JP2009063770A - 透過型光記録媒体及びこれにホログラムを記録するホログラム記録装置、ホログラム記録方法 - Google Patents

透過型光記録媒体及びこれにホログラムを記録するホログラム記録装置、ホログラム記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚方向にデータを複数記録する方式において不要露光を減少させることができる透過型光記録媒体及びこれにホログラムを記録するホログラム記録装置、ホログラム記録方法を提供する。
【解決手段】フォトポリマー等の情報の記録を定着できる記録材料により形成された第1の記録層12と第2の記録層14とが、それらの間に配置された偏光板16を介して積層配置され、透過型光記録媒体10を構成している。また、第1の記録層12と第2の記録層14の表面には、保護層18,20が積層されている。この透過型光記録媒体10には、第1の記録層12の側から、信号成分を含み、偏光板16を透過しない第1の偏光を参照光とともに集光して第1の記録層12にホログラムを記録し、次に偏光板16を透過する第2の偏光を参照光とともに集光して第2の記録層14にホログラムを記録する。
【選択図】図1

Description

本発明は、透過型光記録媒体及びこれにホログラムを記録するホログラム記録装置、ホログラム記録方法に関する。
CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)等の従来の光ディスクでは、データをビット単位で平面方向に記録している。そのため、波長の短いレーザの使用等により面記録密度を上げることで大容量化を図っている。
これに対してホログラム記録は、ビット単位での記録ではなく、2次元状に配列されたデジタル情報をページデータとして扱っている。また、レーザ光の干渉縞による体積ホログラムとして記録することで、記録容量の大容量化と高速データ転送を可能にしている。
下記特許文献1では、膜厚方向にデータを複数記録する方式により光記録媒体の厚さ方向を有効利用するホログラム記録方法が提案されている。この方法によれば、光記録媒体の厚さ方向を有効に利用することにより記録容量の向上が可能となる。
特開2007−25417号公報
記録容量をさらに向上させるためには、記録や定着の際に用いられる光が、光記録媒体の所望する領域以外に照射されること(不要露光)を減少させる必要がある。
本発明の目的は、光記録媒体に対して同方向から記録光(信号光と参照光)を照射し、光記録媒体の膜厚方向に複数のデータを透過型ホログラムとして記録する方式において、不要露光を減少させることができる透過型光記録媒体及びこれにホログラムを記録するホログラム記録装置、ホログラム記録方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の透過型光記録媒体の発明は、情報の記録を定着することが可能な記録材料により形成された第1の記録層と、情報の記録を定着することが可能な記録材料により形成された第2の記録層と、前記第1の記録層と第2の記録層との間に配置された偏光板と、を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、前記第1の記録層と第2の記録層との間に特定の波長の光の透過量を低減させるフィルタを設けたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明であって、前記第1の記録層及び第2の記録層がフォトポリマーで形成されており、前記第1の記録層と第2の記録層の表面のうち、前記偏光板と接している表面の反対側の表面にそれぞれ保護層が積層されていることを特徴とする。
請求項4記載のホログラム記録装置の発明は、コヒーレント光を照射する光源と、前記光源から照射された光から、信号成分を含む直線偏光を生成する偏光生成手段と、前記偏光生成手段が生成した直線偏光を、第1の偏光または前記第1の偏光とは振動方向が異なる第2の偏光に切り替える偏光切替手段と、前記偏光切替手段により切り替えられた前記第1の偏光または第2の偏光を、透過型光記録媒体に対して集光する集光手段と、前記集光手段により前記第1の偏光または第2の偏光が集光される集光位置を、前記第1の偏光と第2の偏光とに応じて、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の透過型光記録媒体の前記第1の記録層または第2の記録層に制御する集光位置制御手段と、を備え、前記集光位置に集光された光を前記透過型光記録媒体に透過型ホログラムとして記録することを特徴とする。
請求項5記載のホログラム記録方法の発明は、第1の振動方向を持つ直線偏光である第1の信号光と参照光とを、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の透過型光記録媒体の第1の記録層に、前記第1の記録層側から照射して第1の透過型ホログラムを記録し、第1の振動方向とは異なった振動方向の直線偏光である第2の信号光と参照光とを、前記透過型光記録媒体の第2の記録層に、前記第1の記録層側から照射して第2の透過型ホログラムを記録する、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、光記録媒体に対して同方向から記録光を照射し、光記録媒体の膜厚方向に複数のデータを透過型ホログラムとして記録する方式において、本構成を有していない場合に比べて不要露光の影響が少ないホログラム記録を実現できる透過型光記録媒体が提供できる。
請求項2の発明によれば、直線偏光の定着光を用いて第1の記録層を定着処理しなくても、定着光による第2の記録層の不要露光の影響を低減できる透過型光記録媒体が提供できる。
請求項3の発明によれば、他の材料に比べて感度の高いフォトポリマーを用いた記録媒体を提供できる。
請求項4の発明によれば、光記録媒体に対して同方向から記録光を照射し、光記録媒体の膜厚方向に複数のデータを透過型ホログラムとして記録する方式において、本構成を有していない場合に比べて不要露光の影響が少ないホログラム記録を実現できる記録装置を提供できる。
請求項5の発明によれば、光記録媒体に対して同方向から記録光を照射し、光記録媒体の膜厚方向に複数のデータを透過型ホログラムとして記録する方式において、本構成を有していない場合に比べて不要露光の影響が少ないホログラム記録を実現できる記録方法を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1には、本発明にかかる透過型光記録媒体の一実施形態の部分断面図が示される。図1において、透過型光記録媒体10は、フォトポリマー等の情報の記録を定着することができる記録材料により形成された第1の記録層12と第2の記録層14とが、それらの間に配置された偏光板16を介して積層配置された構造となっている。
ここで、上記フォトポリマーとしては、例えば特許第2849021号に開示されているような体積記録用のフォトポリマーを使用することができる。これらの材料は、記録を定着させることができ、また異方性を有さず、特定の振動方向を有する直線偏光に対してのみ感光性(吸光度)が高くなることがない。従って、どのような光を照射しても略同一の感光性を有し、同様のホログラムを記録することができる。
また、偏光板16は特定の偏光角の直線偏光のみを透過させるように設計されたものであり、一般的に偏光フィルタと呼ばれるものなどが採用できる。
また、上記第1の記録層12と第2の記録層14とは、一方側の表面すなわち偏光板16と接している表面の反対側の表面に、それぞれ保護層18,20が積層されている。この保護層18及び保護層20は、ガラス、ポリカーボネート等の透明材料で形成されており、フォトポリマーに対する保護層として機能する。
図2には、本発明にかかる透過型光記録媒体の他の実施形態の部分断面図が示され、図1と同一部材には同一符号を付してその説明を省略する。図2において特徴的な点は、第1の記録層12と第2の記録層14との間に特定の波長の光の透過量を低減させるフィルタ22を設けた点にある。なお、偏光板16とフィルタ22との積層順序は限定されない。
以上に述べた、図1及び図2の透過型光記録媒体は、光記録媒体に対して同方向から記録光(信号光と参照光)を照射し、光記録媒体の膜厚方向に複数のデータを透過型ホログラムとして記録する(膜厚方向における複数箇所でデータを記録する)方式によりホログラムを記録する場合に使用される。
図3には、図1または図2に示された透過型光記録媒体にホログラムを記録し、または再生するホログラム記録・再生装置の一実施形態の構成例が示される。図3において、信号光をホログラムとして記録する際には、レーザ光を発生する光源24からのコヒーレント光をレンズ26,28によって口径の広い平行光にし、偏光子30及びλ/2板32を介して空間光変調器34に入射させる。本実施形態においては、偏光子30と空間光変調器34が偏光生成手段にあたる。
ここで、偏光子30は、上記平行光から直線偏光を生成し、λ/2板32は、偏光子30が生成した直線偏光の振動方向を切り替える。具体的には、図1または図2に示された透過型光記録媒体の偏光板16を透過しない第1の偏光と偏光板16を透過する第2の偏光とを切り替える。λ/2板32を直線偏光が通過する場合、その光学軸と出射する直線偏光の振動方向とのなす角度は、理論上光学軸と入射した直線偏光の振動方向とのなす角度の2倍の角度となる。従って、上記第1の偏光と第2の偏光との切り替えは、λ/2板32を信号光Sの光軸を中心として所定の角度回転させ、光学軸と入射した直線偏光の振動方向とのなす角度を制御することにより行うことができる。λ/2板32の回転制御は、偏光切替部36が行う。
なお、偏光切替部36は、偏光子30を回転させることにより、偏光子30で生成される直線偏光の振動方向を切り替える構成としてもよい。
上記空間光変調器34は、例えば液晶パネルにより構成され、図示しないコンピュータによって2値のデジタルデータ「0,1」を例えば「明、暗」としたデジタル画像(2値画像)を表示する。これによって、空間光変調器34を通過した光は、2値画像の各画素の値に応じて強度変調されて信号光Sとなる。空間光変調器34には、上述したように、偏光子30及びλ/2板32により、所定の振動方向を有する第1の偏光または第2の偏光が入射されるので、生じる信号光Sも偏光となっている。この信号光Sを、フーリエ変換レンズ38によってフーリエ変換し、図1または図2に示された構造を有する透過型光記録媒体40に、第1の記録層12の側から照射する。
なお、上記空間光変調器34と偏光子30の配置順序は図3の例に限定されず、空間光変調器34を偏光子30よりも光源24側に配置してもよい。
また、参照光Rは、上記信号光Sと光軸を共通にして、その外側から透過型光記録媒体40に照射される。この参照光Rも、光源24からのコヒーレント光をレンズ26,28によって平行光にし、偏光子30及びλ/2板32を通過させ、空間光変調器34の外周領域に入射させる。
図4には、空間光変調器34の表示パターンが示される。図4において、中央領域Aには、信号光Sを生成するための2値画像が表示され、外周領域Bには参照光Rが透過する。
空間光変調器34の外周領域を通過した参照光Rは、信号光Sと同様にフーリエ変換レンズ38によってフーリエ変換され、透過型光記録媒体40に照射される。
図3の実施形態においては、集光位置制御部42が、透過型光記録媒体40を保持しつつ光軸方向(図の矢印A方向)に移動させることにより、透過型光記録媒体40とフーリエ変換レンズ38との距離を調整する。これにより、フーリエ変換レンズ38により透過型光記録媒体40に対して第1の偏光または第2の偏光を集光する集光位置を制御することができる。この場合、上記集光位置は、第1の偏光と第2の偏光とに応じて決定される。すなわち、透過型光記録媒体40に、第1の記録層12の側から第1の偏光または第2の偏光を照射する場合、偏光板16を透過しない第1の偏光は、図1または図2に示された第1の記録層12の厚さ方向における予め設定された位置に集光される。これにより、第1の記録層12にホログラムを記録している際に、第1の偏光が偏光板16により遮光され、第2の記録層14まで到達しないので、第2の記録層14に不要露光が生じることを回避できる。また、偏光板16を透過する第2の偏光は、図1または図2に示された第2の記録層14の厚さ方向における予め設定された位置に集光される。第2の記録層14の露光の前に第1の記録層12へのホログラム記録を終了し、適宜な定着光によりフォトポリマーを定着しておけば、第2の記録層14にホログラムを記録している際に、第1の記録層12に不要露光が生じることを回避できる。
以上の工程により、透過型光記録媒体40の第1の記録層12及び第2の記録層14の中でフーリエ変換後の信号光Sと参照光Rとが干渉し、信号光Sをホログラムとして膜厚方向の複数箇所においてそれぞれ記録することが可能となる。
上記第1の記録層12の定着処理は、例えば参照光Rを照射してもよいし、図3の光源24とは別の光源を例えばLED(発光ダイオード)等で形成してもよい。参照光Rを照射する場合には、第2の記録層14に不要露光が生じることを回避するために、参照光Rを、偏光板16を透過しない第1の偏光とする。また、別の光源を使用する場合には、例えば図3に破線で示すように、信号光S及び参照光Rとは別の光路から透過型光記録媒体40に照射してもよい。また、記録に用いる光とは異なる波長(特定波長)の光を定着光として用い、図2に示されるように、特定波長の光を透過させないフィルタ22を設け、第1の記録層12の定着光を遮断すれば、第1の記録層12の定着処理の際に、第2の記録層14に不要露光が生じることを回避できる。
なお、本実施形態においては、フィルタ22は必須の構成ではない。例えば、上述したように第1の記録層12の定着光として偏光板16を透過しない第1の偏光により定着処理を行えば、第2の記録層14の不要露光を回避できる。しかし、フィルタ22を設けることにより、第1の記録層12の定着処理に低コストのLEDを使用することができる。
また、図2に示された実施形態において、偏光板16を使用せず、フィルタ22のみを設ける構成とした場合、第1の記録層12におけるホログラム記録を、第2の記録層14を感光させないような波長の光で実施する必要がある。また、第2の記録層14のホログラム記録をフィルタ22を透過する波長の光で実施する必要がある。このため、ホログラム記録用の光源(可干渉性の光である必要があるので、レーザ等の高コストの光源が必要となる)を複数設ける必要が生じ、得策ではない。
次に、図3において、ホログラムの回折光から情報を再生する際には、光源24からのコヒーレント光から空間光変調器34により参照光Rのみを生成し、フーリエ変換レンズ38によってフーリエ変換し、透過型光記録媒体40に照射する。この場合、図4に示された空間光変調器34において、表示パターンの中央領域Aを透過する信号光Sを遮断し、参照光Rのみが外周領域Bを透過するように制御する。また、光源24からのコヒーレント光は、偏光子30及びλ/2板32を通過させず、無偏光の光を使用することができる。なお、偏光子30及びλ/2板32を通過させて、偏光を再生に使用する場合には、偏光板16を透過する第2の偏光とする。
以上により発生するホログラムからの回折光を逆フーリエ変換レンズ44で平行光とし、光検出器46により受光する。回折光を受光した光検出器46の出力信号は、コンピュータ等により実現される情報取得部48に入力され、ホログラムに含まれていた情報を取得する。
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、記載の内容を変更しない範囲で種々の応用が可能である。たとえば、本実施の形態では信号光と参照光とを、両者の光軸が一致するように照射する同軸光学系で説明したが、それぞれ別の光路から光記録媒体に照射させる二光波光学系であっても採用できる。
本発明にかかる透過型光記録媒体の一実施形態の部分断面図である。 本発明にかかる透過型光記録媒体の他の実施形態の部分断面図である。 図1または図2に示された透過型光記録媒体にホログラムを記録し、または再生するホログラム記録・再生装置の一実施形態の構成例を示す図である。 空間光変調器の表示パターンを示す図である。
符号の説明
10 透過型光記録媒体、12 第1の記録層、14 第2の記録層、16 偏光板、18,20 保護層、22 フィルタ、24 光源、26,28 レンズ、30 偏光子、32 λ/2板、34 空間光変調器、36 偏光切替部、38 フーリエ変換レンズ、40 透過型光記録媒体、42 集光位置制御部、44 逆フーリエ変換レンズ、46 光検出器、48 情報取得部。

Claims (5)

  1. 情報の記録を定着することが可能な記録材料により形成された第1の記録層と、
    情報の記録を定着することが可能な記録材料により形成された第2の記録層と、
    前記第1の記録層と第2の記録層との間に配置された偏光板と、
    を備えることを特徴とする透過型光記録媒体。
  2. 請求項1記載の透過型光記録媒体であって、前記第1の記録層と第2の記録層との間に特定の波長の光の透過量を低減させるフィルタを設けたことを特徴とする透過型光記録媒体。
  3. 請求項1または請求項2記載の透過型光記録媒体であって、前記第1の記録層及び第2の記録層はフォトポリマーで形成されており、前記第1の記録層と第2の記録層の表面のうち、前記偏光板と接している表面の反対側の表面にそれぞれ保護層が積層されていることを特徴とする透過型光記録媒体。
  4. コヒーレント光を照射する光源と、
    前記光源から照射された光から、信号成分を含む直線偏光を生成する偏光生成手段と、
    前記偏光生成手段が生成した直線偏光を、第1の偏光または前記第1の偏光とは振動方向が異なる第2の偏光に切り替える偏光切替手段と、
    前記偏光切替手段により切り替えられた前記第1の偏光または第2の偏光を、透過型光記録媒体に対して集光する集光手段と、
    前記集光手段により前記第1の偏光または第2の偏光が集光される集光位置を、前記第1の偏光と第2の偏光とに応じて、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の透過型光記録媒体の前記第1の記録層または第2の記録層に制御する集光位置制御手段と、
    を備え、前記集光位置に集光された光を前記透過型光記録媒体に透過型ホログラムとして記録することを特徴とするホログラム記録装置。
  5. 第1の振動方向を持つ直線偏光である第1の信号光と参照光とを、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の透過型光記録媒体の第1の記録層に、前記第1の記録層側から照射して第1の透過型ホログラムを記録し、
    第1の振動方向とは異なった振動方向の直線偏光である第2の信号光と参照光とを、前記透過型光記録媒体の第2の記録層に、前記第1の記録層側から照射して第2の透過型ホログラムを記録する、
    ことを特徴とするホログラム記録方法。
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