JP2009075834A - 侵入監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】明るさが変化しやすい環境であっても、明るさの変化に起因する誤判定を招きにくい侵入監視装置を提供すること。
【解決手段】侵入監視装置は、初期画像を取り込んで(S120)、初期画像内にある検出区画を対象にして輪郭抽出処理を施し(S130,S140)、抽出した輪郭線を判定線分として設定する(S150)。その後は、一定時間毎に最新画像を取り込んで(S160)、最新画像内にある検出区画を対象にして輪郭抽出処理を施し(S170,S180)、抽出した輪郭線を判定線分として、判定線分の分断幅を計測する(S190)。分断幅がしきい値以上の場合は(S200:分断幅≧しきい値)、不正侵入を検知したものと判定し(S210)、警告・通報・写真撮影を実行する(S220)。
【選択図】図6
【解決手段】侵入監視装置は、初期画像を取り込んで(S120)、初期画像内にある検出区画を対象にして輪郭抽出処理を施し(S130,S140)、抽出した輪郭線を判定線分として設定する(S150)。その後は、一定時間毎に最新画像を取り込んで(S160)、最新画像内にある検出区画を対象にして輪郭抽出処理を施し(S170,S180)、抽出した輪郭線を判定線分として、判定線分の分断幅を計測する(S190)。分断幅がしきい値以上の場合は(S200:分断幅≧しきい値)、不正侵入を検知したものと判定し(S210)、警告・通報・写真撮影を実行する(S220)。
【選択図】図6
Description
本発明は、侵入監視装置に関する。
従来、カメラで監視対象領域を撮影して、侵入者の有無を監視する侵入監視装置は、既に提案されている。
また、カメラの撮影機能を利用する技術分野においては、明るさに分布のある被写体を撮影する際に、注目箇所の明るさを最適化するための技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−80323号公報
また、カメラの撮影機能を利用する技術分野においては、明るさに分布のある被写体を撮影する際に、注目箇所の明るさを最適化するための技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、従来の侵入監視装置においては、以下のような仕組みで侵入者の有無を判定するものがあった。すなわち、監視対象領域の最新画像を定期的に撮影するとともに、侵入者がいない状態で撮影した初期画像と最新画像とを比較し、両画像で相違する領域の面積が所定のしきい値を超える場合に、侵入者ありと判定するものがあった。
しかし、上記のような仕組みは、監視対象領域内の明るさの分布に変化がなければ問題ないものの、明るさの分布に大きな変化が生じ得る環境では、以下のような問題を招くおそれがあった。
例えば、自動車の車室内を監視対象領域とする場合、自車の駐車場所や向きが変わったり、自車の近くを人や物が通過したりすると、ウィンドウ越しに車室内へ射し込む光の入射状況が変化することがある。この場合に、監視対象領域内に、新たに光が当たった部分や新たに陰となった部分が生じると、そのような部分が初期画像と最新画像とで相違する領域として抽出され、侵入者ありとの誤判定がなされてしまうおそれがあった。
なお、上記特許文献1には、明るさに分布のある被写体を撮影する技術が開示されているが、このような技術を利用しても、侵入者ありとの誤判定を回避することは困難であった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、明るさが変化しやすい環境であっても、明るさの変化に起因する誤判定を招きにくい侵入監視装置を提供することにある。
以下、本発明において採用した構成について説明する。
請求項1に記載の侵入監視装置は、撮影対象領域の画像の一部または全部を画像処理対象として、画像処理対象内にある被写体から、被写体が有する部分の輪郭線を抽出する。そして、その輪郭線の一部または全部を判定線分として、判定線分が所定幅以上にわたって分断されているか否かを判定する。この判定の結果、判定線分が所定幅以上にわたって分断されていると判定されれば、不正侵入検知時に対応する制御を実行する。
請求項1に記載の侵入監視装置は、撮影対象領域の画像の一部または全部を画像処理対象として、画像処理対象内にある被写体から、被写体が有する部分の輪郭線を抽出する。そして、その輪郭線の一部または全部を判定線分として、判定線分が所定幅以上にわたって分断されているか否かを判定する。この判定の結果、判定線分が所定幅以上にわたって分断されていると判定されれば、不正侵入検知時に対応する制御を実行する。
以上のような侵入監視装置が作動している状況下で、監視対象領域に何らかの物体(以下、侵入物と称する)が侵入すると、上記輪郭線の抽出対象となる被写体に侵入物(実像)が重なる。そのため、侵入物が重なった箇所からは、所期の輪郭線が抽出できなくなり、その結果、判定線分が分断されることになる。
したがって、判定線分の分断幅が、ノイズ等に起因するごく狭い分断幅ではなく、明らかに何らかの侵入物が重なったと思われるある程度以上に広い分断幅であった場合には、不正侵入検知時に対応する制御が実行されることになる。
一方、上記のような侵入監視装置が作動している状況下で、強い光が射し込んだり、そのような光の入射に伴って陰が生じたりしても、そのような光や陰(虚像)が生じた程度では消えない判定線分をあらかじめ選定しておくことはできる。したがって、そのような判定線分を選定しておくことにより、明るさが変化しやすい環境であっても、明るさの変化に起因する誤判定を防止することができる。
さらに、判定線分が分断されているか否かは、判定線分を構成する画素を一次元的に走査すれば判定できるので、このような判定線分よりも幅が広い領域を二次元的に走査して判定を行う場合に比べ、画像処理対象となる範囲のデータ量を大幅に削減することができ、その分、機器にかかる負荷を軽減することができる。
請求項2に記載の侵入監視装置は、溝が形成された構造とされた判定線分提供部材を備えており、その溝の輪郭線を抽出して、その輪郭線の一部または全部を判定線分とする。
判定線分提供部材の溝は、溝の深さを深くしたり溝の内部の色を暗色化することで、判定線分提供部材に光が当たっても、光が反射しない溝と光が反射する溝の両側とで明確な輝度差が生じるようにすることができる。
判定線分提供部材の溝は、溝の深さを深くしたり溝の内部の色を暗色化することで、判定線分提供部材に光が当たっても、光が反射しない溝と光が反射する溝の両側とで明確な輝度差が生じるようにすることができる。
このような溝から判定線分を抽出すれば、光が射し込んだ場合でも、光が反射しない溝と光が反射する溝の両側とで明確な輝度差が生じるので、溝のない部分から判定線分を抽出する場合に比べ、光の入射に起因する誤判定をより確実に防止できるようになる。
請求項3に記載の侵入監視装置は、座席、ステアリング・ホイール、ウィンドウ枠、およびドア内装部品の内、少なくとも1つから輪郭線を抽出して、その輪郭線の一部または全部を判定線分とする。
したがって、判定線分を抽出するために専用の部材を配設しなくても、車両に配設された座席、ステアリング・ホイール、ウィンドウ枠、ドア内装部品などを利用して判定線分を抽出することができる。
なお、請求項2および請求項3に記載の判定線分提供部材、座席、ステアリング・ホイール、ウィンドウ枠、およびドア内装部品は、いずれか1つだけを判定線分の抽出対象として選定してもよいが、複数を組み合わせて選定してもよい。
より確実に侵入者の有無を判定する上では、判定線分の数は多いほどよく、また、判定線分の長さは長いほどよく、また、判定線分の位置は様々な位置に存在するほどよい。ただし、これらの条件をすべて満足すると、1回の判定で扱うデータ量が増えるので、侵入監視装置にはより高度な処理性能が求められることになる。したがって、判定線分の数、長さ、位置等を選定する際には、必要な処理性能やコストとの関係等も考慮して、どの程度の判定線分を利用するのかを決定すると好ましい。
請求項4に記載の侵入監視装置は、不正侵入検知時に対応する制御として、ランプを点灯または点滅させる制御、および音を発生させる制御の内、少なくとも1つを実行する。
したがって、不正侵入の検知をランプや音で車両の外部へと報知することができ、これにより、侵入者を退散させることができる。
したがって、不正侵入の検知をランプや音で車両の外部へと報知することができ、これにより、侵入者を退散させることができる。
請求項5に記載の侵入監視装置は、不正侵入検知時に対応する制御として、撮影手段によって撮影された画像を、無線通信によって外部の機器へと伝送する制御を実行する。
したがって、撮影手段によって撮影された画像を外部の機器で見ることができ、この画像を見ることにより、不正な侵入が発生したのかどうかを即座に確認し、必要があれば警察への通報をするなどの対応をとることができる。
したがって、撮影手段によって撮影された画像を外部の機器で見ることができ、この画像を見ることにより、不正な侵入が発生したのかどうかを即座に確認し、必要があれば警察への通報をするなどの対応をとることができる。
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
[侵入監視装置の構成]
図1は、侵入監視装置全体の構成を示すブロック図である。
[侵入監視装置の構成]
図1は、侵入監視装置全体の構成を示すブロック図である。
この侵入監視装置1は、ECU11、カメラ13、ホーン15、ランプ17、通信装置19、判定線分提供部材21などによって構成されている。
ECU11は、マイクロコンピュータを中心に構成された周知の電子制御装置であり、このECU11によって侵入監視装置の各部が制御される。なお、このECU11は、侵入監視装置の制御専用に用意されたものであってもよいし、侵入監視装置以外の制御をも行う汎用のものであってもよい。
ECU11は、マイクロコンピュータを中心に構成された周知の電子制御装置であり、このECU11によって侵入監視装置の各部が制御される。なお、このECU11は、侵入監視装置の制御専用に用意されたものであってもよいし、侵入監視装置以外の制御をも行う汎用のものであってもよい。
また、ECU11は、単一のECUのみで構成されていてもよいし、複数のECUが協働して機能するものであってもよい。具体例を挙げれば、例えば、カメラ13を制御するカメラECUをメインECUとして、ホーン15やランプ17を制御するために設けられたいくつかの別ECUを従属させ、カメラECUの制御下でいくつかの別ECUが機能する構成としてもよい。
カメラ13は、本実施形態においては、車室内の天井部に配設されたオーバーヘッドモジュールに組み込まれており、概ね180度の画角(視野角)を持つ広角カメラを利用することにより、車室内全域を撮影できるように構成されている。
ホーン15は、主に警笛用として利用するために車両に搭載されたものであるが、本実施形態では、不正侵入の検知時に警報音を鳴らすことにより、車両周辺に異常を知らせるためにも利用される。
ランプ17は、ハザードランプとして点滅するランプ群であるが、本実施形態では、不正侵入の検知時に点滅させることにより、車両周辺に異常を知らせるためにも利用される。
通信装置19は、携帯電話機相当の電子メール送受信機能を有する装置で、本実施形態では、不正侵入の検知時にカメラ13で撮影した画像を電子メールに添付して送信するように構成されている。
通信装置19が送信する電子メールは、一般的な携帯電話機で利用される電子メール同様、携帯電話通信網23を介して利用者が所持する携帯電話機25へと伝送される。したがって、携帯電話機25を所持する利用者は、送信されてきた画像を見て車両へ駆けつけたり警察へ通報するなど、必要な対処を行うことができる。
判定線分提供部材21は、図2(a)に示すように、車両のドア27の内側に配設された部材で、本実施形態の場合、判定線分提供部材21は、ドア27を内側から側面視した際にウィンドウ29の直下となる位置に固定されている。
この判定線分提供部材21は、図2(b)および同図(c)に示すように、溝21Aが形成された構造とされている。詳しくは後述するが、この溝21Aを撮影した画像から判定線分が抽出され、その判定線分が不正侵入を検知するために利用されることになる。この溝21Aの幅は、判定線分を抽出した際に1画素以上の線分が抽出できるような幅とされている。
なお、図2(b)および同図(c)には、判定線分提供部材21の側面に対して垂直に彫り込んだ溝21Aを例示したが、このような溝の形態は特に限定されるものではない。例えば、図2(d)に示す溝21Bのように、判定線分提供部材21の上面に対して垂直に彫り込んだものや、図2(e)に示す溝21Cのように、判定線分提供部材21の側面に対して斜めに彫り込んだものなどを利用することもできる。
[不正侵入の判定方法]
次に、不正侵入の判定方法について、具体例を交えて説明する。なお、本実施形態においては、カメラ13として広角カメラが採用されているので、実際に撮影される判定線分提供部材21の画像は、いくらか歪みのある画像となる。ただし、判定方法を説明する上で、画像が歪んでいるか否かは重要な事項ではないので、以下の説明では、便宜的に歪みのない画像を例示しながら説明を行うことにする。
次に、不正侵入の判定方法について、具体例を交えて説明する。なお、本実施形態においては、カメラ13として広角カメラが採用されているので、実際に撮影される判定線分提供部材21の画像は、いくらか歪みのある画像となる。ただし、判定方法を説明する上で、画像が歪んでいるか否かは重要な事項ではないので、以下の説明では、便宜的に歪みのない画像を例示しながら説明を行うことにする。
侵入監視装置1において、不正侵入を監視する際には、上述のカメラ13で判定線分提供部材21を含む所定の範囲が撮影される。そして、撮影された判定線分提供部材21の画像(図3(a)参照)から、溝21Aを含む検出区画31を対象にして後述する画像処理が施される。
なお、上記検出区画31は、カメラ13の配設位置と判定線分提供部材21との配設位置とを考慮して、あらかじめ選定された範囲であり、例えば、車種毎に特定の範囲が選定されているものである。
上記検出区画31を対象にする画像処理としては、輪郭抽出処理が施される。この種の輪郭抽出処理として、本実施形態では、周知のSobelフィルタ処理を施しているが、同等の輪郭抽出処理を施すことができれば、具体的な輪郭抽出アルゴリズムについては、Sobelフィルタ処理に限定されるものではない。
また、Sobelフィルタ処理を採用する場合であれば、縦エッジ強調あるいは横エッジ強調などは、任意に利用することができ、いずれを利用するかは、画像内での溝21Aの向きを考慮して、溝21Aの存在がより強調されるような方式を選んでおけばよい。また、選んだ方式で所期のエッジ強調がなされるように、あらかじめ画像の傾きや歪みを補正しておいてもよい。
以上のような輪郭抽出処理は、実際に侵入の有無を判定するのに先だって撮影された初期画像に対して施され、これにより、初期画像から抽出される輪郭線が、以後、初期画像から抽出された判定線分とされる。
また、上記のような輪郭抽出処理は、実際に侵入の有無を判定するため、定期的に撮影される最新画像に対しても施され、これにより、最新画像から抽出される輪郭線が、以後、最新画像から抽出された判定線分とされる。
不正侵入が発生していない場合、初期画像から抽出された判定線分と最新画像から抽出された判定線分には、ノイズレベル程度の僅かな違いを除けば、実質的な違いは殆どなく、どちらも図3(b)に示すような線分となる。したがって、これらの判定線分の論理積をとって、両判定線分の重なりを抽出しても、抽出された線分は、やはり図3(b)に示すような線分となる。
したがって、不正侵入が発生していない場合、両判定線分の重なりとして抽出される線分は、分断箇所がない線分となるので、分断箇所がないことをもって、不正侵入は無いものと判断することができる。
一方、不正侵入が発生した場合、上記判定線分には分断が生じる。具体例を交えて説明すると、例えば、図4(a)に例示するように、ウィンドウ29を破壊してドア27を開放しようとしている不審者33が車室内に手を侵入させた場合、図4(b)に示すように、不審者33の腕が判定線分提供部材21に重なって撮影される状態になる。
このとき、上記と同様の手法で、最新の画像から判定線分の抽出を行うと、図4(c)に示すように、溝21Aに相当する輪郭線の他、不審者33の腕に相当する輪郭線も抽出され、不審者33の腕が重なる範囲からは、溝21Aに相当する輪郭線が抽出されなくなる。
そのため、この最新の抽出結果(図4(c)参照)と判定に先立って抽出された輪郭線(図3(b)参照))との論理積をとることにより、それらの重なりを抽出すると、抽出された線分は図4(d)に示すような画像となる。すなわち、線分上には、分断幅L1の分断が生じることになる。
分断幅L1がきわめて狭い場合、カメラ13やその他画像処理上のノイズに起因して線分の分断が起きている可能性も否定できないが、分断幅L1がある程度以上大きい場合は、カメラ13やその他画像処理上のノイズに起因する分断とは考えにくい。
したがって、所定のしきい値よりも分断幅L1が広い場合には、何らかの予期しない物体が写っている可能性が高く、不正侵入が発生した可能性があるものと判断することができる。
なお、本実施形態の場合、分断幅L1が10ピクセル以上であると、不正侵入が発生した可能性があるものと判断するが、このしきい値は、画像の解像度やカメラ13から被写体までの距離などに応じて最適化される値となる。
ところで、車室内を監視対象領域とする場合、自車の駐車場所や向きが変わったり、自車の近くを人や物が通過したりすると、ウィンドウ越しに車室内へ射し込む光の入射状況が変化することがある。この場合、図5(a)に示すように、判定線分提供部材21上に光が当たった部分37や陰となった部分39が生じることがある。
このような状況下で、最新の画像から判定線分の抽出を行うと、図5(b)に示すように、溝21Aに相当する輪郭線の他、光が当たった部分の境界や陰となった部分の境界に相当する輪郭線も抽出されることがある。
ただし、この場合は、不審な物体が重なった場合とは異なり、溝21Aに相当する輪郭線が抽出される。すなわち、光や陰は、実在する溝21Aを覆い隠すものではないので、周囲との明確な輝度差がある溝21Aが存在していれば、判定線分提供部材21上に光が当たったり陰が生じたりした場合でも、溝21Aはカメラ13によって撮影される。
そのため、この場合は、最新の抽出結果(図5(b)参照)と判定に先立って抽出された輪郭線(図3(b)参照))との論理積をとることにより、それらの重なりを抽出すると、抽出された線分は図5(c)に示すような画像となる。すなわち、ここで抽出される線分は、分断箇所がない線分となる。したがって、この場合も、上述の通り、分断箇所がないことをもって、不正侵入は無いものと判断することができる。
以上説明した通り、この侵入監視装置1では、光や陰が生じても明確な輪郭線を抽出できる箇所から輪郭線を抽出して判定線分とし、この判定線分が分断されているか否かによって、侵入者の有無を判断している。
したがって、初期画像と最新画像とで相違する範囲の面積によって侵入者の有無を判断するものとは異なり、光が当たった部分や陰となった部分が生じたことに起因して、侵入者ありとの誤判定を下してしまうのを防止することができる。
[侵入監視装置が備えるECUにおいて実行される処理]
次に、侵入監視装置1が備えるECU11において実行される処理の一例を、図6に基づいて説明する。
次に、侵入監視装置1が備えるECU11において実行される処理の一例を、図6に基づいて説明する。
図6は、ECU11が実行する処理の中から、侵入監視装置1に関連する処理ステップのみを抽出してフローチャート化したものである。
この処理を開始すると、ECU11は、まず、他のセンサによるプレトリガの有無を判断する(S110)。S110の処理において、プレトリガとなる事象としては、様々なものを想定することができる。例えば、エンジン停止、機械式キーを抜いたこと、ドアロックがなされたこと、パッシブエントリーシステムの携帯機との通信が途絶えたこと、あるいは、これらの事象が発生してから数分が経過したことなどをもって、プレトリガありと判定することができる。
この処理を開始すると、ECU11は、まず、他のセンサによるプレトリガの有無を判断する(S110)。S110の処理において、プレトリガとなる事象としては、様々なものを想定することができる。例えば、エンジン停止、機械式キーを抜いたこと、ドアロックがなされたこと、パッシブエントリーシステムの携帯機との通信が途絶えたこと、あるいは、これらの事象が発生してから数分が経過したことなどをもって、プレトリガありと判定することができる。
S110の処理において、プレトリガなしと判定された場合は(S110:なし)、S110の処理を繰り返すことにより、プレトリガありの判定がなされるまで待機する。一方、S110の処理において、プレトリガありと判定された場合は(S110:あり)、初期画像を取り込む(S120)。
続いて、ECU11は、カメラ13によって撮影された領域内から、検出区画31の切り出しを行うとともに、輝度しきい値の読み出しを行い(S130)、モニタエリア内のテクスチャー抽出を行う(S140)。
具体的には、検出区画31の画像を対象にして、隣接する画素の輝度を比較し、上記輝度しきい値以上の輝度差(本実施形態の場合は、輝度差3以上)がある場合には、当該画素を輪郭として認識し、輪郭として認識した画素だけを抽出することにより、輪郭線を抽出する。そして、初期画像から抽出された輪郭線を判定線分として設定する(S150)。
次に、ECU11は、前回の画像取り込みから一定時間後に再び画像の取り込みを行う(S160)。このS160の処理により、最新画像が取り込まれることになる。続いて、ECU11は、検出区画31の切り出しを行うとともに、輝度しきい値の読み出しを行い(S170)、モニタエリア内のテクスチャー抽出を行う(S180)。
これらS170,S180の処理は、先に説明したS130,S140の処理と同等な処理である。これらS170,S180の処理により、最新画像からも輪郭線が抽出されたら、ECU11は、判定線分の分断幅を計測する(S190)。
具体的には、S140の処理によって抽出した線分とS180の処理によって抽出した線分との論理積をとって、両線分の重なりを抽出し、その画像を走査して分断箇所の画素数(=分断幅)をカウントすることにより、分断幅を求める。
そして、計測した分断幅をあらかじめ定められた侵入判定しきい値と比較し(S200)、分断幅がしきい値未満であれば(S200:分断幅<しきい値)、S160の処理へと戻る。これにより、分断幅がしきい値未満である限り、S160〜S200の処理が繰り返されることになり、侵入監視が継続されることになる。
一方、上記S160〜S200の繰り返し処理が実行される中、不正侵入が発生して何らかの侵入物が判定線分提供部材21に重なると、S190の処理によって計測される分断幅の値が大きくなる。この場合、S200の処理において、分断幅がしきい値以上であると判断される(S200:分断幅≧しきい値)。
分断幅がしきい値以上となった場合、ECU11は、不正侵入を検知したと判定し(S210)、警告・通報・写真撮影などを実行して(S220)、本処理を終了する。具体的には、S220の処理により、ホーン15の鳴動、およびランプ17の点滅が実行され、車両の周辺に異常の発生を報知する。また、カメラ13で車室内の写真が撮影され、その写真が電子メールに添付されて、通信装置19から利用者の所持する携帯電話機25へと伝送される。
したがって、車両の利用者が異常に気づけば直ちに車両に駆けつけたり、警察に連絡したりすることができる。また、不審者が車内を物色しようとしていた場合、ホーン15の鳴動やランプ17の点滅が始まるので、不審者を威嚇することができ、不審者は退散せざるを得なくなる。
[上記実施形態の効果]
以上説明した侵入監視装置1によれば、何らかの物体が判定線分提供部材21に重なると、その重なった部分からは、判定線分となる輪郭線が抽出できなくなって判定線分が分断されるため、不正侵入検知時に対応する制御が実行される。
以上説明した侵入監視装置1によれば、何らかの物体が判定線分提供部材21に重なると、その重なった部分からは、判定線分となる輪郭線が抽出できなくなって判定線分が分断されるため、不正侵入検知時に対応する制御が実行される。
具体的には、ランプ17を点滅させる制御、ホーン15から音を発生させる制御などが実行されるので、不正侵入の検知をランプ17の点滅やホーン15からの音で車両の外部へと報知することができ、これにより、侵入者を退散させることができる。
また、カメラ13によって撮影された画像を、携帯電話機25へと伝送する制御が実行されるので、利用者は画像を見て不正な侵入が発生したのかどうかを即座に確認でき、必要があれば警察への通報をするなどの対応をとることができる。
さらに、上記侵入監視装置1は、判定線分提供部材21の一部に強い光が当たったり陰が生じたりしても、溝21Aを十分に深くしたり角度を最適化したりしておけば、溝21Aの輪郭線を抽出することができる。
したがって、画像が変化した範囲の面積で不正侵入を判定するものとは異なり、明るさが変化しやすい環境であっても、明るさの変化に起因する誤判定を防止することができる。
加えて、判定線分が分断されているか否かは、判定線分を構成する画素を走査すれば判定できるので、このような判定線分よりも幅が広い領域を判定対象とする場合に比べ、画像処理対象となる範囲のデータ量を削減することが容易であり、その分、ECU11にかかる負荷を軽減することができる。
[変形例等]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、判定線分をより確実に抽出できるようにするための構成として、溝21Aを有する判定線分提供部材21を配設してあったが、同種の判定線分を抽出できる箇所が車室内にあれば、専用の判定線分提供部材21を利用しなくてもよい。
具体的には、図7(a)に示すような、座席のエッジ部51,53、ウィンドウ枠のエッジ部55などから輪郭線を抽出して、その輪郭線の一部または全部を判定線分としてもよい。また、この他、ステアリング・ホイールやドア内装部品などから輪郭線を抽出して、その輪郭線の一部または全部を判定線分としてもよい。ドア内装部品としては、例えば、ウィンドウ下に配設されたパネルなどを挙げることができ、このパネルの切れ目などがあれば、その切れ目を輪郭線として抽出することができる。
これらの部材のエッジ部から抽出される輪郭線(判定線分)は、単一の部材から抽出されるものであってもよいが、複数の部材から抽出されるものであってもよい。具体例を挙げれば、例えば、図7(b)に示すように、座席のエッジ部からステアリング・ホイールのエッジ部に至る部分57から、輪郭線を抽出して判定線分としてもよい。
ただし、座席やステアリング・ホイールは、ポジション調整用の可動機構を備えている場合が多く、ポジション調整に伴ってカメラとエッジ部との位置関係が変化するので、この位置関係が変化しても判定線分を抽出できるような対策が必要である。
具体的な対策としては、例えば、上記位置関係が変化しても判定線分を抽出できるように、検出区画を広めに設定しておくという対策を考え得る。あるいは、侵入監視装置の作動開始に連動して、座席やステアリング・ホイールが、あらかじめ規定されたポジションに移動するように構成しておくのも、上記対策として有効である。
なお、判定線分は、溝構造を持つ部分から抽出することができるし、ある程度以上の輝度差があれば溝構造を持たない部分から抽出することもできる。ただし、溝構造を持たない部分は、強い光が当たった際、溝構造を持つ部分に比べハレーションが発生しやすくなるので、ハレーション対策をも考慮する場合には、溝構造を有する部分から判定線分を抽出する方が望ましい。
さらに、上記実施形態では言及しなかったが、判定線分を抽出するに当たっては、外部の環境(例えば、昼夜の違い)や室内灯の状態(点灯/消灯)も考慮して、しきい値を調整してもよい。このような配慮をすれば、侵入検知の精度を向上させることができる。
1・・・侵入監視装置、11・・・ECU、13・・・カメラ、15・・・ホーン、17・・・ランプ、19・・・通信装置、21・・・判定線分提供部材、21A,21B,21C・・・溝、23・・・携帯電話通信網、25・・・携帯電話機、27・・・ドア、29・・・ウィンドウ、31・・・検出区画。
Claims (5)
- 所定の撮影対象領域を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された前記撮影対象領域の画像の一部または全部を画像処理対象として、前記画像処理対象内にある被写体から、前記被写体が有する部分の輪郭線を抽出する輪郭線抽出手段と、
前記輪郭線抽出手段によって抽出された前記輪郭線の一部または全部を判定線分として、前記判定線分が所定幅以上にわたって分断されているか否かを判定する分断状態判定手段と、
前記分断状態判定手段によって前記判定線分が所定幅以上にわたって分断されていると判定された場合に、不正侵入検知時に対応する制御を実行する不正侵入検知時制御手段と
を備えることを特徴とする侵入監視装置。 - 溝が形成された構造とされた判定線分提供部材を備えており、
前記輪郭線抽出手段は、前記判定線分提供部材が有する前記溝の輪郭線を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の侵入監視装置。 - 前記輪郭線抽出手段は、座席、ステアリング・ホイール、ウィンドウ枠、およびドア内装部品の内、少なくとも1つを前記被写体として、当該被写体が有する部分の輪郭線を抽出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の侵入監視装置。 - 前記不正侵入検知時制御手段は、前記不正侵入検知時に対応する制御として、ランプを点灯または点滅させる制御、および音を発生させる制御の内、少なくとも1つを実行する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の侵入監視装置。 - 前記不正侵入検知時制御手段は、前記不正侵入検知時に対応する制御として、前記撮影手段によって撮影された画像を、無線通信によって外部の機器へと伝送する制御を実行する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の侵入監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007243825A JP2009075834A (ja) | 2007-09-20 | 2007-09-20 | 侵入監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007243825A JP2009075834A (ja) | 2007-09-20 | 2007-09-20 | 侵入監視装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009075834A true JP2009075834A (ja) | 2009-04-09 |
Family
ID=40610742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007243825A Pending JP2009075834A (ja) | 2007-09-20 | 2007-09-20 | 侵入監視装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009075834A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011197937A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-06 | Secom Co Ltd | 画像監視装置および監視システム |
JP2011197936A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-06 | Secom Co Ltd | 画像監視装置および監視システム |
KR101510948B1 (ko) * | 2013-09-24 | 2015-04-10 | 한국오므론전장주식회사 | 카메라를 이용한 차량 침입 감지 장치 및 방법 |
JP2017039333A (ja) * | 2015-08-17 | 2017-02-23 | 株式会社デンソー | 車両用防犯システム、車両用防犯方法 |
KR101858625B1 (ko) * | 2016-10-26 | 2018-05-16 | 한국오므론전장 주식회사 | 실내 카메라를 이용한 차량 창문 열림 검출 장치 및 방법 |
-
2007
- 2007-09-20 JP JP2007243825A patent/JP2009075834A/ja active Pending
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