JP2009068722A - 吸収冷凍機用再生器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】再生器本体内に、鉛直方向の伝熱面を有する伝熱部材29を水平方向に並設し、伝熱部材29内に下方から上方へエンジン冷却水を流す。伝熱部材29の上方に、混合液を溜めるトレイ32を設け、トレイ32の両横側面の下方側に、その長手方向に所定間隔を隔てて第1の散布孔35を形成する。第1の散布孔35よりも上方に、第1の散布孔35よりも突出させて第2の散布孔36を形成する。伝熱部材29の上端に、第2の散布孔36から液滴状に散布供給される混合液を衝突させる傾斜伝熱面Fを形成する。これにより、運転初期などのようにトレイ32に多量の混合液が供給される場合に、第2の散布孔36からの混合液を傾斜伝熱面Fでの衝突により拡散させて広い範囲で液膜を形成し、傾斜伝熱面Fの液膜に第1の散布孔35から混合液を接触供給し、伝熱効率を向上する。
【選択図】図4
Description
すなわち、チューブ伝熱部材間に波型フィンを挿入してスペーサーバーにより閉塞して形成した通路が所要数積層され、比較的狭幅の加熱流体通路と広幅の溶液通路とが交互に積層配置されている。
加熱流体通路には、その下部から加熱流体(温水)が導入され、通路内を上昇して流出するように構成されている。
加熱流体通路の上部には、スペーサーバーによって分離した空間部に希溶液の導入分配部が設けられ、隣接の溶液通路とのチューブ伝熱部材に貫通孔によるノズルを設けて導入分配部内の希溶液を分配して溶液通路内へ導入し、液膜流下させるように構成されている。
以上の構成により、希溶液が導入分配部よりノズルを介して溶液通路内へ導入され、溶液通路内を液膜流下する間、隣接の加熱流体通路を上昇する加熱流体と熱交換され、溶液通路内に冷媒蒸気が発生して溶液が順次濃縮されて濃溶液となり、分離空間部で分離された濃溶液が吸収器へ送られ、一方、冷媒蒸気は凝縮器に供給されるようになっている(特許文献1参照)。
ノズルの径を小さくし、そのノズルを多数設けると、ゴミ詰まりや経年での錆詰まりを起こしやすい欠点があった。
逆に、ノズルの径を大きくして流量が代わらないように間隔を広げると、液膜が形成される面積が小さくなるとともに液膜厚さが増して、伝熱効率が低下する欠点があった。
また、ノズルの径を大きくしてより多く設けようとすると、流出量が多くなるために導入分配部での溶液高さが低くなり、溶液が各ノズルに対して均一に分配されにくくなり、導入分配部の僅かな傾きでも、溶液の供給に影響を与え、再生器の製作に高度な工作精度が要求され、高価になる欠点があった。
また、チューブ伝熱部材の表面にスプレーノズルで溶液を散布する場合は、液膜形成には有利であっても大きなポンプ動力が必要になってランニングコストが増加する欠点があった。
再生器本体内に、加熱媒体を通すとともに外面を伝熱面に形成した伝熱部材を設け、前記伝熱部材の上部に、吸収液と冷媒との混合液を前記伝熱面に液膜状に自然流下によって供給する混合液供給部を設け、混合液を加熱沸騰させて冷媒蒸気を発生させる吸収冷凍機用再生器において、
前記混合液供給部を、
混合液を溜める液溜め部と、
前記液溜め部に前記伝熱面に沿う方向に所定間隔を隔てて設けられて前記伝熱面に混合液を接触供給する第1の混合液供給部と、
前記液溜め部に前記第1の混合液供給部よりも上方に位置して設けられて、混合液の供給量が増加したときに前記伝熱面の表面に混合液を液滴状に散布供給する第2の混合液供給部とを備えて構成する。
請求項1に係る発明の吸収冷凍機用再生器の構成によれば、例えば、再生器とそれに連なる吸収器との圧力差が無い運転開始時などのように通常のエンジンの定格運転状態時に比べて液溜め部への混合液の供給量が多い場合には、第2の混合液供給部を通じて伝熱部材の伝熱面の表面に混合液を液滴状に散布供給し、伝熱部材の伝熱面への衝突に伴って液滴状の混合液を拡散させ、伝熱部材の伝熱面に広い濡れ壁を形成しながら第1の混合液供給部から伝熱面に混合液を接触供給し、その後に通常のエンジンの定格運転状態などのように吸収器よりも再生器の圧力が高くなって混合液の供給量が減少した状態で再生器に安定的に供給される状態においては、第1の混合液供給部のみを通じて液溜め部から伝熱面に少量の混合液を接触供給し、一旦形成された濡れ壁に薄い膜厚で液膜を形成し、伝熱面を介して加熱媒体の熱を液膜状の混合液に伝えることができる。
したがって、伝熱面への衝突による液滴状の混合液の拡散性を利用して、伝熱部材の伝熱面に極力広い面積で薄い液膜を形成し、その液膜状の混合液に伝熱面を介して加熱媒体の熱を伝えるから、伝熱効率を向上できる。
請求項1に記載の吸収冷凍機用再生器において、
伝熱部材の上端側に、前記伝熱部材の水平方向の幅が下方側程幅広になるように傾斜伝熱面を形成し、
第2の混合液供給部を、前記伝熱部材の傾斜伝熱面に混合液を液滴状に散布供給するように構成する。
請求項2に係る発明の吸収冷凍機用再生器の構成によれば、伝熱部材の上端側に形成した傾斜伝熱面に液滴状に混合液を散布供給するに伴い、傾斜伝熱面上に落下した液滴が、落下時の衝突によって拡散し、伝熱部材の伝熱面に広い面積で濡れ壁を形成することができる。
したがって、伝熱部材の上端側に傾斜伝熱面を形成し、その傾斜伝熱面に混合液を散布供給するという簡単な構成により、広い範囲の濡れ壁を良好に形成でき、伝熱効率をより良好に向上できる。
請求項または請求項2に記載の吸収冷凍機用再生器において、
伝熱効率の設定以上の低下を検出して増液信号を出力する伝熱効率低下検出手段と、
前記伝熱効率低下検出手段からの増液信号に応答して混合液供給部に混合液を供給する混合液ポンプの吐出量を設定時間だけ増加する混合液供給量増加手段とを備えて構成する。
請求項3に係る発明の吸収冷凍機用再生器の構成によれば、運転途中などで加熱媒体の温度が低くなったり、あるいは、再生器の液溜め部に供給される混合液の量が減少したりするなどに起因して一時的に液膜の形成範囲が狭くなり、伝熱効率が低下した場合に、その伝熱効率の低下を検出し、それに基づいて液溜め部に供給する混合液の供給量を増加させ、第1および第2の混合液供給部の両方を通じて液溜め部から伝熱面に混合液を接触供給し、伝熱部材の伝熱面に広い濡れ壁を形成し、液膜の形成範囲の減少状態が継続することを防止する。
したがって、液膜の形成範囲の減少状態が発生したとしても、その状態を早期に解消できるから、良好な伝熱効率を安定的に維持できる。
したがって、伝熱面への衝突による液滴状の混合液の拡散性を利用して、伝熱部材の伝熱面に極力広い面積で薄い液膜を形成し、その液膜状の混合液に伝熱面を介して加熱媒体の熱を伝えるから、伝熱効率を向上できる。
蒸発器7の下部と冷媒液用液溜め部13とにわたって、冷媒ポンプ15および冷熱取り出し用熱交換器16を介装した循環配管17が接続されている。
冷熱取り出し用熱交換器16に、ガスヒートポンプ用の冷媒入口管18と冷媒供給管19とが接続され、吸収器5における吸収液による冷媒の吸収に伴って冷媒液を蒸発冷却し、その冷却冷媒液によってガスヒートポンプ用の冷媒を冷却するようになっている。
また、第1の散布孔35よりも上方で、かつ、鉛直方向で第1の散布孔35と重複する位置に、第2の混合液供給部としての第2の散布孔36が形成されている。
ガイド板33には、第1および第2の散布孔35,36に連なる鉛直方向の切欠37が形成され、切欠37を伝いながら、第1の散布孔35から伝熱面に混合液を接触供給し、伝熱部材29の伝熱面に液膜状に混合液を流下できるように構成されている。
トレイ32が、平板状の板金の所定箇所に、先ず、通常のプレスによって第1の散布孔35を形成し、次いで、緩いプレスによって長い突起状の孔を形成するいわゆるバーリング加工によって第2の散布孔36を形成し、しかる後に、折り曲げ加工と端部の溶接を施して作製されている。
これにより、第2の散布孔36の先端を第1の散布孔35の先端よりも突出させるとともに、第2の散布孔36の先端が傾斜伝熱面Fの鉛直上方に位置するように構成され、第1の散布孔35からは、混合液を切欠37を通じて伝わせながら伝熱面に供給しながら、第2の散布孔36からは、その先端から伝熱部材29の傾斜伝熱面Fに混合液を液滴状に散布供給し、傾斜伝熱面F上に落下した液滴を落下時の衝突によって拡散させ、伝熱部材29の伝熱面に広い面積で濡れ壁を形成することができ、伝熱効率をより良好に向上できる。
比較例としては、第2の散布孔36を設けない構成の吸収冷凍機用再生器を用いた。
その結果、図5の交換熱量の経時的変化のグラフに示すように、比較例による場合(Bで示す)、必要な交換熱量(約10.5kW)を得るまでに要する時間が35分以上であるのに対し、実施例1による場合(Aで示す)、必要な交換熱量(約10.5kW)を得るまでに要する時間が約2〜3分程度であり、極めて起動特性に優れていることが明らかであった。
すなわち、トレイ32の上端側に、水平方向に広幅の樋部分41が形成され、その広幅樋部分41の中央部に下方に連なる伝熱部材29の上端と同じ幅の樋部分42が形成されている。樋部分42の両横側面に、第1の混合液供給部としての第1の散布孔43が形成され、広幅樋部分41の幅方向の端部に下向きに第2の混合液供給部としての第2の散布孔44が形成され、第2の散布孔44から伝熱部材29の傾斜伝熱面Fに混合液を液滴状に散布供給できるように構成されている。他の構成は実施例1と同じであり、同一図番を付すことによりその説明は省略する。
混合液供給量増加手段54では、温度比較手段53からの増液信号に応答してトレイ32に混合液を供給する混合液ポンプ21の吐出量を設定時間(例えば、5分)だけ増加するようになっている。他の構成は実施例1と同じであり、同じ番号を付すことにより、その説明は省略する。
温度差算出手段64では、第1の冷却水温度センサ61で測定されるエンジン冷却水の温度と、第2の冷却水温度センサ62で測定される熱交換後のエンジン冷却水の温度との温度差を算出するようになっている。
温度差比較手段65では、温度差算出手段64で算出された温度差と設定値(例えば、3.0℃)とを比較し、温度差が設定値よりも小さくなったときに増液信号を出力するようになっている。
混合液供給量増加手段66では、温度差比較手段65からの増液信号に応答してトレイ32に混合液を供給する混合液ポンプ21の吐出量を設定時間(例えば、5分)だけ増加するようになっている。他の構成は実施例3と同じであり、同じ番号を付すことにより、その説明は省略する。
すなわち、再生器1から吸収液を取り出す第6の配管26に、吸収液の温度を測定する吸収液温度センサ71が設けられるとともに、再生器1に混合液を供給する第5の配管25に、混合液の温度を測定する混合液温度センサ72が設けられ、吸収液温度センサ71および混合液温度センサ72にコントローラ63が接続され、コントローラ63に混合液ポンプ21が接続されている。
コントローラ63の構成、ならびに、他の構成は実施例4と同じであり、同じ番号を付すことにより、その説明は省略する。なお、温度差比較手段64に入力される設定値は、例えば、11.0℃である。
21…混合液ポンプ
28…再生器本体
29…伝熱部材
32…トレイ(液溜め部)
35…第1の散布孔(第1の混合液供給部)
36…第2の散布孔(第2の混合液供給部)
43…第1の散布孔(第1の混合液供給部)
44…第2の散布孔(第2の混合液供給部)
51…温度センサ(伝熱効率低下検出手段)
53…温度比較手段(伝熱効率低下検出手段)
54…混合液供給量増加手段
61…第1の冷却水温度センサ(伝熱効率低下検出手段)
62…第2の冷却水温度センサ(伝熱効率低下検出手段)
64…温度差算出手段(伝熱効率低下検出手段)
65…温度差比較手段(伝熱効率低下検出手段)
66…混合液供給量増加手段
71…吸収液温度センサ(伝熱効率低下検出手段)
72…混合液温度センサ(伝熱効率低下検出手段)
Claims (3)
- 再生器本体内に、加熱媒体を通すとともに外面を伝熱面に形成した伝熱部材を設け、前記伝熱部材の上部に、吸収液と冷媒との混合液を前記伝熱面に液膜状に自然流下によって供給する混合液供給部を設け、混合液を加熱沸騰させて冷媒蒸気を発生させる吸収冷凍機用再生器において、
前記混合液供給部を、
混合液を溜める液溜め部と、
前記液溜め部に前記伝熱面に沿う方向に所定間隔を隔てて設けられて前記伝熱面に混合液を接触供給する第1の混合液供給部と、
前記液溜め部に前記第1の混合液供給部よりも上方に位置して設けられて、混合液の供給量が増加したときに前記伝熱面の表面に混合液を液滴状に散布供給する第2の混合液供給部と、
から構成したことを特徴とする吸収冷凍機用再生器。 - 請求項1に記載の吸収冷凍機用再生器において、
伝熱部材の上端側に、前記伝熱部材の水平方向の幅が下方側程幅広になるように傾斜伝熱面を形成し、
第2の混合液供給部が、前記伝熱部材の傾斜伝熱面に混合液を液滴状に散布供給するものである吸収冷凍機用再生器。 - 請求項または請求項2に記載の吸収冷凍機用再生器において、
伝熱効率の設定以上の低下を検出して増液信号を出力する伝熱効率低下検出手段と、
前記伝熱効率低下検出手段からの増液信号に応答して混合液供給部に混合液を供給する混合液ポンプの吐出量を設定時間だけ増加する混合液供給量増加手段とを備えてある吸収冷凍機用再生器。
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EP2538157A3 (de) * | 2011-06-24 | 2013-06-19 | Viessmann Werke GmbH & Co. KG | Periodisch arbeitende Sorptionsvorrichtung |
CN108072212A (zh) * | 2017-11-04 | 2018-05-25 | 上海佑伏吸附制冷有限公司 | 一种喷淋发生器的氨水发生气液分离及压力平衡装置 |
Citations (2)
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JP2002195692A (ja) * | 2000-12-21 | 2002-07-10 | Rinnai Corp | 吸収式冷凍装置 |
JP2005291576A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Osaka Gas Co Ltd | 吸収式冷凍機 |
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2007
- 2007-09-10 JP JP2007234169A patent/JP5209920B2/ja not_active Expired - Fee Related
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