JP2009061796A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッドパターンの溝部面積を増加させることなく雪上性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを課題とする。
【解決手段】タイヤ周方向Uに沿ったリブ溝22と、リブ溝22に直交する狭幅ラグ溝24N及び広幅ラグ溝24Wによって区画された複数のブロックがトレッド部16に形成されている。このブロックには複数本のサイプ28が形成されている。センターブロック列30Cには、狭幅ラグ溝24Nを挟む一対のブロックによる向き合いパターン20が形成されている。セカンドブロック列32L、32Rでも同様である。そして、タイヤ幅方向Vに隣接するブロック同士では、サイプ28のタイヤ周方向位置が互いに異なる。これにより、サイプエッジが雪路面に引っ掛かっている時間が大幅に増大するので、雪上性能が大きく向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、雪道を走行する自動車に用いるのに最適な空気入りタイヤに関する
従来、冬用の空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ。例えば特許文献1〜3参照)では、雪道を走行する際、タイヤが雪道をグリップしきれずにタイヤが雪面上をスリップし易いという難点があった。
この対策として、雪道における発進時の加速性(雪上加速性)や雪上制動性、雪上操安性を改良するためにタイヤトレッドパターンの溝部の面積を増加させることもなされてきている。
しかし、溝部の面積を増加させると氷に接触するタイヤ部分の面積が減少するため、冬用の空気入りタイヤに要求される氷上性能が低下するという難点がある。このため、溝部の面積により雪上性能と氷上性能を両立させつつ雪上性能の改良を行うことには限界があるのが現状である。
特開平9−136516号公報 特開平10−203121号公報 特開2000−127716号公報
本発明は、上記事実を考慮して、トレッドパターンの溝部面積を増加させることなく雪上性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを課題とする。
本発明者は、タイヤの雪上における摩擦係数μの発現メカニズムについて以下の検討を行った。
図9に示すように、雪路面からは、圧縮抵抗力FA、エッジ効果による駆動力或いは制動力(以下、エッジ効果FDという)、表面摩擦力FC、及び、雪柱せん断力FB(雪柱Sをせん断する力)がタイヤTに作用している。ここで、圧縮抵抗力FAはタイヤ前面が雪面を押し固め走行抵抗となる力、エッジ効果FDはブロックエッジやサイプエッジが雪路面を引っ掻く力によって生じる力、表面摩擦力FCはゴム表面と雪路面間の摩擦力、雪柱せん断力FBはラグ溝で雪をせん断させることによりタイヤに生じる力を示す。なお、雪柱せん断力FBはブロック陸部とラグ溝部とによる歯車を回転させるメカニズムによって生じている。
そこで、本発明者は、溝部の面積を増大させずに雪上性能を向上させることを検討した。そして、トレッドパターン構成を工夫することによりエッジ効果を増大させることによりタイヤに生じる前後力を増大させることを鋭意検討し、実験を重ねて更に検討を加え、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、タイヤ周方向に沿ったリブ溝と前記リブ溝に交差するラグ溝とによって区画された複数のブロックがトレッド部に形成され、該ブロックには複数本のサイプが形成されている空気入りタイヤであって、前記トレッド部には、前記ラグ溝を挟む一対のブロックによる向き合いパターンが形成され、かつ、タイヤ幅方向に隣接するブロック同士では、前記サイプのタイヤ周方向位置が互いに異なることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、タイヤ幅方向に隣接するブロック同士では、前記サイプのタイヤ周方向位置が互いに異なっている。従って、サイプエッジ(サイプによって形成された複数の小ブロックのエッジ)が雪路面に引っ掛かっている時間(引っ掻いている時間)が従来に比べて大幅に増大するので、雪上性能(特に駆動性能)が大きく向上する。また、サイプエッジが引っ掻くことにより発生するノイズが分散するので、走行中に乗員が感じるノイズが低減する。
また、向き合いパターン内側(向き合いパターンのタイヤ周方向内側)と向き合いパターン外側(向き合いパターンのタイヤ周方向外側)とでトレッドパターンの機能を分離させ、雪上加速性と雪上制動性をそれぞれ向上させるパターン設計を行うことができる。しかも、この向き合いパターンには方向性を持たせる必要がないため、タイヤ回転方向を指定する必要が無いので、タイヤ4輪のローテーションが可能である。
請求項2に記載の発明は、前記サイプのタイヤ周方向位置が、タイヤ幅方向に位置する全てのブロック同士で互いに異なることを特徴とする。
これにより、請求項1に記載の発明によって得られる効果をより顕著なものとすることができる。
請求項3に記載の発明は、前記向き合いパターンは前記ラグ溝を挟んで点対称とされたパターンであることを特徴とする。
これにより、タイヤの回転方向を変えても向き合いパターンの効果が同等となるため、タイヤ4輪のローテーション時にも請求項1に記載の発明によって得られる効果をより顕著なものとすることができる。
請求項4に記載の発明は、前記トレッド部のトレッドパターンが、タイヤ赤道面を挟んで左右対称であることを特徴とする。
これにより、タイヤに制動力や駆動力が加わった際にパターンステアが生じることを防ぎ、ベルトが捩じられてスリップ角が付くことが無くなり、横力が発生しないため雪上操安性が悪化しない。
請求項5に記載の発明は、前記向き合いパターンのタイヤ周方向内側のラグ溝側のブロック部分では、前記向き合いパターンのタイヤ周方向外側のラグ溝側に比べ、サイプ密度が高いことを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、この構成により、サイプによって形成された小ブロックのタイヤ周方向幅が、向き合いパターンのタイヤ周方向内側のラグ溝側では、向き合いパターンのタイヤ周方向外側のラグ溝側に比べ、小さくなる。従って、向き合いパターンのタイヤ周方向内側のラグ溝側では、小ブロックの倒れ込みが大となり、特に雪上加速時においてエッジ効果が大となる。また、向き合いパターンのタイヤ周方向外側のラグ溝側では、小ブロックのエッジ部の剛性が大となり、特に雪上制動時のロックブレーキ時においてエッジ効果が大となる。
請求項6に記載の発明は、前記向き合いパターンのタイヤ周方向内側のラグ溝幅が、前記向き合いパターンのタイヤ周方向外側のラグ溝幅に比べて狭いことを特徴とする。
これにより、向き合いパターンのタイヤ周方向内側のラグ溝を隔てた小ブロック間隔が小となり、小ブロック同士が倒れ込む際に支え合うため、過度な倒れ込みによるエッジ効果の低下を防ぐことが出来る。また、向き合いパターンのタイヤ周方向外側ではラグ溝幅が大となり、雪柱せん断力を効果的に発揮させることが出来る。
請求項7に記載の発明は、前記向き合いパターンが、少なくともタイヤセンター部に形成されていることを特徴とする。
これにより、接地長が大となるタイヤセンター部で向き合いパターンによるエッジ効果を効果的に発揮させることが出来る。
なお、本発明では、トレッドパターンのブロック形状はリブ溝とラグ溝が直交する場合に限定されるものではなく、斜め溝を有する場合にも当然適用可能である。またブロックエッジ方向とサイプ方向とが平行である場合に限定されるものではなく、斜めサイプを有する場合にも当然適用可能である。また、サイプは板状サイプであっても良く、ブロック表面で振幅しながら延びる幅方向振幅サイプであってもよい。更には、ブロック深さ方向に振幅しながら延びる深さ方向振幅サイプ(3次元サイプ)であっても良い。
本発明によれば、トレッドパターンの溝部面積を増加させることなく雪上性能を向上させた空気入りタイヤとすることができる。
以下、実施形態として乗用車用のスタッドレスタイヤを挙げ、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、既に説明した構成要素と同様のものには同じ符号を付して、その説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ10は、両端部がそれぞれビードコア11で折り返されてトロイド状に跨る1層又は複数層で構成されるカーカス(例えばラジアルカーカス)12を備えている。
カーカス12のクラウン部12Cのタイヤ径方向外側には、複数枚(例えば2枚)のベルトプライが重ねられたベルト層14が埋設されている。
ベルト層14のタイヤ径方向外側には、溝を配設したトレッド部16が形成されている。トレッド部16には、図2に示すように、タイヤ周方向Uに沿った複数本のリブ溝(主溝)22が形成されている。また、トレッド部16には、タイヤ周方向と交差する複数本のラグ溝24が形成されている。本実施形態では、ラグ溝24はリブ溝22に直交しており、ラグ溝24はタイヤ幅方向Vに沿って形成されている。各ラグ溝24の両端部は、リブ溝22に連通するか、又は、トレッド端Tを越えてタイヤ幅方向外側へ排水可能なように延びている。
ここで、トレッド端とは、空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOK(2006年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%を内圧として充填し、最大負荷能力を負荷したときのタイヤ幅方向最外の接地部分を指す。なお、使用地又は製造地においてTRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
トレッド部16には、このリブ溝22及びラグ溝24によって、タイヤ赤道面CL上に中心線が位置するセンターブロック列30Cと、センターブロック列30Cのタイヤ幅方向両外側にそれぞれ隣接するセカンドブロック列32L、32Rと、セカンドブロック列32L、32Rのタイヤ幅方向両外側にそれぞれ位置するショルダーブロック列34L、34Rとが形成されている。
このようなブロック列を形成するように、リブ溝22として、センターブロック列30Cとセカンドブロック列32L、32Rとの間にそれぞれセンター主溝22L、22Rが形成され、セカンドブロック列32L、32Rとショルダーブロック列34L、34Rとの間にそれぞれショルダー主溝22P、22Qが形成されている。
また、ラグ溝24として、幅が狭い狭幅ラグ溝24Nと、幅が広い広幅ラグ溝24Wと、がタイヤ周方向Uに交互に配置されている。
センターブロック列30Cでは、狭幅ラグ溝24Nを挟んで点対称とされた一対のブロック26C、27Cによって向き合いパターン20が形成されている。ブロック26C、27Cには、タイヤ幅方向Vに沿ったサイプ28が形成されている。ブロック26C、27Cでは、広幅ラグ溝24W側よりも狭幅ラグ溝24Nの側にサイプ28が多く形成されている。従って、狭幅ラグ溝24Nの側のブロック部分では、広幅ラグ溝24Wの側のブロック部分に比べ、サイプ密度が高い。サイプ間隔はブロック26C、27Cで同一の間隔dとされている。狭幅ラグ溝24Nに隣接する狭幅ラグ溝側ブロック壁26Iと狭幅ラグ溝側ブロック壁26Iに最も近いサイプ28との間隔もdとされている。
サイプ28がこのように配置されていることによって、狭幅ラグ溝24Nの側(向き合いパターン内側)のブロック部分では幅狭の小ブロック26Nがタイヤ周方向Uに配列された構造になっている。そして、広幅ラグ溝24Wの側(向き合いパターン外側)のブロック部分における小ブロック26Wの幅Dは、小ブロック26Nの幅dよりも広くなっており、小ブロック26Wの剛性は小ブロック26Nよりも高い。
セカンドブロック列32Lも、センターブロック列30Cと同様、一対のブロック26L、27Lによって向き合いパターン20が形成されている。ブロック26L、27Lのタイヤ周方向配置位置は、ブロック26C、27Cに比べ、タイヤ周方向Uにd/4だけずれている。
セカンドブロック列32Rも、センターブロック列30Cと同様、一対のブロック26R、27Rによって向き合いパターン20が形成されている。ブロック26R、27Rのタイヤ周方向配置位置は、ブロック26C、27Cに比べ、タイヤ周方向Uにd/2だけずれている。
ブロック26C、27C、26L、27L、26R、27Rの寸法は同一である。従って、このようにブロック位置をタイヤ周方向にずらすことによって、タイヤ幅方向Vに位置する全てのブロック同士においてサイプのタイヤ周方向位置が互いに異なっている。すなわち、ブロック26Cとブロック26Lとではサイプ位置がd/4だけずれており、ブロック27Cとブロック27Lとでもサイプ位置がd/4だけずれている。また、ブロック26Cとブロック26Rとではサイプ位置がd/2だけずれており、ブロック27Cとブロック27Rとでもサイプ位置がd/2だけずれている。また、ブロック27Lとブロック27Rとではサイプ位置がd/4だけずれており、ブロック27Lとブロック27Rとでもサイプ位置がd/4だけずれている。
(作用、効果)
以下、本実施形態の作用及び効果について説明する。図4に示すように、雪道をタイヤが走行する際、各ブロックは、圧縮抵抗力FAを受けながら小ブロック26Nのエッジ部26NE、小ブロック26Wのエッジ部26WEを雪に入り込ませ、更に、雪を掘り起こす。
加速時においては、スリップ率大で小ブロックの倒れ込みが大となる際、狭幅ラグ溝24Nを挟んで互いに隣接するブロック同士、すなわち向き合いパターン20を形成している一対のブロックでは、小ブロック26N同士が倒れ込みつつ互いに支え合う。この結果、適切な倒れ込み量を保持し効果的にエッジ効果FDが発揮される。また、小ブロック26Wの剛性が高いため、小ブロック26Wのエッジ部26WEの剛性が大である。従って、制動時においては、特にロックブレーキ時でブロックの倒れ込み・接地面の浮き上がりを防ぐことができ、効果的にエッジ効果を発揮する。
また、雪道の走行では、広幅ラグ溝24Wでは雪が押し固められて雪柱Sが形成され、タイヤの転動に従って広幅ラグ溝側ブロック壁26Kでこの雪柱Sがせん断される。この結果、雪柱せん断力FBが発生する。溝面積を増やさずに雪上性能を向上させるためにはエッジ効果FDと雪柱せん断力FBとを増大させる必要がある。本実施形態では向き合いパターン20によりエッジ効果と雪柱せん断力との両者を効果的に発生させることが出来る。
また、本実施形態では、向き合いパターン内側(狭幅ラグ溝側)のブロック部分では、向き合いパターン外側(広幅ラグ溝側)のブロック部分に比べ、サイプ密度が高い。この構成により、向き合いパターン内側(狭幅ラグ溝側)に形成されている小ブロック26Nの幅dが、向き合いパターン外側に形成されている小ブロック26Wの幅Dに比べて小さくなる。従って、向き合いパターン内側では、小ブロック26Nの倒れ込みが大となり、特に雪上加速時においてエッジ効果が大となる。また、向き合いパターン外側では、小ブロック26Wのエッジ部26WEの剛性が大となり、特に雪上制動時のロックブレーキ時においてエッジ効果FDが大となる。従って、トレッドパターンの溝部面積を増加させることなく、すなわち氷上性能を犠牲にすることなく、雪上性能を向上させたタイヤとすることができる。
更に、ブロック列毎にブロック位置をタイヤ周方向にずらすことによって、サイプのタイヤ周方向位置が、タイヤ幅方向Vに位置する全てのブロック同士で互いに異なっている。従って、サイプエッジが雪路面に常に引っ掛かっている状態となるので、雪上性能(特に駆動性能)が著しく向上する。また、エッジ部26NE、26WEが引っ掻くことにより発生するノイズが分散するので、走行中に乗員が感じるノイズが低減する。
また、向き合いパターン内側と向き合いパターン外側とでトレッドパターンの機能を分離させ、雪上加速性と雪上制動性をそれぞれ向上させるパターン設計を行うことができる。しかも、この向き合いパターン20には方向性を持たせる必要がないため、タイヤ回転方向(図3に示す進行方向、バック時の進行方向)を指定する必要が無いので、タイヤ四輪のローテーションが可能である。
更に、向き合いパターン内側に狭幅ラグ溝24Nが、向き合いパターン外側に広幅ラグ溝24Wが、それぞれ形成されている。これにより、狭幅ラグ溝24Nを隔てた小ブロック同士の間隔(すなわち狭幅ラグ溝24Nの幅BN)が小となり、小ブロック同士が倒れ込む際に支え合うため、過度な倒れ込みによるエッジ効果の低下を防ぐことが出来る。また、向き合いパターン外側では、広幅ラグ溝24Wを隔てた小ブロック同士の間隔BW(すなわち広幅ラグ溝24Wの幅BW)が大となり、雪柱せん断力FBを効果的に発揮させることが出来る。
また、タイヤセンター部を構成するセンターブロック列30Cで向き合いパターン20が形成されていることによって、接地長が大となるタイヤセンター部で向き合いパターン20によるエッジ効果を効果的に発揮させることが出来る。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図5に示すように、本実施形態では、第1実施形態に比べ、セカンドブロック列32Rに代えてセカンドブロック列32Lが配置されている。従って、トレッドパターンがタイヤ赤道面CLを挟んで左右対称となっている。
これにより、タイヤに制動力や駆動力が加わった際にパターンステアが生じることを防ぎ、ベルトが捩じられてスリップ角が付くことが無い。従って、横力が発生しないので雪上操縦安定性が悪化しない。
<試験例>
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの一例(以下、実施例のタイヤという)、従来例の空気入りタイヤの一例(以下、従来例のタイヤという)、及び、比較のための空気入りタイヤの一例(以下、比較例のタイヤという)を用意し、雪上での性能テストを行って性能を評価した。
従来例のタイヤでは、図10に示すように、実施例のタイヤに比べ、ブロック26C、27C、26L、27L、26R、27Rに代えてブロック76がトレッド部77に形成されている。また、従来例のタイヤでは、幅が全て同じにされたラグ溝84が形成されている。
比較例のタイヤでは、図11に示すように、従来例のタイヤに比べ、センターブロック列90Cを構成するブロックはブロック76と同じであるが、セカンドブロック列92Lを構成するブロック96L、及び、セカンドブロック列92Rを構成するブロック96Rが異なる。比較例のタイヤでも、従来例のタイヤと同様、幅が全て同じにされたラグ溝84が形成されている。
本試験例では、何れのタイヤについてもネガティブ率を35%とした。
ブロック寸法については、実施例のタイヤでは、図3に示すように、タイヤ周方向長さLを20mm、タイヤ幅方向長さMを20mm、タイヤ径方向深さ(ブロック高さ)Hを9mm、サイプ28の深さhを7.5mm、小ブロック26の幅Jを3.0mm、狭幅ラグ溝24Nの幅BNを2mm、広幅ラグ溝24Wの幅BWを7mmとした。
従来例のタイヤでは、ブロック76の外形寸法(図3に示したL、M、Hの値)は実施例のタイヤと同じである。また、ブロック76にはサイプ78が等間隔で形成されている。サイプ78の寸法はサイプ28と同じである。そして、トレッド部77を形成するセンターブロック列70C、セカンドブロック列72L、72Rにおいて、サイプ78のタイヤ周方向位置が同じである。
なお、従来例のタイヤでは、トレッドパターンを左右対称(タイヤ内側、タイヤ外側でトレッドパターンを対称形状)とするために、図10に示したようにタイヤ赤道面CLに対して面対称のトレッドパターンを形成している。従って、センターブロック列72C、セカンドブロック列72L、72Rにおいてサイプ78のタイヤ周方向位置が同じである。このため、実施例のタイヤに比べ、サイプエッジが雪路面に引っ掛かっている時間が大幅に短い。また、ラグ溝幅が全て同じであるので、各ブロック76のタイヤ周方向一方側のブロック部分76Aとタイヤ周方向他方側のブロック部分76Bとで機能を分離させることが出来ない。
比較例のタイヤでは、ブロック96L、96Rの外形寸法(図3に示したL、M、Hの値)は実施例のタイヤと同じである。ブロック96Lでは、タイヤ周方向一方側(図11の紙面下方側)でのサイプ密度が高くなっている。ブロック96Rでは、タイヤ周方向他方側(図11の紙面上方側)でのサイプ密度が高くなっている。ブロック96L、96Rに形成されているサイプ98の寸法はサイプ28と同じである。
なお、比較例のタイヤでは、図11に示したようにタイヤ赤道面CL上の点に対して点対称のトレッドパターンを形成している。このトレッドパターンでは、タイヤ赤道面CLに対してパターンが左右非対称となるため、タイヤに制動力や駆動力が加わった際にパターンステアが生じ、ベルトが捩じられスリップ角が付くことにより横力が発生してしまう。このため、特に雪上操縦安定性が悪化し易い。
各タイヤでは、ブロックエッジ部と実質的に平行なサイプが形成されるようにブロックに4本配置した。
本試験例では、全てのタイヤについて、タイヤサイズを195/65R15とし、6J−15のリムに組み付けて内圧を200kPaとし、乗用車に取付けて正規荷重を負荷した状態で実車走行により雪上加速性、雪上制動性、雪上操縦安定性の試験を行った。ここで、「正規荷重」とは、JATMAが発行する2006年版のYEAR BOOKに定められた適用サイズ・プライレーティングにおける最大荷重を指す。
雪上加速性の試験では、静止状態からアクセルを全開し、50m走行するまでの時間(加速タイム)で評価を行った。そして、従来例のタイヤでの走行時間に基づく評価指数を100とし、実施例、比較例のタイヤについて相対評価となる評価指数を算出した。評価結果を表1に示す。
Figure 2009061796
雪上制動性の試験では、30km/hの走行状態でフルブレーキをかけて静止状態になるまでの制動距離を計測した。そして、従来例のタイヤの制動距離に基づく評価指数を100とし、実施例、比較例のタイヤについて相対評価となる評価指数を算出した。評価結果を表1に併せて示す。
雪上操縦安定性の試験では、テストドライバーによる官能評価(フィーリングによる評価)を行った。その際、従来例のタイヤでのフィーリングに基づく評価指数を100とし、実施例、比較例のタイヤについて相対評価となる評価指数を算出した。評価結果を表1に併せて示す。
表1では評価指数が大きいほど性能が高いことを示す。表1から判るように、実施例のタイヤでは、従来例のタイヤや比較例のタイヤに比べ、雪上加速性、雪上制動性、雪上操縦安定性のいずれの試験においても評価指数が高くなっていた。従って、トレッドパターンの溝部面積を増加させることなく、すなわち氷上性能を犠牲にすることなく、トレッドパターン構成を工夫した実施例のタイヤによって、雪上性能(雪上加速性、雪上制動性、雪上操安性)を向上させることができた。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
なお、ブロック位置をずらさずに、サイプ間隔dを等間隔にしたままサイプ位置のみをずらしたタイヤとしてもよい。例えば、図6に示すように、センターブロック列40C、セカンドブロック列40L、40Rでブロックのタイヤ周方向位置を同じとする。そして、センターブロック列40Cではセカンドブロック列42Rに対してサイプ28の位置を紙面上側へd/4だけずらし、セカンドブロック列42Lでは、セカンドブロック列42Rに対してサイプ28の位置を紙面下側へd/4だけずらす。これにより、狭幅ラグ溝24N及び広幅ラグ溝24Wをタイヤ幅方向Vに一直線上に位置させることができる。
また、サイプ間隔を不均一にしてもよい。例えば図7に示すように、センターブロック列50Cのサイプ間隔d1を、セカンドブロック列52L、52Rのサイプ間隔d2に比べて広くしてもよい。また図8に示すように、向き合いパターン60を形成する一対のブロックにおいて、一方のブロック66では広いサイプ間隔d1とし、他方のブロック67では狭いサイプ間隔d2としてもよい。
第1実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ径方向断面図である。 第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す平面図である。 図3(A)及び(B)は、それぞれ、第1実施形態に係る空気入りタイヤで、一対のブロックによって向き合いパターンが形成されていることを示す平面図、及び、斜視図である。 図4(A)及び(B)は、それぞれ、第1実施形態で、空気入りタイヤが雪路面を転動することを示す模式的な部分側面断面図、及び、雪路面に当接しているブロックの側面断面図である(図4(A)ではサイプ本数を省略している。また、図4(B)でドットを付した領域は、雪路面を引っ掻いている部分を示す)。 第2実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す平面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの変形例のトレッドパターンを示す平面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの変形例のトレッドパターンを示す平面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの変形例のトレッドパターンを示す平面図である。 図9(A)及び(B)は、それぞれ、従来の空気入りタイヤが雪路面を転動することを示す模式的な部分側面断面図、及び、雪路面に当接しているブロックの側面断面図である(図9(A)ではサイプ本数を省略している。また、図9(B)でドットを付した領域は、雪路面を引っ掻いている部分を示す)。 試験例で用いた従来例の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す平面図である。 試験例で用いた比較例の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す平面図である。
符号の説明
10 空気入りタイヤ
16 トレッド部
U タイヤ周方向
20 向き合いパターン
22 リブ溝
24 ラグ溝
CL タイヤ赤道面
26C ブロック
26L ブロック
26R ブロック
27L ブロック
27C ブロック
27R ブロック
28 サイプ
24W 広幅ラグ溝
24N 狭幅ラグ溝
BN 幅(ラグ溝幅)
BW 幅(ラグ溝幅)
V タイヤ幅方向
77 トレッド部
76 ブロック
78 サイプ
84 ラグ溝
96L ブロック
92R ブロック
60 向き合いパターン
66 ブロック
67 ブロック

Claims (7)

  1. タイヤ周方向に沿ったリブ溝と前記リブ溝に交差するラグ溝とによって区画された複数のブロックがトレッド部に形成され、該ブロックには複数本のサイプが形成されている空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部には、前記ラグ溝を挟む一対のブロックによる向き合いパターンが形成され、
    かつ、タイヤ幅方向に隣接するブロック同士では、前記サイプのタイヤ周方向位置が互いに異なることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記サイプのタイヤ周方向位置が、タイヤ幅方向に位置する全てのブロック同士で互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記向き合いパターンは前記ラグ溝を挟んで点対称とされたパターンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド部のトレッドパターンが、タイヤ赤道面を挟んで左右対称であることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記向き合いパターンのタイヤ周方向内側のラグ溝側のブロック部分では、前記向き合いパターンのタイヤ周方向外側のラグ溝側に比べ、サイプ密度が高いことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記向き合いパターンのタイヤ周方向内側のラグ溝幅が、前記向き合いパターンのタイヤ周方向外側のラグ溝幅に比べて狭いことを特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記向き合いパターンが、少なくともタイヤセンター部に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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