JP2009068245A - 建設機械のアーム駆動用制御装置 - Google Patents
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Abstract
ショベルカーのアームの旋回制御において、小型で強力な電動機が出現したことで、電動機駆動が実用され始めたが、操作レバーによる左右旋回制御では、加速、減速状態時とも応答速度は同じであるため、作業性が悪く、同時に安全性にも問題があった。
【解決手段】
旋回速度の加速時と減速時の応答速度を個別に設定できるように、操作レバーによる速度指令信号から加速状態か減速状態かを判断し、インバータへの速度指令の前段に設けられたフィルタの時定数を、加速状態時には加速状態時用の時定数を、減速状態時には減速状態時用時定数を選択して設定することで、加減速時の応答速度を各別に設定できるようにした。加速減速状態の判断では、レバーの機械的振動によるノイズを除去し、さらに、急な加減速でもスムーズな切替えを実現し、作業性、安全性の向上を実現した。
【選択図】 図1
Description
この電動機で駆動するアームの操作方法は、図9に示すように、操作レバー1が中央にいる状態を0とし、右に傾けたときをプラス信号、左に傾けたときをマイナス信号として旋回速度信号が出力される。このように、操作レバー1を倒すことで、旋回方向、速度調整を行うが、中央部付近では無感帯領域として遊びを設け、旋回方向の指令は操作レバー1を左右に倒す方向で指令し、旋回速度の度合いはレバーの傾きで調整する。
アーム制御用インバータの構成図を図10に示す。操作者が意図する動きを操作レバー1で実現できるように操作して、操作レバー1からの指令信号を、フィルタ部4に出力するが、このフィルタ部は建設機械自身の振動が操作レバー1を揺らすことにより発生する機械的振動によるノイズ除去と応答速度を調整するために必要であり、フィルタ部4の出力10はインバータで実現しようとする旋回方向と速度の指令信号でインバータの制御部5に出力し、この指令値に応じてインバータ7がアーム用電動機6を駆動しアームを動かす。このフィルタは加速時も減速時のどちらにも使用するので、加速時も減速時も応答速度は同じとなる。
なお、建設用機械のアーム制御としては特許文献1が公知となっているが、この特許文献1では、電動機を制御するためにインバータを用い、このインバータのコントローラにレバーからの制御信号を入力して電動機を制御することが記載されているが、図10で示すようなフィルタ部については、記載されてない。
本発明の請求項3は、この判定値の設定値で、実運用上、建設機械自体がかなりの振動状態となるためレバー自体にも連動して振動にさらされるので、この振動幅によるノイズ除去を考慮して設定した判定値であることを特徴としたものである。
本発明の請求項5は、上記方式において、速度指令が急加速から急減速の時に、インバータ制御部への速度指令値に急変を生じる場合があるので、上記の判断条件の他、追加の条件として操作レバーからの速度指令値と、インバータ制御部への速度指令値の差分を、加速状態から減速状態への切替え条件とすることを特徴としたものである。
本発明の請求項6は、上記、操作レバーからの速度指令値と、インバータ制御部への速度指令値の差分が同じになった時に、加速から減速になったと判断することで、インバータ制御部への速度指令の変化を抑制し、この結果スムーズな加速から減速への切替えができ、アームに過大な力がかからないようにすることを特徴としたものである。
操作レバー1から発する指令値には、操作レバー自身が受ける械的振動により生じる振動幅が含まれるため誤差を含んでいるので、この式(1)の変化量による加速、減速の判断を確実にするため、判定値としては振動幅の1.5倍から2倍程度の式(2)で設定する値を用いる。
この判定値を用いた、加速状態の判断は式(3)で、減速状態の判断は式(4)で行い、
加速状態の判断 |変化量|>判定値 かつ 変化量>0 … (3)
減速状態の判断 |変化量|>判定値 かつ 変化量<0 … (4)
定常状態 |変化量|≦判定値 … (5)
式(5)の時は、加速でもなく減速でもない、定常状態と判断する。加減速状態の判断フローを図2示す。加減速判断処理部2で判断が決定した後、3の加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部は、各時の時定数、定常状態では直前まで使用していた時定数を選択して、フィルタ部4の時定数を設定する。
フィルタ部4の出力はインバータの制御部5に旋回方向と速度信号として入力されて、加速状態時と減速状態時の応答速度を別々に調節できる制御が実現でき、作業性、安全性が向上する。フィルタが一次遅れで加速時定数が減速時定数より大きい時の、操作レバーの指令値とフィルタ部4の入出力関係図を図3に示す。
図3で明らかなように、実現しようとするアーム動作速度の、加速状態、減速状態の応答速度を、別々に調整できるようになり、作業性、安全性が大幅に向上するものである。
加速状態から減速状態に切替えるタイミングを、操作レバーからの速度指令値とインバータへの速度指令値であるフィルタ出力との差(以下、フィルタ差分という)を式(6)により9の演算部で算出する。
算出されたフィルタ差分は加減速判断処理部2に出力され、2ではフィルタ差分の条件を追加して、加速状態の判断は式(7)、減速状態の判断は式(8)、で行い、その他の条件では、定常状態と判断する。
加速状態の判断 |変化量|>判定値かつ変化量>0かつフィルタ差分>0 …(7)
減速状態の判断 |変化量|>判定値かつ変化量<0かつフィルタ差分<0 …(8)
図5に示すように、フィルタ差分が正から負に変わる時に、加速状態から減速状態と判断することで、インバータ制御部への速度指令として大きな変化がなく、これによってスムーズな切替えが実現できる。加減速状態の判断フローを図6に示す。加減速判断処理部2で判断が決定した後、3の加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部は、各時の時定数、定常状態では直前まで使用していた時定数を選択して、フィルタ部4の時定数を設定する。フィルタの出力はインバータの制御部5に旋回方向と速度信号として入力されて、加速状態時と減速状態時の応答速度を別々に調節できる制御が実現でき、作業性、安全性が向上する。
図7と図8は、図6の手法による実際のフィルタの入出力動作図で、加速時定数500ms、減速字定数50msとしたときの指令値(実線)とフィルタ出力(点線)で、フィルタ出力が指令値に追いついた時点で時定数の切換が実行され、より安全な制御の実行が可能となる。
2… 加減速判断処理部
3… 加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部
4… フィルタ部
5… 制御部
6… アーム駆動用電動機
7… インバータ
8… フィルタ時定数設定部
9… フィルタ差分演算部
10…旋回方向指令と速度指令
Claims (6)
- アームを有する建設用機械で、アームを動かす動力として電動機を用い、この電動機を制御するインバータであって、このインバータの制御信号はアームを操作する操作レバーの操作量がフィルタ部を通して入力されるものにおいて、
前記操作レバーの操作量を入力して加減速を判断する加減速判断処理部と、加速
状態時用の時定数と減速状態時用の時定数が各別に設定され、前記加減速判断処理部の判断処理信号に応じて加速か減速かの時定数を選択する加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部を設け、選択された時定数信号を前記フィルタ部に出力するよう構成したことを特徴とした建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。 - 前記選択部は、前記操作レバーの操作による変化量の絶対値が予め設定された判定値より大のとき変化量>0かを判断し、0より大のとき加速時定数を選択し、0より小のときに減速時定数を選択すると共に、変化量の絶対値が予め設定された判定値より小のときに現在の時定数を選択することを特徴とした請求項1記載の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
- 前記判定値は、操作レバーの機械的振動によるノイズの1.5〜2.0倍の範囲であることを特徴とした請求項1又は2記載の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
- 前記時定数は、加速時の応答速度を減速時の応答速度より遅く設定することを特徴とした請求項1乃至3記載の何れかの建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
- 前記操作レバーの操作量信号とフィルタ部の出力信号を演算部に入力してフィルタ差分を求め、このフィルタ差分を前記加減速判断処理部に入力して時定数切換時の判断に利用することを特徴とした請求項1乃至4記載の何れかである建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
- 前記選択部は、前記操作レバーの操作による変化量の絶対値が予め設定された判定値より大のとき変化量>0で且つフィルタ差分>0のとき加速時定数を選択し、変化量及びフィルタ差分が0より小のときに減速時定数を選択することを特徴とした請求項2乃至5記載の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
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JP2011094451A (ja) * | 2009-11-02 | 2011-05-12 | Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd | 建設機械の旋回制御装置 |
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