JP2009077837A - 造影剤除去システム - Google Patents

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Ai Yonezawa
愛 米澤
Eiji Ogino
英司 荻野
Takuji Nishide
拓司 西出
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Abstract

【課題】PCIおよび術前検査実施中に、腎機能障害の原因となる造影剤を効率良くかつ持続的に除去する造影剤除去システムを提供する。
【解決手段】冠静脈洞に留置可能な採血用カテーテル101、採血された血液中の造影剤を除去するモジュール102、モジュールまで血液を誘導する採血回路103、採血量を制御するための採血ポンプ104、造影剤を除去した血液を患者体内に返す返血回路105、採血圧を測定する装置106を備えている造影剤除去システムであって、該採血用カテーテルの冠静脈洞留置側先端部の外面にカテーテル内腔に貫通した開孔部を有することを特徴とし、且つ、該モジュールの一部または全部が膜であることを特徴とし、PCIおよび術前検査実施中に、腎機能障害の原因となる造影剤を効率良く且つ持続的に除去することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は冠動脈に投与された造影剤を体液から除去する造影剤除去システムに関するものである。
経皮的冠動脈インターベンション(PCI:Percutaneous Coronary Intervention)は、血管などの脈管において狭窄あるいは閉塞が生じた場合、及び血栓により血管が閉塞してしまった場合に、血管の狭窄部位あるいは閉塞部位を拡張して血管末梢側の血流を改善するための安全かつ有効な治療法として、広く行われている。さらに近年ではPCIの目覚しい発達により、左冠動脈主幹部(LMT)病変や慢性完全閉塞(CTO)病変のような困難病変に対しても治療が行われるようになった。また、狭窄あるいは閉塞部位の拡張を維持し、再狭窄を避けるために金属ステントあるいは薬剤放出ステント(DES)を留置する治療方法も確立されつつある。
PCIおよび術前検査において造影剤は必要不可欠な薬剤であり、広範に使用されている。一方で、腎機能が低下している患者に対しては造影剤による副作用が問題となることが知られている。そのため造影剤の使用量をできる限り最小限に抑える努力がなされているが、LMT病変やCTO病変のような困難病変に対する造影や、詳細確認を要するDESの留置確認には大量の造影剤を必要とする。造影剤の副作用には腎機能障害、皮膚障害、心血管障害、呼吸器障害、泌尿器障害などがあるが、近年、PCIを行う患者に糖尿病を合併する患者が非常に増加していることから、副作用のなかでも特に腎機能障害(造影剤性腎症)が特に問題となっている。腎不全などの腎機能が低下した患者に造影剤を使用すると、速やかに体外に排泄されないため、特に深刻である。
このような問題を解決するため、PCIおよび術前検査の終了後に体内から造影剤を取り除く、予防的血液透析が行われている。しかし、造影剤を注入してから血液透析を行うまでの間、造影剤を含んだ血液が排出されずに全身を循環し、腎臓に負荷がかかることは避けられない。非特許文献1においては、慢性腎不全患者に対して造影剤使用後、予防的血液透析を行った群(透析群)と行わない群(非透析群)に分け、造影剤性腎症の発生率を比較したところ、両群に差がみられなかったことが報告されている。
そこでPCIおよび術前検査の終了後ではなく、PCIおよび術前検査実施中に、造影剤を体内から取り除く試みがなされている。例えば、冠静脈洞にカテーテルを留置し、カテーテルを介して造影剤を含む血液を体外に取り出し、フィルターに通して造影剤を除去した後、血液を患者に返すという試みがある。
特許文献1、特許文献2は、バルーンを有したカテーテルを冠静脈洞に留置し、造影剤の注入に合わせてバルーンを一時的に拡張することにより冠静脈洞から右心房への血流を遮断しながら、造影剤を含む血液を脱血し、CVVHD(Continuous Veno−Venous Hemofiltration)や、遠心分離により造影剤を除去する試みが提案されている。しかし、非常に壁の薄い冠静脈洞でバルーンを拡張すると冠静脈洞が損傷される危険性がある。さらに、一時的ではあるが冠血流を遮断することにより心臓が虚血状態に陥る危険性もあり、造影剤を多く含む体液が流入してきたタイミングを狙って断続的にしか造影剤を除去できない。また、造影剤を除去する際、同時に血漿成分も廃棄することとなる。そのため、特許文献1では、廃棄した血漿と同量の新鮮凍結血漿またはアルブミンを補っている。しかし、血漿成分の投与は潜在的に感染の恐れがあり、安全に造影剤を除去し、造影剤による腎臓への負荷を軽減する方策の開発が望まれている。
国際公開公報 第WO02/060511号パンフレット 国際公開公報 第WO02/058777号パンフレット Coronary Intervension,vol.2,No.4 2003 78−83
本発明は、かかる問題を鑑み、PCIおよび術前検査実施中に、腎機能障害の原因となる造影剤を効率良くかつ持続的に除去するための造影剤除去システムを提供するものである。
上記の課題の解決のために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、
冠静脈洞に留置可能な採血用カテーテル、採血された血液中の造影剤を除去するモジュール、モジュールまで血液を誘導する採血回路、採血量を制御するための採血ポンプ、造影剤を除去した血液を患者体内に返す返血回路、採血圧を測定する装置を備えている造影剤除去システムを発明するに至った。
本発明は、冠静脈洞に留置可能な採血用カテーテル、採血された血液中の造影剤を除去するモジュール、モジュールまで血液を誘導する採血回路、採血量を制御するための採血ポンプ、造影剤を除去した血液を患者体内に返す返血回路、採血圧を測定する装置を備えている造影剤除去システムであって、該採血用カテーテルは冠静脈洞留置側先端部の外面にカテーテル内腔に貫通した開孔部を有するとともに、該モジュールの一部または全部が膜であることを特徴とする造影剤除去システムに関する。
また本発明は、前記モジュールに含まれる膜が中空糸であり、造影剤を含む血液を外液と接触させることにより造影剤を除去することを特徴とする造影剤除去システムに関する。
本発明において前記モジュールは膜だけであっても良いし、前記モジュールが膜、カラム、およびそれらを連結するための連結回路から成っても良い。
また本発明は、前記モジュールに含まれるカラムが、造影剤を吸着除去する吸着体を充填した吸着器であることを特徴とする造影剤除去システムに関する。
また本発明は、前記モジュールに含まれるカラムが、造影剤を吸着除去する吸着器であり、充填された造影剤を吸着除去する吸着体の比表面積が800m2/g以上であることを特徴とする造影剤除去システムに関する。
また本発明における前記モジュールに含まれるカラムは、造影剤を吸着除去する吸着器であり、充填された造影剤を吸着除去する吸着体は比表面積が大きいことから、活性炭であることが好ましい。
本発明の造影剤除去システムによれば、PCIおよび術前検査実施中に、腎機能障害の原因となる造影剤を効率良く且つ持続的に除去することが可能となる。
本発明の造影剤除去システムは、冠静脈洞から採血することで比較的高濃度の造影剤を含む血液をモジュールに誘導することができ、本発明の造影剤吸着除去システムは、モジュールに流れ込む血液中の造影剤濃度が高いほど、高い除去性能を発揮でき、高い造影剤除去性能が得られ、効率良く造影剤を血液から除去することが可能となる。
本発明の造影剤除去システムによれば、従来技術のような採血用カテーテルバルーンを必要としないので、バルーン拡張により冠静脈洞を傷つける危険性がなく、持続的に造影剤を多く含む血液をモジュールに誘導することができる。
さらに、本発明の造影剤除去システムによれば、本発明における採血用カテーテルは、その冠静脈洞留置側先端部の外面にカテーテル内腔に貫通した開孔部を有することを特徴とし、冠静脈洞に無数に密集した冠静脈の入口から流入する造影剤を含む血液を偏り少なく採血することが可能となる。
また、本発明の造影剤除去システムによれば、本発明におけるモジュールに含まれる膜が中空糸であり、造影剤を含む血液を外液と接触させることにより造影剤を除去することを特徴とし、本システムに流入してきた造影剤を含む血液から、効率良く造影剤を除去することが可能となる。
加えて、本発明におけるモジュールに含まれるカラムが、造影剤を吸着除去する吸着体を充填した吸着器であることを特徴とし、本システムに流入してきた造影剤を含む血液から、効率良く造影剤を吸着除去することが可能となる。
さらに、本発明の造影剤除去システムによれば、造影剤を除去した血液が体内に返されることを特徴とし、血漿成分のロスが少なくて済むので、感染の原因となりうる新鮮凍結血漿などの補充を行う必要がない。
本発明における造影剤除去システムの一実施形態の概略図を図1に示す。図1に示す造影剤除去システムは冠静脈洞に留置可能な採血用カテーテル101、採血された血液中の造影剤を除去するモジュール102、モジュールまで血液を誘導する採血回路103、採血量を制御するための採血ポンプ104、造影剤を除去した血液を患者体内に返す返血回路105、採血圧を測定する装置106から構成されるものである。採血用カテーテル101から採血された造影剤を含む血液は、採血回路103を介してモジュール102に誘導され、そこで血液中の造影剤が除去および/または吸着除去され、返血回路105を介して、患者体内に返される。
採血用カテーテル101は、患者の大腿静脈または頸部静脈などから挿入し、冠静脈洞107に留置することが可能なカテーテルである。本発明における採血用カテーテル101の一実施様態における冠静脈洞留置側先端部の拡大図を図2に示す。採血用カテーテル101の構造は、基端部から冠静脈洞留置側先端部まで内腔を有する単なる管状構造でもよいが、採血量を確保する点で、先端部の外面にカテーテル内腔に貫通した開孔部108が備えられている構造が好ましい。開孔部108の数に制限はないが、冠静脈洞には冠動脈から流出した造影剤を含む血液が流入する冠静脈の入口が無数に密集していることから、複数であることが好ましい。また、開孔部108の面積の総和(S1)はカテーテル101の内腔の断面積(S0)より大きいことが好ましく、S1がS0の2倍以上であることがより好ましいが、S1がS0の30倍より大きいと強度に低下がみられることから、S1がS0の2倍以上、S0の30倍以下であることが好ましい。開孔部108はカテーテル101の長軸方向に直線状、螺旋状とどのような配置でもよく、全くの不規則に配列していてもよいが、冠静脈洞には冠動脈から流出した造影剤を含む血液が流入する冠静脈の入口が無数に密集していて方向も個体によることから、どの方向からもまんべんなく血液が流入できるような配列であることがより好ましい。即ち、多方向に均一または均一に近い状態で配列していることが好ましい。
また本発明において用いられる外液としては、造影剤を含む血液と接触させた際に造影剤を除去しうるものであれば特に制限無く用いることが出来、このような外液としては、透析液等が例示出来る。
本発明におけるモジュール102は、該モジュールの一部または全部が膜であることを特徴とする。モジュール102における膜は外液と接触可能な半透膜であれば良いが、中空糸であればなお好ましい。図3および図4はその一実施形態であり、膜およびカラム、ならびにそれらを連結する連結回路からなるモジュールの概略図である。図3および図4において、109は中空糸、110は連結回路、111は吸着体、112は血液流入口、113は血液流出口、114はハウジング、115はメッシュ、116は外液流入口および流出口である。本実施形態において、造影剤を含む血液は、中空糸109内を通過する際、外液と接触せしめることにより容易に外液中に除去され、除去された造影剤は外液とともに外液流入口から排出される一方、造影剤が除去された血液は、連結回路110からカラムへ導入され、残存する造影剤は、吸着体111によって吸着除去される。
しかしながら本発明におけるモジュール102はこのような具体例に限定されるものではなく、例えば、血液の入口および出口を有し造影剤を含む血液が外液と接触可能な膜のみでモジュールが構成されても良い。また、カラムは、血液の入口および出口を有し吸着体の容器外への流出を防止する手段を備えた容器内に、造影剤を吸着する吸着体を充填した吸着器等が使用可能であり、形状は特に限定されるものではない。
図4に示すように、カラムは吸着体111が充填されているものであり、吸着体111は物理化学的に造影剤を吸着する水不溶性の吸着体である。本発明における吸着体は造影剤の比表面積を確保できる点から多孔体であることが好ましい。多孔体とは多数の連続した、もしくは不連続の孔を有するものである。造影剤吸着量が多いことから比表面積は800m2/g以上であることが好ましい。多孔体としては、シリカゲル、アルミナゲル、ゼオライト、活性炭などあるが、比表面積が大きい点から活性炭が最も好ましい。
吸着体の形状としては、球状、粒状、糸状、中空糸状、平膜状等いずれも有効に用いられるが、体外循環時の血液の流通面より、球状または粒状が最も好ましく用いられる。
吸着体は血液と接触するが、血液は異物に接触すると凝固する。そのため、本吸着体は、血液との親和性をよくするために、血小板の付着を制御するための表面処理をしたものであってもよい。例えば吸着体の血液と接触する表面に、血小板低粘着性材料のコート層をもうけることが好ましい。
図4に示すように、モジュール102が膜、カラム、およびそれらを連結する連結回路からなる場合においては、モジュールに含まれる連結する回路は、単純な入口と出口のみを有する連結管であっても良いが、さらには、補充液を持続的に補充することができるように分岐を有していても良い。あるいは、カラムをバイパスすることが可能な分岐を有していても良い。
図1に示すように、モジュール102で造影剤が除去された血液は返血回路105を介して患者の大腿静脈などの末梢血管に返血される。
本発明における採血ポンプ104は、採血用カテーテル101から採血した造影剤を含む血液を、採血回路103を介してモジュール102に誘導するための血液ポンプである。また、採血圧を測定する装置106は、採血用カテーテル101と採血ポンプ104の間で測定される採血圧を測定するものである。本発明における採血圧とは、採血量が0mL/minである時の、採血圧を測定する装置106で測定された圧力をP0mmHg、採血流量がQ1mL/min(Q1>0)である時の、採血圧を測定する装置106で測定された圧力をP1mmHgとした場合の両圧力の差、(P1−P0)である。採血量が増加するとP1の値が減少し、採血圧は陰圧となる。採血圧が過度の陰圧となると、血管の偏平化あるいは著しい場合は血管の閉塞を引き起こし、患者に大きな負担を与える。採血圧が−200mmHg以下になると血管が閉塞する可能性が極めて高いため、採血圧が−200mmHg以上であることが好ましい。造影剤を効率良く除去するためには、モジュール102に誘導される採血量が多いほどよい。本発明においては、採血圧を測定する装置106で採血圧をモニタリングしながら採血圧に応じて採血ポンプ104により採血量を制御することができるが、この制御は手動で行っても自動で行っても良い。また、採血圧を制御しながら、可能な限り多い採血量でモジュール102に造影剤を含む血液を誘導することができる。
本発明における造影剤除去システムが対象とする造影剤はX線により識別されるものであって、血管内投与に利用される分子量が約8000以下、イオン性又は非イオン性のヨウ素原子を含む化合物である。具体例を挙げると、イオプロミド、イオパミドール、イオメプロール、アミドトリゾ酸、イオヘキソール、イオタラム酸、ヨーダミド、メトリゾ酸、メトリザミド、イオキシラン等の単量体、および、イオキサグル酸、アジピオドン、イオトロクス酸、ヨードキサム酸、イオトロラン、等の二量体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
血液の代替として50w/w%Wグリセリン水溶液を採血用カテーテルの開孔部を有する先端部から流入し、採血用カテーテルの基端部に採血回路の一端を接続し、採血ポンプを経由して、採血回路のもう一端を図3に示すモジュールの血液流入口に接続した。本実施例においては、モジュールを単純な連結管でバイパスし、モジュールの血液流出口に返血回路の一端を接続した。また、採血回路の採血用カテーテルと採血ポンプとの間に採血圧を測定する装置を接続した。採血圧を見ながら、採血ポンプを始動させ循環させたところ、採血量が100mL/minで採血圧は−120mmHg程度であり、採血量が140mL/minで採血圧は−170mmHg程度であった。
(実施例2)
LWDブタ(体重55.6kg)に対し、吸入麻酔下に右大腿静脈に固定したシースから採血用カテーテルを挿入し、開孔部を有する先端部を冠静脈洞に留置した。採血用カテーテルの基端部に採血回路の一端を接続し、採血ポンプを経由して、採血回路のもう一端を図3に示す吸着器の血液流入口に接続した。本実施例においては、モジュールは膜として透析器を使用した。続いて透析器の血液流出口に返血回路の一端を接続し、もう一端をコブタの左大腿静脈に固定した留置針に接続した。また、採血回路の採血用カテーテルと採血ポンプとの間に採血圧を測定する装置を接続した。採血圧を見ながら、採血ポンプを始動させ血液を循環させたところ、採血量が140mL/minで採血圧は−80mmHg程度であった。体外循環が安定してから、透析流量158mL/min、濾過流量42mL/minで血液濾過透析を開始した。外液として透析液を使用し、補充液を濾過流量と同量持続添加した。採血量が140mL/minのままで採血圧は−90mmHg程度を維持していた。
コブタの右頸静脈に固定したシースにガイディングカテーテルを挿入し、左冠動脈に留置し、造影剤を2.5mL/minで持続的に注入し、計240mLの造影剤を冠動脈内に注入した。
造影剤の注入開始から90分間採血量140mL/minで血液循環を行った際の透析器の血液流入口および血液流出口、大腿動脈から経時的に採血し、血液中の造影剤濃度およびヘマトクリット(Hct)を測定し、モジュール前後における除去率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2009077837
表1の結果をみると、大腿動脈血中の造影剤濃度が吸着器流入口の造影剤濃度に比べて低濃度に抑えられていることから、冠動脈から注入された造影剤を効率良く冠静脈洞から採血できていること、造影剤が全身を循環することを防止できたことがわかる。
また、透析器前後での除去率は、造影剤投与中平均80%であり、総投与量に対する除去率は47%であったことから、本発明による造影剤除去システムを使用することで、高い造影剤除去率を達成できた。さらに、モジュールとして膜を使用することにより、造影剤投与量に拘わらず、体外循環中ずっと一定の除去率が持続される。
さらに、モジュールの血液流出口の造影剤濃度を0mg−I/mL−Plasmaとし、本発明による造影剤除去システムに流入してきた造影剤を全て除去したい場合、モジュールが、膜、カラム、およびそれらを連結するための連結回路から構成されれば達成できる。
また、本発明による造影剤除去システムではバルーンを有しない採血カテーテルを用いることにより、バルーン拡張により冠静脈洞を傷つける危険性がなく、かつ、バルーンによる血流の遮断の必要がないため、持続的に造影剤を多く含む血液をモジュールに誘導することができる。表1の結果から、本発明による造影剤除去システムを使用することで、90分間体外循環を安全に継続することが可能であった。
(実施例3)
血漿の造影剤濃度が18mg−I/mL−Plasmaである牛血(Hct=30%±3%)のプールの中に採血回路の一端を設置し、採血ポンプを経由して、採血回路のもう一端を図3に示すモジュールの血液流入口に接続し、モジュールの血液流出口に返血回路の一端を接続した。また、採血回路の採血用カテーテルと採血ポンプとの間に採血圧を測定する装置を接続した。本実施例においては、モジュールは膜として透析器を使用し、外液として透析液を使用した。
採血ポンプを始動し採血量140mL/minで循環した。透析液は流量200mL/minで流した。
その結果、モジュールの血液流出口から採取した血液の血漿造影剤濃度は3mg−I/mL−Plasmaであった。
(実施例4)
血漿の造影剤濃度が4mg−I/mL−Plasmaになるように持続的に造影剤を添加した牛血(Hct=30%±3%)のプールの中に採血用カテーテルの開孔部を有する先端部を設置し、採血用カテーテルの基端部に採血回路の一端を接続し、採血ポンプを経由して、採血回路のもう一端を図4に示すモジュールの血液流入口に接続し、モジュールの血液流出口に返血回路の一端を接続した。また、採血回路の採血用カテーテルと採血ポンプとの間に採血圧を測定する装置を接続した。本実施例においては、モジュールは膜として透析器を、カラムの吸着体として活性炭を使用し、外液として透析液を使用した。
採血ポンプを始動し採血量140mL/minで循環した。透析液は流量160mL/minで流入させ、200mL/minで流出させた。また、モジュールに含まれる連結回路において補充液として透析液を40mL/minで持続添加した。
その結果、120分間、モジュールの血液流出口から採取した血液の血漿造影剤濃度は0mg−I/mL−Plasmaであった。採血圧−110mmHg前後を維持したまま、120分間の血液循環が安定的に実施できた。
(実施例5)
血漿の造影剤濃度が4mg−I/mL−Plasmaになるように持続的に造影剤を添加した牛血(Hct=30%±3%)のプールの中に採血用カテーテルの開孔部を有する先端部を設置し、採血用カテーテルの基端部に採血回路の一端を接続し、採血ポンプを経由して、採血回路のもう一端を図4に示すモジュールの血液流入口に接続し、モジュールの血液流出口に返血回路の一端を接続した。また、採血回路の採血用カテーテルと採血ポンプとの間に採血圧を測定する装置を接続した。本実施例においては、モジュールは膜として透析器を、カラムの吸着体として活性炭を使用し、外液として透析液を使用した。
採血ポンプを始動し採血量140mL/minで循環した。透析液は流量160mL/minで流入させ、200mL/minで流出させた。また、モジュールに含まれる連結回路において補充液として透析液を40mL/minで持続添加した。120分間循環後、モジュールのカラム部分を単純な連結回路でバイパスした状態でさらに20分間循環した。
その結果、20分間循環中、モジュールの連結回路の透析液を40mL/minで持続添加している上流側から採取した血液の血漿造影剤濃度は0.8mg−I/mL−Plasmaであった。
本発明における造影剤除去システムの一実施形態の概略図である。 本発明における採血用カテーテルの冠静脈洞留置側先端部の一実施形態の概略図である。 本発明におけるモジュールの一実施形態の概略断面図である。 本発明におけるモジュールの別の一実施形態の概略断面図である。
符号の説明
101 採血用カテーテル
102 モジュール
103 採血回路
104 採血ポンプ
105 返血回路
106 採血圧を測定する装置
107 冠静脈洞
108 開孔部
109 中空糸
110 連結回路
111 吸着体
112 血液流入口
113 血液流出口
114 ハウジング
115 メッシュ
116 外液流入口および流出口

Claims (6)

  1. 冠静脈洞に留置可能な採血用カテーテル、採血された血液中の造影剤を除去するモジュール、モジュールまで血液を誘導する採血回路、採血量を制御するための採血ポンプ、造影剤を除去した血液を患者体内に返す返血回路、採血圧を測定する装置を備えている造影剤除去システムであって、該採血用カテーテルは冠静脈洞留置側先端部の外面にカテーテル内腔に貫通した開孔部を有するとともに、該モジュールの一部または全部が膜であることを特徴とする造影剤除去システム。
  2. 前記モジュールを構成する膜が中空糸であり、造影剤を含む血液を外液と接触させることにより、造影剤を除去することを特徴とする請求項第1に記載の造影剤除去システム。
  3. 前記モジュールが膜、カラム、およびそれらを連結するための連結回路からなることを特徴とする請求項第1〜2に記載の造影剤除去システム。
  4. 前記モジュールに含まれるカラムが、造影剤を吸着除去する吸着体を充填した吸着器であることを特徴とする請求項3記載の造影剤除去システム。
  5. 前記吸着器に充填された吸着体の比表面積が800m2/g以上であることを特徴とする請求項4記載の造影剤除去システム。
  6. 前記吸着器に充填された吸着体が活性炭であることを特徴とする請求項4または5記載の造影剤除去システム。
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JP2007105241A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Kaneka Corp 造影剤除去システムの作動方法

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