JP2009062970A - 可変容量型ギヤポンプ - Google Patents

可変容量型ギヤポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP2009062970A
JP2009062970A JP2008030926A JP2008030926A JP2009062970A JP 2009062970 A JP2009062970 A JP 2009062970A JP 2008030926 A JP2008030926 A JP 2008030926A JP 2008030926 A JP2008030926 A JP 2008030926A JP 2009062970 A JP2009062970 A JP 2009062970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
gear
suction
gear pump
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008030926A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
Masaki Ota
太田  雅樹
Kazuro Murakami
和朗 村上
Katsumi Yamashita
勝巳 山下
Hironao Yokoi
宏尚 横井
Toshiro Fujii
俊郎 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2008030926A priority Critical patent/JP2009062970A/ja
Priority to US12/186,625 priority patent/US20090041593A1/en
Priority to EP08014138A priority patent/EP2022985A2/en
Publication of JP2009062970A publication Critical patent/JP2009062970A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Abstract

【課題】吸入側の流路を合流させた吸入通路をハウジング内に設けることができるほか、低容量運転が続いても特定の通路を通る流体が循環され続けることを防止することができる可変容量型ギヤポンプの提供。
【解決手段】駆動ギヤ22、25と従動ギヤ23、26が噛合する複数のギヤ機構21、24と、各ギヤ機構21、24のギヤ室12、13と、ギヤ室12、13と連通する吸入通路35とを有する可変容量型ギヤポンプ10であり、駆動ギヤ22、25は共通の駆動軸心を有する。ギヤポンプ10は、ギヤ室13の吐出側空間部34に吐出された流体を吸入通路35へ戻す戻し通路50と、戻し通路50を開閉する開閉弁51と、吐出された流体の吐出側空間部34への流入を防止する逆止弁45とを有する。吸入通路50は駆動軸心に沿ってボディ11内に形成され、両通路35、50の合流部はギヤ室13の吸入側空間部33よりも上流側に設定されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は可変容量型ギヤポンプに関し、特に、駆動ギヤ及び従動ギヤを有する複数のギヤ機構を備え、ギヤ機構を収容する複数のギヤ室が独立して設けられる可変容量型ギヤポンプに関する。
ギヤポンプは、内部に駆動ギヤ及び従動ギヤからなるギヤ機構を有し、外部から導いた流体をギヤ機構により昇圧させた後に外部へ吐出するポンプである。
ギヤポンプが扱う流体を作動油とする場合、ギヤポンプは油圧回路に配置される油圧機器等を作動させることができる。ギヤポンプは、他のポンプと比較して構造が簡単であって、運転保守も容易である上、製作コストが安価である。さらに、ギヤポンプは流体中の異物の影響を受け難いという特徴を有するほか、小型化及び軽量化に適したポンプでもある。このため、ギヤポンプは、例えば、フォークリフト等の産業車両において、走行用内燃機関により駆動される作動油用ポンプとして用いられることが多い。
ギヤポンプの吐出流量は、ギヤポンプの回転数により決定するため、回転数と無関係に流量を変更することは困難である。必要以上にギヤポンプを作動させることは過剰な流量を発生させることになり、ギヤポンプとして余分な仕事を行うことになる。そこで、ギヤポンプにおいて複数のギヤ機構を設けることにより流量の変更を実現した可変容量型ギヤポンプが提案されている。この可変容量型ギヤポンプでは、複数のギヤ機構における特定のギヤ機構が昇圧した流体を外部へ吐出する場合と、流体をギヤ機構から吸入側へ戻す場合との切り換えを行い、吐出流量の変更を実現している。
例えば、特許文献1に開示された可変容量ギヤポンプは、ケーシング内に駆動ギヤ及び駆動ギヤと噛み合う2つの従動ギヤを収容し、2系統の第1ポンプ及び第2ポンプとして作動するギヤポンプ本体(二重ギヤポンプ)を形成している。第2ギヤポンプの吐出口と吸込口とをアンロード通路によって接続し、アンロード通路に電磁式開閉弁が設けられている。電磁式開閉弁を閉じた場合、第1ポンプ及び第2ポンプが並列運転となって、吐出容量が大きくなり、この状態では高容量運転となる。電磁式開閉弁を開いた場合、第2ポンプがアンロードされるので、吐出容量が小さくなり、この状態では低容量運転となる。
この種の可変容量ギヤポンプでは、第1ポンプと第2ポンプは並列に配置される。第1ポンプの吸込口及び吐出口は、駆動軸の回転方向の関係から、第2ポンプの吸込口及び吐出口と互いに逆位置、つまり、第1ポンプの吸入口と第2ポンプの吐出口が駆動軸の一側に位置し、第1ポンプの吐出口と第2ポンプの吸込口が他側に位置する。この可変容量ギヤポンプには、第1ポンプ及び第2ポンプにおける吸込側の流路や吐出側の流路をそれぞれ合流させた吸入通路や吐出通路が設けられている。
特開2002−70757号公報(第1−4頁、図1−2)
しかしながら、特許文献1に開示された可変容量ギヤポンプは、第1ポンプの吸込口及び吐出口は、第2ポンプの吸込口及び吐出口と互いに逆位置となっており、吸込側の流路や吐出側の流路をそれぞれ合流させた吸入通路や吐出通路をポンプボディ内に設けるのは、構造が複雑になり、極めて困難である。また、この種の可変容量ギヤポンプは第2ギヤポンプの吐出口から吸込口へ流体を戻すアンロード通路を持つことから、低容量運転を継続する場合、アンロード通路を通る流体が第2ギヤポンプとアンロード通路を循環し続けるという問題がある。低容量運転の継続により特定の流体がギヤポンプ内を循環し続けると、循環し続ける流体はギヤポンプの損失に伴って発生する熱を受け易く、この熱の蓄熱に伴い流体の温度は上昇しがちである。特定の通路を循環する流体が温度上昇すると、ギヤポンプのハウジングにおいて温度分布の偏りが生じるおそれがある。ハウジングにおける温度分布の偏りはハウジングの歪を招く原因となる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、吸入側の流路を合流させた吸入通路をハウジング内に設けることができるほか、低容量運転が続いても特定の通路を通る流体が循環され続けることを防止することができる可変容量型ギヤポンプの提供にある。
上記課題を達成するため、本発明は、駆動ギヤと従動ギヤが互いに外接して噛合する複数のギヤ機構を備え、前記ギヤ機構がハウジングに形成された複数のギヤ室に夫々収容され、前記ギヤ室の吸入側空間部と連通する吸入通路と、前記ギヤ室の吐出側空間部と連通する吐出通路と、特定の前記ギヤ室の吐出側空間部へ吐出される流体を前記吸入通路へ戻す戻し通路と、前記戻し通路を開閉する開閉弁と、特定の前記ギヤ室以外の前記ギヤ室から吐出された流体の特定の前記ギヤ室の吐出側空間部への流入を防止する逆止弁とを有する可変容量型ギヤポンプであって、各駆動ギヤが互いに共通の駆動軸心を有するとともに、各従動ギヤが互いに共通の従動軸心を有し、前記吸入通路は前記駆動軸心に沿ってハウジング内に形成され、前記戻し通路と前記吸入通路の合流部は、該吸入通路における前記吸入側空間部よりも上流側に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、高容量運転時には開閉弁が閉じて戻し通路を遮断するとともに逆止弁が開き、各ギヤ室の吐出側空間部に吐出された流体は全て吐出通路へ導出される。一方、低容量運転時には開閉弁が開いて戻し通路を開通させるとともに逆止弁が閉じ、特定のギヤ室の吐出側空間部に吐出された流体は吐出通路へ導出されず、戻し通路を通って吸入通路へ送られる。戻し通路と吸入通路の合流部が、ギヤ室の吸入側空間部よりも上流側に設定されているから、戻し通路を通り吸入通路と合流する流体は、吸入通路に導入される新規な流体と混合される。ギヤ室へ送り込まれる流体は新規な流体と戻し通路からの流体が混合された流体である。低容量運転が継続されても、戻し通路を通る流体が循環され続けることはない。また、吸入通路は駆動軸心に沿ってハウジング内に形成されているので、ハウジングの外部において吸入通路を形成する必要がない。
また、上記の可変容量型ギヤポンプにおいて、前記ハウジングは前記吸入通路に流体を導入する吸入口を有し、該吸入口は駆動軸心方向のハウジング端面において開口しているとしてもよい。この場合、駆動軸心方向のハウジング端面の開口部から吸入通路に流体を導入することにより、吸入通路に流体を直線状に導入することができる。
また、上記の可変容量型ギヤポンプにおいて、前記戻し通路は前記ハウジング内に形成されてもよい。この場合、ハウジングの外部において戻し通路を形成するための部材が不要となるほか、戻し通路の短縮化を図ることができる。
また、上記の可変容量型ギヤポンプにおいて、前記吐出通路はハウジング内に形成されてもよい。この場合、各ギヤ室の吐出側空間部に吐出された流体は、ハウジング内の吐出通路に合流されてから吐出される。ハウジングの外部に吐出された流体を合流させる吐出通路を形成する必要がない。ハウジングの外部において吐出通路を形成するための部材が不要となるほか、吐出通路の短縮化を図ることができる。
また、本発明では、上記の可変容量型ギヤポンプにおいて、前記吸入通路は円形横断面を有し、前記合流部は前記円形横断面に対して接線方向から前記戻し通路が接続されることにより形成されてもよい。この場合、戻し通路を通る流体は、吸入通路に合流される際に、円形横断面を形成する吸入通路の内周面に沿いつつ、吸入通路に導入される新規な流体と混合される。戻し通路を通る流体が吸入通路の円形横断面を形成する内周面に沿うことにより、吸入通路内において円形横断面から見た旋回流が生じ、新規な流体と戻し通路を通る流体との混合が促進される。
また、本発明では、上記の可変容量型ギヤポンプにおいて、前記合流部は、前記戻し通路が前記吸入通路の流路方向に対して傾斜して接続されることにより形成され、前記戻し通路の傾斜方向は前記戻し通路からの流体が前記吸入通路に流入されることにより該吸入通路内の流体の流速を増大させる方向としてもよい。この場合、戻し通路が吸入通路の流路方向に対して傾斜して接続されているから、戻し通路を通る流体が合流する場合、戻し通路の流体は、吸入通路内の流体の流速を増大させる方向から吸入通路に導入される。戻し通路の流体は新規な流体の流れを妨げず、新規な流体と戻し通路を通る流体は効率的に混合される。
また、本発明では、上記の可変容量型ギヤポンプにおいて、前記合流部は前記戻し通路の前記吸入通路側の端部にガイド部を設けることによって形成され、前記戻し通路からの流体が前記吸入通路に流路方向を一致させながら流入してもよい。
この場合、吸入通路を流れる流体に合流される戻し通路からの流体が、吸入通路の流路方向と一致することで、戻し通路からの流体がもつ動圧を効率よく吸入側空間部の昇圧に用いることができる。
本発明によれば、吸入側の流路を合流させた吸入通路をハウジング内に設けることができるほか、低容量運転が続いても特定の通路を通る流体が循環され続けることを防止することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態の可変容量型ギヤポンプについて図1〜図4に基づき説明する。図1は、第1の実施形態に係る可変容量ギヤポンプの構造を示す断面側面図であり、高容量運転時の状態を示す。図2は図1におけるA−A線の矢視図であり、図3は図2におけるB−B線の矢視図であり、図4は低容量運転時の可変容量型ギヤポンプの断面側面図である。
図1に示すように、可変容量型ギヤポンプ10は、内部に駆動ギヤ22、25及び従動ギヤ23、26を収納するためのボディ11を備えている。ボディ11は、その両側の端面から内部に向かって形成された2つの空間を有する。一方の空間は第1ギヤ室12であり、他方の空間は第2ギヤ室13である。第1ギヤ室12及び第2ギヤ室13の間には、仕切部14が形成されている。
ボディ11の一方の端面には、フロントハウジング15が接合され、他方の端面にはリヤハウジング16が接合されている。この実施形態では、ボディ11、フロントハウジング15及びリヤハウジング16がハウジングを構成している。ボディ11及び各ハウジング15、16は、図2に示す通しボルト30により互いに接合されている。なお、図面では可変容量型ギヤポンプ10においてフロントハウジング15側を前方とし、リヤハウジング16側を後方とする(図1、図3、図4を参照)。フロントハウジング15は第1ギヤ室12を塞ぎ、リヤハウジング16は第2ギヤ室13を塞いでいる。第1ギヤ室12とフロントハウジング15の端面との間にはサイドプレート17が設けられ、第2ギヤ室13とリヤハウジング16との端面との間にもサイドプレート18が設けられている。第1ギヤ室12と仕切部14との間には、さらに別のサイドプレート19が設けられ、第2ギヤ室13と仕切部14との間にもサイドプレート20が設けられている。
第1ギヤ室12には、図2及び図3に示すように、駆動ギヤ22と従動ギヤ23が互いに外接して噛合する第1ギヤ機構21が収容されている。第2ギヤ室13には、図3に示すように、別の駆動ギヤ25と従動ギヤ26が互いに外接して噛合する第2ギヤ機構24が収容されている。第1ギヤ室12に収容されるフロント側の駆動ギヤ22は軸心を同じとする駆動軸27と一体的に形成されている。第2ギヤ室13に収容されるリヤ側の駆動ギヤ25は駆動軸27にスプライン嵌合又はセレーション嵌合され、駆動ギヤ25の軸心と駆動軸27の軸心は一致している。駆動ギヤ22、25は互いに共通の駆動軸心を持つと言える。
駆動軸27は、サイドプレート17〜20及び仕切部14を貫通してフロントハウジング15及びリヤハウジング16に延出している。駆動軸27は、軸受29を介してボディ11、フロントハウジング15及びリヤハウジング16により回転自在に支持されている。駆動軸27の一端はフロントハウジング15の外に延出し、図示しない外部動力源に接続され、この外部動力源は駆動軸27に駆動力を与える。
2つの従動ギヤ23、26についても、フロント側の従動ギヤ23は軸心を同じとする従動軸28と一体的に形成されており、リヤ側の従動ギヤ26は従動軸28にスプライン嵌合又はセレーション嵌合され、従動ギヤ26の軸心と従動軸28の軸心は一致する。従動軸28も駆動軸27と同様に、フロントハウジング15及びリヤハウジング16に延出しており、従動軸28は軸受29を介してボディ11、フロントハウジング15及びリヤハウジング16により支持されている。従動ギヤ23、26は互いに共通の従動軸心を持っていると言える。従動軸28の一端は、駆動軸27とは異なりフロントハウジング15の外には延出していない。
第1ギヤ室12には、図2に示すように、その内周面、駆動ギヤ22及び従動ギヤ23により2つの空間が形成される。一方の空間は、流体であるオイルを吸入する側に形成される吸入側空間部31であり、他方の空間はオイルを吐出する側に形成される吐出側空間部32である。第2ギヤ室13についても、第1ギヤ室12と同様に、吸入側空間部33及び吐出側空間部34が形成されている(図1を参照)。
ボディ11において、各ギヤ室12、13にオイルを吸入するためのボディ側吸入路36が、駆動軸27及び従動軸28の軸心に沿って形成されている。リヤハウジング16にはボディ側吸入路36と連絡するリヤ側吸入路37が形成され、リヤ側吸入路37は、駆動軸心方向のリヤハウジング16端面に開口されて外部と連絡する吸入口38を有する。ボディ側吸入路36とリヤ側吸入路37は円形横断面を夫々有し、両者36、37は直線状に繋がっている。ボディ側吸入路36とリヤ側吸入路37は吸入通路35を構成する。可変容量型ギヤポンプ10の外部からのオイルは吸入通路35を通り、各ギヤ室12、13へ供給される。
ボディ11には、2つのギヤ室12、13の内部において昇圧されたオイルを外部へ吐出するための吐出路42、43が形成されている。ギヤ室12の吐出側空間部32から吐出路42が延出し、ギヤ室13の吐出側空間部34から吐出路43が延出している。フロント側及びリヤ側の吐出路42、43はボディ11内において1つの吐出通路41になるように合流している。さらに、吐出通路41は外部と連絡する吐出口44を有しており、吐出通路41から供給されるオイルは吐出口44を通じてギヤポンプ10の外部に吐出され、図示しない油圧装置等へ接続する油圧回路に供給される。リヤ側吐出路43には、第2ギヤ室13へのオイルの逆流を防止する逆止弁45が設けられている。
逆止弁45はリヤ側吐出路43を開閉する球状の弁体46と、弁体46の付勢手段であるコイルばね47と、コイルばね47を支持する支持体48とを有する。コイルばね47は、リヤ側吐出路43を閉じる方向へ弁体46を移動させる付勢力を弁体46に付与する。弁体46は、リヤ側吐出路43の圧力が所定の圧力以上になるとコイルばね47の付勢力に抗してリヤ側吐出路43を開く方向へ移動し、リヤ側吐出路43の圧力が所定の圧力未満になるとコイルばね47の付勢力とフロント側吐出路42とリヤ側吐出路43の吐出圧の差圧により弁体46がリヤ側吐出路43を閉じる。弁体46は差圧によりシート面に押さえ付けられるため、コイルばね47の付勢力は小さく設定されていればよい。弁体46は球形に限らず、例えば、円錐形としてもよい。
リヤハウジング16は、リヤ側吐出路43と連通するとともに、リヤ側吸入路37と連通する戻し通路50を有する。すなわち、戻し通路50は吸入通路35と第2ギヤ室13の吐出側空間部34とを連通している。戻し通路50には、この戻し通路50を開閉する開閉弁51が設けられている。開閉弁51はピストン構造を有し、中空の有底円筒状のシリンダ52及びシリンダ52内に収容される円筒状のピストン53により構成されている。ピストン53はシリンダ52内で摺動する。
開閉弁51は、シリンダ52内のピストン53の摺動により、戻し通路50の開閉を行う。ピストン53の摺動は、ピストン53の両端面にかかる圧力差により行われる。すなわち、ピストン53の摺動は、シリンダ52内においてピストン53を挟み、戻し通路50側の空間の圧力と、その反対側のシリンダ52内における空間の圧力との差により、行われる。
この実施形態では、リヤハウジング16に設けた電磁弁55の作動により、ピストン53の両端面にかかる圧力差を制御する。電磁弁55は、リヤハウジング16に形成したスプール孔56において摺動するスプール57と、スプール57をフロント側へ向けて前進させるコイル部58と、スプール57に対する付勢手段であるコイルばね59とを有する。スプール孔56は、戻し通路50において、開閉弁51とリヤ側吐出路43の間を「戻し通路の上流側」、開閉弁51とリヤ側吸入路37の間を「戻し通路の下流側」、と定義すると、戻し通路50の下流側と連通する。スプール57は、戻し通路50とシリンダ52を連通させ、シリンダ52内へ吸入圧のオイルを導く吸入圧用連通路60を有する。コイル部58が励磁されてスプール57がフロント側に前進した位置にある状態から、コイル部58の励磁が解除されると、コイルばね59はスプール57をリヤ側へ後退させる。
一方、ボディ11及びリヤハウジング16は、リヤ側吐出路43からスプール孔56へ吐出圧のオイルを供給する吐出圧用連通路61を有する。吐出圧用連通路61は、通路62、63により構成されている。スプール57の外周面には吐出圧用連通路61の一部を構成する溝64が形成されている。この吐出圧用連通路61は、コイル部58の励磁が解除されてスプール57がリヤ側に後退した位置にあるときに、リヤ側吐出路43における吐出圧をシリンダ52へ導く。シリンダ52内が吸入圧になるとき、ピストン53は戻し通路50を開き、吐出圧にあるとき、ピストン53は戻し通路50を閉じる。
次に、第1の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプ10の運転について説明する。図1に示すように、可変容量型ギヤポンプ10におけるフロント側の第1ギヤ機構21、第1ギヤ室12を含むギヤポンプ部をフロント側ギヤポンプ部P1とし、リヤ側の第2ギヤ機構24、第2ギヤ室13を含むギヤポンプ部をリヤ側ギヤポンプ部P2とする。可変容量型ギヤポンプ10の全吐出容量に対し、フロント側ギヤポンプ部P1とリヤ側ギヤポンプ部P2はそれぞれ50%の吐出容量を有する。
ここで、フロント側ギヤポンプ部P1における駆動ギヤ22及び従動ギヤ23の動作について説明する。駆動軸27に外部から駆動力が与えられると、図2に示すように、駆動ギヤ22は一方向に回転する。それに伴い、駆動ギヤ22と噛み合う従動ギヤ23は、従動軸28とともに、駆動ギヤ22の回転方向と相対する方向に回転する。駆動ギヤ22及び従動ギヤ23が噛み合いつつ回転すると、吸入通路35から吸入側空間部31にオイルが吸入される。
吸入側空間部31にオイルが吸入されると、駆動ギヤ22の歯間と第1ギヤ室12の内周面とにより形成される空間、及び従動ギヤ23の歯間と第1ギヤ室12の内周面とにより形成される空間にはオイルが閉じ込められる。空間に閉じこめられたオイルは、第1ギヤ室12の内周面に沿って、駆動ギヤ22の回転方向、従動ギヤ23の回転方向にそれぞれ運ばれる。これらの空間に封入されたオイルは、吐出側空間部32に吐出される。吐出側空間部32内のオイルは、フロント側吐出路42から吐出通路41、吐出口44を経て可変容量型ギヤポンプ10の外部に吐出され、図示しない油圧装置等に送られ、これを作動させる。油圧装置の負荷に応じて吐出圧力は昇圧する。
フロント側ギヤポンプ部P1において、駆動軸27に外部から駆動力が与えられると、第1ギヤ室12内の駆動ギヤ22及び従動ギヤ23が駆動し、吐出側空間部32にオイルが吐出される。吐出されたオイルはフロント側吐出路42に供給される。なお、リヤ側ギヤポンプ部P2についても、駆動軸27に外部から駆動力が与えられると、第2ギヤ室13内の駆動ギヤ25及び従動ギヤ26が駆動し、吐出側空間部34にオイルが吐出される。
ここで、電磁弁55のコイル部58が励磁されていない場合、コイルばね59の付勢力を受けてスプール57は後方に位置する。スプール57が後方に位置するとき、吐出圧用連通路61と開閉弁51のシリンダ52が連通する。因みに、吸入圧用連通路60とシリンダ52は遮断状態となる。従って、シリンダ52内はリヤ側吐出路43から吐出圧用連通路61を通じて導入された吐出圧のオイルが満たされる。ピストン53が戻し通路50を閉じていない状態では、吸入通路35と連通する戻し通路50の圧力はシリンダ52内より低圧であり、ピストン53は戻し通路50を閉じる方向に移動する。
ピストン53が戻し通路50を閉じると、リヤ側ギヤポンプ部P2によりオイルが吐出される吐出側空間部34の圧力は高くなり、逆止弁45の弁体46がリヤ側吐出路43を開く。このため、リヤ側ギヤポンプ部P2より吐出されるオイルはリヤ側吐出路43及び戻し通路50に供給されるが、図1に示すように、オイルはリヤ側吐出路43から吐出通路41へ至るだけであり、オイルが戻し通路50を通じて吸入通路35へ送られることはない。この状態では、フロント側ギヤポンプ部P1及びリヤ側ギヤポンプ部P2により吐出されるオイルは合流され、吐出通路41を通じて可変容量型ギヤポンプ10の外部に供給される。従って、この場合、可変容量型ギヤポンプ10の吐出流量は100%であり、この運転状態は高容量運転状態である。フォークリフトにこの可変容量型ギヤポンプ10を採用した場合、フォーク等を備える荷役装置により物品を上昇させるときを、吐出流量100%の高容量運転とするように設定すればよい。開閉弁51はシリンダ52側(リヤ側)の方の径が大きく、左右の圧力が同じであったとしても確実にフロント側へ押され、戻し通路50を遮断する。
次に、電磁弁55のコイル部58が励磁されると、スプール57はコイルばね59の付勢力を凌駕する力を受け、後方から前方へ移動する。スプール57が前方に位置すると、吐出圧用連通路61とシリンダ52との連通は遮断されるとともに、スプール孔56、吸入圧用連通路60とシリンダ52が連通される。このため、開閉弁51のシリンダ52は吐出圧から吸入圧に低下する。戻し通路50の上流側は吐出圧であることから、シリンダ52内の圧力が吸入圧になると、ピストン53が差圧を受けてシリンダ52内に後退する。ピストン53の後退により戻し通路50が開かれた状態となる。
さらに、戻し通路50の上流側における圧力は低下するから、逆止弁45のコイルばね47の付勢力とフロント側ギヤポンプ部P1側からの圧力で弁体46がリヤ側吐出路43を閉じる。図4に示すように、逆止弁45がリヤ側吐出路43を閉じ、開閉弁51が戻し通路50を開く状態では、フロント側ギヤポンプ部P1が吐出するオイルのみが吐出通路41を通じて外部へ吐出される。リヤ側ギヤポンプ部P2により吐出されるオイルは戻し通路50へ供給され、戻し通路50から吸入通路35の上流側において合流する。従って、この場合、可変容量型ギヤポンプ10における吐出流量は50%であり、この運転状態は低容量運転状態である。なお、この実施形態では、電磁弁55を励磁した状態を50%の吐出流量としたが、スプール57の溝配置を変更し、電磁弁55を励磁した状態を100%の吐出流量とし、励磁が解除された状態を50%の吐出流量としてもよい。
ところで、可変容量型ギヤポンプ10が低容量運転されるとき、戻し通路50からのオイルは吸入通路35の上流側において合流される。吸入通路35はフロント側ギヤポンプ部P1やリヤ側ギヤポンプ部P2にオイルを供給するが、吸入通路35におけるオイルは、吸入口38からの新規なオイルと、戻し通路50からの戻されるオイルとが混合された状態にある。つまり、低容量運転が継続されても、戻し通路50を通るオイルがリヤ側ギヤポンプ部P2と戻し通路50内を循環され続けることはない。吸入通路35は駆動軸27及び従動軸28の軸心に沿ってボディ11内に形成されているので、ボディ11の外部において吸入通路35を形成する必要がない。
この実施形態に係る可変容量型ギヤポンプは以下の効果を奏する。
(1)可変容量型ギヤポンプ10が低容量運転を継続しても、吸入通路35の上流側において新規なオイルと戻し通路50からのオイルが混合されるから、戻し通路50を通るオイルがリヤ側ギヤポンプ部P2や戻し通路50を通って循環され続けることはない。このため、ボディ11や各ハウジング15、16の温度分布の偏りを防止または抑制することができる。
(2)吸入通路35は駆動軸27及び従動軸28の軸心に沿ってハウジング内に形成されているので、ハウジングの外部において吸入通路を設ける必要がない。このため、可変容量型ギヤポンプ10の外部に吸入通路を設けるための配管部材を別に用意する必要がない。また、外部にオイル配管を設ける必要がなく、吸入通路35は駆動軸27及び従動軸28の軸心に沿う直線状の通路であるから吸入通路35におけるオイルの圧損は生じ難い。
(3)戻し通路50はボディ11及びリヤハウジング16に形成されているため、可変容量型ギヤポンプ10の外部に戻し通路を設ける必要がない。このため、外部に戻し通路を設けるための配管部材を別に用意する必要がない。また、フロント側吐出路42とリヤ側吐出路43が合流される吐出通路41についてもボディ11内において形成されているから、同様に、可変容量型ギヤポンプ10の外部に合流後の吐出通路を設ける必要がない。
(4)電磁弁55の操作により戻し通路50が開閉弁51により開閉され、開閉弁51の開閉に伴って逆止弁45がリヤ側吐出路43を開閉することにより、可変容量型ギヤポンプ10の吐出流量を変更させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプについて図5に基づき説明する。図5は第2の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプ71の要部を示す断面側面図である。この実施形態に係る可変容量型ギヤポンプ71は、戻し通路72が第1の実施形態と異なる他は、第1の実施形態の可変容量型ギヤポンプ10と同一である。従って、第2の実施形態において第1の実施形態と共通する要素については、説明の便宜上、符号を共通して用い、第1の実施形態における説明を援用する。
図5に示すように、この実施形態の可変容量型ギヤポンプ71の戻し通路72は、リヤ側吐出路43とリヤ側吸入路37と繋ぐ通路である。戻し通路72の下流側はリヤハウジング16において半径方向へ向けてほぼ直線状に形成されている。戻し通路72は吸入通路35の上流側において合流するように接続されているが、戻し通路72と吸入通路35との合流部は、戻し通路72の端部付近が吸入通路35の流路方向に対して傾斜して接続されることにより形成されている。リヤハウジング16における戻し通路72の合流端付近には、前方へ向けて戻し通路72を傾斜させるガイド部73が形成されている。ガイド部73による戻し通路72の合流端付近の傾斜は、戻し通路72からのオイルが吸入通路35に流入されることにより吸入通路35内の新規なオイルの流速を増大させる方向の傾斜となっている。
この実施形態に係る可変容量型ギヤポンプ71によれば、低容量運転のときにリヤ側ギヤポンプ部P2から吐出されたオイルが戻し通路72を通る。戻し通路72を通るオイルは吸入通路35を通る新規なオイルと合流する。このとき、戻し通路72のオイルは、吸入通路35におけるオイルの流れと直角方向へ流れるが、ガイド部73により案内されて前方へ向かう。ガイド部73に案内されたオイルはオイルの流速を増大させる方向となるように吸入通路35内のオイルと合流する。この実施形態の可変容量型ギヤポンプ71では、低容量運転の際、吸入通路35内のオイルの流速を増大させる方向とするように、ガイド部73が戻し通路72のオイルを吸入通路35に流入させるから、戻し通路72を通るオイルを吸入通路35に導入される新規なオイルと効率良く混合させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプについて図6に基づき説明する。図6は第3の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプ81の要部を示す断面正面図であり、リヤハウジング16における戻し通路82に沿って破断した図である。この実施形態に係る可変容量型ギヤポンプ81では、戻し通路82が第1の実施形態と異なる他は、第1の実施形態の可変容量型ギヤポンプ10と同一である。従って、第3の実施形態において、第1の実施形態と共通する要素については、説明の便宜上、符号を共通して用い、第1の実施形態における説明を援用する。
図6に示すように、可変容量型ギヤポンプ81における吸入通路35は円形横断面を有しており、具体的には、リヤハウジング16におけるリヤ側吸入路37が円形横断面を有する。リヤ側吐出路43と吸入通路35を連通する戻し通路82は、吸入通路35の上流側にて接続されている。戻し通路82の合流部は、図6に示すように、円形横断面に対して接線方向から戻し通路82が接続されることにより形成されている。リヤ側吸入路37における円形横断面に対して接線方向から戻し通路82が接続されることにより、戻し通路82を通るオイルが吸入通路35を通るオイルの旋回流の発生を促す。
この実施形態の可変容量型ギヤポンプ81によれば、戻し通路82が吸入通路35の円形横断面に対して接線方向から接続されているから、低容量運転時において戻し通路82を通るオイルは吸入通路35の内周面に沿って吸入通路35に導入される。吸入通路35の内周面に沿って合流されるオイルは、吸入通路35において旋回流の発生を促し、吸入通路35における旋回流は、吸入通路35における新規なオイルと戻し通路82からのオイルとの混合を行い易くする。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプについて図7及び図8に基づき説明する。図7は第4の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプ91を示す断面側面図であり、低容量運転時の状態を示す。この実施形態に係る可変容量型ギヤポンプ91では、戻し通路92の構成が第1の実施形態と異なる他は、第1の実施形態の可変容量型ギヤポンプ10と同一である。従って、第4の実施形態において、第1の実施形態と共通する要素については、説明の便宜上、符号を共通して用い、第1の実施形態における説明を援用する。
図7に示すように、この実施形態の可変容量型ギヤポンプ91の戻し通路92は、リヤ側吐出路43とリヤ側吸入路37と繋ぐ通路である。戻し通路92は吸入通路35の上流側において合流するように接続されているが、戻し通路92と吸入通路35との合流部には、前方へ向けて戻し通路92からのオイルの流れを吸入通路に平行に沿わせるガイド部としての平行ガイド部94が形成されている。戻し通路72からのオイルは吸入通路35を流れるオイルと平行に合流する。
この実施形態の可変容量型ギヤポンプ91の運転について説明すると、電磁弁55のコイル部58が励磁されていない場合、ピストン53は戻し通路92を閉じる方向に移動する。ピストン53が戻し通路92を閉じると、吐出側空間部34の圧力は高くなり、逆止弁45の弁体46がリヤ側吐出路43を開く。このため、リヤ側ギヤポンプ部P2より吐出されるオイルはリヤ側吐出路43及び戻し通路92に供給されるが、オイルはリヤ側吐出路43から吐出通路41へ至り、フロント側ギヤポンプ部P1及びリヤ側ギヤポンプ部P2により吐出されるオイルは合流される。この場合、可変容量型ギヤポンプ91の吐出流量は100%であり、この運転状態は高容量運転状態である。
次に、電磁弁55のコイル部58が励磁されると、ピストン53がシリンダ52内に後退し、戻し通路92が完全に開かれた状態となる。さらに、戻し通路92の上流側における圧力は低下するから、逆止弁45のコイルばね47の付勢力とフロント側ギヤポンプ部P1側からの圧力で弁体46がリヤ側吐出路43を閉じる。逆止弁45がリヤ側吐出路43を閉じ、開閉弁51が戻し通路92を開く状態では、フロント側ギヤポンプ部P1が吐出するオイルのみが吐出通路41を通じて外部へ吐出される。
リヤ側ギヤポンプ部P2により吐出されるオイルは戻し通路92へ供給され、戻し通路92から吸入通路35の上流側において合流する。
従って、この場合、可変容量型ギヤポンプ91における吐出流量は50%であり、この運転状態は低容量運転状態である。
ところで、可変容量型ギヤポンプ91が低容量運転されるとき、戻し通路92からのオイルは吸入通路35の上流側において合流される。
戻し通路92からのオイルの流れは、吸入通路35におけるオイルの流れと平行である。
戻し通路92からのオイルの流れが、吸入通路35を横断する方向の速度成分を持たないことで、戻し通路92からのオイルがもつ動圧を効率よく吸入側空間部31の昇圧に用いることができる。
吸入側空間部31が最大限に昇圧されることにより、フロント側の吐出側空間部32と吸入側空間部31との差圧は、平行ガイド部94がない場合と比較して小さくなる。
両者31、32の差圧が小さくなることにより、フロント側ギヤポンプ部P1の負荷が軽減される。
通常、フロント側の駆動ギヤ22及び従動ギヤ23が互いに噛合することにより、両ギヤ22、23の噛み合い部分における閉じ込み部にオイルが封じ込められる。
低容量運転時において、フロント側の吐出側空間部32と吸入側空間部31との差圧が、合流によるエネルギー損失がある場合と比較して小さくなることにより、閉じ込み部のオイルの吸入通路35側への漏れは、両者31、32の差圧が大きい場合と比べて少なくなる。また、同様に、フロント側の駆動ギヤ22及び従動ギヤ23と第1ギヤ室12とのクリアランスから吸入通路35側へのオイルの漏れは、両者31、32の差圧が大きい場合と比べて少なくなる。これらの漏れ低減によって、容積効率の向上の効果がある。
さらに、両者31、32の差圧によって、駆動軸27および従動軸28から軸受29が受ける荷重は低減される。このことにより、駆動軸27および従動軸28と軸受29間の摺動摩擦が低減されて機械効率の向上効果がある。
ところで、従来では、通常、ギヤポンプが運転されると、貯油タンクにおいて大気圧状態のオイルがギヤポンプの吸入通路に取り込まれるが、吸入通路に取り込まれる時点のオイルは途中の配管による圧力損失の影響を受け、大気圧よりも低圧状態になる。
特に貯油タンクからギヤポンプまでの吸入用の配管の距離が長い場合には、この配管による圧力損失が顕著となる。
オイルが大気圧よりも低圧状態になると、オイル中に気泡(キャビテーション)が発生するおそれがあり、発生した気泡はギヤポンプによる昇圧時において潰れるが、その際に、衝撃を生じ、騒音や振動、及び各ポンプ部品への壊食(エロージョン)を発生させるという問題がある。
この実施形態のギヤポンプ91では、低容量運転時において、戻し通路92からのオイルが、同じ流路方向で、吸入通路35のオイルと合流されるから、合流後の吸入通路35におけるオイルが昇圧される。
吸入通路35におけるオイルの昇圧により吸入通路35においてオイル中の気泡の発生を未然に防ぐことができる。
第4の実施形態のギヤポンプ91では、以下の作用・効果を奏する。
(1)このギヤポンプ91は、合流部付近における流路方向が一致することから、戻し通路92を通る流体の合流によるフロント側の吸入側空間部31における最大限の昇圧を行うことができる。これにより、合流部付近における流路方向が一致しない場合と比較して、フロント側の吐出側空間部32と吸入側空間部31との差圧が小さくなる。両者31、32の差圧が小さくなることにより、フロント側ギヤポンプ部P1の仕事量が軽減される。
(2)このギヤポンプ91では、フロント側の吐出側空間部32と吸入側空間部31との差圧が、合流部付近における流路方向が一致しない場合と比較して小さくなることにより、フロント側の第1駆動ギヤ22及び第1従動ギヤ23が互いに噛合する閉じ込み部や第1ギア室12からのオイルの漏れは、両者31、32の差圧が大きい場合と比べて少なくなり、ギヤポンプとしての容積効率を向上させることができる。また、駆動軸27および従動軸28から軸受29が受ける荷重が低減され、駆動軸27および従動軸28と軸受29間の摺動摩擦が低減されて機械効率の向上効果がある。
(3)低容量運転時において、戻し通路92からのオイルが吸入通路35のオイルと平行に合流されるから、合流後の吸入通路35におけるオイルの動圧が効率良く上昇され、吸入通路35においてオイル中の気泡の発生を未然に防ぐことができる。これにより、ギヤポンプ91における騒音や振動、及び各ポンプ部品への壊食(エロージョン)の発生を抑制することができる。
なお、上記の第1〜第4の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプは、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。
○ 第1〜第4の実施形態では、可変容量型ギヤポンプの最大流量を100%としたとき、フロント側ギヤポンプ部とリヤ側ギヤポンプ部をそれぞれ50%としたが、両ギヤポンプ部の能力をそれぞれ50%の限定する主旨ではなく、例えば、70%と30%のように両ギヤポンプ部の能力については条件に応じて適宜に設定すればよい。
○ 第1〜第4の実施形態では、ギヤポンプ部については、フロント側ギヤポンプ部とリヤ側ギヤポンプ部の2個としたが、3個以上のギヤポンプ部を設けてもよい。この場合、低容量運転時において戻し通路に通すオイルは少なくとも1個のギヤポンプ部から吐出されるオイルであればよい。
○ 第1〜4の実施形態では、吸入通路は長手方向に亘って円形横断面を有しているが、第1、第2、第4の実施形態では必ずしも円形横断面を有する吸入通路とする必要はない。吸入通路の横断面は、例えば、多角形状や楕円・長円状の吸入通路であってもよい。また、第3の実施形態の場合でも、戻し通路との合流部付近にのみ円形横断面が吸入通路に存在するとしてもよい。さらに言うと、この合流部から下流側に円形横断面を備えると、吸入通路においてオイルの旋回流の発生を促進する点でより好ましい。
○ 第1〜第4の実施形態では、各ギヤ室の吐出側空間部及び吐出通路と連通する吐出路が備えられているが、吐出路を設けずに各ギヤ室の吐出側空間部が吐出通路と直接連通するようにしてもよい。この場合、ギヤ室とギヤ室との間を結ぶ吐出通路を遮断するように逆止弁を設置する必要がある。
○ 第1〜第4の実施形態では、戻し通路が駆動軸及び従動軸の後瑞よりも後方を通るように形成されていたが、戻し通路については上記の各実施形態に示した位置に限定されない。例えば、戻し通路を駆動軸及び従動軸の少なくとも一方の軸外周側に通すようにしてもよく、この場合、戻し通路と吸入通路との合流部を吸入通路の上流側に設けるためには、最もリヤ側のギヤ室と駆動軸及び従動軸の後端との間に戻し通路を設けることが好ましい。
第1の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプの構造を示す断面側面図である。 図1におけるA−A線の矢視図である。 図2におけるB−B線の矢視図である。 低容量運転時の状態を示す可変容量型ギヤポンプの断面側面図である。 第2の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプの要部を示す断面側面図である。 第3の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプの要部を示す断面正面図である。 第4の実施形態に係る可変容量型ギヤポンプの構造を示す断面側面図である。
符号の説明
10、71、81、91 可変容量型ギヤポンプ
11 ボディ
12 第1ギヤ室
13 第2ギヤ室
14 仕切部
15 フロントハウジング
16 リヤハウジング
21 第1ギヤ機構
22 駆動ギヤ(第1ギヤ機構)
23 従動ギヤ(第1ギヤ機構)
24 第2ギヤ機構
25 駆動ギヤ(第2ギヤ機構)
26 従動ギヤ(第2ギヤ機構)
27 駆動軸
28 従動軸
35 吸入通路
36 ボディ側吸入路
37 リヤ側吸入路
41 吐出通路
42 フロント側吐出路
43 リヤ側吐出路
45 逆止弁
50、72、82、92 戻し通路
51 開閉弁
55 電磁弁
60 吸入圧用連通路
61 吐出圧用連通路
73 ガイド部
94 平行ガイド部
P1 フロント側ギヤポンプ部
P2 リヤ側ギヤポンプ部

Claims (7)

  1. 駆動ギヤと従動ギヤが互いに外接して噛合する複数のギヤ機構を備え、前記ギヤ機構がハウジングに形成された複数のギヤ室に夫々収容され、前記ギヤ室の吸入側空間部と連通する吸入通路と、前記ギヤ室の吐出側空間部と連通する吐出通路と、特定の前記ギヤ室の吐出側空間部へ吐出される流体を前記吸入通路へ戻す戻し通路と、前記戻し通路を開閉する開閉弁と、特定の前記ギヤ室以外の前記ギヤ室から吐出された流体の特定の前記ギヤ室の吐出側空間部への流入を防止する逆止弁とを有する可変容量型ギヤポンプであって、
    各駆動ギヤが互いに共通の駆動軸心を有するとともに、各従動ギヤが互いに共通の従動軸心を有し、
    前記吸入通路は前記駆動軸心に沿ってハウジング内に形成され、
    前記戻し通路と前記吸入通路の合流部は、該吸入通路における前記吸入側空間部よりも上流側に設定されていることを特徴とする可変容量型ギヤポンプ。
  2. 前記ハウジングは前記吸入通路に流体を導入する吸入口を有し、該吸入口は駆動軸心方向のハウジング端面において開口していることを特徴とする請求項1記載の可変容量型ギヤポンプ。
  3. 前記戻し通路は前記ハウジング内に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の可変容量型ギヤポンプ。
  4. 前記吐出通路はハウジング内に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の可変容量型ギヤポンプ。
  5. 前記吸入通路は円形横断面を有し、前記合流部は前記円形横断面に対して接線方向から前記戻し通路が接続されることにより形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の可変容量型ギヤポンプ。
  6. 前記合流部は、前記戻し通路が前記吸入通路の流路方向に対して傾斜して接続されることにより形成され、前記戻し通路の傾斜方向は前記戻し通路からの流体が前記吸入通路に流入されることにより該吸入通路内の流体の流速を増大させる方向とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の可変容量型ギヤポンプ。
  7. 前記合流部は、前記戻し通路の前記吸入通路側の端部にガイド部を設けることによって形成され、前記戻し通路からの流体が前記吸入通路に流路方向を一致させながら流入することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の可変容量型ギヤポンプ。
JP2008030926A 2007-08-09 2008-02-12 可変容量型ギヤポンプ Pending JP2009062970A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008030926A JP2009062970A (ja) 2007-08-09 2008-02-12 可変容量型ギヤポンプ
US12/186,625 US20090041593A1 (en) 2007-08-09 2008-08-06 Variable displacement type gear pump
EP08014138A EP2022985A2 (en) 2007-08-09 2008-08-07 Valiable displacement type gear pump

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007207331 2007-08-09
JP2008030926A JP2009062970A (ja) 2007-08-09 2008-02-12 可変容量型ギヤポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009062970A true JP2009062970A (ja) 2009-03-26

Family

ID=40557755

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008030925A Pending JP2009062969A (ja) 2007-08-09 2008-02-12 可変容量型ギヤポンプ
JP2008030926A Pending JP2009062970A (ja) 2007-08-09 2008-02-12 可変容量型ギヤポンプ

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008030925A Pending JP2009062969A (ja) 2007-08-09 2008-02-12 可変容量型ギヤポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2009062969A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5590424B2 (ja) * 2010-07-23 2014-09-17 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT1119682B (it) * 1979-03-07 1986-03-10 Fiat Allis Macch Movi Pompa a afluido per circuiti idraulici
JPH09133084A (ja) * 1995-11-10 1997-05-20 Kubota Corp 多連式ギヤポンプ
JP2004278502A (ja) * 2003-01-24 2004-10-07 Toyota Industries Corp 多段ギヤポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009062969A (ja) 2009-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2022985A2 (en) Valiable displacement type gear pump
JP5104656B2 (ja) 可変容量型回転式ポンプ
US7976297B2 (en) Gear pump including introduction paths and return paths
JP2009191754A (ja) 可変容量ギヤポンプ
US20090041594A1 (en) Variable displacement type gear pump
JP2004278502A (ja) 多段ギヤポンプ
JP5576191B2 (ja) 車両用内接歯車型オイルポンプ
US9828916B2 (en) Fuel system
JP2010014101A (ja) 多連式ベーンポンプ
JP5007085B2 (ja) タンデムポンプのバルブ構造
US20070251378A1 (en) Dual flow axial piston pump
US9033690B2 (en) Scavenge gear pump
JP2009062970A (ja) 可変容量型ギヤポンプ
JP2009127569A (ja) 内接歯車ポンプ
US20090125191A1 (en) Power Steering Apparatus
JP2009203811A (ja) 可変容量型ギヤポンプ
JP2009236074A (ja) 二連歯車ポンプ
JP5104655B2 (ja) 可変容量型回転式ポンプ
US8230973B2 (en) Transmission pump system
WO2022251157A2 (en) Hydraulic pump assembly
US8596991B2 (en) Thermally efficient multiple stage gear pump
JP2010185297A (ja) 内接歯車ポンプ
KR102140323B1 (ko) 전동 오일 펌프
US6877961B2 (en) Vane pump with a bypass valve and passage arrangement for equalizing excess fluid flow through dual suction passages
JP4082087B2 (ja) 液圧歯車ポンプ