JP2009061638A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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伸郎 徳武
Yoshiyuki Nagase
好幸 長瀬
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岳志 太田
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Abstract

【課題】 記録物の画質を向上させる、もしくは記録物の画質を維持したままインクジェット記録装置側の制限条件を緩和できる、非常に使い勝手の良いインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】 基材上にインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該インク吸収層はインクを吸収する細孔を有し、該インクジェット記録媒体表面または/およびインク吸収層の下層は、その状態が物理的および/または化学的に異なる平面方向のパターンを有し、該平面方向のパターンの一周期の最短部の距離は該細孔の平均周期よりも大きく30μmよりも小さくする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録方式に用いられる記録媒体に関するものである。特に、写真画質に近い印字品位を有するインクジェット記録媒体に関するものである。
インクジェット記録方式は、比較的安価な装置でフルカラープリントが可能なこと、装置の高速化、大型化に適していること、操作や保守が簡便なことなど、優れた記録方式の一つである。近年、インク吐出技術の向上などを含むインクジェット記録装置の改善とインク吸収性の向上などを含むインクジェット記録媒体の改善が両輪となり、写真画質に近い印字品位を有する記録が可能となってきており、更に需要が高まってきている。
従来、画質の改善はもっぱら高解像度化の方向、つまりインクジェット記録装置側はインク液滴を小さくし、インクジェット記録媒体側は吸収性を向上させるなどで、インクジェット記録媒体上に極力小さく形状の整ったインクドットを形成する方向で進められてきた。しかしこの方向での改善を進めるにつれて、それに伴う課題が顕在化してきている。一般にドットの小径化を進めるとインクジェット記録装置側の性能ばらつきの影響を受けやすくなり、例えばバンディングが生じやすくなり、インクジェット記録装置側にそれを解消するための改善を必要とさせている(例えば特許文献1)。ハイライト部での粒状性が目立ちやすくなるなども重要な課題である。またこれ以上の小径化は、インクジェット記録装置の高速化、大型化の点でも重要な制限事項になる。
画質の改善は高諧調化の方向、つまりインクジェット記録装置側で例えば淡インクを追加するなどでインクを多色化し、インクジェット記録媒体上に極力多くの諧調の画素を形成する方向でも進められてきた。しかしこの方向での改善を進めるにつれても、それに伴う課題が顕在化してきている。例えば、一般に淡インクを含む多色化を進めると印字インク量が増えるため印字時にインク滲みが生じやすくなり、インクジェット記録装置側にそれを解消するための改善(例えば特許文献1)やインクジェット記録媒体側に更なる吸収性の向上を必要とさせている。光沢度が低下しやすいなども重要な課題である。また多色化の方向は、インクジェット記録装置の低価格化の点でも重要な制限事項になる。
インクジェット記録媒体側の改善として、吸収性向上以外の方法も検討されている。例えば特許文献2では、印字時のバンディングと保管後のインク滲みの改善を両立するために、染料インクの染料を固定するための耐水化剤を所定条件とし染料をわざとかすかに拡散させる方法が提案されている。但しこの方法での染料の拡散量はインク種に依存するなど、改善効果はインクジェット記録装置との組み合わせ要因が大きい。インクジェット記録媒体側の改善としては、インクジェット記録装置への対応力が高く、より汎用性の高い方法が望まれる。
また主に画質以外の改善のために、インクジェット記録媒体にパターニングを施す方法も検討されている。例えば特許文献3や特許文献4では、主にインクの定着性を改善する目的で、インク記録媒体表面に凹凸をつける方法が提案されている。但し上記のバンディングや粒状性などの画質改善と両立する技術については特に開示されていない。また例えば特許文献5では、定着性に加えて、主に水性樹脂からなるいわゆる膨潤タイプのインク受容層における顔料インクの画質改善(具体的にはひび割れ)を防止する目的で、インク受容層表面に凹凸をつける方法が提案されている。但し細孔を有するいわゆる空隙タイプのインク受容層において、バンディングや粒状性などの画質改善と両立するする技術については特に開示されていない。
特許第3819573号公報 特許第3849354号公報 特公平4−60031号公報 特開2003−159864号公報 特開2000−158804号公報
本発明は、インクジェット記録方式に用いられる記録媒体において、記録物の画質を向上させる、もしくは記録物の画質を維持したままインクジェット記録装置側の制限条件を緩和できる、非常に使い勝手の良いインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のインクジェット記録媒体は、基材上にインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該インク吸収層はインクを吸収する細孔を有し、該インクジェット記録媒体表面または/およびインク吸収層の下層は、その状態が物理的および/または化学的に異なる平面方向のパターンを有し、該平面方向のパターンの一周期の最短部の距離は該細孔の平均周期よりも大きく30μmよりも小さいことを特徴とする。
また、前記インクジェット記録媒体表面の前記平面方向のパターンは、凹凸形状、インク吸収性、親水性/疎水性の少なくともひとつの状態差を含むことを特徴とする。
また、前記平面方向のパターンは凹凸形状とインク吸収性差を有し、相対的に凸部の上面はインク吸収性が高く凹部の底面はインク吸収性が低いことを特徴とする。
また、前記平面方向のパターンは凹凸形状と親水性/疎水性差を有し、相対的に凸部の上面は疎水性であり凹部の底面は親水性であることを特徴とする。
また、前記平面方向のパターンは親水性/疎水性差とインク吸収性差を有し、相対的に疎水性の部分はインク吸収性が低く親水性の部分はインク吸収性が高いことを特徴とする。
また、前記平面方向のパターンは凹凸形状を有し、凸部の上面と凹部の底面の高さ差は0.2μm以上3μm以下であることを特徴とする。
また、前記インク吸収層の下層の前記平面方向のパターンは、凹凸形状を有することを特徴とする。
本発明によれば、使い勝手が良く、記録物の画質を向上させる、もしくは記録物の画質を維持したままインクジェット記録装置側の制限条件を緩和できるインクジェット記録媒体を提供することが可能である。
以下に図を用いて、本発明のインクジェット記録媒体(以下、記録媒体)について説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
インクジェット記録方式の画質改善において、様々な改善方法が選択可能だが、インクジェット記録装置(以下、プリンタ)側への制限条件が少ない改善方法が望ましい。本発明者らはこの点に着目し、鋭意検討した結果、本発明に至った。本発明によれば、記録媒体の表面やインク吸収層の下層の平面方向に所定のパターンを施すことにより、インク液滴を分割し、インクを平面方向の所定の位置に移動させ、所定の位置に定着させることが可能となる。そしてその作用を用いて、インクドット位置を制御したり、インクドット形状を制御したり、インクドット濃度の諧調数を増やしたり、画素濃度を向上させたり、複数のインク液滴間の混合状態を制御したりすることが可能となる。その結果、バンディングや粒状性、インク滲み、光沢度などを改善することができる。
インク吸収層は、膨潤タイプを含め様々なタイプが使用可能だが、ある程度以上のインク吸収速度を有していることが好ましい。インクを吸収する細孔を有する空隙タイプのインク吸収層は、インク吸収速度が速く、好ましい。
平面方向のパターンは、その一周期の最短部の距離が細孔の平均周期よりも大きく30μmよりも小さいことが好ましい。プリンタから吐出されたインク液滴を適度な個数に分割し吸収することができる。一周期の最短部の距離を30μmよりも小さくすることにより、バンディングや粒状性が目立ちやすくなるサイズのインク液滴に対し、吐出されたインク液滴の多くを効果的に分割でき、好ましい。一周期の最短部の距離を細孔の平均周期よりも小さくすると、パターン内に細孔を有しないパターンの比率が増え、インク吸収性の点で好ましくない。
平面方向のパターンは、記録媒体表面または/およびインク吸収層の下層の状態が物理的および/または化学的に異なることが好ましい。インクを平面方向に移動させ、定着させることができる。その状態差は、凹凸形状、インク吸収性、親水性/疎水性の少なくともひとつを含むのが好ましい。
記録媒体表面の平面方向のパターンは、凹凸形状を有することが好ましい。インクを平面方向に移動させ、所定の位置に定着させることができるとともに、インク膜のほとんどを凹部で保持することで印字後の記録物の擦過性を向上させることができ、好ましい。
記録媒体表面の凹凸形状は、インク吸収層塗布時もしくは塗布後のインク吸収層に対するパターニングや凹凸形状をパターニングされた下層上にインク吸収層を塗布することなどで形成することができる。製造済の記録媒体のインク吸収層に対し後処理としてパターニングする方法も好ましい。
記録媒体表面の凹凸形状の凸部の上面と凹部の底面の高さ差は、0.2μm以上3μm以下であることが好ましい。インク膜厚と同程度の0.2μm以上とすると、擦過性を効果的に向上させることができ、好ましい。また3μm以下とすると、記録媒体のインク吸収層に対し後処理として加圧を用いてパターニングする方法などにおいて、インク吸収層全体としてのインク吸収総量低下を小さくすることができ、好ましい。
記録媒体表面の平面方向のパターンは、インク吸収性差を有することも好ましい。インクを平面方向に移動させ、所定の位置に定着させるに際し、インクの平面方向の移動や位置をより効果的に制御でき、好ましい。
記録媒体表面のインク吸収性差は、インク吸収層塗布時もしくは塗布後のインク吸収層に対するパターニングや、インク吸収性がインク吸収層と異なりかつ凹凸形状をパターニングされた下層上にインク吸収層を塗布することなどで形成することができる。製造済の記録媒体のインク吸収層に対し後処理としてパターニングする方法も好ましい。記録媒体のインク吸収層に対し後処理として加圧を用いて凹凸形状をパターニングする方法は、凹凸形状とインク吸収性差を同時に形成することができ、好ましい。
記録媒体表面の平面方向のパターンは、親水性/疎水性差を有することも好ましい。インクを平面方向に移動させ、所定の位置に定着させることができるとともに、インク液滴の分割をより効果的に制御でき、好ましい。
記録媒体表面の親水性/疎水性差は、インク吸収層塗布時もしくは塗布後のインク吸収層に対するパターニングや親水性/疎水性がインク吸収層と異なりかつ凹凸形状をパターニングされた下層上にインク吸収層を塗布することなどで形成することができる。製造済の記録媒体のインク吸収層に対し後処理としてパターニングする方法も好ましい。
インク吸収層の下層の平面方向のパターンが、凹凸形状を有することも好ましい。インクの平面方向の移動範囲や定着位置を制御できるとともに、記録媒体表面に前述の効果をもたせることもでき、好ましい。
インク吸収層の下層の凹凸形状は、製造工程中にインク吸収層の下層をパターニングする方法や事前にパターニングされた下層を積層する方法などで形成することができる。事前にパターニングされたRC層を下層として積層する方法や事前にパターニングされた樹脂フィルムなどを基材として用いる方法も好ましい。
以下、まず平面方向のパターンとして、インク吸収層表面に凹凸形状およびインク吸収性差を有する場合の一例を説明する。図1は、インクの印字領域にパターンを配置した本発明の一例の模式図である。図2は、インクの印字領域にパターンを配置していない従来例の一例の模式図である。(a)はインク印字方向から見た図であり、(b)は記録媒体101、201の断面方向から見た図である。凸部の上面103のインク吸収性よりも凹部の底面104のインク吸収性を若干低くしている。このパターンは、例えば細孔を有するインク吸収層102を塗布し、その後適性に制御された加圧処理を凹部のみに行うことなどによって形成することができる。またその凹部の押し込み量を適性にすることによって、インク吸収層全体のインク吸収総量はそれほど低下させずに、凹部底面部表面のインク吸収速度を若干低下させることができる。
プリンタから吐出されたインク液滴は凸部に衝突し、複数に分割される。分割されたインク液滴は凹凸形状および凹部底面部のインク吸収速度が若干遅いことにより移動させられ(広がり)、インク吸収速度が変化していない凸部上面やインク吸収速度が若干低い凹部底面などで吸収され所定の位置に定着する。
図1のインクドット111、112、113は、インク液滴が分割され、移動し、所定の位置に定着しているため(パターンがない場合の推定インクドット位置を破線で示す)、図2のインクドット濃度と異なるより低い濃度のインクドットを有する。つまり淡インクを用いずとも、インクドット濃度の諧調数を増やすことができている。その結果、淡インクを用いずに、淡インクを用いた場合と同様にバンディングやハイライト部の粒状性の改善効果をもたらすことができる。またこの作用は、インク吐出量を増やさずに実現できているため、インク吸収層のインク吸収総量に余力を残す効果ももたらす。
また図3に示すように、ハイライト部の画素濃度を向上させる作用も有するため、同一画素濃度を形成するためのインク使用量を削減する効果ももたらすし、インク吸収層のインク吸収総量に更に余力を残す効果ももたらす。この画素濃度向上のメカニズムは以下のように考えられる。ハイライト部での画素濃度は、インク吐出総量が同じ場合、個別のインクドットの膜厚低下による濃度低下よりもインクドットの占める総面積比増加の効き率の方が大きくなる。図1は図2に対し、個別にみれば濃度の低いインクドットを多く含むが、インクドットの占める総面積比は大きくなっている。このことによって、この画素濃度向上作用がもたらされていると考えられる。
光沢度を制御できる効果も有する。図2のインクドット211の端部近傍に見られようなインクドット表面の傾斜は、巨視的な光沢度を変化(低下)させる重要な要因の一つである。図1においては、凹部の傾斜面を適性に設定することによってインクドット端部近傍の傾斜角を制御することができ、巨視的な光沢度を制御できる。
擦過性を向上させる効果も有する。図1においては、インク膜を凹部で保持ことによって保護することができ、擦過性を向上できる。
またインク滲みを制御できる効果も有する。図1と同じ記録媒体に、インクドットが重なるように印字した一例を図4に示す。同様に図2と同じ記録媒体に、インクドットが重なるように印字した一例を図5に示す。図4、図5ともインク印字方向から見た図である。図5の場合、最初に印字されたインクドット212と次に印字されたインクドット213の関係で、いろいろな程度のインク滲みが生じる。例えばインクドット212印字直後にインクドット213を印字した場合などにインク滲みが大きくなりやすい。つまりプリンタ条件、印字条件へ様々な制限条件を与える。それに対し図2では、パターンがない場合の推定インクドット114、115は分割され、共通領域をインクドット111内に制限することができるため、印字時間間隔などに対する許容度が高い。このことにより、微視的なインク滲みをあらかじめ意図された範囲に制限することができ、巨視的に観測されるインク滲みを制御することができる。
次に、平面方向のパターンとして、インク吸収層表面に凹凸形状および親水性/疎水性差を有する場合の一例を説明する。図6は、インクの印字領域にパターンを配置した本発明の別の一例の模式図であり、記録媒体101の断面方向から見た図である。相対的にインク吸収層102よりも疎水性のインク吸収層の下層105が凹凸形状を有しており、インク吸収層の表面の一部に顔を出している。このパターンは、例えば事前にパターニングされた相対的にインク吸収層よりも疎水性のRC層を積層し、その後細孔を有するインク吸収層を塗布することなどによって形成することができる。
プリンタから吐出されたインク液滴は相対的に疎水性の凸部でより効果的に複数に分割され、凹凸形状および親水性/疎水性差により移動させられ、所定の位置に定着する。
次に、平面方向のパターンとして、インク吸収層表面に親水性/疎水性差およびインク吸収性差を有する場合の別の一例を説明する。図7は、インクの印字領域にパターンを配置した本発明の一例の模式図であり、記録媒体101の断面方向から見た図である。相対的に親水性の部分のインク吸収性よりも疎水性の部分106のインク吸収性を若干低くしている。このパターンは、例えば細孔を有するインク吸収層を塗布し、その後インク吸収層よりも疎水性の物質をインク吸収層の細孔を適度に目止めするようにパターニングすることなどによって形成することができる。またその塗布量を適性にすることによって、インク吸収層全体のインク吸収総量はそれほど低下させずに、インク吸収層表面の親水性/疎水性およびインク吸収速度を変化させることができる。
プリンタから吐出されたインク液滴は疎水性部分で複数に分割され、親水性/疎水性差およびインク吸収性差により移動させられ、所定の位置に定着する。
次に、平面方向のパターンとして、インク吸収層の下層に凹凸形状を有する場合の別の一例を説明する。図8、図9は、インクの印字領域にパターンを配置した本発明の一例の模式図であり、記録媒体101の断面方向から見た図である。インク吸収層の下層105に凹凸形状を有しており、インク吸収層102の層厚も分布を有している。図8はインク吸収層表面も凹凸形状を有しており、図9はほとんど平らである。このパターンは、例えば事前にパターニングされたRC層を積層し、その後細孔を有するインク吸収層を塗布することなどによって形成することができる。
特に図9の場合は、インク中に含まれる色材のほとんどがインク吸収層内部に拡散する場合、例えば染料インク用などに適している。プリンタから吐出されたインク液滴はまずインク吸収層内部に均等に拡散し、インク吸収層の下層のパターンに従って複数に分割され、所定の位置に定着する。この拡散は下層105の凹凸形状によって制限されるため、保管による経時変化などに対しても、より安定している。
またインク吸収層の下層に凹凸形状を有するため、そのアンカー効果により通常よりも平均層厚でみて厚いインク吸収層を塗布することが可能となり、インク吸収層全体のインク吸収総量を増やせる効果も有する。
下層の凸部部分のインク吸収層の層厚は30μm以下であることが好ましい。平面方向の一周期の最短部の距離と同程度とすることで本発明の作用が効果的にあらわれ、好ましい。また現状のインク吸収層塗布技術を簡便に適用でき、好ましい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
<評価サンプル作成1>
記録媒体表面にパターン121を有する記録媒体を作成した。具体的には、平面方向のパターンとして、インク吸収層表面に凹凸形状およびインク吸収性差をもうけた。インク印字方向から見たパターンを図10に示す。
まず記録媒体基材上に、シリカを主成分とし細孔を有する空隙タイプであり、層厚30μmのインク吸収層を有する記録媒体を準備した。次に図10のパターンの型として、回転して型付けを行う円筒形の金型を準備した。この金型の凹部の深さは、型付け時に記録媒体のインク吸収層に接触しない深さに設定した。次に記録媒体裏面側は弾性体とし、記録媒体表面側は前記金型を用い、加圧力を制御しながら型付けを行った。加圧力は、インク吸収層の凹部の平均深さが元のインク吸収層層厚30μmの約7%に相当する2μm程度、最大値が元のインク吸収層層厚30μmの10%に相当する3μmを超えないように制御した。
図10は縦方向がプリンタの記録媒体搬送方向、横方向がインクジェットヘッドの駆動方向になるように図示している。横方向は、一周期122を600dpiの約1/2に相当する20μmとし、凸部の上面の幅123は2μmとした。縦方向は、一周期124を600dpiにほぼ相当する40μmとし、凸部の上面の幅125は2μmとした。凹部の深さは前述のように2μmとした。
(比較例1)
型付けを実施しない以外は実施例1と同一とした。つまり、型付けを行う前の、シリカを主成分とし細孔を有する空隙タイプであり、層厚30μmのインク吸収層を有する記録媒体を用いた。
<評価1>
(プリンタ)
記録媒体搬送方向およびインクジェットヘッド駆動方向ともに1200dpiの印字が可能で、4plのインク液滴を吐出できる顔料インクプリンタを準備した。その際、記録媒体搬送方向に若干吐出むらの大きい、つまりバンディングが発生しやすい個体を選択した。
(印字)
前記プリンタを用い、記録媒体搬送方向およびインクジェットヘッド駆動方向ともに600dpiの間隔で、顔料ブラックインクを印字した。
(判定方法)
印字15分後のサンプルに対し、バンディング、粒状性、擦過性を目視判定にて、
○:ほとんど識別できない
△:気になる
×:顕著である
で評価した。
(評価結果)
評価結果を図12に示す。本発明によって、バンディング、粒状性、擦過性とも改善している。
バンディングと粒状性改善作用を確認するため、微視的観察を実施した。比較例1の観察結果の一部を図11に模式図で示す。バンディングが顕著に見られた部分の拡大図であり、破線は600dpiを示す仮想線である。インクドットは結果としてインク吸収層の白地の中に隙間のある状態でほぼ同じ濃度で若干ランダムに配置されていた。但し縦方向に間隔があいた領域が観察された。それに対し実施例1では、縦長長方形のインクドットに濃淡は見られたが、白地部分は少なく、インクドット配置上のくせも観察されず、本発明の作用が確認できた。
<評価サンプル作成2>
インク吸収層の下層にパターン121を有する記録媒体を作成した。具体的には、平面方向のパターンとして、インク吸収層の下層に凹凸形状をもうけた。インク印字方向から見たパターンを図13に示す。
まず図13のパターンの型として、回転して型付けを行う円筒形の金型を準備した。次に記録媒体基材として、インク受容層の反対面側は平滑面とし、インク受容層側は前記金型を用い、温度と加圧力を制御しながら型付けした型付き透明PETフィルムを作成した。温度と加圧力は、記録媒体基材の凹部の平均深さが約20μmになるように制御した。次にシリカを主成分とし細孔を有する空隙タイプのインク吸収層を、平均層厚30μmとなるように塗布した。
図10は縦方向がプリンタの記録媒体搬送方向、横方向がインクジェットヘッドの駆動方向になるように図示している。45度ななめ方向は、一周期126を30μmとし、凸部の上面の幅127は2μmとした。つまり縦横方向は、一周期を600dpiにほぼ相当する42μmとした。凹部の深さは前述のように20μmとした。
(比較例2)
型付けを実施しない以外は実施例1と同一とした。つまり、インク吸収層側も凹凸のないほぼ平滑な透明PETフィルムを作成し、その後シリカを主成分とし細孔を有する空隙タイプのインク吸収層を、平均層厚30μmとなるように塗布した。
<評価1>
(プリンタ)
記録媒体搬送方向およびインクジェットヘッド駆動方向ともに1200dpiの印字が可能で、4plのインク液滴を吐出できるブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色染料インクプリンタを準備した。
(印字)
前記プリンタを用い、カラー写真画を印字した。
(判定方法)
印字15分後のサンプルおよび30℃90%RHの条件で一週間放置後のサンプルに対し、インク滲みをインク吸収層の反対側から観察し、目視判定にて、
○:ほとんど識別できない
△:気になる
×:顕著である
で評価した。
(評価結果)
評価結果を図14に示す。本発明によって、印字後および放置後のインク滲みとも改善している。
現象としては比較例1の印字後サンプルは、濃度の高い部分および色の境界部分などに若干インク滲みが観察された。放置後ではそのインク滲みが増長されて判別しやすくなってきた。色材の拡散が進んだと考えられる。それに対し実施例1では、そのような傾向も観察されず、本発明の作用が確認できた。
インクの印字領域にパターンを配置した本発明の一例の模式図 インクの印字領域にパターンを配置していない従来例の一例の模式図 本発明と従来例のOD値の一例 本発明に複数のインクドットを印字した場合の一例の模式図 従来例に複数のインクドットを印字した場合の一例の模式図 インクの印字領域にパターンを配置した本発明の別の一例の模式図 インクの印字領域にパターンを配置した本発明の別の一例の模式図 インクの印字領域にパターンを配置した本発明の別の一例の模式図 インクの印字領域にパターンを配置した本発明の別の一例の模式図 インクの印字領域にパターンを配置した本発明の別の一例の模式図 比較例に複数のインクドットを印字した場合の一例の模式図 評価1の評価結果一覧表 インクの印字領域にパターンを配置した本発明の別の一例の模式図 評価2の評価結果一覧表
符号の説明
101、201 記録媒体
102、202 インク吸収層
103 インク吸収層の凸部の上面
104 インク吸収層の凹部の底面
105 インク吸収層の下層
111、112、113、114、115、211、212、213 インクドット
121 パターン

Claims (7)

  1. 基材上にインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、
    該インク吸収層はインクを吸収する細孔を有し、
    該インクジェット記録媒体表面または/およびインク吸収層の下層は、その状態が物理的および/または化学的に異なる平面方向のパターンを有し、
    該平面方向のパターンの一周期の最短部の距離は該細孔の平均周期よりも大きく30μmよりも小さいことを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記インクジェット記録媒体表面の前記平面方向のパターンは、凹凸形状、インク吸収性、親水性/疎水性の少なくともひとつの状態差を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記平面方向のパターンは凹凸形状とインク吸収性差を有し、相対的に凸部の上面はインク吸収性が高く凹部の底面はインク吸収性が低いことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 前記平面方向のパターンは凹凸形状と親水性/疎水性差を有し、相対的に凸部の上面は疎水性であり凹部の底面は親水性であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 前記平面方向のパターンは親水性/疎水性差とインク吸収性差を有し、相対的に疎水性の部分はインク吸収性が低く親水性の部分はインク吸収性が高いことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録媒体。
  6. 前記平面方向のパターンは凹凸形状を有し、凸部の上面と凹部の底面の高さ差は0.2μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
  7. 前記インク吸収層の下層の前記平面方向のパターンは、凹凸形状を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013233458A (ja) * 2013-08-26 2013-11-21 Ykk Corp ファスナーストリンガー及びスライドファスナー

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