以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における障害復旧支援装置及びサーバ装置の外観の概要を示す模式図である。図1中の1は、本発明に係る障害復旧支援装置である。障害復旧支援装置1は、扁平な略直方体の形状をなしてプラスチック、アルミニウム等の素材からなる外装部材11に覆われており、USB(Universal Serial Bus)インタフェースを含む接続部13を有している。また、接続部13は外装部材11から露出している。図1中の2はサーバ装置であり、障害復旧支援装置1は、サーバ装置2が備える接続部23に含まれているUSBインタフェースを介して接続されることにより動作する。
サーバ装置2で発生している障害の内容によっては、サーバ装置2で記憶されている障害データを自動的に収集する処理が必要であるのか、カーネルクラッシュを作成する処理が必要であるのか、又はリブートが必要であるのか等、処理の内容が異なる。また、サーバ装置2の運用前、バージョンアップ前に正常試験、異常試験等の試験を行なう場合、リブートが必要であるのか、又は各種設定をデフォルト値、最適値にリセットする処理が必要であるのか等、処理の内容が異なる。このように異なる複数の処理に応じて障害復旧支援装置1は複数の種類に分かれており、接続された場合にサーバ装置2で実行される処理の内容が種類に応じて異なる。さらに異なる種類に応じて外装部材11の色が異なり、夫々を視覚を通じて識別することが可能である。
さらに、サーバ装置2で発生している障害の内容によっては、上述のように複数の処理を夫々1回行なうのではなく、処理の結果に基づいて状況を判断した上で順を追って各処理を行なう必要がある。また、サーバ装置2の運用前の試験を行なう場合であっても状況に応じて複数の処理を順を追って行なう必要がある。例えば、障害が発生した場合、リブートを実行させるだけで障害が復旧するのか、又は、サーバ装置2で実行中のアプリケーションの情報を収集した後に、カーネルクラッシュを作成した上でリブートを実行させることで障害が復旧するのかが異なる。このような場合、作業者が各段階での状況を把握して適宜必要な処理を判断して実行させてサーバ装置2を復旧させることが必要になる。しかしながらこの場合、高度な知識、技術力が必要となる場合が多い。
そこで、本発明では夫々を識別することが可能な複数の種類の障害復旧支援装置1自身が、次に接続されるべき障害復旧支援装置1を識別する情報を出力する。なお、実施の形態1では、障害復旧支援装置1は夫々、次に接続されるべき障害復旧支援装置1を識別する情報を出力する手段として、外装部材11の色を表示するLED(Light Emitting Diode)141を利用した表示部14を備える。障害復旧支援装置1は、表示部14により次に接続されるべき障害復旧支援装置1の外装部材11の色を示す。これにより、知識、技術力が不足している作業者でも、順を追って複数の処理を実行させる作業を容易に行なうことが可能である。
なお、図1に示すように、表示部14のLED141は扁平な略直方体形状をなす外装部材11から露出しており、且つ同様に外装部材11から露出している接続部13とは反対面に備えられている。これにより、作業者は障害復旧支援装置1をサーバ装置2に接続した場合に、外装部材11の扁平面が略水平となったときでも、LED141で発光される色を視認することができる。以下に、障害復旧支援装置1の各構成部及び処理の詳細について説明する。
図2は、実施の形態1における障害復旧支援装置1及びサーバ装置2の内部構成を示すブロック図である。障害復旧支援装置1は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等である制御部10と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)を利用した記憶部12と、USBインタフェースを含む接続部13と、LED141を含む表示部14と、スピーカを含む音声出力部15と、他の装置との信号の送受信を実現する通信部16とを備える。
記憶部12には、制御プログラム1Pが記憶されている。制御部10は、記憶部12から制御プログラム1Pを読み出して実行することによって本発明に係る障害復旧支援装置1として動作する。また、記憶部12には接続されたサーバ装置2によって実行することが可能な制御文121が記憶されている。なお、記憶部12に記憶されている制御文121は、障害復旧支援装置1の種類に応じて異なる。
接続部13は、USBインタフェースを含んでサーバ装置2との間で信号の送受信を実現する。接続部13は、サーバ装置2に接続されたことを検知して制御部10へ通知する。制御部10は、記憶部12に記憶してある制御文121を読み出して接続部13によりシリアル信号に変換し、サーバ装置2へ送信する。また制御部10は、送信した制御文121に基づいて実行された処理の結果を示す信号を接続部13により受信する。
表示部14は、光の三原色を構成する赤色、緑色、青色の発光素子を含む三色LED(フルカラーLED)を利用したLED141と、該LED141を駆動するLED駆動部142とを含み、制御部10からの制御信号を受け付けてLED141で発光される色及び点灯/点滅/消灯をLED駆動部142により制御する。
音声出力部15は、スピーカを含み、制御部10からの制御信号を受け付け、制御信号によって予め設定されてある効果音の内のいずれかを出力する。制御部10は例えば、サーバ装置2から制御文121に基づいて実行された処理の結果を受け付けた場合に、処理を終了を示す効果音を音声出力部15により出力する。
通信部16は、無線通信機能を有している。制御部10は通信部16により他の障害復旧支援装置1と通信が可能である。制御部10は、次に接続されるべき障害復旧支援装置1へLED141を点滅させるための点滅信号を送信し、表示部14のLED141を点滅させると共に、他の障害復旧支援装置1から点滅信号を受信した場合は自身の表示部14のLED141を点滅させる。また、次に接続されるべき障害復旧支援装置1が接続された場合、当該次に接続された復旧支援装置からはLED141を消灯させる消灯信号が、前に接続されていた復旧支援装置へ通信部16により送信される。LED141を点灯又は点滅させていた場合に消灯信号を通信部16により受信したときは、制御部10はこれを消灯する。
また、記憶部12に記憶されている制御プログラム1Pに含まれるメーラ機能により、制御部10は通信部16によってメールを送信することが可能である。なお、このメーラ機能は、近傍の所定のファクシミリ装置へメールを送信するようにしてある。また、所定のファクシミリ装置は、障害復旧支援装置1のメーラ機能により送信されたメールを受信し、メールのあて先のアドレスに対応するファクシミリ番号をあて先とし、一般公衆回線網を介したファクシミリ送信を行なうようにしてある。
サーバ装置2は、サーバコンピュータからなりCPU等である制御部20と、ハードディスク(Hard Disk)を利用した記憶部21と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等のメモリを利用した一時記憶領域と、USBインタフェース及びシリアルインタフェースを含む接続部23と、他の装置との通信を実現するLAN(Local Area Network)コネクタを含む通信部24とを含む。
記憶部21には、障害復旧支援装置1に対応するドライバプログラム(以下、ドライバと呼ぶ)2Pが記憶されている。制御部20は、記憶部21からドライバ2Pを読み出して実行することにより、接続部23により障害復旧支援装置1が接続されて障害復旧支援装置1から送信される制御文121に基づく処理を実行することが可能である。
一時記憶領域は、制御部20の処理によって発生する各種情報が一時的に記憶される。制御部20は、記憶部21からドライバ2Pを一時記憶領域に読み出して実行する。制御部20は、障害復旧支援装置1から送信される制御文121を一時記憶領域に読み出して実行する。
接続部23は、上述のようにUSBインタフェースを含み、障害復旧支援装置1のみならずUSBインタフェースを有する外部装置との間で信号の送受信を実現する。接続部23は外部装置が接続されたことを検知し、制御部20へ通知する。接続部23はUSBインタフェースを介して受信したシリアル信号を各構成部間で送受信するバス信号に変換する機能を有している。制御部20は、障害復旧支援装置1が接続された場合、接続部23により障害復旧支援装置1から送信される制御文121を受信し、受信した制御文121に基づく処理を実行した結果を接続部23により送信する。更に接続部23は、シリアルインタフェースを含む。
通信部23は、他の装置とのインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)による通信を実現する。
次に、実施の形態1における障害復旧支援装置1の種類について説明する。図3は、実施の形態1における障害復旧支援装置1の種類の内容例を示す説明図である。図3の説明図には、障害復旧支援装置1を識別するための色と、夫々の色の障害復旧支援装置1に記憶されている制御文121に基づき実行される処理の内容との対応が示されている。
図3の説明図に示すように、実施の形態1における障害復旧支援装置1は9種類である。図3の説明図に示す内容例では、外装部材11が白色である障害復旧支援装置1は「オペレーション切り分け」用である。白色の障害復旧支援装置1の記憶部12には、障害が発生しているサーバ装置2における問題の切り分けをし、いずれの処理を実行すべきかを判断する処理を行なうための制御文121が記憶されている。サーバ装置2の制御部20は、接続部23により白色の障害復旧支援装置1から送信された制御文121を受信した場合、これを読み出して切り分け処理を実行する。作業者はまず当該白色の障害復旧支援装置1を障害が発生しているサーバ装置2に接続することが望ましい。
また、図3の説明図に示す内容例では、外装部材11が赤色である障害復旧支援装置1は「障害データ自動収集」用であり、外装部材11が青色である障害復旧支援装置1は「リブート」用である。外装部材11が橙色である障害復旧支援装置1は「アプリケーションプログラムに対応するプロセスの強制終了、アプリケーションプログラムの詳細情報の自動収集」用である。サーバ装置2の制御部20は、接続部23により橙色の障害復旧支援装置1から送信された制御文121を受信した場合、これを読み出して実行中のアプリケーションプログラムに対応するプロセスを終了し、各アプリケーションの実行中のデータ、ログ、設定等の詳細情報を自動的に収集する処理を実行する。図3の説明図に示す内容例では他に、外装部材11が紫色である障害復旧支援装置1は「カーネルクラッシュ作成」用であり、水色である障害復旧支援装置1は「装置試験実行」用であり、緑色である障害復旧支援装置1は「ファイル更新」用であり、黄色である障害復旧支援装置1は「システムバックアップ作成」用であり、そして黒色である障害復旧支援装置1は「各種サーバ設定自動実行」用である。
次に、図3の説明図に示した複数の種類の障害復旧支援装置1夫々の制御部10が、サーバ装置2に接続された場合に実行する処理についてフローチャートを参照して以下に説明する。
図4及び図5は、実施の形態1における障害復旧支援装置1の制御部10が、サーバ装置2に接続された場合に実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御部10は、サーバ装置2に接続されたことを接続部13により検知したか否かを判断する(ステップS101)。制御部10は、サーバ装置2に接続されたことを接続部13により検知していないと判断した場合(S101:NO)、処理をステップS101へ戻す。制御部10は、サーバ装置2に接続されたことを接続部13により検知したと判断した場合(S101:YES)、表示部14へ制御信号を送信することにより、LED141を緑色に点灯させる(ステップS102)。なお、このとき点灯させる色は実行中であることを示すのでLED141によって表示される色は緑色に限らない。
次に制御部10は、記憶部12に記憶されている制御文121を読み出し(ステップS103)、読み出した制御文121を接続部13によりサーバ装置2へ送信し(ステップS104)、表示部14へ制御信号を送信することにより、LED141を緑色に点滅させる(ステップS105)。
制御部10は、自身が送信した制御文121に基づいた処理に対し、サーバ装置2から終了通知を接続部13により受信したか否かを判断する(ステップS106)。制御部10は、サーバ装置2から終了通知を受信していないと判断した場合(S106:NO)、処理をステップS106へ戻し、終了通知を受信したと判断するまで待機する。
制御部10は、サーバ装置2から終了通知を受信したと判断した場合(S106:YES)、終了通知は正常終了を示しているか否かを判断する(ステップS107)。制御部10は、終了通知は正常終了を示していると判断した場合(S107:YES)、表示部14へ制御信号を送信することにより、LED141を青色に点滅させ(ステップS108)、処理の正常終了を示す効果音を音声出力部15により出力する(ステップS109)。
制御部10は、終了通知は異常終了を示していると判断した場合(S107:NO)、表示部14へ制御信号を送信することにより、LED141を赤色に点滅させ(ステップS110)、処理の異常終了を示す効果音を音声出力部15により出力する(ステップS111)。
次に制御部10は、サーバ装置2から更に送信される実行結果を受信したか否かを判断する(ステップS112)。制御部10は、サーバ装置2から実行結果を受信していないと判断した場合(S112:NO)、処理をステップS112へ戻してサーバ装置2から実行結果を受信したと判断するまで待機する。
制御部10は、サーバ装置2から実行結果を受信したと判断した場合(S112:YES)、受信した実行結果を記憶部12に保存することにより記憶する(ステップS113)。
次に制御部10は、終了通知は正常終了を示していたか否かを判断する(ステップS114)。制御部10は、正常終了を示していたと判断した場合(S114:YES)、受信した実行結果に応じて表示部14に制御信号を送信することにより、次に接続されるべき障害復旧支援装置1の色を示すようにLED141を点灯させ(ステップS115)、次に接続されるべき障害復旧支援装置1へ点滅信号を送信する(ステップS116)。
制御部10は、異常終了を示していたと判断した場合(S114:NO)、次のステップS117へ処理を進める。
また、制御部10は、実行結果の内容を含む文書を自動的に作成するか、又は文書を添付したメールを作成し、作成したメールをメール機能により通信部16から通知する(ステップS117)。
次に制御部10は、サーバ装置2によってアンマウントされることによって切断されたことを接続部13により検知したか否かを判断する(ステップS118)。制御部10は、切断されたことを接続部13により検知していないと判断した場合(S118:NO)、処理をステップS118へ戻して切断されたことを検知したと判断するまで待機する。制御部10は、切断されたことを接続部13により検知した場合(S118:YES)、次に接続される障害復旧支援装置1から消灯信号を受信したか否かを判断する(ステップS119)。制御部10は、消灯信号を受信していないと判断した場合(S119:NO)、処理をステップS119へ戻して消灯信号を受信したと判断するまで待機する。制御部10は、消灯信号を受信したと判断した場合(S119:YES)、表示部14のLED141を消灯し(ステップS120)、処理を終了する。
なお、ステップS120における表示部14のLED141の消灯は、ステップS118において切断されたことを接続部13に検知した場合に消灯されるのでもよい。次に接続されるべき障害復旧支援装置1がない場合、制御部10は、ステップS118において切断されたことを接続部13に検知した場合にLED141を消灯させる。
図4及び図5のフローチャートで示した処理手順の内のLED141を点灯、点滅させる各処理手順について、ステップS115において表示される次に接続されるべき障害復旧支援装置1の色以外の色について、及び点滅か点灯かについては特に限定されないことは勿論である。
また、複数の種類によって制御文121が異なる障害復旧支援装置1は基本的に図4及び図5のフローチャートに示した処理手順を実行するが、障害復旧支援装置1の種類によっては異なる処理を実行する場合がある。種類によって異なる制御文121に基づいてサーバ装置2が処理を実行するのに対応して、障害復旧支援装置1の種類によっては必要ない処理、又は更に加えられるべき処理がある。
例えば、障害が発生しているサーバ装置2に最初に接続されることが推奨される「オペレーション切り分け」用の白色の障害復旧支援装置1の制御部10は、図4及び図5のフローチャートに示した処理手順を全て実行するとする。これに対し、障害復旧支援装置1の種類によってはLED141で点灯される色が異なる構成でもよいし、ステップS107における終了を示す効果音を出力する処理を行なわない構成でもよい。また、実行結果を受信する必要がない場合はステップS108からステップS112までの処理が行なわれない構成とする種類の障害復旧支援装置1が有ってもよい。
さらに、白色の障害復旧支援装置1の次に接続されるべき等、自身が2番目以降に接続される種類の障害復旧支援装置1の制御部10は、図4及び図5のフローチャートに示した処理手順の内のステップS111の処理によって送信された点滅信号に対応する処理を実行する機能が必要である。また、例えば「リブート」用の青色の障害復旧支援装置1では、リブート処理によって処理手順の途中でサーバ装置2との接続が切断されるので、それに応じた処理が必要な場合がある。更に、2番目以降に接続される種類の障害復旧支援装置1の制御部10は、自身がサーバ装置2に接続された場合、自身の色を点灯している障害復旧支援装置1へ消灯信号を送信する構成としてもよい。そこで次に、障害復旧支援装置1の制御部10により実行される処理手順について他の一例を示す。
図6乃至図8は、実施の形態1における障害復旧支援装置1の制御部10が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図6乃至図8のフローチャートに示す処理手順の内、図4及び図5のフローチャートに示した処理手順と共通する処理手順については、同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
制御部10は、通信部16により点滅信号を受信したか否かを判断する(ステップS21)。制御部10は、点滅信号を受信していないと判断した場合(S21:NO)、処理をステップS21へ戻して点滅信号を受信したと判断するまで待機する。なお、この間にサーバ装置2に接続されたことを検知した場合は(S101:YES)、ステップS102へ処理を進めてもよい。
制御部10は、点滅信号を受信したと判断した場合(S21:YES)、表示部14に制御信号を送信することによりLED141を青色に点滅させ(ステップS22)、処理をステップS101へ進める。なお、ステップS22におけるLED141の青色での点滅は、ステップS108における正常終了を示すための点滅と区別することが可能なように点滅の周期を変化させてもよい。
制御部10は、ステップS101においてサーバ装置2に接続されたことを検知した場合(S101:YES)、表示部14に制御信号を送信することにより、LED141を青色に点滅させている場合にこれを消灯させ(ステップS23)、更に、前に接続されていた障害復旧支援装置1のLED141を消灯させるための消灯信号を、該当する障害復旧支援装置1へ送信する(ステップS24)。次に制御部10は、処理を次のステップS102へ進める。
また、制御部10は、制御文121を送信し(S104)、処理の実行中であることを示すためにLED141を緑色に点滅させた後(S105)、リブート処理がサーバ装置2で実行されることに応じてサーバ装置2との接続が切断されたことを接続部13により検知したか否かを判断する(ステップS25)。制御部10は、接続が切断されたことを接続部13により検知していないと判断した場合(S25:NO)、処理をステップS25に戻して接続が切断されたことを検知したと判断するまで待機する。
制御部10は、接続が切断されたことを接続部13により検知したと判断した場合(S25:YES)、切断中であることを示すために表示部14に制御信号を送信することによりLED141を赤色に点滅させる(ステップS26)。なお、ステップS110における異常終了を示すための点滅と区別することが可能なように点滅の周期を変化させてもよい。
次に制御部10は、サーバ装置2に再び接続されたことを接続部13により検知したか否かを判断する(ステップS27)。制御部10は、サーバ装置2に再び接続されたことを接続部13により検知していないと判断した場合(S27:NO)、処理をステップS27へ戻して接続されたことを検知したと判断するまで待機する。
制御部10は、サーバ装置2に再び接続されたことを接続部13により検知したと判断した場合(S27:YES)、表示部14に制御信号を送信することによりLED141を緑色に点滅させ(ステップS28)、サーバ装置2から終了通知を接続部13により受信したか否かの判断(S106)へ処理を進める。以降の処理手順については図4及び図5のフローチャートに示した処理手順と同様である。
図4及び図5のフローチャート、並びに図6乃至図8のフローチャートに示した処理手順の内の、ステップS113における結果を記憶する処理については、「障害データ収集」用、「カーネルクラッシュ作成」用の障害復旧支援装置1の場合、収集されて送信された障害データ、作成されて送信されたカーネルクラッシュを記憶部12に記憶する構成とする。
次に、図4及び図5のフローチャート、並びに図6乃至図8のフローチャートに示した障害復旧支援装置1の制御部10の処理手順に対応してサーバ装置2で実行される処理について、フローチャートを参照して説明する。
図9は、実施の形態1におけるサーバ装置2の制御部20が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートに示す処理手順は、サーバ装置2の制御部20が記憶部21に記憶されているドライバ2Pを読み出して実行することにより実現される。
制御部20は、障害復旧支援装置1のいずれかが接続されたことを接続部23により検知したか否かを判断する(ステップS31)。制御部20は、障害復旧支援装置1が接続されたことを接続部23により検知していないと判断した場合(S31:NO)、処理をステップS31へ戻して接続されたことを接続部23により検知したと判断するまで待機する。
制御部20は、障害復旧支援装置1が接続されたことを接続部23により検知したと判断した場合(S31:YES)、接続された障害復旧支援装置1を認識(マウント)する(ステップS32)。制御部20は、接続された障害復旧支援装置1から送信される制御文121を接続部23により受信し(ステップS33)、受信した制御文121を一時記憶領域に読み出して制御文121に基づく処理を実行する(ステップS34)。制御部20は、制御文121に基づく処理を実行し終えたことを示す終了通知を接続部23により送信し(ステップS35)、、更に、制御文121に基づく実行結果を接続部23により送信する(ステップS36)。なお、実施の形態1におけるサーバ装置2の制御部20は、ステップS35における終了通知は、正常終了/異常終了を識別することが可能な信号により送信するとする。
次に制御部20は、障害復旧支援装置1との接続をアンマウントすることにより切断し(ステップS37)、処理を終了する。
なお、ステップS33における障害復旧支援装置1から送信される制御文121の受信処理は、サーバ装置2の制御部20によって能動的に、接続されている障害復旧支援装置1の記憶部12から制御文121を読み出すことによって取得する構成としてもよい。
このように障害復旧支援装置1から取得した制御文121に基づく処理が実行され、ステップS35及びS36が実行されることにより、次に接続される装置がいずれの装置であるかの判断に用いられる実行結果、又は保存されるべき実行結果が障害復旧支援装置1へ送信される。なお、ステップS35及びステップS36における終了通知及び実行結果の送信処理については、接続される障害復旧支援装置1の種類によっては、必ず実行される処理とは限らない。
次に、図4及び図5のフローチャート、並びに、図6乃至図8のフローチャートに示した処理手順を障害復旧支援装置1の制御部10が実行し、LED141が、次に接続されるべき障害復旧支援装置1の色に点灯される処理について具体例を示す。
図10は、実施の形態1における障害復旧支援装置1の制御部10の処理によって、次に接続されるべきと判断される障害復旧支援装置1の色の組み合わせについての内容例を示す説明図である。なお、図10の説明図に示す内容例の色は、図3の説明図に示した処理の内容に対応している。また、図10の説明図に示す内容例は、サーバ装置2に障害が発生した場合に「オペレーション切り分け」用の白色の障害復旧支援装置1を最初に接続したときに、表示部14のLED141で点灯される色の分岐の具体例を示している。
障害が発生しているサーバ装置2の接続部23に、作業者が白色の障害復旧支援装置1を接続した場合、サーバ装置2でオペレーション切り分けの処理が行なわれる。更に、処理が実行された結果を受信した白色の障害復旧支援装置1の制御部10により、次に接続されるべき障害復旧支援装置1の色がLED141で示される。このとき、白色の障害復旧支援装置1の制御部10により、終了通知及び実行結果を参照して障害データを自動的に収集すべきか、又はサーバ装置2で実行されているアプリケーションプログラムに対応するプロセスを終了させてアプリケーションプログラムの詳細情報を収集すべきかが判断される。障害復旧支援装置1の制御部10が次に障害データを自動的に収集すべきであると判断した場合、白色の障害復旧支援装置1の表示部14では「障害データ自動収集」用の障害復旧支援装置1の外装部材11の色に対応する「赤色」にLED141が点灯される。またこのとき、次に接続されるべき赤色の障害復旧支援装置1の表示部14のLED141が青色に点滅する。
これに対し、作業者は白色の障害復旧支援装置1の表示部14のLED141が示している「赤色」に従い、白色の障害復旧支援装置1をサーバ装置2から取り外し、表示部14のLED141が青色に点滅している赤色の障害復旧支援装置1をサーバ装置2に接続すればよい。サーバ装置2に接続されたことを検知した赤色の障害復旧支援装置1の制御部10により消灯信号が送信されるので、白色の障害復旧支援装置1の表示部14のLED141は消灯される。サーバ装置2では、障害データの収集処理が行なわれ、その実行結果として赤色の障害復旧支援装置1の記憶部12に収集された障害データが保存される。赤色の障害復旧支援装置1の制御部10により、障害の発生がサーバ装置2のカーネルの問題であるのか否かが判断され、カーネルの問題であると判断された場合、赤色の障害復旧支援装置1の表示部14では「カーネルクラッシュ作成」用の障害復旧支援装置1の外装部材11の色に対応する「紫色」にLED141が点灯される。またこのとき、紫色の障害復旧支援装置1の表示部14のLED141が青色に点滅する。
これに対し、作業者は赤色の障害復旧支援装置1の表示部14のLED141が示している「紫色」に従い、赤色の障害復旧支援装置1をサーバ装置2から取り外し、表示部14のLED141が青色に点滅している紫色の障害復旧支援装置1をサーバ装置2に接続すればよい。サーバ装置2に接続されたことを検知した紫色の障害復旧支援装置1の制御部10により消灯信号が送信されるので、赤色の障害復旧支援装置1の表示部14のLED141は消灯される。サーバ装置2では、カーネルクラッシュの作成処理が行なわれる。このとき、処理中にリブート処理が行なわれるので、紫色の障害復旧支援装置1の制御部10は切断されたこと、及び接続されたことを検知した場合に応じてLED141の点灯/消灯が制御される。カーネルクラッシュの作成処理が行なわれた実行結果として、紫色の障害復旧支援装置1の記憶部12には作成されたカーネルクラッシュが保存される。紫色の障害復旧支援装置1の制御部10により、次は試験が行なわれるべきであると判断され、紫色の障害復旧支援装置1の表示部14では「装置試験実行」用の障害復旧支援装置1の外装部材11の色に対応する「水色」にLED141が点灯される。またこのとき、水色の障害復旧支援装置1の表示部14のLED141が青色に点滅する。
これに対し、作業者は紫色の障害復旧支援装置1の表示部14のLED141が示している「水色」に従い、紫色の障害復旧支援装置1をサーバ装置2から取り外し、表示部14のLED141が青色に点滅している水色の障害復旧支援装置1をサーバ装置2に接続すればよい。これにより、サーバ装置2では自動的に試験が行なわれる。試験の実行結果は水色の障害復旧支援装置1の記憶部12に保存される。水色の障害復旧支援装置1の制御部10は、サーバ装置2との接続が切断されたことを検知した場合にLED141を消灯させる。したがって作業者は水色の障害復旧支援装置1の表示部14のLED141の消灯を確認することで、一連の作業が終了したことを認識することができる。作業者は、水色の障害復旧支援装置1をサーバ装置2から取り外して障害復旧作業を終了する。
このように、障害復旧支援装置1の制御部10の処理によって、次に接続されるべき障害復旧支援装置1の色が表示部14により表示される。したがって、作業者は次に接続すべき障害復旧支援装置1を直感的に把握することが可能である。作業者は障害復旧支援装置1における表示に従えばよく、特に高度な知識及び技術力を有していなくとも、発生している障害の状況、又は試験における状況に応じて適切な処理を順を追って実行させることができ、作業ミスも減少することが期待される。
更に、次に接続される障害復旧支援装置1へ点滅信号が送信され、次に接続されるべき障害復旧支援装置1の表示部14のLED141が青色に点滅する。したがって、作業者が次に接続するべき障害復旧支援装置1の色を誤認識して装置を取り違えることを回避して作業ミスを更に減少させ、システムの復旧の確実性をより高めることができる。
また、各障害復旧支援装置1における処理を終了した後は、メール(ファクシミリ)が送信されている。メールのあて先をシステムの保守運用の管理者しておくことにより、各段階での処理の結果が管理者に通知される。これにより、管理者は障害復旧作業の内容を迅速に把握することができ、複数の障害復旧装置から送信された実行結果に矛盾があるか否かを早い段階で判断することが可能である。これにより、更に障害復旧作業の確実性を高めることができる。
図10の説明図には、上述のように「白色」、「赤色」、「紫色」及び「水色」の順序で次に接続されるべき障害復旧支援装置1の色が表示される場合以外の分岐についても示されている。例えば、白色の障害復旧支援装置1の表示部14で表示された色に従い、次に作業者が赤色の障害復旧支援装置1をサーバ装置2に接続した場合についても示されている。この場合、赤色の障害復旧支援装置1の制御部10によりカーネルの問題でないと判断されたときは、赤色の障害復旧支援装置1の表示部14では「リブート」用の障害復旧支援装置1に対応する「青色」にLED141が点灯される。これに従って作業者により青色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続された場合、サーバ装置2で処理が終了した後、青色の障害復旧支援装置1の表示部14では「装置試験実行」用の障害復旧支援装置1に対応する「水色」にLED141が点灯される。
他の例として、最初にサーバ装置2に接続された白色の障害復旧支援装置1の制御部10が、終了通知及び実行結果に応じてサーバ装置2で実行されているアプリケーションプログラムに対応するプロセスを終了させてアプリケーションプログラムの詳細情報を収集すべきであると判断した場合、白色の障害復旧支援装置1の表示部14では「アプリケーションプログラムに対応するプロセスの強制終了、アプリケーションプログラムの詳細情報の自動収集」用の障害復旧支援装置1に対応する「橙色」にLED141が点灯される。これに従って作業者により橙色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続された場合、サーバ装置2で処理が終了した後、橙色の障害復旧支援装置1の表示部14では「障害データ自動収集」用の障害復旧支援装置1に対応する「赤色」にLED141が点灯される。更に、これに従って作業者により赤色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続された場合、障害データの自動収集処理が実行された後、赤色の障害復旧支援装置1の表示部14では「リブート」用の障害復旧支援装置1に対応する「青色」にLED141が点灯されるか、又は、「カーネルクラッシュ作成」用の障害復旧支援装置1に対応する「紫色」にLED141が点灯される。青色にLED141が点灯され、これに従って作業者により青色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続されたときは、リブートが実行された後、青色の障害復旧支援装置1の表示部14では「装置試験実行」用の障害復旧支援装置1に対応する「水色」にLED141が点灯される。赤色の障害復旧支援装置1の表示部14で紫色にLED141が点灯され、これに従って作業者により紫色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続されたときは、カーネルクラッシュ作成処理が実行された後、紫色の障害復旧支援装置1の表示部14で「装置試験実行」用の障害復旧支援装置1に対応する「水色」にLED141が点灯される。
障害が発生しているサーバ装置2のみならず、障害以前の問題を対処する場合、運用前の装置試験を行なう場合でも障害復旧支援装置1を利用することが可能である。図11は、実施の形態1における障害復旧支援装置1の制御部10の処理によって、次に接続されるべきと判断される障害復旧支援装置1の色の組み合わせについての内容例を示す説明図である。なお、図11の説明図に示す内容例の色は、図3の説明図に示した処理の内容に対応している。
図11(a)の説明図に示す内容例では、サーバ装置2における装置試験を行なう場合の例を示している。この場合、最初に「装置試験実行」用の水色の障害復旧支援装置1を接続し、装置試験の処理をサーバ装置2に実行させることができる。この場合、水色の障害復旧支援装置1の表示部14では、次に接続されるべき障害復旧支援装置1の色は表示されない。
図11(b)の説明図に示す内容例では、サーバ装置2における障害以前の問題対処を行ない、バージョンアップ等のファイルを更新させたい場合の分岐の例を示している。この場合、作業者は最初に「システムバックアップ作成」用の黄色の障害復旧支援装置1を接続する。黄色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続された場合、サーバ装置2でシステムバックアップ作成処理が実行された後、黄色の障害復旧支援装置1の表示部14では次に接続されるべき「ファイル更新」用の障害復旧支援装置1に対応する「緑色」にLED141が点灯される。これに従って作業者により緑色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続され、ファイル更新が実行された後は、「リブート」用の障害復旧支援装置1に対応する「青色」にLED141が点灯されるか、又は、「各種サーバ設定自動実行」用の障害復旧支援装置1に対応する「黒色」と認識されるようにLED141が制御される。青色にLED141が点灯され、これに従って作業者により青色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続された場合、リブートが実行された後に、青色の障害復旧支援装置1の表示部14では「装置試験実行」用の障害復旧支援装置1に対応する「水色」にLED141が点灯される。黒色と認識されるようにLED141が制御され、これに従って作業者により黒色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続された場合は、各種サーバ設定が自動的に実行された後に、黒色の障害復旧支援装置1の表示部14では「リブート」用の障害復旧支援装置1に対応する「青色」にLED141が点灯される。これに従って作業者により青色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続されてリブートが実行された後は、青色の障害復旧支援装置1の表示部14では「装置試験実行」用の障害復旧支援装置1に対応する「水色」にLED141が点灯される。
図11(c)の説明図に示す内容例では、サーバ装置2におけるサーバ設定を行なう場合の分岐の例を示している。この場合、作業者は最初に「システムバックアップ作成」用の黄色の障害復旧支援装置1を接続する。黄色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続された場合、サーバ装置2でシステムバックアップ作成処理が実行された後、黄色の障害復旧支援装置1の表示部14では次に接続されるべき「各種サーバ設定自動実行」用の障害復旧支援装置1に対応する「黒色」と認識されるようにLED141が制御される。これに従って作業者により黒色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続されて各種サーバ設定が自動的に実行された後は、黒色の障害復旧支援装置1の表示部14では「リブート」用の障害復旧支援装置1に対応する「青色」にLED141が点灯されるか、又は、「装置試験実行」用の障害復旧支援装置1に対応する「水色」にLED141が点灯される。青色にLED141が点灯され、これに従って作業者により青色の障害復旧支援装置1がサーバ装置2に接続された場合、リブートが実行された後に、青色の障害復旧支援装置1の表示部14では「装置試験実行」用の障害復旧支援装置1に対応する「水色」にLED141が点灯される。
このように、多様な処理に応じて複数の種類の障害復旧支援装置1を用意することにより、高度な知識、技術力を有さない作業者であっても、サーバ装置2に対して多様な処理を順を追って実行させることが可能になる。
なお、実施の形態1における障害復旧支援装置1の接続部13はUSBインタフェースを利用する構成とした。接続部13にUSBインタフェースを利用する構成とすることにより、EEPROM等の小型のメモリを記憶部12として組み合わせ、小型で軽量で利便性の高い障害復旧支援装置1を実現することが可能である。また、双方向にデータの送受信が可能であり、ログデータ、障害データ、カーネルクラッシュ等の収集、保存も容易である。更に、既存のサーバ装置2はほぼUSBインタフェースを備えているので、サーバ装置2にドライバ2Pをインストールすることによって既存の種々のシステムにおけるサーバ装置2に対して汎用的に障害復旧支援装置1を利用することが可能である。
しかしながら、本発明はこれに限らず、接続部13はシリアルインタフェース(シリアルポート)を利用する構成としてもよい。この場合、制御部10は、接続部13によりサーバ装置2に接続されたことを検知した場合、予め設定してある制御信号を接続部13を介して出力するように構成される。なお、シリアルインタフェースを利用した場合、制御部10は制御信号を出力したときに表示部14のLED141を点灯させて処理を終了したことを示すことは可能であるが、サーバ装置2における処理の結果を受け付けてその結果に応じてLED141の色、及び点灯/点滅/消灯を制御することは困難である。
シリアルインタフェースを利用した接続部13を備える障害復旧支援装置1は、サーバ装置2にリブートを実行させる制御信号を出力するか、又はカーネルクラッシュを作成させる制御信号を出力する種類の障害復旧支援装置1として実施の形態1に示したUSBインタフェースを利用した9種類の障害復旧支援装置1に加えられる構成としてもよい。この場合、白色の障害復旧支援装置1が接続され、次に挿入すべき装置の色が表示部14により点灯されず、何ら表示されなかったときには、当該シリアルインタフェースを利用した障害復旧支援装置1をサーバ装置2に接続してリブートさせる装置、又はカーネルクラッシュを作成させる装置として利用される構成としてもよい。
また、表示部14のLED141を三色LED(フルカラーLED)によって構成することにより、容易な構成で次に接続されるべき障害復旧支援装置1を識別する色の情報を表示させることができる。LEDを利用していることにより、障害復旧支援装置1を小型化、軽量化することが可能である。三色LEDにより、ほとんどの色を再現することができるので、多数の種類の障害復旧支援装置1に対応することが可能になる。
なお、実施の形態1における障害復旧支援装置1は、通信部16を備えて他の障害復旧支援装置1へ点滅信号、又は消灯信号を送受信することにより、表示部14のLED141を点滅又は消灯させるべきことを通知することが可能な構成とした。また、実施の形態1における障害復旧支援装置1は、通信部16により外部へメールを送信する機能を有する構成とした。本発明はこれに限らず、障害復旧支援装置1は通信部16を備えない構成としてもよい。表示部14により、次に接続されるべき障害復旧支援装置1の色を表示するのみであっても、作業者は次に接続されるべき障害復旧支援装置1を把握することが可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2では、障害復旧支援装置1は表示部14にディスプレイ143を含む構成とする。また、実施の形態2における障害復旧支援装置1も複数の種類に分かれている。ただし、実施の形態2における障害復旧支援装置1は、異なる種類に応じて異なる形状が外装部材11に施されており、夫々を視覚を通じて識別することが可能である。
実施の形態2における障害復旧支援装置1は、表示部14にディスプレイ143を含んでいること、及び外装部材11に種類に応じて異なる形状が施されていること以外、実施の形態1における障害復旧支援装置1と共通する部分を有している。そこで、実施の形態1における障害復旧支援装置1と共通する部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図12は、実施の形態2における障害復旧支援装置1の外観を示す略示斜視図である。図12(a)(b)には夫々、異なる種類の障害復旧支援装置1の外観が示されている。図12中の11は、実施の形態2における障害復旧支援装置1の外装部材である。実施の形態2における障害復旧支援装置1の外装部材11は全体で扁平な略直方体形状をなし、2つの部分で構成されている。外装部材11を構成する2つの部材111,112はいずれも扁平な略直方体形状をなし、短辺側の側面が対向するように連結部113,113により連結されている。連結部113は、2つの部材111,112夫々の短辺側の側面の一方に一体的に設けられていて略円筒形状をなす。2つの部材111,112夫々の連結部113,113は、一方の部材111(112)の連結部113の外径と、他方の部材112(111)の連結部113の内径とが略等しく構成されており、一方の部材111(112)の連結部113が他方の部材112(111)の連結部113の内側に挿入されることによりヒンジ状に連結される。2つの部材111,112は連結部113,113により軽く固定されて、作業者は手動で2つの部材111,112を回動させることが可能である。図12には、作業者により2つの部材111,112のなす角度が約90度となるように回動されている状態が示されている。
また、障害復旧支援装置1の内部の各構成部も、2つの部材111,112によって夫々覆われている。一方の部材111(112)には接続部13を含む各構成部の一部が覆われており、接続部13は露出してサーバ装置2の接続部23に接続されることが可能である。他方の部材112(111)には表示部14を含む各構成部の他の一部が覆われており、表示部14に含まれるLED141及びディスプレイ143は露出し、図12に示す用に作業者によって視認することが可能である。障害復旧支援装置1の各構成部間は連結部113,113の内部でフレキシブル基板等の配線により接続されている。
図12(a)に示す障害復旧支援装置1の外装部材11の内の、表示部14を覆う部材112の表面であって、LED141及びディスプレイ143が露出している面の一部114に「丸」形状が施されている。「丸」形状は彫りによって施されてもよいし、異なる色で着色されることによって形状が施されている構成でもよい。同様に、図12(b)に示す障害復旧支援装置1の外装部材11の内の、表示部14を覆う部材112の表面であって、LED141及びディスプレイ143が露出している面の一部114に「四角」形状が施されている。なお、図12(a)に示す障害復旧支援装置1のディスプレイ143には、図12(b)に示す障害復旧支援装置1を識別するために「四角」形状が表示されている。実施の形態2における障害復旧支援装置1を利用する場合、作業者は、図12(a)に示すようにディスプレイ143に表示されている形状によって、次に接続されるべき障害復旧支援装置1を把握することが可能である。
なお、図12に示すように、外装部材11が2つの部材111,112に分かれて構成され、2つの部材111,112のなす角度を調整することが可能な構成とすることにより、作業者は障害復旧支援装置1をサーバ装置2に接続した場合に、外装部材11の扁平面が略水平となっても表示部14のLED141及びディスプレイ143を視認することができる。
図13は、実施の形態2における障害復旧支援装置1の内部構成を示すブロック図である。サーバ装置2については、実施の形態1におけるサーバ装置2と同様の構成であるので詳細な説明を省略する。
障害復旧支援装置1は、制御部10と記憶部12と接続部13と表示部14と音声出力部15と通信部16とを備える。表示部14は、LED141と、LED141を駆動するLED駆動部142と、液晶パネルを利用したディスプレイ143と、ディスプレイ143を駆動するディスプレイ駆動部とを含み、制御部10からの制御信号を受け付けてLED141の色及び点灯/点滅/消灯をLED駆動部142により制御すると共に、ディスプレイ143における各種文字、数字、記号、形状の表示、非表示をディスプレイ駆動部により制御する。制御部10は、次に接続されるべき障害復旧支援装置1を識別するための形状のみならず、サーバ装置2から受信した実行結果の内容に応じて、サーバ装置2におけるCPU使用率、メモリ使用率、経過時間、処理内容等の各種情報を表示することが可能である。
また、図12に示したように実施の形態2における障害復旧支援装置1の表示部14のLED141は、複数備えられるように示してある。複数のLED141が備えられることは必須ではないが、複数のLED141を備えることにより、その点灯/点滅/消灯の組み合わせに応じて、制御部10は接続されているサーバ装置2における処理の実行経過等を表示することが可能な構成としてもよい。
図14は、実施の形態2における障害復旧支援装置1の種類の内容例を示す説明図である。図14の説明図には、障害復旧支援装置1を識別するための形状と、夫々の形状が施された障害復旧支援装置1に記憶されている制御文121に基づく処理の内容との対応が示されている。
図14の説明図に示すように、実施の形態2における障害復旧支援装置1は9種類である。外装部材11に「丸」形状が施されている障害復旧支援装置1は「オペレーション切り分け」用であり、「二重丸」形状が施されている障害復旧支援装置1は「障害データ自動収集」用である。外装部材11に「丸の中央に水平線分」形状が施されている障害復旧支援装置1は、「リブート」用である。「四角」形状が施されている障害復旧支援装置1は、「アプリケーションプログラムに対応するプロセスの強制終了、アプリケーションプログラムの詳細情報の自動収集」用であり、「三角」形状が施されている障害復旧支援装置1は、「カーネルクラッシュ作成」用である。「逆三角」形状が施されている障害復旧支援装置1は、「装置試験実行」用であり、「星」形状が施されている障害復旧支援装置1は、「ファイル更新」用である。「ひし形」形状が施されている障害復旧支援装置1は、「システムバックアップ作成」用であり、「無限大記号」形状が施されている障害復旧支援装置1は、「各種サーバ設定自動実行」用である。
次に、図14の説明図に示した複数の種類の障害復旧支援装置1夫々の制御部10が、サーバ装置2に接続された場合に実行する処理についてフローチャートを参照して以下に説明する。
図15及び図16は、実施の形態2における障害復旧支援装置1の制御部10が、サーバ装置2に接続された場合に実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、実施の形態1では、障害復旧支援装置1は夫々、次に接続されるべき障害復旧支援装置1を識別する情報を出力する手段として、外装部材11に施されている形状を表示するディスプレイ143を備えている点が実施の形態1における障害復旧支援装置1と異なる。したがって、次に接続されるべき障害復旧支援装置1を識別する情報を出力する処理としてLED141で色を示すのではなく、ディスプレイ143で形状を示す点が異なる。そこで、以下に示す図15及び図16のフローチャートでは、実施の形態1における障害復旧支援装置1の制御部10による処理手順と共通する処理手順については図4及び図5のフローチャートに示した処理手順と同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
制御部10は、サーバ装置2から実行結果を受信したと判断し(S112:YES)、受信した実行結果を記憶し(S113)、受信した正常終了を示していたと判断した場合(S114:YES)、実行結果に応じて表示部14に制御信号を送信することにより、次に接続されるべき障害復旧支援装置1に施されている形状をディスプレイ143に表示させる(ステップS41)。
また、消灯信号を受信したと判断した場合(S119:YES)、表示部14のLED141及びディスプレイ143に表示していた形状を消去し(ステップS42)、処理を終了する。
ステップS42における表示部14のディスプレイ143における表示の消去は、ステップS118においてサーバ装置2と切断されたことを接続部13に検知した場合に行なわれるのでもよい。次に接続されるべき障害復旧支援装置1がない場合、制御部10は、ステップS118において切断されたことを接続部13に検知した場合にLED141を消灯の消灯及びディスプレイ143に表示していた形状を消去する。
また、障害復旧支援装置1の種類によっては、サーバ装置2にリブート処理を実行させる場合もあり、処理途中にサーバ装置2と切断されるときがある。したがって、実施の形態2における障害復旧支援装置1についても、実施の形態1における図6乃至図8のフローチャートに対応する処理を実行する場合がある。この場合、図4及び図5のフローチャートに示した処理手順に対する図15及び図16のフローチャートに示した処理手順と同様に、ステップS115がステップS41に代替され、ステップS120がステップS42に代替されて実行される。
このように、障害復旧支援装置1の制御部10の処理によって、次に接続されるべき障害復旧支援装置1に施されている形状が表示部14のディスプレイ143に表示される。したがって、作業者は次に接続すべき障害復旧支援装置1を直感的に把握することが可能である。作業者は障害復旧支援装置1における表示に従えばよく、特に高度な知識及び技術力を有していなくとも、発生している障害の状況、又は試験における状況に応じて適切な処理を順を追って実行させることができ、作業ミスもなくなることが期待される。また、人によって認識が異なる可能性があるのに対し、表示される形状が具体的であるので、次に接続されるべき障害復旧支援装置1を誤って認識することをより確実に回避することも期待できる。更に、ディスプレイ143を使用することにより、サーバ装置2における処理の経過、実行結果に含まれるCPU使用率、メモリ使用率等の詳細情報を表示することができるので、利便性が高まる。
なお、各形状が施された障害復旧支援装置1に対応する制御文121に基づく処理内容は、実施の形態1における各色の障害復旧支援装置1と対応しているので、分岐の例についての図示を省略する。つまり、「丸」形状が施された障害復旧支援装置1は「白色」の障害復旧支援装置1に対応するので、最初に「丸」形状が施されている障害復旧支援装置1を接続した場合の以後の分岐の例は、実施の形態1で示した各色に対応する形状で分岐される。
なお、実施の形態2における複数の種類の障害復旧支援装置1は、外装部材11に施されている模様の形状で識別されるように構成され、表示部14のディスプレイ143により次に接続されるべき障害復旧支援装置1の形状を表示する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、LED141により次に接続されるべき障害復旧支援装置1の色を示すと共に、ディスプレイ143により形状を表示する構成としてもよい。また、その組み合わせによって複数の種類の障害復旧支援装置1を識別することが可能な構成としてもよい。例えば、外装部材11が赤であり、且つ施されている形状が「丸」である障害復旧支援装置1と、外装部材11が青であり、且つ施されている形状が「丸」である障害復旧支援装置1とで識別されるようにしてもよい。
また、実施の形態2における障害復旧支援装置1が備える表示部14のディスプレイ143は液晶パネルを利用する構成とした。しかしながら、セグメントディスプレイ143、有機EL(Electroluminescence)、プラズマディスプレイ等の表示デバイスを利用してもよい。
なお、実施の形態1及び2では、障害復旧支援装置1は夫々、次に接続されるべき障害復旧支援装置1を識別する情報を出力する手段として、LED141及び/又はディスプレイ143を利用した表示部14によって情報を示す構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、音声出力部15を次に接続されるべき障害復旧支援装置1を識別する情報を出力する手段として利用し、次に接続されるべき障害復旧支援装置1を識別する情報として「次は、赤色の装置を接続してください。」又は「次は、丸印の付いた装置を接続してください。」等の合成音声、パターンで識別可能な効果音によって情報を示す構成としてもよい。
以上の実施の形態1及び2に関し更に、以下の付記を開示する。
(付記1)
接続部を有し、該接続部を介して接続される装置に一又は複数の処理を行なわせ、前記装置における障害の復旧を支援する障害復旧支援装置であって、
所定の処理を実行するための制御文が予め記憶してあり、
前記接続部により前記装置に接続された場合に、前記装置に制御文を取得させる手段と、
前記装置における処理の結果を受け付ける手段と、
受け付けた結果に応じて次に接続されるべき装置を識別する情報を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする障害復旧支援装置。
(付記2)
前記処理の内容に対応して異なる色の外装部材を備え、
前記出力手段は、次に接続されるべき装置の外装部材の色の情報を出力するようにしてあること
を特徴とする付記1に記載の障害復旧支援装置。
(付記3)
前記外装部材は処理の内容に対応して異なる形状の外装部材を備え、
前記出力手段は、次に接続されるべき装置の外装部材の形状の情報を出力するようにしてあること
を特徴とする付記1又は2に記載の障害復旧支援装置。
(付記4)
他の装置と通信する通信手段と、
該通信手段により、次に接続されるべき装置へ通知する手段と
を備え、
他の装置から通知された場合、前記出力手段により通知されたことを示す情報を出力するようにしてあること
を特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の障害復旧支援装置。
(付記5)
受け付けた結果を記憶する手段と、
受け付けた結果を外部へ通知する手段と
を更に備えることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の障害復旧支援装置。
(付記6)
前記出力手段は、複数の異なる色を発光する発光素子を備えること
を特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の障害復旧支援装置。
(付記7)
前記出力手段は、文字、数字、記号を含む情報を表示する表示部を備えること
を特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の障害復旧支援装置。
(付記8)
前記接続部はUSB(Universal Serial Interface)インタフェースを有していること
を特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の障害復旧支援装置。
(付記9)
接続部により接続される装置に一又は複数の処理を行なわせ、前記装置における障害の復旧を支援する障害復旧支援方法であって、
前記接続部により前記装置に接続された場合に、
予め記憶してある所定の処理を実行するための制御文を前記装置に取得させ、
前記装置における処理の結果を受け付け、
受け付けた結果に応じて次に接続されるべき装置を識別する情報を出力すること
を特徴とする障害復旧支援方法。
(付記10)
コンピュータを、付記1乃至8のいずれかに記載の障害復旧支援装置が接続された場合に、
前記障害復旧支援装置から制御文を取得する手段、
取得した制御文に基づく制御を実行する手段、及び、
実行結果を前記障害復旧支援装置へ通知する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。