JP2009060603A - 音響ダンピングの組成 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低い超音波周波数において有効なダンピングくさびを製作するための改良型の超音波ダンピングくさび材料組成を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態では、くさび体部を有する超音波探触子のダンピングくさびに関する組成であって、弾性係数の虚数部分対実数部分の比が少なくとも約5%でありかつ音響インピーダンスがくさび体部のそれ未満である粘弾性材料と、該粘弾性材料内において良好な分散性を提供しかつダンピングくさびの音響インピーダンスをくさび体部と実質的に整合させるような有効量の線条形充填材と、該線条形充填材のセトリングを防止することにより線条形充填材の均質性分布を維持するために組成の粘性を増大させるような有効量の粘性エンハンサーと、を備えた組成を開示する。
【選択図】図5

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は米国仮特許出願第60/956,415号(2007年8月17日提出)の優先権を主張するものである。
本発明は全般的には、超音波探触子に関するダンピングくさび内に使用されるもの(ただし、これに限らない)などの音響ダンピングの組成に関する。
フェーズドアレイトランスジューサを有する超音波探触子は、検査対象に傷欠陥が有るか否かを検査するために該検査対象内に音響波を斜方向角度で射入させる。この斜方向角度が第1臨界角より大きいと、スネルの法則に従って縦波(longitudinal wave)が消失し、検査対象内を伝播するのは新たに変換された横波(shear wave)だけとなる。1つの純粋波モードという簡略性は超音波検査に対する恩恵が大きい。検査対象内で使用する音響波は横波であることが好ましい。検査対象内に横波を生成させるようにトランスジューサには第1臨界角より大きい角度をもつくさびを取り付けるのが通常である。しかし、トランスジューサにより生成される縦波の一部はくさび体部−検査対象界面で反射される。アレイトランスジューサにより受け取るまでに、くさび内におけるこれらの縦波の多重反射が除去されないと、この縦波エコーによって受信超音波横波エコーから作成した画像にノイズが生じる。
横波超音波探触子は典型的には、その体部表面に対して角度を付けた検査対象と接触させる表面上で超音波トランスジューサと接続させたくさび体部と、トランスジューサの反対側のくさび体部前側を覆うようにはめ込んだダンピングくさびと、を有する。ダンピングくさびは受信した超音波信号からの縦波反射やエコーをできる限り低減させる目的で設けられている。このダンピングくさびは、超音波信号(1インチ当たりのdB減衰量(dB/in.)を単位として計測)の減衰と、くさび体部のインピーダンス(MRaylを単位として計測)の整合と、の両方を行う一方で、機械加工しかつその形状を維持するだけの十分な剛性をもたせなければならず、このためダンピングくさびの製造に使用する際の検討対象から多くの物質が除外される可能性がある。
ダンピングくさびの減衰及び/またはインピーダンス整合は最適でないことが多い。図1及び2は従来技術に関連する問題を表している。図1はダンピングくさび10による減衰が十分でないときの状況を表している。このケースでは、超音波探触子50は縦波(L波)を発生させるトランスジューサ30を有している。縦波(L)の一部は、くさび体部20と検査対象40の間の界面に入射したときに横波(S)に変換される。変換された横波(S)は検査対象40内を通過する。その間に、縦波(L)はくさび体部−検査対象界面35から反射して従来技術のダンピングくさび10内に入っており、したがってくさび体部−ダンピングくさび界面15及びくさび体部20を通過して戻されるエコーは依然としてトランスジューサ30で受信される程の十分な強度である。従来技術のダンピングくさび10とくさび体部20の間のインピーダンス整合が不適切であると、図2で示したように従来技術のダンピングくさび10によってくさび体部−ダンピングくさび界面15からの縦波(L)の反射及びエコーが強くなる。
これらの問題のそれぞれは、トランスジューサによる不用な縦波エコーの受信並びにノイズ信号の生成につながる。ダンピングによる減衰が周波数と正比例関係を有するため、超音波周波数が低くなるに連れてノイズが増大する。ある種の対象の超音波による検査で使用するには4MHz未満の動作周波数が望ましいが、周知のダンピングくさび材料組成を使う場合、非減衰の縦波からのノイズが検査を妨害する。例えば概ね1.5MHz〜2MHzのより低い周波数では、ある種の用途で必要となるような2MHzを超える周波数と比べてより大きな透過深度が提供される。しかし周知のダンピングくさび材料組成は縦波からのノイズ信号を減衰させるには不十分である。
縦波からのノイズを低減するために、超音波探触子設計者は3つの機構(散乱、吸収及び超音波幾何学的発散(geometric divergence))を用いることができる。散乱は、ダンピングくさび材料組成に充填材を追加して縦波を非コヒーレントに反射させることによって実施される。吸収は、音波エネルギーを熱に変換することによって波の強度を低減しており、これは使用する材料の粘弾性と関連する。幾何学的発散は、くさび体部−ダンピングくさび界面内に形成されるv型溝を利用する。
入手可能なダンピングくさびは、概ね2MHzなどの低周波数の縦波に対しては十分なダンピングを提供していない。図3及び4は、0.24インチと0.48インチのブロック(本明細書では、「肉薄」ブロック及び「肉厚」ブロックと呼ぶ)を水中に浸漬させたMereco Technologies Group Inc.より入手可能なEpoxy 303から構成された従来技術のダンピングくさびにより提供される周波数スペクトル応答及び減衰を表している。肉厚ブロックは例えば、4MHz〜2MHzの動作周波数で約−40dBの周波数応答範囲を有する。肉厚と肉薄の両ブロックは、4MHzでは約−80dB/in.、2MHzでは−40dB/in.だけ、また1MHzでは−20dB/in.を若干超える総減衰を示す。図4で分かるように、減衰関数は実質的に約−17.0(dB/in.)/MHzの傾斜をもつ直線である。
用途サイズの制約によってまた、ダンピングくさびの寸法したがって不用な音響波の減衰に利用可能なダンピング用材料の量が制限される。例えば幾つかの用途では、ダンピングくさびのサイズが2分の1インチ未満の肉厚までに制限される。したがって単にダンピングくさびに材料を追加することは、ダンピングをより効果的にするためのオプションになり得ない。ダンピングくさびの材料組成はまた、のこぎり、グラインダー及びその他のツールを用いて機械加工できるように十分に剛性である必要がある。
したがって、比較的低い超音波周波数において有効なダンピングくさびを製作するための改良型の超音波ダンピングくさび材料組成に対する要求が存在する。さらに、インピーダンス整合及び不用な音響波の減衰を最適化するような有効な超音波ダンピングくさびを設計するための方法が必要とされている。ダンピングくさび材料組成は有用な形状まで機械加工できるように十分に剛性である必要がある。
本発明の一実施形態では、くさび体部を有する超音波探触子のダンピングくさびに関する組成であって、弾性係数の虚数部分対実数部分の比が少なくとも約5%でありかつ音響インピーダンスがくさび体部のそれ未満である粘弾性材料と、該粘弾性材料内において良好な分散性を提供しかつダンピングくさびの音響インピーダンスをくさび体部と実質的に整合させるような有効量の線条形充填材と、該線条形充填材のセトリング(settling)を防止することにより線条形充填材の均質性分布を維持するために組成の粘性を増大させるような有効量の粘性エンハンサーと、を備えた組成を開示する。
ここで同じ要素または関連する要素を指示するために同じ参照番号を使用している図面を参照すると、図5は、検査対象40の表面に対してある角度をもってくさび体部または保護用ブロック20上に装着させた超音波トランスジューサ30を有する超音波角度ビームタイプ探触子50を表している。トランスジューサ30は、発生した縦波(L)が確実にくさび体部−検査対象界面35の位置で横波(S)に変換されることになるように、スネルの法則に従った第1臨界角を超える角度で装着されている。ダンピングくさび60は界面15の位置でくさび体部20と接続されている。超音波探触子50、くさび体部20、及び超音波くさび向けのダンピングくさび60に関する本明細書に記載し添付の図面に示したような製作及び配置は、単に例示である。
図5の描出に示したように、くさび体部−検査対象界面35で入射する縦波(L)から矢印Sで示した横波が変換されて、検査対象40を通過して伝播する。矢印Lで示した縦波は検査対象40の表面で反射され、くさび体部−ダンピングくさび界面15内を通過し、かつダンピングくさび60の内部において減衰が始まる。ダンピングくさび60の減衰特性は、ダンピングくさび60のサイドからくさび体部−ダンピングくさび界面15に再び到達する前に縦波Lが完全にダンピングすなわち減衰を受けるようにしている。縦波Lが完全に減衰されるため、トランスジューサ30が受信した超音波エコー内にはノイズ成分が全く存在せず、したがってまた不用な超音波縦波エコーからノイズのない画像を取得することができる。
ダンピングくさび60はくさび体部20の材料と音響インピーダンス整合している一方、さらに吸収機構を用いて音波エネルギーを消費して熱にするような高い音響信号減衰を提供するため、ダンピングくさび60は縦波L反射の排除という有益な効果をもたらす。ダンピングくさび60の一実施形態では、弾性係数の虚数部分対実数部分の比が少なくとも約5%でありかつ音響インピーダンスがくさび体部20のインピーダンス未満であるようなエポキシ(ただし、これに限らない)などの粘弾性材料を重量基準で100パーツ(parts)だけ存在させている。ダンピングくさび60は−17.0(dB/in.)/MHzよりかなり大きな減衰係数(例えば、約−65(dB/in.)/MHz〜約−85(dB/in.)/MHzの範囲)を示す。以下の検討では、弾性構成要素の係数と選択の関係についてさらに説明することにする。
ある粘弾性材料に関して、弾性係数を1つの複素数として表現できることは理解できよう。
Figure 2009060603
上式において、E’は貯蔵係数(storage modulus)でありまたE”は損失係数である。
純粋な弾性材料では、式(1)の虚数部分はゼロであり、したがって損失や減衰がない。粘弾性材料の損失係数は非ゼロである。したがって、E”が大きくなると、吸収や減衰がそれだけ大きくなる。典型的には、粘性がより高かったり、材料がより柔らかいと粘弾性が大きくなり、したがって減衰がより大きくなる。
粘弾性材料内の波の伝播は多次元問題であるが、簡略とするために1次元の問題として検討することが可能である。
Figure 2009060603
変位uはx軸寸法方向に沿った時間の関数として表すことができる。
Figure 2009060603
上式において、kはダンピング用材料の粘弾性の性質に由来する複素数波数(complex wave number)であり、またα(ω)は減衰係数であって、複素数波数kの虚数部分となる。
Figure 2009060603
Figure 2009060603
これによりdB単位とした減衰は次式で与えられる。
Figure 2009060603
またこれに対応して、減衰は粘弾性に固有の複素数材料特性の関数として表すことができる。減衰係数α(ω)は次式で表すことができる。
Figure 2009060603
ここで複素数縦波速度は次式となる。
Figure 2009060603
上式において、vはポアソン比であり、また複素数横波速度は次式で与えられる。
Figure 2009060603
したがって、粘弾性材料の複素特性は材料速度及び減衰によって表すことができる。速度は次式で表される。
Figure 2009060603
ヤング率は次式
Figure 2009060603
で表され、また横断係数(shear modulus)は次式で与えられる。
Figure 2009060603
上式において、cは縦波速度でありまたcは横波速度である。
次に、材料粘弾性及び減衰の評価に使用できるダンピング損失係数を生成するためにレイリーのダンピングモデルが検討される。動的システムに関する制御方程式は次式
Figure 2009060603
となり、またレイリーダンピングは次式で表される。
Figure 2009060603
上式において、臨界制動の端数値は次式
Figure 2009060603
となり、また、αは質量比例係数であり、これが低い周波数をダンピングさせており、またこれは粘性が高い流体を通過するモデル運動によって生じている、したがって絶対モデル速度と関連することになる。またβは剛性比例ダンピング係数であり、これが高い周波数をダンピングさせており、またこれは材料粘度特性に関連すると共に歪み率に比例している。これによって次式のようなダンピング損失係数の表現が得られる。
Figure 2009060603
ここで、弾性係数の実数部分に対する弾性係数の虚数部分の比は所与の周波数ωに関する剛性比例ダンピング係数に正比例することが理解できよう。
本発明の実施形態では、弾性係数の虚数部分対実数部分の比が少なくとも約5%でありかつインピーダンスがくさび体部20より小さい粘弾性材料を線条形の充填材と混合することによって、音響ダンピング動作性能が大幅に改善される。こうした粘弾性材料の非限定の例には、エポキシ類(例えば、Mereco Technologies Group Inc.より入手可能なEpoxy 303やEmerson & Cumingより入手可能なSTYCAST 1265 A/Bエポキシ)が含まれる。線条形充填材の非限定の例には、無機質のウィスカ(whisker)や繊維セラミックが含まれる。無機質のウィスカ及び繊維セラミックの非限定の例には、ガラス繊維(例えば、Owens Corning Co.より入手可能な731 EC Milled)やアルミナ繊維(例えば、3M Co.より入手可能なNEXTEL 610)が含まれる。線条形充填材は粘弾性材料内において良好な分散性を提供するような有効量が提供されており、これによって混合物の音響インピーダンスがくさび体部20の音響インピーダンスと実質的に整合する。縦波に約6%未満の全反射を生じさせるようなインピーダンス整合は受容可能である。混合物の粘性を高めこれによって充填材のセトリングを防止することにより線条形充填材の均質性分布を維持するために粘性エンハンサーが必要な量だけ追加される。粘性エンハンサーは粒子サイズが1マイクロメートル未満の無機質の充填材とすることができる。粘性エンハンサーの非限定の例には、非晶質シリカ(例えば、Cabot Corp.より入手可能なCAB−O−SIL未処理燻蒸シリカ)が含まれる。
次の表1は、本発明の幾つかの実施形態におけるダンピングくさび60向けの特性を有する組成を表したものである。
(表1 − ダンピングくさび材料組成)
Figure 2009060603
表1では、係数比の欄は粘弾性材料に関する弾性係数の実数成分に対する虚数成分の比を意味しており、また重量の欄はそれぞれが配合内に存在する重量基準のパーツ数を示している。配合1〜12は、非常に良好なダンピング特性を示すことが分かった。すべての場合に関して、追加する線条形充填材の最適量は、ダンピングくさび60と一緒に使用するくさび体部20の音響インピーダンスにその一部で依存する。というのはダンピングくさび60材料組成の音響インピーダンスを上昇させて整合くさび体部20の音響インピーダンスにできる限り接近させるために充填材が追加されるためである。
くさび体部20材料が異なれば音響インピーダンスが異なることになることを理解されたい。しかし、大部分のくさび体部20材料は約1.5〜3.5MRaylの音響インピーダンスを有することを理解されたい。したがって弾性係数の成分間の比が少なくとも約5%である粘弾性材料もまた同じ範囲やこれより低範囲の音響インピーダンスを有するべきであり、これによってダンピングくさび60材料組成の音響インピーダンスを線条形充填材の追加によってくさび体部20の音響インピーダンスと整合するまで上昇させることができる。
例示的なダンピングくさび60材料組成についてさらに以下の例で例証することにする。
(例1)
ダンピングくさび60材料組成は、音響インピーダンスを2.5MRaylまで上昇させるためにエポキシNo.2の重量基準100パーツに対して重量基準33パーツのガラス繊維充填材を混合させ、さらに重量基準3パーツの燻蒸シリカ粘性エンハンサーと混合させている。2.5MRaylの所望の音響インピーダンスは、概ね同じ2.5MRaylの音響インピーダンスを有するポリスチレン製くさび体部20と整合した。図6及び7に示すように、このダンピングくさび60材料組成により提供される周波数応答及び減衰は非常に良好である。図6は、肉厚の(0.48インチ)くさびを通して送信された音響信号の周波数応答を肉薄の(0.24インチ)くさびと比較して表している。図7において破線は、実線で表した実際の減衰量に関する最適当てはめ直線近似である。100/33/3の重量基準パーツ比で製作したダンピングくさび60は、約2%程度のくさび体部−ダンピングくさび界面15の反射、約−85.9(dB/in.)/MHzの減衰係数、並びに1MHzにおける約−106dB/in.の減衰を示しており、縦波からのノイズを実質的に排除することができた。このダンピングくさび60材料組成は、機械加工により所望のダンピングくさび60形状を形成できるような十分な硬さである。
(例2)
ダンピングくさび60材料組成は、エポキシNo.2、ガラス繊維充填材及び燻蒸シリカ粘性エンハンサーを100/20/3の比で混合することによって製造したものである。図8及び9に示すように、このダンピングくさび60材料組成により提供される周波数応答及び減衰は非常に良好である。図8は、肉厚の(0.48インチ)くさびを通して送信された音響信号の周波数応答を肉薄の(0.24インチ)くさびと比較して表している。図9において破線は、実線で表した実際の減衰量に関する最適当てはめ直線近似である。この直線近似の減衰係数は−72.2(dB/in.)/MHzである一方、2MHzにおける減衰は概ね−175dB/in.である。2.5MRaylの音響インピーダンスを有するポリスチレン製くさび体部20に対するインピーダンス整合では、くさび体部−ダンピングくさび界面15における反射は約6%未満であった。このダンピングくさび60材料組成は、機械加工により所望のダンピングくさび60形状を形成できるような十分な硬さである。
(例3)
ダンピングくさび60材料組成は、エポキシNo.2、ガラス繊維充填材、燻蒸シリカ粘性エンハンサーを100/30/3の比で混合することによって製造したものである。図10及び11に示すように、このダンピングくさび60材料組成により提供される周波数応答及び減衰は非常に良好である。図10は、肉厚の(0.48インチ)くさびを通して送信された音響信号の周波数応答を肉薄の(0.24インチ)くさびと比較して表している。図11において破線は、実線で表した実際の減衰量に関する最適当てはめ直線近似である。この直線近似の減衰係数は−82.1(dB/in.)/MHzである一方、2MHzにおける減衰は概ね−175dB/in.である。2.5MRaylの音響インピーダンスを有するポリスチレン製くさび体部20に対するインピーダンス整合では、くさび体部−ダンピングくさび界面15における反射は3%未満であった。このダンピングくさび60材料組成は、機械加工により所望のダンピングくさび60形状を形成できるような十分な硬さである。
(例4)
ダンピングくさび60材料組成は、エポキシNo.2、アルミナ繊維充填材(若干グラインドさせたもの)、燻蒸シリカ粘性エンハンサーを100/15/4の比で混合することによって製造したものである。図12及び13に示すように、このダンピングくさび60材料組成により提供される周波数応答及び減衰は非常に良好である。図12は、肉厚の(0.48インチ)くさびを通して送信された音響信号の周波数応答を肉薄の(0.24インチ)くさびと比較して表している。図13において破線は、実線で表した実際の減衰量に関する最適当てはめ直線近似である。この直線近似の減衰係数は−64.9(dB/in.)/MHzである一方、2MHzにおける減衰は概ね−130dB/in.であった。2.5MRaylの音響インピーダンスを有するポリスチレン製くさび体部20に対するインピーダンス整合では、くさび体部−ダンピングくさび界面15における反射は4%未満であった。このダンピングくさび材料は、機械加工により所望のダンピングくさび60形状を形成できるような十分な硬さである。
次の表2は、幾つかのダンピングくさび60材料組成に関する減衰係数を含む材料特性の計測値を表している。
(表2 − ダンピングくさび材料の音響特性計測値)
Figure 2009060603
次の表3は、同じダンピングくさび60材料組成に関するダンピング損失係数比の計算値を表している。
(表3 − ダンピングくさび材料特性(複素数))
Figure 2009060603
表2の減衰係数αは、表3のダンピング損失係数の場合と同様にして後続の各材料では増大することが理解できよう。
本発明の実施形態によるダンピングくさび60材料組成によれば、限られたスペース内にある比較的小型の構成要素に対する低周波超音波検査が可能となる。このダンピングくさび60材料組成によれば、高い減衰係数及びくさび体部20とのインピーダンス整合の恩恵により、実質的に無ノイズの超音波探触子によってくさび体部−ダンピングくさび界面15からの不用な縦波反射を実質的に排除することが可能である。このダンピングくさび60材料組成によれば、使用するダンピングくさび60のサイズを小さくし、超音波トランスジューサ30が発生させた非変換の縦波に起因するノイズの排除が可能となる。くさびサイズを小さくすることによって、前面をより短くしたくさびを、例えばパイプ溶接にかなり近づけて位置決めすることができ、これによりノイズを受容可能なレベルまで低減するのにより大きなくさびを必要とする探触子では検出不可能であった潜在的な損傷の検出が可能となる。
この記載では、本発明(最適の形態を含む)を開示するため、並びに当業者による本発明の製作及び使用を可能にするために例を使用している。本発明の特許性のある範囲は添付の特許請求の範囲によって規定していると共に、当業者により行われる別の例を含むことができる。こうした別の例は、本特許請求の範囲の文字表記と異ならない構造要素を有する場合や、本特許請求の範囲の文字表記と実質的に差がない等価的な構造要素を有する場合があるが、本特許請求の範囲の域内にあるように意図したものである。
従来技術の超音波探触子の右側立面図である。 従来技術の超音波探触子の別の右側立面図である。 2種類の厚さの従来技術のダンピングくさびを通過して送信される音響信号に関する周波数スペクトル応答を周波数対振幅の関数として表したグラフである。 図3の従来技術のダンピングくさびに関するdB/インチを単位とした音響信号減衰をヘルツ単位の動作周波数の関数として表したグラフである。 本発明の一実施形態による超音波探触子の右側立面図である。 本発明の一実施形態(例1)による2種類の厚さのダンピングくさびを通過して送信される音響信号に関する周波数スペクトル応答を周波数対振幅の関数として表したグラフである。 図6のダンピングくさびに関するdB/インチを単位とした音響信号減衰をヘルツ単位の動作周波数の関数として表したグラフである。 本発明の一実施形態(例2)による2種類の厚さのダンピングくさびを通過して送信される音響信号に関する周波数スペクトル応答を周波数対振幅の関数として表したグラフである。 図8のダンピングくさびに関するdB/インチを単位とした音響信号減衰をヘルツ単位の動作周波数の関数として表したグラフである。 本発明の一実施形態(例3)による2種類の厚さのダンピングくさびを通過して送信される音響信号に関する周波数スペクトル応答を周波数対振幅の関数として表したグラフである。 図10のダンピングくさびに関するdB/インチを単位とした音響信号減衰をヘルツ単位の動作周波数の関数として表したグラフである。 本発明の一実施形態(例4)による2種類の厚さのダンピングくさびを通過して送信される音響信号に関する周波数スペクトル応答を周波数対振幅の関数として表したグラフである。 図12のダンピングくさびに関するdB/インチを単位とした音響信号減衰をヘルツ単位の動作周波数の関数として表したグラフである。
符号の説明
10 従来技術のダンピングくさび
15 くさび体部−ダンピングくさび界面
20 くさび体部
30 トランスジューサ
35 くさび体部−検査対象界面
40 検査対象
50 探触子
60 ダンピングくさび

Claims (10)

  1. くさび体部を有する超音波探触子のダンピングくさびに関する組成であって、
    弾性係数の虚数部分対実数部分の比が少なくとも約5%でありかつ音響インピーダンスが前記くさび体部のそれ未満である粘弾性材料と、
    前記粘弾性材料内において良好な分散性を提供しかつ前記ダンピングくさびの音響インピーダンスを前記くさび体部と実質的に整合させるような有効量の線条形充填材と、
    前記線条形充填材のセトリングを防止することにより前記線条形充填材の均質性分布を維持するために該組成の粘性を増大させるような有効量の粘性エンハンサーと、
    を備える組成。
  2. 前記組成の前記構成成分は、次表の濃度で存在している、請求項1に記載の組成。
    Figure 2009060603
  3. 前記組成は所望の形状に合わせた機械加工を可能にするだけの十分な剛性である、請求項1に記載の組成。
  4. 前記組成は−17.0(dB/in.)/MHzを超える減衰係数を有する、請求項1に記載の組成。
  5. 前記線条形充填材は無機質のウィスカである、請求項1に記載の組成。
  6. 前記線条形充填材は繊維セラミックである、請求項1に記載の組成。
  7. 前記線条形充填材はガラス繊維である、請求項1に記載の組成。
  8. 前記線条形充填材はアルミナ繊維である、請求項1に記載の組成。
  9. 前記粘弾性材料はエポキシである、請求項1に記載の組成。
  10. 前記粘弾性材料は、約1.5〜3.5MRaylの音響インピーダンスを有する、請求項1に記載の組成。
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