JP2009072800A - 異鋼種連続鋳造における継目部鋳片の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異鋼種連々鋳を行う場合に、後続チャージの成分混合域の長さを、計算式を用いて具体的に求めることができる継目部鋳片処理方法を提供する。
【解決手段】 先行チャージの溶鋼が残存しているタンディッシュに、成分の異なる溶鋼を後続チャージとして注入して連続鋳造するに当たり、後続チャージがタンディッシュに注入された時点での鋳型内溶鋼湯面位置に該当する鋳片位置を基準位置とし、該基準位置から(1)式により算出される鋳片長(L)の範囲迄の後続チャージの鋳片をスクラップ処理する。但し、(1)式において、L:鋳片長(m)、WTD:後続チャージの注入開始時点でのタンディッシュ内残存溶鋼量(トン)、SST:鋳片横断面積の合計値(m2 )、ρ:鋳片の密度(トン/m3 )、a、b、cはそれぞれ係数であり、a=1.39、b=ゼロ、c=0.8 とすることが好ましい。L=(a×WTD+b)/(SST×ρ)+c…(1)
【選択図】 図2

Description

本発明は、先行チャージとは成分の異なる溶鋼を後続チャージとして同一タンディッシュを用いて連続して連続鋳造を行う場合に、先行チャージと後続チャージとの成分の混合域である継目部分の鋳片の運用方法を決める継目部鋳片の処理方法に関するものである。
鋼の連続鋳造では、取鍋内の溶鋼を一旦タンディッシュに注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼が滞在した状態で、タンディッシュ内の溶鋼を、タンディッシュ底部に設置した浸漬ノズルを介して各鋳型に注入している。このような連続鋳造操業を行う連続鋳造設備において、生産性を向上させるためには、多数チャージの溶鋼を可能な限り途切れることなく連続して鋳造することが必要となる。多数チャージを連続して連続鋳造することを連続連続鋳造(「連々鋳」ともいう)と呼んでいる。
この連々鋳は、従来、主として同一鋼種のチャージ間で行われてきたが、近年の小ロット多品種の鋼製品構成では、同一鋼種の連々鋳のみでは連続鋳造設備の生産性が向上せず、従って、成分が異なる鋼種同士であっても連々鋳(「異鋼種連々鋳」という)が行われている。この異鋼種連々鋳においては、鋼種が替わる毎にタンディッシュを交換しながら連続鋳造を継続する方法と、先行チャージの溶鋼が残存している状態のタンディッシュに後続チャージの溶鋼を注入し、先行チャージで使用していたタンディッシュをそのまま使用して連続鋳造を継続する方法と、が採用されている。これらは、鋳片のスクラップ処理化によるコスト増と、タンディッシュの整備コスト増とを比較し、安価な方が採用されている。また、鋼種の継目部で鋳片の引き抜きを一旦停止させ、且つタンディッシュを鋳型上方所定位置から退避させ、その状態で鋼製の仕切り金物を鋳型内の溶鋼に浸漬・設置する方法も採用されている。
異鋼種連々鋳における鋼成分の混合部分である継目部分は、鋼材質が一定ではなく、品質の保証ができないのでスクラップ処理される。上記のタンディッシュ交換及び仕切り金物の鋳型内設置は、成分混合域を減少させるための手段である。つまり、タンディッシュを交換し且つ鋳型内に仕切り金物を設置して異鋼種連々鋳を実施した場合には、成分混合域は発生しないか、発生したとしても極く狭い範囲に限られるが、タンディッシュを交換しない場合には、タンディッシュ内に残存する先行チャージの溶鋼と新たに注入される後続チャージの溶鋼とがタンディッシュ内で混合してしまうので、鋳型内への仕切り金物の設置の如何に拘わらず、後続チャージの鋳造開始部分には成分混合域が形成され、この部分は、連続鋳造設備の機端に設置される切断機で切断されてスクラップ処理される。
同一タンディッシュを用いた異鋼種連々鋳において、鋳片の歩留りを考慮すると、このスクラップ処理される後続チャージの混合部分の長さを必要最小限にすることが重要となる。但し、継目部のスクラップ処理される部分を最小限にするには、鋳造条件に応じて成分の混合部を正確に把握する必要がある。そこで、同一タンディッシュを用いて異鋼種連々鋳を実施する際の継目部のスクラップ処理される部分の長さを決定する方法が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、先行チャージと後続チャージとが混合して形成される溶鋼の成分を逐次計算し、先行チャージ及び後続チャージの目標成分と計算した溶鋼成分とを比較して成分不適合な混合範囲を決めることにより継目部のスクラップ処理される部分の長さを決定する方法が提案されている。また、特許文献2には、後続チャージの溶鋼をタンディッシュに供給する前の先行チャージの鋳込み末期に、タンディッシュ質量を連続的に測定し、この測定値と予め入力されたタンディッシュの使用履歴(使用回数)に応じた地金及びノロの残存量とから、先行チャージのタンディッシュ内残存量及び切断除去すべき異鋼種継目範囲の長さを演算して求める方法が提案されている。
特開平8−71712号公報 特開平10−211559号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2は、同一タンディッシュを用いた異鋼種連々鋳における継目部のスクラップ処理される鋳片の長さを決定するための概念を提案しているだけであって、果たしてどのように実施するかは具体的に記載していない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、先行チャージとは成分の異なる溶鋼を後続チャージとして同一タンディッシュを用いて連続して連続鋳造を行う場合に、継目部である、後続チャージの成分混合域の長さを、計算式を用いて鋳造条件に応じて具体的に求めることができ、その結果、鋳片歩留りを過度に低下することのない、異鋼種連続鋳造における継目部鋳片の処理方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る異鋼種連続鋳造における継目部鋳片の処理方法は、先行チャージの溶鋼が残存しているタンディッシュに、先行チャージとは成分の異なる溶鋼を後続チャージとして注入し、先行チャージと後続チャージとを連続して連続鋳造するに当たり、後続チャージがタンディッシュに注入された時点での鋳型内溶鋼湯面位置に該当する鋳片位置を基準位置として、該基準位置から下記の(1)式により算出される鋳片長(L)の範囲迄の後続チャージの鋳片をスクラップ処理することを特徴とするものである。
L=(a×WTD+b)/(SST×ρ)+c ……(1)
但し、(1)式において、L:鋳片長(m)、WTD:後続チャージのタンディッシュへの注入開始時点でのタンディッシュ内残存溶鋼量(トン)、SST:各ストランドの鋳片横断面積の合計値(m2 )、ρ:鋳片の密度(トン/m3 )、a、b、cはそれぞれ係数である。
第2の発明に係る異鋼種連続鋳造における継目部鋳片の処理方法は、第1の発明において、前記係数aが1.39、係数bがゼロ、係数cが0.8であることを特徴とするものである。
本発明によれば、タンディッシュを交換せずに同一タンディッシュを用いて異鋼種連々鋳を実施する場合に、後続チャージのタンディッシュへの注入開始時点での条件に基づいて後続チャージの成分混合範囲の長さを決定するので、的確に且つ迅速に成分混合範囲の長さを定めることができ、また、その長さを必要最小限にすることができる。その結果、無駄に切り落とされる部分がなくなり、鋳片歩留りを向上させることができる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を実施した2ストランド型のスラブ連続鋳造設備の概略側断面図である。
図1において、鉛直方向同一高さ位置の水平方向二箇所にそれぞれ独立して設けられた水冷構造の鋳型3の上方所定位置に、タンディッシュ2が配置され、このタンディッシュ2の上方所定位置に、溶鋼9を収容した取鍋1が配置されている。取鍋1の底部には、取鍋1からタンディッシュ2へ注入される溶鋼量を調整するためのスライディングノズル4が配置され、このスライディングノズル4の下面に、溶鋼9を空気から遮断するためのロングノズル5が配置されており、ロングノズル5を介して溶鋼9がタンディッシュ2に注入されるようになっている。また、タンディッシュ2の底部には、それぞれの鋳型3に溶鋼9を流出するための溶鋼流出孔6が配置され、更に、この溶鋼流出孔6の下面に、スライディングノズル7及び浸漬ノズル8が配置されており、タンディッシュ2に収容された溶鋼9は、溶鋼流出孔6、スライディングノズル7及び浸漬ノズル8を通って鋳型3に注入されるようになっている。スライディングノズル7は、タンディッシュ2から鋳型3への溶鋼流量を調整するための装置である。タンディッシュ2の底部にはロードセル12が配置されており、このロードセル12によってタンディッシュ2に滞在する溶鋼9の質量が連続して測定できるようになっている。尚、図1では鋳型3よりも下流側の連続鋳造設備を省略しているが、鋳型3の直下にはガイドロールやピンチロールなどの鋳片支持ロールが設置され、この鋳片支持ロールの設置範囲には、二次冷却帯が配置されており、更に、鋳片支持ロールの下流側には鋳片10を切断するためのガス切断機が設置されている。
このように構成される連続鋳造設備を用い、以下のようにして本発明を実施する。
転炉または電気炉などの一次精錬炉または一次精錬後に更にRH真空脱ガス装置などの二次精錬炉で溶製された溶鋼9を収容する取鍋1を、タンディッシュ2の上方所定位置に配置し、ロングノズル5を介して取鍋1からタンディッシュ2に注入する。そして、タンディッシュ2に滞在する溶鋼量が所定量になったなら、スライディングノズル7を開き、溶鋼流出孔6及び浸漬ノズル8を介して溶鋼9を鋳型3に注入する。鋳型内に注入された溶鋼9は鋳型3により冷却され、鋳型3と接触する部位に凝固シェル(図示せず)を形成する。この凝固シェルを外殻とし、内部を未凝固の溶鋼9とする鋳片10を、鋳型3の下方に連続的に引き抜き、連続鋳造操業を開始する。鋳片10の引き抜き開始後は鋳型内溶鋼湯面11の位置を略一定位置に制御しながら鋳片10の引き抜きを継続する。鋳型3から引き抜かれた鋳片10は、鋳片支持ロールを通過する間、二次冷却帯で冷却され、凝固シェルの厚みを増大して、やがて中心部までの凝固を完了する。凝固完了した鋳片10はガス切断機により切断され、所定長さのスラブ鋳片が製造される。
このようにして連続鋳造操業を継続して実施し、タンディッシュ2に溶鋼9を供給している取鍋1の溶鋼9(この溶鋼を「先行チャージの溶鋼」と称す)が少なくなったなら、更なる連々鋳を実施するために、別の溶鋼9(この溶鋼を「後続チャージの溶鋼」と称す)を収容した別の取鍋1を準備する。本発明は異鋼種連々鋳に関する技術であるので、別の取鍋1に収容された後続チャージの溶鋼9の成分は、鋳造中の先行チャージの溶鋼9の成分とは異なっている。
そして、取鍋1に収容された先行チャージの溶鋼9がなくなり、取鍋1からタンディッシュ2への先行チャージの溶鋼9の注入が終了したなら、この取鍋1をタンディッシュ2の上方所定位置から移動させ、後続チャージの溶鋼9を収容した別の取鍋1をタンディッシュ2の上方所定位置に配置する。そして、タンディッシュ2に残存する先行チャージの溶鋼9の鋳型3への注入を続け、ロードセル12で測定されている、タンディッシュ2に残存する先行チャージの溶鋼9が所定量になったなら、後続チャージの溶鋼9を収容する取鍋1のスライディングノズル4を開放して、後続チャージの溶鋼9をタンディッシュ2に注入する。後続チャージのタンディッシュ2への注入以降もタンディッシュ2から鋳型3への溶鋼9の注入を継続する。
この場合に、後続チャージの溶鋼9をタンディッシュ2に注入した時点における鋳型内溶鋼湯面11の位置に該当する鋳片10の位置を、鋳造中順次把握する。具体的には、連続鋳造設備に設置されたメジャーロール(図示せず)によって測定される鋳片10の移動長さ値と、鋳片10の引き抜き速度とを、連続鋳造設備の操業を制御するプロセスコンピューターに入力し、このプロセスコンピューターによって、入力された鋳片10の移動長さ値と、鋳片10の引き抜き速度から求まる鋳片10の鋳造長さ値とから、前記鋳型内溶鋼湯面11の位置に該当する鋳片10の位置を順次把握する。また、後続チャージがタンディッシュ2に注入された時点におけるタンディッシュ2に残存する先行チャージの溶鋼量も、ロードセル12を介してプロセスコンピューターに入力される。
この後続チャージの溶鋼9のタンディッシュ2への注入により、タンディッシュ2に残存する先行チャージの溶鋼9と新たに注入された後続チャージの溶鋼9とが順次タンディッシュ2で混合され、混合されながら鋳型3に注入される。先行チャージと後続チャージとの継目部における鋼成分の推移の状況を模式的に図2に示す。図2では、先行チャージの鋼成分を「A」で表示し、後続チャージの鋼成分を「B」で表示し、混合部の鋼成分を「AB」で表示している。図2に示す「注入開始位置」は、後続チャージの溶鋼9をタンディッシュ2に注入した時点における鋳型内溶鋼湯面11の位置に該当する鋳片10の位置であり、本発明においては、この「注入開始位置」を「先行チャージと後続チャージとの境界」と定義する。この「注入開始位置」は、前述したように、鋳造中、プロセスコンピューターによって把握されている。混合部は、先行チャージ及び後続チャージの如何を問わず、鋼成分が一定しないことから通常スクラップ処理される。
ここで、本発明は、後続チャージの混合部は、後続チャージがタンディッシュ2に注入された時点におけるタンディッシュ2に残存する先行チャージの溶鋼量に比例することを、本発明者等に見出されてなされたもので、本発明では、後続チャージの混合部分の鋳片長(L)を下記の(1)式によって求め、その部分を連続鋳造設備出口のガス切断機で切断してスクラップ処理する。即ち、プロセスコンピューターは、入力された、タンディッシュ2に残存する先行チャージの溶鋼量、及び、各ストランドの断面サイズに基づき、下記の(1)式を用いて鋳片長(L)を算出し、プロセスコンピューターに把握されている図2に示す「注入開始位置」を基準位置として、この基準位置から算出値である鋳片長(L)だけ離れた位置で鋳片10を切断するように、ガス切断機に切断指示信号を発信する。ガス切断機は入力された切断指示信号に基づいて鋳片10を切断する。
L=(a×WTD+b)/(SST×ρ)+c ……(1)
但し、(1)式において、L:鋳片長(m)、WTD:後続チャージのタンディッシュへの注入開始時点でのタンディッシュ内残存溶鋼量(トン)、SST:各ストランドの鋳片横断面積の合計値(m2 )、ρ:鋳片の密度(トン/m3 )で、a、b、cはそれぞれ係数である。この場合、係数aを1.39、係数bをゼロ、係数cを0.8とした場合に、スクラップ処理される鋳片量が最適になることを本発明者等は経験上から把握している。尚、(1)式を算出する場合に、各ストランドの鋳片横断面積は鋳片の厚みと幅とを乗算した値とし、鋳片の密度(ρ)は7.85トン/m3 とすればよい。
(1)式から明らかなように、タンディッシュ2で混合される溶鋼量が多くなると後続チャージのスクラップ処理される鋳片量が多くなるので、後続チャージの溶鋼9をタンディッシュ2に注入する時点における、タンディッシュ2に残存する先行チャージの溶鋼量を少なくすることが好ましい。具体的には、タンディッシュ2の収容能力最大の溶鋼量の1/2以下、望ましくは1/3以下とすることが好ましい。ここで、タンディッシュ2の収容能力最大の溶鋼量とは、タンディッシュ2に滞在する溶鋼9の量が多少増減しても、タンディッシュ内の溶鋼9がタンディッシュ2に設置される排出口からオーバーフローしないだけの最低限のフリーボードがタンディッシュ2の上部に形成される状態のときに収容される溶鋼量であり、通常、「50トン容量のタンディッシュ」などと呼ぶ場合の「50トン」がこれに該当する。
ところで、上記に説明した鋳造形態では、鋳片10の引き抜きを停止させずに、先行チャージと後続チャージとを連続的に鋳型3に注入しているが、先行チャージと後続チャージとの継目部分で鋳片10の引き抜きを一旦停止し、その部位に成分混合を防止するための仕切り金物を設置することも可能である。仕切り金物を設置する場合には、以下のようにして本発明を実施する。
先行チャージの取鍋1からのタンディッシュ2への注入が終了したなら、先行チャージの溶鋼9を収容していた取鍋1を移動させて、後続チャージの溶鋼9を収容した別の取鍋1をタンディッシュ2の上方所定位置に配置する。先行チャージの取鍋1からタンディッシュ2への注入が終了した以降も、タンディッシュ2に滞在する先行チャージの溶鋼9を鋳型3に注入し続け、タンディッシュ2に残存する先行チャージの溶鋼量が所定量になったなら、タンディッシュ2の底部のスライディングノズル7を閉鎖して、タンディッシュ2から鋳型3への注入を一旦停止すると同時に、鋳片10の引き抜きを一旦停止する。次いでタンディッシュ2を上昇させ、必要に応じて横行させて、鋳型3の上方から移動させる。そして、この状態で、溶鋼成分の混合を防止するための鋼製の仕切り金物13を、鋳型内の溶鋼9に浸漬させて設置する。図3に、この仕切り金物13の例を示す。仕切り金物13は、仕切り板14と一対の取り付け棒15,15とを備えており、仕切り板14の部位が鋳型内の溶鋼9に浸漬される。尚、仕切り金物13の形状は、図2に示す形状に限るものではなく、どのような形状であっても構わない。
仕切り金物13が鋳型内の所定位置に設置されたなら、タンディッシュ2を鋳型3の上方所定位置に配置し、ついで、後続チャージの溶鋼9を収容する取鍋1からタンディッシュ2に後続チャージの溶鋼9を注入し、タンディッシュ2に所定量の溶鋼9が溜まった時点で、スライディングノズル7を開放して鋳型3へ注入する。このタンディッシュ2から鋳型3への溶鋼9の注入の再開に伴って、鋳片10の引き抜きを再開する。この場合には、仕切り金物13を設置するために引き抜きを停止した部位を、「先行チャージと後続チャージとの境界」、つまり基準位置とし、上記に沿って後続チャージの混合部分の鋳片長(L)を前述した(1)式によって求め、その部分を連続鋳造設備出口のガス切断機で切断してスクラップ処理する。引き抜きを中断した鋳片10の部位は、その形状から「段注ぎ部」とも呼ばれる。
尚、本発明においては、先行チャージの混合部の切断方法については規定しない。先行チャージの成分混合域は、先行チャージと後続チャージとの境界を上記のように定義した場合には、基本的に、後続チャージがタンディッシュ2に注入された時点におけるタンディッシュ2に残存する先行チャージの溶鋼量が多いほど少なくなり、逆に、残存する先行チャージの溶鋼量が少ないほど多くなる。また、仕切り金物13を設置した場合には、先行チャージにおいては、混合域は実質的に発生しない。従って、鋳片10の歩留り向上の観点から、継目部分に仕切り金物13を設置して先行チャージの混合域を実質ゼロにすることが好ましい。後続チャージの混合部鋳片長(L)は、仕切り金物13の設置の有無に影響されず、前述の(1)式によって規定される。
このように本発明によれば、タンディッシュ2を交換せずに同一タンディッシュ2を用いて異鋼種連々鋳を実施する場合に、後続チャージのタンディッシュ2への注入開始時点での条件に基づいて後続チャージの成分混合範囲の長さを決定するので、的確に且つ迅速に成分混合範囲の長さを定めることができ、また、その長さを最小にすることができる。
図1に示す2ストランドのスラブ連続鋳造設備において、溶鋼収容能力が40トンのタンディッシュを用い、先行チャージのタンディッシュ内残存量を変化させ、先行チャージの溶鋼のN含有量の方が後続チャージの溶鋼のN含有量よりも高くなる条件のもとで、継目部において鋳片の引き抜きを停止させることなく異鋼種連々鋳を実施した。1チャージの溶鋼量は約250トンである。そして、図2に示す「注入開始位置」を基準位置とし、この基準位置から0.5mないし2mの間隔毎に後続チャージの鋳片の表層部から分析用試料を採取してN分析を実施した。分析により得られた鋳片各位置におけるN濃度と後続チャージのN濃度の代表値との差を調査した。後続チャージのN濃度の代表値としては、後続チャージの鋳造中期にタンディッシュ内の溶鋼から採取した試料のN濃度分析値とした。従って、鋳片の各位値におけるN濃度と代表N濃度との差は、混合域では大きく、混合域を外れると小さくなる。つまり、鋳片各位置のN濃度と代表N濃度値との差から混合域の範囲を調査した。
図4に調査結果を示す。図4では、横軸を、各N分析用試料採取位置の基準位置からの距離を、前述した(1)式により算出された鋳片長(L)で除算した値とし、縦軸をN濃度の差として表示している。尚、(1)式で算出するに当たり、係数aを1.39、係数bをゼロ、係数cを0.8とし、鋳片の密度(ρ)は7.85トン/m3 とした。
図4に示すように、基準位置から(1)式で算出される鋳片長(L)だけ離れた位置では、つまり図4における横軸が1.0となる位置では、N濃度の差は小さく、従って、係数aを1.39、係数bをゼロ、係数cを0.8とする(1)式によって、後続チャージの成分混合域を的確に算出できることが確認された。
本発明を実施した2ストランド型のスラブ連続鋳造設備の概略側断面図である。 先行チャージと後続チャージとの継目部における鋼成分の推移の状況を模式的に示す図である。 仕切り金物の例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。 鋳片における成分混合範囲の調査結果を示す図である。
符号の説明
1 取鍋
2 タンディッシュ
3 鋳型
4 スライディングノズル
5 ロングノズル
6 溶鋼流出孔
7 スライディングノズル
8 浸漬ノズル
9 溶鋼
10 鋳片
11 鋳型内溶鋼湯面
12 ロードセル
13 仕切り金物
14 仕切り板
15 取り付け棒

Claims (2)

  1. 先行チャージの溶鋼が残存しているタンディッシュに、先行チャージとは成分の異なる溶鋼を後続チャージとして注入し、先行チャージと後続チャージとを連続して連続鋳造するに当たり、後続チャージがタンディッシュに注入された時点での鋳型内溶鋼湯面位置に該当する鋳片位置を基準位置として、該基準位置から下記の(1)式により算出される鋳片長(L)の範囲迄の後続チャージの鋳片をスクラップ処理することを特徴とする、異鋼種連続鋳造における継目部鋳片の処理方法。
    L=(a×WTD+b)/(SST×ρ)+c ……(1)
    但し、(1)式において、L:鋳片長(m)、WTD:後続チャージのタンディッシュへの注入開始時点でのタンディッシュ内残存溶鋼量(トン)、SST:各ストランドの鋳片横断面積の合計値(m2 )、ρ:鋳片の密度(トン/m3 )、a、b、cはそれぞれ係数である。
  2. 前記係数aが1.39、係数bがゼロ、係数cが0.8であることを特徴とする、請求項1に記載の異鋼種連続鋳造における継目部鋳片の処理方法。
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