JP2009070640A - 有機電界発光素子および有機電界発光素子の製造方法、ならびに表示装置および表示装置の製造方法 - Google Patents

有機電界発光素子および有機電界発光素子の製造方法、ならびに表示装置および表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高反射率の下部電極を用いた上面発光型の構成において発光効率の向上を図ることが可能な有機電界発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板2上に、下部電極11、有機発光層15cを含む発光機能層15、および上部電極17をこの順に積層してなり、有機発光層15cで発生させた光を上部電極17側から取り出す構成の有機電界発光素子ELにおいて、下部電極11は、金属材料を用いて構成された反射材料層11aと、この表面に設けられた酸化皮膜11bと、酸化皮膜11bが設けられた反射材料層11aを覆う金属薄膜11cとで構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、上面発光型の有機電界発光素子とその製造方法、さらにはこの有機電界発光素子を用いた表示装置とその製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイの一つとして、有機電界発光素子を用いた表示装置が注目されている。有機電界発光素子は、有機EL(Electro Luminescence)現象を利用した自発光型の素子であり、2枚の電極間に有機発光層を含む発光機能層を狭持してなる。これを用いた表示装置は、視野角が広く、消費電力が小さく、かつ軽量である点において優れている。
有機電界発光素子の製造は、次のように行う。先ず図10(1)に示すように、基板201上に下部電極として陽極202をパターン形成する。次に図10(2)に示すように、陽極202の周縁を覆って中央部を露出する画素開口を備えたウインドウ絶縁膜203を形成する。そして図10(3)に示すように、ウインドウ絶縁膜203の画素開口内に露出する陽極202上に、有機発光層を備えた発光機能層204を形成する。この発光機能層204は、陽極202側から順に、例えば正孔注入層、正孔輸送層、および電子輸送性の有機発光層を順次積層させた構成となっている。その後、図10(4)に示すように、発光機能層204上に上部電極として陰極205を形成する。
以上のようにして得られる有機電界発光素子ELでは、陰極205から注入された電子と、陽極202から注入された正孔とが発光機能層204内の有機発光層にて再結合する際に光を発生する。発生した光は、基板201側または陰極205側から取り出される。
ここで、アクティブマトリックス型の表示装置においては、画素駆動用の薄膜トランジスタ(thin film transistor:以下TFTと記す)が形成されたTFT基板上に、有機電界発光素子を設けている。このため、有機電界発光素子は、発生させた光を基板201と反対側から取り出す、いわゆる上面発光素子構造とすることが発光部の開口率を向上させる上で有利になる。
また、上面発光型の有機電界発光素子においては、一般的には高反射性の陽極が用いられ、キャビティ構造を形成する。キャビティ構造では、発光機能層の膜厚が、発光波長によって規定され、多重干渉の計算から導くことが可能である。上面発光素子構造では、このキャビティ構造を積極的に用いることにより、外部への光取り出し効率の改善や発光スペクトルの制御を行うことが可能である。
このような高反射性の陽極を構成する材料としては、例えば銀(Ag)または銀を含む合金を用いることが提案されている(下記特許文献1、および下記特許文献2参照)。またこの他にも、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、または白金(Pt)を副成分金属としたアルミニウム(Al)合金を用いることが提案されている(下記特許文献2参照)。
またさらに、これらの金属材料からなる陽極を用いた場合の正孔注入特性を改善するための手段として、陽極に接する正孔注入層に、V25のような金属酸化物をドープする構成が提案されている(特許文献3を参照)。
特開2003−77681号公報 特開2003−234193号公報 特開2007−5784号公報
しかしながら、有機電界発光素子の製造工程においては、陽極のパターン形成と発光機能層の形成とが、真空雰囲気中で連続して行われるわけではない。例えば、図10を用いて説明したように、下部電極202をパターン形成した後には、ウインドウ絶縁膜203を形成するためのリソグラフィー加工が非真空下で行われる。このため、その形成の過程において、金属材料からなる陽極の表面には、自然酸化による酸化皮膜が必ず形成される。
これにより、陽極から発光機能層への正孔の注入は、主に酸化物皮膜から成されることになり、このことが陽極から発光機能層への正孔注入を妨げ、駆動電圧を著しく上昇させる要因となっている。
そこで本発明は、高反射率の下部電極を用いた上面発光型の構成において発光効率の向上を図ることが可能な有機電界発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、基板上に、下部電極、有機発光層を含む発光機能層、および上部電極をこの順に積層してなり、有機発光層で発生させた光を上部電極側から取り出す構成の有機電界発光素子に関する。そして特に、下部電極が、金属材料を用いて構成された反射材料層と、この表面に設けられた酸化皮膜と、この酸化皮膜が設けられた反射材料層を覆う金属薄膜とで構成されていることを特徴としている。
また本発明は、このような有機電界発光素子の製造方法でもあり、第1工程では、基板上に金属材料を用いて構成された反射材料層をパターン形成する。次の第2工程では、不活性な雰囲気中において、反射電極層上に金属薄膜と発光機能層とを、この順に連続して成膜する。その後第3工程では、発光機能層上に上部電極を形成する。
このような構成によれば、反射材料層の表面の酸化皮膜が金属薄膜で覆われるため、この金属薄膜が下部電極の最表面を構成する層となり、この金属薄膜から発光機能層に対して電荷(例えば正孔)が注入されるようになる。これにより、反射材料層表面の自然酸化によって金属薄膜が形成された構成において、高反射性の下部電極から発光機能層への電荷の注入効率を維持することができる。
以上説明したように本発明によれば、高反射率の下部電極を用いた上面発光型の構成において、下部電極から発光機能層への電荷の注入効率を維持することが可能になり、上面発光型の有機電界発光素子における発光効率の向上および駆動電圧の低下を図ることが可能になり、これによって寿命特性の向上を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を、有機電界発光素子および表示装置の構成、これらの製造方法の順に図面に基づいて詳細に説明する。
≪有機電界発光素子および表示装置の構成≫
図1(1)は、本発明の有機電界発光素子を用いた表示装置1の1画素分を模式的に示す断面図であり、図1(2)は有機電界発光素子の構成を詳細に示す断面図である。これらの図に示す表示装置1は、例えばアクティブマトリックス型の表示装置1であり、薄膜トランスタTrが形成されたTFT基板2上に有機電界発光素子ELを設けてなる。以下、下層側から順に、構成を説明する。
TFT基板2は、ガラスのような透明基板や、シリコン基板、さらにはフィルム状のフレキシブル基板等の中から適宜選択して用いられる基台3上に、ゲート電極4、ゲート絶縁膜5、および半導体層6をこの順に積層してなる薄膜トランジスタTrを配置してなる。薄膜トランジスタTrが設けられた基台3上は、平坦化絶縁膜7で覆われている。
このような構成のTFT基板2上に設けられた有機電界発光素子ELは、TFT基板2と反対側から発光光を取り出す上面発光型の素子であり、TFT基板2側から順に、下部電極11、下部電極11の周縁を覆うウインドウ絶縁膜13、下部電極11上の発光機能層15、および発光機能層15上の上部電極17で構成されている。
本発明においては、下部電極11の構成と、これに接する発光機能層15部分の構成とに特徴がある。以下においては、このような積層構成の有機電界発光素子ELの構成を、TFT基板2側から順に説明する。
<下部電極11>
下部電極11は、金属材料を用いて構成された反射材料層11aと、この表面に設けられた酸化皮膜11bと、酸化皮膜11bが設けられた反射材料層11aを覆う金属薄膜11cとで構成されている。
このうち反射材料層11aは、光反射層であると共に、下部電極11を陽極または陰極として作用させるための層である。ここでは、例えば下部電極11を陽極として作用させることとする。このような反射材料層11aは、高反射性の金属材料を用いて構成され、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)−ネオジウム(Nd)などの合金、銀(Ag)、銀(Ag)合金、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、金(Au)、白金(Pt)等が用いられる。
反射材料層11aの表面に設けられる酸化皮膜11bは、反射材料層11aの表面に生成された自然酸化膜であり、反射材料層11a表面の一部分に形成されたものも含まれる。また、反射材料層11aが合金からなる場合、一部の金属の表面のみが酸化されている状態も含む。
そして、酸化皮膜11bが設けられた反射材料層11aを覆う金属薄膜11cは、下部電極11の改質層として用いる膜である。このような金属薄膜11cは、下部電極11が陽極であるか陰極であるかに係わらず、安定した金属材料で構成されれば良い。特に、アルミニウム(Al)や銅(Cu)が、長寿命の観点から好ましい。また、この金属薄膜11cは、極薄膜で良く、例えば0.1nm〜3nm程度の膜厚であることとする。0.1nm以上とすることにより、金属薄膜1cを設けたことによる下部電極11の改質効果を十分に得ることができる。一方、3nm以下とすることにより、反射材料層11aにおいての光反射を維持し、この有機電界発光素子ELが共振器構造で構成されている場合においてのマイクロキャビティ効果が十分に発揮されるようにし、これによる色純度および発光効率の向上を維持する。
以上のような下部電極11は、薄膜トランジスタTrが設けられている画素毎にパターニングされた画素電極として設けられていることとする。またこの下部電極11は、TFT基板2の平坦化絶縁膜7に設けた接続孔7aを介して、薄膜トランジスタTrの半導体層6に設けられたソース/ドレインに接続されていることとする。
<ウインドウ絶縁膜13>
ウインドウ絶縁膜13は、TFT基板2上に配列形成された各下部電極11の周縁を覆うものである。このウインドウ絶縁膜13において下部電極11を露出させている部分が、画素開口となる。
<発光機能層15>
発光機能層15は、少なくとも有機発光層を備えて構成される。このような光機能層15の一構成例としては、陽極(ここでは下部電極11)側から順に、正孔注入層15a、正孔輸送層15c、有機発光層15d及び電子輸送層15eを積層してなる。
正孔注入層15aは、下部電極11に接する層であり、本発明において特徴的な構成である。すなわちこの正孔注入層15aは、電子受容性を持つ材料を用いて構成されることが好ましい。
電子受容性材料として機能する化合物としては、有機物をルイス酸化学的に酸化しうる性質を有するものを挙げることができる。具体的には、酸化ニッケル、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化レニウム、酸化タングステンなどの金属酸化物、塩化第2鉄、臭化第2鉄、ヨウ化第2鉄、ヨウ化アルミニウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、ヨウ化ガリウム、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、5塩化アンチモン、5フッ化砒素、3フッ化硼素等の無機化合物やDDQ(ジシアノ−ジクロロキノン)、TNF(トリニトロフルオレノン)、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、4F−TCNQ(テトラフルオロ−テトラシアノキノジメタン)、HAT(ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン)等の有機化合物を使用することができるが、これに限定されるものではない。
このような正孔注入層15aは、電子受容性材料として機能する化合物として、特に下記一般式(1)に示す材料を用いて構成されていることが好ましい。
Figure 2009070640
ただし、一般式(1)中において、R1〜R6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、アリールアミノ基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のカルボニル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のカルボニルエステル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルキル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルケニル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルコキシル基、炭素数30以下の置換あるいは無置換のアリール基、炭素数30以下の置換あるいは無置換の複素環基、ニトリル基、ニトロ基、シアノ基またはシリル基から選ばれる置換基であり、隣接するRm(m=1〜6)は環状構造を通じて互いに結合してもよい。また、X1〜X6は、それぞれ独立に、炭素もしくは窒素原子である。
以上のような一般式(1)で示されるトリフェニレン誘導体またはアザトリフェニレン誘導体の具体例として、下記表1〜表7に示す構造式(1)-1〜(1)-64の化合物が示される。尚、これらの式中[Me]はメチル(CH3)を示し、[Et]はエチル(C25)を示す。また、構造式(3)-61〜(3)-64には、一般式(1)中におけるR1〜R6のうち、隣接するRm(m=1〜6)が環状構造を通じて互いに結合している有機化合物の例を示している。
Figure 2009070640
Figure 2009070640
Figure 2009070640
Figure 2009070640
Figure 2009070640
Figure 2009070640
Figure 2009070640
正孔輸送層15bは、有機発光層15cへの正孔注入効率を高めるためのものである。このような正孔輸送層15bの材料としては、例えば、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリフェニレン、アザトリフェニレン、テトラシアノキノジメタン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキザゾール、フラーレン、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベンあるいはこれらの誘導体、または、ポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物あるいはアニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマー、オリゴマーあるいはポリマーを用いることができる。
有機発光層15cは、発光ドーパントとして蛍光色素を含んでいても良い。発光ドーパントとしては、たとえば、スチリルベンゼン系色素、オキサゾール系色素、ぺリレン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素などのレーザー用色素、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ペンタセン誘導体、クリセン誘導体などの多芳香族炭化水素系材料、ピロメテン骨格化合物もしくは金属錯体、キナクリドン誘導体、DCM、DCJTB、BSB-BCN、SP、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、金属キレート化オキシノイド化合物などの蛍光材料から適宜選んで用いることができる。これら蛍光材料は、ドーパントとしての濃度消光を考えると、それぞれのドープ濃度が0.1%以上50%以下であることが望ましい。
電子輸送層15dは、陰極からの電子注入障壁を小さくするためにLUMOが低い材料を用いて構成される。このような材料としては、例えば、キノリン、ペリレン、フェナントロリン、ビススチリル、ピラジン、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、フルオレノン、またはこれらの誘導体や金属錯体が挙げられる。具体的には、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略称Alq3 )、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、アントラセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、1,10−フェナントロリンまたはこれらの誘導体や金属錯体が挙げられる。
尚、発光機能層15は、このような層構造に限定されることはなく、その他必要に応じた積層構造を選択することができる。
例えば有機発光層15cは、電子輸送層を兼ねた電子輸送性有機発光層であっても良く、正孔輸送性の有機発光層であっても良い。また、各層15a〜15dのそれぞれが積層構造であって良い。例えば有機発光層15cが、さらに青色発光部と緑色発光部と赤色発光部から形成される白色発光素子であっても良い。
さらに、発光機能層15には、上述した各層15a〜15d以外の層が設けられていても良い。例えば、電子輸送層15d上に、さらに電子注入層を設けても良い。としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、またはランタノイド(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の金属及び酸化物、複合酸化物、フッ化物材料を含んでいてもよい。
<上部電極17>
上部電極17は、下部電極11が陽極として用いられる場合には陰極として構成される。また、この逆の場合には陽極として構成される。ここでは、上部電極17は、陰極として構成される。またこの上部電極17は、光透過性を有する電極でもある。
このような陰極となる上部電極17は、例えばMgAg等のアルカリ土類金属や、アルミニウム(Al)等で構成される。また、上部電極17として薄膜のMgAg電極やCa電極を用いることで、上部電極17側から光を取り出すことが可能である。
また特に、この有機電界発光素子ELが、有機発光層15cで発生させた光を共振させて上部電極17側から取り出すキャビティ構造として構成されている場合、この下部電極17は半透過性反材料を用いて構成されることになる。このような下部電極17は、例えばMgAgのような半透過性反射材料を用いて構成されることが好ましい。
またこの上部電極17は、電極の劣化抑制のために透明なランタノイド系酸化物からなる層を封止電極として積層させた2層構造とすることが好ましい。
尚、上部電極17は、2層構造であることに限定されず、上部電極17を構成する各層の機能分離を行った際に必要な積層構造であれば、陰極として機能する層のみで構成したり、として機能する層と電極との間にさらにITOなどの透明電極を形成したりすることも可能であり、作製されるデバイスの構造に最適な組み合わせ、積層構造を取れば良いことは言うまでもない。
また、この上部電極17は、TFT基板2上に設けられる複数の有機電界発光素子ELにおいて共通の電極として用いられていて良い。この場合、上部電極17は、発光機能層15およびウインドウ絶縁膜13によって下部電極11に対して絶縁性を保った状態で、TFT基板2上の全面にベタ膜上で設けられていて良い。またここでの図示は省略したが、下部電極11と同一層に補助電極をパターン形成し、この補助電極に対して接続されるように上部電極17をベタ膜状で設けることが好ましい。
<キャビティ構造>
ここで、有機電界発光素子ELは、下部電極11と上部電極17との間で発光光を共振させて取り出すキャビティ構造として構成されていることとする。この場合、下部電極11における反射材料層11aと、上部電極17を構成する半透過半反射層との間の光学的距離Lは、下記式(1)を満たす正の最小値であることが好ましい。尚、下部電極11および上部電極17の反射面で生じる反射光の位相シフトをΦ、上部電極17の側から取り出す光のスペクトルのピーク波長をλとする。
Figure 2009070640
≪有機電界発光素子および表示装置の製造方法≫
図2は、上述した有機電界発光素子および表示装置の製造方法を説明するための断面工程図である。次にこの図に従って製造方法を説明する。尚、上述した構成の説明と重複する各構成要素の説明は省略する。
先ず、図2(1)に示すように、基台3上に、ゲート電極4をパターン形成し、これをゲート絶縁膜5で覆い、このゲート絶縁膜5上に半導体層6をパターン形成して薄膜トランジスタTrを得る。
次に、薄膜トランジスタTrが設けられた基台3上に、ポリイミドのような有機材料やシリコン系無機絶縁膜からなる平坦化絶縁膜7を成膜する。そして、この平坦化絶縁膜7に、半導体層6のソース/ドレインに達する接続孔7aを形成する。接続孔7aの形成は、一般的なリソグラフィー工程により行われる。
次いで、平坦化絶縁膜7上に、接続孔7aを介して半導体層6のソース/ドレインに接続させた反射材料層11aをパターン形成する。この反射材料層11aは、画素電極の形状にパターン形成することとする。この際、先ずスパッタ法などにより電極材料膜を成膜する。次に、ここでの図示は省略したレジストパターンをマスクに用いて電極材料膜をパターンエッチングする。このパターンエッチングは、ドライエッチングもしくはウエットエッチングにより行われる。ここではウエットエッチングを行うこととする。この場合、エッチャントとしては混酸が用いられる。エッチング終了後にはレジストパターンを除去する。
尚、この工程においては、画素電極としてパターン形成される反射材料層11a間に、補助配線を形成しても良い。
次に、図2(2)に示すように、パターニングされた反射材料層11aの周縁を覆う形状のウインドウ絶縁膜13をパターン形成する。ここでは、有機材料またはシリコン系の無機材料からなる絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィー工程により、反射電極層11aの中央部を広く露出させる形状の画素開口13aを絶縁膜にパターン形成してウインドウ絶縁膜13とする。また、リソグラフィー工程により、レジストパターンからなるウインドウ絶縁膜13を形成しても良い。
尚、反射材料層11aと共に補助配線を形成した場合には、補助配線を露出するように絶縁膜をパターングする。この際、補助配線の一部を露出させていれば、他の部分は覆われていても良く、また補助配線の全体部分がウインドウ絶縁膜13から露出するようにしても良い。
以上のような工程までの間には、パターニングされた反射材料層11aの表面が自然酸化されて酸化皮膜11bが形成される。この酸化皮膜11bは、反射材料層11aをパターン形成する際のリソグラフィー工程、ウエットエッチング、およびレジストパターンの除去、さらにはウインドウ絶縁膜13を形成する場合のリソグラフィー工程やレジストパターンの除去などの工程において形成される。このような酸化皮膜11bは、例えば2nm程度の膜厚(光学膜厚)で形成される。
そこで、図2(3)に示すように、酸化皮膜11bが形成された反射材料層11aの露出面を覆う状態で、金属薄膜11cを形成する。この金属薄膜11cは、真空蒸着法やスパッタ法等で代表される真空プロセスによって成膜されることが好ましい。
尚、この金属薄膜11cは、ウインドウ絶縁膜13から露出している反射材料層11aの全面を覆うことが好ましく、ウインドウ絶縁膜13上にまで成膜されていて良い。ただし、画素部分とはウインドウ絶縁膜13上において隣接する分離されていることが好ましい。また、補助配線上にも、反射材料層11a上とは分離された状態で金属薄膜11cが設けられていることが好ましい。
以上により、金属材料を用いて構成された反射材料層11aと、この表面に設けられた酸化皮膜11bと、酸化皮膜11bが設けられた反射材料層11aを覆う金属薄膜11cとで構成された下部電極11を得る。
その後は、図2(4)に示すように、下部電極11上に発光機能層15を形成する。発光機能層15の形成は、下部電極11を構成する金属薄膜11cの形成に連続させて行うこととする。ここで連続させるとは、金属薄膜11を形成した際の不活性な雰囲気(例えば真空雰囲気)を保ったまま、発光機能層15の形成を行うことである。
このような発光機能層15の形成は、例えば有機電界発光素子の発光色毎にマスク蒸着や印刷法によって行う。尚、補助配線を形成した場合には、この補助配線上には発光機能層15が設けられないようにすることが好ましい。
その後、発光機能層15およびウインドウ絶縁膜13上に、上部電極17を形成する。上部電極17の形成は、真空蒸着法、スパッタリング法、さらにはプラズマCVD法などの手法によって行われる。尚、補助配線を形成した場合には、この補助配線に対して上部電極17を接続させる。
以上のようにして、TFT基板2上に、下部電極11、発光機能層15、および上部電極17を積層してなる有機電界発光素子ELを設けた表示装置1が得られる。
以上のような実施形態においては、反射材料層11aの表面の酸化皮膜11bが金属薄膜11cで覆われるため、この金属薄膜11cが下部電極11の最表面を構成する層となり、この金属薄膜11cから発光機能層15に対して正孔が注入されるようになる。これにより、反射材料層11a表面の自然酸化によって金属薄膜11bが形成された構成において、高反射性の下部電極11から発光機能層15への正孔の注入効率を維持することができる。
以上の結果、上面発光型の有機電界発光素子ELにおける発光効率の向上、および駆動電圧の低下を図ることが可能になり、これによって寿命特性の向上を図ることが可能になる。
尚、このような効果は、上面発光型の有機電界発光素子ELにおいて、下部電極11を陰極として形成した場合であっても同様に得ることができる。したがって、本発明は、下部電極11を陰極として構成した場合にも適用可能であり、この場合、発光機能層15を構成する各層の積層順を逆にすれば良い。
<表示装置のパネル構成>
図3は、上記有機電界発光素子ELを用いて構成される表示装置1のパネル構成の一例を示す概略の回路構成図である。
この図に示すように、表示装置1において有機電界発光素子ELが配置される基板1側には、表示領域1aとその周辺領域1bとが設定されている。表示領域1aには、複数の走査線21と複数の信号線23とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素が設けられた画素アレイ部として構成されている。また周辺領域1bには、走査線23を走査駆動する走査線駆動回路25と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線23に供給する信号線駆動回路27とが配置されている。
走査線21と信号線23との各交差部に設けられる画素回路は、例えばスイッチング用の薄膜トランジスタTr1、駆動用の薄膜トランジスタTr2、保持容量Cs、および有機電界発光素子ELで構成されている。そして、走査線駆動回路25による駆動により、スイッチング用の薄膜トランジスタTr1を介して信号線23から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が駆動用の薄膜トランジスタTr2から有機電界発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子ELが発光する。尚、駆動用の薄膜トランジスタTr2と保持容量Csとは、共通の電源供給線(Vcc)29に接続されている。
尚、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成しても良い。また、周辺領域1bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
以上説明した本発明に係る表示装置1は、図4に開示したような、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部である表示領域1aを囲むようにシーリング部31が設けられ、このシーリング部31を接着剤として、透明なガラス等の対向部(封止基板32)に貼り付けられ形成された表示モジュールが該当する。この透明な封止基板32には、カラーフィルタ、保護膜、遮光膜等が設けられてもよい。尚、表示領域1aが形成された表示モジュールとしての基板1には、外部から表示領域1a(画素アレイ部)への信号等を入出力するためのフレキシブルプリント基板33が設けられていても良い。
尚、以上説明した本発明の有機電界発光素子ELは、TFT基板を用いたアクティブマトリックス方式の表示装置に用いる表示素子に限定されることはなく、パッシブ方式の表示装置に用いる表示素子としても適用可能であり、同様の効果(長期信頼性の向上)を得ることができる。
<適用例>
また以上説明した本発明に係る表示装置は、図5〜図9に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。以下に、本発明が適用される電子機器の一例について説明する。
図5は、本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明に係る表示装置を用いることにより作成される。
図6は、本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図7は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図8は、本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図9は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
本発明を適用した実施例および比較例の有機電界発光素子の製造手順を、図1を参照して説明し、次にこれらの評価結果を説明する。ここでは、各実施例および比較例においては、キャビティ構造として構成された上面発光型の有機電界発光素子を作製した。尚、各実施例および比較例において用いた各層の材料を下記表8に示す。
Figure 2009070640
先ず、30mm×30mmのガラス板からなる基板2上に、下部電極11を構成する反射材料層(陽極)11aを、上記表8に示す各材料を用いて膜厚200nmで形成した。尚、比較例3,5においては、反射材料層(陽極)11aに相等するITOからなる透明電極を形成した。
次に、ポリイミド樹脂を用いたフォトリソグラフィー工程により、反射材料層11aにおいて2mm×2mmの発光領域以外をウインドウ絶縁膜13でマスクし、有機電界発光素子用のセルを作製した。
尚、この時点において、反射材料層11aの表面には、膜厚約2nmのAl23膜が酸化皮膜11bとして形成されていた。
次に、各実施例においては、金属薄膜11cを、上記表8に示す各材料を用いてそれぞれの膜厚で形成した。一方、各比較例においては金属薄膜11cの形成を省略した。
その後、正孔注入層15aを、上記表8に示す各材料を用いて膜厚10nmで形成した。
次に、正孔輸送層15bcとして、上記表8に示す各材料を用いて膜厚130nm(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec)で形成した。尚、表8に示す化合物(101)および化合物(102)は、以下に示す構造である。
Figure 2009070640
次に、各実施例および比較例で共通材料からなる有機発光層15cを形成した。この有機発光層15cとしては、9-(2-ナフチル)-10-[4-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン(ホストA)をホストにし、ドーパントとして青の発光ドーパント化合物であるN,N,N',N'-テトラ(2-ナフチル)-4,4'-ジアミノスチルベン(ドーパントB)を用い、ドーパント濃度が膜厚比で5%となるように、真空蒸着法により36nmの膜厚で形成した。
次に、各実施例および比較例で共通材料からなる電子輸送層15dを形成した。この電子輸送層15dとしては、Alq3を、真空蒸着法により10nm(蒸着速度0.1nm/sec)の膜厚で形成した。
以上のようにして正孔注入層15a〜電子輸送層15dまでを積層してなる発光機能層有機層15を形成した。
その後、陰極となる上部電極17の第1層として、LiFを真空蒸着法により約0.3nm(蒸着速度〜0.01nm/sec)の膜厚で形成し、次いで、第2層としてMgAgを真空蒸着法により10nmの膜厚で形成し、2層構造の上部電極17を設けた。
<評価結果>
以上のようにして作製した実施例および比較例の各有機電界発光素子ELについて、10mA/cm2の電流密度で駆動した場合における電流効率(cd/A)、駆動電圧(V)、色度を測定した。また、125mA/cm2の定電流駆動時の初期輝度を1とした相対輝度が0.9に低下する時間を寿命として測定した。これらの結果を上記表8に示した。
表8に示す結果より、反射材料層11aおよび正孔輸送層15aが同一材料からなる実施例1〜4と比較例1とを比較すると、金属薄膜11cを形成した実施例1〜4において金属薄膜11cの材料によらずに、電流効率の向上、駆動電圧の低下、および寿命の向上が図られており、金属薄膜11cを設けることによる効果が確認された。
これは、実施例5〜8と比較例2との比較でも同様であり、また実施例9と比較例4との比較でも同様であり、金属薄膜11cを設けることによる効果が確認された。
またさらに、金属薄膜11cを設けた実施例のうち、特に実施形態において正孔注入層15aに適するとしていた一般式(1)の材料を用いた実施例5〜8は、これを用いていない実施例1〜4、9と比較して、電流効率の向上、駆動電圧の低下、および寿命の向上が図られており、一般式(1)の材料を用いて正孔注入層15aを構成する効果が確認された。
また、下部電極11に反射材料層11aを設けてキャビティ構造とした実施例1〜9では、反射材料層11aに相等する部分に透明電極(ITO)を形成した比較例3、5と比較して、より純度の高い青色の色度が得られていることが確認された。
実施形態の有機電界発光素子および表示装置の要部断面図である。 実施形態の有機電界発光素子および表示装置の製造方法を示す断面工程図である。 実施形態の表示装置の回路構成の一例を示す図である。 本発明が適用される封止された構成のモジュール形状の表示装置を示す構成図である。 本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。 本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。 本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。 本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。 従来の有機電界発光素子の製造方法を示す断面工程図である。
符号の説明
1…表示装置、2…TFT基板(基板)、11…下部電極、11a…反射材料層、11b…酸化皮膜、11c…金属薄膜、13…ウインドウ絶縁膜、15…発光機能層、15a…正孔注入層、15c…有機発光層、17…上部電極、EL…有機電界発光素子

Claims (10)

  1. 基板上に、下部電極、有機発光層を含む発光機能層、および上部電極をこの順に積層してなり、前記有機発光層で発生させた光を前記上部電極側から取り出す構成の有機電界発光素子において、
    前記下部電極は、
    金属材料を用いて構成された反射材料層と、この表面に設けられた酸化皮膜と、当該酸化皮膜が設けられた前記反射材料層を覆う金属薄膜とで構成されている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記有機発光層で発生させた光が、前記下部電極と前記上部電極との間で共振して取り出される
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  3. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記下部電極の反射材料層は陽極として用いられ、
    前記発光機能層における前記下部電極側の界面を構成する正孔注入層が、下記一般式(1)に示す材料を用いて構成されている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2009070640
    ただし、一般式(1)中におけるR1〜R6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、アリールアミノ基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のカルボニル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のカルボニルエステル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルキル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルケニル基、炭素数20以下の置換あるいは無置換のアルコキシル基、炭素数30以下の置換あるいは無置換のアリール基、炭素数30以下の置換あるいは無置換の複素環基、ニトリル基、ニトロ基、シアノ基またはシリル基から選ばれる置換基であり、隣接するRm(m=1〜6)は環状構造を通じて互いに結合してもよく、
    一般式(1)中におけるX1〜X6は、それぞれ独立に、炭素もしくは窒素原子である。
  4. 請求項1記載の有機電界発光素子において、
    前記下部電極の周縁を覆う状態で、前記基板上に絶縁膜が設けられている
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  5. 基板上に金属材料を用いて構成された反射材料層をパターン形成する第1工程と、
    不活性な雰囲気中において、前記反射電極層上に金属薄膜と発光機能層とを、この順に連続して成膜する第2工程と、
    前記発光機能層上に上部電極を形成する第3工程とを行う
    ことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  6. 請求項5記載の有機電界発光素子の製造方法において
    前記第1工程と第2工程との間に、前記反射材料層の周縁を覆う形状の絶縁膜を形成する工程を行う
    ことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  7. 下部電極、有機発光層を含む発光機能層、および上部電極をこの順に積層してなる有機電界発光素子を基板上に配列し、前記有機発光層で発生させた光を前記上部電極側から取り出す構成の表示装置において、
    前記下部電極は、
    金属材料を用いて構成された反射材料層と、この表面に設けられた酸化皮膜と、当該酸化皮膜が設けられた前記金属材料層を覆う金属薄膜とで構成されている
    ことを特徴とする表示装置。
  8. 請求項7記載の表示装置において、
    前記基板上には、前記複数の有機電界発光素子における前記下部電極の周縁を覆う絶縁膜が設けられている
    ことを特徴とする表示装置。
  9. 基板上に金属材料を用いて構成された複数の反射材料層をパターン形成する第1工程と、
    不活性な雰囲気中において、前記各反射電極層上に金属薄膜と発光機能層とを、この順に連続して成膜する第2工程と、
    前記各発光機能層上に上部電極を形成する第3工程とを行う
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  10. 請求項9記載の表示装置の製造方法において
    前記第1工程と第2工程との間に、前記各反射材料層の周縁を覆う形状の絶縁膜を形成する工程を行う
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
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