JP2009063711A - 有機el素子及び有機el表示装置の検査方法、並びに生産システム - Google Patents
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Abstract
【課題】有機EL素子及び有機EL表示装置の潜在的な非点灯部位を検知する検査方法を提供する。
【解決手段】有機EL素子の発光領域に励起光を照射することにより得られる発光層に由来する発光スペクトルを測定する第一のステップと、該発光スペクトルから該有機EL素子の潜在的非点灯領域を検出する第二のステップと、からなることを特徴とする、有機EL素子の検査方法。
【選択図】なし
【解決手段】有機EL素子の発光領域に励起光を照射することにより得られる発光層に由来する発光スペクトルを測定する第一のステップと、該発光スペクトルから該有機EL素子の潜在的非点灯領域を検出する第二のステップと、からなることを特徴とする、有機EL素子の検査方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、有機EL素子及び有機EL表示装置の検査方法、並びに生産システムに関する。
近年、液晶ディスプレイに代わるフラットパネルディスプレイ用のデバイスとして自発光型デバイスが注目されている。自発光型デバイスを使用したディスプレイは、液晶ディスプレイのようにバックライト光源を必要とせず、また高速応答性、視野角依存性が小さい等の特徴がある。ここで自発光型デバイスとして、具体的には、プラズマ発光素子、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネセンス素子等が挙げられる。
このうち、エレクトロルミネセンス素子(以下、「EL素子」と記す)は無機EL素子と有機EL素子に大別される。ここで、最近特にディスプレイ等の表示装置用として使用されるデバイスとして脚光を浴びているのは、消費電力が低いことを特徴とする有機EL素子である。
ここで有機EL素子とは、有機材料に電流を流すことで発光を得る素子である。有機材料に電流を流して発光を得る例として、古くは、非特許文献1にて開示されているアントラセン蒸着膜に電圧を印加して発光させた例がある。また有機EL素子が発光デバイスとして注目を浴びるきっかけとなったのは、1987年にT.W.Tangらにより発表された非特許文献2が発端である。非特許文献2において、Tangらは蛍光性金属キレート錯体とジアミン系分子の薄膜を積層した構造を利用し、DC駆動で高輝度な発光が得られることを実証している。さらに有機EL素子は、無機EL素子に比べて大面積化が容易であること、各種新材料の開発により所望の発光色が得られること、高速応答でかつ低電圧で駆動可能であること等の利点を有する。これにより、近年有機EL素子は、材料開発を含めてデバイス化のための応用研究が精力的に行われている。
一方、有機EL素子及び有機EL表示装置を製品化するには、安定した発光特性を示す素子及び表示装置の製造技術、並びに検査技術が必要である。近年、封止技術、成膜装置に関連する製造技術等の進歩によって、有機EL素子の寿命は飛躍的に向上したものの、未だに駆動後しばらくしてから非点灯領域が発生するという課題が残っている。
ところで、有機EL素子は膜厚数十nmといった薄膜を積層してなる構造であるため、当該薄膜は成膜プロセスに起因する微小なゴミの影響を受け易い。また、この微小なゴミが有機積層膜に混入すると、この有機薄膜層を有する画素に非点灯領域が多発する等の問題が生じる。この微小なゴミに対しては、一般的には、表示装置の顕微鏡検査や発光検査を行い、直接異物混入画素を検出してレーザーリペア工程等へフィードバックすることが行われている。検出方法についても、特許文献1で開示されるように、生産工程のできる限り早い段階で異物混入等の不良発生を非破壊で発見する方法が提案されている。一方で、特許文献2に開示されるように、有機EL素子を製造するにあたり、非点灯領域が発生しにくくする方法も提案されている。
しかしながら、非点灯領域の発生は必ずしも異物の発生等といった顕微鏡等で検出可能な原因によるものとは限られず、顕微鏡等の検査では健常に見える有機EL素子においても次第に非点灯領域が発生する場合がある。かかる非点灯領域の発生は有機EL素子を搭載する製品の品質保証を著しく困難にしてしまう。
そこで本発明の目的は、有機EL素子及び有機EL表示装置の潜在的な非点灯部位を検知する検査方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、有機EL素子及び有機EL表示装置を搭載した製品のより高い品質保証を実現することができる生産システムを提供することである。
本発明の有機EL素子の検査方法は、有機EL素子の発光領域に励起光を照射することにより得られる発光層に由来する発光スペクトルを測定する第一のステップと、該発光スペクトルから該有機EL素子の潜在的な非点灯領域を検出する第二のステップと、からなることを特徴とする。
本発明によれば、有機EL素子及び表示装置の潜在的な非点灯部位を検知する方法を提供することができる。また、本発明によれば、有機EL素子を搭載した製品のより高い品質保証を実現することができる生産システムを提供することができる。
本発明の検査方法は、有機EL素子の発光領域の少なくとも一部の領域の発光層に励起光を照射し発光層の発光スペクトルを測定している。これにより、従来困難だった素子の潜在的非点灯を検出することができる。また、本発明の検査方法により、潜在的な非点灯領域を検出することができる。このため出荷後の製品のより高度な品質保証を実現することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の有機EL素子の検査方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の有機EL素子の検査方法における第一の実施形態を示す図である。ここで、(a)は有機EL素子の発光領域に励起光を照射する様子を示す図であり、(b)は発光スペクトルのピーク強度の時間的変化を示す図である。
本発明の有機EL素子の検査方法は、第一のステップとして、有機EL素子の発光領域に励起光を照射することにより得られる発光層に由来する発光スペクトルを測定する。即ち、有機EL素子の発光領域に励起光を照射すると、その励起光により発光層を構成する材料が励起され発光するので、この発光の発光スペクトルを測定するものである。ここで励起光を照射するときは、図1(a)に示されるように、励起光の照射位置である検出領域2は、有機EL素子の発光領域1の全体を覆う必要はない。即ち、検出領域2は発光領域1の一部分であってもよい。
また第一のステップは、好ましくは、励起光を同一の発光領域において連続的に照射し、発光スペクトルの時間変化を調べるステップである。こうすることで、例えば、図1(b)に示されるように、所定の照射位置における発光スペクトルのピーク強度と励起光の照射時間との関係が明らかになる。ここで発光スペクトルのピーク強度と励起光の照射時間との関係は、図1(b)に示されるように、ピーク強度がほぼ横ばいの状態3であるか、ピーク強度が時間を追うごとに徐々に増加する状態4のいずれかである。発光スペクトルの時間変化が状態4で示される照射位置においては、その位置において非点灯領域が発生する可能性が高いといえる。そこで本発明の有機EL素子の検査方法は、第二のステップとして、測定される発光スペクトルから有機EL素子の潜在的な非点灯領域を検出する。
図2は、本発明の有機EL素子の検出方法における第二の実施形態を示す図である。ここで、(a)は発光領域に励起光を照射する光源の走査方向を示す図であり、(b)は光源の位置に対する発光スペクトルのピーク強度を示す図である。
励起光を照射する際に、発光領域よりもスポット径が小さい光源を励起光源として用いると、発光領域の一部分に励起光を照射することができる。そこで図2(a)に示すように、一定の方向に光源を走査させると、光源を走査した位置ごとに発光層に由来する発光スペクトルが得られる。光源を走査する方向は、図2(a)で示される縦方向5に限られるものではなく、横方向、斜め方向等であってもよい。
光源を走査した結果、図2(b)に示される発光スペクトルのピーク強度と光源の走査位置との関係が得られる。ここで両者の関係は、ピーク強度がほぼフラットな状態6であるか、ピーク強度が部分的に特異的に高い値を示す状態7であるか、のいずれかである。発光スペクトルの位置依存性が状態7で示される場合、発光スペクトルのピーク強度が極大的に高く検出された領域においては非点灯領域を誘発する領域となる可能性が高いといえる。
ここで、本発明の原理である潜在的に非点灯領域となり得る領域が、発光層に由来する発光スペクトルによって検知される仕組みを、以下に説明する。
図3は、発光スペクトルのピーク強度が特異的に高い部分、即ち、特異点が発生・成長する様子を示す図である。有機EL素子は素子を構成する薄膜が大気にさらされないように通常封止される。この封止された有機EL素子に徐々に大気が導入されると、やがて部分的に斑点状の特異点8が発生する。ここでいう特異点8とは、一般に、顕微鏡で発光領域を観察したときに他の部分と比較して反射率の異なる場所として認められる部分である。この特異点8は、始め図3の左端側に示されるように、発光領域1内で確認することができないが、時間の経過、大気の導入等の理由により、図3の中央側に示されるように、斑点状の特異点8が発生する。この斑点状の特異点8は、さらに時間が経過すると図3の右端側に示されるように成長したり増加したりする。ここで斑点状の特異点8が生じた領域は、概ね素子を駆動した時に非点灯領域となる。
ここで、この特異点が発生したことにより、発光層に由来する発光スペクトルがどのような影響を受けるかについて以下に説明する。
図4(a)は直径が200μmである斑点状領域及びその周辺部における発光スペクトルのピーク強度分布を示す図である。一方、図4(b)は直径が80μmである斑点状領域及びその周辺部における発光スペクトルの強度分布を示す図である。尚、図4において、励起光の光源のスポットは概ね10μm径であり、このスポット内において、発光スペクトルの測定を行っている。また図4(a)及び(b)において左端(0μm)は斑点状領域の中心位置を示している。
図4(a)及び(b)に示されるように、発光スペクトルのピーク強度は、斑点状領域の中心において最も大きく、斑点状領域の中心から離れるにつれて発光スペクトルのピーク強度は低下する。一方で、図中の縦破線より右側は発光スペクトルのピーク強度は一定になる。ここで、図中の縦破線の位置は、顕微鏡下で斑点を観察したときの斑点状領域とそれ以外の領域との境界線と概ね一致している。従って、斑点状領域ではそれ以外の領域に比べて発光スペクトルのピーク強度が高い状態である。
図5は、非斑点領域における発光スペクトルのピーク強度の時間変化を示す図である。封止した有機EL素子を開放し大気を導入すると、導入後30分で既に1割程度のピーク強度の増加が見られる。さらに大気を導入し続けると、発光スペクトルのピーク強度は時間を追うごとに増加し、大気を導入してから70時間経過すると、発光スペクトルのピーク強度は導入前と比べて約1.8倍まで増加する。これに対して、封止後大気を導入しないでそのまま保存した有機EL素子は100時間を過ぎても発光スペクトルのピーク強度はほとんど変化せず、2ヶ月経過しても発光スペクトルのピーク強度の増加はほとんど見られない。
従って、封止した有機EL素子を開放し大気を導入すると、発光領域における発光スペクトルのピーク強度は増加する。ここでピーク強度が増加する領域は、図5に示される斑点状領域8等といった顕微鏡等で容易に検出可能な領域だけに生ずるのではなく、顕微鏡等では確認できない領域(図5でいう非斑点領域9)にも生じ得る。このピーク強度が増加する領域は、有機EL素子が大気の影響を受けた結果、一定の時間を経過した後に非点灯領域に至る潜在的な状態にある領域であるといえる。
以上より、本発明の検査方法を利用すれば、顕微鏡観察等では認知できない潜在的な非点灯発生領域を事前に検出することが可能である。
また潜在的な非点灯発生領域を事前に検出するポイントとして、発光層に由来する発光スペクトルのピーク強度及びピーク波長が変動することが挙げられる。ここで両者を比較すると、ピーク強度よりもピーク波長の方が変動が小さいので、発光スペクトルの微量な変化を精度良く検出するには、検出する発光スペクトルのピーク波長を一定にすることにより比較的容易に行える。
次に、図面を参照しながら本発明の有機EL表示装置の検査方法を説明する。
図6は、本発明の有機EL表示装置の検査方法における第一の実施形態を説明する図である。ここで、(a)は有機EL表示装置に照射する励起光の光源の操作方向を示す図であり、(b)は画素位置と発光スペクトルの強度との関係を示す図であり、(c)は画素位置と発光スペクトルの変化率との関係を示す図である。
本発明の有機EL表示装置の検査方法は、第一のステップとして有機EL表示装置を構成する画素の発光領域に励起光を照射することにより得られる発光層に由来する発光スペクトルを測定する。ここで発光スペクトルの測定は、上述の有機EL素子の検査方法と同様の方法で行うことができる。
また、第一のステップである発光スペクトルの測定は複数の画素において行う。具体的には図6(a)に示されるように、表示装置10を構成する画素毎の発光領域内に、例えば、破線矢印11のように光源を走査しながら、各画素において励起光を照射して発光層に由来する発光スペクトルを測定する。ここで本発明の有機EL表示装置の検査方法は、第二のステップとして、発光スペクトルの測定の際に各画素における発光スペクトルの分布を調べる。
ここで発光スペクトルの分布を調べたときに、図6(b)に示すように、他の画素に比較して特異的にピーク強度が大きい画素が現れる場合がある。また、発光スペクトルの分布を調べた結果、特異的にピーク強度が大きい画素が無かった場合でも、時間をおいて再度同様の測定を行い、発光スペクトルの分布を調べたときは各画素のピーク強度の変化率も同時に調べることができる。その結果図6(c)に示したように、他の画素に比較して特異的にピーク強度の変化率が増加傾向にある画素が現れる場合がある。
このように発光スペクトルの分布を調べると、特異的にピーク強度が大きい画素を容易に発見できる。ここで特異的にピーク強度が大きい画素は、有機EL表示装置の潜在的な非点灯領域に相当する。そこで本発明の有機EL表示装置の検査方法は、第三のステップとして、発光スペクトルの分布を調べることによって、有機EL表示装置の潜在的な非点灯領域を検出する。
一方、本発明の有機EL表示装置の検査方法において、光源の走査方向は、図6(a)中の破線矢印11に限定されるものでない。また光源の具体的な走査方法も、検査対象の有機EL表示装置、励起光源、検出器等の走査速度等により適宜変更・調整が可能である。
ここで、本発明の有機EL表示装置の検査方法の他の実施形態について以下に説明する。
図7は、本発明の有機EL表示装置の検査方法における第二の実施形態を説明する図である。有機EL表示装置の駆動や放置によって後発的に発生する非点灯領域の原因は多様であるが、とりわけパネル端部の封止実装部分から侵入する外来水の影響は大きいと考えられている。そこで、パネル封止実装後の検査として、図7に示すような外周部分の画素についてのみ発光スペクトルのピーク強度を調べるといった部分的に本発明の検査方法を利用することも有効である。即ち、励起光源を表示装置10の発光領域のうち、表示装置10の外周部分(破線矢印12)のみを走査して、走査した箇所において励起光を照射して発光スペクトルを測定する。
図8は、本発明の有機EL表示装置の検査方法の第三の実施形態を説明する図である。
有機EL表示装置を検査する方法として、図6(a)に示されるように、有機EL表示装置の発光領域の全面を検査するのが原則である。しかし、図8に示すように発光領域をいくつかのエリアに分割して、蛍光顕微鏡によるイメージ像を併用しながら、エリア内に特異な画素がないか検査をする方法も採用できる。具体的な検査方法として、まず表示装置10を複数のエリアに分割し、エリア毎にイメージ像を取得する。次に、取得したイメージ像から特異な画素が検出されるかを検出する。例えば、取得したイメージ像を画像処理して蛍光強度が一定値を越えた画素を特異な画素(潜在的に非発光領域となり得る画素)として検出する。上述のように、非点灯領域が発生する前触れとなる現象として発光スペクトルのピーク強度及びピーク波長の変動があるが、ピーク波長の変動がほとんど生じない場合に特に有効である。
以上のように、本発明の有機EL表示装置の検査方法によれば、従来はコストアップの一因であった非点灯領域や非点灯領域に至るまでの発光不安定性領域を検知することができる。これにより有機EL表示装置について、全点灯時の詳細な検査における負担を軽減することができる。
次に、本発明の生産システムについて説明する。
図9は、本発明の生産システムの流れを説明する図である。図9の生産システムでは、大型基板から複数のパネルの切り出しを行い、検査、封止、エージング等を行い出荷に至る生産工程を示している。
一般に有機EL表示装置は、配線及び駆動素子を形成した基板上に、有機EL素子部、素子分離構造等をそれぞれ形成した後、封止することによって作製される。作製された有機EL表示装置は、プローバーを用いた全点灯検査を行う。ここで、場合によっては非点灯画素検査も行い、レーザーリペアの可能なものはレーザーリペアを施した後、再び全点灯検査を行う。
次に、所定のエージング及び製品スペックを満足するかどうかの性能評価を行う。ここでいうエージングとは、表示装置が出荷された後、安定した表示が行えるための後工程処理を指す。例えば、特定の環境温度下での長時間駆動、特定の駆動条件での劣化加速等を行うことを指す。あるいは、特定の環境温度下での長時間保存等も広義ではエージング処理に含まれる。こういった処理を行った後で表示装置の性能評価を行うと、処理前に全点灯していたパネルに非点灯、色度異常、輝度異常等が生じる場合があり、これらの不具合を起こした製品は不良品として取り除かれる。
次に、切断した各パネルを実装し、実装後の点灯検査を行い不備が無ければ出荷準備が整う。実装後の点灯検査においてに不具合が生じた場合は、適宜修復処理を行い出荷に備える。
本発明の生産システムは、上述した有機EL素子及び有機EL表示装置の検査方法を使用するものである。本発明の生産システムにおいて、好ましい形態の第一例としては、上述の全ての生産工程を経たのち出荷前に行う方法が挙げられる。即ち、図9の(i)の工程で行う。
ここで出荷前に徹底した不良予測品排除を行うためには、例えば、図6及び図8で示される検査方法が好ましく利用できる。即ち、図6及び図8で示される検査方法を使用すれば、従来の有機EL表示装置に生じ得る不具合を全て検査し、万全の状態で出荷しても尚その後に発生し得る非点灯領域の発生を予測し未然に排除することが可能になる。
また、好ましい形態の第二例として、エージング後に本発明の検査方法を用いることである。具体的には図9中の(ii)において本発明の検査方法を使用する。こうすることで色度異常や輝度異常等の従来の検査で検出可能な不具合以外に、潜在的な非点灯領域等の従来では検出できなかった不具合も検出することができる。このような不具合を有する有機EL表示装置を事前に排除することで、その後の実装部品及び実装工程、実装後の点灯検査等にかかるコストを軽減することが可能になる。
また、好ましい形態の第三例としては、封止工程後やプローバー全点灯検査後のいずれかの時点で本発明の検査方法を行うことが挙げられる。具体的には図9中の(iii)又は(iv)において本発明の検査方法を使用する。封止工程後の表示装置は微小な封止の仕上がりに影響を受けて表示性能が低下する可能性がある。例えば、封止の接着部位に若干の仕上がりムラや、封止端からいずれかの積層膜界面へ侵入する微量な水分により徐々に進行する性能低下がこれに該当する。そこで、封止した後に本発明の検査方法を行うことにより、封止後の表示装置において、その後の種々の処理や検査を経ることで発生するコストを抑制することが可能になる。封止プロセスとその直後のパネルへの影響を検知するには、例えば、図7で説明した部分的な検査方法が好ましく用いられる。勿論、具体的なパネル封止端の接着部位の構造や材料に応じて適宜詳細に検査方法を変更してもよい。
図9は、表示装置を形成する複数のパネル基板を封止してプローバー全点灯検査を行った後でカットするという流れを示している。ここでこのパネル基板を各々のパネルにカットした後で個別にプローバー全点灯検査するというように各工程の順番を逆にしても同様の効果が見込まれる。
以上、本発明の生産システムにおける実施形態について説明したが、これらはあくまでも例示的なものであり、当業者によってその一部を変更することは可能である。例えば、図9に示した以外の処理工程、修復工程、エージング等環境試験工程を付加してもよい。
1 発光領域
2 検出領域
3 発光スペクトルのピーク強度がほぼ横ばいの状態
4 発光スペクトルのピーク強度が時間を追うごとに徐々に増加する状態
5 励起光照射及び発光スペクトル検出の走査方向
6 発光スペクトルのピーク強度がほぼフラットな状態
7 発光スペクトルのピーク強度が部分的に特異的に高い値を示す状態
8 特異点
9 非斑点領域
10 有機EL表示装置
11 励起光照射及び発光スペクトル検出の走査方向
12 励起光照射及び発光スペクトル検出の走査方向
2 検出領域
3 発光スペクトルのピーク強度がほぼ横ばいの状態
4 発光スペクトルのピーク強度が時間を追うごとに徐々に増加する状態
5 励起光照射及び発光スペクトル検出の走査方向
6 発光スペクトルのピーク強度がほぼフラットな状態
7 発光スペクトルのピーク強度が部分的に特異的に高い値を示す状態
8 特異点
9 非斑点領域
10 有機EL表示装置
11 励起光照射及び発光スペクトル検出の走査方向
12 励起光照射及び発光スペクトル検出の走査方向
Claims (4)
- 有機EL素子の発光領域に励起光を照射することにより得られる発光層に由来する発光スペクトルを測定する第一のステップと、
該発光スペクトルから該有機EL素子の潜在的な非点灯領域を検出する第二のステップと、からなることを特徴とする、有機EL素子の検査方法。 - 前記第一のステップが、前記励起光を同一の発光領域において連続的に照射し、前記発光スペクトルの時間変化を調べるステップであることを特徴とする、請求項1に記載の有機EL素子の検査方法。
- 有機EL表示装置を構成する画素の発光領域に励起光を照射することにより得られる発光層に由来する発光スペクトルを測定する第一のステップと、
該第一のステップを複数の画素で行い該発光スペクトルの分布を調べる第二のステップと、
該発光スペクトルの分布から該有機EL表示装置の潜在的な非点灯領域を検出する第三のステップと、からなることを特徴とする、有機EL表示装置の検査方法。 - 有機EL表示装置を出荷する前に、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査方法を行うことを特徴とする、有機EL表示装置の生産システム。
Priority Applications (1)
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