JP2009074214A - 緯編み機、製編方法および流路材用平編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニードルループとシンカーループの横幅の寸法バランスが良好であって、特に流路材用平編地を製造するために好適な緯編み機、製編方法を提供すること。
【解決手段】シリンダーに取り付けられたニードルとシンカーによる緯編み機構を備えた緯編み機であって、シンカーの幅(Ts)に対するニードルのフック幅(Tn)の値(Tn/Ts)が、Tn/Ts=0.8〜1.2である緯編み機、また、該緯編み機を用いて緯編み地を製造する際、ループ長L(mm)と編み糸の繊度D(dtex)とが下記(a)式の関係を満たすようにする製編方法であり、また、該緯編み機を用いて製編された流路材用平編地であって、ニードルループの幅Wn(mm)とシンカーループの幅Ws(mm)とが下記式(b)の関係を満たす流路材用平編地である。
0.042≦(√D)/L≦0.057………式(a)
0.45≦Wn/(Wn+Ws)≦0.55………式(b)
【選択図】図1

Description

本発明は、ニードルループとシンカーループの横幅バランスが良好な流路材用平編地を製造するために好適な緯編み機、製編方法に関するものである。
従来、長繊維、短繊維を使用した緯編み地は、衣料用途や産業資材用途などにおいてさまざまな用途分野で利用されている。
通常、緯編み地が好まれる点は、織物と比較してストレッチ性が高く風合いが柔らかい点であり、靴下、下着、スポーツ衣料など衣料用途が大部分を占めている。
通常、編み機は使用する編み糸の繊度によって製編可能な密度の範囲があるため、編み機の密度に相当するゲージ数がある範囲で決められている。例えば100dtexの編み糸であれば、通常22ゲージから32ゲージの範囲の編み機によって製編される。
繊度に対してゲージが粗すぎると、ループが容易に変形するため寸法安定性が悪い編み地となり、取扱い上の問題を起こす。逆に、繊度に対してゲージが細かすぎると編み糸がニードルやシンカーなどの編み機の部材との摩擦により毛羽や糸切れを引き起こして工程通過性を悪化させるという不都合がある。
さらに、同一編み機で長繊維や短繊維などさまざまな繊維を使用するため、各ゲージ数によって最も安定して製編できるようにニードルやシンカーなど編み目形成部分の部材の寸法は固定されている(非特許文献1の第193〜194頁)。
一般的には、ニードルは製編時の運動が激しいため針折れ等を防ぐ必要があるので強度を必要とし、厚みが大きい。それに対してシンカーはニードルほどの強度を必要としないため、ニードルと比較すると薄くなっている。
また、編み目については、前述非特許文献1の第70頁に説明されているように、ニードルループはニードルに、シンカーループはシンカーによって形成され、その結果、使用する繊維の繊度が同じで編み機のゲージが同じであれば、多少の調整は可能であるものの、編み目の基本的な構造は大きくは変化しない。
つまり、編み地の構造としては、ニードルが厚いことからニードルループの幅が広く、シンカーが薄いことからシンカーループの幅が狭い構造となる。一般的にはニードルループが開いた構造であるのに対して、シンカーループは閉じた構造となる。
また、使用する編み糸の繊度によって実用的な編み地を得るための適正ループ長はある範囲に限られている(非特許文献2)。その適正ループ長は、用途により一概に言えるものではないが、例えば100dtexの編み糸であれば、通常、100ループ当たりのループ長で230mmから250mmの範囲に設定されることが多い。
ループ長を極端に長く設定した場合はニードルループの幅とシンカーループの幅とをほぼ同一にすることが可能であるが、非常に目の粗い編み地となり、寸法安定性が悪く実用に耐えうるものではない。また、使用する編み糸の繊度と緯編み機のゲージ数に適した範囲内のループ長で寸法安定性を保持した編み地を製編した場合、前述したように、ニードルループの幅とシンカーループの幅とをほぼ同一にすることは困難であった。
ところで、緯編み地を衣料用途等で使用する場合は、ニードルループの幅とシンカーループの幅とが異なっていても実用上の問題を生じていない。
しかし、産業資材用途などの特定の用途において、緯編みのループの構造を利用する場合には、ニードルループの幅とシンカーループの幅とがほぼ同一であることが強く望まれる。例えば、液体分離素子等の部材として使用されている流路材用途として丸編み地を使用する際には、ニードルループの幅とシンカーループの幅とをほぼ同一にし、どちらのループをも流路として使用できることが、流路材の流路面積を確保する上で望ましい。
ところが、従来の緯編み機により製編された緯編み地を流路材用途として使用する場合、シンカーループの幅がニードルループの幅に対して狭くなっているため、つまりシンカーループの幅は狭く、ニードルループの幅は広くなっているため、要求される均一な流路の幅を形成することが難しく、緯編み地を流路材用途として展開する際の問題となっていた。
また、液体分離素子用の流路材としては、従来は、経編み地が使用されていて、流路材の要求特性に合うような経編み地の改良も種々提案されている(特許文献1)。しかし、この提案のものは、経編み地の改良であって、緯編み地ではないために、流路材の要求特性の面から限界があり、さらなる向上が求められていた。
特開2000−354743号公報 「メリヤス技術必携(よこ編篇)」、第三刷、第70頁、第193〜194頁(昭和48年3月10日、日本繊維機械学会発行) 「ニットに関する24章」、第275頁(昭和49年7月10日、理工新社発行)
上述したような点に鑑み、本発明の目的は、ニードルループとシンカーループの横幅の寸法バランスが良好であって、特に流路材用平編地を製造するために好適な緯編み機、製編方法を提供することにある。
なお、本発明において、ニードルループとシンカーループの横幅の寸法バランスが良好であるとは、ニードルループとシンカーループの緯方向の幅がほぼ同一であることを言う。
上述した目的を達成するため、本発明の緯編み機は、下記(1)の構成からなる。
(1)シリンダーに取り付けられたニードルとシンカーによる緯編み機構を備えた緯編み機であって、該シンカーの幅(Ts)に対する前記ニードルのフック幅(Tn)の値(Tn/Ts)が、Tn/Ts=0.8〜1.2であることを特徴とする緯編み機。
また、かかる本発明の緯編み機において、より好ましい具体的態様は、以下の(2)または(3)の構成からなるものである。
(2)前記シンカーのピッチ(P)に対する前記シンカーの幅(Ts)の値(Ts/P)が、Ts/P=0.32〜0.40であること、および/またはシンカーのピッチ(P)に対するニードルのフック部の幅(Tn)の値(Tn/P)がTn/P=0.32〜0.36であることを特徴とする上記(1)記載の緯編み機。
(3)該緯編み機が、丸編機であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の緯編み機。
また、上述した目的を達成する本発明の製編方法は、以下の(4)の構成からなる。
(4)請求項1〜3のいずれかに記載の緯編み機を用いて緯編み地を製造する際、ループ長(L)と編み糸の繊度(D)とが下記(a)式の関係を満たすことを特徴とする製編方法。
0.042≦(√D)/L≦0.057………式(a)
また、上述した目的を達成する本発明の流路材用平編地は、以下の(5)の構成を有するものである。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の緯編み機を用いて製造された流路材用平編地であって、ニードルループの幅(Wn)とシンカーループの幅(Ws)とが下記式(b)の関係を満たすことを特徴とする流路材用平編地。
0.45≦Wn/(Wn+Ws)≦0.55………式(b)
また、かかる本発明の流路材用平編地において、より好ましい具体的態様は、以下の(6)の構成からなるものである。
(6)編み糸の繊度(D)が55〜220dtexであること、および/または100ループ当たりのループ長(L)が210〜300mmであることを特徴とする上記(5)記載の流路材用平編地。
なお、本発明において、シンカーの幅(Ts)、ニードルのフック幅(Tn)、シンカーのピッチ(P)の単位は、いずれもmmである。編み糸の繊度(D)の単位は、デシテックスである。ループ長(L)は100ループ分の値であり、単位はmmである。ニードルループの幅(Wn)、シンカーループの幅(Ws)は、いずれも1ループ分の値であり、単位はμmである。
本発明によれば、緯編み機におけるニードルとシンカーの幅を一定の条件として製編することによって、適切なループ長でかつ良好な寸法安定性を有した上で、シンカーループの幅とニードルループの幅とをほぼ同一にした緯編み地を容易に得ることができる。
まず、緯編み機によるループ形成のメカニズムについて説明する。
本発明の緯編み機は、シリンダーに取り付けられたニードルとシンカーによる緯編み機構を備えた緯編み機であって、該シンカーの幅(Ts)に対する前記ニードルのフック幅(Tn)の値(Tn/Ts)が、Tn/Ts=0.8〜1.2であるものである。
図1は、本発明の緯編み機におけるループ形成部分の構造例をモデル的に示したものであり、緯編み機のループ形成部は主に、シリンダーと呼ばれる土台に組み込まれたシンカー2とニードル1との二つの部材からなる。シンカー2とニードル1とは緯編み機のゲージ数によって定められる一定の間隔をおいて交互に位置する。ニードルは既に形成されたニードルループ4の中を上下し新たな編み糸3を引き込むことにより新たなループを形成する役割を果たす。
また、シンカー2はニードル1が上下しループを形成する際に、既に製編された編み地がニードル1の上下により引き上げられないよう、ニードルループの両端5を押さえつける役割を果たす。
本発明者らは、上述したようなループ形成のメカニズムから、シンカー2の幅Tsとニードル1の幅Tnとを制御することによって、シンカーループの幅とニードルループ4の幅とを制御することができることを見いだした。図2は製編後の平編地のループの構造を示したものであり、本発明にかかる流路材用平編地のループ構造をモデル的に示したものであるが、シンカーループの幅とはWs、ニードルループの幅とはWnを指す。また、図3は、製編後の平編地のループの構造を示したものであり、従来からある一般的な平編地のループ構造をモデル的に示したものである。
従来の編み機では、製造上の汎用性や安定性を重視し、シリンダーに配置されたシンカー2のピッチPに対するシンカー2の幅が約25%であり、シリンダーに配置されたシンカー2のピッチPに対するニードル1の幅が約40%であり、各ゲージ数に対して固定された寸法となっている。前述の非特許文献1(第70頁)では、シンカー2の幅は更に小さく、ニードル1の幅は更に大きなものであるが、近年ではニードル1の材料の強度も改善されたことから、ニードル1はより薄いものが可能となっており、上記した、シンカー2のピッチPに対するシンカー2の幅が約25%、シンカー2のピッチPに対するニードル1の幅が約40%という、割合が一般的になっている。このようにニードル1の幅(Tn)がシンカー2の幅(Ts)に対して非常に大きくなっているため、製編された編み地のニードルループWnの幅はシンカーループWsの幅に対して広くなる。
それに対して、本発明においては、ニードルの幅(Tn)に対するシンカーの幅(Ts)の値Tn/Tsが0.8〜1.2であるものである。
Tn/Tsが1.2を越えると、シンカーループの幅を十分広くすることができず、ニードルループとシンカーループの幅との十分な同一性は得られない。逆に、Tn/Tsが0.8よりも小さいと、シンカーループWsの幅が広く、ニードルループWnの幅が狭くなり、やはりシンカーループの幅とニードルループの幅との十分な同一性は得られない。更にはニードルの強度が不足し、製編時に針傷や糸切れ、針折れといった問題を引き起こす。
同様な理由でシンカーのピッチ(P)に対するTsの値Ts/Pが0.32〜0.40であることが好ましく、及び/またはPに対するTnの値Tn/Pが0.32〜0.36であることが好ましい。丸編み機のループ形成部分において、編み糸一本分が通過するスペースは、(P−Tn−Ts)/2となるため、Ts/Pが0.40を越えるあるいはTn/Pが0.36を越えると、糸が通過するスペースが非常に狭くなり、製編時に編み糸と部材との摩擦があがり、糸切れなどのトラブルを発生しやすくなり、工程通過性が悪化する傾向にあるからである。また、Ts/PあるいはTn/Pが0.32よりも小さいと、Tnが小さくなる、つまりニードルが薄くなることから、上述のようにニードルの十分な強度を得ることができず、針折れなどにより工程通過性が悪化する傾向にあるからである。
本発明において、よりループ幅の同一性について顕著な効果を得る編み物は、組織が比較的ルーズは天竺組織などの平編物であり、更にループ幅の同一化により顕著な効果を得ることができる用途である液体分離素子の流路材等に使用する場合には、167dtex以下の細い編み糸を使用することが多く、こういった編み物は通常横編み機の中でも丸編み機を使用することが一般的である。そのため、本発明の編み機は緯編み機であれば実施可能であるが、丸編み機であればより好ましいものである。
本発明で重要なことは、十分な寸法安定性を持った編地でありながら、かつシンカーループの幅とニードルループの幅とを同一にすることである。上述の通り、ループ長を長くすれば、寸法安定性は悪いが、シンカーループの幅とニードルループの幅とを均一にすることが可能なものである。
本発明では十分な寸法性を確保する、すなわちループ長(L)と繊度(D)とが0.042≦(√D/L)≦0.057の条件を満たした上で製編することにより、ループ幅を同一化することが可能となる。ここでいうループ長Lとは100ウェル当たりの編み糸の長さをmmで表したものであり、繊度Dはデシテックスで表した値を使用する。√D/Lの値が0.57を越えると編み物の構造はルーズになり、ループが容易に変形することから寸法安定性は悪くなり、取扱い上問題を起こしやすくなる方向であるので好ましくない。用途によってはこのような長いループ長を採用するものもあるが、本発明で製造する編地のようなものを使用する用途には適さない。また、√D/Lが0.042よりも小さい場合は、逆にシンカーループの幅がニードルループの幅よりも広くなる。このような短いループ長では、更に良好な寸法安定性を得ることはできるが、ループの幅を同一化させるためには、更にシンカーの幅を広く、ニードルの幅を狭くする必要があり、ニードルの強度面から一般に困難であるので好ましくない。すなわち、0.042≦(√D/L)≦0.057を満たしていれば、通常必要な寸法安定性を得ることは十分可能である。
なお、本発明でいうループの幅の同一とは、下記式(b)を満たす構造のことを指す。製編直後の編地が式(b)を満たした場合、簡易的な精練処理を施すことによってより同一化され、ニードルループの幅とシンカーループの幅は、同一とみなすことが可能となり、前述した液体分離素子の流路材として使用する際に、ニードルループとシンカーループとの両方のループを流路として使用することができるなど、十分な効果を得ることができる。
下記式(b)を満たさない構造の場合は、ニードルループ幅あるいはシンカーループ幅が狭いために要求される流路の幅を満たした流路として使用することができず、従来の緯編地と差のない緯編地となる。
0.45≦Wn/(Wn+Ws)≦0.55………式(b)
(Wn:ニードルループの幅(mm)、 Ws:シンカーループの幅(mm))
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により特に限定されるものではない。
以下の実施例では、製編直後の編地のシンカーループの幅とニードルループの幅とを測定し、更に該編み地に80℃×5minの簡易的な精練処理を施した後、再びシンカーループの幅とニードルループの幅とを測定した。
なお、ニードルの幅およびシンカーの幅は、編み地の表面を非緊張下で顕微鏡撮影した顕微鏡写真において10箇所を測定し、その平均値をもって表した。
実施例1
ポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸(110デシテックス、48フィラメント)を編み糸として、32ゲージの丸編み機を使用し、100ループ当たりのループ長240mmで天竺組織の緯編み地を製編した。その際、編み糸のマルチフィラメント糸には、24フィラメントが約255℃の融点を持つレギュラーポリエステルフィラメント、24フィラメントが約225℃の融点を持つ低融点ポリエステルフィラメントである混繊糸を使用した。丸編み機のシンカーは幅が0.3mmであり、ニードルは幅が0.27mmのものを使用した。この結果、編地は寸法安定性が高く、製編直後の編地のニードルループ幅は580μm、シンカーループ幅は550μmであった。また、精練処理後の編み地のニードルループ幅は460μm、シンカーループ幅は460μmであった。
実施例2
ポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸(167デシテックス72フィラメント)を編み糸として、32ゲージの丸編み機を使用し、ループ長260mmで天竺組織の緯編み地を製編した。その際、編み糸のマルチフィラメント糸には、36フィラメントが約255℃の融点を持つレギュラーポリエステルフィラメント、36フィラメントが約225℃の融点を持つ低融点ポリエステルフィラメントである混繊糸を使用した。丸編み機のシンカーは幅が0.3mmでニードルは幅が0.27mmのものを使用した。この結果、編地は寸法安定性が高く良好であり、製編直後の編み地のニードルループ幅は620μm、シンカーループ幅は570μmであった。また、精練処理後の編地のニードルループ幅は520μm、シンカーループ幅は520μmであった。
比較例1
実施例1と同じポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸(110デシテックス48フィラメント)を編み糸として、32ゲージの丸編み機を使用し、ループ長240mmで天竺組織の緯編み地を製編した。その際、丸編み機のシンカーは幅が0.2mmでニードルは幅が0.32mmの従来標準的に使用されているものを使用した。この結果、編み地は寸法安定性が高いが、製編直後の編み地のニードルループ幅は750μm、シンカーループ幅は410μmであった。また、精練処理後のニードルループ幅は500μm、シンカーループ幅は380μmであった。
比較例2
実施例1と同じポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸(110デシテックス48フィラメント)を編み糸として、32ゲージの丸編み機を使用し、ループ長310mmで天竺組織の緯編み地を製編した。その際、丸編み機のシンカーは幅が0.2mmでニードルは幅が0.32mmの従来から標準的に使用されているものを使用した。この結果、編地は寸法安定性が悪く、取扱い時にループが容易に変形した目の乱れた編地となり、使用に耐えうるものではなかった。製編直後の編み地のニードルループ幅は680μm、シンカーループ幅は640μmであった。また、精練後の編地のニードルループ幅は600μm、シンカーループ幅は600μmであった。
表1に実施例1、2および比較例1、2についての製編条件および編み地の評価結果をまとめて示す。
Figure 2009074214
さらに、実施例1、2および比較例1、2で得られた精練後の編地をそれぞれテンターで240℃×30秒の熱セット処理を施し低融点ポリエステルのみを融着させることにより硬化させた。その際、編み糸の繊度に対応させて、編地を流路として使用する際に流路の幅が同一になるよう実施例1と比較例1、2はウェルが50に、実施例2はウェルが45になるように編地幅を設定して熱セット処理を施した。得られた硬化後の編地を透過水流路材として液体分離用の逆浸透膜モジュールに組み込み、このモジュールを用いて、TDS(塩分濃度)3.5重量%の海水を、液温25℃で5.5MPaの差圧を与えて10日間逆浸透処理しつづけ、1日当たりの透過水量を求めることによって評価した。
この結果、実施例1と実施例2の緯編み地の流路材を用いた場合は、流路材における水抵抗性が低く、透過水量が20m/日と非常に優れた造水量を示した。
これに対して、比較例1の緯編み地の流路材を用いた場合は透過水量が18m/日であり、実施例1対比での造水量が悪化した。これは、ニードルループの幅が広く、シンカーループの幅が狭いため、シンカーループで形成すべき流路が十分形成されず、ニードルループで形成された流路のみが流路として機能することになるため水の流れが悪化したからである。
また、比較例2の緯編み地の流路材を用いた場合は、透過水量が15m/日であり、実施例1対比での造水量が悪化した。この緯編み地は、ループ長が長過ぎて寸法安定性が低いため、加工時に編地がずれやすく、性量バラツキが生じやすかった。また、ニードルループの幅とシンカーループの幅とは同等であるものの、ループ長が長いことから編地は薄く、流路材は流路の深さが浅くなり、十分な流路面積が確保されず造水量が悪化した。
図1は、図1は、本発明の緯編み機におけるループ形成部分の構造例をモデル的に示したものである。 図2は、製編後の平編地のループの構造を示したものであり、本発明にかかる流路材用平編地のループ構造をモデル的に示したものである。 図3は、製編後の平編地のループの構造を示したものであり、従来からある一般的な平編地のループ構造をモデル的に示したものである。
符号の説明
1 ニードル
2 シンカー
3 編み糸
4 ニードルループ
5 シンカーループ
Ts シンカーの幅
Tn ニードルのフックの幅
P シンカーのピッチ
Ws シンカーループの幅
Wn ニードルループの幅

Claims (6)

  1. シリンダーに取り付けられたニードルとシンカーによる緯編み機構を備えた緯編み機であって、該シンカーの幅(Ts)に対する前記ニードルのフック幅(Tn)の値(Tn/Ts)が、Tn/Ts=0.8〜1.2であることを特徴とする緯編み機。
  2. 前記シンカーのピッチ(P)に対する前記シンカーの幅(Ts)の値(Ts/P)が、Ts/P=0.32〜0.40であること、および/またはシンカーのピッチ(P)に対するニードルのフック部の幅(Tn)の値(Tn/P)がTn/P=0.32〜0.36であることを特徴とする請求項1記載の緯編み機。
  3. 該緯編み機が、丸編機であることを特徴とする請求項1または2記載の緯編み機。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の緯編み機を用いて緯編み地を製造する際、ループ長(L)と編み糸の繊度(D)とが下記(a)式の関係を満たすことを特徴とする製編方法。
    0.042≦(√D)/L≦0.057………式(a)
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の緯編み機を用いて製造された流路材用平編地であって、ニードルループの幅(Wn)とシンカーループの幅(Ws)とが下記式(b)の関係を満たすことを特徴とする流路材用平編地。
    0.45≦Wn/(Wn+Ws)≦0.55………式(b)
  6. 編み糸の繊度(D)が55〜220dtexであること、および/または100ループ当たりのループ長(L)が210〜300mmであることを特徴とする請求項5記載の流路材用平編地。
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