JP2009075320A - 表示装置、表示駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画質の低下を引き起こさせずに、消費電力を低減させる。
【解決手段】表示パネルの表示領域外にアノード−カソード間電圧を検出できるダミー画素回路を設け、そのダミー画素回路を常に1フレーム内の最大階調値で発光させることによって、表示領域内に存在する最大階調で発光する画素の有機EL素子の両端電圧を、ダミー画素回路を利用して検出する。このダミー画素回路から検出されるアノード−カソード間電圧は、その時の有機EL素子の温度状態を的確に反映したものであり、またIV特性の劣化についてもある程度体現する。このダミー画素回路から検出したアノード−カソード間電圧を元に、発光駆動用電源電圧の低減コントロールを行うことで、不必要な電力消費分をより正確かつ確実に削減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた表示装置と、その表示駆動方法に関する。
特開2006−65148号公報 特開2005−326830号公報 特開2004−138976号公報
フラットパネルディスプレイは、コンピュータディスプレイ、携帯端末、テレビジョン受像器などの製品で広く普及している。現在、主には液晶ディスプレイパネルが多く採用されているが、依然、視野角の狭さや、応答速度の遅さが指摘され続けている。一方、自発光素子で形成された有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:以下、EL)ディスプレイは、前記の視野角や応答性の課題を克服できるのに加え、バックライト不要の薄い形態、高輝度、高コントラストを達成できるため、液晶ディスプレイに代わる次世代表示装置として期待されている。
有機ELディスプレイにおいては、液晶ディスプレイと同様、その駆動方式としてパッシブマトリクス方式とアクティブマトリクス方式とがある。前者は構造が単純であるものの、大型且つ高精細のディスプレイの実現が難しいなどの問題がある為、現在はアクティブマトリクス方式の開発が盛んに行なわれている。このアクティブマトリクス方式は、各画素回路内部の発光素子に流れる電流を、画素回路内部に設けた能動素子(一般には薄膜トランジスタ:TFT)によって制御するものである。
ところで有機ELディスプレイは、現在実用化されているものも存在する中でありながら、消費電力の高さがまだまだ問題視されている。全ての表示装置にとっても共通して言えることでもあるが、消費電力を抑えることや、負荷の急変動の影響を抑制させることは、装置全体の消費電力を低くし、電源システムの規模も削減できる視点から、取組むべき大きな課題として捉えられている。
ところが有機ELディスプレイは自発光ディスプレイであり、画面内の平均表示輝度が高いほど、消費電力を多く必要とする。従って、明るく綺麗な表示を実現する、一般的な高画質化と低消費電力化を両立させることは今まで困難とされてきた。
なお、上記各特許文献には、以下のような技術が記載されている。
特許文献1には、映像データのピーク値を検出して、その検出データに基づいて、発光駆動用電源電圧をコントロールし、消費電力の低減を図る技術が開示されている。これは、有機EL素子のIV特性に対応して、消費電力を低減することが可能であるが、IV特性の温度特性までには言及していない。また、IV特性は事前に決められたある設計値であり、実際の動きとの誤差の存在は否定できず、従って、無駄な消費電力を削減し切れなかったり、また場合によっては輝度低下の発生を避け得ない場合も考えられる。
特許文献2には、色別に発光駆動用電源を用意し、色別のIV特性に合わせた電源電圧値にすることにより、消費電力低減を図る技術が記載されている。
この技術によれば、色別の最適最大値をカスタマイズ出来る点で、ワースト状態での電力削減には効果を発揮するが、発光輝度や環境温度によって変動する有機EL素子の両端電圧に応じた発光駆動用電源電圧のコントロールが出来ず、無駄な消費電力の削減を出来ない、といった課題がある。また、電源回路を色別に用意することで回路規模が増大するといった課題もあった。
特許文献3には、パッシブマトリクス駆動において、画素の点灯率(輝度)に応じて、発光駆動用電源電圧をコントロールし、消費電力や発熱を抑えるようにした駆動装置が記載されている。しかしながらこの場合、アクティブマトリクス、パッシブマトリクスという駆動方法の違いはあるにしても、上記特許文献1と同一の課題が存在している。
このように従来は、色別に電源電圧値を変えたり、映像信号に応じて、つまりは有機ELデバイスのある一つの温度条件におけるIV特性に応じて、可能な限りの発光駆動用電源電圧の低減コントロールを行ったりして、消費電力を低減させることは可能であっても、そのIV特性の温度変動を含めて適正に発光駆動用電源電圧をコントロールできるようにはなっておらず、通常想定される製品の使用温度範囲内において、輝度を低下させる画質低下を招いたり、無駄な消費電力を削減しきれない状況を発生させ得ることが存在していた。
またさらには、IV特性の劣化現象(経時的劣化)についても対応しきれず、これも次第に実動作とのズレを生じてしまうという状態を避け得なかった。
本発明では、これらの従来の課題に鑑み、画質の低下を引き起こさせずに、消費電力を低減させることができる手法を提案することを目的とする。
本発明の表示装置は、各画素回路において有機エレクトロルミネッセンス素子を発光素子として用い、各画素回路では供給される表示データ信号に基づく輝度の発光動作を行うとともに、画像表示エリア外の画素回路としてダミー画素回路が設けられている表示パネル部と、上記表示パネル部に供給する表示データ信号について、所定期間毎に最大階調値を検出するとともに、検出した最大階調値が、上記ダミー画素回路に対する表示データ信号となるようにして、表示データ信号を上記表示パネル部に供給する表示データ供給部と、上記表示データ供給部から供給される表示データ信号により、上記表示パネル部の各画素回路で発光動作が行われている際に、上記ダミー画素回路の有機エレクトロルミネッセンス素子のアノード−カソード間電圧を検出する電圧検出部と、上記電圧検出部で検出された、アノード−カソード間電圧に基づいて、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光駆動用の電源電圧値情報を生成する駆動電圧決定部と、上記駆動電圧決定部で生成された電源電圧値情報に基づいて、上記表示パネル部の各画素回路に供給する、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光駆動用の電源電圧値を変化させる駆動電圧可変部とを備える。
また上記表示データ供給部は、上記所定期間として、1フレーム期間毎に最大階調値を検出する。
また上記表示パネル部において、上記ダミー画素は、表示色毎に設けられているようにする。この場合、上記表示データ供給部は、上記表示パネル部に供給する表示データ信号について、所定期間毎に、表示色毎の最大階調値を検出するとともに、検出した表示色毎の各最大階調値が、表示色毎に形成された各ダミー画素回路に対する表示データ信号となるようにして、表示データ信号を上記表示パネル部に供給する。また上記電圧検出部は、表示色毎の各ダミー画素回路のそれぞれの上記アノード−カソード間電圧を検出し、その中の最大値をアノード−カソード間電圧の検出結果とする。
また上記駆動電圧可変部には、発光駆動用の電源電圧として、最低環境温度下において仕様最高輝度の発光を行う場合の、有機エレクトロルミネッセンス素子の両端電圧を用いて決定される電源電圧値が入力されるとともに、上記駆動電圧決定部は、上記駆動電圧可変部から出力される上記発光駆動用の電源電圧値を低下させるようにする上記電源電圧値情報を、上記電圧検出部で検出されたアノード−カソード間電圧に基づいて生成する。
本発明の表示駆動方法は、各画素回路において有機エレクトロルミネッセンス素子を発光素子として用い、各画素回路では供給される表示データ信号に基づく輝度の発光動作を行うとともに、画像表示エリア外の画素回路としてダミー画素回路が設けられている表示パネル部を備えた表示装置の表示駆動方法である。そして、上記表示パネル部に供給する表示データ信号について、所定期間毎に最大階調値を検出するとともに、検出した最大階調値が、上記ダミー画素回路に対する表示データ信号となるようにして、表示データ信号を上記表示パネル部に供給するステップと、表示データ信号により、上記表示パネル部の各画素回路で発光動作が行われている際に、上記ダミー画素回路の有機エレクトロルミネッセンス素子のアノード−カソード間電圧を検出するステップと、検出されたアノード−カソード間電圧に基づいて、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光駆動用の電源電圧値情報を生成するステップと、生成された電源電圧値情報に基づいて、上記表示パネル部の各画素回路に供給する、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光駆動用の電源電圧値を変化させるステップとを備える。
有機EL素子の消費電力は、有機EL素子に流れる電流に、有機EL素子のアノード−カソード間の電圧を乗じたもので算出される。ただ、実際には、表示階調に応じた定電流を流すための手段として、TFTによる駆動トランジスタを用いる、駆動トランジスタは、ディスプレイが使用されるあらゆる環境において、定電流駆動を実現させる為、特性に対しマージンを持ったドレイン−ソース間電圧が与えられる構成になっている。したがって、(設計マージンを持った駆動トランジスタのドレイン−ソース間電圧)+(有機EL素子のアノード−カソード間電圧)で決められたある一定値を発光駆動用電源電圧として有機ELパネルに供給させることが一般的である。つまり消費電力は、有機EL素子に流れる電流に、この発光駆動用の電源電圧を乗じたもので表されることになる。
ここで、有機EL素子に流す電流は、発光させたい輝度に対して決まってしまうため、高効率の材料やデバイス構造が開発されない限り低消費電力化は図れないが、発光駆動用電源電圧は駆動トランジスタや有機EL素子の特性に合わせて適宜コントロールすることが可能になる。そこで、有機EL素子のI−V(流れる電流対アノード−カソード間電位差)特性とその温度変動特性を利用する。
有機EL素子は、発光するためのある電流が流れているときに、有機EL素子の両端(アノード−カソード間)に電位差が発生している。この電位差は、ある一定電流に対して温度特性を持っており、上記発光駆動用電源電圧は、ワーストの使用環境温度においての最大電位差を必ず下回らないように決められていることが一般的である。このため、通常の使用環境においては、特性上問題はないが、常に有機ELパネルには不必要な過電圧がかかっており電力を無駄に消費している動作を否定できない。
また、流れる電流(発光輝度)に対しても同様である。一般的に電流が小さい(輝度が低い)時は有機EL素子の両端の電位差が小さく、電流が大きく(輝度が高く)なるにつれて電位差も大きくなる特性をもっており、輝度が低い時は不必要な過電圧がかかっており、不必要な消費電力を発生させている。
さらに、有機EL素子は経時的劣化としてI−V特性が変動する。
有機EL素子は、このように環境温度、電流値に応じて、アノード−カソード間電圧が変動し、さらにアノード−カソード間電圧は、経時劣化によっても変動する。
そして、上記のように有機EL素子のアノード−カソード間電圧は、発光駆動用の電源電圧値設定の基準の1つとなっているが、逆に言えば、アノード−カソード間電圧が低下する場合は、その分、電源電圧値を低下させてもよいことになる。
そこで本発明においては、表示パネルの表示領域外にアノード−カソード間電圧を検出できるダミー画素回路を設け、そのダミー画素回路を常に1フレーム内の最大階調値で発光させることによって、表示領域内に存在する最大階調で発光する画素の有機EL素子の両端電圧を、ダミー画素回路を利用して検出するようにする。このダミー画素回路から検出されるアノード−カソード間電圧は、その時の有機EL素子の温度状態を的確に反映したものであり、従って環境温度などを検出しなくとも、正確にターゲットとする有機EL素子の両端電圧を把握できる。また、IV特性の劣化についてもある程度体現する。
従って、このダミー画素回路から検出したアノード−カソード間電圧を元に、発光駆動用電源電圧の低減コントロールを行うことで、不必要な電力消費分を、より正確かつ確実に、削減することができる。
本発明によれば、ダミー画素回路を所定期間単位の最大階調値で発光させ、その有機EL素子のアノード−カソード間電圧を検出することで、現在の環境温度状況や劣化による変動の生じているアノード−カソード間電圧を直接的に検出する。そして検出されたアノード−カソード間電圧に応じて、発光駆動用の電源電圧を変化させることで、最適な発光駆動用電源電圧を供給することが可能になるため、従来常に発生していた無駄な電力消費を削減することができるという効果がある。
また、ダミー画素回路を、現在のフレームにおける最大階調値で発光駆動し、その状態でアノード−カソード間電圧を検出することで、発光駆動用電源電圧が下げすぎとなることが確実に防止され、画質低下を生じさせない状態で、最大限の消費電力削減の効果を得ることができる。
以下、本発明の表示装置、表示駆動方法の実施の形態を説明する。
図1に実施の形態の表示装置の構成を示す。本例の表示装置は、有機EL素子を発光素子として用いる有機ELディスプレイパネルモジュール1と、ダミー画素情報加算部2と、表示信号検出部3と、駆動電圧決定部4と、駆動電圧可変部5と、アノード電位検出部6を備える。
まず図2、図3、図4、図5、図6を参照して有機ELディスプレイパネルモジュール1について述べる。
図2に有機ELディスプレイパネルモジュール1の構成の一例を示す。この有機ELディスプレイパネルモジュール1は、有機EL素子を発光素子とし、アクティブマトリクス方式で発光駆動を行う画素回路10を含むものである。
図2に示すように、有機ELディスプレイパネルモジュール1は、画素回路10が列方向と行方向にマトリクス状に配列された画素アレイ部20と、データドライバ11と、ゲートドライバ12,13,14を備える。
またデータドライバ11により選択され、供給される表示データ信号に応じた信号値Vsigを画素回路10に対する入力信号として供給する信号線DTL1、DTL2・・・が、画素アレイ部20に対して列方向に配されている。信号線DTL1、DTL2・・・は、画素アレイ部20においてマトリクス配置された画素回路10の列数分だけ配される。
また画素アレイ部20に対して、行方向に走査線WSL1,WSL2・・・、走査線DSL1,DSL2・・・、走査線RSL1,RSL2・・・が配されている。これらの走査線WSL、DSL,RSLは、それぞれ、画素アレイ部20においてマトリクス配置された画素回路10の行数分だけ配される。
走査線WSL(WSL1,WSL2・・・)は、画素回路10への信号値Vsigの書込(ライトスキャン)を行うための走査線であり、ゲートドライバ12により駆動される。ゲートドライバ12は、設定された所定のタイミングで、行状に配設された各走査線WSL1,WSL2・・・に順次、走査パルスWSを供給して、画素回路10を行単位で線順次走査する。
走査線DSL(DSL1,DSL2・・・)はゲートドライバ13により駆動される。ゲートドライバ13は、有機EL素子の発光駆動のための走査パルスDSを、行状に配設された各電源線DSL1,DSL2・・・にそれぞれ所定タイミングで供給する。
走査線RSL(RSL1,RSL2・・・)はゲートドライバ14により駆動される。ゲートドライバ14は、画素回路10のリセット動作のための走査パルスRSを、行状に配設された各走査線RSL1,RSL2・・・にそれぞれ所定タイミングで供給する。
データドライバ11は、ゲートドライバ12による線順次走査に合わせて、列方向に配された信号線DTL1、DTL2・・・に対して、画素回路10に対する入力信号としての信号値(Vsig)を供給する。
図3に画素回路10の構成を示している。この画素回路10が、図2の構成における画素回路10のようにマトリクス配置される。なお、図3では簡略化のため、信号線DTLと走査線WSL、DSL、RSLが交差する部分に配される1つの画素回路10のみを示している。
実施の形態として採用できる画素回路10の構成は多様に考えられるが、この例では、画素回路10は、発光素子である有機EL素子30と、1個の保持容量Csと、サンプリングトランジスタTr1、駆動トランジスタTr2、スイッチングトランジスタTr3、リセット用トランジスタTr4としての4個の薄膜トランジスタ(TFT)とで構成されている。各トランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4はnチャネルTFTとされている。
保持容量Csは、一方の端子が駆動トランジスタTr2のソースに接続され、他方の端子が同じく駆動トランジスタTr2のゲートに接続されている。
画素回路10の発光素子は例えばダイオード構造の有機EL素子30とされ、アノードとカソードを備えている。有機EL素子1のアノードは駆動トランジスタTr2のソースに接続され、カソードは所定の接地配線(カソード電位Vcath)に接続されている。
サンプリングトランジスタTr1は、そのドレインとソースの一端が信号線DTLに接続され、他端が駆動トランジスタTr2のゲートに接続される。またサンプリングトランジスタのゲートは走査線WSLに接続されている。
スイッチングトランジスタTr3は、そのドレインとソースの一端が電源電圧Vccに接続され、他端が駆動トランジスタTr2のドレインに接続される。またスイッチングトランジスタTr3のゲートは走査線DSLに接続されている。
リセット用トランジスタTr4は、そのドレインとソースの一端が駆動トランジスタTr2のソースに接続され、他端が所定のリセット電位Vrsに接続される。またリセット用トランジスタTr4のゲートは走査線RSLに接続されている。
このような画素回路10の動作を図4を参照して簡単に説明する。図4(a)は信号線DTLに与えられる信号値Vsig、図4(b)は水平同期信号HS、図4(c)は走査線WSLからサンプリングトランジスタTr1のゲートに与えられる走査パルスWS、図4(d)は走査線RSLからリセット用トランジスタTr4のゲートに与えられる走査パルスRS、図4(e)は駆動トランジスタTr2のゲート電圧Vg、図4(f)は駆動トランジスタTr2のソース電圧Vs、図4(g)は走査線DSLからスイッチングトランジスタTr3のゲートに与えられる走査パルスDSを、それぞれ示している。
水平同期信号HSによって水平走査の開始時点が決められる。そして図における書込期間として、信号線DTLに信号値Vsigが印加される。この書込期間には、走査パルスWSによってサンプリングトランジスタTr1が導通されることで、信号線DTLからの信号値Vsigが保持容量Csに書き込まれる。
また、この書込期間には、走査パルスRSによりリセット用トランジスタTr4が導通され、保持容量Csの他端側がリセット電位Vrsとされる。これは保持容量Csの他端側の電位が不定であると、保持容量Csに書き込まれる電圧が、信号値Vsigと同じにならないためである。
結果として、この書込期間では、駆動トランジスタTr2のゲート電圧は、保持容量Csへの信号値Vsigの書込に応じて上昇する。一方、駆動トランジスタTr2のソース電圧Vsは、リセット電位Vrsに維持される。
書込期間に続いて発光期間としての動作が行われる。発光期間では、走査パルスWS、RSがLレベルとされてサンプリングトランジスタTr1、リセット用トランジスタTr4がオフとされ、一方、走査パルスDSによってスイッチングトランジスタTr3が導通される。これによって駆動電源電圧Vccからの電流供給により、駆動トランジスタTr2が保持容量Csに保持された信号電位(即ち駆動トランジスタTr2のゲート・ソース間電圧)に応じた電流を有機EL素子30に流し、有機EL素子30を発光させる。駆動トランジスタTr2は飽和領域で動作し、有機EL素子30に対して、信号値Vsigに応じた駆動電流を与える定電流源として機能する。
以上のような動作により画素回路10の発光駆動が行われる。
なお、有機EL素子30に電流が流れることで有機EL素子30の両端電圧が上昇するため、発光期間当初は、これに伴って駆動トランジスタTr2のゲート電圧Vgとソース電圧Vsが上昇する。
有機ELディスプレイパネルモジュール1は、基本的には以上のような構成及び動作となるが、本例の場合、有機ELディスプレイパネルモジュール1は、配列されている画素回路10の一部がダミー画素回路10dとされている。
図5は、ダミー画素回路10dを、上記図3と同様の形式で示している。この図5からわかるように、ダミー回路10dは、画素回路構成は、他の通常の画素回路10と同様である。但し、有機EL素子30のアノード電圧を検出するための検出端子31が用意されている。
なお、本例では、有機EL素子30のカソード電圧Vcathは固定電位であるとしており、このため、検出端子31でアノード電圧を検出すれば、アノード−カソード間電圧を検出できることになる。
このようなダミー画素回路10dとしては、画素の表示色毎に設けられる。即ち通常の画素回路としては、R(赤)、G(緑)、B(青)の各画素回路が形成されているが、ダミー画素回路10dとしても、Rダミー画素回路10dR、Gダミー画素回路10dG、Bダミー画素回路10dBが設けられている。
図6(a)(b)はダミー画素回路10dの配置エリアについて示したものである。図6(a)(b)においては図2に示した画素アレイ部20を模式的に示している。即ち多数の画素回路10が配列されている領域である。
この画素アレイ部20において、表示エリア21が、実際に画像表示を行う表示領域(ユーザによって画像が視認される領域)であるとすると、図6(a)のように斜線部で示す、表示エリア21の周囲において、ダミー画素回路10dを設けることが考えられる。
また、後述するが、本例の動作のポイントの一つとしては、発光駆動用電源電圧を過低減させてしまうことによる発光輝度の低下が引き起こす画質の低下を必ず防止することである。有機EL素子30の両端電圧(アノード−カソード間電圧)は、低温であるほど高いという特性があるため、ダミー画素回路10dは、なるべく表示領域内で発光して発熱する温度の影響を受けない位置に配置されることが望ましい。
そして表示装置は通常主に立てて使用することがほとんどであることを考慮すると、発光による熱が空気の対流の影響を受けないように画面の上側への配置を避け、図6(b)の斜線部のように画面の下側に配置を行うようにすると好適である。
図1に戻って、本例の構成を説明する。
表示データ信号は、表示信号検出部3及びダミー画素情報加算部2に供給される。
表示信号検出部3は、有機ELディスプレイパネルモジュール1に対して供給されるべき表示データ信号について、例えば1フレーム期間ごとに、表示色毎の最大階調値を抽出する。
ここでいう最大階調値とは、或る1フレームにおいて各画素に与える輝度値のうちで、最も高輝度となる値のことであり、つまり1フレーム内での、最も高輝度で発光させる画素に対する表示データ信号値のことである。
このような最大階調値を、R、G、B各色毎に検出する。
従って、1フレーム期間の表示データ信号のうちのR画素回路に対応する信号値(輝度値)について、順次比較処理を行っていくことで、1フレーム期間内でのR画素についての最大階調値を検出する。同様に、B画素、G画素についても、それぞれ最大階調値を検出する。
なお、表示信号検出部2にフレームメモリを用意し、1フレーム期間の表示データ信号値を一時的に記憶して、その中からR、G、B各色毎の最大階調値を検出するようにしてもよい。
表示信号検出部3は、このようにして検出した、R、G、B各色についての1フレーム期間の最大階調値を、ダミー画素情報加算部2に供給する。
ダミー画素情報加算部2は、表示データ信号に、表示信号検出部3から入力される色別の1フレームごとの最大階調値を、ダミー画素回路10dR,10dG,10dB用のデータ信号として加算処理し、上述のようにダミー画素回路10d(10dR,10dG,10dB)を有した有機ELディスプレイパネルモジュール1に出力する。
なおこの際、フレームメモリなどを用い、ダミー画素回路10d用の表示内容に対し、実際の表示データ信号(通常の表示用の画素回路10に対する表示データ信号)のみを1フレーム遅延させるようにし、表示エリア21の表示内容に対し、適正な発光駆動用電源電圧Vccの供給が行えるよう、出力遅延コントロールを行う。
つまり、ダミー画素回路10dに与える表示データ信号は、次のフレーム期間に表示エリア21において表示される表示内容での最大階調値となるようにする。
これは、後述するようにダミー画素回路10dにおいて有機EL素子30のアノード−カソード間電圧を検出して、その検出結果に応じて電源電圧Vccを制御した後のタイミング(即ち1フレーム後)で、ダミー画素回路10dに与えた最大階調値を含む画像内容が表示エリア21に表示されるようにするためである。
ダミー画素情報加算部2から有機ELディスプレイパネルモジュール1に表示データ信号が供給されることで、有機ELディスプレイパネルモジュール1では、上述のように表示データ信号に基づいて、各画素回路10及びダミー画素回路10dに信号値Vsigが与えられ、画像表示が実行される。
有機ELディスプレイパネルモジュール1においては、発光が行われたダミー画素回路10dの有機EL素子30のアノード電圧が、アノード電位検出部6で検出される。
図7に有機ELディスプレイパネルモジュール1における色毎のダミー画素回路10dR、10dG、10dBと、アノード電位検出部6の構成例を示している。
アノード電位検出部6は、Rダミー画素回路10dRの検出端子31から得られるアノード電圧を、アンプ61Rを介してA/D変換器62Rに入力し、R画素についてのデジタル値としてのアノード電圧値Va_rを得る。
またGダミー画素回路10dGの検出端子31から得られるアノード電圧を、アンプ61Gを介してA/D変換器62Gに入力し、G画素についてのデジタル値としてのアノード電圧値Va_gを得る。
さらにBダミー画素回路10dBの検出端子31から得られるアノード電圧を、アンプ61Bを介してA/D変換器62Bに入力し、B画素についてのデジタル値としてのアノード電圧値Va_bを得る。
これらR、G、B各色についてのアノード電圧値Va_r、Va_g、Va_bを比較演算部63に入力する。比較演算部63は、色別のアノード電圧値(Va_r、Va_g、Va_b)の中から最大値(Vamax)の抽出を行い、その情報を駆動電圧決定部4に出力する。
駆動電圧決定部4は、アノード電圧の最大値Vamaxから、最適Vcc値を算出し、その情報を駆動電圧可変部5に出力する。なお、最適Vcc値の算出手法例については後述する。
駆動電圧可変部5は、所定の電圧値として設定されている駆動電源電圧(Vcc)について、電圧値を変換して有機ELディスプレイパネルモジュール1に供給する。この駆動電圧可変部5から出力される駆動電源電圧Vccは、有機ELディスプレイパネルモジュール1の全ての画素回路10(及び10d)に共通に供給される。
この駆動電圧可変部5は、入力されるEL駆動電源電圧について、駆動電圧決定部4で決定される最適Vcc値に変換し(最適EL駆動電源電圧)、有機ELディスプレイパネルモジュール1に供給する。電圧変換手法の例については後述する。
このような本例の表示装置についての動作を説明していく。
まず、図8により、一般的な発光駆動用電源電圧Vccの決定手法について述べる。ここで決定される一般的な電源電圧Vccとは、本例では図1の駆動電圧可変部5に入力される段階(電圧値変換前)の電源電圧値となる。
図8では上述した画素回路10を示しているが、駆動トランジスタTr2が、そのゲート・ソース間電圧Vgsに対応した一定電流を流し続ける(飽和領域動作を保証する)ためには、ドレイン・ソース間電圧Vds間がある電位以上に保たれなくてはならない。その為の電位を図示するVds(sat)とすると、電源電圧Vcc−カソード電位Vcath間の電圧は、いかなる駆動環境/条件であろうとも、このドレイン・ソース間電圧Vds(sat)を割り込まないように決められることが一般的である。
電源電圧Vcc−カソード電位Vcath間には、画素回路の構成上、最低使用環境温度/仕様最高輝度(仕様最大電流)における有機EL素子30の最大両端(アノード−カソード間)電圧:VEL(MAX)と、上記のドレイン・ソース間電圧Vds(sat)、さらにスイッチングトランジスタTr3のオン時に発生するワースト最大電圧:VDS(on)の3つに、I−V特性劣化マージン分:Vmarginを加えた要素が存在する。このため、これらの加算で電源電圧Vccが決定される。
なおI−V特性劣化マージン分とは、有機EL素子30の経時劣化を考慮したマージンである。
決定される電源電圧Vcc値をVcc_defaultとすると、
Vcc_default=Vcath+VEL(MAX)+Vds(sat)+VDS(on)+Vmargin
として算出される。
仕様から決まる輝度、即ち電流値Idsは、有機ELデバイスによって決まってしまい、駆動電圧に左右されないため、Vcc_default×Idsで算出される消費電力の低減化は、Vcc_defaultを如何に下げられるかにかかっている。
従来は、このようにマージンを持った最大の定電圧(Vcc_default)を、発光駆動電源電圧Vccとして与え続けており、通常平均的に使用される階調や環境温度を考えても無駄に電力を消費している状態が意外に多い。
本例では、有機EL素子30の両端電圧VEL(アノード−カソード間電圧)を、ダミー画素回路10dから検出するが、これは、環境温度と階調による両端電圧変動、及びI−V特性劣化による両端電圧変動を含んだうえでの、両端電圧VEL値である。
この検出された両端電圧VELに応じて電源電圧Vccを可変することで、無駄な電力消費分を削減する。
特に言えば、有機EL素子30の最大両端電圧VEL(MAX)は、あくまでも最低使用環境温度/仕様最高輝度(仕様最大電流)を想定しているものであるが、常に最低の使用環境温度の条件下で、常に最大の輝度の発光状態であるものではないにもかかわらず、このような最大両端電圧VEL(MAX)を考慮して電源電圧Vccを決めなければならないため、無駄な電力消費が生じていた。
そこで本例では、環境温度、階調、特性劣化に応じて変動する有機EL素子30の両端電圧VELの変動に応じて、電源電圧Vccを可変する。つまりは、上記のVcc_default算出式におけるVEL(MAX)が低下する分だけ、電源電圧Vccを低下させるという考え方で、無駄な電力消費分を削減するものである。
図9は有機EL素子30のI−V特性の温度特性一例である。ここでは高温(60℃)、常温(25℃)、低温(−10℃)のそれぞれにおいて、有機EL素子に流れる電流Idsと有機EL素子30の両端電圧VELの特性を示している。
図からわかるように有機EL素子30のI−V特性は、温度が高くなるに連れて低電圧側へ、温度が低くなるに連れて高電圧側へと、電流に対する電圧の特性が変動する。
併せて、電流値によって、温度によるシフト(変動)している量が変わってもいる。例えば電流値aの状態では、低温時と高温時の間の両端電圧VELの変動はΔVaとなるが、電流値bの状態では、低温時と高温時の間の両端電圧VELの変動はΔVbとなる(ΔVa>ΔVb)。
また、温度に応じた両端電圧VELの変動比率は、R、G、Bの各色毎でも異なる。
図10は、図9のグラフから抽出される、温度による有機EL素子30の両端電圧VEL(アノード−カソード間電圧(カソード電位固定の場合はアノード電圧))の変化を表したもので、発光輝度(電流)によりその変化量に差があることを示す一例である。ここでは実線は中間的な輝度、破線は高輝度、一点鎖線は低輝度の各場合において温度状況に応じた有機EL素子30の両端電圧VELの変化を示している。例えば高輝度発光の場合において−10℃と60℃の場合の両端電圧VELの変動量を1とした場合、低輝度発光時における−10℃と60℃の場合の両端電圧VELの変動量は0.95となる。
図11は、有機EL素子30のI−V特性劣化の一例を示したものである。
有機EL素子30は、発光量に応じてI−V特性が劣化していく性質を持っており、時間と共に、同電流に対する電圧が上昇していく傾向を示している。図では、実線、一点鎖線、破線の順序で、経時的な特性の変動を示している。
なお従って、同じ輝度を維持するためには、時間がたつにつれ、初期から比較して、より高い発光駆動用電源電圧が必要になってくることを示している。通常、上述したように、使用推定寿命から、劣化変動するI−V特性分をマージン分(Vmargin)として含まれた、初期発光駆動用電源電圧(Vcc_default)が設定されるものである。
このように有機EL素子30の両端電圧VELは、温度と発光輝度(電流値)に応じて変動し、また経時的な変動も生じる。
本例では、これら環境温度と電流値(発光階調)、さらには経時劣化成分を含んだ有機EL素子30の両端電圧VELの変動に応じて、電源電圧Vccを可変することで、発光輝度に影響を与えずに、効果的に消費電力を低減させる。
上述のように発光駆動用の電源電圧Vccは、図1に示した駆動電圧可変部5で可変して有機ELディスプレイパネルモジュール1に供給するが、この電源電圧可変のための動作を説明していく。
図12は、電源電圧Vccを可変させるための各部の処理を示したものである。以下の<S1>〜<S4>としての各処理が行われ、駆動電圧可変部5に最適Vcc値の情報が供給される。
まず処理<S1>として、アノード電位検出部6は、色別のダミー画素回路10dR、10dG、10dBを、1フレーム内での最大階調値で発光させたときのアノード電圧Va_r、Va_g、Va_bを検出し、デジタル値に変換する。
なお、上述したように、ダミー画素情報加算部2では、実際の表示データ信号(通常の表示用の画素回路10に対する表示データ信号)を、ダミー画素回路10d用の表示データ信号に対して1フレーム遅延させるようにして有機ELディスプレイパネルモジュール1に供給するため、この処理<S1>の際にダミー画素回路10dR、10dG、10dBに与えている信号値は、次のフレームの表示データ信号内での最大階調値となる。
次に処理<S2>として、アノード電位検出部6は、色別のアノード電圧(Va_r、Va_g、Va_b)の中から最大のものを選択し、最大値Vamaxとして抽出する。この最大値Vamaxは、駆動電圧決定部4に送られる。
なお、色別のアノード電圧(Va_r、Va_g、Va_b)の中から最大のものを選択して、最大値Vamaxを、有機EL素子30のアノード−カソード間電圧の情報として駆動電圧決定部4に送るのは、有機EL素子30のアノード−カソード間電圧の温度による変動率が、色毎にも異なるためである。即ち、ここでは色毎の変動率も考慮して、あくまでも、現フレームとしての最大のアノード−カソード間電圧を検出するためである。
処理<S3>では、駆動電圧決定部4が、供給された最大値Vamaxを用い、有機EL素子30の両端電圧VELの仕様上ワーストとして設定した、VEL(max)+Vmarginに対し、現在のワーストVELがどの程度下がっているかの変化量ΔVELを次式にて算出する。
ΔVEL=VEL(max)+Vmargin−Vamax
これにより、所定輝度に対し、輝度の低下を引き起こさせずに下げられる最大の電圧ΔVELを正確に把握できる。
そして処理<S4>で駆動電圧決定部4は、最適Vcc値を次式で算出する。
最適Vcc値=Vcc_default−ΔVEL
即ち初期電源電圧値Vcc_defaultから変化量ΔVELを減じた結果が、画質を低下させずに消費電力を最大に削減することのできる、最適Vcc値となる。
この最適Vcc値の情報は、駆動電圧可変部5に送られ、発光駆動用電源電圧Vccの低減変換が行われる。
図13は、駆動電圧可変部5の構成の一例を示している。例えば図のように電源可変コントロール部51,デジタルポテンショメータ52、抵抗R1を備えた構成とされる。
電源可変コントロール部51は、入力電圧Vinについて電圧可変した出力電圧Voutを得る。
一般的な、電源可変コントロール回路は、スイッチングレギュレータとシリーズレギュレータに大別されるが、出力電圧Voutを可変コントロールする手法は基本的に同一である。電圧可変量を比較的多く取りたい場合は、効率の関係上スイッチングレギュレータが選択されることがほとんどである。
電源可変コントロール部51には、出力電圧をある電位でフィードバックさせるためのFB端子が設けられており、この電位をある一定値に保とうとする動作で出力電圧を安定化させる。FB電位は一般的に1〜3V程度であるため、出力電圧を抵抗分圧し、FB端子に接続する構成により、電圧可変制御が可能となる。
即ちFB電位はある値(例えば2V)で決められているため、出力電圧を可変させるためには抵抗分圧の比を変えてやれば良い。
このために一方を固定抵抗R1、もう一方を抵抗値可変のディジタル制御が可能なディジタルポテンショメータ52を使用する。駆動電圧決定部4が、最適Vcc値を得るためのデジタル値をデジタルポテンショメータ52に供給し、抵抗値を可変制御することで、出力電圧Vout、即ち発光駆動用電源電圧Vccをコントロールできる。
以上の動作により本例の表示装置では、色毎のダミー画素回路10dR、10dG、10dBから検出したアノード電圧値(有機EL素子30の両端電圧VEL)に応じて、発光駆動用電源電圧Vccが可変制御される。
そして、このように可変制御された発光駆動用電源電圧Vccは、次のフレーム期間に各画素回路10に供給される。このとき、発光駆動用電源電圧Vccは、そのフレームの表示データ信号における最大階調値の電流を有機EL素子30に流した場合でのアノード電圧値に基づいて、電圧値がコントロールされたものとなる。
このように本実施の形態では、有機ELディスプレイパネルモジュール1の表示エリア31外にアノード電圧(アノード−カソード間電圧:両端電圧VEL)を検出できるダミー画素回路10dを色別に設け、そのダミー画素回路を常に1フレーム内の最大階調値で発光させることによって、表示エリア31内に存在する最大階調で発光する画素の有機EL素子30の両端電圧VELを、ダミー画素回路10dを利用して検出するようにしている。このダミー画素回路10dから検出されるアノード電圧は、その時の有機EL素子30の温度状態を的確に反映したものであり、環境温度などを検出せずに、正確にターゲットとする有機EL素子30の両端電圧VELを把握できるようになる。また、IV特性の劣化についてもある程度体現するため、初期において劣化マージン分のさらなる消費電力低減も可能になる。このようなアノード電圧の検出情報を元に、発光駆動用電源電圧Vccの低減コントロールを行うことで、不必要な電力消費分を、より正確かつ確実に、削減することができるようになる。
そして、自発光型フラットパネルディスプレイの画質低下を視認させないように低消費電力化を図ることが実現できるため、表示装置をバッテリ動作機器とすれば、動作時間を長時間化することに貢献し、またACコンセントから電源を得る機器であれば節電や電気代の節約に貢献できることになる。
両端電圧VELとしては5V以上変化する有機EL素子も存在するため、以上のように両端電圧VELの変動特性に応じて電源電圧Vccを低下させることで、消費電力の低減を効果的に実現できる。
消費電力はVcc×Idsで算出されるため、電源電圧Vccが電圧低下後の発光駆動用電源電圧値だとすると、Vcc_defaultに対する電圧値の低減比がそのまま、消費電力の低減比になる。仮にVcc_defaultを15V、Vccを10Vとし、5Vの電圧低減コントロールを行ったとすると、消費電力の最大低減比率は約67%にもなるという大きな効果を得られることになる。
発光輝度に影響を与えない範囲で電源電圧Vccを可変できるのは、映像信号(表示データ信号)から1フレームごとに最大階調値を検出していることによる。つまり、フレーム毎に、有機EL素子30に流す電流量の最大値を基準として、その際の両端電圧VELに応じて、最低限必要な電源電圧Vccが画素回路10に供給されるようにしているためである。
これによって発光駆動用電源電圧Vccが、下げすぎになることを確実に防止でき、適正な輝度での発光状態を確保した上で、最大限の消費電力削減の効果を実現できる。
また、経時劣化による有機EL素子30のI−V特性の変動については、発光量の推定を積算していく手法もあるが、膨大な時間に亘って累積計算をしなければならないことでの規模増と、あくまで推定計算であることからの誤差の大きさが考えられ、精度をある程度制限することを強いられるが、本例のようにアノード電圧の検出によって、経時劣化による変動成分も含んで制御できるため、このような点は全く解消される。
また発光駆動用電源電圧Vccは、駆動電圧可変部5で得られるが、この駆動電圧可変部5をシリーズレギュレータや降圧型スイッチングレギュレータによって構成すれば、電源電圧値を下げた場合に、有機ELディスプレイパネルモジュール1で消費している電力をレギュレータ側に移すことで、有機ELディスプレイパネルモジュール1自体で消費している電力を下げ、有機ELデバイスの温度を低く抑えることとなる。
または、駆動電圧可変部5を、ある出力電圧範囲の間において、変換効率の変化しない/変化が少ない昇圧型スイッチングレギュレータによって構成すれば、電源電圧値を下げた場合に、有機ELディスプレイパネルモジュール1自体で消費している電力を下げ、有機ELデバイスの温度を低く抑えるようにすることに加え、機器全体の消費電力をも下げられるようになる。
実施の形態としては、多様な変形例が考えられる。
例えば上記例では、全ての画素回路に共通の電源電圧Vccを与える構成を示したが、画素回路10としては、R(赤)用画素回路、G(緑)用画素回路、B(青)用画素回路が配列されている。これら色毎の画素回路に対してそれぞれ電源電圧Vccラインを独立して設け、上記電源電圧Vccの可変処理を色毎に行うようにしてもよい。
その場合、各色についてのダミー画素回路10dで得られるアノード電圧に基づいて、その色の電源電圧の可変制御を行うようにすればよい。
また、ダミー画素回路10dを色別には設けない例も考えられる。
また、上記例では、表示信号検出部3では1フレーム単位で色別の最大階調値を検出したが、2フレーム単位など、他の所定期間で、色別の最大階調値を検出し、それを当該所定期間でのダミー画素回路10dに与える信号値としてもよい。
また有機ELディスプレイパネルモジュール1における画素回路構成を図3に示したが、本発明は、図3以外の画素回路構成を採用する場合も適用できる。特にアクティブマトリクス方式で画素駆動を行う表示装置に好適である。
本発明の実施の形態の表示装置の構成のブロック図である。 実施の形態の有機ELディスプレイパネルモジュールの説明図である。 実施の形態に画素回路の説明図である。 実施の形態の画素回路の動作の説明図である。 実施の形態にダミー画素回路の説明図である。 実施の形態のダミー画素回路の配置位置の説明図である。 実施の形態のアノード電位検出部の説明図である。 実施の形態で採用する画素回路における一般的な電源電圧決定の説明図である。 有機EL素子のI−V特性の温度特性の説明図である。 有機EL素子の両端電圧の温度特性の説明図である。 有機EL素子の経時的なI−V特性変動の説明図である。 実施の形態の最適Vcc値算出処理の説明図である。 実施の形態の駆動電圧可変部の説明図である。
符号の説明
1 有機ELディスプレイパネルモジュール、2 ダミー画素情報加算部、3 表示信号検出部、4 駆動電圧決定部、5 駆動電圧可変部、6 アノード電位検出部、10 画素回路、10d(10dR、10dG、10dB) ダミー画素回路11 データドライバ、12,13,14 ゲートドライバ、20 画素アレイ部、30 有機EL素子、Cs 保持容量、Tr1 サンプリングトランジスタ、Tr2 駆動トランジスタ、Tr3 スイッチングトランジスタ

Claims (5)

  1. 各画素回路において有機エレクトロルミネッセンス素子を発光素子として用い、各画素回路では供給される表示データ信号に基づく輝度の発光動作を行うとともに、画像表示エリア外の画素回路としてダミー画素回路が設けられている表示パネル部と、
    上記表示パネル部に供給する表示データ信号について、所定期間毎に最大階調値を検出するとともに、検出した最大階調値が、上記ダミー画素回路に対する表示データ信号となるようにして、表示データ信号を上記表示パネル部に供給する表示データ供給部と、
    上記表示データ供給部から供給される表示データ信号により、上記表示パネル部の各画素回路で発光動作が行われている際に、上記ダミー画素回路の有機エレクトロルミネッセンス素子のアノード−カソード間電圧を検出する電圧検出部と、
    上記電圧検出部で検出された、アノード−カソード間電圧に基づいて、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光駆動用の電源電圧値情報を生成する駆動電圧決定部と、
    上記駆動電圧決定部で生成された電源電圧値情報に基づいて、上記表示パネル部の各画素回路に供給する、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光駆動用の電源電圧値を変化させる駆動電圧可変部と、
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  2. 上記表示データ供給部は、上記所定期間として、1フレーム期間毎に最大階調値を検出することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 上記表示パネル部において、上記ダミー画素は、表示色毎に設けられており、
    上記表示データ供給部は、上記表示パネル部に供給する表示データ信号について、所定期間毎に、表示色毎の最大階調値を検出するとともに、検出した表示色毎の各最大階調値が、表示色毎に形成された各ダミー画素回路に対する表示データ信号となるようにして、表示データ信号を上記表示パネル部に供給し、
    上記電圧検出部は、表示色毎の各ダミー画素回路のそれぞれの上記アノード−カソード間電圧を検出し、その中の最大値をアノード−カソード間電圧の検出結果とすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 上記駆動電圧可変部には、発光駆動用の電源電圧として、最低環境温度下において仕様最高輝度の発光を行う場合の、有機エレクトロルミネッセンス素子の両端電圧を用いて決定される電源電圧値が入力されるとともに、
    上記駆動電圧決定部は、上記駆動電圧可変部から出力される上記発光駆動用の電源電圧値を低下させるようにする上記電源電圧値情報を、上記電圧検出部で検出されたアノード−カソード間電圧に基づいて生成することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  5. 各画素回路において有機エレクトロルミネッセンス素子を発光素子として用い、各画素回路では供給される表示データ信号に基づく輝度の発光動作を行うとともに、画像表示エリア外の画素回路としてダミー画素回路が設けられている表示パネル部を備えた表示装置の表示駆動方法であって、
    上記表示パネル部に供給する表示データ信号について、所定期間毎に最大階調値を検出するとともに、検出した最大階調値が、上記ダミー画素回路に対する表示データ信号となるようにして、表示データ信号を上記表示パネル部に供給するステップと、
    表示データ信号により、上記表示パネル部の各画素回路で発光動作が行われている際に、上記ダミー画素回路の有機エレクトロルミネッセンス素子のアノード−カソード間電圧を検出するステップと、
    検出されたアノード−カソード間電圧に基づいて、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光駆動用の電源電圧値情報を生成するステップと、
    生成された電源電圧値情報に基づいて、上記表示パネル部の各画素回路に供給する、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光駆動用の電源電圧値を変化させるステップと、
    を備えたことを特徴とする表示駆動方法。
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