JP2009077124A - スピーカー振動体 - Google Patents

スピーカー振動体 Download PDF

Info

Publication number
JP2009077124A
JP2009077124A JP2007243729A JP2007243729A JP2009077124A JP 2009077124 A JP2009077124 A JP 2009077124A JP 2007243729 A JP2007243729 A JP 2007243729A JP 2007243729 A JP2007243729 A JP 2007243729A JP 2009077124 A JP2009077124 A JP 2009077124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
aromatic polyamide
wholly aromatic
fiber
vibrating body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007243729A
Other languages
English (en)
Inventor
Saoaya Kuroda
幸乙綾 黒田
Makoto Otsubo
誠 大坪
Kosaku Asagi
康策 浅黄
Tetsuya Akamatsu
哲也 赤松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Techno Products Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Techno Products Ltd filed Critical Teijin Techno Products Ltd
Priority to JP2007243729A priority Critical patent/JP2009077124A/ja
Publication of JP2009077124A publication Critical patent/JP2009077124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Abstract

【課題】染色された全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物からなり、多様な色相を有し軽量かつ剛性と内部損失のバランスに優れたスピーカー振動体および振動板を提供することにある。
【解決手段】染色された全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物、又は該染色された全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物に熱硬化性樹脂が含浸された全芳香族ポリアミド繊維樹脂複合構造体、から構成されるスピーカー振動体において、染色に用いる全芳香族ポリアミド繊維が、含水しているパラ系全芳香族ポリアミド繊維であるスピーカー振動体とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色された全芳香族ポリアミド繊維からなり、軽量かつ剛性と内部損失のバランスに優れた振動体および振動板や振動体、およびセンターキャップなどのスピーカー振動体に関するものである。
一般に、スピーカー振動体に要求される特性としては、ヤング率(弾性率、剛性)が高いこと、および適度な内部損失(tanδ)を有することが挙げられる。そのためヤング率を改善する手段としては、代表的には、カーボン繊維とエポキシ樹脂との組み合わせによるFRPを用いた振動板が挙げられ、また内部損失を改善する手段としては、代表的には、ポリプロピレンのような合成樹脂を用いた振動板が挙げられる。
前記のような振動板は、それぞれに問題を有しており、ヤング率や内部損失の両方のバランスを満足させていない。
一方、剛性(ヤング率)と内部損失とをバランス良く改善する手段として、ポリエチレンナフタレートのフィルムを用いた振動体(特開平1−67099号公報、特開平6−181598号公報)が、またポリエチレンナフタレート繊維の織布を含む基材に熱硬化性樹脂が含浸されてなる振動板が提案されている(特開2004−193716号公報)。
又特に近年高強度高弾性繊維であるパラ型アラミド繊維を用いたスピーカー用振動板が機能性と剛性とのバランス又難燃性に優れたものとして提案されている。(特開平2−228197号公報、特開2001−169387号公報、特開2007−208809号公報)
これらのものはいずれも剛性(ヤング率)と内部損失とのバランス等の機能性は満たしたものの、しかしながら、振動体や振動板を形成させる素材そのものの色が露呈されており、近年スピーカー機能として良好で且つ美的感性の点から多様な色相のものが要求されるようになってきた。
多様な色相を得るために顔料による原着は可能なものの、生産性が低下したり又工程歩留まりが低下するという問題点や、又染色については樹脂の難染性のため発色や堅牢度が悪いとか、高温染色で行うため物性が低下するという問題点があった。
こうした点から、優れたヤング率と内部損失を有し、且つ多様な色相を有するスピーカー振動体や振動板が強く望まれている。
特開平1−67099号公報 特開平6−181598号公報 特開2004−193716号公報 特開平2−228197号公報 特開2001−169387号公報 特開2007−208809号公報
本発明の目的は、染色された全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物からなり、多様な色相を有し美的感性に優れた軽量かつ剛性と内部損失のバランスに優れた振動体および振動板や振動体、およびセンターキャップなどのスピーカーに用いる振動体や振動板を提供することにある。
染色された全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物、又は該染色された全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物に熱硬化性樹脂が含浸された全芳香族ポリアミド繊維樹脂複合構造体、から構成されるスピーカー振動体であって、染色に用いる全芳香族ポリアミド繊維が、含水率が10%以上のパラ系全芳香族ポリアミド繊維であるスピーカー振動体とする。
含水率が10%以上のパラ系全芳香族ポリアミド繊維を用いた繊維構造物とすることにより染色が鮮明で且つ堅牢度も良好で多品種小ロット対応ができ、ヤング率や内部損失等機能性が良好なスピーカー振動体とすることができる。特に含水しているパラ系全芳香族ポリアミド繊維が、ポリマー溶媒溶液からポリマーの非溶媒である水系凝固液に導入して凝固し乾燥することなく得られたパラ系全芳香族ポリアミド繊維、とりわけパラ系全芳香族ポリアミドフィブリッドを用いることにより染色時の物性ダメージが少なく良好な振動板が得られる。
本発明で使用する全芳香族ポリアミド繊維は、別名アラミド繊維とも呼ばれており、パラ系とメタ系があるが、スピーカー用振動板として剛性の高いパラ系アラミド繊維が好ましく用いられるがメタ系と混合繊維などとしても構わない。特にポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下、PPTAともいう)であるTWARON(帝人トワロン株式会社製)あるいはKEVLAR(デュポン株式会社製)が好ましく用いられる。
又本発明で染色に使用するパラ系全芳香族ポリアミド繊維は、含水率が10%以上であることが必要である。含水しているとは水分が繊維表面に付着しているものではなく、全芳香族ポリアミド結晶構造内に存在していることを意味し、芳香環周囲に介在していることが好ましい。
このような含水率が10%以上であるパラ系全芳香族ポリアミド繊維の好ましい一形態としては、パラ系全芳香族ポリアミドフィブリッドが挙げられる。
フィブリッドとは微小のフィブリルを有する薄葉状、鱗片状の小片、又は、ランダムにフィブリル化した微小短繊維で、且つ繊維の結晶構造が強固に形成されること無く、非結晶状態で水分子又は水分が結晶構造内に存在するようなものを指す。
そのような含水全芳香族ポリアミドフィブリッドとしては、繊維形成性高分子重合体であるパラ系全芳香族ポリアミド樹脂の溶媒溶液をパラ系全芳香族ポリアミド樹脂の非溶媒である水系凝固浴に導入して得られた(沈殿)成形物を、乾燥することなく回収し、必要に応じて叩解等のフィブリル化処理することにより得られる。例えば、WO2004/099476 A1、特公昭35−11851号公報、特公昭37−5732号公報等に記載された方法により、ポリマー重合体溶液をその沈澱剤と剪断力の存在する系において混合することにより製造されるフィブリッドや、特公昭59−603号公報に記載された方法により、光学的異方性を示す高分子重合体溶液から成形した分子配向性を有する非晶質含水成形物であり、必要に応じて叩解処理を施すことができる。この叩解処理は、デイスクリファイナー、ビーター、その他の機械的切断作用を及ぼす抄紙原料処理機器によって実施することができる。
含水全芳香族ポリアミドフィブリッドの含水率としては10%以上であることが必要で、好ましくは10〜99%より好ましくは70〜95%である。10%未満であれば染色性が低下し、99%以上であれば水分が多く効率が悪い。好ましくは75〜95%である。必要に応じて乾燥工程を通すことにより含水率を調整することができるが、通常凝固後乾燥することなく得られた含水全芳香族ポリアミドフィブリッドそのまま用いることが効率的で効果が高い。
含水全芳香族ポリアミドフィブリッドを含む繊維構造物としては湿式抄造紙が好ましい。湿式抄造する方法としては、含水全芳香族ポリアミドフィブリッド等を水を主成分とする分散媒に分散してスラリーとし、公知の抄紙装置を用いて行うことができる。
得られた湿式抄造紙は乾燥後後述する熱硬化性樹脂を含浸することもできるし、加熱プレスしてそのまま用いることもできる。
含水率が10%以上であるパラ系全芳香族ポリアミド繊維の好ましい他の形態としては、含水率が15%以上で結晶サイズ(110面)が30〜55Åである長繊維又は短繊維が挙げられる。好ましくは含水率15〜60%である15%未満では染色性が低下し、605を超えると繊維化工程での断糸等トラブルが多発し好ましくない。
含水率が15%以上で結晶サイズ(110面)が30〜55Åであるパラ系全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法としては、公知の方法により行うことができるが、ポリマー溶媒溶液からポリマーの非溶媒である水系凝固液に紡糸して凝固し更に延伸して繊維化するが、繊維糸条の乾燥条件を必要に応じて行うことにより含水率を調整することが出来る。最も好ましくは凝固が乾燥することなく得られたパラ系全芳香族ポリアミド繊維である。
上記の含水率が15%以上で結晶サイズ(110面)が30〜55Åである全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物としては、長繊維、短繊維、パルプ、の少なくとも一種以上よりなる繊維構造物であり、短繊維の場合、紡績糸、不織布であってもよく、また短繊維および長繊維いずれの場合においても製編織物であっても構わない。
またスピーカ振動特性を損なわない範囲で、他の合成繊維、天然繊維などを混合しても構わない。
上記繊維構造物に含浸する熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドアミノ樹脂、PES樹脂、PEEK樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、或いはエポキシ樹脂、メラミン樹脂およびCPレジンからなる群から選ばれる一種以上を用いることが好ましい。硬化剤を同時に併用することが好ましい。
上記熱硬化性樹脂を含浸する方法としては、例えば液状の硬化剤を含む溶融熱硬化性樹脂を上述の繊維構造物に含浸し繊維樹脂複合構造体とすることが好ましい。
更に全芳香族ポリアミド繊維樹脂複合構造体の少なくとも片面に熱可塑性樹脂被覆層を形成することが基材層単独の場合に発生し易い固有音の発生を防止することが可能となり、ピークディップのない周波数特性を有するスピーカー振動板が得る上で好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマーおよび熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも1種からなることが好ましい。
被覆層を形成させる方法としては公知の方法で行うことができるが、例えば上述の繊維構造物の上に別工程で形成した熱可塑性樹脂膜を貼り合わせることにより行うことができるし、熱可塑性樹脂の溶融溶液又は有機溶剤溶液を繊維構造物上に流延し必要に応じて乾燥し被覆層とすることもできる。被覆層ができるのであれば良く特に限定されるものではない。
本発明において全芳香族ポリアミド繊維を染色する染色方法は、特殊な設備や特殊な方法を必要とせず、既存の合成繊維の染色設備を用いることができる。全芳香族ポリアミド繊維を染色した後繊維構造物とすることもできるし、繊維構造物とした後に染色することもできる。
また染料としては、カチオン染料、分散染料、また更にはカチオン/分散混合染料の何れも用いることが出来るが、緻密な構造に浸透しやすく、また染着性は一般的にイオン結合であり染色後の堅牢性や色相安定性がよいカチオン染料が望ましい。
そのカチオン染料とは水に可溶性で、塩基性を示す基を有する水溶性染料をいい、アクリル繊維、天然繊維或いはカチオン可染型ポリエステル繊維等の染色に多く用いられており、ジ及びトリアクリルメタン系、キノンイミン(アジン、オキサジン、チアジン)系、キサンテン系、メチン系(ポリメチン、アザメチン)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ)、アントラキノン系などがある。また、最近では塩基性基を封鎖することにより水分散型にしたカチオン染料もあるが、両者とも用いることが出来る。
染色温度は、95℃以上150℃以下が好ましく120℃以上がより好ましい。染色温度が95℃以下であると、染色性が不充分になる場合がある。また染色温度は高いほど染着性高まるものの、反面、染料の分解やアラミド繊維と他の素材を複合している場合には複合素材の劣化の問題も発生し始めるので、必ずしも高温にすればするほど良いわけではなく高くても140℃程度が好ましい。
またキャリヤーを併用してもよく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、アセトン、アセトフェノン、NMP、DMSO、DMF、エチレングリコール、アセトニトリルから選択された少なくとも1種以上用いて染色しても構わない。
染色装置としてアラミドフィブリッドや短繊維、パルプの場合浸染タイプであるパッケージ染色機、フィラメントの場合チーズ染色機、あるいは製編織物として拡布染色機のビーム染色機やジッガー染色機、またロープタイプとして液流染色機などが好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明の構成および効果を詳細に説明する。
尚、実施例/比較例で行った被染色物の評価方法は下記の方法に従って行った。
染色性の評価は、測色計としてマクベス カラーアイ(Macbeth COLOR−EYE)モデルCE−3100を用いて行った。
布帛全体の染色性としては、明度指数L*で表現した。明度指数L*は、JIS Z 8701法(2度視野XYZ系による色の表示方法)又はJIS Z 8728法(10度視野XYZ系による色の表示方法)に規定する三刺激値のYを用いて、次式より求められるものである。
L*=116(Y/Yn)1/3−16
Y/Yn>0.008856
Y :XYZにおける三刺激値の値
Yn:完全拡散反射面の標準の光によるYの値
但し、Y/Ynが0.008856以下の場合は、次式による。
L*=903.29(Y/Yn)
Y/Yn≦0.008856
より、明度指数L*値を求めた。明度指数L*は数値が小さい程、濃染化されていることを示す。
他の測定法は下記の通りである。
含水率:は以下の式によって算出される。
{(含水時の繊維重量)−(絶乾時の繊維重量)}/(含水時の繊維重量)*100
目付け: JIS L1096に準拠して行った。
密度:JIS C2111の6.1により測定した。
ヤング率:岩本製作所の粘弾性測定装置UES−F型で測定した。
結晶サイズ:X線回折として2次元PSPC搭載X線回折装置(Bruker AXS製)を用いて、
より、結晶サイズD(Å:110面)を求めた。
伝達速度:振動板の動的性質を通常の方法より求め、SQRT(ヤング率/密度)で示す。
内部損失(tanδ):岩本製作所の粘弾性測定装置UES−F型で測定した。
尚、伝達速度および内部損失は、従来の振動板物性値と比較した場合の向上率を算出した。
[実施例1]
帝人トワロン株製、未乾燥高含水芳香族ポリアミドフィブリッド(含水率90%、WO2004/099476の手法に準じて作製)を下記染色浴で昇温2℃/分下、浴比1:30で130℃×60分処理した。
・赤系カチオン染料(R−29) 6%owf(パルプ絶乾重量比)
・酢酸 0.3cc/l
・硝酸Na 25g/l
・分散剤(ディスパーTL) 0.5g/l
次いで、該染色パルプを抄紙濃度0.3%程度のパルプ液に調整し、公知の離解機を用いて3分間離解し、抄紙用スラリーを作製した。その後、寸法25×25cmのTAPPI式角型手漉きシートマシン(熊谷理機製)を使用して25×25cm角の手漉きシートを作製した。得られたシートを無圧下、120℃で5時間乾燥させた。目付けは70g/mであった。これに不飽和ポリエステル溶液5g(下記組成)を滴下した。次いで、所定の形状のマッチドダイ金型を用いて130℃で30秒間成形し、口径12cm、厚さ0.25mmのスピーカー振動板を得た。
・不飽和ポリエステル溶液の組成
日本触媒製不飽和ポリエステル樹脂(N350L)100部、日本油脂製低収縮化剤(モディパーS501)5部、日本油脂製パーオクタO 1.3部を用いて調製した。
得られた振動板は、L*31.0で十分染色され見栄えのよい物であり、動的性質ヤング率、伝達速度、内部損失ともに比較例1対比ヤング率20%、伝達速度20%、内部損失15%以上でスピーカー振動板として良好なものであった。
[実施例2]
実施例1において、染色浴を下記にした以外は、同様に処理し評価した。
・ Aizen Catilon Black RL−DP 6%owf
その際のL*は23.9で十分染色され、ヤング率20%、伝達速度20%、内部損失15%以上でスピーカー振動板として良好なものであった。
[実施例3]
実施例1において、染色浴を下記にした以外は、同様に処理し評価した。
・ Kayalon Polyester Red AUL−S 6%owf
・ 分散剤(ディスパーVG) 0.5g/l
・ 酢酸 0.3cc/l
その際の染色性はL*30.4で十分に染色され、見栄えのよい物であり、動的性質ヤング率、伝達速度、内部損失ともに比較例1対比ヤング率20%、伝達速度20%、内部損失15%以上でスピーカー振動板として良好なものであった。
[実施例4]
実施例1において、染色浴を下記にした以外は、同様に処理し評価した。
・ Kayalon Polyester Black AUL−S 6%owf
・ 分散剤(ディスパーVG) 0.5g/l
・ 酢酸 0.3cc/l
その際の染色性はL*28.30で十分に染色され、見栄えのよい物であり、動的性質ヤング率、伝達速度、内部損失ともに比較例1対比ヤング率20%、伝達速度20%、内部損失15%以上でスピーカー振動板として良好なものであった。
[実施例5]
実施例1において、未乾燥高含水芳香族ポリアミドフィブリッドの代わりに帝人トワロン株製未乾燥高含水トワロンフィラメント繊維(通常の方法で得られたPPTA(ηinh=6.5)を99.9%の濃硫酸に溶かし、ポリマー濃度19.0%、温度80℃の紡糸ドープとし、孔径0.06mm、細孔数1000個の口金から紡糸し、水中凝固後、中和処理し、ホットローラ(110℃×15秒間)にて予備乾燥させ、156dtex/1000filを得た。このときの含水率は60%であった。これを用い、実施例1と同様に染色した。次いで平織物(タテ/ヨコ:1100dtex、密度:17×17本/inch、目付け166g/m)とし、25×25大きさにカットし、実施例1と同様に処理成形し振動板とした。 その際のL*は28.1で十分に鮮明に染色され見栄えのよい物であり、動的性質ヤング率、伝達速度、内部損失ともに比較例1対比ヤング率20%、伝達速度20%、内部損失15%以上でスピーカー振動板として良好なものであった。
[実施例6]
実施例1において、未乾燥高含水芳香族ポリアミドフィブリッドを乾燥工程を経て含水率を70%とした以外は、同様に処理し評価した。その際の染色性はL*31.5であり、染色性は良好であった。そのほかの特性は実施例1とも同等であった。
[実施例7]
実施例1において、樹脂含浸しなかった以外は同様の方法で処理した。
その際の染色性はL*28.1であり、染色性は良好であった。見栄えのよい物であり、動的性質ヤング率、伝達速度、内部損失ともに比較例1対比ヤング率10%、伝達速度20%、内部損失15%以上でスピーカー振動板として良好なものであった。
[比較例1]
実施例1において、未乾燥高含水芳香族ポリアミドフィブリッド(含水率90%、カット長0.1mm)をセルロース系繊維パルプとした以外は、同様に処理し評価した。その際の染色性は不十分であり、スピカー振動板の性能はヤング率3.55×1010(dyne/cm)、内部損失(tanδ)4.02×10−2であった。
[比較例2]
実施例1において、帝人トワロン株製、未乾燥高含水芳香族ポリアミドフィブリッド(含水率90%)を乾燥工程を経た乾燥芳香族ポリアミドフィブリッド(含水率3.5%)とした以外は、同様に処理し評価した。その際の染色性はL*43.2であり、染色性不十分であった。そのほかのヤング率、伝達速度、内部損失ともに実施例1と同等であった。
[比較例3]
実施例1において、未乾燥高含水芳香族ポリアミドフィブリッド(含水率90%)を乾燥工程を経た含水芳香族ポリアミドフィブリッド(含水率6.5%)とした以外は、同様に処理し評価した。その際の染色性はL*44.1であり、染色性不十分であった。そのほかのヤング率、伝達速度、内部損失ともに実施例1と同等であった。
[比較例4]
実施例5において、同様に紡糸して得た156dtex/1000fil(含水率60%)をさらに350℃×15秒間熱処理した(含水率4%)以外は、同様に処理し評価した。その際の染色性は不十分であった。そのほかのヤング率、伝達速度、内部損失ともに実施例5と同等であった。
本発明のスピーカー振動板は軽量で剛性が高く且つ高機能性で美的感性にも富み製造方法も簡単であることから広く利用される。

Claims (10)

  1. 染色された全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物、又は該染色された全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物に熱硬化性樹脂が含浸された全芳香族ポリアミド繊維樹脂複合構造体、から構成されるスピーカー振動体であって、染色に用いる全芳香族ポリアミド繊維が、含水率が10%以上であるパラ系全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とするスピーカー振動体。
  2. 含水率が10%以上であるパラ系全芳香族ポリアミド繊維がパラ系全芳香族ポリアミドフィブリッドである請求項1記載のスピーカー振動体。
  3. 含水率が10%以上であるパラ系全芳香族ポリアミド繊維が、含水率15%以上で結晶サイズ(110面)が30〜55Åであるパラ系全芳香族ポリアミド繊維である請求項1記載のスピーカー振動体。
  4. 請求項3記載のパラ系全芳香族ポリアミド繊維が長繊維又は短繊維であるスピーカー振動体。
  5. 繊維構造物が湿式抄造紙である請求項1〜2いずれか記載のスピーカー振動体。
  6. 繊維構造物又は繊維熱硬化性樹脂複合構造物の少なくとも片面に熱可塑性樹脂からなる被覆層を有する請求項1〜5記載のスピーカー振動体。
  7. 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドアミノ樹脂、PES樹脂、PEEK樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、或いはエポキシ樹脂、メラミン樹脂およびCPレジンからなる群から選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のスピーカー振動体。
  8. 前記熱可塑性樹脂が、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマーおよび熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項6〜7いずれか記載のスピーカー振動体。
  9. 染料としてカチオンおよび/または分散染料により染色されたものである請求項1〜8いずれか記載のスピーカー振動体。
  10. 全芳香族ポリアミド繊維が浸染、捺染、インクジェット、サーモゾル、ディッピングの群から選ばれた少なくとも一つで染色されたものである請求項1〜9記載のスピーカー振動体。
JP2007243729A 2007-09-20 2007-09-20 スピーカー振動体 Pending JP2009077124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007243729A JP2009077124A (ja) 2007-09-20 2007-09-20 スピーカー振動体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007243729A JP2009077124A (ja) 2007-09-20 2007-09-20 スピーカー振動体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009077124A true JP2009077124A (ja) 2009-04-09

Family

ID=40611685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007243729A Pending JP2009077124A (ja) 2007-09-20 2007-09-20 スピーカー振動体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009077124A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014123191A1 (ja) * 2013-02-08 2014-08-14 デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社 着色アラミド紙及びその製造方法
CN109618269A (zh) * 2019-02-12 2019-04-12 共达电声股份有限公司 一种振膜及应用该振膜的电声器件

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014123191A1 (ja) * 2013-02-08 2014-08-14 デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社 着色アラミド紙及びその製造方法
US9903073B2 (en) 2013-02-08 2018-02-27 Dupont Teijin Advanced Papers (Japan), Ltd. Colored aramid paper and process for producing same
CN109618269A (zh) * 2019-02-12 2019-04-12 共达电声股份有限公司 一种振膜及应用该振膜的电声器件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6485828B2 (en) Flat synthetic fiber, method for preparing the same and non-woven fabric prepared using the same
US9809925B2 (en) Parchmentized fibrous support containing parchmentizable synthetic fibers and method of manufacturing the same
TWI547619B (zh) Meta-type wholly aromatic polyamide fiber
CA2015406C (en) Synthetic polyvinyl alcohol fiber and process for its production
JP5389819B2 (ja) ジアミノジフェニルスルホンから誘導されたフィブリドを含有する紙
JP5144767B2 (ja) ジアミノジフェニルスルホンから誘導されたフロックを含有する紙
CN113321803A (zh) 一种杂环芳纶纺丝原液的改性方法、改性杂环芳纶纺丝原液及应用
JP2009077124A (ja) スピーカー振動体
CN109440212B (zh) 高取向高强韧再生纤维素纤维的制备方法及高取向高强韧再生纤维素纤维
US4340384A (en) Colored, porous fluorocarbon material and method for its manufacture
JPWO2017221961A1 (ja) 立毛調人工皮革及びその製造方法
JP6211882B2 (ja) 湿式不織布およびセパレーター
JP2002138385A (ja) ポリイミド短繊維不織布及びその製造方法並びにその不織布を用いてなるプリプレグ
JP6442034B2 (ja) ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維複合体パルプ
CN110592717A (zh) 一种柔性纺织品专用超细复合纤维及其制备方法
JPS59116411A (ja) 新規なポリアミド繊維およびその製法
JPH05186608A (ja) 薄葉構造材料
KR102351348B1 (ko) 폴리(m-페닐렌 아이소프탈아미드) 및 (6)-아미노-2-(p-아미노페닐)벤즈이미다졸로부터 제조된 공중합체의 혼합물을 포함하는 시트 및 피브리드
JP4031435B2 (ja) 抄紙用ポリエステルバインダー繊維
JP2004308038A (ja) 低密度湿式不織布
JPH046908Y2 (ja)
JPH0339539B2 (ja)
JP6296588B2 (ja) ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維複合体パルプの製造方法
JP2022017796A (ja) スピーカ振動板用シート
JP5519267B2 (ja) 繊維強化樹脂製歯車