JP2009072019A - ステータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な形状のティースを有するステータを各部の圧縮比を揃えて粉末成形して、密度の均一なステータを製造する。
【解決手段】ティースは、直方体の一つの稜線を含む角部を該稜線に平行な斜面14によって切欠してなる斜面ブロック部分22と該斜面ブロック部分の前記斜面の反対側面に連なる直方体部分とを一体化してなる角形ブロック状に形成されており、予め、前記斜面ブロック部分22を、前記稜線の長さ方向が粉末の圧縮方向に平行となるように配置して粉末成形しておき、該斜面ブロック部分22を金型31に保持して直方体部分を粉末成形する際に、前記斜面14を下パンチ33Aの上面に当接させた状態で斜面ブロック部分の上に直方体部分用キャビティ36を形成し、該キャビティ36内に充填した粉末を圧縮することにより、斜面ブロック部分22に直方体部分を接合してティースとする。
【選択図】図6
【解決手段】ティースは、直方体の一つの稜線を含む角部を該稜線に平行な斜面14によって切欠してなる斜面ブロック部分22と該斜面ブロック部分の前記斜面の反対側面に連なる直方体部分とを一体化してなる角形ブロック状に形成されており、予め、前記斜面ブロック部分22を、前記稜線の長さ方向が粉末の圧縮方向に平行となるように配置して粉末成形しておき、該斜面ブロック部分22を金型31に保持して直方体部分を粉末成形する際に、前記斜面14を下パンチ33Aの上面に当接させた状態で斜面ブロック部分の上に直方体部分用キャビティ36を形成し、該キャビティ36内に充填した粉末を圧縮することにより、斜面ブロック部分22に直方体部分を接合してティースとする。
【選択図】図6
Description
本発明は、ステータリングの内周部又は外周部に固定されるティースが直方体の一つの角部を該角部の稜線に平行な斜面によって切欠してなる斜面ブロック部分と該斜面ブロック部分の前記斜面の反対側面に連なる直方体部分とを一体化してなる角形ブロック状に形成されているステータの製造方法に関する。
従来、モータのステータは、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているように、ステータリングの内周部に半径内方に突出するティースが周方向に間隔をおいて複数固定された複雑な形状とされている。
このステータの製作には、薄い鋼板を多数積層して製作する場合と、粉末成形により製作する場合とがある。鋼板の積層構造とする場合は、各鋼板を薄くすることにより、渦電流損による損失を低減しているが、粉末成形の場合は、絶縁被膜を形成した微細な鉄粉を圧縮成形して製作するため、成形体の内部の鉄粒子が互いに絶縁されて、鋼板の積層構造の場合よりも、渦電流損失を小さくすることができる。
また鋼板の積層構造の場合は、薄い板を積み重ねて構造体とするため、その形状は二次元的であり、これに対して、粉末成形による場合は粉末を金型内に充填して成形するため、形状の自由度が大きい。このため、この粉末成形体のモータステータへの応用が検討されている。この場合、ティースをステータリングと分けて別個に製作しておき、これをステータリングにインサート成形することが考えられる。
特開2005−261182号公報
特開2006−54957号公報
このステータの製作には、薄い鋼板を多数積層して製作する場合と、粉末成形により製作する場合とがある。鋼板の積層構造とする場合は、各鋼板を薄くすることにより、渦電流損による損失を低減しているが、粉末成形の場合は、絶縁被膜を形成した微細な鉄粉を圧縮成形して製作するため、成形体の内部の鉄粒子が互いに絶縁されて、鋼板の積層構造の場合よりも、渦電流損失を小さくすることができる。
また鋼板の積層構造の場合は、薄い板を積み重ねて構造体とするため、その形状は二次元的であり、これに対して、粉末成形による場合は粉末を金型内に充填して成形するため、形状の自由度が大きい。このため、この粉末成形体のモータステータへの応用が検討されている。この場合、ティースをステータリングと分けて別個に製作しておき、これをステータリングにインサート成形することが考えられる。
ところで、特にティースの形状が複雑になると、一回の圧縮で成形しようとすると、粉末の圧縮度の差による密度ばらつきが生じ易い。これを回避するには、成形のパンチを多段に分割するなどにより、各部分の圧縮比を揃えるようにする必要があるが、例えば成形品に斜面がある場合に、その斜面上でパンチを分割するような構成であると、パンチの境界部で段差が生じてしまう。また、パンチの動作不良等の問題もあるため、分割数も限られ、各部で圧縮比を同じにするには限界があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、複雑な形状のティースを有するステータを各部の圧縮比を揃えて粉末成形して、密度の均一なステータを製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明のステータの製造方法は、ステータリングの内周部又は外周部に、その径方向に突出するティースが周方向に間隔をおいて複数固定されるとともに、該ティースは、直方体の一つの稜線を含む角部を該稜線に平行な斜面によって切欠してなる斜面ブロック部分と該斜面ブロック部分の前記斜面の反対側面に連なる直方体部分とを一体化してなる角形ブロック状に形成され、前記直方体部分の外側方に一体に突出するインサート部を前記ステータリングにインサート成形してなるステータの製造方法であって、予め、前記斜面ブロック部分を、前記斜面の幅方向が粉末の圧縮方向に平行となるように配置して粉末成形しておき、該斜面ブロック部分を金型に保持して直方体部分を粉末成形する際に、前記斜面を下パンチの上面に当接させた状態で斜面ブロック部分の上に直方体部分用キャビティを形成し、該キャビティ内に充填した粉末を圧縮することにより、斜面ブロック部分に直方体部分を接合してティースとすることを特徴とする。
すなわち、ティースを直方体部分と斜面ブロック部分とに分けて、まず、斜面ブロック部分については斜面の幅方向(切欠状態の角部の稜線の長さ方向)が圧縮方向となるようにして粉末成形する。このように成形することにより、斜面は横向きとなり、その側方を一つの金型で支持することができ、段差のない円滑な斜面に形成することができる。また、この斜面ブロック部分において、斜面に直交する両面は直方体の表裏両面であるから、これら両面間を圧縮することにより、斜面部分の長さ方向にわたって同じ圧縮比で圧縮することができる。そして、このようにして成形した斜面ブロック部分を下パンチの一部として使用するようにして、その上に直方体部分を圧縮成形して接合するのであるが、直方体部分であるから、各部ほぼ同じ圧縮比で圧縮することができる。このようにして一体化したティースは、斜面ブロック部分、直方体部分ともに各部で同じ圧縮比とされることになるのである。
なお、直方体と言っても、対向する両面がすべて平行でなくても、わずかに傾斜するもの、わずかな凸状、凹状となっているもの等も含むものとする。
なお、直方体と言っても、対向する両面がすべて平行でなくても、わずかに傾斜するもの、わずかな凸状、凹状となっているもの等も含むものとする。
また、本発明において、粉末成形の材料として複合軟磁性粉末を用いることにより、渦電流損の少ないステータを製造することができる。
なお、複合軟磁性粉末は、鉄粉末の表面に酸化物堆積膜が形成された酸化物被覆鉄粉末である。
なお、複合軟磁性粉末は、鉄粉末の表面に酸化物堆積膜が形成された酸化物被覆鉄粉末である。
本発明によれば、段差のない円滑な斜面に形成することができるとともに、各部で同じ圧縮比で成形することができ、密度のばらつきを小さくして、機械的特性等が均一なステータを提供することができる。
以下、本発明のステータの一実施形態について、図面に基づいて説明する。
このステータ1は、第1ステータ2、第2ステータ3、第3ステータ4からなる三相モータのステータであり、それぞれのステータ2〜4は、ステータリング5と、これらステータリング5の内周部に周方向に間隔をおいて固定された半径内方に突出する複数のティース6〜8とを備える構成とされている。
前記各ステータリング5は、いずれも内径、外径とも同じ寸法の断面長方形のリング状
に形成されており、これら三つのステータリング5を厚さ方向(又は高さ方向)に積み重ねて一体化した構造となっている。
このステータ1は、第1ステータ2、第2ステータ3、第3ステータ4からなる三相モータのステータであり、それぞれのステータ2〜4は、ステータリング5と、これらステータリング5の内周部に周方向に間隔をおいて固定された半径内方に突出する複数のティース6〜8とを備える構成とされている。
前記各ステータリング5は、いずれも内径、外径とも同じ寸法の断面長方形のリング状
に形成されており、これら三つのステータリング5を厚さ方向(又は高さ方向)に積み重ねて一体化した構造となっている。
前記ティース6〜8は、ステータリング5の内側に突出する極歯部11〜13を有している。これら極歯部11〜13は、各ステータリング5の厚さ寸法(又は高さ寸法)よりも長く形成されており、そのうち、両側に配置される第1ステータ2と第3ステータ4との極歯部11,13は、同一形状をなし、上下を逆にして各ステータリング5に固定されている。つまり、これら極歯部11,13は、図3に示すように、上下方向に延びる直方体の一つの稜線Aを含む角部Bを斜面14によって切欠いた形状をなしており、ステータリング5の円の中心から見て、表面(正面)15及び裏面(背面)16がほぼ平坦面で、上下の端面17及び両側面18がそれぞれほぼ平坦面とされ、そのうちの一側面と一方の端面とで構成される角部Bが前記斜面14によって切欠かれた形状である。前記斜面14は、図示例の場合は凹曲面とされている。そして、この極歯部11,13は、このような形状とされていることにより、前記斜面14の始端位置の付近から前記平坦面の側面18と平行に引いた線を分割線Cとして、直方体部分21と前記斜面14を有するほぼ台形板状の斜面ブロック部分22とに分けることができ、後述するように斜面ブロック部分22を先に製作して、これに接合させるようにして直方体部分21を成形することにより、両者が一体化された構成である。
なお、中央の第2ステータ3におけるティース7の極歯部12は、正面視がほぼ直方体形状であり、上下端部の側部の一方に若干の突出部12aが形成されている。
そして、これらステータリング5が図1及び図2の矢印で示すように重ね合わせられることにより、各ステータリング5のティース6〜8が、三つのステータリング5の厚さの範囲内に配置されるとともに、周方向に順番に並べられた状態となり、これらティース6〜8の間に巻線(図示略)が架け渡される構成となっている。
そして、これらステータリング5が図1及び図2の矢印で示すように重ね合わせられることにより、各ステータリング5のティース6〜8が、三つのステータリング5の厚さの範囲内に配置されるとともに、周方向に順番に並べられた状態となり、これらティース6〜8の間に巻線(図示略)が架け渡される構成となっている。
このように構成されるステータ1において、各ティース6〜8は、ステータリング5にインサート成形されている。
すなわち、各ティース6〜8は、ステータリング5の内方に突出する極歯部11〜13の背部に、ステータリング5内に埋設されるインサート部25が外側方に突出した状態で一体に形成された構造である。このインサート部25は、あり溝と係合する突条に形成されるとともに、その上下の両端面26はほぼ台形状の平坦面に形成されており、この上下端面26間の厚さ(又は高さ)がステータリング5の厚さ寸法(又は高さ寸法)と同じ寸法に形成されている。そして、このインサート部25の台形の短辺が極歯部11〜13の背面16に連続させられた状態でティース6〜8が構成されている。
すなわち、各ティース6〜8は、ステータリング5の内方に突出する極歯部11〜13の背部に、ステータリング5内に埋設されるインサート部25が外側方に突出した状態で一体に形成された構造である。このインサート部25は、あり溝と係合する突条に形成されるとともに、その上下の両端面26はほぼ台形状の平坦面に形成されており、この上下端面26間の厚さ(又は高さ)がステータリング5の厚さ寸法(又は高さ寸法)と同じ寸法に形成されている。そして、このインサート部25の台形の短辺が極歯部11〜13の背面16に連続させられた状態でティース6〜8が構成されている。
この場合、外側に配置される第1ステータ2及び第3ステータ4の両ステータリング5に取り付けられるティース6,8のインサート部25は、そのインサート部25の一方の端面26が、極歯部11,13の上下の平坦な端面17の一方と面一とされている。また、中央の第2ステータ3のステータリング5に取り付けられるティース7のインサート部25は、極歯部12の背面16の中央部に一体に形成されている。なお、この中央のステータリング5及び該ステータリング5に取り付けられるティース7は、図2の一点鎖線Xで示すステータリング5の厚さ方向の中央で二つ割りされており、それぞれ別個に製作した後に、両者を一体化した構成とされている。
また、各ステータリング5とティース6〜8とは、それぞれ複合軟磁性粉末を粉末成形して得られる複合軟磁性材によって製造されている。
複合軟磁性粉末は、少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に形成されたMg含有酸化膜被覆鉄粉末であり、粒径が例えば200nm以下のものが好適である。(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜とは、酸化処理鉄粉末表面の酸化鉄(Fe−O)とMgが反応を伴って当該鉄粉末表面に堆積した被膜をいう。その膜厚は、圧粉成形した複合軟磁性材の高磁束密度と高比抵抗を得るために、5nm〜500nmの範囲内にあることが好ましい。そして、この複合軟磁性粉末を圧粉成形して焼成した複合軟磁性材は、鉄粒子相とこの鉄粒子相を包囲する粒界相からなり、前記粒界相には結晶質のMgO固溶ウスタイト相を含有するMg−Fe−O三元系酸化物を含むことが好ましい。
複合軟磁性粉末は、少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に形成されたMg含有酸化膜被覆鉄粉末であり、粒径が例えば200nm以下のものが好適である。(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜とは、酸化処理鉄粉末表面の酸化鉄(Fe−O)とMgが反応を伴って当該鉄粉末表面に堆積した被膜をいう。その膜厚は、圧粉成形した複合軟磁性材の高磁束密度と高比抵抗を得るために、5nm〜500nmの範囲内にあることが好ましい。そして、この複合軟磁性粉末を圧粉成形して焼成した複合軟磁性材は、鉄粒子相とこの鉄粒子相を包囲する粒界相からなり、前記粒界相には結晶質のMgO固溶ウスタイト相を含有するMg−Fe−O三元系酸化物を含むことが好ましい。
この他に、平均粒径:0.5μm以下の酸化ケイ素、酸化アルミニウムのうち1種または2種を0.05〜1質量%含有し、残部を前記Mg含有酸化膜被覆鉄粉末からなるように配合し混合して混合粉末を作製し、この混合粉末を通常の方法で圧粉成形し、焼成することにより作製することができる。この製造方法によると、前記Mg含有酸化膜被覆鉄粉末を構成する少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は酸化ケイ素や酸化アルミニウムと反応して複合酸化物が形成され、鉄粉末の粒界に高抵抗を有する複合酸化物が介在した高比抵抗を有する複合軟磁性材が得られるとともに酸化ケイ素や酸化アルミニウムを介して焼成されるために機械的強度の優れた複合軟磁性材を製造することができる。この場合、酸化ケイ素や酸化アルミニウムが主体となって焼成されるところから保磁力を小さく保つことができ、したがって、ヒステリシス損の少ない複合軟磁性材を製造することができる。前記焼成は、不活性ガス雰囲気または酸化性ガス雰囲気中で、温度:400〜1300℃で行われることが好ましい。
次に、以上のような構成のステータ1を製造する方法について説明する。
予め、ティース6〜8を個々に粉末成形によって製作しておく。各ティース6〜8のうち、外側のステータリング5に固定されるティース6,8を製造する方法について説明すると、前述したように、このティース6,8は図3に示す分割線Cを境界として直方体部分21と斜面ブロック部分22とに分けられる形状であり、まず、その斜面ブロック部分22を先に成形する。
この斜面ブロック部分22を成形する場合、斜面14を上パンチ又は下パンチで形成しようとすると、この斜面の各部位での厚さ寸法が異なることから、均一な圧縮比(成形厚さと充填厚さとの比)を得ることができない。厚さ寸法が異なるものでも、平行段違いとなる部分はパンチを分割して成形することが可能であるが、斜面部分で分割すると、パンチ間の段差が生じ易い。
予め、ティース6〜8を個々に粉末成形によって製作しておく。各ティース6〜8のうち、外側のステータリング5に固定されるティース6,8を製造する方法について説明すると、前述したように、このティース6,8は図3に示す分割線Cを境界として直方体部分21と斜面ブロック部分22とに分けられる形状であり、まず、その斜面ブロック部分22を先に成形する。
この斜面ブロック部分22を成形する場合、斜面14を上パンチ又は下パンチで形成しようとすると、この斜面の各部位での厚さ寸法が異なることから、均一な圧縮比(成形厚さと充填厚さとの比)を得ることができない。厚さ寸法が異なるものでも、平行段違いとなる部分はパンチを分割して成形することが可能であるが、斜面部分で分割すると、パンチ間の段差が生じ易い。
そこで、この斜面ブロック部分22は、表裏面15,16が平坦面であるので、図5に模式的に示したように、これら表裏面15,16間を圧縮するようにして成形する。言い換えれば、斜面14の幅方向が圧縮方向に平行となる。このような向きで成形することにより、斜面ブロック部分22の周面(上下の端面17、側面18、斜面14)がすべて圧縮方向と平行となるとともに、相互に平行な表裏面15,16間を圧縮することになり、全体として均一な圧縮比で成形することができる。
そして、このようにして製作した斜面ブロック部分22に直方体部分を接合するのであるが、このとき、図6に示すように斜面ブロック部分22を粉末成形金型31内に保持する。この粉末成形金型31は、ダイ32と下パンチ33A,33B、上パンチ34とから構成され、下パンチ33A,33Bの上面が、斜面ブロック部分22の斜面14及びこれに連なる側面18に当接する形状とされている。つまり、斜面ブロック部分22をこれを製作するときの圧縮方向がこの直方体部分21を成形するための粉末成形金型31ではその圧縮方向と直交する方向(水平方向)となるように配置するのである。この場合、下パンチ33A,33Bは二つに分かれており、下パンチ33Aの上面に斜面14が、また下パンチ33Bの上面に側面18がそれぞれ当接するようになっている。
そして、斜面ブロック部分22の斜面14及び側面18を下パンチ33A,33Bの上面に支持することにより、この斜面ブロック部分22における斜面14と反対側の側面(分割線Cで分割した面)35の平坦面がキャビティ36の下面を構成することになる。つまり、この斜面ブロック部分22の上に粉末を充填して圧縮することにより、斜面ブロック部分22が下パンチの一部を構成し、その側面18の平坦面と上パンチ34の平坦な下面との間で粉末を圧縮することになる。このようにして図6の二点鎖線で示す位置まで圧縮して直方体部分21を成形すると、この直方体部分21においても全体として均一な圧縮比で成形することができ、結局、斜面ブロック部分22も直方体部分21もそれぞれ均一な圧縮比で成形することができ、全体として均一な密度に成形されるものである。
この場合、斜面ブロック部分22と直方体部分21とを同じ圧縮比で成形してもよいが、斜面ブロック部分22は若干圧縮比を小さくしておいてもよい。このようにすることにより、斜面ブロック部分22の密度が若干低くなり、接合面が粗くなることから、接合強度が高められる。また、粉末成形により圧縮方向に粉末が押しつぶされ、図7に示すように粉末Dが圧縮方向と直交する方向に扁平形状となることから、その圧縮方向よりもこれと直交する方向の方が透磁率が高くなる。つまり、複合軟磁性粉末Dの場合、鉄粉Eの表面に酸化膜Fが形成されており、扁平となることから、その酸化膜Fが圧縮方向には蜜に集まることになるが、その直交方向には疎になるため、透磁率が高くなるのである。このため、斜面ブロック部分22を若干圧縮比を小さく成形しておき、直方体部分21を成形する時の圧力によって斜面ブロック部分22を再圧縮することにより、磁気的特性には有利になるのである。
なお、直方体部分21にはインサート部25が一体に形成されており、このインサート部25は、若干の傾斜面を有しているが、その傾斜も小さいので、ほぼ均一な圧縮比で成形することができる。
なお、直方体部分21にはインサート部25が一体に形成されており、このインサート部25は、若干の傾斜面を有しているが、その傾斜も小さいので、ほぼ均一な圧縮比で成形することができる。
次に、このようにして製作しておいたティース6〜8をステータリング5にインサート成形するのであるが、前述したように、ティース6〜8のインサート部25の厚さはステータリング5の厚さと同じに設定されているから、ティース6〜8を粉末成形金型(図示略)に保持する際に、インサート部25の下面を下側のパンチにより受け、その外側にキャビティを形成しておき、インサート部の上面に上側のパンチを当接させた状態でキャビティ内の粉末を圧縮成形することにより、ティース6〜8に無理な力を作用させることなく、インサート成形することができる。
この場合、中央の第2ステータ3は、厚さ方向の中央で二つ割りされ、その分割状態のものを分割面が上方に向くようにしてそれぞれ成形した後、両者を一体に接合することにより製作される。
そして、このようにしてステータリング5に各ティース6〜8をインサートしてなる第1から第3ステータ2〜4を成形した後、焼成して、これらを厚さ方向(高さ方向)に積み上げ、ボルト等によって締結することにより、一組のステータ1が構成される。
そして、このようにしてステータリング5に各ティース6〜8をインサートしてなる第1から第3ステータ2〜4を成形した後、焼成して、これらを厚さ方向(高さ方向)に積み上げ、ボルト等によって締結することにより、一組のステータ1が構成される。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更可能である。例えば、斜面ブロック部分の斜面は実施形態では凹曲面に形成したが、凸曲面、平坦な傾斜面等も適用できる。また、斜面ブロック部分と直方体部分との接合強度を高めるために、斜面ブロック部分の成形後に接合面となる側面を機械的に粗すようにしてもよい。さらに、ステータリングの内周部に半径内方に突出するティースを備えたもので説明したが、ステータリングの外周部に半径外方に突出するするティースを備えたものであってもよい。
1…ステータ、2…第1ステータ、3…第2ステータ、4…第3ステータ、5…ステータリング、6〜8…ティース、11〜13…極歯部、14…斜面、15…正面、16…背面、17…端面、18…側面、21…直方体部分、22…斜面ブロック部分、25…インサート部、26…端面、31…粉末成形金型、32…ダイ、33A,33B…下パンチ、34…上パンチ、35…側面、36…キャビティ、A…稜線、B…角部、C…分割線、D…複合軟磁性粉末、E…鉄粉、F…酸化膜
Claims (2)
- ステータリングの内周部又は外周部に、その径方向に突出するティースが周方向に間隔をおいて複数固定されるとともに、該ティースは、直方体の一つの稜線を含む角部を該稜線に平行な斜面によって切欠してなる斜面ブロック部分と該斜面ブロック部分の前記斜面の反対側面に連なる直方体部分とを一体化してなる角形ブロック状に形成され、前記直方体部分の外側方に一体に突出するインサート部を前記ステータリングにインサート成形してなるステータの製造方法であって、
予め、前記斜面ブロック部分を、前記斜面の幅方向が粉末の圧縮方向に平行となるように配置して粉末成形しておき、
該斜面ブロック部分を金型に保持して直方体部分を粉末成形する際に、前記斜面を下パンチの上面に当接させた状態で斜面ブロック部分の上に直方体部分用キャビティを形成し、該キャビティ内に充填した粉末を圧縮することにより、斜面ブロック部分に直方体部分を接合してティースとすることを特徴とするステータの製造方法。 - 粉末成形の材料として複合軟磁性粉末を用いることを特徴とする請求項1記載のステータの製造方法。
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JP2011146681A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-07-28 | Fuji Electric Co Ltd | 圧粉コア及びその製造方法 |
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