JP2009071098A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】開口部を塞ぐ蓋体が筐体に螺子で固定される場合であっても、当該蓋体の位置決めを簡便かつ省スペースにて行えるようにする。
【解決手段】媒体を抜き差しするための開口部を有した筐体2と、前記開口部を塞ぐ蓋体6とを備え、前記蓋体6が前記筐体2に螺子7で固定される電子機器において、前記筐体2または前記蓋体6の一方には、前記螺子7と同軸位置に、前記筐体2または前記蓋体6の他方に向けて突出し、かつ、突出端側が小さくなるテーパ状の断面形状を有した凸状部2bを形成し、前記他方には、前記螺子7と同軸位置に、前記凸状部2bと嵌合する逆テーパ状の断面形状を有した凹状部6bを形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、開口部を有した筐体とこれを塞ぐ蓋体とを備えた電子機器に関する。
電子機器の一例である小型のCCD(Charge Coupled Device)カメラ装置には、小型カード型のメモリ媒体の装着使用に対応したものがある。すなわち、メモリ媒体が出し入れされる開口部が設けられた筐体と、その開口部を開閉するための扉となる蓋体と、を備えて構成されたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2000−322518号公報 特開2007−173945号公報
近年、小型カード型のメモリ媒体の装着使用に対応したカメラ装置としては、スマートカメラと呼ばれるものが広く利用されつつある。スマートカメラは、防犯カメラ、監視カメラまたはFAカメラ(産業用カメラ)等として使用されるもので、装着されたメモリ媒体から読み出した駆動プラグラムに従って撮像動作等を行うようになっている。
このようなスマートカメラは、その使用環境を考慮すると、不要輻射や静電ノイズ等の影響を受けることなく、また良好な熱伝導性や放熱性等を備えており、さらには耐振動特性が良好であることが望まれている。これらのことから、スマートカメラは、その筐体および蓋体が、金属部材、具体的には放熱フィンを有したアルミダイカスト部材によって形成されていることが一般的である。また、蓋体は、樹脂部材の場合とは異なりラッチ構造等の採用が必ずしも容易ではないこと、確実かつ低コストで筐体に固定する必要があること、メモリ媒体(駆動プラグラム)の交換頻度が必ずしも高くないことから、筐体に螺子を用いて固定されることが一般的である。
ただし、蓋体が筐体に螺子で固定される場合であっても、当該蓋体の開閉は、利用者にとって容易に行い得るものでなければならない。例えば、蓋体を螺子で固定しようとしたときに、当該蓋体の位置がずれてしまい、当該螺子による固定または当該蓋体による筐体開口部の封止が正しく行えない、といったことは回避すべきである。また、蓋体の位置がずれてしまうと、螺子の先端部分が筐体に傷を発生させてしまうおそれもある。
この点については、蓋体によって筐体の開口部を塞ぐときに、これらの蓋体と筐体との位置を、例えば位置決めピンを利用して位置決めし、これにより蓋体の位置ずれ発生を防止することが考えられる。しかしながら、スマートカメラは、小型化が強く望まれている。そのため、筐体の開口部およびその周辺領域の大きさを十分に確保すること、すなわち開口部の周辺領域に位置決めピン等の設置スペースを確保することは、必ずしも容易ではない。
そこで、本発明は、開口部を塞ぐ蓋体が筐体に螺子で固定される場合であっても、当該蓋体の位置決めを簡便かつ省スペースにて行うことができ、これにより当該蓋体の開閉を利用者にとって容易なものとすることのできる電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された電子機器である。すなわち、媒体を抜き差しするための開口部を有した筐体と、前記開口部を塞ぐ蓋体とを備え、前記蓋体が前記筐体に螺子で固定される電子機器において、前記筐体または前記蓋体の一方には、前記螺子と同軸位置に、前記筐体または前記蓋体の他方に向けて突出し、かつ、突出端側が小さくなるテーパ状の断面形状を有した凸状部が形成されており、前記他方には、前記螺子と同軸位置に、前記凸状部と嵌合する逆テーパ状の断面形状を有した凹状部が形成されていることを特徴とする。
上記構成の電子機器では、筐体または蓋体の一方にテーパ状の凸状部が形成され、他方に逆テーパ状の凹状部が形成されているので、開口部を塞ぐための蓋体を筐体に装着して螺子で固定しようとする際に、凸状部と凹状部とが互いに嵌合することになり、これにより当該蓋体が位置決めされることになる。しかも、凸状部および凹状部は螺子と同軸位置に形成されているため、当該螺子のためのスペースとは別に、凸状部および凹状部のための設置スペースを用意する必要もない。
本発明に係る電子機器によれば、開口部を塞ぐ蓋体が筐体に螺子で固定される場合であっても、当該蓋体を筐体に装着する際に当該螺子と同軸位置に形成された凸状部および凹状部が互いに嵌合するので、当該蓋体の位置決めを簡便かつ省スペースにて行うことができる。したがって、電子機器の利用者にとっては、当該蓋体の開閉が非常に容易なものとなる。
以下、図面に基づき、本発明に係る電子機器について説明する。ここでは、電子機器の一例であるスマートカメラに本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
図1は、本発明が適用されたスマートカメラの概略構成例を示す説明図である。
図1(a)に示すように、スマートカメラ1は、直方体状の筐体2を備えている。この筐体2は、不要輻射や静電ノイズ等の影響を受けることなく、また良好な熱伝導性や放熱性等を備えるべく、放熱フィンを有したアルミダイカスト部材によって形成されている。そして、筐体2内には、撮像素子としての小型CCDや、これを動作させるための電気回路(駆動回路)等が、搭載されている(ただし、いずれも不図示。)。さらに、筐体2には、その一端面に、レンズユニットが螺合されるレンズ装着部3が形成されている。このレンズ装着部3には、CSマウントのレンズユニット、または、レンズアダプタを介在させた状態でCマウントのレンズユニットが、それぞれ装着されるようになっている。
また、スマートカメラ1は、小型カード型のメモリ媒体の一例であるCF(Compact Flash)カードの装着使用に対応しており、そのCFカードから読み出した駆動プラグラムに従って筐体2内の電気回路が撮像動作等を行うようになっている。すなわち、スマートカメラ1では、駆動プラグラムを格納したCFカードが、必要に応じて抜き差しされるようになっている。
このことから、スマートカメラ1の筐体2には、図1(b)に示すように、CFカード4を抜き差しするための開口部5が形成されている。つまり、開口部5を通じて、筐体2内のカードリーダにCFカード4が挿入されたり、当該カードリーダからCFカード4が抜去されたりするのである。
ただし、CFカード4が抜き差しされる開口部5が開放状態のままであると、筐体2内部の損傷や異物混入等を誘発するおそれがある。そのため、筐体2の開口部5は、必要な場合のみ開放状態とし、通常時は封止状態となるようにすべく、図1(c)に示すように、蓋体6によって塞がれるようになっている。すなわち、開口部5には、当該開口部5を塞ぐ蓋体6が装着され、その蓋体6が筐体2に螺子7で固定されるようになっている。
蓋体6は、図1(d)に示すように、筐体2と同様、放熱フィンを有したアルミダイカスト部材によって形成されており、その断面がアングル状(L字状)に形成されている。
また、螺子7は、筐体2に設けられた雌螺子部分に螺合する雄螺子部材からなるもので、筐体2の長手方向に沿った2箇所のそれぞれに配されて用いられる。なお、螺子7の頭部形状は、特に限定されるものではない。
ところで、蓋体6に対しては、開閉が容易であること、螺子7の紛失や筐体2内への混入防止のために当該螺子7が蓋体6から分離しないこと、筐体2へ装着する際に位置ずれが生じ難いこと、が求められている。特に、位置ずれに関しては、筐体2と蓋体6との双方に放熱フィンが形成されているため、目立ち易い。
これらの条件を満足させるために、本実施形態で説明する蓋体6および螺子7は、以下に述べるように構成されている。
図2は、本発明が適用されたスマートカメラの要部構成例を示す断面図である。
図2(a)に示すように、蓋体6には、螺子7が挿入される螺子穴部6aが形成されている。そして、螺子穴部6aに挿入された螺子7には、当該螺子7の抜けを防止する止め部材8が付設されている。止め部材8としては、例えば螺子7の螺子部分と係合する内径を有したスリット付きワッシャを用いることが考えられる。すなわち、螺子穴部6aに螺子7を挿入し、その螺子7の螺子部分にスリット付きワッシャを差し込むことで、蓋体6の天地方向を逆にしても、当該螺子7が螺子穴部6aから抜けることがなくなるのである。なお、止め部材8は、螺子7の抜けを防止し得るものであれば、スリット付きワッシャではなく、他の公知技術を利用して実現したものであってもよい。
一方、筐体2には、蓋体6の螺子穴部6aに対応する位置、すなわち筐体2の開口部5を蓋体6で塞いだ際に当該蓋体6の螺子穴部6aと合致する位置に、当該螺子穴部6aに挿入された螺子7と螺合する雌螺子部2aが形成されている。この雌螺子部2aとの螺合により、蓋体6が筐体2に螺子7で固定されるのである。
また、この筐体2における雌螺子部2aの形成箇所には、当該雌螺子部2aと同軸位置に、蓋体6の側に向けて突出し、かつ、突出端側が小さくなるテーパ状の断面形状を有した凸状部2bが形成されている。すなわち、蓋体6の側における雌螺子部2aの形成箇所周囲を盛り上げ、その盛り上げた部分の直径が一定の精度を持つように仕上げを施し、さらにはその盛り上げた部分を根元側から先端側に向かって径が小さくなるテーパ状にして、当該凸状部2bが形成されている。
この凸状部2bと対応するように、蓋体6における螺子穴部6aの形成箇所には、当該螺子穴部6aと同軸位置に、凸状部2bと嵌合する逆テーパ状の断面形状を有した凹状部6bが形成されている。すなわち、筐体2の側における螺子穴部6aの形成箇所周囲を掘り下げ、その掘り下げた部分の直径が一定の精度を持つように仕上げを施し、さらにはその掘り下げた部分を底部に向かって径が小さくなり凸状部2bのテーパ状に嵌合する逆テーパ状にして、当該凹状部6bが形成されている。
筐体2の雌螺子部2aおよび凸状部2bと蓋体6の螺子穴部6aおよび凹状部6bとは、蓋体6が2つの螺子7によって筐体2に固定すべく、図中奥行き方向に沿って2箇所に並設されている。
ただし、蓋体6が2つの螺子7によって筐体2に固定される場合には、各螺子7に対応する凹状部6bの平面形状がいずれも円形状に形成されていると、ピッチ間距離の寸法公差により、嵌合しない凸状部2bと凹状部6bとが生じてしまうおそれがある。そのため、複数個所にて螺子7による固定を行う場合には、1箇所のみ基準として当該箇所の凹状部6bの平面形状を円形状とし、他の箇所の凹状部6bについては平面形状を長円状として、いわゆるニゲを設けるようにすればよい。
このように、螺子7による固定を2箇所で行えば、1箇所のみの場合に比べて締結力向上による当該固定の確実化が図れる。さらには、蓋体6を装着する際の回り止めを設ける必要も無くなる。
また、凸状部2bの頂面と凹状部6bの底面との間には、図2(b)に示すように、筐体2の開口部5を蓋体6で塞ぐように当該蓋体6を当該筐体2に装着した際に、螺子7の有効螺子長および止め部材8の螺子軸方向寸法から特定される大きさの間隔(図中寸法B参照)が確保されているものとする。さらに詳しくは、螺子7の螺子部分全長から有効螺子長を差し引いた寸法値と止め部材8のワッシャ厚寸法値との合計値よりも、凸状部2bの突出量と凸状部2bの掘り下げ深さとの差分値のほうが大きくなるように、凸状部2bおよび凹状部6bが形成されている。
以上のように構成されたスマートカメラ1において、筐体2の開口部5を塞ぐ場合には、先ず、止め部材8によって螺子7の抜けが防止された状態の蓋体6を、当該開口部5に載置する。このとき、蓋体6は、当該蓋体6における凹状部6bと筐体2における凸状部2bとの嵌合によって、位置ずれが生じることなく、螺子7による固定が可能な位置に位置決めされることになる。つまり、筐体2または蓋体6の一方にテーパ状の凸状部2bが形成され、他方に逆テーパ状の凹状部6bが形成されているので、開口部5を塞ぐための蓋体6を筐体2に装着して螺子7で固定しようとする際に、凸状部2bと凹状部6bとが互いに嵌合することになり、これにより当該蓋体6が位置決めされるのである。したがって、上記構成のスマートカメラ1によれば、蓋体6を螺子7で固定しようとしたときに、当該蓋体6の位置がずれてしまうのを防止し得るので、当該螺子7による固定および当該蓋体6による開口部5の封止を正しく行えるようになり、また蓋体6の位置ずれによって螺子7の先端部分が筐体2に傷を付けてしまうといったことも回避し得る。
しかも、蓋体6を位置決めするための凸状部2bおよび凹状部6bは、螺子7と同軸位置に形成されている。そのため、当該螺子7のためのスペースとは別に、凸状部2bおよび凹状部6bのための設置スペースを用意する必要がない。つまり、螺子7のためのスペースと凸状部2bおよび凹状部6bのためのスペースとを共用化することができ、開口部5の周辺領域に位置決めピン等の設置スペースを確保する必要がなくなるので、スマートカメラ1の小型化を実現する上で非常に有効なものとなる。
さらに、凸状部2bおよび凹状部6bは、それぞれがテーパ状または逆テーパ状に形成されている。そのため、これらが蓋体6を筐体2に装着する際における案内となり、凸状部2bと凹状部6bとの嵌合の円滑化および安定化が図れる。さらに詳しくは、嵌合当初には双方の間に十分な隙間(余裕)があるが、嵌合の度合いが深まるにつれ双方の間の隙間が徐々に小さくなるので、当該嵌合を円滑に、かつ、安定して行うことができる。また、螺子7を締め付けることで、凸状部2bと凹状部6bとの嵌合の心出しが可能となり、これにより蓋体6の位置を必然的に決めることもできる。さらに、筐体2および蓋体6はいずれもアルミダイカスト成形によって形成されるが、その形成時における金型からの離型の容易化も図れる。
これらのことから、上記構成のスマートカメラ1によれば、開口部5を塞ぐ蓋体6が筐体2に螺子7で固定される場合であっても、当該蓋体6を筐体2に装着する際に当該螺子7と同軸位置に形成された凸状部2bおよび凹状部6bが互いに嵌合するので、当該蓋体6の位置決めを簡便かつ省スペースにて行うことができ、その結果として当該スマートカメラ1の利用者にとって蓋体6の開閉を非常に容易なものとすることができる。
また、上記構成のスマートカメラ1では、凸状部2bの頂面と凹状部6bの底面との間に、螺子7の有効螺子長および止め部材8の厚さ寸法から特定される大きさの間隔が確保されている。したがって、蓋体6を筐体2から取り外す際に螺子7を緩めても、当該螺子7から止め部材8が抜け落ちてしまうのを防止することができ、この点によってもスマートカメラ1の利用者にとっての利便性向上が図れる。
例えば、蓋体6を筐体2に装着して螺子7を締め込むと、止め部材8は、螺子7の頭部方向へ移動を始め、締まりきったところで停止する。これとは逆に、螺子7を緩める際には、当該螺子7は、抜ける方向へ移動し、筐体2の雌螺子部2aから抜けていく。このとき、螺子7が雌螺子部2aから完全に外れると、当該螺子7は、雌螺子部2aから抜け去って、筐体2から離脱することになる。
ただし、止め部材8については、螺子7が雌螺子部2aから外れても、当該螺子7の有効螺子部分から抜け去ることなく残ってないと、当該螺子7が蓋体6から抜けて離脱してしまうことになる。これを防止するために、螺子7が雌螺子部2aから外れても止め部材8は当該螺子7の有効螺子部に残っているようにすべく、凸状部2bの頂面と凹状部6bの底面との間には、螺子7の有効螺子長および止め部材8の厚さ寸法から特定される大きさの間隔(隙間)が確保されているのである。
以上のような蓋体6の開閉動作を行うことで、スマートカメラ1の筐体2内にCFカード4を挿入したり、当該CFカード4を抜去したりすることが可能となる。ここで、CFカード4の抜き差し動作について簡単に説明する。
図3は、本発明が適用されたスマートカメラの内部構成例を示す断面図である。
図例のように、スマートカメラ1の筐体2内には、CFカード4から格納情報を読み取るためのカードリーダ9が配設されている。なお、カードリーダ9は、CFカード4からの情報読み取りだけでなく、当該CFカード4への情報書き込みをも行い得るカードリーダライタであってもよい。
カードリーダ9に対してCFカード4を抜き差しする場合には、螺子7を緩めて蓋体6を筐体2から取り外す。そして、開放状態の開口部5を通じて、カードリーダ9にCFカード4を差し込む。または、開口部5から覗くカードリーダ9のイジェクトボタン(ただし不図示)を操作して、カードリーダ9からCFカード4を抜き出す。CFカード4の抜き差し後は、止め部材8によって螺子7の抜けが防止された状態の蓋体6を開口部5に載置して当該開口部5を塞ぎ、蓋体6における凹状部6bと筐体2における凸状部2bとの嵌合により当該蓋体6の位置決めを行いつつ、螺子7を締め込んで当該蓋体6を固定する。
このような抜き差し動作が行われるスマートカメラ1では、CFカード4の抜き差し方向(図中矢印C参照)が、螺子7の軸方向(図中矢印D参照)と略直交するように、それぞれの方向が設定されている。すなわち、蓋体6は筐体2の外表面に倣うように断面がアングル状(L字状)に形成されているが、その蓋体6における螺子穴部6aおよび凹状部6bは、CFカード4の挿抜経路上に位置する片部分ではなく、当該挿抜経路に沿った片部分の側に形成されている。
以上のように、CFカード4の抜き差し方向と螺子7の軸方向とが略直交するように設定されていれば、筐体2に開口部5や雌螺子部2a等を配設するためのスペースを有効活用して、蓋体6を小型化することが可能となる。
図4は、開口部等の配設態様の具体例を示す説明図である。
例えば、CFカード4の抜き差し方向と螺子7の軸方向とが平行である場合には、カードリーダ9のイジェクトボタンの操作に支障を来たさないようにすべく、開口部5を避けてその外方側に雌螺子部2aを配設する必要がある。そのため、蓋体6は、CFカード4の幅方向の大きさが、開口部5の大きさと雌螺子部2aの設置スペースとを覆う大きさとなるように、形成されることになる。
これに対して、CFカード4の抜き差し方向と螺子7の軸方向とが略直交していれば、必ずしも開口部5の外方側に雌螺子部2aを配設する必要はなく、図4(a)に示すように、雌螺子部2aおよび凸状部2bの配設位置と、カードリーダ9のイジェクトボタン9aの位置とが、平面的に重なり合うように配することができ、その結果として蓋体6の小型化が可能となるのである。
また、CFカード4の抜き差し方向と螺子7の軸方向とが略直交している場合には、蓋体6の断面がアングル状(L字状)に形成されることになる。そのため、筐体2の開口部5を塞ぐべく当該開口部5に蓋体6を載置すると、蓋体6の重心位置(重量バランス)に起因して、図4(b)に示すように、当該蓋体6が載置位置から脱落してしまうことも考えられる(図中矢印E参照)。ところが、筐体2に凸状部2bが、蓋体6に凹状部6bが、それぞれ設けられており、これらが嵌合するように構成されていれば、蓋体6の断面がアングル状に形成されていても、当該嵌合によって蓋体6の脱落を防止することができる。つまり、重心の安定しない形状の蓋体6を取り付ける場合において、当該蓋体6を筐体2に乗せた際の安定性を高めることが可能となるのである。
ところで、カードリーダ9に差し込まれた状態のCFカード4は、当該カードリーダ9におけるコネクタに接続されているのみであることが一般的である。すなわち、カードリーダ9には、通常、CFカード4の抜けを防止するためのストッパ機構が設けられていない。そのため、スマートカメラ1が振動や衝撃等を受ける環境下で使用される場合には、その環境の影響によってCFカード4がカードリーダ9から抜けてしまうおそれがある。
このことから、蓋体6には、開口部5から筐体2内のカードリーダ9に差し込まれた状態のCFカード4を押さえて当該CFカード4の抜けを防止する媒体押さえ手段を設けることが考えられる。
図5は、媒体押さえ手段の構成例を示す説明図である。
図例では、媒体押さえ手段として、蓋体6の裏面側(筐体2内に面する側)に、2つのリブ状部材10が配されている。各リブ状部材10は、いずれも蓋体6の裏面から筐体2内に向けて突出するように形成された畝(うね)状のもので、その間隔がCFカード4の幅方向寸法よりも小さくなるように配置されている。
このようなリブ状部材10が設けられた蓋体6で開口部5を塞げば、カードリーダ9に差し込まれた状態のCFカード4には、当該蓋体6におけるリブ状部材10の突出頂辺が当接することになる。すなわち、リブ状部材10の当接によって、カードリーダ9内のCFカード4は、当該カードリーダ9のコネクタから抜けないように押さえられる。したがって、スマートカメラ1が振動や衝撃等の影響を受け、これによりCFカード4がカードリーダ9のコネクタから抜け出ようとしても、リブ状部材10の突出頂辺に押さえられて抜けが防止されるので、当該コネクタを介したCFカード4とカードリーダ9との電気的接続が解消されてしまうことがない。
CFカード4の抜けを防止する媒体押さえ手段としては、必ずしもリブ状部材10である必要はなく、例えば蓋体6の裏面側の壁面をそのまま利用することも考えられる。
ところが、媒体押さえ手段としてリブ状部材10を用いれば、当該リブ状部材10の突出頂辺のみがCFカード4に当接することになるので、裏面側全体が当接する場合に比べて、蓋体6の重量削減が可能となり、また当接度合(クリアランスや押圧力の大きさ等)の調整(具体的には、例えば金型修正)も容易化する。
また、媒体押さえ手段として機能するリブ状部材10は、1つのみが設けられていてもよいが、上述したように複数個所(具体的には、例えば2箇所)に配設すれば、1つのみの場合に比べて、CFカード4に対する面圧を低減することが可能となる。さらには、CFカード4の傾き発生についても、これを有効に抑制し得るようになるので、振動や衝撃等を受ける環境下での使用に好適なものとなる。
なお、上述した実施の形態では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、本実施形態では、筐体2の側に凸状部2bが形成され蓋体6の側に凹状部6bが形成されている場合について挙げて説明したが、これらは逆に形成されていても構わない。すなわち、螺子7と同軸位置にて互いが嵌合するように配置されていれば、筐体2または蓋体6の一方に凸状部2bが、他方に凹状部6bが形成されていればよい。
また、本実施形態では、開口部5を通じて抜き差しされる媒体がCFカード4である場合を例に挙げて説明したが、小型カード型のメモリ媒体であれば、他の媒体であっても全く同様に適用することが可能である。
さらに、本実施形態では、スマートカメラ1に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明がこれに限定されることはなく、小型カード型のメモリ媒体の装着使用に対応したものであれば、スマートカメラ1以外のカメラ装置等といった他の電子機器にも適用することが考えられる。
本発明が適用されたスマートカメラの概略構成例を示す説明図である。 本発明が適用されたスマートカメラの要部構成例を示す断面図である。 本発明が適用されたスマートカメラの内部構成例を示す断面図である。 本発明が適用されたスマートカメラにおける開口部等の配設態様の具体例を示す説明図である。 本発明が適用されたスマートカメラにおける媒体押さえ手段の構成例を示す説明図である。
符号の説明
1…スマートカメラ、2…筐体、2a…雌螺子部、2b…凸状部、4…CFカード、5…開口部、6…蓋体、6a…螺子穴部、6b…凹状部、7…螺子、8…止め部材、9…カードリーダ、10…リブ状部材

Claims (6)

  1. 媒体を抜き差しするための開口部を有した筐体と、前記開口部を塞ぐ蓋体とを備え、前記蓋体が前記筐体に螺子で固定される電子機器において、
    前記筐体または前記蓋体の一方には、前記螺子と同軸位置に、前記筐体または前記蓋体の他方に向けて突出し、かつ、突出端側が小さくなるテーパ状の断面形状を有した凸状部が形成されており、
    前記他方には、前記螺子と同軸位置に、前記凸状部と嵌合する逆テーパ状の断面形状を有した凹状部が形成されている
    ことを特徴とする電子機器。
  2. 前記螺子の抜けを防止する止め部材が当該螺子に付設されているともに、
    前記凸状部の頂面と前記凹状部の底面との間には、前記螺子の有効螺子長および前記止め部材の螺子軸方向寸法から特定される大きさの間隔が確保されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記媒体の抜き差し方向と前記螺子の軸方向とが略直交する
    ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  4. 前記蓋体には、前記開口部から前記筐体内に差し込まれた状態の前記媒体を押さえて当該媒体の抜けを防止する媒体押さえ手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  5. 前記媒体押さえ手段は、前記蓋体の裏面側に配されたリブ状部材からなる
    ことを特徴とする請求項4記載の電子機器。
  6. 前記リブ状部材が複数箇所に配されている
    ことを特徴とする請求項5記載の電子機器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012026500A1 (ja) * 2010-08-27 2012-03-01 京セラ株式会社 撮像装置

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