより、リリースクロック印加(T1)から次のキャプチャクロック印加(T2)までの間を実スピードとすることで、動的故障テストが実施されることとなる。
その後、再度シフトモード信号(SMC)を1とし、シフトモードにする(T3)。シフトモードに切り替え後、外部よりSCAN−IN1端子41、SCAN−IN2端子42、SCAN−IN3端子43を通じてスキャンデータを、クロック信号CLKを必要パルス分印加しながら、入力する。これによりスキャンパス25、26、27の各々スキャンFF2に格納されたテスト結果である保持値を、SCAN−OUT1端子45、SCAN−OUT2端子46、SCAN−OUT3端子47を通じて外部に読み出し、予め用意されている期待値との照合を行う。期待値と整合すれば動的故障テストはパスであり、不整合の場合、テストはフェイルである。この読み出し時に、外部よりSCAN−IN1端子41、SCAN−IN2端子42、SCAN−IN3端子43を通じてスキャンデータを入力し、次のテストのためスキャンパス25、26、27の各々スキャンFF2にスキャンデータを入力し初期値を設定してもよい。
スキャンパス25、26、27による各スキャンFFへのデータセット、リリースクロック印加、キャプチャクロック印加、スキャンパス25、26、27からのテスト結果の読み出しと期待値照合の一連のテストを1回以上行った上で、期待値と整合/不整合を確認することでステップ102のテストは終了する。
ステップ102では、スキャンデータが入力され、クロックが印加されるのは、分割回路A(11)の周辺スキャンFF21、内部スキャンFF22および分割回路B(12)の周辺スキャンFF23に対してのみである。つまり、分割回路A内および分割回路Aと分割回路B(他の分割回路)間の動的故障テスト(遅延テスト)のみが実施されたことになる。図1および図7に示す例では、このステップで分割回路Aと分割回路B(他の分割回路)間にある組み合わせ回路3−1〜3−8に対しても動的故障テストが実施される。
次に、分割回路B内および分割回路Bと分割回路A(他の分割回路)間の動的故障テスト(遅延テスト)を行う(ステップ103)。ここでは、イネーブル信号をEN21=1、EN22=0、EN23=1、EN24=1とし、分割回路A(11)の周辺スキャンFF21、分割回路B(12)の周辺スキャンFF23および内部スキャンFF24に対してのみクロック信号CLKが供給されるように設定する。また、スキャンパスによるスキャンFF2へのデータの設定および読み出しは、SCAN−IN1端子41、SCAN−IN3端子43、SCAN−IN4端子44、SCAN−OUT1端子45、SCAN−OUT3端子47、SCAN−OUT4端子48を通じて行い、使用されるスキャンパス25、27、28である。これ以外についてはステップ102と同様である。なお、図1および図7に示す例では、このステップで分割回路Bと分割回路A(他の分割回路)間にある組み合わせ回路3−1〜3−8に対しても動的故障テストが実施される。
なお、本願発明は、分割回路数を2よりも大きい複数個とした場合にも適用できる。
このとき半導体集積回路1の論理回路5は、2より大きな分割回路を有しているが、1つの分割回路は、例えば図1の分割回路A(11)と同じように、1つの分割回路の周辺スキャンFFと内部スキャンFFそれぞれに専用のスキャンパスを持つように構成すればよい。そして周辺スキャンパスFFと内部スキャンFFそれぞれに対し、個々にクロックの印加を制御できるクロック制御回路を備えればよい。なお、本発明のテスト回路では1つの分割回路の周辺スキャンFFと内部スキャンFF各々に印加されるクロックを共有してはならない。また、1つの分割回路のスキャンFFは、周辺用と内部用にスキャンパス(スキャンパスチェーン)を共有してはならない。
そして、テストは、テスト対象である分割回路の内部スキャンFFと周辺スキャンFF、そしてテスト対象でない分割回路の周辺スキャンFFにのみクロック印加と、各内部スキャンFFと周辺スキャンFFから構成されたスキャンパスによるテストデータの設定とテスト結果の読み出しを行う。
ここで重要なことは、テスト対象でない分割回路の内部スキャンFFにはテスト対象の分割回路のテスト時にクロックを一切印加しないことである。これは消費電力を下げるためである。
また、テスト対象の分割回路は、上記では1つの例を挙げたが、消費電力が問題のない範囲であれば同時に複数の分割回路をテスト対象とし、複数の分割回路に対しクロックを印加してテストを行ってもかまわないことはもちろんである。つまり本願発明のスキャンテスト回路ならびに方法は、半導体装置1の論理回路5全体にクロックを印加してテストを行うものではなく、分割された複数の分割回路から消費電力の問題が無い範囲でテスト対象とした1以上の分割回路のみを、テスト対象でない分割回路の周辺スキャンFFとともに動作させテストを行うものである。なお、テスト対象でない分割回路の周辺スキャンFFは、テスト対象の分割回路の周辺スキャンFFと組み合わせ回路によってのみ信号の送受があるテスト対象でない周辺スキャンFFのみを動作させればよい。
また、半導体装置1の論理回路5を分割したすべての分割回路に対し本願発明を適応する必要はなく、少なくとも半導体装置1の論理回路5が2つ以上の分割回路に分割され、2つ以上に分割された分割回路の少なくとも2つ以上の分割回路に対して本願発明を適応させてもよいことはもちろんである。
2.第2の実施の形態
第1の実施の形態において、分割回路A(11)および分割回路B(12)の周辺スキャンFF21,23はともに独自にクロック制御される構成を示した。これは、テストに不用な周辺スキャンFFの動作を行わないためである。
しかしながら、各分割回路の周辺スキャンFFの総数が十分に少なく、1つの分割回路と他の分割回路の全ての周辺スキャンFFを同時に動作させても電源ノイズによる誤動作が起こらない場合は、他の分割回路の全ての周辺スキャンFFを動作させて、テスト対象の分割回路をテストすることもできる(図8)。すなわちすべての分割回路の周辺スキャンFFを1つのクロックで動作させる形式にすることができる。したがって、このときのクロック制御回路45’は図9に示すように構成が可能である。
これにより、1つのクロック源を複数のクロック信号に分割する数を減らすことができ、各クロック信号の伝播と遮断するクロック制御回路を簡易化することができる。また、分割クロック数が減ることに分割クロック間のクロックスキューをより小さくすることが可能となり、より高速なLSIへの適用が可能になる。
なお、2以上の分割回路の周辺スキャンFFを1つのクロックで動作する構成をとってもよい。
以上説明したように、本発明のスキャンテスト回路は、半導体装置に内蔵される論理回路の一部または全部が分割された複数の分割回路を有する半導体装置のテスト回路であって、少なくとも2以上の分割回路の各々が、他方の分割回路と信号の送受を行うスキャンFFからなる周辺スキャンFFにより構成された第1のスキャンパスと、周辺スキャンFFを除いたスキャンFFからなる内部スキャンFFにより構成された第2のスキャンパスと、周辺スキャンFFおよび内部スキャンFFに対するクロック信号の伝播と遮断を制御するクロック制御回路とを有する構成である。
なお、上述した実施の形態において、クロックCLKは外部端子39から入力する形態を示したが、クロック生成源(PLLやROSCなど)を別途備える構成とし、少なくともテスト時にこのクロック生成源からのクロックを利用する形態としてもよいことはもちろんである。
またクロック制御回路45,45’は各分割回路の内部スキャンFFおよび周辺スキャンFFに個々に信号の伝播と遮断を制御するクロック制御回路であればどのような構成をとってもよい。ここでは外部からイネーブル信号EN21、EN22,EN23,EN24を入力し制御する形態を示したが、これらの信号が内部より生成される構成であっても本発明の実施を妨げない。
また、1つの分割回路と他の分割回路の内部スキャンFFを同時に動作させても電源ノイズによる誤動作が起こらない場合は、他の分割回路の内部スキャンFFを動作させて、テスト対象の分割回路をテストすることもできる。つまり2以上の分割回路の内部スキャンFFを1つのクロックで動作する構成をとってもよい。
なお、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施例は適宜変更され得ることは明らかである。
図1は、本願発明の第1の実施の形態を示す図である。 図2は、本願発明の第1の実施の形態におけるクロック制御回路を示す図である。 図3は、本願発明の第1の実施の形態に使用されるスキャンFFの構成例を示す図である。 図4は、本願発明のテスト回路を用いたテストフローを示す図である。 図5は、本願発明のテスト回路を用いたテストのタイミングチャートを示す図である。 図6は、本願発明のテスト回路を半導体装置への適応を説明する図である。 図7は、本願発明のテスト回路を半導体装置への適応を説明する図である。 図8は、本願発明の第2の実施の形態を示す図である。 図9は、本願発明の第2の実施の形態におけるクロック制御回路を示す図である。 図10は、従来のスキャンテスト回路の構成図である。
符号の説明
1 半導体装置
2 スキャンFF
2−1、2−2、2−3,2−4、2−5、
2−6、2−7、2−8、2−9、2−10、
2−11,2−12,2−13、2−14、2−15、
2−16、2−17、2−18、2−19、2−20、
2−21,2−22、2−23、2−24、2−25、
2−26、2−27、2−28、2−29、2−30、
2−31,2−32 スキャンFF
3 組み合わせ回路
3−1、3−2、3−3,3−4、3−5、
3−6、3−7、3−8、3−9、
3−A、3−B 組み合わせ回路
5 論理回路
7 出力端子
8 入力端子
11 分割回路A
12 分割回路B
13、14 内部回路
21、23 周辺スキャンFF
22、24 内部スキャンFF
25、26、27,28 スキャンパス
31 SCAN−IN1端子
32 SCAN−IN2端子
33 SCAN−IN3端子
34 SCAN−IN4端子
35 SCAN−OUT1端子
36 SCAN−OUT2端子
37 SCAN−OUT3端子
38 SCAN−OUT4端子
39 CLK端子
41 EN21端子
42 EN22端子
43 EN23端子
44 EN24端子
45、45’ クロック制御回路
46、47、48、49 論理ゲート
51 MUX
52 Dフリップフロップ
501、502 クロック信号
503 クロック制御回路
504、505 回路グループ
506 被検査回路
CLK、CLK1、CLK2,CLK3,CLK4 クロック信号
EN21、EN22、EN23、EN24 イネーブル信号
SCAN−IN1、SCAN−IN2、
SCAN−IN3、SCAN−IN4 スキャンイン信号
SCAN−OUT1、SCAN−OUT2、
SCAN−OUT3、SCAN−OUT4 スキャンアウト信号
SMC シフトモード信号
SIN スキャンイン信号
D データ信号
Q/SOUT Q/スキャンアウト信号

Claims (4)

  1. 半導体装置に内蔵される論理回路の一部または全部が分割された複数の分割回路を有する半導体装置のスキャンテスト回路であって、
    クロック制御回路と、
    少なくとも2以上の前記分割回路の各々に備えられた、第1のスキャンパスと第2のスキャンパスと、
    を有し、
    前記第1のスキャンパスは、前記分割回路の各々が有するスキャンFFのうち、他方の前記分割回路と信号の送受を行うスキャンFFからなる周辺スキャンFFにより構成され、
    前記第2のスキャンパスは、前記分割回路の各々が有するスキャンFFのうち、前記周辺スキャンFFを除いたスキャンFFからなる内部スキャンFFにより構成され、
    前記クロック制御回路は、前記分割回路の各々の前記周辺スキャンFFおよび前記内部スキャンFFに対応するクロック信号の伝播と遮断を制御することを特徴とするスキャンテスト回路。
  2. 前記クロック制御回路は、少なくとも2以上の前記分割回路の各々に対応する前記周辺スキャンFFに対し、同一のクロック信号を供給し、前記同一のクロック信号の伝播と遮断を制御することを特徴とする請求項1記載のスキャンテスト回路。
  3. 前記クロック制御回路は、少なくとも2以上の前記分割回路の各々に対応する前記内部スキャンFFに対し、同一のクロック信号を供給し、前記同一のクロック信号の伝播と遮断を制御することを特徴とする請求項1記載のスキャンテスト回路。
  4. 請求項1記載のスキャンテスト回路を有する半導体装置のテスト方法であって、
    少なくとも1以上のテスト対象の前記分割回路の各々が有する前記周辺スキャンFFと前記内部スキャンFFと、テスト対象でない他の前記分割回路の各々が有する前記周辺スキャンFFに対し、前記クロック制御回路がクロックを印加し、
    前記テスト対象の前記分割回路の各々が有する前記第1および第2のスキャンパスならびに前記テスト対象でない前記分割回路の各々が有する前記第1スキャンパスにより、スキャンテストを行うことを特徴とする半導体のテスト方法。
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