JP2009062453A - 共重合ポリエステル樹脂およびそれよりなる共重合ポリエステルフィルム状接着材料 - Google Patents

共重合ポリエステル樹脂およびそれよりなる共重合ポリエステルフィルム状接着材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリエステル、ポリイミドへの接着強力が共に高い共重合ポリエステル樹脂およびそのフィルム状接着材料を提供する。
【解決手段】 数平均分子量が10000以上、融点が70℃〜170℃、融解熱量が20J/g以下、酸価0.5mgKOH/g以上、かつ、全表面自由エネルギーに占める表面自由エネルギーの極性成分の割合が8%未満であり、厚み12μm以上の共重合ポリエステル樹脂よりなるフィルム状接着材料が、1対のポリイミドフィルムの間にフィルム状接着材料を挟み、温度(共重合ポリエステルの融点+30℃)、圧力20kg/cm2、時間30分の条件で熱圧着し、80℃で15時間以上エージングした後の、接着強度が15N/25mm以上であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステルフィルム状接着材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステルおよびポリイミドに接着する共重合ポリエステル樹脂およびそれよりなる共重合ポリエステルフィルム状接着材料に関する。
近年、ポリイミドフィルムは耐熱性が優れていることから、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ法多層プリント配線板など耐熱性が要求される分野で様々な分野で用いられている。そのような分野で用いられる接着剤としては、取り扱いの簡便さ、得られる接着力、また、接着剤からの低分子化合物のマイグレーションが起きにくく、耐汚染性に対して良好なためポリエステル樹脂系接着剤が用いられる。一般的に、ポリエステル樹脂系接着剤は、トルエン、2-ブタノン、酢酸エチル等の有機溶媒に溶解され、接着剤として用いられるが、接着するものの脆さがあるので、改良が求められていた。
特許文献1には、ポリエステル樹脂に、エポキシ、アクリル、イソシアネートから選ばれる反応性化合物を含有させ、接着剤の液状性を損なうことなく、ポリエステル樹脂の高分子量化を図り、ポリエステル樹脂の脆さ、接着性を改善している。特許文献2では、ポリエステル樹脂に対して、分子中に、2個以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化促進剤を配合し、更に、接着性、耐熱性の向上を図っている。
しかしながら、ポリエステル樹脂に対して、反応性を有するエポキシ樹脂等を配合するには、配合の手間とコストがかかり、また、接着剤が反応性を有するため、一旦配合してしまうと接着剤のポットライフが短くなり、長期にわたって使用する場合は取り扱いの不便さがあった。よって、反応性樹脂を配合しないで、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムに十分接着するポリエステル系接着剤を用いることが望まれていた。
特開2000−198909号公報 特開2005−125724号公報
本発明は、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムへの接着強力が高い共重合ポリエステル樹脂およびそれから得られるフィルム状接着材料を提供しようとするものである。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究した結果、共重合ポリエステル樹脂の特定の特性をコントロールすることで、ポリエステルおよびポリイミドへの接着強力が高くなることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記のとおりである。
(1) 数平均分子量が10000以上、融点が70℃〜170℃、融解熱量が20J/g以下、酸価0.5mgKOH/g以上、かつ、表面自由エネルギーの極性成分/全表面自由エネルギーが8%未満であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステルフィルム状接着材料。
(2) 厚み12μm以上の共重合ポリエステル樹脂よりなるフィルム状接着材料であり、1対のポリイミドフィルムの間にフィルム状接着材料を挟み、温度(共重合ポリエステルの融点+30℃)、圧力20kg/cm2、時間30分の条件で熱圧着し、80℃で15時間以上エージングした後の、接着強度が15N/25mm以上である(1)に記載の共重合ポリエステルフィルム状接着材料。
本発明によれば、ポリエステルおよびポリイミドへの接着強力が共に高い共重合ポリエステル樹脂およびそのフィルム状接着材料を提供できるようになり、産業上の利用価値は極めて高い。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、共重合ポリエステル樹脂は、主としてジカルボン酸成分とグリコール成分の等モル量から構成された樹脂である。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4、4′−ジカルボキシビフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、オクタデカン二酸、アイコサン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸の脂環族ジカルボンもしくはそのエステル形成性誘導体等を例示できる。
これらのジカルボン酸成分のなかで、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は汎用性があり好ましい。またこれらの比率は、共重合ポリエステルの融点やガラス転移点が本発明に規定する範囲に入るように選択される。
グリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3(4)、8(9)−ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ(5.2.1.1/2.6)デカン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールC、ビスフェノールZ、ビスフェノールAP、4,4′−ビフェノールのエチレンオキサイド付加体またはプロピレンオキサイド付加体、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
これらのグリコール成分のなかで、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体は汎用性があり好ましい。またこれらの比率は、共重合ポリエステルの融点やガラス転移点が本発明に規定する範囲に入るように選択される。
上記共重合ポリエステル樹脂には、適度な柔軟性、接着性の向上、ガラス転移点の調整などの目的に応じて、ヒドロキシカルボン酸を共重合成分として用いることができる。ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸のエチレンオキシド付加体、m−ヒドロキシ安息香酸のエチレンオキシド付加体、o−ヒドロキシ安息香酸のエチレンオキシド付加体、乳酸、オキシラン、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
これらのヒドロキシカルボン酸のなかで、ε−カプロラクトンは汎用性があり好ましい。またこれらの比率は、共重合ポリエステルの融点やガラス転移点が本発明に規定する範囲に入るように選択される。
共重合ポリエステルには、少量であれば、3官能以上のカルボン酸成分やアルコール成分を共重合成分として添加してもよい。3官能以上のカルボン酸成分としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水べンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸等の芳香族カルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族カルボン酸が挙げられる。
3官能以上のアルコール成分としては、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、α−メチルグルコース、マニトール、ソルビトールが挙げられる。
これらは必ずしも1種類で用いる必要はなく、樹脂に対し付与したい特性に応じて複数種以上混合して用いることが可能である。このとき、3官能以上のモノマーの割合としては、全カルボン酸成分または全アルコール成分に対して0.2〜5モル%程度が適当である。0.2モル%未満では添加した効果が発現せず、5モル%を超える量を含有せしめた場合には、重合の際、ゲル化点を超えゲル化が問題になる場合がある。
また、共重合ポリエステル樹脂樹脂には、モノカルボン酸、モノアルコールが共重合されていてもよい。モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸等、モノアルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明において、共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量は、10000以上であることが必要であり、15000以上であることが好ましい。分子量が10000未満であると、共重合ポリエステル樹脂自体の凝集力が小さくなるため、ポリエステルやポリイミドへの接着強力が低くなるので好ましくない。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、融点(以下、Tmと略称する)は、70〜170℃であることが必要であり、70〜150℃であることが好ましい。Tmが170℃を超える共重合ポリエステル樹脂の場合、融解熱量が20J/gを超えるため好ましくない。また、70℃未満の共重合ポリエステル樹脂の場合、保存条件によっては、接着材料に変形が生じるので好ましくない。
また、共重合ポリエステル樹脂の融解熱量(以下、ΔHと略称する)は、20J/g以下であることが必要である。ΔHが20J/gよりも大きいと、共重合ポリエステル樹脂自体の凝集力が大きくなりすぎて、接着強力が低くなるので好ましくない。
さらに、共重合ポリエステル樹脂のガラス転移点(以下、Tgと略称する。)は、−20℃以上であることが好ましい。Tgが−20℃未満であると、フィルム製膜時の操業性が損なわれることがある。
共重合ポリエステル樹脂の酸価は0.5mgKOH/g以上であることが必要である。酸価が0.5mgKOH/gよりも小さいと、ポリエステルやポリイミドへの接着強力が低くなるので好ましくない。
また、共重合ポリエステル樹脂の表面自由エネルギーの極性成分/全表面自由エネルギーは8%未満である必要がある。8%よりも大きいと、フィルムへの濡れ性が悪くなり、ポリエステルフィルム等への接着強力が急激に低下するので好ましくない。 一般的には、極性成分は物質の密度や分子量と相関しており、分散成分は極性基密度に相関しているとされている。なお、表面自由エネルギーの極性成分および分散成分は次式(1)、(2)によって求めることができる。
L1 * (1+cosθL1))/2 = (γd)1/2L1 d)1/2 + (γ)1/2L1 )1/2 (1)
L2 * (1+cosθL2))/2 = (γd)1/2L2 )1/2 + (γ)1/2L2 )1/2 (2)

水の接触角をθL1、ジヨードメタンの接触角をθL2
共重合ポリエステル樹脂の表面エネルギーの分散成分、極性成分をγd、γ
水の全表面エネルギー、分散成分、極性成分をγL1、γL1 、γL1
ジヨードメタンの全表面エネルギーの分散成分、極性成分をγL2、γL2 、γL2
なお、γL1、γL1 、γL1 、γL2、γL2 、γL2 は以下の文献値の値を用いた。
γL1 = 72.8、γL1 = 21.8、γL1 = 51.0、γL2= 50.8、γL2 = 48.5、γL2 = 2.3 (mN/m) (D.H.Kaeble、K.C.Uy、J.Adhesion、2、50(1970))

共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量、酸価は、重合時間や解重合量を制御することにより、また、Tm、ΔHやTgは、共重合するモノマーの組み合わせを設定することにより、それぞれ上記範囲に調整することができる。
共重合ポリエステル樹脂は、前記のモノマーを組み合わせて、公知の方法により重縮合させることにより製造することができる。例えば、全モノマー成分および/またはその低重合体を、不活性雰囲気下で180〜250℃、2.5〜10時間程度反応させてエステル化反応をおこない、引き続いて130Pa以下の減圧下に220〜280℃の温度で所望の分子量に達するまで重縮合反応を進める方法を挙げることができる。
エステル化反応および重縮合反応の際には、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、テトラブチルチタネ−トなどのチタン化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウムなどの金属の酢酸塩、三酸化アンチモン、ヒドロキシブチルスズオキサイド、オクチル酸スズなどの有機錫化合物を用いて重合をおこなう。その際の触媒使用量は、生成する樹脂に対し、通常0.5質量%以下で用いる。
また、所望の酸価や水酸基価を付与する場合には、前記の重縮合反応に引き続き、多塩基酸成分や多価グリコール成分をさらに添加し、不活性雰囲気下、解重合をおこなう。
共重合ポリエステルフィルム状接着材料は、前述の共重合ポリエステル樹脂を、特願2006−088088号、特願2006‐226575号に記載されている方法やTダイ法やIダイ法など公知の製膜方法によって製造することができる。
中でも、特願2006−088088号に記載されている方法、すなわち、乾燥した共重合ポリエステル樹脂を押出機に投入し、溶融樹脂をリップ間隔が2mm以上の円形ダイスからチューブ状に引き上げ、空冷しながら同時に風船状に膨らまして製膜、折り畳み、ニップロールで円筒状のフィルムを熱融着し、それを巻き取るインフレーション方法や、円形ダイスより溶融樹脂を円筒状に冷却水の中を下方へ押出した後、折り畳み、ニップロールで円筒状のフィルムを熱融着し、それを捲き取るインフレーション方法で作製する方法が好ましい。また、特願2006‐226575号に記載されている方法、すなわち、乾燥した共重合ポリエステル樹脂を押出機に投入し、溶融した樹脂を、Tダイからフィルム状に押し出し、かかるフィルムを20℃以下の回転冷却ドラムに押しつけて急冷し、巻き取られる方法も好ましい。
共重合ポリエステルフィルム状接着材料は、必要に応じて、延伸や熱固定を施こしてもよく、また、コロナ放電処理、表面硬化処理、メッキ処理、着色処理、あるいは各種のコーティング処理による表面処理を施してもよい。
また、必要に応じて、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、マイカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、ゼオライト、クレー、ガラスビーズなどの無機化合物、紫外線防止剤、光安定剤、防曇剤、防霧剤、帯電防止剤、難燃剤、着色防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料などの添加剤を含有してもよい。
なお、共重合ポリエステルフィルム状接着材料の厚さは、200μm以下であることが好ましい。また製造時に延伸処理していない場合は、その厚さは50〜200μmであることが好ましく、延伸処理した場合は、12〜100μmであることが好ましい。フィルム接着材料の厚さが200μmを超えると、均整度が悪くなり、捲き姿が悪くなったり、皺が発生したりするなど、商品価値を損ねるため好ましくない。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。
1.フィルム状接着材料の作製
十分乾燥させた共重合ポリエステル樹脂のペレットを押出機に投入し、共重合ポリエステルのTmよりも高い温度で溶融した樹脂を、Tダイから、20℃に冷却した第1ローラーに押し出した。その後、4本のローラーを通した後、離型フィルム(ポリプロピレンフィルム、東セロ社製、50μm)をはさんで、捲取機によって100m捲き取った。得られたフィルム接着材料は、厚みが50μmに調整した。
2.評価方法
(1)共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量
数平均分子量は、GPC分析(島津製作所製の送液ユニットLC−10ADvp型および紫外−可視分光光度計SPD−6AV型を使用、検出波長:254nm、溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換算)により求めた。
(2)共重合ポリエステル樹脂のTm、ΔH、Tg
共重合ポリエステル10mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製 DSC7型)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定をおこない、2ndスキャンにおいての吸熱ピークの頂点温度をTm、そのときの融解熱量をΔH、2ndスキャンの昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をTgとした。
(3)共重合ポリエステルの酸価
ポリエステル樹脂0.15gを20mLのクロロホルムに溶解し、フェノールレッドを指示薬として水酸化カリウムで滴定を行い、中和に消費されたKOHのmg数をポリエステル樹脂1gあたりに換算した値を酸価として求めた。
(4)共重合ポリエステルの全表面自由エネルギーに占める表面自由エネルギーの極性成分の割合
フィルム状接着材料を、協和界面科学製 接触角計CA-X150を用いて、水およびジヨードメタンの接触角を測定した。その値を次式(1)、(2)に代入し、連立方程式を解いて、表面エネルギーの分散成分と極性成分を算出し、分散成分と極性成分をたして全表面エネルギーを算出した。
L1 * (1+cosθL1))/2 = (γd)1/2L1 d)1/2 + (γ)1/2L1 )1/2 (1)
L2 * (1+cosθL2))/2 = (γd)1/2L2 )1/2 + (γ)1/2L2 )1/2 (2)

水の接触角をθL1、ジヨードメタンの接触角をθL2
共重合ポリエステル樹脂の表面エネルギーの分散成分、極性成分をγd、γ
水の全表面エネルギー、分散成分、極性成分をγL1、γL1 、γL1
ジヨードメタンの全表面エネルギーの分散成分、極性成分をγL2、γL2 、γL2
なお、γL1、γL1 、γL1 、γL2、γL2 、γL2 は以下の文献値の値を用いた。
γL1 = 72.8、γL1 = 21.8、γL1 = 51.0、γL2= 50.8、γL2 = 48.5、γL2 = 2.3 (mN/m) (D.H.Kaeble、K.C.Uy、J.Adhesion、2、50(1970))

そのあと、極性成分/全表面エネルギー×100を計算し、共重合ポリエステルの全表面自由エネルギーに占める表面自由エネルギーの極性成分の割合とした。
(5)共重合ポリエステルの組成
H−NMR分析(バリアン社製、300MHz、溶媒CDCl、測定温度25℃)により求めた。
(6)フィルム接着材料の厚さ
フィルム接着材料の厚さは、SONY製デジタルマイクロメーターを用いて測定をおこなった。
(7)接着強度(N/25mm)
フィルム状接着材料をポリエステルフィルムまたはポリイミドフィルム(東レデュポン製カプトン500H)の間に空気が入らないようにはさんで、温度(融点+30℃)、圧力20kg/cm2で、30分かけて圧着し、80℃で15時間以上エージングした。そのあと、幅25mm、長さ100mmに切り出し、インテスコ引張試験機を用い、剥離速度50mm/分でT剥離をおこない、測定値の平均値(N数=5)を接着強力として求めた。
ポリエステルフィルムに対しては、材料破壊するか、接着強力が20N/25mm以上の場合を○、20N/25mm未満を×とした。
また、ポリイミドフィルムに対しては、材料破壊するか、接着強力が15N/25mm以上の場合を○、15N/25mm未満を×とした。
製造例1
テレフタル酸831g(50モル部)、シクロヘキサンジカルボン酸258g(15モル部)、セバシン酸708g(35モル部)、ブタンジオール2931g(145モル部)、ポリテトラメチレングリコール1000 52g(5モル部)からなる混合物を、攪拌しながら、オートクレーブ中240℃で3時間加熱してエステル化反応をおこなった。次いで、240℃のまま、触媒としてテトラブチレンチタネート2.0gを投入し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとし、重縮合反応をおこなった。適当な粘度になるまで重縮合をおこない、共重合ポリエステル樹脂Aを得た。得られた共重合ポリエステル樹脂Aの最終組成と特性を表1に示す。
製造例2〜9
使用モノマー、仕込みモル部を変更し、上記製造例1と同様の操作を行って、製造例2〜9の共重合ポリエステル樹脂B〜共重合ポリエステル樹脂Iを得た。得られた共重合ポリエステル樹脂B〜共重合ポリエステル樹脂Iの最終組成と特性を表1に示す。
実施例1〜5、比較例1〜4
共重合ポリエステルを用いて作製したフィルム状接着材料を、離型フィルムを離型除去後、ポリエステルフィルムおよびポリイミドフィルムで挟み、熱圧着させた。その接着材料を用いた場合の、ポリエステルフィルムおよびポリイミドフィルムへの接着強力を表2に示す。
実施例6
実施例1で用いた共重合ポリエステル樹脂Aを、十分乾燥させた95質量部の共重合ポリエステル樹脂Aと、5質量部のシリカ(富士シリシア製サイロホービック702)とを二軸押出機で混錬したものに変更する以外は、実施例1と同様に操作を行って、共重合ポリエステル接着材料を得た。その接着材料を用いた場合の、ポリエステルフィルムおよびポリイミドフィルムへの接着強力を表2に示す。
比較例5
実施例1で用いた共重合ポリエステル樹脂Aを共重合ポリエステル樹脂Fに変更する以外は、実施例1と同様に操作を行って、共重合ポリエステル接着材料を得た。その接着材料を用いた場合の、ポリエステルフィルムおよびポリイミドフィルムへの接着強力を表2に示す。
実施例1〜6の共重合ポリエステル樹脂およびフィルム状接着材料は、いずれも、ポリエステルフィルムへの接着強力が20N/25mm以上、かつ、ポリイミドフィルムへの接着強力が15N/25mm以上であり、いずれのフィルムに対しても十分な接着強力をもっていた。
これに対して、比較例1、5の共重合ポリエステル樹脂は、共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量が小さいために、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムへの接着強力が低いものであった。
比較例2、3の共重合ポリエステル樹脂は、融解熱量が大きく結晶性が高いために、全表面自由エネルギーに占める表面自由エネルギーの極性成分の割合が8%よりも高く、濡れ性が悪いために、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムへの接着強力が低いものであった。
比較例4の共重合ポリエステル樹脂は、酸価が非常に低いために、フィルムとの水素結合が形成しにくく、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムへの接着強力が低いものであった。






Claims (2)

  1. 数平均分子量が10000以上、融点が70℃〜170℃、融解熱量が20J/g以下、酸価0.5mgKOH/g以上、かつ、全表面自由エネルギーに占める表面自由エネルギーの極性成分の割合が8%未満であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステルフィルム状接着材料。
  2. 厚み12μm以上の共重合ポリエステル樹脂よりなるフィルム状接着材料であり、1対のポリイミドフィルムの間にフィルム状接着材料を挟み、温度(共重合ポリエステルの融点+30℃)、圧力20kg/cm2、時間30分の条件で熱圧着し、80℃で15時間以上エージングした後の、接着強度が15N/25mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルフィルム状接着材料。









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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024005196A1 (ja) * 2022-07-01 2024-01-04 東洋紡エムシー株式会社 共重合ポリエステル、シート状接着剤、積層フィルムおよび成形体

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