JP2009067853A - スラッシュ成形用粉体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、耐候性、耐薬品性、接着性、柔軟性及び耐磨耗性を有し、成形時の粉体流動性、溶融流動性(成形性)および金型離型性のバランスに優れたスラッシュ成形用粉体組成物を得ることである。
【解決手段】 所定の構造を有するアクリル系ブロック共重合体(A)と、1分子中に少なくとも1.1個以上の反応性官能基(C)を有するアクリル系重合体(B)とからなる粒子径1〜1000μmの熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)100重量部に対して、粉末顔料(D)0.01〜5重量部、無機系顔料分散剤(E)0.01〜5重量部、水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)0.01〜5重量部、および粒子径が0.1〜30μmであって、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)より小さい粒子径を有する有機粒子(Y)0.5〜20重量部を、−10℃〜60℃に制御しながらブレンドする。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形性、耐熱性、耐候性、耐薬品性、接着性、柔軟性、耐磨耗性およびスクラッチ性のバランスに優れた、パウダースラッシュ成形用粉体組成物およびその組成物を用いたパウダースラッシュ成形品に関する。
自動車内装用表皮等の種々の内装材及び表皮材の成形方法として、軟質の粉末材料を用いたパウダースラッシュ成形法がある。この成形法によれば、皮シボやステッチ等を容易に製品に設けることができる。また、本成形法は、設計自由度が大きく、意匠性が良好である等の利点を有する。更に、本成形法により得られた製品は、ソフトな触感を有する。このため、当該方法は、インストルメントパネル、コンソールボックス、ドアートリム等の自動車内装品の表皮の成形に広く採用されている。
この成形方法は、射出成形や圧縮成形といった他の成形方法とは異なり、成形の際に賦形圧力をかけない。このため、成形時に粉末材料を複雑な形状の金型に均一に付着させる必要があり、粉末材料は流動性に優れることが要求される。それと同時に、金型に付着した粉体が溶融して無加圧下でも流動して皮膜を形成する必要があることから、材料の溶融粘度が低いことも要求される。
このような特性を有する材料として、十分な表面硬度を有し、柔軟性に優れたポリ塩化ビニル樹脂が広く使用されている。しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は、分子中に塩素を多量に含むため、環境に対する負荷が大きいことが懸念されており、有効な代替材料が求められている(特許文献1)。
そのため、近年、ポリ塩化ビニル樹脂の代替として、熱可塑性ポリウレタンが用いられてきている。
しかし、熱可塑性ポリウレタン系樹脂は、金型離型性や、金型汚染性、粉体流動性に問題がある場合がある。このため、例えば金型離型性に関しては、脂肪酸金属塩にて脱型性を付与したり(特許文献2)、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、脂肪酸エステル系離型剤、リン酸エステル系離型剤にて脱型性を付与する試み(特許文献3)がある。しかし、特許文献2記載の方法では、スラッシュ成形時に、金属塩が金型に移行して脱型性が悪くなったり、金型汚染性が悪化するなどの問題が残り、特許文献3記載の方法では、基材として用いられる発泡ポリウレタンとの接着性が悪いという問題が残り、解決策が求められている。
特開平5−279485号公報 特開2001−019863号公報 特開平10−338733号公報
本発明の目的は、耐候性、耐薬品性、接着性、柔軟性及び耐磨耗性を有し、成形時の粉体流動性、溶融流動性(成形性)および金型離型性のバランスに優れたスラッシュ成形用粉体組成物を得ることである。
上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、所定のアクリル系ブロック共重合体を含有する熱可塑性エラストマー樹脂粉体組成物に、所定の温度条件下で各種添加剤を混合・分散することにより、成形時の粉体流動性、溶融流動性(成形性)および金型離型性が良好であり、耐候性、耐薬品性、接着性、柔軟性及び耐磨耗性に優れる組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、メタアクリル系重合体を主成分とし、ガラス転移温度が50〜130℃であるメタアクリル系重合体ブロック(a)15〜50重量%と、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体50〜100重量%並びにこれらと共重合可能な異種のアクリル酸エステルおよび/又はビニル系単量体50〜0重量%からなり、酸無水物基および/またはカルボキシル基を有するアクリル系重合体ブロック(b)85〜50重量%とからなり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量が30,000〜200,000であるアクリル系ブロック共重合体(A)と、1分子中に少なくとも1.1個以上の反応性官能基(C)を有するアクリル系重合体(B)とからなる粒子径1〜1000μmの熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)100重量部に対して、粉末顔料(D)0.01〜5重量部、無機系顔料分散剤(E)0.01〜5重量部、水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)0.01〜5重量部、および粒子径が0.1〜30μmであって、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)より小さい粒子径を有する有機粒子(Y)0.5〜20重量部を、温度を−10℃〜60℃に制御しながらブレンドすることを特徴とするスラッシュ成形用粉体組成物の製造方法に関する。
また、本発明の別の実施態様としては、上記の製法により得られた組成物を、パウダースラッシュ成形して成ることを特徴とする自動車内装用表皮がある。
本発明に係るスラッシュ成形用粉体組成物は、成形時の粉体流動性、溶融流動性(成形性)および金型離型性に優れている。このため、本発明の組成物は、パウダースラッシュ成形に好適に使用することができる。また、スクラッチ性や、耐候性、耐薬品性、接着性、柔軟性及び耐磨耗性に優れていることから、自動車内装用表皮として好適に使用できる。
本発明のスラッシュ成形用粉体組成物は、以下に記載の所定の構造を有するアクリル系ブロック共重合体(A)と、1分子中に少なくとも1.1個以上の反応性官能基(C)を有するアクリル系重合体(B)とからなる熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)、粉末顔料(D)、無機系顔料分散剤(E)、水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)、および粒子径が0.1〜30μmであって、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)より小さい粒子径を有する有機粒子(Y)を含有する。
本発明の方法によって製造される組成物においては、アクリル系重合体(B)の反応性官能基(C)がアクリル系ブロック共重合体(A)の酸無水物基やカルボキシル基と成形時に反応し、高分子量化もしくは架橋が行われる。
粉末顔料(D)および無機系顔料分散剤(E)は、スラッシュ成形用粉体組成物に所望の着色を行うために添加される。分散剤(E)を添加することで、粉末顔料(D)の凝集などを抑制し、粉末顔料(D)を均一に熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)に分散することが可能となる。
水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)は、スラッシュ成形時の金型離型性と接着性を両立する離型剤としてはたらく。
有機粒子(Y)は、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)の互着を防止する。
このような組成とすることにより、スラッシュ成形時にも粉体のブロッキングなどによる成形不良が生じにくいスラッシュ成形用粉体組成物が得られることとなる。
以下に、本発明に係るスラッシュ成形用粉体組成物の各成分について、さらに詳細に説明する。
<アクリル系ブロック共重合体(A)>
熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)を構成するアクリル系ブロック共重合体(A)は、ハードセグメントであるメタアクリル系重合体ブロック(a)と、ソフトセグメントであるアクリル系重合体ブロック(b)からなり、メタアクリル系重合体ブロック(a)により成形時の形状保持性を、アクリル系重合体ブロック(b)により、エラストマーとしての弾性及び成形時の溶融性を付与する。このような目的のため、アクリル系ブロック共重合体(A)において、メタアクリル系重合体ブロック(a)の割合を15〜50重量%、アクリル系重合体ブロック(b)の割合を85〜50重量%とする。メタアクリル系重合体ブロック(a)の割合が15重量%より小さく、アクリル系重合体ブロック(b)の割合が85重量%より大きいと、成形時に形状が保持されず、メタアクリル系重合体ブロック(a)の割合が50重量%より大きく、アクリル系重合体ブロック(b)の割合が50重量%より小さいと、エラストマーとしての弾性および成形時の溶融性が低下することとなる。
なお、メタアクリル系重合体ブロック(a)の割合が少ないと硬度が低くなり、一方、アクリル系重合体ブロック(b)の割合が少ないと、硬度が高くなる傾向がある。このため、メタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)の組成比は、エラストマー組成物の必要とされる硬度を考慮して、適宜設定する必要がある。また、メタアクリル系重合体ブロック(a)の割合が少ないと、粘度が低く、また、アクリル系重合体ブロック(b)の割合が少ないと、粘度が高くなる傾向がある。このため、メタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)の組成比は、必要とする加工特性も考慮して、適宜設定する必要がある。
アクリル系ブロック共重合体(A)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量が30,000〜200,000となるように調整する。分子量が30,000より小さいと、エラストマーとして十分な機械特性を発現出来ない場合があり、分子量が200,000より大きいと、加工特性が低下する場合がある。特に、パウダースラッシュ成形を行う場合は、無加圧下でも樹脂が流動する必要があるところ、分子量が大きいと、溶融粘度が高くなり成形性が悪くなる傾向にある。
また、アクリル系ブロック共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.8以下であることが好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。Mw/Mnが1.8をこえるとアクリル系ブロック共重合体の均一性が悪化する場合がある。
アクリル系ブロック共重合体(A)は、線状ブロック共重合体であっても、分岐状(星状)ブロック共重合体であっても、これらの混合物であってもよい。このようなブロック共重合体の構造は、必要とされるアクリル系ブロック共重合体(A)の物性に応じて適宜選択されるが、コスト面や重合容易性の点で、線状ブロック共重合体が好ましい。
なお、線状ブロック共重合体は、いずれの構造(配列)のものであってもよいが、線状ブロック共重合体の物性または組成物の物性の点から、メタアクリル系重合体ブロック(a)をa、アクリル系重合体ブロック(b)をbと表現したとき、(a−b)型、b−(a−b)型および(a−b)−a型(nは1以上の整数、たとえば1〜3の整数)からなる群より選択される少なくとも1種のアクリル系ブロック共重合体からなることが好ましい。これらの中でも、加工時の取り扱い容易性や組成物の物性の点から、a−b型のジブロック共重合体、a−b−a型のトリブロック共重合体、またはこれらの混合物が好ましい。
アクリル系ブロック共重合体(A)を構成するメタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度の関係は、メタアクリル系重合体ブロック(a)のガラス転移温度をTg、アクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度をTgとすると、機械強度やゴム弾性発現等の点で下式の関係を満たすことが好ましい。
Tg>Tg
なお、メタアクリル系重合体ブロック(a)およびアクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδピークにより測定することができる。
<メタアクリル系重合体ブロック(a)>
メタアクリル系重合体ブロック(a)は、メタアクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合してなるブロックであり、メタアクリル酸エステル50〜100重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%からなることが好ましい。メタアクリル酸エステルの割合が50重量%未満であると、メタアクリル酸エステルの特徴である耐候性などが損なわれる場合がある。
メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成するメタアクリル酸エステルとしては、たとえば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸n−ペンチル、メタアクリル酸n−ヘキシル、メタアクリル酸n−ヘプチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ドデシル、メタアクリル酸ステアリルなどのメタアクリル酸脂肪族炭化水素(たとえば炭素数1〜18のアルキル)エステルなどがあげられる。これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、加工性、コストおよび入手しやすさの点で、メタアクリル酸メチルが好ましい。
メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成するメタアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物などをあげることができる。
アクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸脂肪族炭化水素(たとえば炭素数1〜18のアルキル)エステルなどをあげることができる。
芳香族アルケニル化合物としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどをあげることができる。
シアン化ビニル化合物としては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどをあげることができる。
共役ジエン系化合物としては、たとえば、ブタジエン、イソプレンなどをあげることができる。
ハロゲン含有不飽和化合物としては、たとえば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどをあげることができる。
ビニル系単量体として挙げられたこれらの化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのビニル系単量体は、後述するメタアクリル系重合体ブロック(a)のガラス転移温度や、アクリル系ブロック体(b)との相溶性などを考慮して適宜選択される。
メタアクリル系重合体ブロック(a)のガラス転移温度は、50〜130℃となるように調整する。これは、パウダースラッシュ成形材料は、無加圧下でも流動する必要があり、メタアクリル系重合体ブロック(a)の凝集力やガラス転移温度Tgが向上すると、溶融粘度が高くなり成形性が悪くなる傾向にある一方で、ガラス転移温度Tgが低すぎる場合には、樹脂組成物が常温でも流動性を有し、粉体としての性状を保持することが出来なくなるためである。
<アクリル系重合体ブロック(b)>
アクリル系重合体ブロック(b)は、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアクリル酸エステル50〜100重量%と、これと共重合可能な異種のアクリル酸エステルおよび/又はビニル系単量体0〜50重量%とからなる。また、アクリル系重合体ブロック(b)は、酸無水物基および/またはカルボキシル基を有する。
アクリル酸−n−ブチルを用いた場合、本発明の方法により得られる組成物から作製された成形体は、良好なゴム弾性および低温特性を示すようになる。アクリル酸エチルを用いた場合、良好な耐油性および引張強度等の機械特性を示すようになる。また、アクリル酸−2−メトキシエチルを用いた場合、良好な低温特性と耐油性を示し、また、樹脂の表面タック性が改善されることとなる。これらは要求特性に応じて、単独で又は2種以上を組み合わせて使用する。なお、これらのアクリル酸エステルの割合が50重量%未満であると、柔軟性、耐油性が損なわれる場合がある。
アクリル系重合体ブロック(b)を構成するアクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルとは異種のアクリル酸エステルとしては、たとえば、メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成する単量体として例示したアクリル酸エステルと同様の単量体をあげることができる。これらは単独でまたはこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル系重合体ブロック(b)を構成するアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、メタアクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物などをあげることができ、これらの具体例としては、メタアクリル系重合体ブロック(a)に用いられる前記のものと同様のものをあげることができる。これらのビニル系単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのビニル系単量体は、アクリル系重合体ブロック(b)に要求されるガラス転移温度および耐油性、メタアクリル系重合体ブロック(a)との相溶性などのバランスを勘案して、適宜好ましいものを選択する。たとえば、組成物の耐油性の向上を目的とした場合、アクリロニトリルを共重合するとよい。
アクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度は、組成物のゴム弾性の観点から、25℃以下であるのが好ましく、0℃以下であるのがより好ましく、−20℃以下であるのがさらに好ましい。アクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度が、エラストマー組成物の使用される環境の温度より高いと、柔軟性や、ゴム弾性が発現されにくくなる。
<酸無水物基およびカルボキシル基>
アクリル系重合体ブロック(b)の酸無水物基およびカルボキシル基は、通常、ブロック共重合体(A)が高分子量化または架橋されるための反応点または架橋点として作用する。酸無水物基およびカルボキシル基は、酸無水物基およびカルボキシル基を適当な保護基で保護した形、または、酸無水物基およびカルボキシル基の前駆体となる形でブロック共重合体に導入し、そののちに公知の所定の化学反応で酸無水物基およびカルボキシル基を生成させることもできる。
酸無水物基およびカルボキシル基の含有数は、酸無水物基およびカルボキシル基の凝集力、反応性、アクリル系ブロック共重合体(A)の構造および組成、アクリル系ブロック共重合体(A)を構成するブロックの数、ガラス転移温度によって変化させ、その数は必要に応じて適宜設定する必要があるが、好ましくはブロック共重合体1分子あたり1.0個以上、より好ましくは2.0個以上とする。これは、1.0個より少なくなるとブロック共重合体の高分子量化や架橋による耐熱性向上が不十分になる傾向があるためである。
ただし、酸無水物基やカルボキシル基を導入することによりアクリル系重合体ブロック(b)の凝集力やガラス転移温度Tgが上昇すると、柔軟性、ゴム弾性、低温特性が悪化する傾向にある。このため、酸無水物基やカルボキシル基は、アクリル系ブロック共重合体(A)の柔軟性、ゴム弾性、低温特性が悪化しない範囲で導入するのが好ましい。具体的には、酸無水物基やカルボキシル基を導入した後のアクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度Tgが25℃以下になるような範囲で導入するのが好ましく、0℃以下になるようにするのがより好ましく、−20℃以下になるようにするのが更に好ましい。
以下に、酸無水物基およびカルボキシル基のそれぞれについて更に詳細に説明する。
<酸無水物基>
組成物中に活性プロトンを有する化合物を含有する場合、酸無水物基はエポキシ基等の反応性官能基と容易に反応する。酸無水物基の導入位置は、特に限定されるものではなく、酸無水物基は、アクリル系重合体ブロック(b)の主鎖中に導入されていても良いし、側鎖に導入されていても良い。酸無水物基はカルボキシル基の無水物基であり、アクリル系重合体ブロック(b)への導入の容易性から、主鎖中へ導入されていることが好ましく、具体的には一般式(1)で表される。一般式(1):
Figure 2009067853
(式中、Rは水素またはメチル基で、2つのRは互いに同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数、mは0または1の整数)で表される形で含有される。
一般式(1)中のnは0〜3の整数であって、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。nが4以上の場合は、重合が煩雑になったり、酸無水物基の環化が困難になる傾向にある。
酸無水物基の導入方法としては、酸無水物基の前駆体の形でアクリル系ブロック共重合体に導入し、そののちに環化させることが好ましい。特に、一般式(2):
Figure 2009067853
(式中、Rは水素またはメチル基を表わす。Rは水素、メチル基またはフェニル基を表わし、3つのRのうち少なくとも2つはメチル基および/またはフェニル基から選ばれ、3つのRは互いに同一でも異なっていてもよい。)で表される単位を少なくとも1つ有するアクリル系ブロック共重合体を溶融混練して、環化導入することが好ましい。
アクリル系重合体ブロック(b)への一般式(2)で表される単位の導入は、一般式(2)に由来するアクリル酸エステル、またはメタアクリル酸エステル単量体を共重合することによって行なうことができる。単量体としては、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸α,α−ジメチルベンジル、(メタ)アクリル酸α−メチルベンジルなどがあげられるが、これらに限定するものではない。これらのなかでも、入手性や重合容易性、酸無水物基生成容易性などの点から(メタ)アクリル酸−t−ブチルが好ましい。なお、本願において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタアクリル酸を意味する。
酸無水物基の形成は、酸無水物基の前駆体を有するアクリル系ブロック共重合体を高温下で加熱することにより行うのが好ましく、180〜300℃で加熱することが好ましい。180℃より低いと酸無水物基の生成が不十分となる傾向があり、300℃より高くなると、酸無水物基の前駆体を有するアクリル系ブロック共重合体自体が分解することがある。
<カルボキシル基>
カルボキシル基は、エポキシ基等の反応性官能基と容易に反応する。カルボキシル基の導入位置は、特に限定されるものではなく、カルボキシル基は、アクリル系重合体ブロック(b)の主鎖中に導入されていても良いし、側鎖に導入されていても良いが、アクリル系重合体ブロック(b)への導入の容易性から、主鎖中へ導入されていることが好ましい。
カルボキシル基の導入は、カルボキシル基を有する単量体が重合条件下で触媒を被毒することがない場合は、重合により直接導入することにより行うのが好ましく、カルボキシル基を有する単量体が重合時に触媒を失活させるおそれがある場合には、官能基変換によりカルボキシル基を導入する方法により行うのが好ましい。
官能基変換によりカルボキシル基を導入する方法では、カルボキシル基を適当な保護基で保護した形、または、カルボキシル基の前駆体となる官能基の形でアクリル系ブロック共重合体に導入し、そののちに公知の所定の化学反応で官能基を生成させることができる。
カルボキシル基を有するアクリル系ブロック共重合体(A)の合成方法としては、たとえば、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸トリメチルシリルなどのように、カルボキシル基の前駆体となる官能基を有する単量体を含むアクリル系ブロック共重合体を合成し、加水分解もしくは酸分解など公知の化学反応によってカルボキシル基を生成させる方法(特開平10−298248号公報、特開2001−234146号公報)や、一般式(2):
Figure 2009067853
(式中、Rは水素またはメチル基を表わす。Rは水素、メチル基またはフェニル基を表わし、3つのRのうち少なくとも2つはメチル基および/またはフェニル基から選ばれ、3つのRは互いに同一でも異なっていてもよい。)で表わされる単位を少なくとも1つ有するアクリル系ブロック共重合体を、溶融混練して導入する方法がある。一般式(2)で示される単位は、高温下でエステルユニットが分解してカルボキシル基を生成し、そのカルボキシル基の一部が環化することにより生成する。これを利用して、一般式(2)で示される単位の種類や含有量に応じて、加熱温度や時間を適宜調整することでカルボキシル基を導入することができる。
また、上述の酸無水物基を加水分解することにより、カルボキシル基を導入することも可能である。
<アクリル系ブロック共重合体(A)の製法>
アクリル系ブロック共重合体(A)を製造する方法は、とくに限定するものではないが、開始剤を用いた制御重合を用いることが好ましい。制御重合としては、リビングアニオン重合や連鎖移動剤を用いるラジカル重合、近年開発されたリビングラジカル重合があげられる。なかでも、アクリル系ブロック共重合体の分子量および構造の制御の点から、リビングラジカル重合により製造するのが好ましい。
リビングラジカル重合は、重合末端の活性が失われることなく維持されるラジカル重合である。リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性をもち続ける重合のことを指すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビング重合も含まれる。ここでの定義も後者である。
リビングラジカル重合の方法としては、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィリン錯体(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、第116巻、7943頁)やニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの(マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、第27巻、7228頁)、有機ハロゲン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などをあげることができる。本発明において、これらのうちいずれの方法を使用するかはとくに制約はないが、制御の容易さの点などからWO2004/13192号公報などに記載された原子移動ラジカル重合を用いる方法が好ましい。
<アクリル系重合体(B)>
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物を構成するアクリル系重合体(B)は、一分子中に少なくとも1.1個以上の反応性官能基(C)を含有する重合体である。アクリル系重合体(B)は、組成物の成形時に可塑剤として成形流動性を向上させると同時に、成形時にアクリル系ブロック共重合体(A)中の酸無水物基やカルボキシル基と反応性官能基(C)によって反応し、アクリル系ブロック共重合体(A)を高分子量化あるいは架橋させる。なお、ここでいう反応性官能基(C)の個数は、アクリル系重合体(B)全体中に存在する反応性官能基(C)の平均の個数を表す。
アクリル系重合体(B)中の反応性官能基(C)は、アクリル系重合体(B)中に1.1個以上、好ましくは1.5個以上、更に好ましくは2.0個以上含有させる。その数は、反応性官能基(C)の反応性、反応性官能基(C)の含有される部位および様式、アクリル系ブロック共重合体(A)中の酸無水物基および/またはカルボキシル基の含有される数や部位および様式に応じて変化させる。官能基(C)の含有数が1.1個より少なくなると、ブロック共重合体の高分子量化反応剤あるいは架橋剤としての効果が低くなり、アクリル系ブロック共重合体(A)の耐熱性向上が不十分になる傾向がある。
アクリル系重合体(B)は、1種若しくは2種以上のアクリル系単量体を重合させるか、又は1種若しくは2種以上のアクリル系単量体とアクリル系単量体以外の単量体とを重合させることにより得られたものであることが好ましい。
アクリル系単量体としては、メタアクリル系重合体ブロック(a)の項において記載したアクリル酸エステルやメタアクリル酸エステルが挙げられる。このうち、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルのいずれか又はこれらの2種以上以上を組み合わせて用いるのが、入手性の点から好ましい。
アクリル系単量体以外の単量体としては、アクリル系単量体と共重合可能な単量体である限りにおいては特に制限はなく、例えば酢酸ビニル、スチレン等を用いることができる。
なお、アクリル系重合体(B)中の全単量体成分に対するアクリロイル基含有単量体成分の割合は、70重量%以上であることが好ましい。その割合が70重量%未満の場合、耐候性が低下し、アクリル系ブロック共重合体(A)との相溶性も低下する傾向にある。また、その成形物に変色が生じやすくなる。
アクリル系重合体(B)の分子量は、特に制限はないが、平均重量分子量で30,000以下の低分子量のものが好ましく、500〜30,000のものがさらに好ましく、500〜10,000のものが特に好ましい。重量平均分子量が500未満の場合、成形体にべたつきが生じる傾向があり、一方、重量平均分子量が30,000を越えた場合、成形物の可塑化が不十分になりやすい。
アクリル系重合体(B)の粘度は、25℃においてコーン・プレート型の回転粘度計(E型粘度計)で測定した時、35,000mPa・s以下であるのが好ましく、10,000mPa・s以下であるのがより好ましく、5,000mPa・s以下であるのが特に好ましい。粘度が35,000mPa・sより高いと、組成物の可塑化効果が低下する傾向にある。好ましい粘度の下限は特にないが、アクリル系重合体の通常の粘度は10mPa・s以上である。
アクリル系重合体(B)のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量測定法(DSC)で測定した場合に100℃以下であるのが好ましく、25℃以下であるのがより好ましく、0℃以下であるのが更に好ましく、−30℃以下であるのが特に好ましい。ガラス転移温度Tgが100℃を超えると、可塑剤として成形性を向上させる効果が不十分になる傾向があり、また、得られる成形体の柔軟性が低下する傾向にある。
アクリル系重合体(B)は、公知の所定の方法で重合させることにより得られる。重合方法は必要に応じて適宜選択すればよく、例えば、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、リビングアニオン重合や連鎖移動剤を用いる重合およびリビングラジカル重合等の制御重合等の方法により行なうことができるが、耐候性や耐熱性が良好で比較的低分子量かつ分子量分布の小さい重合体が得られる制御重合が好ましく、以下に記載の高温連続重合を用いる方法がコスト面などの点でより好ましい。
アクリル系重合体(B)は、180〜350℃の温度での重合反応により得ることが好ましい。この重合温度では、重合開始剤や連鎖移動剤を使用することなく、比較的低分子量のアクリル系重合体が得られる。このため、そのアクリル系重合体は優れた可塑剤となり、耐候性も良好である。具体的には、特表昭57−502171号公報、特開昭59−6207号公報、特開昭60−215007号公報及びWO01/083619号公報に記載された高温連続重合による方法、すなわち、所定の温度及び圧力に設定された反応器内に上記の単量体の混合物を一定の供給速度で連続して供給し、その供給量に見合う量の反応液を抜き出す方法が例示される。
<反応性官能基(C)>
反応性官能基(C)としては、エポキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。これらの官能基のうち、アクリル系ブロック共重合体(A)に含まれる酸無水物基やカルボキシル基との反応性およびアクリル系重合体(B)への官能基の導入のしやすさから、エポキシ基が好ましい。
アクリル系重合体(B)への反応性官能基(C)の導入は、例えば、アクリル系重合体を構成する単量体と共重合可能な反応性官能基(C)を有するビニル系単量体等を共重合することにより行うことが出来る。
反応性官能基(C)を有するアクリル系重合体(B)としては、具体的には東亞合成(株)のARUFON(登録商標)XG4000、ARUFON UG4000、ARUFON XG4010、ARUFON UG4010、ARUFON XD945、ARUFON XD950、ARUFON UG4030、ARUFON UG4070などが好適に使用できる。これらは、オールアクリル、アクリレート/スチレン等のアクリル系重合体であって、エポキシ基を1分子中に1.1個以上含む。
<熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)>
本発明のスラッシュ成形用粉体組成物は、成形を行う際は溶融粘度が低く、溶融流動性(成形性)に優れる一方、加熱時にアクリル系熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)のブロック共重合体(A)中の酸無水物基やカルボキシル基と、アクリル系重合体(B)中の官能基(C)とが反応して、アクリル系ブロック共重合体(A)が高分子量化あるいは架橋することが好ましい。なお、耐熱性向上の点では、架橋することがより好ましい。
成形時の反応を促進させるために、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)には、必要に応じて、種々の添加剤や触媒を添加しても良い。たとえば、酸二無水物などの酸無水物系、アミン系、イミダゾール系等のエポキシ樹脂に一般に用いられる硬化剤を用いることが可能である。
熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)は、溶融性の向上および低温特性改善を目的として、可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤は、アクリル系ブロック共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲で使用するのが好ましく、0.2〜40重量部の範囲で使用するのがより好ましい。配合量が0.1重量部未満の場合には、得られる組成物の溶融性や低温特性改善効果が十分でない場合があり、50重量部を超えると、得られる成形体の機械特性や耐熱性などが悪化する場合がある
可塑剤としては、特には限定されないが、SP値が8.1〜9.4である可塑剤が好ましい。SP値が8.0未満及び9.5を超える場合には、可塑剤とアクリル系ブロック共重合体(A)との相溶性が悪くなり、得られる成形体の物性が低下したり、可塑剤がブリードアウトする可能性がある。
可塑剤としては、具体的にはフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸誘導体;ジメチルイソフタレートのようなイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタル酸のようなテトラヒドロフタル酸誘導体;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−(2−エチルヘキシル)、アジピン酸イソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチルジグリコール等のアジピン酸誘導体;アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル等のアゼライン酸誘導体;セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸誘導体;ドデカン−2−酸誘導体;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル等のマレイン酸誘導体;フマル酸ジブチル等のフマル酸誘導体;トリメリト酸トリス−2−エチルヘキシル、トリメリト酸トリオクチル等のトリメリト酸誘導体;ピロメリト酸テトラオクチル等のピロメリト酸誘導体;アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸誘導体;ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル等の安息香酸誘導体、イタコン酸誘導体;オレイン酸誘導体;リシノール酸誘導体;ステアリン酸誘導体;その他脂肪酸誘導体;N−アルキルベンゼンスルホンアミド等のスルホン酸誘導体;トリメチルフォスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルフォスフェート等のリン酸誘導体;グルタル酸誘導体;アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などの二塩基酸とグリコールおよび一価アルコールなどとのポリマーであるポリエステル系可塑剤、グルコール誘導体、グリセリン誘導体、塩素化パラフィン等のパラフィン誘導体、エポキシ誘導体ポリエステル系重合型可塑剤、ポリエーテル系重合型可塑剤、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート誘導体等が挙げられる。
さらに、得られる成形体の表面の摩擦を下げるために、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)には、必要に応じて、各種滑剤を配合してもよい。
滑剤としては、エステル系滑剤、ポリエチレン系滑剤、ポリプロピレン系滑剤、炭化水素系滑剤、及びシリコーンオイルが好ましいものとして挙げられるが、特に限定はなく、さらに、モンタン酸系ワックス、ステアリン酸などの有機脂肪酸、ステアリン酸アミドなどの有機酸アミド、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウムなどの有機酸金属塩が例示できる。これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。なお、ここでいうポリエチレン系滑剤、ポリプロピレン系滑剤には、それぞれ、酸化ポリエチレン系滑剤、酸化ポリプロピレン系滑剤が含まれる。
このような滑剤としては、さらに具体的には、牛脂45硬化油(融点45℃;日本油脂(株)製、以下同じ)、牛脂51硬化油(融点51℃)、牛脂54硬化油(融点54℃)、牛脂極度硬化油(融点60℃)、LicowaxE(滴点79〜85℃;クラリアントジャパン(株)製、滴点は同社カタログより引用、以下同じ)などを挙げることが出来る。
熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)には、熱可塑性エラストマー組成物および得られる成形体の諸物性の調整を目的として、安定剤、難燃剤、顔料、帯電防止剤、抗菌抗カビ剤などをさらに添加してもよい。このうち、安定剤としては、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。充填材を配合してもよい。充填材としては、特に限定されないが、機械特性の改善や補強効果、コスト面等から、無機充填材がより好ましく、酸化チタン、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、タルクがより好ましい。
<熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)の製造方法>
熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)は、例えば、バッチ式混錬装置や連続混錬装置を用いることにより、組成物を得た後にこれを各種方法により粉砕することで得ることができる。
バッチ式混練装置としては、例えば、ミキシングロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、高剪断型ミキサーを使用できる。また、連続混練装置としては、単軸押出機、二軸押出機、KCK押出混練機などを用いることができる。さらに、機械的に混合し、ペレット状に賦形する方法などの既存の方法を用いることができる。
熱可塑性エラストマー組成物を製造するための混練時の温度は、アクリル系ブロック共重合体(A)とアクリル系重合体(B)とが反応し、成形性が低下しない温度が好ましい。アクリル系ブロック共重合体(A)とアクリル系重合体(B)とが反応して成形性が悪化する温度は、酸無水物基やカルボキシル基、官能基(C)の種類、導入量、アクリル系ブロック共重合体(A)やアクリル系重合体(B)の組成、アクリル系ブロック共重合体(A)とアクリル系重合体(B)の相溶性などによって変化する。このため、上記のような要素に応じて、混練温度を適宜設定する必要がある。一般的には、組成物を得た後、その組成物の成形を可能とするため、混練時の温度は200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることがさらに好ましい。混練時の温度が200℃を超えると、混練中に高分子量化や架橋反応が起こり、成形性が低下する傾向にある。ただし、一部に高分子量化や架橋が起こるような条件であっても、成形が可能な程度の温度であればよい。
この熱可塑性エラストマー組成物を粉砕する方法としては、ターボミル、ピンミル、ハンマーミル、遠心ミル等の衝撃型微粉砕機、固定刃と回転刃による剪断作用を用いた粉砕機等を用いる方法がある。さらに、粉砕は常温で行うこともできるが、液体窒素等の冷媒や冷却設備を使用して機械粉砕することもできる。
熱可塑性エラストマー組成物を粉砕する際は、粉砕前の組成物ペレット等の表面に、互着防止用の各種粉末を粉砕助剤として付着させてもよい。粉砕助剤としては、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、シリカ、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、金属石鹸等を用いることができる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、その量は、アクリル系ブロック共重合体(A)を含む組成物100重量部に対して、2〜20重量部程度とするとよい。2重量部未満では、効果が十分ではなく、また20重量部より多いと、得られる組成物粉末(X)の機械特性に悪影響を与える恐れがある。用いる粉砕助剤の粒子径に関しては特に制限されるものではないが、粒子径が大きすぎる場合には、互着防止能力が低く、微細な場合はハンドリング性が低下することとなるため、平均粒子径0.5〜15μmのものを用いるのが好ましい。なお、粉砕助剤は、粉砕により得られる熱可塑性エラストマー組成物粉体に大部分が残留するものの、一部は粉砕工程で脱離し、粉砕機内で分離する。
熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)を得る際は、必ずしも粉砕工程を経なくてもよい。例えば、熱可塑性エラストマー組成物を連続式押し出し機で得る際、特殊なダイスを取り付けることで、組成物粉末(X)をマイクロペレットとして直接得ることができる。また、アクリル系ブロック共重合体(A)を有機溶剤中に溶融させたアクリル系ブロック共重合体溶液へアクリル系重合体(B)を溶解させた後に、水と混合して撹拌し、所定の大きさのアクリル系ブロック共重合体溶液の液滴を形成させ、そのまま加熱することで有機溶剤を蒸発させ、適当な粒度分布を持った粉体を得ることができる。この時、アクリル系ブロック共重合体溶液に、予め上記の架橋促進用の添加剤や触媒、充填材、滑材、安定剤、可塑剤、柔軟性付与剤、難燃剤、顔料、帯電防止剤、抗菌抗カビ剤等を溶解・分散させておいてもよい。また、所定の大きさの液滴を安定して得るために、乳化剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/ポリ酢酸ビニル共重合体、メチルセルロースなどを添加してもよい。
これらの結果得られた粉体は、ふるい等を用いて粒径1〜1000μmのものだけを分取するのが好ましい。これらより粒径の小さいものを含んだ粉体は、粉体同士の凝集を促進させる原因となり、ハンドリング性が低下すると共に粉体流動性が悪化する。このため、パウダースラッシュ成形に用いたときに、金型の端部まで粉体が十分に届かず、成形体の意匠性が損なわれることとなる。また、これらより大きな粒径のものを含んだ粉体は、パウダースラッシュ成形に用いたときに、粒径の大きな粉体が十分に溶融しないため、成形体の意匠性が損なわれることとなる。
<粉末顔料(D)>
粉末顔料(D)としては、特に限定されず、公知の有機顔料及び/又は無機顔料を使用することができる。有機顔料としては例えば不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクドリン系顔料等が挙げられ、無機顔料としては例えばクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物(酸化チタン、酸化亜鉛等)、金属塩類(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、リン酸塩等)、金属粉末、カーボンブラック等が挙げられる。
粉末顔料(D)の熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)に対する添加量は、通常、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)100重量部に対して0.01〜5重量部である。
<無機系顔料分散剤(E)>
粉末顔料(D)は、単独では分散が不十分となりやすく、飛散性が高く熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)との混合時に作業性が悪い、などの問題がある。そのため、シリカや炭酸カルシウムなどの無機系顔料分散剤(E)を併用する必要がある。粉末顔料(D)と無機系顔料分散剤(E)との比率は、通常、粉末顔料(D)100重量部に対して無機系顔料分散剤(E)が20〜400重量部である。
<水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)>
成型した時の金型からの離型性を確保するために、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)には離型剤を添加する必要がある。このような離型剤としては、通常、官能基を含まないジメチルシリコーンオイルが使用される。しかし、本発明にかかる樹脂系の場合、官能基を含まないジメチルシリコーンオイルでは離型性が発現しない、基材としてよく用いられる発泡ウレタンとの接着性が確保できないなどの問題があり、本発明においては、水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)を用いることが必要である。これらの粘度は、25℃における粘度が50〜50,000mm/sの範囲にあることが好ましい。粘度が50mm/sに満たない場合には、揮発分が多いことや引火点が低いことが問題になることがあり、粘度が50,000mm/sを超える場合には、取り扱い性が問題になることがある。
これらの水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)は粉体化を妨げず、凝集が発生しない範囲において、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)を得る際に添加することも出来る。水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)は、水酸基およびカルボキシル基を併用することが、離型性と接着性を両立する上で好ましく、両官能基を含む変性シリコーンオイルを使用するか、水酸基変性シリコーンオイルおよびカルボキシル基変性シリコーンオイルをそれぞれ1種以上併用することが好ましい。水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)の配合量は、アクリル系ブロック共重合体(A)100重量部に対して、0.01〜0.5重量部の範囲で使用するのが好ましい。配合量が0.01重量部未満の場合には、成型時の金型離型性が十分でない場合があり、0.5重量部を超えると、接着性の低下や、ブリードアウトによる触感の悪化、金型の汚染を招く場合がある。
本発明で使用することが出来る変性シリコーンオイル(F)の具体例としては、水酸基変性シリコーンオイルとしては、X−22−4015、X−22−160AS、KF−6001、KF−6002、KF−6003(以上、信越化学工業(株)製)、XF42−B0970(以上、GE東芝シリコーン(株)製)があげられる。
カルボキシル基変性シリコーンオイルとしては、X−22−3701E、X−22−162C(以上、信越化学工業(株)製)、FZ−3703(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)などがあげられるが、それらに限定されるものではない。
<有機粒子(Y)>
本発明で用いる有機粒子(Y)は、ブロック共重合体(A)との相溶性が良好であることからポリメタアクリル酸メチルを主成分とするものであって、メタアクリル酸メチル50〜99.9重量%と、これらと共重合可能なアクリル酸エステルおよび/又はビニル系単量体50〜0.1重量%とからなることが好ましい。
アクリル酸エステルとしては、たとえば、メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成する単量体として例示したアクリル酸エステルと同様の単量体をあげることができる。ビニル系単量体としては、たとえば、メタアクリル酸エステル(メタアクリル酸メチルを除く)、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげることができる。
粒子(Y)の製造方法には特に限定はないが、乳化重合や、懸濁重合、マイクロサスペンション重合のように、重合工程で粒子形状を形成させても良いし、重合体を押出加工の方法で微細な穴を有するダイから押出してカットすることで粒子形状を形成させても良い。また、重合体を粉砕して粒子としても良い。
また、粒子(Y)の平均粒子径はスラッシュ成形用粉体の耐ブロッキング性改善効果、溶融性、およびスラッシュ成型により得られる成型シートの耐スクラッチ性の点から、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)より小さい粒子径を有するものであって、0.1〜30μmのものを用い、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは2〜10μmであることがさらに好ましい。0.1μmより小さい場合には、溶融性が悪くなることがある。これは、粒子径が小さいほど、組成物の粘度が高くなるためと考えられる。また、30μmより大きい場合には、耐ブロッキング性の改善効果が低く、得られたシートの耐スクラッチ性などの物性が悪くなることがある。これは、粒子径が大きいほど、成形体中で破壊の起点となりやすく、これにより、機械物性の低下、特に耐スクラッチ性の低下を引き起こすためであると考えられる。
また、粒子間の摩擦を減少させ、耐ブロッキング性を高めるために、粒子の形状は、球状であることが好ましい。
さらに、粒子(Y)は、通常のスラッシュ成型温度である250℃において熱可塑性を示す粒子、熱可塑性を示さない粒子のいずれも用いることが出来るが、耐熱性の観点から、熱可塑性を示さない粒子であることが好ましい。
粒子(Y)は、(A)アクリル系ブロック共重合体100重量部に対して、1〜20重量部配合する。1重量部より少ない場合には、ブロッキング防止効果が十分でない場合があり、20重量部より多い場合には、機械物性の低下、成形不良などを引き起こす場合がある。この配合比は、ブロック(a)とブロック(b)の重量比や(A)の分子量などに応じて適宜設定されるが、アクリル系ブロック共重合体(A)100重量部に対して、粒子(Y)2〜16重量部であるのが好ましく、(A)100重量部に対して、(B)3〜14重量部であるのがより好ましい。
本発明で使用することができる粒子(Y)の具体例としては、たとえば、エポスターMA1002、MA1004、MA1006、MA1010、MA1013、エポスターMX020W、MX030W、MX050W、MX100W、エポスターYS(以上、(株)日本触媒製)、ゼオンF301、F303、F303D、F303L、F320、F325、F340A、F340、F345、F351、F360(以上、日本ゼオン(株)製)、ガンツパールGM0401S、GMX0610、GMX0810、GM0600、GM0800S(以上、ガンツ化成(株)製)などがあげられる。ただしこれらに限るものではない。
<混合・分散>
熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)と、粉末含量(D)、無機系顔料分散剤(E)、水酸基変性および/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)、並びに有機粒子(Y)との混合・分散方法は、その混合温度以外において特に限定するものではなく、各種混合・混練機を用いて行うことができる。バッチ式であればヘンシェル型ミキサー、タンブラー式ミキサ等が挙げられる。その他に連続式のミキサーも用いることが出来る。あるいは移送における気流中で添加する方式なども採用することができる。これらのなかでも、混合・分散性に優れているためヘンシェル型ミキサーが好適に用いられる。
スラッシュ成形用粉体組成物の製造の際は、液状添加物である水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)を加えることによりハンドリング性、耐ブロッキング性が悪化しやすい。従って、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)に、水酸基変性及び/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)を添加・混合し、この後に粒子成分である粉末顔料(D)、無機系顔料分散剤(E)および有機粒子(Y)を混合することが好ましい。
また、混合・分散時の熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)の温度は−10℃〜60℃以下とする。0℃〜50℃がより好ましい。60℃より温度が高いと、粉末顔料(D)、無機系顔料分散剤(E)および有機粒子(Y)を加えた場合であっても、粒子同士が互着して凝集体が生ずることとなる。更には、これらは以降の成形時のトラブルの原因となるため、予めふるい等で除去する必要があり、歩留まり低下の原因となる。また、−10℃より温度が低いと液状添加物の粘度が増大し、混合による熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)への十分な分散が困難となる。
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例におけるBA、MEA、MMA、TBA、PMMAは、それぞれ、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−メトキシエチル、メタアクリル酸メチル、アクリル酸−t−ブチル、ポリメチルメタクリレートを表わす。また、実施例中に記載した分子量は、以下の方法に従って行った。
<分子量測定法>
本実施例に示す分子量は以下に示すGPC分析装置で測定し、クロロホルムを移動相として、ポリスチレン換算の分子量を求めた。システムとして、ウオーターズ(Waters)社製GPCシステムを用い、カラムに、昭和電工(株)製Shodex(登録商標)K−804(ポリスチレンゲル)を用いた。
<成型性>
成形性は29.4cm×20.4cmのシボ付平板(スラッシュ成形用金型)とパウダーボックスからなる箱型スラッシュ成形機を用いて評価した。条件は、熱可塑性エラストマー組成物粉体を2Kg投入し、260℃に加熱したスラッシュ成形用金型をスラッシュ成形機にセットした後、250℃まで冷却した。金型が250℃となった時点で、反転させ後、6秒間保持し、その後、反転させた。60秒間経過した時点で金型を冷却水で40秒冷却した。さらに空冷を行い、シート温度が30℃まで達した時点で、シートを金型から剥がし、成形シート(厚み1.0mm)を得た。得られた成形体シートの成型性は以下のように評価した。
成型シートの裏面が平滑で、溶融ムラが無く、コーナー部にも凹凸が認められない;成型性○
成型シートの裏面の一部に成型時の熱可塑性エラストマー組成物粉体の粉切れ残りがあり、凹凸が認められる;成型性△
成型シートの裏面で熱可塑性エラストマー組成物粉体の溶融が不十分であり、成型シートの裏面の前面が凸凹である;成型性×
<金型離型性>
スラッシュ成型により得られたシートを金型から引き剥がす試験を行い、目視で観察し、以下の規準で評価した。
成型シートが変形・裂けることなく金型から取り外しでき、シボ面に白化が認められない;離型性○
金型から成型シートを引き剥がす際に、成型シートの一部でも変形・裂けてしまう、あるいはシボ面に白化が認められる;離型性×
<着色性>
スラッシュ成形により得られたシートをシボ面から目視で観察し、以下の規準で評価した。着色ムラが観察されない;○
着色ムラが観察される;×
<磨耗性評価試験>
スラッシュ成形により得られたシートから3cm×10cmのサンプルを切り出し、磨耗試験機にて、磨耗試験を行った。
使用機器:ヘイドン式磨耗試験機14DR(新東科学(株)製)
移動速度:6000mm/分
移動長さ:5cm
移動回数:5往復
荷重重さ:1kg
磨耗ジグ:ASTM式ジグを、ジグがサンプルに対して常に平行になるように軸に固定した。ASTMジグの下側に、アルミニウム製、直径2.5cm、長さ1cmの円柱を半分に切断した半円柱を接着した。その上から、金巾3号の布を4重巻きにて取り付け、ASTMジグの止め具にて固定した。
試験を行い、目視で観察し、以下の基準で評価した。
正面から見て傷がよく分からないもの;○
正面から見て若干でも傷が認められるもの;×
<スクラッチ試験>
スラッシュ成形により得られたシートから10cm×10cmのサンプルを切り出し、台紙に貼り付けて、測定サンプルとした。以下の条件にて、スクラッチ試験を行った。
使用機器:テーバースクラッチテスタ(東洋精機(株)製)
回転数:0.5rpm
カッター:タングステンカーバイド、4.8mm角×19mm長、刃先半径12.7mm
カッターの向き:カッターの刃側が下になるように、カッターの長い面が上になるように取り付けた(図1参照)。
荷重1Nで試験を行い、目視で観察し、以下の基準で評価した。
正面から見て傷がよく分からないもの;○
正面から見て若干でも傷が認められるもの;×
<ウレタン接着性試験>
実施例に従って組成物をスラッシュ成形して表皮材を、あらかじめ40℃に設定したウレタン発泡型(縦140mm×横200mm×高さ10mmの蓋付容器、SUS304製)に表皮材のシボ面を下にしてセットした。ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製 CEI−264)17gおよびポリオール(三洋化成工業(株)製、HC−150)34gを室温で10秒ハンドミキサーによる攪拌を行い、表皮材がセットされたウレタン発泡型に注入後、蓋をして、2.5分間発泡させた。発泡終了後、発泡型からサンプルを取り出し、24時間室温で養生の後、発泡ウレタンから表皮材を手で剥離させて破壊の状態を観察し、以下の基準で評価した。
ウレタン材料で破壊が起こっているもの;○
シートとウレタンの界面で破壊が起こっているもの;×
(製造例1)
<アクリル系ブロック共重合体(A)前駆体の合成>
アクリル系ブロック共重合体(A)前駆体を得るために以下の操作を行なった。500Lの耐圧反応器内を窒素置換したのち、臭化銅692g(4.82モル)、BA77800g(607モル)及びTBA3470g(27.1モル)を仕込み、攪拌を開始した。その後、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル965g(2.68モル)をアセトニトリル(窒素バブリングしたもの)7140gに溶解させた溶液を仕込み、内溶液を75℃に昇温しつつ30分間攪拌した。内温が75℃に到達した時点で、配位子ペンタメチルジエチレントリアミン83.6g(0.482モル)を加えてアクリル系重合体ブロックの重合を開始した。
重合開始から一定時間ごとに、重合溶液約100mLをサンプリングし、これをガスクロマトグラムで分析することによりBA、TBAの転化率を決定した。重合の際、ペンタメチルジエチレントリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。なお、ペンタメチルジエチレントリアミンはアクリル系重合体ブロック重合時に合計2回(合計168g)添加した。
BAの転化率が99.0%、TBAの転化率が99.3%の時点で、MMA49600g(495モル)、EA8050g(80.4モル)、塩化銅478g(4.82モル)、ペンタメチルジエチレントリアミン83.6g(0.482モル)及びトルエン(窒素バブリングしたもの)106900gを加えて、メタクリル系重合体ブロックの重合を開始した。
MMA、EAを投入した時点でサンプリングを行ない、これを基準としてMMA、EAの転化率を決定した。MMA、EAを投入後、内温を85℃に設定した。重合の際、ペンタメチルジエチレントリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。なお、ペンタメチルジエチレントリアミンはメタクリル系重合体ブロック重合時に合計6回(合計502g)添加した。MMAの転化率が96.1%の時点でトルエン250000gを加え、反応器を冷却して反応を終了させた。得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnは77500、分子量分布Mw/Mnは1.49であった。
得られた反応溶液にトルエンを加えて、重合体濃度を25重量%とした。この溶液にp−トルエンスルホン酸を2200g加え、反応機内を窒素置換し、30℃で3時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が無色透明になっていることを確認して、昭和化学工業(株)製ラヂオライト#3000を6630g添加した。その後反応機を窒素により0.1〜0.4MPaGに加圧し、濾材としてポリエステルフェルトを備えた加圧濾過機(濾過面積0.45m)を用いて固体分を分離した。本製造例1で得られるメタクリル系重合体ブロック(a)のガラス転移温度を上記Fox式に従って計算したところ、101℃であった。
(製造例2)
製造例1で得られた濾過後のブロック共重合体溶液約450000gに対し、酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガノックス1010)675gを添加し、溶解した。応機内を窒素置換し、内温150℃で2時間撹拌した後、60℃に冷却した。キョーワード500SH1310gを加え反応機内を窒素置換し、30℃で2時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が中性になっていることを確認して反応終了とした。その後反応機を窒素により0.1〜0.4MPaGに加圧し、濾材としてポリエステルフェルトを備えた加圧濾過機(濾過面積0.45m)を用いて固体分を分離し、重合体溶液を得た。得られた重合体溶液200kgをコンデンサ付500L耐圧反応器内にて、溶液温度を70℃〜75℃に温度制御しながら、0.03MPaに減圧し、アセトニトリルの全量およびトルエンの一部を除去することで重合体溶液濃度を50重量%とした。
(製造例3)
製造例2で得られた重合体溶液26250g、トルエン26750g、エポキシ基含有アクリル系重合体((東亞合成(株)製、ARUFON XG4010;エポキシ基を1分子中に平均4個含有(カタログデータより算出))1310g、可塑剤(旭電化(株)製、RS700)1310g、滑剤(日本油脂(株)製、牛脂極度硬化油)131g、純水10500gおよびポリビニルアルコール系界面活性剤(日本合成化学工業(株)製、KH−17)131g(3%水溶液として4380g添加)を200L耐圧攪拌装置に仕込み、250rpmで攪拌しながら攪拌槽下部よりスチームを吹き込んで昇温した。温度上昇によって蒸発した溶媒ガスはコンデンサに導入して逐次溶媒を回収し、液温が95℃に到達して5分後、スチーム投入を停止した。ジャケットに通水することにより液温が60℃まで冷却した後、遠心脱水を行った。脱水後、平均粒子径210μmの球状の含水率20%の粉体を得た。
(実施例1)
得られた含水率20%の粉体3750gに有機粒子((株)日本触媒製、エポスターMA1002)120gをハンドブレンドで添加し、バッチ式流動乾燥機で樹脂温度最大50℃の条件で乾燥し、水分含量が0.4%の球状粉体を得た。得られた粉体3060gをヘンシェル型ミキサー((株)カワタ製、スーパーミキサー SMV−20)に投入し、低速回転で攪拌しながら水酸基変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、X−22−4015) 0.38gおよびカルボキシル基変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製、FZ−3703)を1.1g添加した後、高速回転で5分混合した。終了時の槽内の粉体温度は24℃であった。停止後、PMMA微粒子(MA1002)を60g添加し、高速回転で1分混合した。この後、黒色顔料組成物(住化カラー(株)社製 PV−817;粉末顔料であるカーボンブラックと顔料分散剤である炭酸カルシウムを40/60の割合で混合したもの)を9.0g添加し、高速回転で1分混合することで、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1における黒色顔料組成物の代わりに赤色顔料組成物(住化カラー(株)社製PV−102;粉末顔料であるペリレンと顔料分散剤である炭酸カルシウムを40/60の割合で混合したもの)を9.0g用いた以外は、実施例1と同様にして添加剤添加を実施し、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1における黒色顔料組成物の代わりに赤色顔料組成物(住化カラー(株)社製PV−346;粉末顔料であるクロムチタンイエローと顔料分散剤である炭酸カルシウムを70/30の割合で混合したもの)を18.0g用いた以外は、実施例1と同様にして添加剤添加を実施し、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1における黒色顔料組成物の代わりに緑色顔料組成物(住化カラー(株)社製PV−346;粉末顔料であるフタロシアニングリーンと顔料分散剤である炭酸カルシウムを40/60の割合で混合したもの)を9.0g用いた以外は、実施例1と同様にして添加剤添加を実施し、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1における黒色顔料組成物の代わりに茶色顔料組成物(住化カラー(株)社製PV−346;粉末顔料である酸化鉄と顔料分散剤である炭酸カルシウムを70/30の割合で混合したもの)を18.0g用いた以外は、実施例1と同様にして添加剤添加を実施し、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、水酸基変性シリコーンオイルを添加しなかった以外は同様にして添加剤添加を実施し、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、カルボキシル基変性シリコーンオイルを添加しなかった以外は同様にして添加剤添加を実施し、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、シリコーンオイル添加後に追加添加するPMMA微粒子(MA1002)60gを添加しなかった以外は同様にして添加剤添加を実施し、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1における黒色顔料組成物の代わりにカーボンブラック(旭カーボン(株)社製旭#35G)を9.0g用いた以外は、実施例1と同様にして添加剤添加を実施し、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1における黒色顔料組成物の代わりに顔料分散剤として有機系顔料分散剤であるステアリン酸マグネシウムを使用した黒色顔料組成物(大日精化工業(株)製 PM1740ブラック;粉末顔料であるカーボンブラックと顔料分散剤であるステアリン酸マグネシウムを50/50の割合で混合したもの)を9.0g用いた以外は、実施例1と同様にして添加剤添加を実施し、スラッシュ成形用粉体組成物を得た。得られた粉体を用いて、スラッシュ成形性評価および成形シート特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2009067853
実施例1〜5と、比較例1および2の評価結果の比較から、水酸基変性および/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)を用いることで、金型離型性とウレタン接着性の両方を確保することが可能であることがわかる。また、実施例1〜5と比較例3の評価結果の比較から、有機粒子(Y)を添加することで、成型時の粉体特性が良好な材料とすることが可能であることがわかる。さらに、実施例1〜5と比較例4の評価結果の比較から、無機系顔料分散剤(E)を用いることで、着色性を確保可能であることがわかる。さらに、実施例1〜5と比較例5の評価結果の比較から、顔料分散剤として無機系顔料分散剤(E)を用いることで、有機系顔料分散剤では困難なウレタン接着性を確保可能であることがわかる。
以上のことから、本発明の方法により得られるスラッシュ成形用粉体組成物は、アクリル系材料が有する耐候性、耐薬品性、柔軟性及び耐磨耗性に加え、成形性、着色性および金型離型性のバランスに優れた材料であることがわかる。
スクラッチ試験の様子を表した図。

Claims (2)

  1. メタアクリル系重合体を主成分とし、ガラス転移温度が50〜130℃であるメタアクリル系重合体ブロック(a)15〜50重量%と、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体50〜100重量%並びにこれらと共重合可能な異種のアクリル酸エステルおよび/又はビニル系単量体50〜0重量%からなり、酸無水物基および/またはカルボキシル基を有するアクリル系重合体ブロック(b)85〜50重量%とからなり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量が30,000〜200,000であるアクリル系ブロック共重合体(A)と、1分子中に少なくとも1.1個以上の反応性官能基(C)を有するアクリル系重合体(B)とからなる粒子径1〜1000μmの熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)100重量部に対して、粉末顔料(D)0.01〜5重量部、無機系顔料分散剤(E)0.01〜5重量部、水酸基変性および/またはカルボキシル基変性シリコーンオイル(F)0.01〜5重量部、および粒子径が0.1〜30μmであって、熱可塑性エラストマー組成物粉体(X)より小さい粒子径を有する有機粒子(Y)0.5〜20重量部を、温度を−10℃〜60℃に制御しながらブレンドすることを特徴とするスラッシュ成形用粉体組成物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により得られるスラッシュ成形用粉体組成物をパウダースラッシュ成形してなる自動車内装用表皮。
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