JP2009075071A - 検査物に関する距離調整装置及び方法、検査装置及び方法 - Google Patents

検査物に関する距離調整装置及び方法、検査装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】漏れ電磁界と検査物間の相互作用状態が反映された検出信号を基にして伝送線路と検査物間の距離を調整可能な距離調整装置及び方法、これを有する検査装置及び方法を提供する。
【解決手段】距離調整装置及び検査装置は、センサ部101と、距離調整手段110と、を備える。センサ部の伝送線路を伝播するテラヘルツ波と検査物102との相互作用の状態を反映するセンサ部の検出部の検出信号に基づき、検査物102の情報が取得される。センサ部101は、テラヘルツ波発生部と伝送線路と検出部とを含む。距離調整手段110は、テラヘルツ波発生部から発せられ伝送線路を伝播してきたテラヘルツ波を検出する検出部の検出信号に基づき、伝送線路と検査物102間の距離を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、物体(検査物)に関する距離調整装置及び方法、物体(検査物)の検査装置及び方法などに関する。特には、30GHz以上30THz以下の周波数範囲のうちの任意の周波数帯域を有する高周波電磁波(本明細書ではテラヘルツ波とも呼ぶ)を用いて検査物までの距離を調整する距離調整装置及び方法、検査物の検査装置及び検査方法に関する。
近年、テラヘルツ波を用いた非破壊なセンシング技術が開発されてきている。この周波数帯の電磁波の応用分野としては、X線に代わる安全な透視検査装置を用いてイメージングを行う技術が開発されている。また、物質内部の吸収スペクトルや複素誘電率を求めて結合状態などの物性を調べる分光技術、生体分子の解析技術、キャリア濃度や移動度を評価する技術なども開発されている。
テラヘルツ波を用いて物体を検査するための装置が、特許文献1に開示されている。この検査装置は、空間を伝播するテラヘルツ波を物体に照射し、物体からの透過波の伝播状態の変化により物体の構成材料の特性を測定する装置である。この提案においては、物体を2次元走査することで物体内部の透過イメージング像を得ている。
一方、テラヘルツ波は、高周波電磁波信号の伝送に用いられる伝送線路を伝播することが知られている。この特性を利用するために、オンチップ(検査物を伝送線路に乗せること)により、検査物の物性を測定する検査装置が非特許文献1に開示されている。非特許文献1のセンサチップは、テラヘルツ波を発生させるための発生部、マイクロストリップ線路、テラヘルツ波を検出するための検出部がガラス基板上に集積されたものである。非特許文献1は、漏れ電磁界と該マイクロストリップライン上に塗布した水との相互作用によって、テラヘルツ波の強度の減衰と時間波形の遅延を計測している。ここで、漏れ電磁界とは、マイクロストリップラインを伝搬するテラヘルツ波が該マイクロストリップラインから微弱に漏れ出ることにより発生する電磁界のことである。
特開平8−320254号公報 APL,88,212511、2006
上述のセンサチップを用いたテラヘルツ波検査システムは、オンチップ計測であるが故に、以下のような課題を抱えている。
まず、多量の検査物を高速で計測する用途には向いているとは言えない。例えば、多種多様な生体分子や化学物質などのスクリーニング検査においては、精度と同時に高速性や経済性も求められる。しかしながら、従来のシステムでは、サンプル供給や検査装置へのチップの出し入れなどに工数がかかる為、高速な検査を実現することは容易ではない。
また、多量のサンプルを検査するにはサンプル数に応じたチップ数が必要となるが、一般的にテラヘルツ波の発生及び検出には半導体結晶が用いられることを考慮すれば、チップ数の増加に伴い検査コストが増大することが予想される。
本発明に係るテラヘルツ波を用いて検査物までの距離を調整するための装置は、
テラヘルツ波を発生させるための発生部、前記テラヘルツ波が伝搬するための伝送線路、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波を検出するための検出部、を含み構成されるセンサ部と、
前記検出部が検出するタイミングを変えるための遅延部と、
前記遅延部を用いて得る、前記検出部が検出する信号をサンプリングすることにより、時間波形に関する情報を取得するための処理部と、
前記センサ部と前記検査物との距離を変化するための距離変化手段と、を備え、
前記時間波形に関する情報を用いて前記距離を調整することを特徴とする。
また、本発明に係るテラヘルツ波により検査物までの距離を調整するための方法は、
テラヘルツ波が伝搬するための伝送線路と検査物間の第1の距離でテラヘルツ波を発生させる工程と、
前記第1の距離で発生させたテラヘルツ波を該第1の距離で検出する工程と、
前記第1の距離で検出したテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得する工程と、
前記第1の距離よりも短い第2の距離まで、前記伝送線路あるいは検査物を移動する工程と、
前記第2の距離でテラヘルツ波を発生させる工程と、
前記第2の距離で発生させたテラヘルツ波を該第2の距離で検出する工程と、
前記第2の距離で検出したテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得する工程と、
前記第1及び第2の距離で取得した時間波形に関する情報どうしを比較する工程と、
前記時間波形に関する情報の比較結果の変化の有無から、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物との相互作用の有無を判断する工程と、
を有することを特徴とする。
また、上記課題に鑑み、本発明の検査装置は、センサ部と、距離調整手段ないし距離変化手段と、を備え、センサ部の伝送線路を伝播するテラヘルツ波と検査物との相互作用の状態を反映するセンサ部の検出部の検出信号に基づき、検査物の情報を取得する。ここにおいて、センサ部は、テラヘルツ波発生部と伝送線路と検出部とを含む。距離調整手段は、テラヘルツ波発生部から発せられ伝送線路を伝播してきたテラヘルツ波を検出する検出部の検出信号に基づき伝送線路と検査物間の距離を調整する。
また、上記課題に鑑み、本発明の検査方法は、テラヘルツ波発生部と伝送線路と検出部とを含むセンサを用意するステップと、検査物配置ステップと、粗動ステップと、距離認識ステップと、距離設定ステップと、データ取得ステップと、を含む。ここにおいて、検査物配置ステップでは、センサの伝送線路と対向する位置に、検査物を配置する。粗動ステップでは、テラヘルツ波発生部から発せられ伝送線路を伝播してきたテラヘルツ波を検出する検出部の検出信号をモニタしながら、伝送線路と検査物間の距離を近付ける。距離認識ステップでは、検出部の検出信号の変化から、伝送線路からの漏れ電磁界と検査物の表面とが相互作用を開始する距離を認識する。距離設定ステップでは、前記距離の認識の後に、伝送線路と検査物間の距離を、漏れ電磁界と検査物とが相互作用する目標の距離に設定する。データ取得ステップでは、前記目標の距離に設定した状態において、伝送線路を伝播するテラヘルツ波と検査物との相互作用の状態を反映する検出部の検出信号に基づき、検査物の情報を取得する。
また、別の本発明に係るテラヘルツ波を用いて検査物までの距離を調整するための装置は、
テラヘルツ波を発生させるための発生部、前記テラヘルツ波が伝搬するための伝送線路、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波を検出するための検出部、を含み構成されるセンサ部と、
前記センサ部と前記検査物間の距離を変化するための距離変化手段と、を備え、
前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報を用いて前記距離を調整することを特徴とする。
また、別の本発明に係るテラヘルツ波により検査物までの距離を調整するための方法は、
テラヘルツ波が伝搬するための伝送線路と検査物間の第1の距離でテラヘルツ波を発生させる工程と、
前記第1の距離で発生させたテラヘルツ波を該第1の距離で検出する工程と、
前記第1の距離で検出したテラヘルツ波に関する情報を取得する工程と、
前記第1の距離よりも短い第2の距離まで、前記伝送線路あるいは検査物を移動する工程と、
前記第2の距離でテラヘルツ波を発生させる工程と、
前記第2の距離で発生させたテラヘルツ波を該第2の距離で検出する工程と、
前記第2の距離で検出したテラヘルツ波に関する情報を取得する工程と、
前記第1及び第2の距離で取得したテラヘルツ波に関する情報どうしを比較する工程と、
前記テラヘルツ波に関する情報の比較結果の変化の有無から、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物との相互作用の有無を判断する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の距離調整装置などによれば、上記の如き距離変化手段ないし距離調整手段を備えるため、伝送線路の漏れ電磁界と検査物とが十分な相互作用を生じる目標の距離まで伝送線路と検査物を近接させことができる。そして、例えば、目標の距離でテラヘルツ波の伝播特性を計測し、検査物の物性などの情報を取得することができる。
また、本発明の検査方法によれば、上記検出部の検出信号の変化から、伝送線路から微弱に漏れ出した漏れ電磁界と検査物表面とが相互作用を開始するのを認識することができる。そして、この開始距離は予め概ね分かっているので、この時点で、伝送線路と検査物間の相対的な距離を概ね認識することができる。更に、上記検出信号の変化に基づき、漏れ電磁界と検査物とが十分な相互作用を生じる目標の距離まで伝送線路と検査物を近接させていって、その距離でテラヘルツ波の伝播特性を計測し、検査物の物性などの情報を取得できる。この際、一旦、伝送線路と検査物間の相対的な距離を概ね認識できれば、後は制御された距離ずつ近づけていけばよいので、伝送線路と検査物間の距離を目標の所まで容易且つ確実に持っていくことができる。
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。前述した様に、本明細書では、30GHz以上30THz以下の周波数帯域内の電磁波をテラヘルツ波とも呼ぶ。なお、本発明は、以下の実施形態に係る装置、方法に限定されるものではない。
(装置)
本発明の一実施形態に係るテラヘルツ波を用いて距離を調整するための装置について、図9を用いて説明する。まず、901は、テラヘルツ波を発生させるための発生部である。例えば、低温で成長させたガリウムヒ素(LT-GaAs)やインジウムガリウムヒ素(InGaAs)などから成る光伝導膜により構成される。ここで、光伝導膜とは、光が照射されることによりキャリアが発生する膜のことである。なお、発生部901には、共鳴トンネルダイオードやガンダイオードなどの電磁波利得を有する半導体素子を用いることもできる。
次に、902は、前記発生部901から発生されたテラヘルツ波が伝搬するための伝送線路である。伝送線路902には、金属などの電気伝導性を有する材料から成るマイクロストリップラインなどを適用することができる。また、903は、伝送線路902を伝搬するテラヘルツ波を検出するための検出部である。検出部903には、上記光伝導膜を用いる。なお、検出部903には、ショットキーバリアダイオードなどの検波素子を用いることもできる。ここで、904は、発生部901、伝送線路902、検出部903を含み構成されるセンサ部である。
また、905は、前記検出部903が検出するタイミングを変える(遅延する)ための遅延部である。前記遅延部905は、発生部901あるいは検出部903に照射する光の行路を変える手段により構成することができる。
ここで、遅延部905の一例として、光学的に遅延する遅延部1005について、図10を用いて説明する。1010は、発生部901及び検出部903にレーザ(光)を照射するためのレーザ照射部である。また、1011は、前記レーザ照射部1010が照射するレーザを分割するためのビームスプリッターである。ビームスプリッター1011で分割されたレーザは、それぞれ、発生部901と検出部903に照射される。発生部901に照射されるレーザは遅延部1005を通過する。遅延部1005には、例えば可動ミラーを用いる。
また、遅延部905は、前記テラヘルツ波が検出部903に到達する時間を遅延するような構成にすることもできる。テラヘルツ波が伝搬する距離を変えるために、発生部901に照射するレーザの照射位置を変えるような構成にすることもできる。また、テラヘルツ波が伝搬する速度を変えるために、伝搬する領域の屈折率を変えるような構成にすることもできる。
更に、遅延部905は、電気的に遅延するような構成にすることもできる。例えば、検出したテラヘルツ波の信号とのミキシングをするために発生させる電気信号の時間を遅延するような構成にすることができる。
また、906は、前記遅延部905を用いて得る、前記検出部903が検出する信号を、サンプリングすることにより時間波形に関する情報を取得するための処理部である。サンプリングに関しては、例えば、前記レーザを照射する周期で行うことができるが、特に限定されるものではない。
ここで、908は、検査物907を保持するための検査物保持部である。検査物保持部908は、例えば、テフロン(登録商標)やポリイミドなどのポリエチレン樹脂、アルミなどの金属、或いは石英やサファイアなどの無機材料から成る平板にすることができる。後述する内視鏡の例などの場合には、この検査物保持部を省略することもできる。検査物までの距離を良好に調整しやすいように、検査物の特徴に応じて、検査物保持部を設けたり省略したりすればよい。更に、909は、前記センサ部904と前記検査物保持部908あるいは検査物907との距離を変化するための距離変化手段(Z軸ステージ)である。前記距離変化手段には、圧電素子などを用いることができる。ただし、これに限定されるものではない。前記処理部906が取得した前記時間波形に関する情報を用いて前記距離変化手段909を動作させることにより、前記距離を調整する。
ここで、前記距離を調整するために、前記時間波形に関する情報を用いることは必須ではなく、前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報を用いればよい。これにより、例えば、前記検出部が検出する信号の或る時間(Δt)における積分値から振幅の変化を知ることができる。また、前記時間波形に関する情報を用いると、テラヘルツ波の位相の変化などを知ることができる。
以上により、前記伝送線路902を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物907とが相互作用することにより、前記距離の調整を行うことができる。ここで、漏れ電磁界とは、前述した様に、前記伝送線路902を伝搬するテラヘルツ波が該伝送線路902から漏れ出ることにより発生する電磁界のことである。
前記処理部906には、検査物907と前記漏れ電磁界とが相互作用を生じていない状態のパルス波形に関する情報を記憶させることが好ましい。これにより、前記時間波形に関する情報が、前記パルス波形に関する情報に比べて減衰あるいは遅延するとき、前記相互作用が生じていると判断することができる。なお、上記記憶に関しては、必ずしも前記処理部906が行う必要はなく、上記記憶をするための記憶部を設けてもよい。
また、検査物と前記漏れ電磁界とが相互作用を生じていない状態において前記検出部が検出したテラヘルツ波に関する情報を参照情報として記憶するための記憶部を有することが好ましい。これにより、前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報が前記参照情報から変化するとき、前記相互作用が生じていると判断することができる。
(X-Yステージ)
前記検査物保持部908を、前記距離変化部が変化させる距離の方向に対して垂直方向に移動するための移動部(X-Yステージ)を有することが好ましい。前記移動部には、ステッピングモータを用いることができる。前記移動部が、前記漏れ電磁界の強度に基づいて前記検査物保持部を移動することにより、以下の効果がある。すなわち、前記距離が同じ場合でも、前記漏れ電磁界と検査物907との相互作用の強度及び該相互作用する領域を増加させることができる。
(伝送線路と検査物とを離間)
また、前記伝送線路と検査物とを離間して(すなわち両者を接触させないで)、前記相互作用をさせることが好ましい。これにより、センサ部904と検査物907とが接触することによって生じるセンサ部904の劣化を防止することができる。上記劣化の原因は、検査物907による、伝送線路902などの構成部品の材料の変質や破損によるものであると考えられる。上記劣化により、伝送線路907を伝播するテラヘルツ波の強度の低下や、漏れ電磁界の強度の変化といった問題が生じる。また、この問題により、検査結果にばらつきが生じてしまう。以上より、複数回同一のセンサ部904を使用すると、再現性の良い測定結果を得ることは困難であった。
ここで、上記劣化への対処として、通常、測定ごとにセンサ部904の洗浄や交換が行われている。そのため、コスト面で大きな負担となっている。発生部901や検出部903に使用されている半導体結晶は高価である。また、洗浄や交換には作業工程がかさむため、検査処理のスループットも問題となる。
(検査用及び距離調整用の伝送線路)
また、前記センサ部904が、検査用及び距離調整用の伝送線路を備えるように構成することが好ましい。ここで、上記2つの伝送線路は、前記距離の調整に用いる電磁波を伝送するための伝送線路と、検査物の検査に用いる電磁波を伝送するための伝送線路である。詳細については、後述する実施例2で説明する。
(内視鏡)
前記センサ部904は、内視鏡プローブの先端に設けることができる。この場合、前記センサ部904は、検査物と伝送線路間の距離を粗動で変化するための粗動部と、検査物と伝送線路間の距離を微動で変化するための微動部を備える距離変化手段を有していることが好ましい。また、前記距離調整装置が内視鏡プローブの先端に設けられ、前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報に基づき検査物を検査することができる。詳細については、後述する実施例3で説明する。
(動作)
次に、本実施形態に係るテラヘルツ波により前記距離を調整するあるいは検査物を検査するための方法について説明する。本実施形態に係る方法は、以下の工程を有する。
まず、テラヘルツ波が伝搬するための伝送線路と検査物間の第1の距離でテラヘルツ波を発生させる。ここで、前記第1の距離は、例えば、図5の[a]における伝送線路121と検査物102との距離(L>L0)である。
次に、前記第1の距離で発生させたテラヘルツ波を該第1の距離で検出する。そして、前記第1の距離で検出したテラヘルツ波の時間波形(例えば、図5の[a]の時間波形)に関する情報を取得する。ここで、前述したように、前記時間波形に関する情報を取得することは必須ではなく、テラヘルツ波に関する情報を取得すればよい。なお、前記テラヘルツ波に関する情報は、電磁波強度、時間波形、振幅、位相、フーリエ変換して取得される周波数スペクトルのうち、少なくとも1つであることが好ましい。また、時間波形に関する情報は、時間波形、時間波形の強度、時間波形の時間幅、フーリエ変換して取得される周波数スペクトルのうち、少なくとも1つであることが好ましい。
ここで、前記第1の距離よりも短い第2の距離まで、前記伝送線路あるいは検査物を移動する。ここで、前記第2の距離は、例えば、図5の[b]における伝送線路121と検査物102との距離(L0)である。この第2の距離でテラヘルツ波を発生させる。そして、前記第2の距離で発生させたテラヘルツ波を該第2の距離で検出する。更に、前記第2の距離で検出したテラヘルツ波の時間波形(例えば、図5の[b]の時間波形)に関する情報(あるいはテラヘルツ波に関する情報。以下も同様とする。)を取得する。
次に、前記第1及び第2の距離で取得した時間波形に関する情報どうしを比較する。そして、前記時間波形に関する情報の比較結果の変化の有無から、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物との相互作用の有無を判断する。ここで、前記相互作用が無い場合、前記第2の距離よりも短い第3の距離まで、前記伝送線路あるいは検査物を移動することが好ましい。例えば、前記第2の距離が前記第1の距離と同様にL>L0であった場合、L0となる第3の距離まで上記移動を行うことが好ましい。これにより、前記相互作用を伴う状態で測定を行うことができる。すなわち、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物102とが相互作用するように、前記時間波形に関する情報を用いて前記距離を調整した後に、時間波形に関する情報を取得して検査物の検査を行うことができる。
前記第1の距離で取得した時間波形に関する情報は記憶することが好ましい。更に、前記記憶した情報を、前記第1の距離とは異なる距離で取得する時間波形に関する情報と比較するための参照信号として用いることが好ましい。これにより、前記相互作用を伴う状態であるか否かを判定することができる。
また、前記距離を調整した後で、前記伝送線路からの漏れ電磁界の強度を増加させる工程を有することが好ましい。この工程は、前記検査物の検査を行う工程の前に実行することが好ましい。前記伝送線路からの漏れ電磁界の強度を増加させる工程では、漏れ電磁界の強度の弱い第1の伝送線路からこの第1の伝送線路より漏れ電磁界の強度がより強い第2の伝送線路に切替えることが好ましい。これにより、漏れ電磁界の強度を増加させることができる。また、前記伝送線路からの漏れ電磁界の強度を増加させる工程では、発生するテラヘルツ波の強度を増加させることが好ましい。これにより、漏れ電磁界の強度を増加させることができる。
以下、本発明の具体的な実施例を説明する。
(実施例1:漏れ電磁界を用いて距離を調整)
本発明に係る距離調整装置ないし方法、検査装置ないし方法の構成例と動作例について、図1乃至図5を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1の検査装置100の構成を示す概略構成図である。図2は、本発明の実施例1である検査装置におけるセンサチップ120の構成図である。また、図3は、検査装置のうち、センサ部101と検査物102付近を拡大した部分の概略構成図である。
図4には、線幅2μmと10μmのマイクロストリップラインのセンサチップにおける、伝送線路と検査物間の距離とテラヘルツ波の伝播特性変化の解析例を示した。また、図5は、伝送線路と検査物間の距離を3種類の距離に設定した時に信号検出部108で計測したテラヘルツ波の伝播特性(パルス波形)と、各距離における検査物102と漏れ電磁界140との関係を模式的に説明した図である。
まず、本実施例の検査装置100の構成について説明する。検査装置100は、センサ部101、検査物102を配置する為の検査物保持手段103、検査物102とセンサ部101間の距離を調整する為の距離調整手段110、漏れ電磁界強度調整手段114等を含む。距離調整手段110は、伝送線路と検査物間の距離を、伝送線路からの漏れ電磁界と検査物とが相互作用する距離に調整する為のものである。
センサ部101の構成と動作について説明する。センサ部101には、テラヘルツ波の発生、伝送、検出を行う役割をもつセンサチップ120が実装されている。図2の様に、センサチップ120は、発生部132、伝送線路121、検出部133、GND(ground)層128、誘電体層125、貫通電極130等が基板129上に集積化された構成となっている。また、センサ部101はアーム115を介して、Z軸ステージ106に接続されている。Z軸ステージ106は、ステッピングモータによるμmオーダーの粗動と圧電アクチュエータによるnmオーダーの微動が行える精密ステージを使用しており、Z軸ステージ制御部107により制御される。
センサチップ120について説明する。図2に示す様に、発生部132は、発生用信号線123、発生用半導体層126、発生用貫通電極130、GND層128、GND貫通電極134aから構成され、テラヘルツ波を発生する役割を果たす。発生部132は、発生用貫通電極130とGND貫通電極134aを介して、発生用電源112に電気的に接続されている。検出部133は、検出用信号線124、検出用半導体層127、検出用貫通電極131、GND層128、GND貫通電極134bから構成され、テラヘルツ波を検出する役割を果たす。検出部133は、検出用貫通電極131とGND貫通電極134bを介して、信号検出部108に電気的に接続されている。センサチップ120の裏面から、貫通電極を用いて、発生及び検出のための給電を行うことで、給電手段が介在して検査物102とセンサチップ120とが接触することを防止している。
本実施例の検査装置では、線幅2μmのマイクロストリップライン型の伝送線路121を用いている。発生部132で発生されたテラヘルツ波は、伝送線路121に結合され、上電極層122とGND層128に挟まれた誘電体中を伝搬する。そして、検出部133に結合され、電気信号として信号検出部108に取り出される。伝送線路121は、マイクロストリップラインに限られるものではなく、例えば、コプレナウェブガイド型の伝送線路等を用いてもよい。
本実施例のセンサチップ120の構成材料について説明する。基板129の材料には、波長810nmの光パルスが透過する合成石英を使用した。発生用半導体層126及び検出用半導体層127は、膜厚2μmの低温成長ガリウムヒ素層であり、基板129上にAuの熱圧着法で転写されている。伝送線路121の上電極層122、発生用信号線123、検出用信号線124には、Ti/Au層(20nm/200nm)を用いた。GND層128には、Ti/Au/Ti層(20nm/500nm/20nm)を用いた。GND層128は熱圧着時の接合層としての役割も果たしている。誘電体層125は厚さ3μmであり、テラヘルツ帯において低損失の誘電体材料として実績のあるBCB(ベンゾシクロブテン)を用いた。また、発生用貫通電極130、GND貫通電極134a、検出用貫通電極131、GND貫通電極134bには、電気伝導性に優れ、埋め込み形成が容易なCuを用いた。なお、上記した構成材料は一例であり、これらに限られない。
次に、本実施例のテラヘルツ波の発生及び検出について説明する。本検査装置では、テラヘルツ波の発生及び検出には、周知の光スイッチの方式を採用する。フェムト秒レーザ部113(チタンーサファイアレーザ、波長810nm)から、光学ゲート用の光パルス118を放射し、ビームスプリッタ(不図示)等により、発生用の光パルス118aと検出用の光パルス118bに分岐する。分岐した光パルスのうち発生用の光パルス118aは、センサ部101の発生部132に照射され、検出用の光パルス118bは、遅延光学系(不図示)を通過した後、センサ部101の検出部133に照射される。
発生用電源112により、発生用信号線123とGND層128に挟まれた発生用半導体層126の一部にバイアス電圧が印加されている。この状態で、GND層128に設けたスリット(不図示)を通じて、発生用半導体層126の電圧が印加された部分に光パルス118aが照射される。その結果、発生用半導体層126は光学的にゲートされ、光電流が励振されるのに伴いテラヘルツ波が発生する。発生したテラヘルツ波は、伝送線路121に結合する。
伝送線路121中をテラヘルツ波が伝播する際、伝送線路121から微量の電磁界が漏れ出している。本明細書においては、こうした電磁界を漏れ電磁界140と呼ぶ。図3には、テラヘルツ波が紙面に垂直な方向に沿って伝播する際の、センサチップ120上のマイクロストリップラインに生じる電磁界が模式的に示されている。この漏れ電磁界140の強度は、主に、伝送線路の構成材料、形状、構造、テラヘルツ波信号の強度等により決まる。従って、周囲の状態や環境、雰囲気が略同じであれば、上記パラメータを決めることで、伝送線路からの漏れ電磁界の強度と、漏れ電磁界が影響を及ぼす領域が決まる。伝送線路121の近傍に検査物102がある場合、漏れ電磁界140と検査物102との間に相互作用が生じる。そのため、伝送線路121を伝播するテラヘルツ波の伝播特性が変化する。本発明の検査装置ないし方法は、この伝播特性の変化を利用して、検査物102の物性などの情報を取得する。
伝送線路121中を伝播したテラヘルツ波は検出部133に到達する。検出部133では、信号検出部108により、検出用信号線124とGND層128に挟まれた検出用半導体層127の一部にバイアス電圧が印加されている。そして、発生部と同様に、基板129裏面から、遅延光学系を通過してきた光パルス118bが照射される。光パルス118bにより、光学的にゲートされた検出用半導体層127に生じる光電流を信号検出部108でサンプリングすることで、テラヘルツ波の伝播特性が電気信号として検出される。
なお、テラヘルツ波の発生及び検出方法は上記の方式に限られる訳ではない。例えば、発生部に、共鳴トンネルダイオードやガンダイオードなどの電磁波利得を有す半導体素子を用いてもよい。また、検出部にショットキーバリアダイオードなどの検波素子を用いる方式であってもよい。
センサ部101と検査物102周辺の構成について説明する。図3に示したように、検査物102は、検査物保持手段103により、センサ部101の伝送線路121と向き合うように、且つ伝送線路121と距離を離して配置されている。ここで、伝送線路121の表面と検査物102の表面との間の距離を『L』と定義する。本発明における装置ないし方法では、信号検出部108で検出するテラヘルツ波の検出信号の変化に応じて、距離調整手段110により、この距離Lが調整される。検査物102は、例えば、生体分子や薬品、高分子材料などであり、本実施例においては、リン酸緩衝溶液に溶解させたDNAを用いた。検査物102は、通常、乾いた状態で所定の厚みでもって配置される。
また、検査物保持手段103は、例えば、テフロン(登録商標)やポリイミドなどの樹脂や、アルミなどの金属、或いは石英やサファイアなどの無機材料からなる平板である。本実施例では、比較的安価で成形加工が容易なポリエチレン樹脂を使用した。検査物102は、マイクロインジェクタなどの微小量滴下装置を使用して、検査物保持手段103上に数十ナノリットル程度滴下される。検査物保持手段103は、X-Yステージ104に機械的に固定されており、X-Yステージ制御部105によりX-Y面内で位置制御される。X-Yステージ104には、ステッピングモータによりμmオーダーの精度で動作可能な精密ステージを用いた。なお、検査効率(スループット)の向上のため、検査物102を、検査物保持手段103に複数個配置してもよい(図1参照)。この場合、各検査物102は、逐次、センサ部101の伝送線路121と向き合うように配置され、検査される。
距離調整手段110及び漏れ電磁界強度調整手段114の構成について説明する。距離調整手段110は、信号検出部108、信号記録部109、演算処理部111、Z軸ステージ106、Z軸ステージ制御部107から構成され、これらは図1のように接続されている。また、演算処理部111は、比較部116と判断部117とを備えている。本実施例の検査装置100は、センサ部101上の伝送線路121表面と検査物102表面との間の距離Lを、センサ部101からの検出信号の変化に応じて調整可能な構成となっている。このような調整を実行する手段を本発明では距離調整手段110ないし距離変化手段と呼んでいる。
また、演算処理部111から、漏れ電磁界強度調整手段114を介して、発生用電源112及びフェムト秒レーザ113に信号が送信される構成となっている。
距離調整手段110は、以下のようなシステムにより、センサ部101からの検出信号の変化に応じて、センサチップ120と検査物102との間の距離を調整する。
センサ部101で検出されたテラヘルツ波は、信号検出部108においてサンプリングされて、検出信号はパルス波形として信号記録部109及び演算処理部111の比較部116に送信される。信号記録部109は、検出信号を保管すると共に、参照信号を比較部116に送信する役割を果たす。ここで、参照信号とは、典型的には、検査物102と漏れ電磁界140とが相互作用を生じていない状態における、信号検出部108で計測したテラヘルツ波の伝播特性(パルス波形)である(図5の[a]の状態参照)。
検査物102と漏れ電磁界140とが、既に相互作用を生じている場合には、参照信号は、距離Lを変化させる前の状態において検出したパルス波形であってもよい。この場合でも、検査物102とセンサチップ120を目標の距離まで精度良く調整することができる。
比較部116においては、信号記録部109に保管された参照信号のパルス波形と、信号検出部108から送信された検出信号のパルス波形とが比較される。判断部117は、比較波形の有意差の有無を判断し、判断結果に応じて、Z軸ステージ制御部107に信号を送信しZ軸ステージ106をZ軸方向に動かす。尚、ここではセンサ部側を移動させるが、検査物保持手段側をZ軸方向に動かしてもよい。要は、センサ部101と検査物102が相対的にZ軸方向に動かされて、センサ部101上の伝送線路121表面と検査物102表面との間の距離が変化すればよい。
次に、距離調整手段110及び漏れ電磁界調整手段114を備えた本実施例の検査装置の検査方法について説明する。
図5の[a]の状態のように、伝送線路と検査物とが十分に離れている場合、すなわち、伝送線路121からの漏れ電磁界140と検査物102との相互作用が生じていない距離Lでは、伝送線路121に特有のパルス波形[a]が得られる。これは、本実施例における参照信号であり、センサチップ120の構成とテラヘルツ波の強度によって決まる。参照信号は、図4の解析結果においては、距離Lが50μmの時のパルス波形に対応する。
このように、センサ部101と検査物102とが十分に離れた場合には、信号検出部108からのパルス波形が参照信号と同じであるので、判断部117より変化無の信号がZ軸ステージ制御部107に送信される。信号を受けたZ軸ステージ制御部は、Z軸ステージを粗動のステップ(例えば、1mm乃至1μmのレンジのステップ)で動かし、再び、センサ部101においてテラヘルツ波の伝播特性の測定を行う。
テラヘルツ波の伝播特性を測定しながらZ軸ステージ106を動かし、センサチップ120を検査物102に近づけていくと、やがて、参照信号に比べて、微量に減衰や遅延が生じたパルス波形[b]が得られる距離に到達する。図5の[b]の状態に示したように、この距離は、漏れ電磁界140と検査物102の表面とが相互作用を開始する距離(距離L0)である。距離L0は、伝送線路の構成材料、形状、構造、テラヘルツ波信号の強度等により決まり、相互作用の開始の検知で距離L0を検出することで、検査装置100のZ軸ステージ制御部107は、検査物102表面とセンサチップ120との相対的な距離を認識する。すなわち、解析結果から、本実施例のセンサチップにおいては、伝送線路と検査物間の距離Lを凡そ10μmに近接させることで、電界強度の変化及び位相遅延が生じることが分かっている。よって、Z軸ステージ制御部107は、検査物102表面とセンサチップ120との相対的な距離を認識することができる。図4は、電界強度(peak electric field intensity)の変化及び位相遅延(peak
position)が凡そ10μmの距離で顕著に現れ始めることを示している。
この時、演算処理部111は、検出信号と参照信号のパルス波形に有意差があると判断し、Z軸ステージ制御部107に信号を送る。こうして、これの制御モードを、Z軸ステージ106を微動(例えば、1μm乃至10nmのレンジのステップ)で動作させるモードに切替える。
更に、テラヘルツ波の伝播特性を測定しつつ、Z軸ステージ106を動作して、センサチップ120と検査物102を距離Lまで接近させる(例えばL=L=1μm、図5の[c]の状態参照)。この距離は、Z軸ステージ制御部107が距離L0を認識した後に、分かっている量ずつZ軸ステージ106を微動モードで移動して達成したものである。
このとき、検査物102と漏れ電磁界140との間には十分に強い相互作用が生じる。言い換えると、伝送線路121を伝播するテラヘルツ波と検査物102とが強く相互作用を生じる状態となる。従って、伝送線路121を伝播するテラヘルツ波の伝播特性は変化するため、参照信号と比較して強い減衰と遅延が生じたパルス波形[c]が得られる。解析結果から、本実施例のセンサチップにおいては、距離Lを10μm以下に近接させた領域では、距離Lの変化に対して電界強度及び位相遅延は、ほぼ指数関数的に変化する。また、本実施例の距離条件(L=L=1μm)であれば、伝送線路と検査物の状態を非接触に保ちながら測定を行なうことも可能である。
上記の検査方法は、テラヘルツ波発生部と伝送線路と検出部とを含むセンサを用意するステップと、検査物配置ステップと、粗動ステップと、距離認識ステップと、距離設定ステップと、データ取得ステップと、を含むものである。ここにおいて、検査物配置ステップでは、センサ120の伝送線路121と対向する位置に、伝送線路と離間して検査物102を配置する。粗動ステップでは、テラヘルツ波発生部132から発せられ伝送線路121を伝播してきたテラヘルツ波を検出する検出部133の検出信号をモニタしながら、伝送線路と検査物間の距離を近付ける。距離認識ステップでは、検出部133の検出信号の変化から、伝送線路121からの漏れ電磁界140と検査物102の表面とが相互作用を開始する距離L0を認識する。距離設定ステップでは、前記距離認識の後に、伝送線路121と検査物102間の距離を、漏れ電磁界と検査物とが相互作用する目標の距離に設定する。データ取得ステップでは、前記目標の距離に設定した状態において、伝送線路121を伝播するテラヘルツ波と検査物102との相互作用の状態を反映する検出部133の検出信号に基づき、検査物の情報を取得する。
次の様な動作を付加してもよい。すなわち、上記距離認識ステップと上記データ取得ステップの間で、演算処理部111から漏れ電磁界強度調整手段114に信号が送られ、発生用電源112により発生用半導体層126に印加されるバイアス電圧を5Vから20Vに変更してもよい。また、漏れ電磁界強度調整手段114からフェムト秒レーザ113に信号が送られ、発生用半導体層126を光ゲートする為の光パルス118の光出力が1mWから10mWに変更されてもよい。この時、発生部132から発生するテラヘルツ波の信号強度が増加する為、伝送線路121からの漏れ電磁界の強度が、更に増加する。この結果、検査物102と漏れ電磁界140との相互作用の強度と領域が実効的に増加する。そして、この状態において、テラヘルツ波の伝播特性を信号検出部108にて検出し、検査物の物性情報の取得を行う。この漏れ電磁界増加ステップは、例えば、上記距離認識ステップの後に、或いは上記距離設定ステップの後に実行することができる。
本実施例の装置ないし方法によれば、距離調整手段110により、センサ部101の伝送線路121を伝搬するテラヘルツ波の伝播特性をモニタし、検出信号と参照信号を比較しながら、センサ部100と検査物102を近づける。そして、伝送線路121表面から微弱に漏れ出した漏れ電磁界140と検査物102表面とが相互作用を開始する距離(L0)を認識する。すなわち、センサチップ120と検査物102間の相対的な距離を、テラヘルツ波の伝播特性の変化から認識することができる。また、距離調整手段110を用いて、距離L0から、検査物102とセンサチップ120を近接させて、漏れ電磁界140と検査物102間で十分な相互作用を生じる好適な距離にまで調整することが可能である。このように伝送線路と検査物間の距離を調整することで伝送線路と検査物間の状態を一義的に決めることが可能となるため、感度や再現性の良い計測が実現される。
また、本検査装置は、漏れ電磁界強度調整手段114を備え、伝送線路と検査物間の距離を、相互作用が生じる距離まで近接させた状態で、伝送線路からの漏れ電磁界の強度を増加させることも可能である。この状態で、伝送線路からの漏れ電磁界と検査物との相互作用の状態を、テラヘルツ波の伝播特性として取得することで、より感度良く検査物の物性データなどの情報を取得できる。
このように、本実施例の装置ないし方法によれば、伝送線路と検査物間の距離を調整することで伝送線路と検査物間の状態を一義的に決めることが可能となるため、測定感度や再現性の良い検査が実現される。また、オンチップ計測に比べて、高速かつ低コストで漏れ電磁界を用いた計測を行なうことが可能となる。更に、漏れ電磁界を用いたテラヘルツ波計測を、顕微鏡などのその場観察手段として応用することが可能となる。また、伝送線路と検査物を非接触の状態でも測定可能となるので、センサの劣化や洗浄及び交換の頻度が低減され、より経済的な検査が可能となる。
ここで、従来のオンチップ計測では、漏れ電磁界との相互作用を計測する方式を、顕微鏡等のその場観察やin−situ計測に用いることは難しい。なお、従来のオンチップ計測とは、例えば、非特許文献1(APL,88,212511、2006)に開示された計測のことである。測定感度や再現性の観点から、観察対象物と伝送線路の状態を一義的に決めることが重要となる。非特許文献1には、前記距離を調整する本発明の概念について、開示も示唆もされていない。
なお、本発明は、前述したように、漏れ電磁界を利用して前記距離の調整を行うものである。本発明は、テラヘルツ波が発生されてから、該テラヘルツ波が検査物で反射して検出されるまでの伝搬時間を求めることによって、前記距離を導出するものとは異なる。
(実施例2:検査用及び距離調整用の伝送線路)
図6は、本発明の実施例2である距離調整装置ないし方法、検査装置ないし方法の構成を示す概略構成図である。図7は、本実施例の距離調整装置ないし方法、検査装置ないし方法に用いたセンサチップの構成図である。
本実施例の検査装置200も、センサ部101、検査物102を配置する為の検査物保持手段103、検査物102とセンサ部101間の距離を調整する距離調整手段110、漏れ電磁界強度調整手段114等から構成される。本実施例においては、実施例1と異なり、漏れ電磁界強度調整手段114は、X-Yステージ104をX-Y面内で移動・制御するX-Yステージ制御部105に接続されている。
本実施例では、図7の様に、センサチップ220は、発生部132、検査用伝送線路221、距離調整用伝送線路222、検出部133、GND層128、誘電体層125、貫通電極130等が基板129上に集積化された構成となっている。テラヘルツ波の発生及び検出には、実施例1と同様に、光スイッチの方式を採用している。また、検査用伝送線路221及び距離調整用伝送線路222には、実施例1と同様に、マイクロストリップライン型の伝送線路を用いている。
検査用伝送線路221は、長さが300μm、線幅が2μmのマイクロストリップラインであり、検査物102の検査に用いる。一方、距離調整用伝送線路222は、長さが300μm、線幅が10μmのマイクロストリップラインであり、検査物102とセンサチップ220の距離を調整するために用いる。検査用伝送線路221と距離調整用伝送線路222は、50μm離した位置に並列的に配置されている。
一般的に、伝送線路からの漏れ電磁界の強度は、伝送線路の構成材料、形状、構造、テラヘルツ波信号の強度等により決まる。マイクロストリップラインにおいては、他の構造が同じである場合、線幅の細い線路ほど漏れ電磁界の強度や漏れ出す領域が増加する。つまり、検査物と伝送線路の間の距離Lが同じであるとき、線幅の細い線路を伝播するテラヘルツ波は、検査物とより強く相互作用を生じることになる。
本実施例の検査装置においては、はじめに、距離調整用伝送線路222からの漏れ電磁界と検査物102との相互作用を用いて、距離調整用伝送線路222と検査物102との距離を調整する。実施例1と同様、距離調整手段110により、距離Lは、距離調整用伝送線路222を伝播するテラヘルツ波と検査物102とが相互作用を生じる距離にまで調整される。具体的な方法は、実施例1と同様であるため、説明は割愛する。
ここで、距離調整手段110から漏れ電磁界強度調整手段114を介してX-Yステージ制御部105に信号が送られ、X-Yステージ104が水平方向に50μm移動させられ、検査部位が検査用伝送線路221の下に配置される。線幅の細い検査用伝送線路221においては、同じ距離Lでも、伝播するテラヘルツ波と検査物102との相互作用の強度と領域が実効的に増加する。この状態において、テラヘルツ波の伝播特性を信号検出部108にて検出し、検査物102の物性などの情報の取得を行う。検査用伝送線路221と距離調整用伝送線路222の間で、同じ距離Lにおいて電界強度の変化及び位相遅延がどの程度異なるかは、図4に示されている。
漏れ電磁界増加ステップとして、実施例1で述べた方法と本実施例で述べた方法の両方を行うこともできる。また、上記例では2種類の伝送線路を設けたが、漏れ電磁界の異なる3種類以上の伝送線路を設けてもよい。この場合、少なくとも1つが距離調整用伝送線路であって、少なくとも1つが検査用伝送線路である。
このように、漏れ電磁界強度の異なる2種類以上の伝送線路を配置し、弱い第1の漏れ電磁界の伝送線路で距離Lを調整して、第1の漏れ電磁界強度より強い第2の漏れ電磁界強度の伝送線路でテラヘルツ波の伝播特性を測定する。このことで、より高感度の測定が期待される。
また、実施例1と同様に、伝送線路と検査物間の距離を調整することで伝送線路と検査物間の状態を一義的に決めることが可能となるため、測定感度や再現性の良い検査が実現される。また、オンチップ計測に比べて、高速かつ低コストで、漏れ電磁界を用いた計測を行なうことが可能となる。更に、漏れ電磁界を用いたテラヘルツ波計測を、顕微鏡などのその場観察手段として応用することが可能となる。また、伝送線路と検査物が非接触の状態でも測定可能となるので、センサの劣化や洗浄及び交換の頻度が低減され、より経済的な検査が可能となる。
(実施例3:内視鏡)
図8は、本発明の第3の実施例である本発明の検査装置ないし方法を用いた内視鏡システムを示す概略構成図である。ここで、図8(a)は本システムの構成図、図8(b)は領域Aの拡大断面図、図8(c)は測定時におけるセンサ部の状態の一例である。なお、図8において実施例1と同様の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施例の内視鏡システム300の構成について説明する。内視鏡システム300は、内視鏡プローブ320、検査物302とセンサ部301間の距離を調整する距離調整手段310、及び先の実施例で説明した各構成要素等から構成される。内視鏡プローブ320は、センサ部301、可撓管321、Z軸粗動部328、Z軸微動部329などから構成される。
可撓管321には、主に発生用光ファイバ324、検出用光ファイバ325、信号線323、Z軸粗動部328などが内封されており、先端には圧電アクチュエータによるnmオーダーの微動が行えるZ軸微動部329が配置されている。ここでは、Z軸粗動部328には、μmオーダーの粗動が行なえる回転式のマイクロステージを用いた。回転式のマイクロステージでは、可撓管321内に回転可能に内挿され微細なめねじ内面を持つ円筒部材を回転して、センサチップ120が固定され微細なおねじ外面を持つ円板部材を可撓管321の軸方向に移動することで、センサ部301を動かす。図8(b)は、センサ部301のセンサチップ120が固定された円板部材が内方に退避した状態を示し、図8(c)は、この円板部材が外方に出た状態を示す。
センサ部301は、内視鏡320の先端に配置されたセンサチップ120(実施例1で説明済)から構成される。センサチップ120は、発生用光ファイバ324及び検出用光ファイバ325を介してフェムト秒レーザ部113と接続され、信号線323を介して発生用電源112及び信号検出部108と接続されている。また、センサチップ120の表面には保護膜330となるSOG(スピンオングラス)膜が約50nmコートされており、センサ部の劣化や損傷を防止している。本実施例においても、実施例1と同様に、テラヘルツ波の発生及び検出には光スイッチの方式を採用し、検査用伝送線路121にはマイクロストリップライン型の伝送線路を用いている。
本実施例の内視鏡システムは以下のように動作する。本実施例においては、体内に内視鏡プローブ320を挿入し体内器官の内壁面の検査を行なう場合を例に説明する。また、センサチップ120の動作は実施例1にて説明した通りである。
まず、第1の粗動ステップとなる内視鏡プローブ320の挿入により、検査物302となる内壁面と内視鏡プローブ320の先端が接触する。この際、内視鏡先端に位置する圧電アクチュエータからなるZ軸微動部329により内視鏡先端と検査物302の接触が検知される。
次に、第2の粗動ステップとして、センサ部301におけるテラヘルツ波の伝播特性の測定を行いながらZ軸粗動部328を動作させ、センサチップ120を検査物102に近付ける。テラヘルツ波の伝播特性に変化が生じる相互作用の開始する距離L0を検知したら、微動ステップに切替え、Z軸微動部329を動作させて目標の距離までセンサチップ120を検査物102に接近させる(図8(c)参照)。漏れ電磁界140と検査物間で十分な相互作用を生じる好適な距離にまで調整した状態で、伝送線路121を伝播するテラヘルツ波と検査物との相互作用の状態を反映する検出部133の検出信号に基づき、体内器官内壁の物性情報を取得する。
このように、テラヘルツ波の漏れ電磁界を用いた計測を内視鏡に用いた場合でも、本発明の特徴である距離調整手段ないし距離変化手段を有することで、十分な相互作用が生じる好適な距離の条件での測定が可能となる。こうして、高感度でかつ再現性の良い内視鏡検査が実現される。本実施例では体内器官の検査についてのみ説明したが、本実施例の内視鏡システムは、例えば、微細な配管や隙間などを検査するための産業用内視鏡としても当然用いることができる。
実施例1の距離調整装置ないし方法、検査装置ないし方法の構成を示す概略構成図。 実施例1の距離調整装置ないし方法、検査装置ないし方法に用いたセンサチップの構成図。 距離調整装置ないし検査装置のうち、センサ部と検査物付近を拡大した部分の概略構成図。 伝送線路と検査物間の距離とテラヘルツ波の伝播特性変化の関係の解析例を説明する図。 伝送線路と検査物間の距離と伝播特性変化を模式的に説明した図。 実施例2の距離調整装置ないし方法、検査装置ないし方法の構成を示す概略構成図。 実施例2の距離調整装置ないし方法、検査装置ないし方法に用いたセンサチップの構成図。 実施例3の内視鏡システムを説明する概略構成図。 本発明の実施形態に係る装置ないし方法を説明するための模式図。 本発明の実施形態に係る装置ないし方法を説明するための模式図。
符号の説明
101、904、 センサ部(センサ)
102、302、907 検査物
103、908 検査物保持部(検査物保持手段)
104 移動部(X-Yステージ)
108、111、906 処理部(信号検出部、演算処理部)
109 記憶部(信号記録部)
110、310、909 距離調整手段(距離変化手段)
121、221、222、902 伝送線路
132、901 テラヘルツ波発生部
133、903 センサ部の検出部
905、1005 遅延部
108、111、906 処理部(信号検出部、演算処理部)

Claims (21)

  1. テラヘルツ波を用いて検査物までの距離を調整するための装置であって、 テラヘルツ波を発生させるための発生部、前記テラヘルツ波が伝搬するための伝送線路、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波を検出するための検出部、を含み構成されるセンサ部と、
    前記センサ部と前記検査物間の距離を変化するための距離変化手段と、を備え、
    前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報を用いて前記距離を調整することを特徴とする距離調整装置。
  2. 前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物とが相互作用するように、前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報を用いて前記距離を調整することを特徴とする請求項1に記載の距離調整装置。
  3. 検査物と前記漏れ電磁界とが相互作用を生じていない状態において前記検出部が検出したテラヘルツ波に関する情報を参照情報として記憶するための記憶部を有し、
    前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報が、前記参照情報から変化するとき、前記相互作用が生じていると判断することを特徴とする請求項2に記載の距離調整装置。
  4. 前記伝送線路と検査物間を離間して、前記相互作用をさせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の距離調整装置。
  5. 前記検出部が検出するタイミングを変えるための遅延部と、
    前記遅延部を用いて得る、前記検出部が検出する信号をサンプリングすることにより、時間波形に関する情報を取得するための処理部と、を有し、
    前記時間波形に関する情報を用いて前記距離を調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の距離調整装置。
  6. 前記センサ部は、前記距離の調整に用いる電磁波を伝送するための伝送線路と、検査物の検査に用いる電磁波を伝送するための伝送線路を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の距離調整装置。
  7. 前記検査物を保持するための検査物保持部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の距離調整装置。
  8. 前記検査物保持部を、前記距離変化手段が変化させる距離の方向に対して垂直方向に移動するための移動部を有し、
    前記移動部は、前記漏れ電磁界の強度に基づき、前記検査物保持部を移動することを特徴とする請求項7に記載の距離調整装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の距離調整装置を含み構成される検査装置であって、
    前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物とが相互作用するように、前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報を用いて前記距離を調整した後に、前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報に基づき前記検査物の検査を行うことを特徴とする検査装置。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の距離調整装置を含み構成される検査装置であって、
    前記距離調整装置が内視鏡プローブの先端に設けられ、前記検出部が検出するテラヘルツ波に関する情報に基づき検査物を検査することを特徴とする検査装置。
  11. テラヘルツ波を用いて検査物までの距離を調整するための方法であって、
    テラヘルツ波が伝搬するための伝送線路と検査物間の第1の距離でテラヘルツ波を発生させる工程と、
    前記第1の距離で発生させたテラヘルツ波を該第1の距離で検出する工程と、
    前記第1の距離で検出したテラヘルツ波に関する情報を取得する工程と、
    前記第1の距離よりも短い第2の距離まで、前記伝送線路あるいは検査物を移動する工程と、
    前記第2の距離でテラヘルツ波を発生させる工程と、
    前記第2の距離で発生させたテラヘルツ波を該第2の距離で検出する工程と、
    前記第2の距離で検出したテラヘルツ波に関する情報を取得する工程と、
    前記第1及び第2の距離で取得したテラヘルツ波に関する情報どうしを比較する工程と、
    前記テラヘルツ波に関する情報の比較結果の変化の有無から、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物との相互作用の有無を判断する工程と、
    を有することを特徴とする方法。
  12. 前記テラヘルツ波に関する情報は、電磁波強度、時間波形、振幅、位相、フーリエ変換して取得される周波数スペクトルのうち、少なくとも1つであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記相互作用が無い場合、前記第2の距離よりも短い第3の距離まで、前記伝送線路あるいは検査物を移動する工程を有することを特徴とする請求項11あるいは12に記載の方法。
  14. 前記第1の距離で取得したテラヘルツ波に関する情報を記憶する工程を有し、
    前記記憶した情報を、前記第1の距離とは異なる距離で取得するテラヘルツ波に関する情報と比較するための参照情報として用いることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 検査物にセンサ部の前記伝送線路を粗動で近付け、前記相互作用をする距離を検知したら、検査物と前記伝送線路間の距離を微動で変化することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物とが相互作用するように、前記テラヘルツ波に関する情報を用いて前記距離を調整した後に、テラヘルツ波に関する情報を取得して前記検査物の検査を行う工程を有することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記距離を調整した後で、前記検査物の検査を行う工程の前に、前記伝送線路からの漏れ電磁界の強度を増加させる工程を有することを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記伝送線路からの漏れ電磁界の強度を増加させる工程では、漏れ電磁界の強度の弱い第1の伝送線路から第1の伝送線路より漏れ電磁界の強度が強い第2の伝送線路に切替えることで、漏れ電磁界の強度を増加させることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 前記伝送線路からの漏れ電磁界の強度を増加させる工程では、発生するテラヘルツ波の強度を増加させることで漏れ電磁界の強度を増加させることを特徴とする請求項17あるいは18に記載の方法。
  20. テラヘルツ波を用いて検査物までの距離を調整するための装置であって、
    テラヘルツ波を発生させるための発生部、前記テラヘルツ波が伝搬するための伝送線路、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波を検出するための検出部、を含み構成されるセンサ部と、
    前記検出部が検出するタイミングを変えるための遅延部と、
    前記遅延部を用いて得る、前記検出部が検出する信号をサンプリングすることにより、時間波形に関する情報を取得するための処理部と、
    前記センサ部と前記検査物間の距離を変化するための距離変化手段と、を備え、
    前記時間波形に関する情報を用いて前記距離を調整することを特徴とする距離調整装置。
  21. テラヘルツ波により検査物までの距離を調整するための方法であって、
    テラヘルツ波が伝搬するための伝送線路と検査物間の第1の距離でテラヘルツ波を発生させる工程と、
    前記第1の距離で発生させたテラヘルツ波を該第1の距離で検出する工程と、
    前記第1の距離で検出したテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得する工程と、
    前記第1の距離よりも短い第2の距離まで、前記伝送線路あるいは検査物を移動する工程と、
    前記第2の距離でテラヘルツ波を発生させる工程と、
    前記第2の距離で発生させたテラヘルツ波を該第2の距離で検出する工程と、
    前記第2の距離で検出したテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得する工程と、
    前記第1及び第2の距離で取得した時間波形に関する情報どうしを比較する工程と、
    前記時間波形に関する情報の比較結果の変化の有無から、前記伝送線路を伝搬するテラヘルツ波による漏れ電磁界と検査物との相互作用の有無を判断する工程と、
    を有することを特徴とする方法。
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