JP2009070414A - ファイル管理システム、ファイル管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】管理対象のファイルにより管理されているファイルの複製ファイルに対しても版管理サーバーで管理されるファイルに対して行われた設定に伴う状態の変更を反映させる。
【解決手段】文書管理サーバー10は、提供者により作成された文書及びその文書を編集して改版された文書を版管理情報によりその版系列を明確にして保存する文書データベース13を有する。利用者クライアント30は、文書取得処理部31により利用したい文書の複製を利用文書保存部36に保存する。その後、複製をした文書を再度利用する時、版管理情報確認処理部32は、その文書の利用可否の状態を文書管理サーバー10へ自動的に問い合わせ、複製文書の利用可否の状態を利用者に提示する。
【選択図】図1

Description

本発明はファイル管理システム及びファイル管理方法に関する。
複数ユーザにより共有されるファイル形式にて管理される文書を効率的に利用可能にするには、文書管理用のサーバーを設置して、文書を集中管理することが一般的である。文書の作成者は、新規作成した文書を文書管理サーバーに登録しておけば、複数ユーザによる利用を効率的に実現することができる。また、登録した文書を改訂したときにも最新版として文書管理サーバー上の文書を更新すれば、その文書の利用者は、常に最新版を入手することができる。
ところで、内容の参照や印刷等のために文書管理サーバーから文書をクライアントにダウンロードして複製を作成することは、一般に行われている。更新されない文書であれば、このような複製文書の再利用は、アクセス速度等を考慮すると有効な方法であると考えられる。しかし、改訂が施されそれに伴い改版されていくような文書であるとき、文書管理サーバーからダウンロードした時点ではその文書は最新版であると考えられても、再度利用時に最新版であるという保証はない。
従来においては、文書管理サーバーにより保持管理されている文書であれば、文書の利用の可否を設定したり、文書の更新情報等を利用者に通知するなど、文書の改訂に伴う種々の機能を提供することは可能である。
しかしながら、従来の文書管理システムにおいては、複製された文書に対してまで管理の対象としていなかった。
このために、文書提供者がした文書に対する種々の設定を複製文書に反映することはできなかった。
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、管理対象のファイルが複製されたとき、その複製されたファイルに対してもファイル管理サーバーで管理されるファイルに対して行われた設定に伴う状態の変更を反映させることのできるファイル管理システム及びファイル管理方法を提供することにある。
本発明に係るファイル管理システムは、ファイル管理サーバーと、利用者クライアントと、を有するファイル管理システムであって、前記ファイル管理サーバーは、ファイルを識別するファイル識別情報と当該ファイルの利用の可否に関する情報とを対応づけて、ファイルの管理を行うファイル管理手段と、前記利用者クライアントからのファイル識別情報を含む問い合わせに応じて、当該ファイル識別情報と前記利用の可否に関する情報とに基づき、当該ファイル識別情報に対応するファイルの利用の可否に関する情報を返信する返信手段と、を有し、前記利用者クライアントは、前記ファイル管理手段により管理をされるファイルの複製ファイルを取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記複製ファイルを利用する際に、当該複製ファイルに対応するファイル識別情報を前記ファイル管理サーバーへ送信することにより問い合わせを行う問い合わせ手段と、を有することを特徴とする。
また、前記利用者クライアントは、前記複製ファイルを出力する出力手段をさらに有し、前記問い合わせ手段は、前記取得手段により取得した前記複製ファイルを出力する際に、当該複製ファイルに対応するファイル識別情報を前記ファイル管理サーバーへ送信することにより問い合わせを行い、前記出力手段は、前記問い合わせにより得られた情報に基づき、利用の可否に関する情報と共に前記複製ファイルを出力することを特徴とする。
本発明に係るファイル管理方法は、ファイルを識別するファイル識別情報と当該ファイルの利用の可否に関する情報とを対応づけて、ファイルの管理を行うファイル管理手段を有するファイル管理サーバーと、利用者クライアントと、を有するファイル管理システムにおいて、前記利用者クライアントが、前記ファイル管理手段により管理をされるファイルの複製ファイルを取得する取得ステップと、前記利用者クライアントが、前記取得ステップにより取得した前記複製ファイルを利用する際に、当該複製ファイルに対応するファイル識別情報を前記ファイル管理サーバーへ送信することにより問い合わせを行う問い合わせステップと、前記ファイル管理サーバーが、前記利用者クライアントからのファイル識別情報を含む問い合わせに応じて、当該ファイル識別情報と前記利用の可否に関する情報とに基づき、当該ファイル識別情報に対応するファイルの利用の可否に関する情報を返信する返信ステップと、を含むことを特徴とする。
また、前記利用者クライアントが、前記取得ステップにより取得した前記複製ファイルを出力のために利用する際に、前記問い合わせにより得られた情報に基づき、利用の可否に関する情報と共に前記複製ファイルを出力することを特徴とする。
請求項1,3記載の発明によれば、利用者に対するファイルの利用の可否の制御を行うことができる。
請求項2,4記載の発明によれば、当該ファイルを出力した時点のファイルの状態を利用者に知らせることができる。
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、以下に示す各実施の形態では、本発明に係るファイル管理システムを、文書ファイルを集中管理する文書管理システムに適用した場合を例にして説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における文書管理システムを示したブロック構成図である。本実施の形態における文書管理システムは、本システムで扱う文書の管理及びその文書の版管理を集中管理する文書管理サーバー10と、1乃至複数台の提供者クライアント20と利用者クライアント30とをLAN(Local Area Network)1で接続した構成を有している。なお、図1では便宜的に各クライアント20,30を1台ずつ示した。文書管理サーバー10は、ハードウェア的には汎用的なサーバコンピュータで実現できる。提供者クライアント20は、文書を作成し、また、その作成した文書を改版するユーザ(文書提供者)によって使用される。利用者クライアント30は、文書提供者によって作成又は改版された文書を参照、印刷等のために利用するユーザ(文書利用者)によって使用される。各クライアント20,30は、ハードウェア的には汎用的なパーソナルコンピュータ(PC)で実現できる。本実施の形態では、本システムを構成するクライアントを、便宜的に文書提供者が使用するクライアント20と文書利用者が使用するクライアント30とに分けて図示し、また説明するが、文書提供者は自ら作成した文書の利用者にもなり、また、他のユーザが作成した文書の利用者にもなるので、1台のPCが提供者クライアント20にも利用者クライアント30にもなりうる。
提供者クライアント20は、新規登録処理部21、改版登録処理部22、文書状態設定処理部23及び利用状況監視部24を有している。新規登録処理部21は、本システムの管理対象とする文書を新規に作成して文書管理サーバー10へ登録する。あるいは、既存文書を新規文書として登録してもよい。改版登録処理部22は、作成した文書を更新することで文書を改版する。そして、改版された文書を最新版として文書管理サーバー10へ登録する。あるいは、新規に作成した文書を既登録の文書の新版として登録してもよい。文書の新規作成及び編集には、汎用的な文書作成ソフトウェアを利用する。また、新規登録処理部21及び改版登録処理部22は、作成した文書に対して文書識別情報を付与すると共に、文書を文書管理サーバー10へ登録するときに、その文書の版管理情報も併せて登録する。この版管理情報については後述する。文書状態設定処理部23は、作成又は改版した文書の利用の可否(有効/無効)等の利用状態など版の状態を設定する。版の状態は、版管理情報に含まれているが、この詳細は後述する。利用状況監視部24は、文書提供者が提供した文書に対する利用状況を文書管理サーバー10に記録させ、また、その記録した内容を取得する。
利用者クライアント30は、文書取得処理部31、版管理情報確認処理部32、文書情報表示処理部33及び印刷処理部34を有している。文書取得処理部31は、文書管理サーバー10から利用したい文書をダウンロードし利用文書保存部36に保存する。このダウンロードにより取得される文書は、当該文書の最新版の複製である。文書利用者は、基本的に利用文書保存部36に格納した文書を利用することになる。版管理情報確認処理部32は、取得した文書の版等を含む版管理情報を取得する。文書情報表示処理部33は、版管理情報確認処理部32が取得した版管理情報を表示する。印刷処理部34は、取得した文書を図示しないプリンタから印字出力する。
文書管理サーバー10は、データベース管理部12及び文書管理部11を有している。データベース管理部12は、文書データベース13への文書登録、文書利用者からの要求に応じて文書のダウンロードを行う。文書管理部11は、文書提供者により作成又は改版された文書に版管理情報を関連付けて版の管理を行う。更に、文書管理部11は、文書データベース13への文書の登録/削除、登録されている文書の利用状況等を管理ログファイル14に記録する。
本実施の形態においては、前述した構成要素により種々の機能を提供するが、上記機能を含み、本実施の形態における文書管理システムが提供する機能の一覧を図2に示す。文書管理サーバー10及び各クライアント20,30における各処理機能は、ソフトウェアにより実現される。また、文書データベース13及び利用文書保存部36は、ディスク装置により実現され、それぞれ汎用的なデータベース管理システム及びファイルシステムによりアクセスされる。
ところで、本実施の形態では、文書の版の管理を行うが、以下に文書の版及び文書の利用について説明する。
図3は、文書と版の基本モデルを示した概念図である。作成される文書には、一般に第1版、第2版など昇順の連番が付与され版管理される。通常、新規作成された文書は、第1版であり、改版の度に第2版、第3版と版が更新される。ただ、いずれの版も文書Aであることに相違ない。このように、各文書は、改版により版が重ねられていくことになる。そして、時系列上最も新しい版が最新版となる。なお、詳細は後述するが、本実施の形態では、各版の利用の可否(有効/無効)を設定できるので、厳密に言うと、最新版というのは、有効な利用状態である版のうち時系列上最も新しい版と定義することができる。
以上のように、文書と言うときは第何版であれ、その文書である。つまり、文書Aといえば、第1版であろうと第2版であろうと第3版であろうと版の相違に関係なく文書Aである。版と言えば、文書を構成する特定の版を指し、第1版か第2版か第3版のいずれかの版の文書を指す。第1版(の文書A)といえば、同じ文書Aでも第2版や第3版ではない。
ここで、図3において第2版が最新版のとき(つまり、第3版作成前)に文書Aが利用者クライアント20に複製されたとする。なお、利用者クライアント20において複製文書を編集し新たな版(文書)を作成することは可能である。本実施の形態では、この複製文書に対する編集により新たな文書を作成することを改変と称し、改変により作成された文書を派生文書と称することにする。この派生文書は、文書管理サーバー10で管理されている元の文書Aとは独立した文書として扱われ、本実施の形態の管理対象外となる。もちろん、特別の処理手続により文書管理サーバー10の管理対象とすることは可能である。
文書取得処理部31により利用者クライアント30に複製された文書は、通常、利用者クライアント30の利用者個人の管理下において使用される。なお、文書利用者は、通常、自己が使用する利用者クライアント30に搭載のディスク装置を文書の複製先とすることが一般的であるため、本実施の形態においてもこれに準じて説明するが、他のクライアント上の共有ディスク装置やデータベースサーバー等の他の格納手段を複製先としてもよい。文書Aの利用者は、通常、参照する度に文書データベース13へアクセスするのではなく、アクセス速度等を考慮して利用者クライアント30の利用文書保存部36にダウンロードした第2版の文書Aに対してアクセスをすることになる。
続いて、各版の利用の可否(有効/無効)を含む版の状態について図4及び図5を用いて説明する。
各文書に対するアクセスに関して何も制限しなければ、版の新旧に関係なく、またいずれの文書にもアクセスすることは可能であるが、本実施の形態では、文書提供者が作成又は改版した各版に対して有効/無効な状態を設定できるようにした。本実施の形態では、各版は作成された時点から有効/無効の状態を持つ。版が有効な状態というのは、その版を利用してもよい状態(利用可の状態)のことをいい、版が無効な状態というのは、その版を利用できない状態(利用不可の状態)のことをいう。版の状態としては、前述した版毎に設定可能な有効/無効の他に、文書に含まれる全ての版の登録抹消と、システムの終了に伴う終了とがある。各版の状態は、図4に示した矢印の方向に遷移可能である。更に、版の無効には、版の状態を有効又は登録抹消に遷移できる一時的な無効と、登録抹消にしか遷移できない永続的な無効とがある。これは、文書提供者が決定し、文書提供者のみが認識できる。本実施の形態においては、各版の状態は文書提供者のみ設定可能とするが、これはシステムの運用に応じてシステム管理者等所望の者に設定の権限を付与することは可能である。版の状態は、版管理情報を構成する版情報に含まれており、本実施の形態では、各版の作成時点で新規登録処理部21及び改版登録処理部22により設定され、文書管理サーバー10へ当該版と共に登録される。そして、文書状態設定処理部23により文書管理サーバー10に登録された状態が更新されることによって動的に変更できる。
版の状態に関しては上記のとおりであるが、図5では、第3版までの各版の状態を5通り例示した。文書Aは全て有効、文書Bは登録抹消としたため全ての版が利用不可の状態である。文書Cは第3版のみ有効で第1,2版は無効、文書Dは第2版のみ有効で第1,3版は無効、文書Eは全て無効である。このような利用状態において最新版に該当するのは、文書Aは第3版、文書Cは第3版、文書Dは第2版である。文書B,Eには最新版は存在しない。また、文書Dにおける第3版は無効な状態なので、前述した定義に従い最新版には該当しない。本実施の形態においては、作成された最新版(第3版)ではなく文書Dで例示したように旧版に相当する第2版を有効な最新版として利用させることができる。
次に、本実施の形態における文書データベース13のデータ構造及び新規文書、改版文書の文書管理サーバ10への登録処理について説明する。なお、新規に作成した文書又は既存文書を文書データベース13に新規に登録することで、それらの文書を新規文書として扱うことになるが、以降の説明においては前者を例にして説明する。また、指定した既存文書を編集したり、別途作成した文書を新版とすることで、それらの文書を改版文書として扱うことができるが、以降の説明においては前者を例にして説明する。
本実施の形態における新規登録処理部21は、文書提供者により新規に文書が作成されたとき、その文書に対して文書識別情報を付与する。文書識別情報は、本システムにおいてユニークなIDであり、文書ファイルのヘッダ領域あるいは独自の領域に埋め込まれる。なお、文書識別情報を、文書の異同に関係なくランダムな番号としてもよいし、「文書ID+版番」などのように所定規則に基づき形成するようにしてもよい。複数台の文書管理サーバーが存在するときには、管理させるサーバーの識別情報が含まれる。より具体的に言うと、汎用的な文書作成ソフトウェアを起動して文書を作成し、その作成文書を保存しようとするときにプラグインにより文書識別情報を付加すると共に、作成者に入力指定させた版番、版の状態等の情報を版管理情報として生成する。そして、文書管理サーバー10に文書及び版管理情報を登録する。改版登録処理部22も作成済みの文書に対して編集を行うこと以外は、新規登録処理部21と同様に処理する。改版登録処理部22が作成する改版文書は、同じ文書(例えば文書A)であるが、異なる文書識別情報が付与される。なお、編集対象の文書は、原則、文書管理サーバー10から取り出してくる。文書管理サーバー10の文書管理部11は、提供者クライアント20から送られてきた文書及び版管理情報を文書データベース13へデータベース管理部12に格納させる。
なお、本実施の形態では、版管理対象とする文書自体も文書管理サーバー10にて集中管理することを例にして説明しているが、文書自体の格納場所を提供者クライアント20や他のクライアント、データベースサーバー等としてもよい。この場合、版管理情報には、文書の格納場所の情報が含まれることになり、改版登録処理部22は、文書格納場所情報を参照に改版対象の既存文書を取り出すことになる。また、文書管理サーバー10で文書自体を保持管理しないのであれば、データベース管理部12によるデータベース管理システム機能はなくてもよい。
本実施の形態における文書データベース13は、図1に例示したデータ構造で構築されている。すなわち、本実施の形態では、各文書の版の関連付けを、版管理情報を構成する版系列情報と版情報とを用いて行う。版系列情報は、文書毎に作成され、その版系列の名称(文書名)、その版系列のセキュリティなどの情報が設定される。版系列情報には、同一文書の各版情報が作成された順に直列に接続される。版情報には、その版の名称、利用の可否(有効/無効)等の版の状態、文書利用者に対して提示するメッセージ、取得した利用者等を含む利用情報、対応する文書識別情報、実際の文書の格納場所等が含まれている。文書管理部11は、版管理情報と文書識別情報により識別される文書とを関連付けして各文書の版管理を行う。換言すると、文書管理部11は、提供者クライアント20から文書及び版管理情報が送られてくると、データベース管理部12に前述したデータ構造に従い文書等を文書データベース13に登録させ、各文書の版管理を行う。更に、文書データベース13には、セキュリティ、動作ログ等自サーバーを管理するための設定情報がサーバー管理情報として保存されている。
続いて、利用者クライアント30において行われる文書の利用について図6に示したフローチャートを用いて説明する。
文書利用者は、文書管理サーバー10により管理されている文書を利用したいとき、その文書(通常は文書名)を入力指定する。文書管理サーバー10により管理されている文書名は、提供者クライアント20からの通知や文書管理サーバー10からの文書名リストの取得などにより知ることができる。文書取得処理部31は、入力指定された文書名を受け付けると(ステップ101)、版管理情報確認処理部32は、当該文書の版及び利用状態(有効/無効)を確認する(ステップ103)。なお、前述したように、版管理対象とする全ての文書自体を文書管理サーバー10で保持管理していないときには、文書取得処理部31は、当該版の版情報を参照に版の格納場所からその複製を取り出してくることになる。あるいは、文書の利用の開始に際し、提供者クライアント20から電子メール等を利用して直接配布してもらうようにしてもよい。この場合、配布された文書が文書管理サーバー10により管理されているかどうかを示す明確にする情報を付加しておくことが望ましい。文書を文書管理サーバー10から取得しない場合でも、版管理情報は文書管理サーバー10から取得することになる。
ここで、ステップ103における確認処理を詳述すると、版管理情報確認処理部32は、利用文書保存部36に保存されている文書の文書識別情報を取り出し送信することで文書管理サーバー10に版及び利用状態を問い合わせる。文書管理部10は、その問合せに付加された文書識別情報をキーに当該文書の版管理情報を検索して有効な最新版を検知し、これを問合せをした利用者クライアント30へ通知する。なお、当該文書の版管理情報を取り出し利用者クライアント30へ送信して、有効な最新版がどの版であるか利用者クライアント30において確認させるようにしてもよい。ここで、既に保持している文書が有効な最新版でなかったとき、文書取得処理部31は、当該文書の有効な最新版を文書管理サーバー10からダウンロードして利用文書保存部36に保存することになる(ステップ105)。
例えば、文書Aを取得したとすると、文書Aを取得したときにはその版は最新版である。その後、文書Aを再度利用するとき、通常であれば、利用者クライアント30に複製した文書Aを利用しようとする。従来においては、このときに文書Aの版を確認するようなことはしていなかったため、再度利用しようとする複製した文書Aが最新版でない可能性がある。そこで、本実施の形態においては、利用しようとする文書の複製が作成されているときにはその複製文書の版を自動的に確認して、最新版でなかったときにはその文書の最新版を自動的に取得するようにしたので、文書利用者は、利用者クライアント30に保存した版の新旧を意識しなくても常に有効な最新版を利用することができる。
続いて、版管理情報確認処理部32は、最新版が取得できたとき利用する版の状態を確認する(ステップ106,107)。ステップ107における確認処理は、有効な最新版を取得した(ダウンロードした)時と実際に利用する時にタイムラグがある場合に有効な処理となる。ダウンロードしてすぐに文書を利用するとは限らないからである。また、利用する版というのは、新規に最新版を取得したときにはその最新版、既に保存している版がまだ最新版であったためにその保存している版を利用するのであれば、その版をいう。
ところで、版の状態に関しては、図4を用いて利用の有効/無効、登録抹消が存在することを説明したが、文書を利用する利用者クライアント30側からしてみると、更に不明と未確認という状態が考えられる。不明というのは、通信障害等により文書管理サーバー10へのアクセスができない場合や文書管理サーバー10に障害が発生している場合などにより版の利用状態(有効/無効)が確認できない状態である。未確認というのは、版の確認処理を実施していないために発生しうる状態である。利用者クライアント30側における版の状態の一覧を図7に示す。
続いて、文書情報表示処理部33は、確認した版の状態を文書利用者に通知するために表示する(ステップ108)。表示する内容は、図7に例示したメッセージである。また、利用者クライアント30側では、最新版が通信障害等により取得できない可能性もあり(ステップ106)、この場合は、版管理情報も取得できないはずなので、版の状態を不明若しくは未確認とする。
以上のようにして、有効な最新版の文書、すなわち利用可能な文書の複製を取得されている場合には、その文書を利用することができる(ステップ109,110)。
本実施の形態によれば、以上のように文書管理サーバー10から文書を複製した場合でもその複製文書を版管理の対象とすることができる。また、文書の複製が作成された後に改版により最新版が作成されたときでも、その複製文書を再度利用する際に最新版か否かを自動的に確認するようにしたので、常に最新版の利用を保証することができる。そして、本実施の形態においては、複製文書が最新版でないときには当該文書の最新版を文書管理サーバー10から自動的に取得する、すなわち最新版の複製を改めて自動作成するようにしたので、文書利用者は、利用者クライアント30に保存した版の新旧を意識しなくても常に有効な最新版を利用することができる。なお、本実施の形態では、常に最新版を利用させるようにしたが、文書の版の確認にとどめ、最新版の複製の作成を文書利用者に決定させるようにしてもよい。また、本実施の形態では、最新版の利用を保証できる一方で、最新版を無効にすることで旧版を有効な最新版として利用させることもできる。
以上のようにして、利用者クライアント30に文書の複製が作成されると、印刷処理部34は、文書利用者による指示に従いその複製文書を図示しないプリンタから印字出力する。このとき、印刷処理部34は、文書の版を確認し、それが最新版であるときには、印刷用紙の空白部分に「最新版」と、最新版でないときには「旧版」と印字するなどして最新版又は旧版であることを示す情報と共に印刷する。これは、「最新版」又は「旧版」のいずれか一方を選択的に印刷するようにしてもよいし、常に両方を印刷するようにしてもよい。また、最新版でないときには、即座に印刷するのではなく印刷の確認メッセージを表示するなどしてもよい。最新版を印刷するときには、「最新版」と印字することで印刷した文書が最新版であることを確認することができる。
ただ、時間の経過に伴い最新版はいずれ旧版になる可能性がある。「最新版」と印刷すれば印刷時点では最新版であることを保証できても、保管されている文書に「最新版」と印刷されていても、その文書が本当に最新版であるかと言えば、その保証はない。一方、旧版に「旧版」と印刷しておけば、その文書は時間の経過に関係なく旧版であることには間違いない。本実施の形態では、版の状態を有効/無効と設定することができるが、通常は文書が旧版になれば最新版に復活することはない。従って、「旧版」と印刷しておけば旧版であることを保証することができる。
また、文書利用者による指示に従いその複製文書をプリンタから印字出力するとき、印刷処理部34は、文書の利用状態を確認し、それが利用可の状態であるときには、印刷用紙の空白部分に「有効」と、利用不可の状態であるときには「無効」と印字するなどして有効又は無効であることを示す情報と共に印刷する。これは、「有効」又は「無効」のいずれか一方を選択的に印刷するようにしてもよいし、常に両方を印刷するようにしてもよい。また、無効の状態であるときには、即座に印刷するのではなく印刷の確認メッセージを表示するなどしてもよい。
また、印刷処理部34は、文書利用者による指示に従いその複製文書を印刷するとき文書識別情報と共に印刷する。文書識別情報を印刷することによって次の点で便利である。
第一に、紙文書で作業を行う人がどこからでも文書の状態を確認することができる。例えば、工場内などPCはあるがプリンタが近くにないような環境において、手元にある作業マニュアル文書に印字された文書識別情報をPCからキー入力すれば、そのマニュアルが有効な最新版か否かを確認することが可能になる。第二に、文書を紙の状態で入手した人が文書識別情報をもとに電子文書を取得することができる。第三に、利用者クライアント30が持つ機能が搭載されていないクライアントPCからのアクセスに対応するために、例えば、文書管理サーバー10にWebクライアントなどを設けて、当該機能を提供するソフトウェアをそのクライアントPCにインストールする必要がなくなる。
また、本実施の形態における文書管理部11は、管理対象の文書に対する利用者によるアクセスを管理ログファイル14に記録する機能を有しており、利用状況監視部24は、文書管理部11に対して文書提供者が提供した文書に対する利用状況を文書管理サーバー10に記録させることを指示できる。また、その記録した内容を文書管理部11を通じて取得することができる。従って、自ら作成又は改版した文書に対する利用状況を取得し、利用者による文書の利用状況によって版の状態を変更するなど文書管理を提供者クライアント20上から行うことができる。なお、アクセス内容を管理ログファイル14ではなく、アクセス対象の文書又は版に対応付けて利用者によるアクセス履歴の管理を行うようにしてもよい。
本実施の形態によれば、文書管理サーバー10から複製された文書に対しても管理対象とし、複製文書の利用者に対して文書管理サーバー10において管理している文書の改版、状態の変更を通知し、また最新版を自動的に取得させることができる。また、文書利用者により有効な旧版が指定されたときには、該当する旧版を取得することも可能である。
なお、本実施の形態においては、文書提供者が作成又は改版した文書を新規登録処理部21又は改版登録処理部22により文書管理サーバー10へ送信して、文書管理サーバー10にて保持管理するように説明したが、前述したように文書自体は文書管理サーバー10に送らずに、文書の格納場所のみを文書管理サーバー10に登録して各文書の管理をさせるようにしてもよい。つまり、文書管理サーバー10により管理される文書の格納場所は、文書管理サーバー10や提供者クライアント20の他に図示しない他のクライアントやデータベースサーバーなどでもよい。
実施の形態2.
図8は、本実施の形態における文書管理システムを示したブロック構成図である。本実施の形態においては、文書管理サーバー10の文書管理部15に機能追加をし、また、文書データベース16に付加情報を記憶するようにしたことと、利用者クライアント30に付加情報処理部35を追加したこと以外は、上記実施の形態1と同じなので同じ符号を付け、説明を省略する。
上記実施の形態1では、文書及び版管理情報という文書に関連する情報設定は、文書提供者により行われ、文書利用者は設定することはできない。しかし、例えば、会議への出欠確認を要する文書であったり、文書に対してコメントしたいようなときには、出席/欠席という返答やコメント等の付加情報を、対応する文書に関連付けて保持管理できれば便利であり、情報管理上も効率的であると考えられる。
そこで、本実施の形態においては、各版に対して利用者により入力設定された情報を付加情報として、対応する版に関連付けて保管できるようにしたことを特徴としている。換言すると、利用者が自由に付加情報を読み書きできる領域を文書管理サーバー10に用意した。
本実施の形態における版情報には、版の名称や利用可否の状態等実施の形態1により説明した情報に加えて付加情報の格納場所が含まれることになる。この関係を図8に示した。なお、実際の文書の格納場所との関連付けに関しては、本実施の形態の要旨ではないため、図8では省略した。文書管理部15は、文書利用者により入力された付加情報を文書データベース16に登録すると共に、付加情報を当該版の複製先となる利用者クライアント30に参照させるために配信する。付加情報処理部35は、利用した文書に対して付加情報を設定し、また、文書管理サーバー10からの付加情報を文書又は文書の内容と共に表示する。
以下に、付加情報の具体例をあげて本実施の形態の動作について説明する。まず、付加情報としてコメントを書き込む場合を例にして説明する。
例えば、文書が仕様書であり、複数の利用者により仕様書の記載内容を確認してもらうとする。仕様書の作成者は、提供者クライアント20から文書管理サーバー10に仕様書を登録し、確認者は自己が使用する利用者クライアント30に仕様書の複製を保存して文書内容を参照する。そして、確認者は、文書閲覧ソフトウェアのプラグインにより表示されたコメント欄に、仕様書に対する批評や改善点、問題点等のコメントを入力する。付加情報処理部35は、入力されたコメントに、参照した文書の文書識別情報を付加して文書管理サーバー10へ送信する。文書管理部15は、文書識別情報をキーに文書データベース16を検索することにより対応する版を特定し、送られてきたコメントをその版に対応した付加情報として文書データベース16に登録する。もちろん、コメントの送信元の特定情報も付加情報に対応付けて登録される。他の利用者からもコメントが送られてきたときにも同様に文書データベース16に登録していくことで、版に対応するコメントを一括管理する。
この後、利用者が文書を利用するとき、付加情報処理部35は、その文書に対してコメントが登録されていれば、文書又は文書内容を表示するファイル操作ソフトウェア又は文書閲覧ソフトウェアのウィンドウに、アイコン表示やツールバー、メニュー上でコメントが文書に付加されていることを示すようにする。あるいは、プロパティ画面でコメントの有無を確認できるようにしてもよい。そして、利用者がコメントを参照する指示を入力したときには、文書管理部11を介してコメントを文書管理サーバー10から取り出し表示する。コメント自体は、プロパティ画面や専用のコメント表示ウィンドウに表示する。
また、利用者が仕様書を参照しているときに他の利用者が記載したコメントが文書データベース16に登録されたとき、文書管理部15は、管理ログファイル14を参照して対応する版を利用している利用者クライアント30を特定し、その利用者クライアント30へ新たに書き込まれたコメントを自動配信する。これにより、文書自体は改版されないことにより更新されなくても付加情報が更新されたときには、利用者クライアント30において付加情報のみを自動的に更新することができる。
なお、本実施の形態では、文書利用者も文書に関連する情報を付加情報として設定できるようにし、また、付加情報を版に対応させて管理するようにしたことを特徴としているが、提供者も利用者と同様に付加情報を読み書きすることができる。付加情報がコメントの場合は、いわゆる掲示板のような利用が可能になる。
次に、付加情報として文書の受領確認を書き込む場合を説明する。例えば、文書提供者は、文書管理サーバー10に登録する文書が受領確認を要する文書であるときには、その旨を版情報に設定する。利用者クライアント30において文書取得処理部31が文書の複製を取得したとき、その文書の版情報に受領確認を必要とする設定がされていたとき、ファイル操作ソフトウェアのプラグインにより受領確認の入力画面を表示する。付加情報処理部35は、利用者により受領確認が入力されると、受領確認に受領文書の文書識別情報を付加して文書管理サーバー10へ送信する。文書管理部15は、文書識別情報をキーに文書データベース16を検索することにより対応する版を特定し、送られてきた受領確認及びその送信元特定情報、受領日時等をその版情報に関連付けて文書データベース16に登録する。他の利用者からも受領確認が送られてきたときにも同様に文書データベース16に登録していくことで、版に対応する受領確認を一括管理する。
この後、利用者が文書を利用するとき、付加情報処理部35は、その文書に対して受領確認が登録されていれば、ファイル操作ソフトウェアにより表示される文書に対応付けて受領確認の有無あるいは受領確認をした利用者を表示する。受領確認をした利用者は、該当する利用者名でもよいし、予め登録しておいた利用者の印影を表示するようにしてもよい。
また、利用者が文書又は文書内容を表示しているときに他の利用者が受領確認を文書データベース16に登録したときにはコメントの場合と同様に、文書管理部15は、管理ログファイル14を参照して対応する版を利用している利用者クライアント30を特定し、その利用者クライアント30へ受領確認を自動配信する。これにより、文書を利用しているときには画面上に誰かが受領確認したことを表示すれば、受領確認の状況を一目瞭然に把握することができる。特に、文書提供者にとってみれば、誰が受領確認をしたかを容易にかつリアルタイムに把握することができる。
その他にも上記コメントや受領確認と同様に動作することで、文書内容の確認や承認などにも利用することができる。また、アンケートの場合には、アンケートと回答とを関連づけて管理することができる。また、例示した以外の情報も設定することができ、更に複数の情報を付加情報として併用することも可能である。
本実施の形態によれば、各版に対応付けて付加情報を設定できるようにしたので、版自体を変更できない文書利用者もその版に対して情報を自由に付加させることができる。
なお、上記各実施の形態では、文書の版管理を行うが、実行イメージ等にもそれぞれに版が付与され管理されるので、ファイル形式にて保存されるデータであれば、本発明を適用することは可能である。
本発明に係るファイル管理システムの一実施の形態である文書管理システムを示したブロック構成図である。 本実施の形態における文書管理システムが提供する機能の一覧を示した図である。 本実施の形態における文書と版の基本モデルを示した概念図である。 本実施の形態における版の状態の遷移を示した概念図である。 本実施の形態において版の状態の時系列変化を示した概念図である。 本実施の形態における文書の利用処理を示したフローチャートである。 本実施の形態における利用者クライアントにより確認される版の状態と各状態を表したメッセージの例を示した図である。 他の実施の形態である文書管理システムを示したブロック構成図である。
符号の説明
1 LAN、10 文書管理サーバー、11,15 文書管理部、12 データベース管理部、13,16 文書データベース、14 管理ログファイル、20 提供者クライアント、21 新規登録処理部、22 改版登録処理部、23 文書状態設定処理部、24 利用状況監視部、30 利用者クライアント、31 文書取得処理部、32 版管理情報確認処理部、33 文書情報表示処理部、34 印刷処理部、35 付加情報処理部、36 利用文書保存部。

Claims (4)

  1. ファイル管理サーバーと、
    利用者クライアントと、
    を有するファイル管理システムであって、
    前記ファイル管理サーバーは、
    ファイルを識別するファイル識別情報と当該ファイルの利用の可否に関する情報とを対応づけて、ファイルの管理を行うファイル管理手段と、
    前記利用者クライアントからのファイル識別情報を含む問い合わせに応じて、当該ファイル識別情報と前記利用の可否に関する情報とに基づき、当該ファイル識別情報に対応するファイルの利用の可否に関する情報を返信する返信手段と、
    を有し、
    前記利用者クライアントは、
    前記ファイル管理手段により管理をされるファイルの複製ファイルを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得した前記複製ファイルを利用する際に、当該複製ファイルに対応するファイル識別情報を前記ファイル管理サーバーへ送信することにより問い合わせを行う問い合わせ手段と、
    を有することを特徴とするファイル管理システム。
  2. 前記利用者クライアントは、前記複製ファイルを出力する出力手段をさらに有し、
    前記問い合わせ手段は、前記取得手段により取得した前記複製ファイルを出力する際に、当該複製ファイルに対応するファイル識別情報を前記ファイル管理サーバーへ送信することにより問い合わせを行い、
    前記出力手段は、前記問い合わせにより得られた情報に基づき、利用の可否に関する情報と共に前記複製ファイルを出力すること
    を特徴とする請求項1に記載のファイル管理システム。
  3. ファイルを識別するファイル識別情報と当該ファイルの利用の可否に関する情報とを対応づけて、ファイルの管理を行うファイル管理手段を有するファイル管理サーバーと、
    利用者クライアントと、
    を有するファイル管理システムにおいて、
    前記利用者クライアントが、前記ファイル管理手段により管理をされるファイルの複製ファイルを取得する取得ステップと、
    前記利用者クライアントが、前記取得ステップにより取得した前記複製ファイルを利用する際に、当該複製ファイルに対応するファイル識別情報を前記ファイル管理サーバーへ送信することにより問い合わせを行う問い合わせステップと、
    前記ファイル管理サーバーが、前記利用者クライアントからのファイル識別情報を含む問い合わせに応じて、当該ファイル識別情報と前記利用の可否に関する情報とに基づき、当該ファイル識別情報に対応するファイルの利用の可否に関する情報を返信する返信ステップと、
    を含むことを特徴とするファイル管理方法。
  4. 前記利用者クライアントが、前記取得ステップにより取得した前記複製ファイルを出力のために利用する際に、前記問い合わせにより得られた情報に基づき、利用の可否に関する情報と共に前記複製ファイルを出力することを特徴とする請求項3に記載のファイル管理方法。
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