JP2009076561A - 冷却装置、受熱器、熱交換器、およびタンク - Google Patents

冷却装置、受熱器、熱交換器、およびタンク Download PDF

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Abstract

【課題】 冷媒のノンストップ循環が可能な冷却装置、受熱器、熱交換器、およびタンクを提供することを目的とする。
【解決手段】 互いに独立した2つの冷媒流路を有し発熱体の熱を受熱して該冷媒流路を流れる冷媒に伝熱する受熱器101と、受熱器101の2つの冷媒流路それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した2系統の冷媒循環路105a,105bと、それぞれの冷媒循環路に接続された熱交換器102a,102bと、タンク103a,103bと、ポンプ104a、104bとを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、情報処理装置、表示装置、通信装置、機械制御装置、電力変換装置などの電子機器に搭載された発熱体を冷却する冷却装置、受熱器、熱交換器、およびタンクに関する。
従来、情報処理装置、表示装置、通信装置、機械制御装置、電力変換装置などの電子機器に搭載された発熱体を冷却する冷却装置として、冷媒循環式の冷却装置が広く用いられている。この冷媒循環式の冷却装置は、例えば、発熱体の熱を受熱する受熱器、受熱した熱を外部に放出する熱交換器、冷媒の貯留及び冷媒や内部空気の膨張を吸収するためのタンク、冷媒を循環させるポンプなどを冷媒循環路で直列に接続することにより構成されている。
例えば、特許文献1には、パーソナルコンピュータのハードディスクドライブからの熱を除去する熱交換器を備えた電子機器が開示されている。また、特許文献2には、ノート型のパーソナルコンピュータの本体部筐体に、発熱体であるCPU(Central Processing Unit)を冷却する冷媒を循環させるポンプを設け、蓋部筐体に、冷媒を循環させる蛇行流路を設けた液冷システムが開示されている。
図27、図28、図29は、従来の冷媒循環式の冷却装置の基本構成例を示す図である。
図27には、発熱体の熱を受熱する受熱器11、受熱した熱を外部に放出する熱交換器12、冷媒の貯留及び冷媒や内部空気の膨張を吸収するためのタンク13、冷媒を矢印方向に循環させるためのポンプ14などが直列に接続された冷却装置10が示されている。
図28、図29には、ポンプを冗長に備えることにより冷媒循環路の信頼性の向上を図った冷却装置が示されている。すなわち、図28には、図27に示した冷却装置10の変型例として、直列に配置された2台のポンプ14aおよびポンプ14bを有する冷却装置10’が示されており、図29には、図27に示した冷却装置10の変型例として、並列に配置された2台のポンプ14aおよびポンプ14bを有するた冷却装置10”が示されている。
図30は、従来の冷媒循環式の冷却装置に用いられる受熱器の外観図である。
図30に示すように、この受熱器11には、受熱器内部の冷媒流路に冷媒を流入させる冷媒流入口11aと、冷媒流路から冷媒を流出させる冷媒流出口11bとが設けられている。
図31は、従来の冷媒循環式の冷却装置に用いられる放熱器(熱交換器)の外観図である。
図31に示すように、この放熱器16には、放熱器内部の冷媒流路に冷媒を流入させる冷媒流入口16aと、冷媒流路から冷媒を流出させる冷媒流出口16bと、放熱用のフィン16cとが設けられている。熱交換器もこの放熱器と同様の構造を有している。
図32は、図30に示す受熱器の内部構造を示す図である。
図32に示すように、この受熱器11の内部には、流路仕切り11dによって仕切られた複数列の冷媒流路11eが形成されており、各冷媒流路11eを冷媒が流れるようになっている。放熱器の場合も同様の構造を有している。
図33は、図32に示す受熱器内部の冷媒の流れの方向を示す図である。
図33に示すように、冷媒流入口11aから流れ込んだ冷媒が、複数列の冷媒流路11e内を矢印方向に流れて冷媒流出口11bから流れ出るようになっている。
以上は、比較的小型の電子機器の冷却装置の例であるが、大型コンピュータなどの大型の電子機器では、次に示すように、受熱器が実装された電子機器と、熱交換器、タンク、およびポンプからなる冷媒供給装置とを独立させた構成としているものが多い。
図34は、従来の大型冷却システムにおけるシステム構成例を示す図である。
図34に示すように、この冷却システム20は、電子機器25に搭載された受熱器21、受熱器21が受熱した熱を外部に放出する熱交換器22、冷媒の貯留及び冷媒や内部空気の膨張を吸収するためのタンク23、冷媒を矢印方向に循環させるためのポンプ24が直列に接続されて構成されている。
この冷却システム20では、電子機器25に実装された受熱器21を、熱交換器22、タンク23、およびポンプ24からなる冷媒供給装置26とは独立した構成とすることにより、信頼性の向上を図っている。
図35は、図34に示す大型冷却システムの発展型の一例を示す図である。
図35に示すように、この冷却システム30では、並列に配置された2台のポンプ34a,34bを有しており、このようにポンプを冗長とすることにより、システムの信頼性の向上が図られている。
また、2台の受熱器と2系統の冷媒循環路とを備えることによって信頼性の向上を図った大型冷却システムが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
図36は、2台の受熱器と2系統の冷媒循環路とを備えた大型冷却システムの一例を示す図である。
この大型冷却システム40は、図34に示した大型冷却システムの発展型の他の例ともいうべきものであり、図36に示すように、この冷却システム40には、電子機器45には2台の受熱器41a,41bに冷媒を循環させる2系統の冷媒循環路が設けられている。
このように、電子機器を冷却する受熱器に冷媒を循環させる冷媒循環路を2系統とし、タンクと熱交換器を共有させることにより、システムの信頼性の向上が図られている。
図37は、2台の受熱器と2系統の冷媒循環路とを備えた、さらに大型の冷却システムの例を示す図である。
図37に示すように、この冷却システム50では、一つの電子機器55に、それぞれ受熱器51、熱交換器52、タンク53、ポンプ54が直列に接続されてなる冷媒循環路が複数系統設けられており、システムの信頼性の一層の向上が図られている。
このように、図34に示した基本的な構成に対して、冗長ポンプを並列に設けたり、複数の冷媒循環路で一つのタンクで共有させたり、タンクにバイパス経路を設けたり、複数系統の冷媒循環路を設けたりするなど、システムの信頼性を向上させる各種の技術が考案されている。
特開平10−213370号公報 特開2006−235914号公報 特開平8−219615号公報
しかし、最近、電子デバイスの高性能化が進み、デバイスの発熱量、発熱密度の上昇が著しいため、冷却性能のさらなる向上が求められている。
また、近年の情報化社会の発展に伴い、電子機器、特にサーバなどの情報処理システムにおいては常時稼働が求められており、冷却装置のノンストップ運転が必須要件となっている。
また、化石燃料の枯渇、地球温暖化といった環境問題がクローズアップされている昨今、冷却装置においても、省エネルギの観点からエネルギを無駄に消費する無駄な動作を抑制することのできる制御系が望まれている。
しかし、上記の従来技術は、必ずしもこれらの課題を充分に満足させるものではない。
先ず、冷却装置のノンストップ運転については、冷媒のノンストップ循環が最低限必要な条件となるが、特許文献1や特許文献2の技術では、ポンプが故障すれば冷媒の循環が停止してしまう。また、特許文献3の技術では、電子機器を冷却する受熱系統を複数系統とすることにより1系統が故障した場合に対処しているが、このように受熱系統を冗長にしただけでは、ポンプや熱交換器の故障には対応できず、冷媒のノンストップ循環を実現するには不十分である。例えば、冷媒に配合された防食材が配管壁に析出して流路が塞がれると冷媒の循環不良が発生してしまう。また、冷媒循環路の接続不良、配管壁の腐食貫通・熱膨張亀裂などによる冷媒の漏液や樹脂系・ゴム系材料の表面からの冷媒の透過・蒸発などにより冷媒量が著しく減少してしまった場合にもやはり循環流を維持することができなくなる。さらに、冷媒循環路の保守の際、特に冷媒を交換する際には、循環流を停止せざるを得ないという問題もある。このように、従来技術では冷媒のノンストップ循環は難しく、従って、電子機器の常時稼動に対するニーズには応えられない。
また、制御系については、上述のように無駄な動作を抑制できる制御系を構築することが省エネの観点から重要であるが、CPUなどの電子デバイスでは、デバイスにかかる負荷が常に激しく変動しており、負荷変動に伴い発熱量も激しく変動している。このように発熱量の変動が激しい電子デバイスを冷却するためには、発熱量の変動に応じて受熱器の受熱能力を制御する必要がある。
ところで、従来技術における受熱器の受熱能力を制御する手段としては、ポンプによる冷媒流量の制御があるのみである。従って、受熱器の制御性はポンプの制御性で決まってしまう。そのため、制御性の悪いポンプを採用すると受熱器の受熱能力を緻密に制御できないため、デバイスの発熱量が低いときなどには必要以上のポンプ駆動が行われてエネルギーを無駄に消費することになる。一方、制御性の高いポンプを採用すると部材費(設備費)を高騰させることになる。
また、電子デバイスの発熱エリアに回路構成や負荷状況に応じてホットスポットが生じることがある。このようなときに、従来技術ではホットスポットエリアの必要受熱能力を基準としてポンプの駆動レベルを決めることとなるため、それ以外のエリアにおける受熱能力は過剰となりエネルギーを無駄に消費することになってしまう。
本発明は、上記事情に鑑み、冷媒のノンストップ循環が可能な冷却装置、受熱器、熱交換器、およびタンクを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の冷却装置は、互いに独立した複数の冷媒流路を有し発熱体の熱を受熱して該冷媒流路を流れる冷媒に伝熱する受熱器と、前記受熱器の複数の冷媒流路それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した複数の冷媒循環路とを有することを特徴とする。
本発明の冷却装置によれば、互いに独立した複数の冷媒流路を有する受熱器と、その複数の冷媒流路それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した複数の冷媒循環路とを有しているので、一つの冷媒循環路に障害が発生しても冷媒のノンストップ循環が可能である。
ここで、上記冷却装置は、複数の冷媒循環路それぞれに接続される互いに独立した複数の冷媒流路を有し該冷媒流路を流れる冷媒の熱を放熱する熱交換器を備えたものであってもよい。
本発明の冷却装置を上記のように構成した場合は、一つの熱交換器を複数の冷媒循環路で共用することができるので、設備費を低減させることができる。
また、上記冷却装置は、複数の冷媒循環路ごとに冷媒を貯留するタンクを備えたものであってもよい。
本発明の冷却装置を上記のように構成した場合は、一つのタンクを複数の冷媒循環路で共用することができるので、設備費を低減させることができる。
また、上記冷却装置は、前記複数の冷媒循環路それぞれに配備され各冷媒循環路に冷媒を循環させる、各冷媒循環路ごとに特性が異なる複数のポンプを備えたものであってもよい。
本発明の冷却装置を上記のように構成した場合は、例えば、圧力損失の高い冷媒循環路には流量は少ないが揚程が大きいポンプを、また、圧力損失の低い冷媒循環路には流量は多いが揚程が小さいポンプを採用することにより各冷媒循環路に適した冷却装置を得ることができる。
また、前記複数の冷媒循環路は、冷媒を、前記受熱器に互いに同一の方向から流入させ該受熱器から互いに同一の方向に流出させるものであってもよい。
本発明の冷却装置を上記のように構成した場合は、冷媒は、受熱器の複数の冷媒流路を平行循環流となって流れるので、平行循環流で冷却することが好ましい発熱体に適した冷却装置を構成することができる。
また、前記複数の冷媒循環路は、冷媒を、前記受熱器に互いに異なる方向から流入させ該受熱器から互いに異なる方向に流出させるものであってもよい。
本発明の冷却装置を上記のように構成した場合は、冷媒は、受熱器の複数の冷媒流路を反平行循環流となって流れるので、反平行循環流で冷却することが好ましい発熱体に適した冷却装置を構成することができる。
また、前記複数の冷媒循環路は、冷媒を、前記熱交換器に、互いに同一な方向から流入させ該熱交換器から互いに同一な方向に流出させるものであってもよい。
本発明の冷却装置を上記のように構成した場合は、冷媒は、熱交換器の複数の冷媒流路を平行循環流となって流れるので、平行循環流で熱交換することが好ましい発熱体に適した冷却装置を構成することができる。
また、上記冷却装置は、前記複数の冷媒循環路それぞれに配備され各冷媒循環路に冷媒を循環させる、複数のポンプと、前記複数のポンプを個別に制御するポンプ制御部とを備えたものであってもよい。
本発明の冷却装置を上記のように構成した場合は、複数の冷媒循環路を流れる冷媒の流れを個別に制御することができるので、複数の冷媒循環路に配備された複数のポンプを一括して制御する構成と比べてきめ細かな制御が可能となる。
また、上記冷却装置は、前記複数の冷媒循環路に、これら複数の冷媒循環路に共通の受熱器と、これら複数の冷媒循環路に共通又は個別に配備された熱交換器およびタンクと、これら複数の冷媒循環路に個別に配備されたポンプとが、該冷媒循環路を流れる冷媒が、ポンプ、受熱器、熱交換器、タンクの順に循環するように配備されているものであってもよい。
本発明の冷却装置を上記のように構成した場合は、ポンプから吐出された冷媒は、受熱器に入り暖められ、暖まった冷媒は熱交換器に入り冷やされ、冷えた冷媒はタンクに溜まりポンプに引き込まれる。従って、ポンプには冷えた冷媒が入るので、冷媒が、ポンプ、熱交換器、受熱器、タンクの順に循環するように構成した場合に比較して、ポンプが劣化する恐れが少なく、冷却装置の信頼性を向上させることができる。
また、上記目的を達成する本発明の受熱器は、発熱体の熱を受熱して冷媒に伝熱する受熱器であって、互いに独立した複数の冷媒流路を有することを特徴とする。
本発明の受熱器によれば、受熱器が有する、互いに独立した複数の冷媒流路それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した複数の冷媒循環路を構成することにより、複数の冷媒循環路を持ち、一つの冷媒循環路に障害が発生しても冷媒のノンストップ循環が可能な冷却装置に好適に適用することができる。
また、上記目的を達成する本発明の熱交換器は、冷媒の熱を放熱する熱交換器であって、互いに独立した複数の冷媒流路を有することを特徴とする。
本発明の熱交換器によれば、熱交換器が有する、互いに独立した複数の冷媒流路それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した複数の冷媒循環路を構成することにより、複数の冷媒循環路を持ち、一つの冷媒循環路に障害が発生しても冷媒のノンストップ循環が可能な冷却装置に好適に適用することができる。
また、上記目的を達成する本発明のタンクは、冷媒循環路の途中に配備された該冷媒循環路を流れる冷媒を貯留するタンクであって、複数の冷媒循環路の途中に該複数の冷媒循環路に共通に配備され該複数の冷媒循環路ごとに冷媒を貯蔵することを特徴とする。
本発明のタンクによれば、複数の冷媒循環路それぞれを流れる冷媒どうしの混入を避ける区切りを有しているので、複数の冷媒循環路に共通な1基だけのタンクで済ますことができる。
また、上記目的を達成する本発明の冷却装置を採用した電子機器は、上記の各冷却装置のうちのいずれか一つの冷却装置と、その冷却装置により冷却される発熱電子部品とを備えたことを特徴とする。
この電子機器によれば、互いに独立した複数の冷媒循環路を有する冷却装置により冷却されるので、一つの冷媒循環路に障害が発生しても冷媒のノンストップ循環が可能であり、従って、電子機器の常時稼動を実現することができる。
本発明によれば、一つの冷媒循環路に障害が発生しても冷媒のノンストップ循環が可能な冷却装置、受熱器、熱交換器、タンクを実現することができる。
また、本発明によれば、受熱器の受熱能力の緻密な制御を行うことができるので、信頼性(可用性・保守性)が高く、環境にやさしく、高い冷却性能を有する冷媒循環式の冷却装置及びその冷却装置を搭載した常時稼動が可能な電子機器を実現することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施形態の冷却装置の概略構成図である。
図1に示すように、この冷却装置100は、互いに独立した2つの冷媒流路を有し発熱体の熱を受熱して該冷媒流路を流れる冷媒に伝熱する受熱器101と、受熱器101の2つの冷媒流路それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した2系統の冷媒循環路105a,105bと、それぞれの冷媒循環路に接続された熱交換器102a,102bと、タンク103a,103bと、ポンプ104a、104bとを有している。
上記のように、この冷却装置100は2つの冷媒循環路を有しているので、一方の冷媒循環路が異物、例えば、冷媒に配合された防食材が析出して配管壁に付着する付着物などで閉塞されて冷媒の循環不良が発生しても、他方の冷媒循環路も同時に閉塞することはないので循環流を維持することができる。
また、冷媒循環路の接続不良、循環経路壁の腐食貫通・熱膨張亀裂などによる冷媒の漏液や、樹脂・ゴム系材料表面からの冷媒の透過・蒸発などにより一方の冷媒循環路の冷媒量が著しく減少してしまった場合でも、他方の冷媒循環路の循環流を維持することができる。
また、冷媒循環路の保守、特に冷媒を交換する際には循環流を停止せざるを得ないが、複数の冷媒循環路を有するため、複数の冷媒循環路で交互に冷媒を交換することができ、冷媒のノンストップ循環を維持することが可能である。
図2は、第1の実施形態の冷却装置に用いられる受熱器の製造手順を示す図である。
先ず、図2(a)に示すように、受熱器101の本体1010の内部に、冷媒が矢印A方向に複数の流れとなって流れる複数の流路pを形成するための複数の隔壁1011を設ける。この複数の隔壁1011の矢印A方向の長さは、受熱器本体1010の矢印A方向の内法よりも短く、隔壁1011の両側の端部と受熱器本体1010との間には所定の大きさの間隙gがそれぞれ設けられている。
次に、図2(b)に示すように、受熱器101の本体内部に、本体の矢印A方向の両側の内壁から中央に向かって延びる、長さが上記間隙gと同じ長さの、隔壁1011とほぼ直角をなす2枚の仕切り板A1014a,1014bを設ける。
そして、仕切り板A1014aによって仕切られた2つの区画のうちの一方の区画1015aに冷媒を流入させる冷媒流入口1012aを、仕切り板A1014bによって仕切られた2つの区画のうちの一方の区画1015bに冷媒を流入させる冷媒流入口1012bをそれぞれ設けるとともに、仕切り板A1014bによって仕切られた2つの区画のうちの一方の区画1016aに冷媒を流出させる冷媒流出口1013aを、仕切り板A1014aによって仕切られた2つの区画のうちの一方の区画1016bに冷媒を流出させる冷媒流出口1013bをそれぞれ設ける。
次に、図2(c)に示すように、複数の隔壁1011の両側の端部と2枚の仕切り板A1014とが交わる部分それぞれを、図示のように互い違いに、仕切り板B1016a,1016bで塞ぐ。
このようにして、冷媒流入口1012aから流入した冷媒が複数の流路pを通って冷媒流出口1013aから流出する第1の冷媒流路と、冷媒流入口1012bから流入した冷媒が複数の流路pを通って冷媒流出口1013bから流出する第2の冷媒流路との、互いに独立した2つの冷媒流路が形成される。なお、ここで、説明の都合上、第1の冷媒流路、第2の冷媒流路と区別して呼んでいるが、この両者は同一の構成を有しており、同様の動作を行う。
図3は、第1の実施形態における2つの冷媒流路のうちの第1の冷媒流路内の冷媒の流れの方向を示す図である。
図3に示すように、この第1の冷媒流路1017aは、冷媒流入口1012aから流入した冷媒を矢印方向に導き冷媒流出口1013aから流出させるようになっている。
図4は、第1の実施形態における2つの冷媒流路のうちの第2の冷媒流路内の冷媒の流れの方向を示す図である。
図4に示すように、この第2の冷媒流路1017bは、冷媒流入口1012bから流入した冷媒を矢印方向に導き冷媒流出口1013bから流出させるようになっている。
図5は、第1の実施形態の冷却装置における2つの冷媒流路内の冷媒の流れの方向が互いに異なる方向である態様を示す図である。
図5に示すように、この受熱器では、2つの冷媒流路1017a,1017bは、冷媒を、受熱器に互いに異なる方向から流入させ、受熱器から互いに異なる方向に流出させるように構成されている。
すなわち、冷媒流路1017aは、冷媒流入口1012aから流入した冷媒を矢印A方向に流して冷媒流出口1013aから流出させ、一方、冷媒流路1017bは、冷媒流入口1012bから流入した冷媒を矢印B方向に流して冷媒流出口1013bから流出させる。つまり、この態様では、図1に示した冷却装置100における2つの冷媒循環路105a,105bと同様、冷媒は、2つの冷媒流路1017a,1017b内を互いに反平行循環流として、すなわち冷媒は互いに異なる方向に流れる。
図6は、図5に示す受熱器の2つの冷媒流路内の冷媒の流れの模式図である。
図6に示すように、この受熱器では、冷媒は、2つの冷媒流路1017a,1017b内を互いに反平行循環流として流れるので、この受熱器の受熱対象である発熱体が、図示のように、流入側から流出側に向かって高温となるような発熱特性を有する発熱体である場合の受熱器に適している。
図7は、図4に示す第2の冷媒流路内の冷媒の流れを逆向きにした場合の冷媒の流れの方向を示す図である。
図7に示すように、この第2の冷媒流路1017bは、冷媒流入口1012bから流入した冷媒を矢印方向に導き冷媒流出口1013bから流出させるようになっている。
図8は、第1の実施形態の冷却装置における2つの冷媒流路内の冷媒の流れの方向が互いに同一の方向である態様を示す図である。
図8に示すように、この受熱器では、2つの冷媒流路1017a,1017bは、冷媒を、受熱器に互いに同一の方向から流入させ、受熱器から互いに同一の方向に流出させるように構成されている。
すなわち、冷媒流路1017aは、冷媒流入口1012aから流入した冷媒を矢印A方向に流して冷媒流出口1013aから流出させ、一方、冷媒流路1017bは、冷媒流入口1012bから流入した冷媒を矢印B方向に流して冷媒流出口1013bから流出させる。つまり、この態様では、図1に示した冷却装置100における2つの冷媒循環路105a,105bとは異なり、冷媒は、2つの冷媒流路1017a,1017b内を互いに平行循環流として流れる。
図9は、図8に示す受熱器の2つの冷媒流路内の冷媒の流れを模式的に示す図である。
図9に示すように、この受熱器では、冷媒は、2つの冷媒流路1017a,1017b内を互いに平行循環流として流れるので、この受熱器の受熱対象である発熱体が、図示のように、流入側と流出側との間の温度差が少ない発熱特性を有する発熱体である場合の受熱器に適している。
次に、第1の実施形態の冷却装置の変型例について説明する。
図10は、冷媒循環式の冷却装置の受熱器でホットスポットが発生した状態を示す図である。
図10には、冷媒循環式の冷却装置の受熱器101の特定のエリアにホットスポットHが発生した状態が示されている。このようにホットスポットHが発生したとき、この受熱器101に冷媒流路が1つしかない場合には、その冷媒流路107を流れる冷媒の流量を増加して対処するほかはない。
しかし、本実施形態の冷却装置では、互いに独立した複数の冷媒流路を有する発熱体を備えているので、次のようにして複数の冷媒流路を流れる冷媒の流量を制御することによりホットスポットの発生に対処することができる。
図11は、本実施形態の冷却装置における冷媒流量の制御方式を示す図である。
図11には、2つの冷媒循環路105a,105bそれぞれに配備され、各冷媒循環路に冷媒を循環させる2つのポンプ104a,104bと、これら2つのポンプを個別に制御するポンプ制御部108とを有する冷却装置の受熱器101の特定のエリアにホットスポットHが発生した状態が示されている。
図示のようにホットスポットが発生したとき、従来技術では、ホットスポットエリアの必要受熱能力を基準としてポンプの駆動レベルを決めることになるので、それ以外のエリアにおける受熱能力は過剰となり、無駄なエネルギを消費することになる。
しかし、本実施形態の冷却装置では、ポンプ制御部108で2つのポンプ104a,104bを個別に制御することにより、ホットスポットHが発生したエリアに対応する側の冷媒流路107aの冷媒流量を、冷媒流路107bを流れる冷媒流量よりも増加させてホットスポットを消失させることができるのでエネルギを浪費することがない。
図12は、本実施形態の冷却装置の受熱器でホットスポットが発生した状態を示す図である。
図12には、この冷却装置の受熱器101の特定のエリアにホットスポットHが発生する様子が示されている。
このような、ホットスポットHが発生する場合には、この受熱器101の2つの冷媒流路107a,107bのうちのホットスポットHが発生しやすい側の冷媒流路107aを流れる冷媒の流量を増加してホットスポットの発生を防止することができるが、それとともに、他方の冷媒流路107bを、図示のように、冷媒流路107aの流路よりも短い長さの冷媒流路107bを有する受熱器とすることにより、冷媒循環路105bの圧力損失を下げてコストを低減させることができる。
次に、第2の実施形態の冷却装置について説明する。
冷却装置の熱交換器についても、上記受熱器と同様に、互いに独立した複数の冷媒流路を有する熱交換器を用いることができる。そのように構成した熱交換器を用いることにより、複数の冷媒循環路を、冷媒を、熱交換器に、互いに同一な方向から流入させ該熱交換器から互いに同一な方向に流出させるものとすることができる。
図13は、本発明の第2の実施形態の冷却装置の概略構成図である。
図13に示すように、この冷却装置200は、互いに独立した2つの冷媒流路を有し発熱体の熱を受熱して該冷媒流路を流れる冷媒に伝熱する受熱器201と、受熱器201の2つの冷媒流路それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した2系統の冷媒循環路205a,205bと、該2系統の冷媒循環路205a,205bそれぞれに接続される互いに独立した2つの冷媒流路を有し該冷媒流路を流れる冷媒の熱を放熱する熱交換器202と、タンク203a,203bと、ポンプ204a、204bとを有している。このように、この冷却装置200は、受熱器201および熱交換器202が2系統の冷媒循環路205a,205bで共用されている。
この熱交換器202としては、図2〜図8を参照して説明した受熱器と同様、2つの冷媒流路を有する熱交換器が用いられる。
次に、上記第2の実施形態の冷却装置の変形例について説明する。
図14は、第2の実施形態の冷却装置の一変形例を示す図である。
図14に示すように、この冷却装置200’は、図13に示す冷却装置200を大型化した一変形例である。この冷却装置200’の冷却装置200との相違点は、冷却装置200における2つのタンク203a,203bを2系統の冷媒循環路205a,205bそれぞれに共通に接続された1つのタンク203とした点、および電子機器206に実装された受熱器201を、熱交換器202、タンク203、およびポンプ204a,204bからなる冷媒供給装置206とは独立した構成とした点であり、他は冷却装置200と同様である。このように構成したことにより、大型の電子機器に適した冷却装置とすることができる。
図15は、図13に示す冷却装置の他の変形例を示す図である。
図15に示すように、この冷却装置200”は、図13に示す冷却装置200を大型化した一変形例である。この冷却装置200”の冷却装置200’との相違点は、冷却装置200’における受熱器201を、2系統の冷媒循環路205a,205bそれぞれに個別に接続された2つの受熱器201a,201bとした点であり、他は冷却装置200’と同様である。このように構成したことにより、大型の電子機器に適した冷却装置を形成することができる。
図16は、図14に示す冷却装置のさらに他の変形例を示す図である。
図16に示すように、この冷却装置500は、図14に示す冷却装置200’の変形例である。この冷却装置500の冷却装置200’との相違点は、冷却装置200’における受熱器201を、複数系統の冷媒循環路505a,505b,…,505nそれぞれに個別に接続されたn個のの受熱器501a,501b,…,501nとした点であり、他は冷却装置200’と同様である。このように構成したことにより、さらに大型の電子機器に適した冷却装置を形成することができる。
図17は、図14に示す冷却装置のさらに他の変形例を示す図である。
図17に示すように、この冷却装置600は、図15に示す冷却装置200”の変形例である。この冷却装置600では、電子機器606に搭載された、それぞれ2つの受熱器からなる複数組の受熱器群601a,601b,…,601nと、これら複数組の受熱器群が受熱した熱を外部に放出する、それぞれ2つの熱交換器からなる複数組の熱交換器群602a,602b,…,602nと、冷媒の貯留及び冷媒や内部空気の膨張を吸収するためのタンク603、冷媒を矢印方向に循環させるためのポンプ604とが複数系統の冷媒循環路によって接続されて構成されている。
この冷却装置600では、複数組の受熱器群を実装した電子機器606と、熱交換器群602a,602b,…,602n、タンク603、およびポンプ604からなる冷媒供給装置607とを、独立した構成としたので、冷却装置の信頼性を向上させることができる。
図18は、図17に示す冷却装置の他の変形例を示す図である。
図18に示すように、この冷却装置700は、図17に示す冷却装置600の変形例である。この冷却装置700では、電子機器706に搭載された、複数の受熱器701と、これら6つの受熱器701が受熱した熱を外部に放出する、複数の熱交換器702と、冷媒の貯留及び冷媒や内部空気の膨張を吸収するための複数のタンク703、冷媒を矢印方向に循環させるための複数のポンプ704とが複数系統の冷媒循環路705によって接続されて構成されている。
この冷却装置700では、複数の受熱器701を実装した電子機器706と、熱交換器702、タンク703、およびポンプ704からなる冷媒供給装置707とを、独立した構成としたので、冷却装置の信頼性を向上させることができる。
次に、第3の実施形態の冷却装置について説明する。
図19は、本発明の第3の実施形態の冷却装置の概略構成図である。
図19に示すように、この冷却装置300は、互いに独立した2つの冷媒流路を有し発熱体の熱を受熱して該冷媒流路を流れる冷媒に伝熱する受熱器301と、受熱器301の2つの冷媒流路それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した2系統の冷媒循環路305a,305bと、それぞれの冷媒循環路に接続された熱交換器302a,302bと、タンク303と、ポンプ304a,304bとを有している。このように、この冷却装置300は、受熱器301およびタンク303が2系統の冷媒循環路305a,305bで共用されている。
このタンク303は、2系統の冷媒循環路305a,305bそれぞれを循環する冷媒を、各冷媒循環路を流れる冷媒どうしの混入を避けて貯留するタンクとして構成されている。
従来の冷媒循環式の冷却装置に用いられるタンクは、通常次のような構造を有している。
図20は、従来の冷媒循環式の冷却装置に用いられるタンクの概要図である。
図20に示すように、従来のタンク13は、冷媒を流入させる冷媒流入口13aおよび冷媒を流出させる冷媒流出口13bを備え、冷媒の貯留及び冷媒や内部空気の膨張を吸収する機能を有している。
図21は、図19に示す冷却装置に用いられるタンクの概要図である。
図21に示すように、このタンク303は、冷媒を流入させる冷媒流入口303a,303b、冷媒を流出させる冷媒流出口303c,303d、および内部を2つに区切る区切り部材303eを備えている。このように構成したことにより、図19に示す2系統の冷媒循環路305a,305bそれぞれを循環する冷媒を、各冷媒循環路を流れる冷媒どうしの混入を避けて貯留することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。以上説明した各実施形態において、2つの冷媒循環路それぞれに配備される2つのポンプは、同型のポンプであってもよいが、各冷媒循環路に要求される冷却機能の差違に応じて各冷媒循環路ごとに特性を異にするポンプであってもよい。
図22は、本発明の冷却装置に用いられる、特性が異なる2種類のポンプの特性の差違を示す図である。
図22には、ピエゾポンプと遠心ポンプの流量−揚程曲線が示されている。図22に示すように、ピエゾポンプは、流量は少ないが揚程(吐出力)が大きいので圧力損失の高い冷媒循環路に適している。遠心ポンプは、流量は多いが揚程(吐出力)が小さいので圧力損失の低い冷媒循環路に適している。
本発明の第4の実施形態の冷却装置は、例えば、パーソナルコンピュータなどのような、発熱電子部品が実装された電子機器の冷却装置として好適である。
図23は、本発明の第4の実施形態の冷却装置が適用されたノート型パーソナルコンピュータの概要図である。
図23に示すように、このノート型パーソナルコンピュータ400の本体部400aには、発熱電子部品であるCPU401を冷却する受熱器402、CPU401が実装されたマザーボード404を含むコンピュータ内部を冷却する第2熱交換器403およびファン405、ピエゾポンプ406、遠心ポンプ407、および第2タンク408が配備され、蓋部400bには、第1熱交換器409および第1タンク410が配備されている。
そして、受熱器402と第1熱交換器409と第1タンク410とピエゾポンプ406とを接続し冷媒を循環させる第1冷媒循環路411、および受熱器402と第2熱交換器403と第2タンク408と遠心ポンプ407とを接続し冷媒を循環させる第2冷媒循環路412が配備されている。
このノート型パーソナルコンピュータ400では、第1冷媒循環路411は自然空冷により蓋部400bを冷却し、第2冷媒循環路412は強制空冷により本体部400aを冷却するように構成されている。第1冷媒循環路411は圧力損失が高いが流量は少ないので、流量は少ないが揚程(吐出力)が大きいピエゾポンプが用いられ、一方、第2冷媒循環路412は圧力損失は低いが流量が多いので、揚程(吐出力)が小さいが流量の多い遠心ポンプが用いられている。
これらの、受熱器402、第2熱交換器403、ファン405、ピエゾポンプ406、遠心ポンプ407、第2タンク408、第1熱交換器409、第1タンク410、第1冷媒循環路411、および第2冷媒循環路412により、このノート型パーソナルコンピュータ400の冷却装置が構成されている。
この冷却装置は、図1に示す冷却装置100と同様の構成を有している。すなわち、互いに独立した複数の冷媒流路を有し発熱体の熱を受熱して該冷媒流路を流れる冷媒に伝熱する受熱器402と、受熱器402の複数の冷媒流路(図5参照)それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した2系統の冷媒循環路411,412とを有している。
なお、このノート型パーソナルコンピュータ400では、CPU401は、CPU401自身、受熱器402、第1熱交換器409、第2熱交換器403の温度をそれぞれ監視し、ファン405、ピエゾポンプ406、遠心ポンプ407の回転数を制御することにより、コンピュータの熱暴走を防止するとともに騒音レベルを制御している。
また、この冷却装置は、2系統の冷媒循環路411,412それぞれに配備され各冷媒循環路に冷媒を循環させる、2台ののポンプ406,407と、これらのポンプを個別に制御するCPU401内に形成されたポンプ制御部とを備えている。
このポンプ制御部を備えたことにより、複数の冷媒循環路の発熱特性に応じた制御が可能となるので、無駄な冷却動作を抑制することができる。従って、省エネルギの観点からも有利であり、製品の差別化を図ることができる。特に、CPUなどの電子デバイスの負荷は常に一定ではなく負荷変動が激しく、発熱量も負荷変動に伴い常に変動しているが、このような発熱量変動の激しいデバイスを無駄なく冷却するために、上記のポンプ制御部は極めて有効であり、発熱量の変動に合わせて受熱器の受熱能力を最適に制御することができる。
そもそも、CPUなどの電子デバイスを冷却する目的は、電子デバイスの熱故障や熱暴走の防止、あるいは低温稼動による演算スピードアップや漏れ電流量の抑制にあり、従って、電子デバイスの温度が高温側の保障温度や設定温度を超えないように維持されている必要がある。しかし、従来技術では、受熱器の受熱能力を制御する手段はポンプによる冷媒流量の制御のみであり、受熱器の制御性はポンプの制御性で決まってしまう。従って、制御性の悪いポンプを採用すると受熱器の受熱能力を緻密に制御できないため、発熱量の低いときなどは必要以上にポンプが駆動されており、エネルギーを無駄に消費される。その問題を回避するために制御性の高いポンプを採用すると設備費の上昇を招いてしまう。このような問題を本実施形態のノート型パーソナルコンピュータ400では解消することができる。
次に、本発明の冷却装置における冷媒循環路に配備される受熱器、熱交換器、タンク、およびポンプの冷媒の流れる順序について説明する。
先ず、タンクとポンプの関係について考える。
図24は、タンクの下流側にポンプを配置した例を示す図である。
一般に、ポンプにエアが入ると冷媒の流量や吐出力が低下する。従ってポンプの引き込み側にタンクを配置するのがベストである。こうするとエアはタンクにトラップされるのでタンク出口からエアが出てくることはない。そこで、図24に示すように、タンク103の下流側にポンプ104を配置することが望ましい。
次に、受熱器と熱交換器の関係について考える。
図25は、各実施形態における冷媒の冷媒循環路を流れる順序を示す図である。
図25に示すように、この冷却装置では、冷媒循環路105に、受熱器101と、熱交換器102と、タンク103と、ポンプ104とが、冷媒循環路105を流れる冷媒が、ポンプ104、受熱器101、熱交換器102、タンク103の順に循環するように配備されている。
この順に配備することにより、ポンプ104から吐出された冷媒は、受熱器101に入り暖められる。暖まった冷媒は熱交換器102に入り冷やされる。冷えた冷媒はタンク103に溜まり、ポンプ104に引き込まれる。従って、ポンプ104には冷えた冷媒が入るのでポンプが劣化する恐れは少なく、冷却装置の信頼性の上から好ましい。
この順序と異なり、熱交換器の下流側に受熱器を配備することも考えられる。
図26は、図25に示す順とは異なる冷媒の冷媒循環路を示す図である。
図26に示すように、この冷却装置では、冷媒循環路105に、熱交換器102と、受熱器101と、タンク103と、ポンプ104とが、冷媒循環路105を流れる冷媒が、ポンプ104、熱交換器102、受熱器101、タンク103の順に循環するように配備されている。
このように、配備した場合は、ポンプ104から吐出された冷媒は、熱交換器102に入り冷やされる。冷えた冷媒は受熱器で暖められてタンク103に溜まる。タンク103では基本的に放熱しないため、冷媒は高い温度のままポンプ104に入ることになる。このようにポンプ104に高温の冷媒が入ることはポンプの劣化を招く恐れがあるので、図26に示すような順に冷媒を循環させることは冷却装置の信頼性の上から好ましくない。
第1の実施形態の冷却装置の概略構成図である。 第1の実施形態の冷却装置に用いられる受熱器の製造手順を示す図である。 第1の実施形態における2つの冷媒流路のうちの第1の冷媒流路内の冷媒の流れの方向を示す図である。 第1の実施形態における2つの冷媒流路のうちの第2の冷媒流路内の冷媒の流れの方向を示す図である。 第1の実施形態の冷却装置における2つの冷媒流路内の冷媒の流れの方向が互いに異なる方向である態様を示す図である。 図5に示す受熱器の2つの冷媒流路内の冷媒の流れの模式図である。 図4に示す第2の冷媒流路内の冷媒の流れを逆向きにした場合の冷媒の流れの方向を示す図である。 第1の実施形態の冷却装置における2つの冷媒流路内の冷媒の流れの方向が互いに同一の方向である態様を示す図である。 図8に示す受熱器の2つの冷媒流路内の冷媒の流れを模式的に示す図である。 冷媒循環式の冷却装置の受熱器でホットスポットが発生した状態を示す図である。 本実施形態の冷却装置における冷媒流量の制御方式を示す図である。 本実施形態の冷却装置の受熱器でホットスポットが発生した状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態の冷却装置の概略構成図である。 第2の実施形態の冷却装置の一変形例を示す図である。 図13に示す冷却装置の他の変形例を示す図である。 図14に示す冷却装置のさらに他の変形例を示す図である。 図14に示す冷却装置のさらに他の変形例を示す図である。 図17に示す冷却装置の他の変形例を示す図である。 本発明の第3の実施形態の冷却装置の概略構成図である。 従来の冷媒循環式の冷却装置に用いられるタンクの概要図である。 図19に示す冷却装置に用いられるタンクの概要図である。 本発明の冷却装置に用いられる、特性が異なる2種類のポンプの特性の差違を示す図である。 本発明の第4の実施形態の冷却装置が適用されたノート型パーソナルコンピュータの概要図である。 タンクの下流側にポンプを配置した例を示す図である。 各実施形態における冷媒の冷媒循環路を流れる順序を示す図である。 図25に示す順とは異なる冷媒の冷媒循環路を示す図である。 従来の冷媒循環式の冷却装置の基本構成例を示す図である。 従来の冷媒循環式の冷却装置の基本構成例を示す図である。 従来の冷媒循環式の冷却装置の基本構成例を示す図である。 従来の冷媒循環式の冷却装置に用いられる受熱器の外観図である。 従来の冷媒循環式の冷却装置に用いられる放熱器(熱交換器)の外観図である。 図30に示す受熱器の内部構造を示す図である。 図32に示す受熱器内部の冷媒の流れの方向を示す図である。 従来の大型冷却システムにおけるシステム構成例を示す図である。 図34に示す大型冷却システムの発展型の一例を示す図である。 2台の受熱器と2系統の冷媒循環路とを備えた大型冷却システムの一例を示す図である。 2台の受熱器と2系統の冷媒循環路とを備えた、さらに大型の冷却システムの例を示す図である。
符号の説明
10,10’,10” 冷却装置
11 受熱器
11a 冷媒流入口
11b 冷媒流出口
11d 流路仕切り
11e 冷媒流路
12 熱交換器
13 タンク
13a,16a 冷媒流入口
13b,16b 冷媒流出口
14,14a,14b ポンプ
16 放熱器
16c フィン
20,30,40,50 冷却システム
21,41a,41b,51 受熱器
22,52 熱交換器
23,53 タンク
24,34a,34b,54 ポンプ
25,45 電子機器
26 冷媒供給装置
100,200,200’,200”,300,500,600,700 冷却装置
101,201,501a,501b,…,501n,701 受熱器
102a,102b,202,302,702 熱交換器
103a,103b,203,203a,203b,303,703 タンク
104a、104b,204a、204b,304a,304b,704 ポンプ
105a,105b,205a,205b,305a,305b,505a,505b,…,505n,705 冷媒循環路
107,107a,107b,707 冷媒流路
108 ポンプ制御部
303a,303b 冷媒流入口
303c,303d 冷媒流出口
303e 区切り部材
400 ノート型パーソナルコンピュータ
400a 本体部
400b 蓋部
401 CPU
402 受熱器
403,409 熱交換器
404 マザーボード
405 ファン
406 ピエゾポンプ
407 遠心ポンプ
408,410,603 タンク
411 第1冷媒循環路
412 第2冷媒循環路
601a,601b,…,601n 受熱器群
602a,602b,…,602n 熱交換器群
604 ポンプ
606,706 電子機器
1010 受熱器本体
1011 隔壁
1012a 冷媒流入口
1013b 冷媒流出口
1014a,1014b 仕切り板A
1015a,1015b,1016a,1016b 区画
1017a,1017b 冷媒流路

Claims (8)

  1. 互いに独立した複数の冷媒流路を有し発熱体の熱を受熱して該冷媒流路を流れる冷媒に伝熱する受熱器と、
    前記受熱器の複数の冷媒流路それぞれを経由して冷媒を循環させる、互いに独立した複数の冷媒循環路とを有することを特徴とする冷却装置。
  2. 前記複数の冷媒循環路それぞれに接続される互いに独立した複数の冷媒流路を有し該冷媒流路を流れる冷媒の熱を放熱する熱交換器を備えたことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 前記複数の冷媒循環路ごとに冷媒を貯留するタンクを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の冷却装置。
  4. 前記複数の冷媒循環路それぞれに配備され各冷媒循環路に冷媒を循環させる、各冷媒循環路ごとに特性が異なる複数のポンプを備えたことを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1項記載の冷却装置。
  5. 前記複数の冷媒循環路に、これら複数の冷媒循環路に共通の受熱器と、これら複数の冷媒循環路に共通又は個別に配備された熱交換器およびタンクと、これら複数の冷媒循環路に個別に配備されたポンプとが、該冷媒循環路を流れる冷媒が、ポンプ、受熱器、熱交換器、タンクの順に循環するように配備されていることを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか1項記載の冷却装置。
  6. 発熱体の熱を受熱して冷媒に伝熱する受熱器であって、互いに独立した複数の冷媒流路を有することを特徴とする受熱器。
  7. 冷媒の熱を放熱する熱交換器であって、
    互いに独立した複数の冷媒流路を有することを特徴とする熱交換器。
  8. 冷媒循環路の途中に配備された該冷媒循環路を流れる冷媒を貯留するタンクであって、
    複数の冷媒循環路の途中に該複数の冷媒循環路に共通に配備され該複数の冷媒循環路ごとに冷媒を貯蔵することを特徴とするタンク。
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