JP2009076528A - 有機el装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光色の変化を抑制しつつ長寿命化が可能な有機EL装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】陽極層21及び陰極層22と、陽極層21及び陰極層22の間に配置された赤色発光層44、青色発光層46及び緑色発光層47と、陽極層21及び赤色発光層44の間に配置された正孔輸送層42と、赤色発光層44及び正孔輸送層42の間に配置された保護層43とを備え、保護層43が、正孔輸送性を有する第1材料と、電子輸送性と正孔輸送性を有している第2材料とを含有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、有機EL装置及び電子機器に関するものである。
有機EL(Electroluminescence)素子は、薄型、全固体型、面状自発光及び高速応答であるといった特徴を有する発光装置であり、フラットディスプレイパネルやバックライトへの応用が期待されている。このような有機EL素子を用いたディスプレイなどの表示装置をフルカラー化する方法として、例えば赤色、緑色及び青色の各色に発光する複数の発光層を有する白色有機EL素子とカラーフィルタとを組み合わせる構成がある。
ここで、白色有機EL素子の高効率化及び白色発光の調節を目的として、隣り合う2つの発光層の間に正孔及び電子の少なくとも一方の移動の移動を規制する中間層を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このように2つの発光層の間に中間層を配置することで発光密度を均一化し、RGB発光のバランスが調節された白色発光を実現している。
特開2005−259492号公報 特開2006−172762号公報
しかしながら、上記従来の白色有機EL素子とカラーフィルタと組み合わせた表示装置では、カラーフィルタによる発光強度の減衰を考慮すると、高電流駆動が要求される。また、照明用途でも同様に、高電流駆動することになる。このように、白色有機EL素子は、発光色が変化しないことは言うまでもなく、高電流駆動・高輝度駆動に対してさらなる耐久性を持つことが要求されている。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、発光色の変化を抑制しつつ長寿命化が可能な有機EL装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかる有機EL装置は、陽極及び陰極と、該陽極及び陰極の間に配置された発光層と、前記陽極及び前記発光層の間に配置された正孔輸送層と、前記発光層及び前記正孔輸送層の間に配置された保護層とを備え、該保護層が、正孔輸送性を有する第1材料と、電子輸送性と正孔輸送性を有している第2材料とを含有することを特徴とする。
この発明では、発光層と正孔輸送層の間に保護層を設けることによって、正孔輸送層が電子により劣化することを抑制して有機EL装置全体の長寿命化が図れる。すなわち、白色有機EL素子の劣化は、発光層から陽極側に向かう電子が正孔輸送層内に進入し正孔輸送材料を劣化させることが、駆動寿命を短くしている原因の1つであると考えられる。ここで、保護層に含まれる正孔輸送性と電子輸送性を有する第2材料は、一般的に正孔輸送材料よりも電子に対する耐性が高い。したがって、第2材料を含む保護層は正孔輸送層よりも電子に対する耐性が高くなっている。これにより、正孔輸送層が電子により劣化することが抑制され、正孔輸送層の長寿命化が図られ、有機EL装置全体が長寿命化する。
なお、正孔輸送層から発光層に向かう正孔は、保護層が正孔輸送性を有していることから、発光層に向けて輸送される。したがって、正孔輸送層から発光層に向かう正孔の輸送性は維持される。また、第2材料が電子輸送性を有することで、保護層と隣接する発光層との界面において滞留する電子の一部を保護層内に移動させて正孔と再結合させることができる。これにより、保護層と隣接する発光層との界面において電子が過剰に滞留することを抑制できる。
また、本発明にかかる有機EL装置は、前記陽極及び前記陰極の間に複数の発光層が配置され、該複数の発光層のうち隣り合う2つの発光層の間に中間層が配置されており、該中間層が、正孔輸送性及び電子輸送性を有すると共に、最低非占有分子軌道のエネルギー準位が前記隣り合う2つの発光層よりも高いことが好ましい。
この発明では、隣り合う2つの発光層間に中間層を設けて正孔及び電子の再結合により生成した励起子が発光層間を移動しにくくすることで、各発光層における発光輝度を調整できる。ここで、あらかじめ中間層により複数の発光層それぞれにおける発光輝度を調整していた場合であっても、正孔輸送層と発光層との間に保護層を配置することで、調整された各発光層における発光輝度を変更することなく有機EL装置全体の長寿命化が図れる。
また、本発明にかかる有機EL装置は、前記中間層が、前記第1及び第2材料からなることが好ましい。
この発明では、中間層が保護層と同一材料を用いて形成されることで、製造が容易になる。
また、本発明にかかる有機EL装置は、前記第1材料が、アミン系化合物材料であり、前記第2材料が、アセン系化合物材料であることとしてもよい。
この発明では、保護層を形成する第2材料としてアセン系材料を用いることで、この励起状態に対する耐性も改善することができる。すなわち、保護層内でも赤色発光層から侵入した電子と正孔が再結合し励起状態を形成する。そのため、保護層を形成する第2材料としてアセン系材料を用いることで、有機EL素子のさらなる長寿命化を図ることができる。
また、本発明にかかる有機EL装置は前記第2材料の前記保護層に対する含有量が、10重量%以上90重量%以下であることが好ましい。
この発明では、第2材料の含有量を10重量%以上90重量%以下とすることで、保護層における電子と正孔との再結合による劣化の抑制と、正孔輸送性の維持とが図れる。
また、本発明にかかる有機EL装置は、前記保護層の層厚が、1nm以上100nm以下であることが好ましい。
この発明では、保護層の層厚を1nm以上とすることで正孔輸送層の劣化を十分に抑制できると共に、100nm以下とすることで発光層に向かう正孔の輸送性を維持できる。
また、本発明にかかる電子機器は、上記記載の有機EL装置を備えることを特徴とする。
この発明では、上述と同様に、中間層の劣化を抑制して有機EL装置全体の長寿命化が図れる。
〔有機EL装置〕
以下、本発明における有機EL装置の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。ここで、図1は有機EL装置を示す概略構成図、図2は図1の等価回路図、図3は画素領域における構成を示す概略断面図、図4は有機機能層を示す概略断面図である。
本実施形態における有機EL装置1は、図1に示すように、平面視でほぼ矩形の基板2を備えている。基板2の中央部分には、図1及び図2に示すように、複数の画素領域11、データ線12、走査線13及び電源線14が配置された実表示領域15が形成されている。また、基板2の実表示領域15の外側には、図1に示すように、データ線駆動回路16及び走査線駆動回路17が配置されたダミー領域18が形成されている。そして、基板2のダミー領域18の外側には、後述する陰極層(陰極)22に接続される陰極用配線19が配置されている。この実表示領域15及びダミー領域18により、画素部20が形成されている。
複数の画素領域11それぞれには、図2に示すように、画素電極となる陽極層(陽極)21と、陰極層22と、陽極層21及び陰極層22の間に挟みこまれる有機機能層23とが設けられている。これら陽極層21、陰極層22及び有機機能層23により、有機EL素子が構成される。また、複数の画素領域11それぞれには、陽極層21をスイッチング制御するためのTFT素子24、25と、保持容量26とが設けられている。
TFT素子24は、ゲートが走査線13に接続されて、ソースがデータ線12に接続され、ドレインがTFT素子25及び保持容量26に接続されている。また、TFT素子24は、走査線13を介して走査線駆動回路17から供給された走査信号に応じて、データ線12を介してデータ線駆動回路16から供給されたデータ信号を保持容量26に供給する構成となっている。
TFT素子25は、ゲートがTFT素子24のドレインに接続され、ソースが電源線14に接続され、ドレインが陽極層21に接続されている。そして、TFT素子25は、保持容量26で保持されたデータ信号に応じてオン・オフ状態が決定され、電源線14を介して供給される駆動電流を陽極層21に供給する構成となっている。
データ線12、走査線13及び電源線14は、実表示領域15内において格子状に配置されている。そして、データ線12はデータ線駆動回路16に接続され、走査線13は走査線駆動回路17に接続されている。
次に、基板2の画素領域11における詳細な構成について、図3及び図4を参照しながら説明する。
基板2は、図3に示すように、例えばガラスなどの透光性材料で構成された基板本体31と、基板本体31上に積層されたゲート絶縁膜32、第1及び第2層間絶縁膜33、34、陽極層21、有機機能層23、陰極層22及び陰極保護膜35とを備えている。また、基板2は、基板本体31上に形成された半導体層36と、ゲート絶縁膜32上に形成されたゲート電極37と、第1層間絶縁膜33上に形成されたソース電極38及びドレイン電極39とを備えている。
ゲート絶縁膜32は、例えばSiOやSiNなどの絶縁材料で形成されており、基板本体31上に形成された半導体層36を被覆している。
第1層間絶縁膜33は、例えばSiOなどの絶縁材料で形成されており、ゲート絶縁膜32上に形成されたゲート電極37を被覆している。
第2層間絶縁膜34は、アクリル系やポリイミド系などの耐熱性絶縁性樹脂材料で形成されており、第1層間絶縁膜33上に形成されたソース電極38及びドレイン電極39を被覆すると共に、上面を平坦化している。また、第2層間絶縁膜34上には、各画素領域11を区画する隔壁40が設けられている。
陽極層21は、図3及び図4に示すように、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透光性の導電材料で形成されており、第2層間絶縁膜34に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極39に接続されている。また、陽極層21の下面には、例えばAlで形成された反射膜(図示略)が設けられている。
有機機能層23は、図4に示すように、陽極層21上に順に積層された正孔注入層41、正孔輸送層42、保護層43、赤色発光層(発光層)44、中間層45、青色発光層(発光層)46、緑色発光層(発光層)47及び電子輸送層48を備えている。
正孔注入層41は、陽極層21から供給された正孔を陰極層22に向けて注入する機能を有している。ここで、正孔注入層41を構成する正孔注入材料としては、例えばHI406(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
正孔輸送層42は、正孔注入層41から注入された正孔を赤色発光層44に向けて輸送する機能を有している。ここで、正孔輸送層42を構成する正孔輸送材料としては、例えばHT320(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
保護層43は、正孔輸送性を有する第1材料と正孔輸送性及び電子輸送性を有する第2材料とからなり、正孔輸送層42から移動した正孔を赤色発光層44に向けて輸送すると共に赤色発光層から正孔輸送層42に向かう電子の一部を内部に移動させる機能を有している。
第1材料としては、α−NPD(α−ナフチルジアミン)などのアミン系化合物材料が挙げられる。ここで、アミン系化合物材料とは、トリフェニルアミン構造を有し、アルキル基がベンゼン環の形状を有する化合物材料を示す。
また、第2材料としては、ADN(9、10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)などのアセン系化合物材料が挙げられる。ここで、アセン系化合物材料とは、ポリアセン、具体的にはアントラセンやテトラセン、ペンタセンなどの誘導体を示す。
ここで、第1材料の第1及び第2材料に対する混合比は、例えば50重量%であって10重量%以上90重量%以下の範囲内となっている。また、保護層43の膜厚は、例えば5nmであって1nm以上100nm以下の範囲内となっている。
赤色発光層44は、正孔輸送層42から移動した正孔の一部と中間層45から移動した電子とが再結合することにより赤色に発光する機能を有している。ここで、赤色発光層44を構成するホスト材料としては、例えばBH215(出光興産株式会社製)などが挙げられる。また、赤色発光層44を構成する赤色発光材料としては、例えばRD001(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
中間層45は、保護層43と同様に第1及び第2材料からなり、赤色発光層44から青色発光層46に向かう正孔量及び青色発光層46から赤色発光層44に向かう電子量を調整する機能を有している。ここで、中間層45を構成する正孔輸送材料としては、保護層43と同一材料である例えばα−NPDなどが挙げられる。また、中間層45を構成する電子輸送材料としては、保護層43と同一材料である例えばADNが挙げられる。そして、第1材料の第1及び第2材料に対する混合比は、例えば50重量%であって10重量%以上90重量%以下の範囲内となっている。
青色発光層46は、中間層45から移動した正孔の一部と緑色発光層47から輸送された電子の一部とが再結合することにより青色に発光する機能を有している。ここで、青色発光層46を構成するホスト材料としては、例えばBH215(出光興産株式会社製)などが挙げられる。また、青色発光層46を構成する青色発光材料としては、例えばBD102(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
緑色発光層47は、青色発光層46から移動した正孔と電子輸送層48から移動した電子の一部とが再結合することにより緑色に発光する機能を有している。ここで、緑色発光層47を構成するホスト材料としては、例えばBH215(出光興産株式会社製)などが挙げられる。また、緑色発光層47を構成する緑色発光材料としては、例えばGD206(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
電子輸送層48は、陰極層22から供給された電子を緑色発光層47に向けて輸送する機能を有している。ここで、電子輸送層48を構成する電子輸送材料としては、例えばAlq(トリス(8−キノリノール)アルミニウム))などが挙げられる。
陰極層22は、図3及び図4に示すように、電子輸送層47側から順にLiF(フッ化リチウム)膜及びAl(アルミニウム)膜を積層した構成となっている。なお、陰極層22は、複数の画素領域11の全域にわたる共通電極となっている。
陰極保護膜35は、図3に示すように、例えばシリコン酸化物やシリコン窒化物、シリコン窒酸化物などのシリコン化合物のような無機化合物で形成されており、製造工程において陰極層22が腐食することを防止する。
半導体層36は、チャネル領域と、不純物イオンを打ち込むことによって形成されたソース領域及びドレイン領域とを有している。そして、チャネル領域は、ゲート絶縁膜32を介してゲート電極37と対向配置されている。また、ソース領域は、ゲート絶縁膜32及び第1層間絶縁膜33を貫通するコンタクトホールを介してソース電極38に接続されている。そして、ドレイン領域は、ゲート絶縁膜32及び第1層間絶縁膜33を貫通するコンタクトホールを介してドレイン電極39に接続されている。
ソース電極38は、電源線14に接続されている。また、ドレイン電極39は、TFT素子24のドレイン及び保持容量26に接続されている。これら半導体層36、ゲート電極37、ソース電極38及びドレイン電極39により、TFT素子25が形成される。
また、基板2の上面には、接着層50によりカラーフィルタ基板51が貼付されている。カラーフィルタ基板51は、例えばガラスなどの透光性材料で形成された基板本体52と、基板本体52上に形成されたカラーフィルタ層53及び遮光層54とを備えている。
カラーフィルタ層53は、画素領域11に対応して配置されており、例えばアクリルなどで形成されて各画素領域11の表示色に対応する色材を含有している。
遮光層54は、各画素領域11の縁部に対応して配置されており、各画素領域11を縁取っている。
なお、基板本体52の内面側に凹部を設け、この凹部に水や酸素を吸収するゲッター剤(例えば、CaO、BaOなど)を配置してもよい。
このような構成の有機EL装置1では、陽極層21及び陰極層22の間に電圧を印加すると、正孔が陽極層21から陰極層22に向けて移動すると共に、電子が陰極層22から陽極層21に向けて移動する。陽極層21から供給された正孔は、正孔注入層41、正孔輸送層42及び保護層43を経て赤色発光層44に至る。そして、正孔は、中間層45において正孔の移動が適宜規制された後、青色発光層46を経て緑色発光層47に至る。一方、陰極層22から供給された電子は、電子輸送層48を経て緑色発光層47及び青色発光層46に至る。そして、電子は、中間層45において電子の移動が適宜規制された後、赤色発光層44に至る。このとき、赤色発光層44では、正孔及び電子が再結合することで赤色光を発光する。同様に、青色発光層46では青色光を発光し、緑色発光層47では緑色光を発光する。
また、赤色発光層44に到達した電子は、保護層43との界面において滞留する。そして、滞留する電子の一部が、保護層43内に移動する。一方、保護層43内には、正孔輸送層42から正孔が供給される。そして、保護層43内において電子と正孔が再結合する。このとき、保護層43に正孔輸送性材料であるα−NPDより電子耐性に優れ、かつ電子と正孔の再結合により生ずる励起子に対する耐性が高いADNが混合されているため、保護層43が劣化しにくくなる。これにより、正孔輸送層42において電子及び正孔の再結合による劣化が抑制される。
〔電子機器〕
以上のような構成の有機EL装置1は、例えば図5に示すような携帯電話機(電子機器)100の表示部101として用いられる。この携帯電話機100は、表示部101、複数の操作ボタン102、受話口103、送話口104及び上記表示部101を有する本体部を備えている。
以上のように、本実施形態における有機EL装置1及び携帯電話機100によれば、赤色発光層44と正孔輸送層42の間に保護層43を設けることによって、正孔輸送層42が電子により劣化することを抑制して有機EL装置1全体の長寿命化が図れる。
このとき、保護層43が正孔輸送性を有していることから、正孔輸送層42から赤色発光層44に向かう正孔の輸送性が維持される。また、第2材料が電子輸送性を有することで、保護層42と赤色発光層44との界面において滞留する電子の一部を保護層42内に移動させて正孔と再結合させ、保護層42と赤色発光層44との界面において電子が過剰に滞留することを抑制できる。
また、赤色発光層44と青色発光層46との間に中間層45を配置することで、赤色発光層44、青色発光層46及び緑色発光層47それぞれにおける発光輝度を調整できる。
そして、保護層43と中間層45とを同一材料で形成することで、有機EL装置1の製造工程を簡略化できる。
また、保護層43の層厚を5nmとすることで、正孔輸送層42の劣化を十分に抑制できると共に、赤色発光層44に対する正孔の輸送性を維持できる。
有機EL装置1の発光寿命及びパネル寿命それぞれを、保護層を設けない比較例と比較した。
ここで、実施例1〜3及び比較例1それぞれにおける有機EL装置は、正孔注入層の層厚を20nm、正孔輸送層の層厚を20nm、赤色発光層の層厚を5nm、中間層の層厚を5nm、青色発光層の層厚を15nm、緑色発光層の層厚を15nm、電子輸送層の層厚を20nm、陰極層を構成するLiF膜の膜厚を1nm、陰極層を構成するAl膜の膜厚を150nmとしている。また、実施例1、2における保護層の層厚は5nm、実施例3における保護層の層厚は10nmとなっている。
そして、実施例1の保護層における第1材料であるα−NPDと第2材料であるADNとの混合比は重量比で50:50、実施例2、3の保護層におけるα−NPDとADNとの混合比は重量比で70:30となっている。また、実施例1〜3及び比較例の中間層におけるα−NPDとADNとの混合比は重量比で50:50となっている。
なお、ここでは、有機EL装置1それぞれを図6に示すような素子構造として測定している。すなわち、この素子構造は、図6に示すように、上面に腐食防止層120aが形成された透光性の基板120上に陽極層21と、有機機能層23と、陰極層22とを積層した構造となっている。また、陰極層22の上面には反射膜(図示略)が設けられている。そして、陽極層21、陰極層22及び有機機能層23は、封止部材121により封止されている。したがって、この素子構造は、ボトムエミッション構造となっている。
このような構成の実施例1〜2及び比較例1それぞれの有機EL装置において、色度座標、発光効率及び有機EL素子の寿命を測定した。この結果を表1に示す。
なお、表1において、発光効率の測定時における電流密度は、10mA/cmとなっている。そして、有機EL素子の寿命は、輝度が80%まで低下したときまでの時間を測定している。このとき、有機EL素子における電流密度は、100mA/cmとなっている。また、発光効率と有機EL素子の寿命とは、それぞれ比較例1における測定値を基準とした値を示している。
Figure 2009076528
表1に示すように、赤色発光層と正孔輸送層との間に保護膜を配置することで、複数の発光層全体による発光色を変更せずに長寿命化していることがわかる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、保護層の層厚は、1nm以上100nm以下に限られない。
また、保護層は、α−NPDとADNとを混合した構成となっているが、他のアミン系化合物材料とアセン系化合物材料とを混合した構成など、他の正孔輸送性材料と正孔輸送性と電子輸送性をもつ材料とを混合した構成としてもよい。
そして、保護層におけるADNの含有量は、10重量%以上90重量%以下に限られない。
また、中間層は、保護層と同一材料を用いた構成となっているが、保護層と異なる材料を用いた構成としてもよい。
そして、赤色発光層と青色発光層との間に中間層を配置しているが、他の隣り合う2つの発光層の間に中間層を配置してもよく、中間層を配置しなくてもよい。
そして、有機機能層は、陽極層側から赤色発光層、青色発光及び緑色発光層の順に積層した構成となっているが、例えば赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層の順など、他の順番で積層してもよい。また、有機機能層は、赤色、青色及び緑色の光を発光する発光層を組み合わせた構成となっているが、他の波長の光を発光する発光層を複数組み合わせた構成としてもよい。
また、有機機能層は、陽極層と赤色発光層との間に正孔注入層及び正孔輸送層を配置しているが、少なくとも正孔輸送層が配置されていればよく、他の構成としてもよい。そして、有機機能層は、陰極層と緑色発光層との間に電子輸送層を配置しているが、緑色発光層側から順に電子輸送層及び電子注入層を配置する構成など、他の構成としてもよい。
そして、有機EL装置は、基板の上面側から光を射出するトップエミッション構造となっているが、基板の下面側から光を射出するボトムエミッション構造であってもよい。
また、有機EL装置を備える電子機器としては、携帯電話機に限らず、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末機)やパーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、カーナビゲーション装置、デジタルビデオカメラ、テレビジョン受像機、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ページャ、電子手帳、電卓、電子ブックやプロジェクタ、ワードプロセッサ、テレビ電話機、POS端末、タッチパネルを備える機器、照明装置、プリンタの露光ヘッドなどのような他の電子機器であってもよい。
本発明の一実施形態における有機EL装置を示す概略平面図である。 図1の等価回路図である。 画素領域を示す断面図である。 有機機能層を示す断面図である。 有機EL装置を備える携帯電話機を示す概略斜視図である。 実施例1における素子構造を示す断面図である。
1 有機EL装置、21 陽極層(陽極)、22 陰極層(陰極)、42 正孔輸送層、43 保護層、44 赤色発光層(発光層)、45 中間層、46 青色発光層(発光層)、47 緑色発光層(発光層)、100 携帯電話機(電子機器)

Claims (7)

  1. 陽極及び陰極と、該陽極及び陰極の間に配置された発光層と、前記陽極及び前記発光層の間に配置された正孔輸送層と、前記発光層及び前記正孔輸送層の間に配置された保護層とを備え、
    該保護層が、正孔輸送性を有する第1材料と、電子輸送性と正孔輸送性を有している第2材料とを含有することを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記陽極及び前記陰極の間に複数の発光層が配置され、
    該複数の発光層のうち隣り合う2つの発光層の間に中間層が配置されており、
    該中間層が、正孔輸送性及び電子輸送性を有すると共に、最低非占有分子軌道のエネルギー準位が前記隣り合う2つの発光層よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記中間層が、前記第1及び第2材料からなることを特徴とする請求項2に記載の有機EL装置。
  4. 前記第1材料が、アミン系化合物材料であり、
    前記第2材料が、アセン系化合物材料であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置。
  5. 前記第2材料の前記保護層に対する含有量が、10重量%以上90重量%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の有機EL装置。
  6. 前記保護層の層厚が、1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の有機EL装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の有機EL装置を備えることを特徴とする電子機器。
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