JP2009075273A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

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Masato Handa
正人 半田
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Abstract

【課題】サファイア基板の切断に必要なストリート幅が小さくできる液晶表示素子の製造方法を提供する
【解決手段】所望の素子をシリコン面に形成したサファイアのR面からなるSOS基板で矩形状の第1の基板と、前記第1の基板の上記素子を備えた側の面と対向するように設けられた透明部材からなる矩形状の第2の基板と、前記両基板間に液晶層を形成する液晶表示素子領域を複数個形成したマザー基板を個々の液晶表示素子領域に分断する液晶表示素子の製造方法において、少なくとも第1の基板はパルスレーザーによる第1レーザーダイシングにより浅い溝を掘り、CWレーザによる第2レーザーダイシングにより前記溝を深く掘る液晶表示素子の製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は液晶表示素子の製造方法に関するものである。
テレビの大型化がすすみ、画像表示部が40インチ、50インチ、65インチと大きくなってきている。液晶テレビも要求に対応するべく大型化してきているが、液晶表示素子が大型化すると液晶表示素子の製造はいろいろな面で困難になり、液晶テレビは高価なものになっている。
液晶表示素子の大型化を避け、表示部は大型化するためにプロジェクションテレビが開発されている。小さな液晶表示素子を光学レンズで拡大してスクリーンに映し出すものであり、液晶表示素子は1インチ以下で100インチの表示部が達成可能である。
液晶表示素子は2枚のガラス基板の一方のガラス基板に多数の画素電極を形成し、他方のガラス基板に多数の画素電極領域に対向した共通電極を形成し、2枚のガラス基板を液晶層を介して貼付して製造される。
小型の液晶表示素子は2枚のマザー基板に複数の小型液晶表示素子領域を形成し、各小型液晶表示素子領域の外周部にシール剤を配置し、2枚のマザー基板を貼り合わせ、その後分断して個々の空小型液晶表示素子に形成されている。空小型液晶表示素子に液晶を注入し、注入口を封止して小型液晶表示素子が完成する。
2枚の基板の材料は用途に応じて選択される。一般的なのは両基板ともガラスであり、透過型液晶表示素子として使用される。上基板がガラスで、下基板が単結晶シリコンのものは反射型液晶表示素子として使用される。特殊なものとしてはプラスッチック基板や、SOI基板、SOS基板なども使用されている。
プロジェクタやプロジェクションテレビに使用する小型液晶表示素子は、投射のために強い光が照射されるので、小型液晶表示素子が高温になるのを防止するため冷却しなければならない。冷却方法はいろいろと開発されているが、一長一短がある。小型液晶表示素子に放熱のためのヒートシンクを装着することもあるが、基板そのものに放熱性の高いサファイア基板を使用する試みがなされている。
サファイア基板上に単結晶シリコン膜を形成し、単結晶シリコン膜にトランジスタその他の回路素子と画素電極を形成し、サファイア基板またはガラス基板と組み合わせて液晶表示素子を形成するものがある。(特許文献1参照)
図3はサファイアの結晶を説明するための斜視図と平面図である。サファイアは六方晶系であり、その中心軸がC軸、これに垂直な面がC面でミラー指数(0001)で表される。そしてC軸から放射状にのびるA軸(a1、a2、a3)とそれに垂直な面がA面(11−20)となる。R面は、図のように、C軸と一定の角度を有して存在する。本発明で使用するサファイアは主面がR面の円形板状であり、図で示すX−Xに平行にオリエンテーションフラットを形成している。R面上でX−Xに垂直な方向を結晶軸方向と定義する。
図4はマザー基板の概略を示し、同図(A)は平面図を示し、同図(B)は同図(A)のY−Y断面図を示す。図4(A)において、マザー基板には、複数個の液晶表示領域4が区画形成されている。そして、図4(B)に示すように、第1の基板(ガラス基板)1と第2の基板(サファイア基板)2がシール剤3により接着されている。液晶表示素子は液晶表示領域4の周縁部(隣り合うシール剤3の間)を切断することによりマザー基板から切り出される。点線で示すのはサファイア基板2の切断線である。
図5はレーザースクライブによるサファイア基板のサファイア基板側から見た分断形状を示す平面図で、図4(A)の□部の拡大図である。結晶軸方向と平行な切断線Aと結晶軸方向と垂直な切断線Bを示している。WS1、WS2はサファイア基板2を切断するためのストリート幅である。
レーザースクライブは、切断線に沿ってレーザーを照射し、急冷することでサファイア基板2を分断するが、チッピングの発生状況をみると、先に結晶軸方向に平行な切断線Aで分断し、次いで 結晶軸方向に直角な切断線Bで分断するのが好ましい。
特開2000−193927号公報
図6は従来技術によるサファイア基板のレーザースクライブによる分断ラインを示す上面図である。レーザー加熱+急冷によるレーザースクライブはダイシングでいうカーフ幅が無く、基板を有効に使えるはずであるが、サファイア基板に適用した場合、図6に示すように分断ラインに大きなうねりが発生しストリート幅WS1、WS2を大きくとらねばならない。このうねりは結晶軸方向に平行なスクライブで大きく(切断線Aに対し±200μm)、結晶軸に直角な方向のほうが比較的小さい(切断線Bに対し±100μm)。液晶表示素子への影響をなくすための余裕を持たせるとWS1=450〜500μm、WS2=250〜300μmほど必要である。液晶表示素子が小さくなるほどストリートによるサファイア基板の使用効率が低下する。
本発明の目的は、サファイア基板の切断に必要なストリート幅が小さくできる液晶表示素子の製造方法を提供することにある。
所望の素子をシリコン面に形成したサファイアのR面からなるSOS基板で矩形状の第1の基板と、前記第1の基板の上記素子を備えた側の面と対向するように設けられた透明部材からなる矩形状の第2の基板と、前記両基板間に液晶層を形成する液晶表示素子領域を複数個形成したマザー基板を個々の液晶表示素子領域に分断する液晶表示素子の製造方法において、少なくとも第1の基板はパルスレーザーによる第1レーザーダイシングにより浅い溝を掘り、CWレーザによる第2レーザーダイシングにより前記溝を深く掘る液晶表示素子の製造方法とする。
本発明によるサファイア基板のダイシングによると、ダイシングによる切断幅(所謂カーフ幅)が50μmほど必要になるが、分断ラインにうねりは発生せずストリート幅は大幅に小さくできるため、サファイア基板を有効に使用できる。
所望の素子をシリコン面に形成したサファイアのR面からなるSOS基板で矩形状の第1の基板と、前記第1の基板の上記素子を備えた側の面と対向するように設けられた透明部材からなる矩形状の第2の基板と、前記両基板の周辺部を液晶の注入口となる部分を残して封止することにより、前記両基板間に液晶層を形成する液晶表示素子領域を複数個形成したマザー基板を個々の液晶表示素子領域に分断する液晶表示素子の製造方法において、サファイア基板は、最初に、切断線に沿って、瞬間的に非常に強いパワーを出すパルスレーザーにより浅い溝を掘り、次にパルスレーザの瞬間的パワーより低いが連続して一定なパワーを出し続けるCWレーザにより前記溝を深く掘る液晶表示素子の製造方法とする。
図1は本発明によりサファイア基板を分断する工程を説明するための断面図であり、(A)は第1レーザーダイシング、(B)は第2レーザーダイシングによる加工を示している。サファイア基板2(厚さ600μm)側からQスイッチを用いたパルスレーザーを照射し、アブレーション現象によりカーフ幅WK=50μm、深さD1=50μm程で切断線に沿ってダイシングする。本実施例ではYAGレーザーを使用した。ダイシング速度は100mm/Sである。サファイア基板2の表面は鏡面であるが、瞬間的に非常に強いパワーを照射するパルスレーザーだとサファイア基板への喰い付きがよく、切断線に沿って浅い溝を形成できる。次に、パルスレーザの瞬間的パワーより低いが連続して一定なパワーを出し続けるCWレーザにより前記切断線に沿って深さD2=300μm程ダイシングする。この深さはサファイア基板2の厚さの半分であるが、ダイシング可能であれば、より深くしてもよい。実験ではレンズで集束されるレーザーの焦点角の関係で300μm以上深いダイシングはできなかった。
図2はレーザーダイシングが終了したサファイア基板2の上面図である。図示のように、ダイシング溝はうねりが無く、切断線に沿って(本実施例では直線状)形成されるので、ストリート幅は大幅に小さくできる。たとえば、カーフ幅WK=50μmであれば、ストリート幅WS1、WS2は100μm以下にすることができる。
その後、図1(B)に示すようにガラス基板1側から衝撃を与えてブレイクする。
ストリート幅を大幅に小さくできるので、たとえば、6インチのマザー基板で7×8mmの小型液晶表示素子を形成する場合、本発明により4〜5%多く形成できる。また、外形にうねりが無いので後工程での他の部品との組み合わせや取扱いが容易になる。
本発明によりサファイア基板を分断する工程を説明するための断面図 レーザーダイシングが終了したサファイア基板2の上面図 サファイアの結晶を説明するための斜視図と平面図 マザー基板の概略を示し、同図(A)は平面図を示し、同図(B)は同図(A)のY−Y断面図 レーザースクライブによるサファイア基板のサファイア基板側から見た分断形状を示す平面図 従来技術によるサファイア基板のレーザースクライブによる分断ラインを示す上面図
符号の説明
1 マザーガラス基板(ガラス基板)
2 マザーシリコン基板(シリコン基板)
3 シール剤
4 小型液晶表示素子領域
WS1 ストリート幅
WS2 ストリート幅
WK カーフ幅
D1 第1ダイシング深さ
D2 第2ダイシング深さ

Claims (1)

  1. 所望の素子をシリコン面に形成したサファイアのR面からなるSOS基板で矩形状の第1の基板と、前記第1の基板の上記素子を備えた側の面と対向するように設けられた透明部材からなる矩形状の第2の基板と、前記両基板間に液晶層を形成する液晶表示素子領域を複数個形成したマザー基板を個々の液晶表示素子領域に分断する液晶表示素子の製造方法において、少なくとも第1の基板はパルスレーザーによる第1レーザーダイシングにより浅い溝を掘り、CWレーザによる第2レーザーダイシングにより前記溝を深く掘ることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011107556A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Technology Research Association For Advanced Display Materials 表示装置の製造方法及び表示装置
JP2013174763A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Omron Corp レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP2017041502A (ja) * 2015-08-18 2017-02-23 浜松ホトニクス株式会社 加工対象物切断方法及び加工対象物切断装置

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