JP2009079982A - 時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】GPS付き腕時計10は、GPS衛星15から送信される衛星信号を受信するGPS装置40と、内部時刻情報を生成するRTC38と、内部時刻情報を修正する時刻修正装置44とを有する。GPS装置40は、GPS衛星15を検索してGPS衛星15から送信される衛星信号の信号レベルを取得する信号レベル取得手段と、取得した信号レベルに基づいてGPS衛星15を選択する受信衛星選択手段と、選択されたGPS衛星15から送信される衛星信号を受信し、その衛星信号に含まれる衛星時刻情報を取得する衛星時刻情報取得手段とを備える。時刻修正装置44は、衛星時刻情報を取得できた場合には取得した衛星時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正する。
【選択図】図3
Description
このようにGPS時刻を利用する電子時計において、GPS衛星からの信号を受ける受信機側が、GPS衛星の時刻情報を得るには、GPS衛星からの信号のうち、TOW(Time of Week、GPS時刻、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報)信号を受信する必要がある。
しかしながら、前記電子時計が腕時計であって、腕につけて歩行している場合は、次の条件があるので履歴から衛星を選択することは、ほとんど意味を持たない。
第1に、時計の装着者が移動するため、時計の位置が変わり、過去に受信できた衛星が受信できなくなる場合がある(例えば日本から海外へ移動した場合)。
第2に、時計の装着者が移動するため、受信環境が同一でない(家、ビル、木などに電波がさえぎられる事がある)。
第3に、装着者が時計を腕につけた状態で歩行した場合、アンテナの向きが一定でなく、受信時刻が同じ場合であっても、実際に受信に適した位置情報衛星が変化する。
このため、前記特許文献1の技術を、腕時計に適用しても衛星信号を確実に受信することは難しく、時刻情報を取得して正しい時刻に修正することも難しいという問題があった。
従って、時刻情報を受信するたびに信号レベルの取得、確認を行うことができ、時刻修正装置を腕につけて歩行している場合のように、受信に適した位置情報衛星が都度変化した場合でも、受信衛星選択手段によって受信に最適な衛星を選択できる。このため、衛星時刻情報取得手段は、確実に衛星時刻情報を取得でき、時刻情報修正部は、受信した衛星時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正できる。このため、時刻情報修正部は、精度の高い衛星信号の時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正できるため、時刻修正装置の時刻精度を向上できる。
なお、位置情報衛星としては、既に実用化されたGPSを利用すればよいが、将来、利用可能になった場合には、その他の位置情報衛星を利用してもよい。
なお、本発明における所定レベルは、前記位置情報衛星を選択対象とするためのレベルと同じでもよいし、そのレベルよりもより高いレベルのものでもよい。この所定レベルは、衛星時刻情報を確実に取得できるレベルであることが好ましく、予め受信テストなどで求めておけばよい。
所定レベルの衛星を検出したためにサーチを中断した場合に、その検出した衛星の信号で衛星時刻情報を取得できない場合に、次に検索する予定であった位置情報衛星からサーチを再開すれば、それまでサーチして信号レベルが低かった衛星を再度サーチする必要がないため、次に受信対象となる位置情報衛星を効率的に検出できる。
所定レベルの衛星を検出したためにサーチを中断した場合に、その検出した衛星の信号で衛星時刻情報を取得できない場合に、最初から位置情報衛星のサーチを行えば、その時点で受信できる可能性が高い位置情報衛星を確実に検出できる。
一方、第2レベルとは、第1レベルよりも大きく設定され、第2レベル以上の衛星信号を受信すれば衛星時刻情報を取得できる可能性が高いレベルに設定すればよい。
これらの各レベルは、予め受信テストなどを行って確認すればよい。
また、信号レベルが第2レベル以上の衛星信号を検出できない場合でも、信号レベルが第1レベル以上の衛星信号を送信する位置情報衛星を複数の受信チャンネルに割り当てているので、複数の衛星時刻情報を取得でき、取得した複数の衛星時刻情報を互いに比較することなどで、その衛星時刻情報が有効なデータであるかを検証できる。
このような場合、一定時間経過後(例えば、0.5〜3時間程度)に自動的に、あるいは利用者の手動操作で、再度、受信処理を行うことが考えられる。
この場合、信号レベル取得手段による信号レベルの取得処理つまり位置情報衛星のサーチ処理時に信号レベルを記憶しておき、一定時間経過後に再度位置情報衛星のサーチを行う場合に、前回受信時に記憶した信号レベルの大きい順でサーチを行えば、前回信号レベルが大きかった位置情報衛星を再度検出できる可能性が高いため、その分、サーチ時間を短縮できる可能性も高くなる。
このため、信号レベルが所定レベル以上の位置情報衛星を迅速に検出することができて処理時間も短縮でき、より一層の省電力化を実現できる。
この場合、信号レベルが次に高い位置情報衛星を選択して、衛星時刻情報取得手段で衛星時刻情報の取得を行えば、衛星時刻情報を取得できる可能性を向上できるとともに、再度、衛星の検索を行う必要がないため、処理時間を短縮でき、省電力化も実現できる。
また、複数の受信チャンネルに位置情報衛星を割り当てる際に、信号レベルが高いものから割り当てているので、各チャンネルで衛星時刻情報を受信できる可能性を向上できる。
従って、正確な衛星時刻情報を取得できる確率が高く、内部時刻情報も正しい時刻に修正できる。
なお、前記所定レベルとは、衛星時刻情報を取得できる可能性が高いレベルであればよく、予め受信テストなどを行った結果などで設定すればよい。
このような構成によれば、衛星時刻情報を取得できない状態が所定時間以上継続した場合には、次の位置情報衛星を検出するなどの処理を行うことができ、無駄に受信を継続することがないため、消費電力を低減できる。
例えば、位置情報衛星として利用可能なGPS衛星では、衛星時刻情報を6秒間隔で送信しており、信号の同期処理などを含め、通常は、6〜12秒の間に衛星時刻情報を受信できる。従って、12秒以上経過しても衛星時刻情報を受信できない場合には、それ以上受信を継続しても受信できる可能性が小さい。このため、12秒間、衛星時刻情報を受信できない場合に、その位置情報衛星の時刻情報は受信できないと判断すれば、無駄な受信処理を最小限に抑えることができ、消費電力を低減できる。
本発明においても、衛星のサーチの途中で信号レベルが所定レベル以上と高い衛星を検出した場合には、それ以降のサーチ処理を中断するため、位置情報衛星の検出処理を短縮できる。従って、位置情報衛星の検索を開始してから衛星時刻情報を取得して時刻修正を行うまでの時間を短縮でき、省電力化も実現できる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る時刻修正装置付き計時装置であるGPS時刻修正装置付き腕時計10(以下「GPS付き腕時計10」という)を示す概略図であり、図2は、図1の概略断面図である。また、図3は、図1及び図2のGPS付き腕時計10の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図1に示すように、GPS付き腕時計10は、文字板12および指針13からなる時刻表示部を備える。文字板12の一部には開口が形成され、LCD表示パネル等からなるディスプレイ14が組み込まれている。
ディスプレイ14はLCD表示パネル等で構成され、緯度、経度や都市名等の位置情報を表示する他、メッセージ情報を表示する。
そして、GPS付き腕時計10は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星15からの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正できるように構成されている。
なお、GPS衛星15は、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星15が周回している。
次に、GPS付き腕時計10の内部構成について説明する。
図2に示すように、GPS付き腕時計10は、SUS、チタンなどの金属で構成された外装ケース17を備えている。
外装ケース17は略円筒状に形成され、外装ケース17の表面側の開口には、ベゼル16を介して表面ガラス160が取り付けられている。また、外装ケース17の裏面側の開口には裏蓋26が取り付けられている。裏蓋26は、金属で構成されてリング状に形成され、その中央の開口には裏面ガラス23が取り付けられている。
ステップモータは、モータコイル19、図示略のステータ、ロータなどからなる時計用に用いられる一般的なものである。このステップモータは歯車を介して指針13を駆動する。
このため、文字板12および表面ガラス160は、GPS衛星から送信される衛星信号である電波を通す材料で構成されている。例えば、文字板12はプラスチックで構成されている。また、ベゼル16は、前記衛星信号の受信性能を向上させるために、セラミックス製とされている。
回路基板25には、後述するようにGPSアンテナ11で受信した信号を処理する受信回路18や、前記指針13を駆動するステップモータ等の制御を行う制御部20などの各種回路素子(ICなど)が取り付けられている。受信回路18や制御部20は、電池24から供給される電力で駆動される。
GPS付き腕時計10は、以上のように構成されている。
次に、GPS付き腕時計10の回路構成に関して説明する。図3に示すように、GPS付き腕時計10は、時刻表示装置45、GPS装置40、時刻修正装置44を備え、コンピュータとしての機能も発揮する構成となっている。なお、図3に示すように、時刻表示装置45、GPS装置40、時刻修正装置44は一部の構成が重複している。
[GPS装置の構成]
図3に示すように、GPS付き腕時計10は、GPS衛星15から送信される衛星信号を受信、処理するGPS装置40を備えている。
GPS装置40は、GPSアンテナ11、フィルタ(SAW)31、受信回路18を備える。フィルタ(SAW)31は、バンドパスフィルタであり、1.5GHzの衛星信号を抜き出すものとなっている。従って、GPS装置40により、本発明の受信部が構成されている。
RF部27は、PLL回路34、IFフィルタ35、VCO(Voltage Controlled Oscillator)41、ADC(A/D変換器)42、ミキサ46、LNA(Low Noise Amplifier)47、IFアンプ48等を備えている。
ミキサ46でミキシングされたIFは、IFアンプ48、IFフィルタ35を通り、ADC(A/D変換器)42でデジタル信号に変換される。
そして、ベースバンド部30は、RF部27のADC42からデジタル信号が入力され、制御信号に基づき、衛星信号の演算を行い、衛星時刻情報や測位情報を取得できるようになっている。
また、RTC38は、本発明の内部時刻情報を生成する時刻情報生成部として機能する。このRTC38は、TCXO32から出力される基準クロックでカウントアップされるようになっている。
時刻修正装置44は、前記受信回路18と、制御部20と、駆動回路43とを備えている。この時刻修正装置44で本発明の時刻情報修正部が構成されている。
制御部20は、記憶部20Aを備えるとともに、GPS装置40や、指針13、ディスプレイ14の駆動を制御するものである。すなわち、制御部20は、制御信号を受信回路18に送り、GPS装置40の受信動作を制御できるようになっている。
また、記憶部20Aは、前記受信回路18のベースバンド部30で得られた時刻データ(衛星時刻情報)や、測位データが記憶される。
時刻表示装置45は、制御部20、RTC38、TCXO32、記憶部20A、駆動回路43、指針13、ディスプレイ14などを備えて構成されている。
そして、RTC38で生成された内部時刻情報は、前記記憶部20Aに現時刻の情報として記憶され、制御部20は、記憶部20Aに記憶された時刻データに基づいて、指針13やディスプレイ14の表示時刻を制御する。
また、制御部20は、前記ベースバンド部30で得られた衛星時刻情報が記憶部20Aに記憶されて内部時刻情報が更新されると、駆動回路43を通して、ディスプレイ14に修正された時刻情報を表示するようになっている。
さらに、制御部20は、指針13で指示していた現時刻情報と修正された内部時刻情報との差を算出し、その時間差分だけ指針13が移動するようにステップモータを駆動し、指針13が修正後の時刻を指示するように制御する。
すなわち、充電用コイル22は、充電制御回路28を通じて二次電池24に電力を充電する。二次電池24は、レギュレータ29を介して、時刻修正装置44等に駆動電力を供給するようになっている。
以上に説明したように、本実施形態における時計機構は、いわゆる電子時計となっている。
次に、図4に基づいて、本発明の受信部であるGPS装置40のシステム構成について説明する。図4は、主にCPU36において実行されるプログラムで実現される機能ブロックである。
すなわち、GPS装置40は、受信タイミング判断手段51、信号レベル取得手段52、受信衛星選択手段53、衛星時刻情報取得手段54を備える。
次に、GPS付き腕時計10の動作について、図5のフローチャートも参照して説明する。第1実施形態は、GPS衛星15のサーチ中に、信号レベル(SNR)が所定レベル以上のGPS衛星15を検出できた場合には、サーチを中断し、衛星捕捉判定工程、Zカウント取得判定工程を行うことを特徴とするものである。
なお、GPS付き腕時計10は、制御部20からの制御信号により、GPS衛星15から送信される衛星信号を定期的に自動受信して時刻修正を行う自動修正モードと、このような自動的な修正を行わない非修正モードとを選択できるようになっている。これらのモードは、GPS付き腕時計10に設けられたリューズやボタン等を手動操作することで選択できるようにされている。
また、GPS付き腕時計10は、リューズやボタン等を手動操作することで強制的に受信して時刻修正動作を行う強制修正モードも実行可能とされている。この強制修正モードは、図5のフローチャートにおける受信タイミング判断工程ST10を行わない以外は、自動修正モードと同じ処理を行うため、説明を省略する。
具体的には、受信タイミング判断手段51は、時刻情報生成部であるRTC38の生成する時刻情報を検出し、その時刻情報が予め設定された受信タイミングとなったかを判断する。
ここで、受信タイミングは、例えば、次のような時刻を基準として設定される。GPS付き腕時計10の時刻精度が、例えば、最大で0.5秒/日程度であるとすると、時刻修正のためにGPS衛星15から衛星信号を受信する回数は、一日に2、3回でよい。従って、GPS付き腕時計10は、一日のなかで、GPS衛星15で送信された衛星信号を受信しやすい環境である時に受信を行うことが好ましい。そのため、受信タイミングデータは、受信しやすい環境の時刻を基準として設定されている。
午前2時や3時に設定するのは、GPS付き腕時計10をユーザーが使用しておらず、GPS付き腕時計10が外されていて屋内に置かれている場合に、電気製品などの使用が少なく、電波受信環境が最も良好な可能性が高いためである。
また、午前7時や8時に設定するのは、GPS付き腕時計10をユーザーが使用しており、GPS付き腕時計10の使用環境が屋外である可能性が高い通勤時間帯であるためである。すなわち、勤務時間中はビルや工場内などの衛星信号が届きにくい場所にいる場合でも、通勤時間中は屋外にいる可能性が高く、その分、衛星信号を受信できる可能性が高まり、電波受信環境が良好となるためである。
すなわち、信号レベル取得手段52は、まず、GPS装置40を起動して受信開始工程ST11を実行し、GPS衛星15から送信される衛星信号の受信を開始する。GPS装置40は、GPSアンテナ11から衛星信号であるGPS信号を受信するために、後述するGPS衛星15のC/Aコード(Coarse/Acuisition Code)のパターンを発生させて受信を開始する。
次に、信号レベル取得手段52は、衛星番号SVのGPS衛星15を検索し、その信号レベル(SNR)を検出する(ST42)。具体的には、信号レベル取得手段52は、GPS衛星15のC/Aコードの発生タイミングを調整して、同期できるGPS衛星15を検索する。
なお、各GPS衛星15から送信される衛星信号は、すべての衛星から同一周波数で信号を送信しているが、GPS衛星15毎に異なるC/Aコードを用いることで判別するCDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用している。従って、受信した衛星信号に含まれるC/Aコードを判別することで、現在、捕捉可能なGPS衛星15をサーチすることができる。
さらに、同期した衛星信号のSNRを求めることで、衛星信号の信号レベルを取得することができる。
そして、信号レベル取得手段52は、サーチにより検出できたGPS衛星15の情報(例えば衛星番号)と、その衛星の信号レベルとを、SRAM37等の記憶部に記憶する。
なお、C/Aコードのコード長は1msであり、発生タイミングを調整しながら約30個のGPS衛星15のサーチ処理を行った場合でも、約2秒ですべてのGPS衛星15のサーチを完了することができる。
すなわち、前述したように、GPS衛星15のサーチ処理は、衛星を検出できる場合、最大でも2秒以内で処理が完了する。従って、衛星検索工程ST12を開始してから、一定時間、例えば6秒経過してもGPS衛星15の同期ができない場合には、信号レベル取得手段52は、タイムアウトであると判断する。
すなわち、本実施形態の信号レベル取得手段52は、信号レベル(SNR)が40以上のGPS衛星15が見つかった場合にはその時点で衛星の検索を終了し、40以上のGPS衛星15が見つからない場合には、タイムアウトになるまで衛星番号1のGPS衛星15から順次信号レベルを確認している。
GPS付き時計10が、受信できない環境である場合、例えば、屋内であるような場合には、すべてのGPS衛星15のサーチを行っても、同期できるGPS衛星15が存在しないため、タイムアウトとなる。この場合に、GPS装置40をいつまでも動作させていると、電力が無駄に消費されてしまう。
このため、GPS付き腕時計10は、ST13によって一定時間経過してもGPS衛星15を検出できない場合、ST14でGPS衛星15のサーチ(受信)を終了する。このため、無駄に電力が消費されることを低減できる。
具体的には、受信衛星選択手段53は、選択したGPS衛星15に対応するC/Aコードを用い、同期処理を行う。そして、受信衛星選択手段53は、後述するGPS衛星15の衛星信号である航法メッセージが復調できる状態となっているか否かで、衛星を捕捉できたか否かを判断する。
従って、受信衛星選択手段53で実行される受信衛星選択工程は、衛星捕捉判定工程ST16により構成されている。
ここで、ST17のZカウント取得判定工程を説明する前に、GPS衛星15から送信される信号(衛星信号)である航法メッセージについて、説明する。
図6,7は、GPS衛星信号を示す概略説明図である。
各GPS衛星15からは、図6に示すように、1フレームデータ(30秒)単位で信号が送信されてくる。この1フレームデータは、5個のサブフレームデータ(1サブフレームデータは6秒)を有している。各サブフレームデータは、10個のワード(1ワードは0.6秒)を有している。
また、TLMに続くワードは、HOW(hand over word)データが格納されたHOWワードとなり、その先頭には、TOW(Time of Week、「Zカウント」ともいう)というGPS衛星のGPS時刻情報(衛星時刻情報)が格納されている。
GPS時刻情報は毎週日曜日の0時から経過時間が秒で表示され、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。つまり、GPS時刻情報は、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報であって、経過時間が1.5秒単位で表した数となっており、ZカウントあるいはZカウントデータともいわれており、GPS装置40が現在時刻を知る手がかりともなっている。
このGPS時刻情報の起点は、UTC(世界協定時)における1980年1月6日00:00:00であり、この日に始まる週は週番号0となっている。そして、週番号と経過時間(秒)のデータを取得することで、受信側はGPS時刻情報を取得できる構成となっている。
また、週番号データは、1週間単位で更新されるデータとなっている。
従って、受信側で、一旦、週番号データを取得しており、その週番号データを取得した時期からの経過時間がカウントされている場合は、再度、週番号データを取得しなくても、取得している週番号データと経過時間から、GPS衛星の現在の週番号データが分かる。従って、Zカウントデータを取得すれば、現在のGPS時刻が概算で分かるようになっている。このため、通常は、このZカウントデータのみを取得する構成としておくことで、受信側の受信動作が短時間で行うので、低消費電力とすることができる。
また、何らかの状況により、取得した週番号データが消去されたり、あるいは、週番号データを取得した時期からの経過時間のカウントがずれてしまったり、週番号データを取得してから一定時間が経過しているような場合は、改めて、GPS衛星15からの衛星信号から、週番号データも受信すれば、新たに受信した週番号データとZカウントデータから、受信側は現在のGPS時刻を取得することができるようになっている。
そして、この主フレームデータは、それぞれ300ビット(300bit)ずつの5つのサブフレームデータに分割されている。
そして、1フレームデータは30秒に相当する。従って、サブフレームデータの1つは、6秒に相当するデータとなっている。上述したように、この各サブフレームデータの先頭の2語には、TLMワード、HOWワードのZカウント(TOW)データが含まれている。そして、Zカウントデータは、サブフレーム1から始まり、各サブフレームデータごとに6秒おきのデータとなっている。つまり、サブフレーム1からサブフレーム5はTLMワード、HOWワードのZカウント(TOW)データを有している。この、Zカウント(TOW)データは、次のサブフレームデータの時刻情報となっている。例えば、サブフレーム1のZカウントデータは、サブフレーム2の時刻データとなっている。
つまり、このようなGPS衛星15のフレームデータ等を取得するには、受信側であるGPS装置40がGPS衛星15の信号と同期する必要がある。
この場合、特に1ms単位の同期のためにC/Aコード(1023chip(1ms))が用いられる。このC/Aコード(1023chip(1ms))は、地球を周回している複数のGPS衛星15毎に異なっており、固有のものとなっている。
従って、特定のGPS衛星15の衛星信号を受信する場合は、受信部であるGPS装置40から、いずれかのGPS衛星15に固有のC/Aコードを発生させて位相同期することで、受信することができるようになっている。
そして、C/Aコード(1023chip(1ms))と同期させると、サブフレームデータのTLMワードのプリアンブルデータ、HOWワードを受信でき、HOWワードのZカウントデータが取得できるようになっている。そして、GPS装置40は、TLMワード、HOWワードのZカウント(TOW)データを取得した後に、続けて週番号情報(WN)データ、衛星健康状態情報(SVhealth)データを取得することもできる。
GPS衛星15の衛星信号である航法メッセージは以上のように構成されている。
具体的には、衛星時刻情報取得手段54は、GPS衛星15からの衛星信号である航法メッセージから、上述した衛星時刻情報の一例であるZカウント(TOW)データを取得する。そして、衛星時刻情報取得手段54は、取得したZカウントデータを制御部20に出力し、制御部20はこのZカウントデータを記憶部20Aに衛星時刻情報として記憶するようになっている。つまり、Zカウントデータを取得するということは、上述したようにTLMワードのプリアンブルデータで同期を確立してからZカウント(TOW)データを取得できることである。そして、HOWワードのTOWデータの後のパリティデータで、正誤の確認をするようになっている。
なお、衛星時刻情報取得手段54は、取得したZカウント(TOW)データである衛星時刻情報が信頼できるか否かの判断も行うようになっている。つまり、衛星時刻情報取得手段54は、上述したような、パリティチェックでZカウントデータの誤りが確認された場合は、この取得したZカウントデータには、なんらかの異常があるとみなして、時刻修正には使用しない。このため、GPS付き腕時計10は、Zカウントデータに異常が見つかった場合は、Zカウントデータが取得できなかったとみなして、ST41に戻るようになっている。
なお、ST17のZカウント取得判定工程においても、衛星検索工程と同様にタイムアウトの設定も可能であり、本実施形態では、例えばZカウント取得処理を開始してから6秒経過してもZカウントデータの信号を確認できない場合は、タイムアウトしてST41に戻るように設定されている。
従って、衛星時刻情報取得手段54で実行される衛星時刻情報取得工程は、Zカウント取得判定工程ST17により構成されている。
そして、GPS付き腕時計10はST19に進み、時刻情報修正工程を行う。時刻情報修正工程ST19では、制御部20は、内部時刻データを受信時刻データ(衛星時刻情報)に基づいて修正する。制御部20は、内部時刻データが修正されると、内部時刻データに基づいて表示されるGPS付き腕時計10の文字板12の指針13やディスプレイ14の表示時刻も修正する。
GPS付き腕時計10は、以上のように、時刻修正を行うようになっている。
(1)GPS付き腕時計10は、時刻修正のためにGPS信号を受信する際に、信号レベル取得手段52により、GPS衛星15のサーチを行い、衛星信号の信号レベルを取得している。そして、GPS衛星15を順次サーチしている際に、SNRが40以上のGPS衛星15が見つかった時点でサーチを中断し、Zカウントデータの取得を行っている。
従って、すべてのGPS衛星15をサーチする場合に比べて、サーチ時間を短縮できる可能性が高く、その分、時刻修正処理を終えるまでの時間も短縮でき、省電力化を実現できる。
さらに、衛星捕捉判定工程ST16や、Zカウント取得判定工程ST17におけるタイムアウトを6秒に設定しているので、効率的に信号の途切れを検出できて迅速に次の衛星検索を行うことができる。すなわち、GPS信号では、6秒毎のサブフレームにそれぞれZカウントデータが設けられているので、6秒ごとにZカウントデータが送信される。従って、6秒以内で信号を確認できない場合には、そのGPS衛星15は現在信号受信に適していないことが分かり、その時点で次の衛星検索を行えば、受信に適したGPS衛星15を効率的に検出できる。
すなわち、GPS衛星15の仰角が高いと、その衛星から送信される衛星信号が建物に遮られる可能性が低くなる。すなわち、天頂に近い(仰角が高い)GPS衛星15ほど信号レベルが良好でSNRも高くなることから、SNRが40以上の高いGPS衛星15を選択すれば衛星時刻情報を取得できる可能性を向上できる。
また、建物に反射したマルチパスの影響を受けたGPS衛星15はSNRが低く、その衛星から時刻情報を取得できる可能性は低いので、その点でもできるだけSNRの高い衛星を選ぶことで衛星時刻情報を取得できる可能性を向上できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した他の実施形態と同一または同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態は、複数チャンネルを有する受信回路18を用い、衛星検索工程におけるGPS衛星15のサーチ中に、信号レベルが第1レベル以上のGPS衛星15を各チャンネルに割り当て、全てのチャンネルにGPS衛星15が割り当てられた場合にサーチを中断するとともに、全てのチャンネルにGPS衛星15が割り当てられる前に、前記第1レベルよりも高い第2レベル以上のGPS衛星15を検出できた場合にもサーチを中断している。
なお、図5に示す第1実施形態のフローチャートと同じ処理を行う工程については同じ符号を付して説明を簡略する。
GPS付き腕時計10の信号レベル取得手段52は、内部時刻情報を参照し、予め設定された受信タイミングになったか否かを判定し(ST10)、受信タイミングになると受信を開始する(ST11)。
次に、信号レベル取得手段52は、衛星番号SVのGPS衛星15の信号レベル(SNR)を検出する(ST42)。
ここで、GPS衛星15を検出できたとは、その衛星のSNRが第1所定値、例えばSNRが35以上であること意味する。すなわち、SNRが第1所定値よりも低いと、その衛星を捕捉できなかったり、捕捉できてもZカウントデータを取得できない可能性が高く、受信処理を行う必要がないためである。
そして、ST13でタイムアウトになっていなければ、信号レベル取得手段52は、ST41に戻って衛星番号SVに「1」を加算し、その新しい番号のGPS衛星15の信号レベルを検出する(ST42)。
例えば、受信回路18が8個の受信チャンネルを備えている場合、最初の衛星番号1でSNRが第2レベル以上のGPS衛星15を検出した場合には、そのGPS衛星15のみを受信チャンネルに割り当てる。
また、SNRが第2レベル未満で、かつ、第1レベル以上の衛星を8個未満検出した後、SNRが第2レベル以上のGPS衛星15を検出した場合には、検出した各GPS衛星15を受信チャンネルに割り当てる。
さらに、SNRが第2レベル以上のGPS衛星15を検出できないうちに、SNRが第2レベル未満で、かつ、第1レベル以上の衛星を8個検出した場合には、その8個のGPS衛星15を受信チャンネルに割り当てる。
ST16でいずれかの受信チャンネルで衛星を捕捉できた場合には、衛星時刻情報取得手段54は、Zカウントデータを取得できたかを確認する(ST17)。このZカウント取得判定工程ST17も、それぞれの受信チャンネルごとに並行して行われる。
ST17で衛星時刻情報を取得できた場合には、GPS付き腕時計10は、受信を終了し(ST18)、時刻修正装置44は受信した衛星時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正する(ST19)。
(2−1)GPS衛星15を順次サーチしている際に、信号レベルが第2レベル以上のGPS衛星15が見つかった時点でサーチを中断し、Zカウントデータの取得を行っているので、すべてのGPS衛星15をサーチする場合に比べて、サーチ時間を短縮できる可能性が高く、その分、時刻修正処理を終えるまでの時間も短縮でき、省電力化を実現できる。
その上、複数の衛星時刻情報を取得できるため、各衛星時刻情報を比較することで、正しいデータを取得できているかを確認でき、精度の高い衛星時刻情報を取得できる。
すなわち、本実施形態では、信号レベルが非常に高いGPS衛星15のみで受信処理を行うこともあり、信号レベルがある程度高い複数のGPS衛星15で受信処理を行う場合もあり、比較的短時間で時刻修正処理を行えて省電力化を実現できるとともに、その時刻精度も高くでき、複数チャンネルを有する場合に効率的な処理を行うことができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第1実施形態では、GPS付き腕時計10は、衛星検索工程の途中で信号レベルが所定レベル以上の衛星を検出した場合にはサーチを中断して衛星時刻情報の取得を行っていた。
これに対し、第3実施形態のGPS付き腕時計10は、すべてのGPS衛星15をサーチし、その中でも最も信号レベル(具体的にはSNR)が高い衛星を選択して衛星捕捉処理を行うことを特徴とするものである。すなわち、サーチを中断していない点が第1実施形態と相違する。
なお、図5に示す第1実施形態のフローチャートと同じ処理を行う工程については同じ符号を付して説明を簡略する。
GPS付き腕時計10の信号レベル取得手段52は、内部時刻情報を参照し、予め設定された受信タイミングになったか否かを判定し(ST10)、受信タイミングになると受信を開始する(ST11)。
そして、信号レベル取得手段52は、信号レベルを検出する衛星検索工程ST12を行う。例えば、衛星番号1から順番にサーチ(同期)を行い、サーチにより検出できたGPS衛星15の情報(例えば衛星番号)と、その衛星の信号レベルとを、SRAM37等の記憶部に記憶する。なお、C/Aコードのコード長は1msであり、発生タイミングを調整しながら約30個のGPS衛星15のサーチ処理を行っても、約2秒ですべてのGPS衛星15のサーチを完了することができる。
すなわち、前述したように、GPS衛星15のサーチ処理は、衛星を検出できる場合、最大でも2秒以内で処理が完了する。従って、衛星検索工程ST12を開始してから、一定時間、例えば6秒経過してもGPS衛星15の同期ができない場合には、信号レベル取得手段52は、タイムアウトであると判断する。
従って、信号レベル取得手段52で実行される信号レベル取得工程は、受信開始工程ST11、衛星検索工程ST12、タイムアウト判定工程ST13により構成されている。
すなわち、受信衛星選択手段53は、信号レベル取得手段52で取得した信号レベルに基づいて、捕捉対象となるGPS衛星15を選択する。本実施形態では、信号レベル取得手段52で複数のGPS衛星15を検出(同期)できた場合、最も信号レベル(SNR)が高いGPS衛星15を選択する。
具体的には、受信衛星選択手段53は、選択したGPS衛星15に対応するC/Aコードを用い、同期処理を行う。そして、受信衛星選択手段53は、後述するGPS衛星15の衛星信号である航法メッセージが復調できる状態となっているか否かで、衛星を捕捉できたか否かを判断する。
従って、受信衛星選択手段53で実行される受信衛星選択工程は、信号レベル最大衛星選択工程ST15と、衛星捕捉判定工程ST16により構成されている。
なお、ST16の衛星捕捉判定工程においては、衛星検索工程と同様にタイムアウトの設定も可能であり、本実施形態では、例えば衛星捕捉処理を開始してから6秒経過しても衛星捕捉の信号を確認できない場合は、タイムアウトしてST12に戻るように設定されている。
また、ST17のZカウント取得判定工程においても、衛星検索工程と同様にタイムアウトの設定も可能であり、本実施形態では、例えばZカウント取得処理を開始してから6秒経過してもZカウントデータの信号を確認できない場合は、タイムアウトしてST12に戻るように設定されている。
従って、衛星時刻情報取得手段54で実行される衛星時刻情報取得工程は、Zカウント取得判定工程ST17により構成されている。
(3−1)GPS付き腕時計10は、時刻修正のためにGPS信号を受信する際に、信号レベル取得手段52により、GPS衛星15のサーチを行い、衛星信号の信号レベルを取得している。そして、受信衛星選択手段53で信号レベルの最も高いGPS衛星15を選択し、衛星時刻情報取得手段54ではそのGPS衛星15から衛星信号を受信して衛星時刻情報(Zカウントデータ)を受信している。
従って、GPS信号を受信する際に、最も受信レベルの高いGPS衛星15と同期して衛星信号を受信するため、衛星捕捉処理やZカウント取得処理も短時間で行うことができ、迅速にかつ正確な衛星時刻情報を取得して、内部時刻を修正できる。このため、GPS付き腕時計10を腕に装着して歩行している場合でも、その時点で最も受信しやすいGPS衛星15から衛星信号を受信でき、正しい時刻への修正を行うことができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第3実施形態では、GPS付き腕時計10は、衛星検索工程ST12でサーチしたGPS衛星15の中でも最も信号レベル(具体的にはSNR)が高い衛星を選択して衛星捕捉処理を行い、衛星捕捉判定工程ST16で衛星が捕捉できないと判定された場合、再度、衛星検索工程ST12において衛星のサーチを行っていた。
これに対し、第4実施形態のGPS付き腕時計10は、衛星検索工程ST12において検索した各GPS衛星15のSNRを記憶し、衛星を捕捉できるまで、SNRの高い順に衛星の捕捉を行う点が第3実施形態と相違する。
なお、図5、9に示す第1、3実施形態のフローチャートと同じ処理を行う工程については同じ符号を付して説明を簡略する。
GPS付き腕時計10の信号レベル取得手段52は、内部時刻情報を参照し、予め設定された受信タイミングになったか否かを判定し(ST10)、受信タイミングになると受信を開始する(ST11)。
そして、信号レベル取得手段52は、信号レベルを検出する衛星検索工程ST12を行う。この際、信号レベル取得手段52は、表1に示すように、各GPS衛星15を区別する番号(衛星番号)と、その衛星の信号レベル(信号強度;SNR)とを取得し、信号レベルの高い順に選択の優先順位を設定する。なお、例えば地球の裏側にあって受信できないGPS衛星15のように、信号レベルがほぼゼロのGPS衛星15は、選択対象から外しておけばよい。
一方、ST13でタイムアウトではない場合には、受信衛星選択手段53は、サーチしたGPS衛星15のなかで最も信号レベル(SNR)が高いGPS衛星15を選択し(ST15)、選択したGPS衛星15を捕捉できたかを確認する(ST16)。
そして、受信衛星選択手段53は、ST20で最後の衛星ではないと判断した場合、次候補の衛星を選択する(ST21)。本実施形態の受信衛星選択手段53は、前記表1に示すように、衛星検索工程ST12で取得した各GPS衛星15の信号レベルが大きい順にGPS衛星15を選択する。
また、ST20で最後の衛星を選択している場合には、次候補の衛星が無いため、受信を終了する(ST22)。
(4−1)信号レベルが最大値の衛星を選択してもZカウントデータを取得できない場合に、再度衛星検索工程ST12を行わずに、次候補の衛星を選択しているので、再度衛星検索工程ST12を行う第1実施形態に比べて、Zカウントデータを取得するまでの時間を短縮することができる。
すなわち、通常は、複数のGPS衛星15を捕捉することが可能であるため、信号レベルが最大の衛星を捕捉できなくても、他の衛星を捕捉できる可能性が高い。従って、次候補の衛星を選択すれば、再度衛星をサーチする場合に比べて、短時間で衛星を捕捉でき、Zカウントデータも取得できる。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態のGPS付き腕時計10は、複数の衛星信号を受信可能な多チャンネルの受信回路18を有するものである。そして、衛星検索工程ST12でサーチしたGPS衛星15の中でも信号レベル(SNR)が高い順に8個のGPS衛星15を選択して、各チャンネルに割り当て、チャンネル毎に衛星捕捉判定工程ST16やZカウント取得判定工程ST17を行っている点が前記3,4実施形態と相違する。
なお、第3,4実施形態のフローチャートと同じ処理を行う工程については同じ符号を付して説明を簡略する。
GPS付き腕時計10の信号レベル取得手段52は、内部時刻情報を参照し、予め設定された受信タイミングになったか否かを判定し(ST10)、受信タイミングになると受信を開始する(ST11)。
そして、信号レベル取得手段52は、信号レベルを検出する衛星検索工程ST12を行う。この際、信号レベル取得手段52は、第2実施形態の表1と同様に、各GPS衛星15を区別する番号(衛星番号)と、その衛星の信号レベル(信号強度;SNR)とを取得し、信号レベルの高い順に選択の優先順位を設定する。なお、例えば地球の裏側にあって受信できないGPS衛星15のように、信号レベルがほぼゼロのGPS衛星15は、選択対象から外しておく。
ここで、選択対象となっているGPS衛星15が8個未満の場合には、その選択対象のGPS衛星15をすべて受信チャンネルに割り当てる。
なお、信号レベルが所定値以上(例えばSNRが35以上)のGPS衛星15のみを選択対象とすることもできる。この場合、信号レベルが所定値未満(例えばSNRが35未満)のGPS衛星15は、受信チャンネルに割り当てないようにすればよい。
ST16でいずれかの受信チャンネルで衛星を捕捉できたと判定した場合には、衛星時刻情報取得手段54は、Zカウントデータを取得できたかを確認する(ST17)。このZカウント取得判定工程ST17も、それぞれの受信チャンネルごとに並行して行われる。
ST17で衛星時刻情報を取得できたと判定した場合には、GPS付き腕時計10は、受信を終了し(ST18)、時刻修正装置44は受信した衛星時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正する(ST19)。
(5−1)複数の受信チャンネルを有し、衛星捕捉判定工程ST16やZカウント取得判定工程ST17をそれぞれの受信チャンネルで並行して処理できるため、1つずつ衛星を選択して処理する前記各実施形態に比べて短時間で処理を行うことができる。すなわち、本実施形態では、8個のGPS衛星15からの衛星信号を同時に受信して処理できるため、GPS衛星15を1つずつ選択して処理する場合に比べて、処理時間を最大で1/8に短縮できる。
例えば、前記各実施形態では、信号レベル取得手段52で衛星15を検索し、衛星時刻情報の取得を試みた際にタイムアウトになったり、選択対象の各衛星15でZカウントデータを取得できなかった場合に、受信処理を終了していたが、その場合に、再度、時刻取得を試みるように制御してもよい。例えば、一時的に建物内に移動し、衛星からの電波が建物や屋根で遮られる場合には衛星時刻情報を取得できないが、その建物から移動すれば取得できる。従って、時刻修正を行わずに受信を終了した場合に、所定時間経過後に、再度、時刻取得を試行してもよい。
この場合、通常は、0.5〜3時間程度の時間経過後に衛星時刻情報の取得処理を再度行うことになるため、前回、信号レベルを検出した際の情報を用いて衛星時刻情報の取得を行うことが好ましい。例えば、SNRの高い順に衛星時刻情報の取得を行う場合には、前回の衛星検索リスト(SNRの高い順に設定された検索リスト)を活用して衛星時刻情報の取得を行えば、再度、衛星のサーチから行う場合に比べて、効率的な時刻情報の取得を行うことができる。
但し、前記経過時間が長いと、受信可能なGPS衛星15も変化している可能性があるため、衛星をサーチしてからの経過時間によって、その際の検索リストを活用するか、再度衛星のサーチから行うかを制御することが好ましい。
Claims (15)
- 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信部と、
内部時刻情報を生成する時刻情報生成部と、
前記内部時刻情報を修正する時刻情報修正部と、
を有する時刻修正装置であって、
前記衛星信号には、前記位置情報衛星で計時されている衛星時刻情報が含まれ、
前記受信部は、
前記位置情報衛星を検索し、各位置情報衛星から送信される衛星信号の信号レベルを取得する信号レベル取得手段と、
取得した信号レベルに基づいて位置情報衛星を選択する受信衛星選択手段と、
前記受信衛星選択手段で選択された位置情報衛星から送信される衛星信号を受信し、その衛星信号に含まれる衛星時刻情報を取得する衛星時刻情報取得手段と、
を備え、
前記時刻情報修正部は、前記衛星時刻情報取得手段で衛星時刻情報を取得できた場合には、取得した衛星時刻情報に基づいて前記内部時刻情報を修正することを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1に記載の時刻修正装置において、
前記信号レベル取得手段は、位置情報衛星を順次検索する過程で、衛星信号の信号レベルが所定レベル以上の位置情報衛星を検出した場合には、前記信号レベルの取得処理を中断し、
前記受信衛星選択手段は、前記信号レベル取得手段で検出された前記位置情報衛星を選択することを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項2に記載の時刻修正装置において、
前記信号レベル取得手段は、前記衛星時刻情報取得手段で衛星時刻情報を取得できなかった場合、中断した前記信号レベルの取得処理を、次に検索する予定であった位置情報衛星から再開することを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項2に記載の時刻修正装置において、
前記信号レベル取得手段は、前記衛星時刻情報取得手段で衛星時刻情報を取得できなかった場合、位置情報衛星の検索を最初からやり直すことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1に記載の時刻修正装置において、
前記受信部は、衛星信号を受信する受信チャンネルを複数備え、
前記信号レベル取得手段は、位置情報衛星を順次検索する過程で、衛星信号の信号レベルが第1レベル以上の位置情報衛星を検出した場合には、その位置情報衛星を受信チャンネルに割り当てて位置情報衛星の検索を継続し、
全てのチャンネルに位置情報衛星が割り当てられた場合、または、全てのチャンネルに位置情報衛星が割り当てられる前であって、前記第1レベルよりも高い第2レベル以上の信号レベルの位置情報衛星を検出した場合には、前記信号レベルの取得処理を中断し、
前記衛星時刻情報取得手段は、位置情報衛星が割り当てられた各チャンネルで衛星信号を受信し、その衛星信号に含まれる衛星時刻情報を取得することを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載の時刻修正装置において、
前記受信部は、信号レベル取得手段で検出された位置情報衛星およびその信号レベルを記憶する記憶部を備え、
前記信号レベル取得手段は、前回、衛星信号の信号レベルを取得して前記記憶部に記憶してから所定時間内に信号レベル取得処理を行う場合には、前記記憶部に記憶された信号レベルの大きい順に位置情報衛星を検索することを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1に記載の時刻修正装置において、
前記受信衛星選択手段は、前記信号レベル取得手段で検出された信号レベルが最も高い位置情報衛星を選択し、
前記信号レベル取得手段は、前記衛星時刻情報取得手段で衛星時刻情報を取得できなかった場合、位置情報衛星の検索を最初からやり直すことを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1に記載の時刻修正装置において、
前記受信衛星選択手段は、位置情報衛星の選択順序を、前記信号レベル取得手段で検出された信号レベルの高い順に設定し、前記衛星時刻情報取得手段で衛星時刻情報を取得できなかった場合には、前記設定順に位置情報衛星を選択することを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1に記載の時刻修正装置において、
前記受信部は、衛星信号を受信する受信チャンネルを複数備え、
前記受信衛星選択手段は、前記信号レベル取得手段で検出された信号レベルの高い順に位置情報衛星を選択し、
前記衛星時刻情報取得手段は、選択された位置情報衛星を信号レベルが高い順に各受信チャンネルに割り当て、各チャンネルで衛星信号を受信し、その衛星信号に含まれる衛星時刻情報を取得することを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1,7,8,9のいずれかに記載の時刻修正装置において、
前記受信衛星選択手段は、前記信号レベル取得手段で検出された信号レベルが所定レベル以上の位置情報衛星のみを選択対象とすることを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項5または請求項9に記載の時刻修正装置において、
前記衛星時刻情報取得手段は、位置情報衛星が割り当てられた各チャンネルで衛星情報を受信して取得した各衛星時刻情報を互いに比較し、受信した衛星時刻情報が正しい時刻情報であるかを判定し、
前記時刻情報修正部は、前記衛星時刻情報取得手段で正しい時刻情報であると判定された場合に、取得した衛星時刻情報に基づいて前記内部時刻情報を修正することを特徴とする時刻修正装置。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の時刻修正装置において、
前記衛星時刻情報取得手段は、選択された位置情報衛星の衛星信号の受信を開始してから所定時間内に衛星時刻情報を取得できなかった場合に、衛星時刻情報を取得できなかったと判断することを特徴とする時刻修正装置。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信部と、
内部時刻情報を生成する時刻情報生成部と、
前記内部時刻情報を修正する時刻情報修正部と、
前記内部時刻情報を表示する時刻表示部と、
を有する時刻修正装置付き計時装置であって、
前記衛星信号には、前記位置情報衛星で計時されている衛星時刻情報が含まれ、
前記受信部は、
前記位置情報衛星を検索し、各位置情報衛星から送信される衛星信号の信号レベルを取得する信号レベル取得手段と、
取得した信号レベルに基づいて位置情報衛星を選択する受信衛星選択手段と、
前記受信衛星選択手段で選択された位置情報衛星から送信される衛星信号を受信し、その衛星信号に含まれる衛星時刻情報を取得する衛星時刻情報取得手段と、
を備え、
前記時刻情報修正部は、前記衛星時刻情報取得手段で衛星時刻情報を取得できた場合には、取得した衛星時刻情報に基づいて前記内部時刻情報を修正することを特徴とする時刻修正装置付き計時装置。 - 内部時刻情報を生成する時刻情報生成工程と、
位置情報衛星を順次検索し、各位置情報衛星から送信される衛星信号の信号レベルを順次取得する信号レベル取得工程と、
取得した信号レベルに基づいて位置情報衛星を選択する受信衛星選択工程と、
前記受信衛星選択工程で選択された位置情報衛星から送信される衛星信号を受信し、その衛星信号に含まれ、かつ前記位置情報衛星で計時されている衛星時刻情報を取得する衛星時刻情報取得工程と、
前記衛星時刻情報取得工程で衛星時刻情報を取得できた場合には、取得した衛星時刻情報に基づいて前記内部時刻情報を修正する時刻情報修正工程と、
を備えることを特徴とする時刻修正方法。 - 請求項14に記載の時刻修正方法において、
前記信号レベル取得工程は、位置情報衛星を順次検索する過程で、衛星信号の信号レベルが所定レベル以上の位置情報衛星を検出した場合には、前記信号レベルの取得処理を中断し、
前記受信衛星選択工程は、前記信号レベル取得工程で検出された前記位置情報衛星を選択することを特徴とする時刻修正方法。
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